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JP6077776B2 - 皮膚電気活動測定装置 - Google Patents

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Description

本発明は、皮膚電気活動測定装置に関し、より詳細には、実用的な電極を用いたときに発生する分極による影響を、印加電圧の周波数の制限なく、しかも、回路規模や部品点数を増大させることなく低減することのできる皮膚電気活動測定装置に関する。
従来から、精神活動状態を示すパラメータとして、皮膚電気活動(Electro Dermal Activity;EDA)がある。このEDAは、一般に、エクリン汗腺の活動による電気現象が表皮や汗腺管等の状態によって修飾されて出現すると言われており、発汗現象と深い関わりがある。
また、この皮膚電気活動(EDA)は、皮膚電位(skin potential activitiy;SPA)と皮膚コンダクタンス(skin conductance activity;SCA)とに大別され、皮膚電位活動(SPA)は、皮膚電位水準(skin potential level;SPL)と皮膚電位反射(skin potential reflex;SPR)に区別される。
皮膚電位水準(SPL)は、皮膚電位活動(SPA)の直流成分で、このSPLは、一般に、覚醒水準が高いとき(興奮しているとき)は陰性に高い値を示し、眠気を催したり、リラックスした状態ではSPLが陽性方向に傾く。
皮膚電位反射(SPR)は、皮膚電位活動(SPA)の交流成分で、痛覚,触覚,聴覚,視覚など外部環境変化による刺激や深呼吸・身体の動き、暗算や考え事をしてもSPRが頻発する。SPRの振幅は、刺激の強さとほぼ直線的な関係があると言われている。
これらの活動は、発汗神経活動の機能を反映していると考えられており、この活動を観測することで精神性発汗を定性的に知ることができる。
また、皮膚電気活動(EDA)は、皮膚表面内又は皮膚表面上で生物化学的プロセス及び生理的プロセスから生ずる電気的性質を表すものである。そして、この皮膚電気活動(EDA)は、検流計を用いて計測することができ、つまり、皮膚表面上にある2つの部位間に一定電圧を印加し、これらの間を流れる電流を測定することによって動作し、電気コンダクタンスを計算する。この計測の時間に対するグラフは、2つの構成要素を有する。すなわち、低周波数の「強壮」(tonic)成分(皮膚電気レベル(「EDL」ともいう)及びそれよりも高い高周波数の「位相」(phasic)成分(皮膚電気応答(「EDR」ともいう)である。低周波数成分の振幅は、個人間で大きく異なり、皮膚が環境における変化に順応して恒常性状態を達成するにしたがって経時的にゆっくりと変動する。高周波数成分は、ストレスが多い状況に対する個人の心理−肉体的反応に相関付けられるのである。このように、皮膚電気活動(EDA)は、人間の心理状態を反映していると考えられており、ゲームや携帯情報端末への応用が研究されている。
例えば、特許文献1に記載のものは、ユーザの生理信号(生体信号)を短時間モニタリングしてユーザの情緒状態を認識する情緒認識装置及び方法に関するもので、生体信号取得装置は、ユーザの生体信号を非浸襲的に受け入れる少なくとも一つ以上のセンサと、このセンサから入力された少なくとも一つ以上の生体信号(physiological signals)を増幅してフィルタリングする増幅/フィルタリング部、この増幅/フィルタリング部を通じて増幅及びフィルタリングされた信号を各信号別に分類して出力するマルチプレクサ(MUX)と、このマルチプレクサの出力をデジタル信号に変換するA/Dコンバータと、このA/Dコンバータにより変換されたデジタル信号をRF信号に変換した後、このRF信号をアンテナを通じて情緒認識装置に無線伝送するRF送信部を備えている。
また、特許文献2に記載のものは、生物計測(バイオメトリック)センサ、つまり、ストレス管理及び娯楽用途に用いた好適なバイオフィードバック方法及びデバイスに関するものである。このセンサは、第1及び第2面を有する筐体を含み、これらの表面は、生物計測信号を検出するのに適した電極となっている。この筐体は、第1面と、皮膚電気信号を検出するように構成されている第2面と、処理エレメント又はフィルタ・エレメントのようなエレメントとを有する。エレメントは、第2面と電気的に通信しており、筐体内に配置されている。エレメントは皮膚電気信号をフィルタ処理するように構成されている。
上述したような皮膚電気活動の測定においては、2つの測定電極を通じて被験者の皮膚に直流電圧を印加し皮膚コンダクタンス値又は皮膚インピーダンス値を測定する回路が、その簡便さから多く用いられてきている。
図1は、皮膚電気活動を測定するための電極の取り付け位置を示す図である。図1においては、被験者の指先の内側に2つの測定電極を取り付けている。
また、皮膚電気活動をはじめとする生体電気信号の測定電極には、湿式の銀・塩化銀電極が用いられることが多い。しかし、湿式電極は、取扱いの面で不便があるため、家庭用機器などでは乾式電極が好まれる。乾式電極の場合も銀・塩化銀電極が用いられる。
一方、測定電極と皮膚の間には分極電圧が発生することが知られている。発生する分極電圧の大きさは使用する電極に依存する。乾式電極の場合は、分極電圧による影響が測定上問題になりやすい。発生する分極電圧は、銀・塩化銀電極では比較的小さいが、ステンレスなどの実用的な電極では大きな分極電圧が発生し、その影響が問題になる。銀・塩化銀電極は、耐久性や加工性の面で民生品への適用は容易ではない。銀・塩化銀電極よりも安価で、入手や加工がしやすいなどの実用的な電極(例えば、ステンレス電極)を代わりに用いると、分極による影響が発生する。ここでいう分極電圧による影響は、例えば、分極電圧の揺らぎによる測定結果の不安定化やノイズ、分極電圧による電圧降下が起因の信号感度低下などである。この分極による影響は、直流電圧の代わりに交流電圧を印加して測定をおこなうことで、低減できることが知られている。
例えば、特許文献3に記載のものは、個人の自律神経系を監視する方法及び装置に関し、特に、皮膚コンダクタンスの自発的な変化を利用した痛みを検出する方法及び装置に関するものである。個人の身体部位における皮膚の領域上には、皮膚コンダクタンスの測定のためにセンサが配置されている。身体部位は好ましくは手や足であり、身体部位上の皮膚の領域は好ましくは手の掌側(手の平)か、或いは足底側(足の裏側の下)である。センサは、少なくとも2つの電極が皮膚領域に設置される接触電極を備えている。また、皮膚のコンダクタンスを測定するために交流電流が用いられ、この交流電流は、皮膚のコンダクタンスがほぼ線形な領域に対応する1000Hzまでの範囲の周波数を有すると有利である。また、測定信号が、例えば、主電源の周波数からの干渉を考え得る最小の範囲でしか影響を受けないことを保証するような周波数が選択され、その周波数は88Hzである。つまり、この特許文献3には、印加する交流電圧の周波数としては、電源ラインからのノイズを避けるために88Hzが好ましいことが言及されている。
図2は、従来の直流印加電圧による皮膚電気活動測定装置を説明するための構成図で、皮膚に直流電圧を印加して皮膚コンダクタンスを測定する従来技術を模式的に表したものである。人体(手の平)1には直流電圧源2の出力VexとI/V変換器3の入力電圧VINの差の電圧が、人体1に励起電圧として加わる。このとき、人体1の皮膚コンダクタンス値をSとすると、人体1にはi=(Vex−VIN)Sの電流が流れる。この電流iを測定すれば、Vex,VINは既知の値なので、人体1の皮膚コンダクタンス値Sを求めることができる。通常、iを直接測定することは難しいので、I/V変換器3で電圧に変換して測定する。このI/V変換器3は、通常増幅器(演算増幅器)にて実現される。なお、図中Rbは皮膚抵抗値を示している。
図2に示した測定装置の場合、皮膚に流れる電流の向きは常に一定である。皮膚に流れる電流の向きが一定だと、分極が発生するため測定データに影響を生ずる。
図3は、図2による皮膚コンダクタンスの測定結果を示す図で、電極に銀・塩化銀電極と、ステンレス電極を使用して同時に測定したときの波形を示している。銀・塩化銀電極におけるコンダクタンス変化に比べて、ステンレス電極ではコンダクタンス変化がとても小さくなっていることがわかる。
皮膚に直流電流を印加して測定する場合に起こるこの種の分極の問題は、上述した特許文献3で示されているように、直流電流を印加するかわりに、交流電流を印加して測定するとその影響をかなり低減できることが知られている。
図4は、従来の交流印加電圧による皮膚電気活動測定装置を説明するための構成図である。人体(手の平)11には交流電圧源12の出力VexとI/V変換器13の入力電圧VINの差の電圧が、人体11に励起電圧として加わる。このとき、人体11の皮膚コンダクタンス値をSとすると、人体11にはi=(Vex−VIN)Sの電流が流れる。この電流iを測定すれば、Vex,VINは既知の値なので、人体11の皮膚コンダクタンス値Sを求めることができる。なお、符号14は復調器を示している。
このようにすることで、分極の影響をかなり低減できることができる。これは、皮膚に印加される電流の向きが時間的に変化するため、分極が起こりにくくなるためでと考えられる。
特開2004−474号公報(特許第4101069号) 特表2010−518914号公報 特表2003−500149号公報(特許第4554090号)
しかし、交流法では電源ラインからのノイズを避けるために、選択できる周波数に制限が生じてしまい、例えば、商用電源周波数に近い周波数を印加電圧周波数として選択することはできないという問題があった。以下その理由について説明する。
図8(a)は、交流法で商用電源周波数と皮膚印加電圧周波数を十分離した場合、図8(b)は、交流法で商用電源周波数と皮膚印加電圧周波数が近い場合を示した図である。
皮膚電気活動は、通常0.5Hzから数Hzの周波数を持つため、交流法を用いて皮膚電気活動を測定した場合、皮膚電気活動信号は皮膚印加電圧周波数で変調される。皮膚電気活動信号を取り出すには、復調回路でベースバンド領域に復調する必要があるが、図8(b)に示すように、皮膚印加電圧周波数が、商用電源周波数に近いと商用電源に起因した外乱ノイズ(以下、商用電源ノイズ)を復調前のバンドパスフィルタ、バンドエリミネートフィルタや復調後のローパスフィルタにて減衰させるなどの除去が難しく、外乱ノイズを併せて復調することになってしまう。結果として皮膚電気活動の測定信号に大きなノイズが重畳されてしまう。したがって、図8(a)に示すように、皮膚印加電圧周波数を商用電源周波数から十分に離れたところに選ぶ必要があった。
しかしながら、皮膚印加電圧周波数として商用電源周波数よりも十分に低い周波数を選択した場合、皮膚電気活動を観測するに十分な測定信号帯域を確保しようとするとローパスフィルタにより商用電源ノイズを十分に減衰させることが難しくなる。
一方、商用電源周波数よりも十分に高い周波数を選択しようとした場合、周波数が高いほど皮膚のアドミタンス成分が支配的になってくるため、皮膚コンダクタンス変化を効率よく検出することが難しくなる。このような事情があるため、上述した特許文献3では、商用電源周波数よりも高い周波数で、皮膚コンダクタンスを効率よく取れ、かつ、商用電源ノイズの影響が少ない、88Hzを選択していると考えられる。
しかしながら、一般に商用電源周波数は50Hz又は60Hzに近く、88Hzという皮膚印加電圧周波数では商用電源ノイズの影響を排除することは難しい。
このように、交流法においては皮膚印加電圧周波数として選択できる周波数に制限が生じてしまうため、商用電源ノイズの影響を排除することが難しい、という問題があった。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、実用的な電極を用いたときに発生する分極の影響や、商用電源ノイズの影響を、印加電圧の周波数の制限なく低減することのできる皮膚電気活動測定装置を提供することにある。
本発明は、このような目的を達成するためになされたもので、請求項1に記載の発明は、測定電極と測定対象物との間に発生する分極電圧の影響を低減するように構成された皮膚電気活動測定装置において、前記測定対象物に前記測定電極を介して直流信号を供給する直流電源と、該直流電源からの直流信号により前記測定対象物の皮膚電気活動を検知するための前記測定電極を構成する第1の電極及び第2の電極と、前記直流電源と前記第1の電極及び前記第2の電極に接続された複数のスイッチからなる極性切替部と、前記第1の電極と前記第2の電極とにより測定された前記皮膚電気活動に基づく信号を増幅する増幅器とを備え、前記極性切替部は、前記複数のスイッチとして、前記測定対象物の入力側に直列に設けられた第1及び第2のスイッチと、前記測定対象物の出力側に直列に設けられた第3及び第4のスイッチとを備え、前記第1の電極が前記第1及び第2のスイッチの中点に接続され、前記第2の電極が前記第3及び第4のスイッチの中点に接続され、
前記第1のスイッチ及び前記第4のスイッチがオンの時に、前記直流電源と前記第1のスイッチと前記第1の電極と前記測定対象物と前記第2の電極と前記第4のスイッチとを介して前記増幅器に信号が流れる第1の信号経路と、前記第3のスイッチ及び前記第2のスイッチがオンの時に、前記直流電源と前記第3のスイッチと前記第2の電極と前記測定対象物と前記第1の電極と前記第2のスイッチとを介して前記増幅器に信号が流れる第2の信号経路とを構成して、前記第1の信号経路と前記第2の信号経路とを所定の周期で切り替える切り替え動作を行うことを特徴とする。
また、請求項に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記極性切替部による切り替え動作から所定時間以内は、前記皮膚電気活動に基づく信号を測定しないことを特徴とする。
また、請求項に記載の発明は、請求項に記載の発明において、前記所定時間は、0.01秒であることを特徴とする。
また、請求項に記載の発明は、請求項1乃至のいずれかに記載の発明において、前記切り替え動作の周期は、1Hzから100Hzの範囲内であることを特徴とする。
また、請求項に記載の発明は、請求項1乃至のいずれかに記載の発明において、前記切り替え動作の周期は、1Hzから80Hzの範囲内であることを特徴とする。
また、請求項に記載の発明は、請求項1乃至のいずれかに記載の発明において、外乱ノイズを除去するために前記増幅器にフィルタ部を設けたことを特徴とする。
また、請求項に記載の発明は、請求項1乃至のいずれかに記載の発明において、前記増幅器が差動増幅器で、前記第1の信号経路と前記第2の信号経路の各々は、前記差動増幅器の極性の入力部を経路に含むことを特徴とする。
また、請求項に記載の発明は、請求項1乃至のいずれかに記載の発明において、前記増幅器によって増幅されたアナログ信号をデジタル信号に変換するA/D変換部と、該A/D変換部からのデジタル量を記憶する記憶部とを備えていることを特徴とする。
また、請求項に記載の発明は、請求項1乃至のいずれかに記載の発明において、前記極性切替部の前記第1の電極及び前記第2の電極の極性を切り替え制御する制御部を備えていることを特徴とする。
また、請求項10に記載の発明は、請求項1乃至のいずれかに記載の発明において、電極材質が、銀・塩化銀,ステンレススチール,鉄,ニッケル,銅,アルミニウムのいずれかであることを特徴とする。
本発明によれば、実用的な電極を用いたときに発生する分極の影響や、商用電源ノイズの影響を、印加電圧の周波数の制限なく低減することのできる皮膚電気活動測定装置を提供することが可能となる。
皮膚電気活動の測定するための電極の取り付け位置を示す図である。 従来の直流印加電圧による皮膚電気活動測定装置を説明するための構成図である。 図2による皮膚コンダクタンスの測定結果を示す図である。 従来の交流印加電圧による皮膚電気活動測定装置を説明するための構成図である。 本発明に係る皮膚電気活動測定装置の実施例1を説明するための構成図である。 (a),(b)は、図5における極性切替部の具体的な回路構成を示す図である。 スイッチのタイミングチャートを示す図である。 (a)乃至(c)は、従来の交流電圧の印加法と本発明における印加電圧極性切替法による比較を説明するための図である。 本発明による印加電圧極性切替法を適用した回路で取得した皮膚電気活動にともなう皮膚コンダクタンス波形図である。 皮膚の等価回路モデルを示す図である。 印加電圧切替によってノイズを重畳する理由を説明するための図である。 印加電圧切替に伴うノイズの模式図である。 ステンレス電極を使用した場合と、Ag/AgCl電極を使用した場合における時間に対する皮膚コンダクタンスの関係を示す図である。 (a),(b)は、電圧印加切り替えと電圧切り替え時のI/V変換入力部の電圧の関係を示す図ある。 本発明に係る皮膚電気活動測定装置の実施例2を説明するための構成図である。 本発明に係る皮膚電気活動測定装置の実施例3を説明するための構成図である。
以下、図面を参照して本発明の各実施例について説明する。
図5は、本発明に係る皮膚電気活動測定装置の実施例1を説明するための構成図である。図中符号21は測定対象物(人体の皮膚など)、22は直流電流源又は直流電圧源、23は増幅器、24は測定電極、24aは第1の電極、24bは第2の電極、25は極性切替部(印加電圧極性切替部)、26は制御部、27はフィルタ部、28は出力部、29はA/D変換部、30は記憶部(内部記憶部)を示している。
本発明の皮膚電気活動測定装置は、測定電極24と測定対象物21との間に発生する分極電圧の影響を低減するように構成された皮膚電気活動測定装置である。直流電源22は、直流電流源又は直流電圧源を意味し、測定対象物21に測定電極24を介して直流信号を供給するものである。
測定電極24は、第1の電極24aと第2の電極24bとを備え、直流電源22からの直流信号により測定対象物21の皮膚電気活動を検知するためのものである。増幅器23は、第1の電極24aと第2の電極24bにより測定された皮膚電気活動に基づく信号を増幅するためのものである。
また、極性切替部25は、直流電源22と第1の電極24a及び第2の電極24bに接続された複数のスイッチから構成されており、この極性切替部25の複数のスイッチを切り替えることにより、直流電源22と第1の電極24aと第2の電極24bと増幅器23の順に信号が流れる第1の信号経路と、直流電源22と第2の電極24bと第1の電極24aと増幅器23の順に信号が流れる第2の信号経路とを構成して、第1の信号経路と第2の信号経路とを所定の周期で切り替える切り替え動作を行うものである。
また、極性切替部25による切り替え動作から所定時間以内は、皮膚電気活動に基づく信号をサンプリングしないように構成されている。この所定時間は、0.01秒であることが望ましい。つまり、極性切替部25により直流電源22からの直流電流又は直流電圧の印加される第1の電極24aと第2の電極25bとが切り替えられたのち、所定期間である0.01秒間は、増幅されたアナログ信号をA/D変換部29でデジタル信号に変換しないし、変換されたデジタル量を記憶部30に記憶しないことになる。
また、切り替え動作の周期は、1Hzから100Hzの範囲内であること、又は、1Hzから80Hzの範囲内であることが望ましい。
フィルタ部27は、外乱ノイズを除去するために増幅器23に接続されている。また、増幅器23によって増幅されたアナログ信号をデジタル信号に変換するA/D変換部29と、このA/D変換部29からのデジタル量を記憶する記憶部30とを備えている。また、制御部26は、極性切替部25の第1の電極24aと第2の電極24bの極性を切り替え制御するものである。
また、電極材質は、銀・塩化銀,ステンレススチール(SUS),鉄,ニッケル,銅,アルミニウムなどの乾式電極を利用することができる。これらを混在して使用してもよい。
図6(a),(b)は、図5における極性切替部の具体的な回路構成を示す図で、図6(a)は第1の信号経路を構成する皮膚電気活動の測定フェイズ1を示す図で、図6(b)は第2の信号経路を構成する皮膚電気活動の測定フェイズ2を示す図である。図中符号31は測定対象物(人体の皮膚など)、32は直流電圧源、33はI/V変換器(図4における増幅器23に相当)、34は極性切替部(印加電圧極性切替部;図4における極性切替部25に相当)、A点は第1の電極位置、B点は第2の電極位置を示している。
図5に示した本発明の皮膚電気活動測定装置は、直流電圧源32とI/V変換器33の間に印加電圧極性切替部34を設け、人体に接触した2つの測定電極のうちの直流電圧を印加する電極と、増幅器に接続される電極を交互に切り替えるように構成されている。
この印加電圧極性切替部34は、交流信号発生回路や復調回路に比べて簡単で、かつ部品点数も少ないことから、集積回路化に際してコスト増とならない、分極による影響の低減手段を提供することができる。また、印加電圧極性切替部34は、皮膚31に接触する測定電極間にかかる電圧を所定の切替時間Tで切り替えることができるものである。
極性切替部34を構成する第1乃至第4のスイッチSW1乃至SW4が、皮膚31の入力側に直列に設けられた第1及び第2のスイッチSW1,SW2と、皮膚31の出力側に直列に設けられた第3及び第4のスイッチSW3,SW4を備え、第1の電極24aが第1及び第2のスイッチSW1,SW2の中点Aに接続され、第2の電極24bが第3及び第4のスイッチSW3,SW4の中点Bに接続されている。
図6(a)に示すように、第1のスイッチSW1と第4のスイッチSW4がオンの時に、第1のスイッチSW1と第1の電極24aと皮膚31と第2の電極24bと第4のスイッチSW4を介して第1の信号経路が構成され、図6(b)に示すように、第3のスイッチSW3と第2のスイッチSW2がオンの時に、第3のスイッチSW3と第2の電極24bと皮膚31と第1の電極24aと第2のスイッチSW2を介して第2の信号経路が構成されている。
つまり、図6(a),(b)は、直流電圧源32とI/V変換器33との間に、4つのスイッチSW1乃至SW4を設けている。SW1とSW4は、同位相でオン・オフを繰り返す。一方、SW2とSW3は、その逆の位相でオン・オフを繰り返す。いま仮に、図6(a)に示すように、SW1とSW4がオンの期間をΦ1とする。図6(b)に示すように、SW2とSW3がオンの期間をΦ2とする。切替時間Tは、Φ1とΦ2で異なっても構わない。
図7は、スイッチのタイミングチャートを示す図である。
皮膚にかかる電圧の極性について考えてみると、Φ1のとき、スイッチは、SW1とSW4がオンになっている。このとき、皮膚には電流がA点(第1の電極24a)からB点(第2の電極24b)に向かって流れる。Φ2のとき、スイッチは、SW2とSW3がオンである。このとき、皮膚には電流がB点(第2の電極24b)からA点(第1の電極24a)へ流れる。このように、電流が流れる向きが交互に変わることで、分極の影響は大幅に低減される。
I/V変換器33に流れ込む電流の向きは、Φ1,Φ2において同じ向きで、従来の直流測定のときと変わらない。したがって、従来のI/V変換器をそのまま用いることもできる。
これらのスイッチは、トランジスタや半導体による電子スイッチが好ましいが、メカニカルリレーなどの機械式スイッチを用いることもできる。回路全体を集積回路化する場合は、スイッチを含め増幅器を集積回路に組み込むことができる。
なお、上述した本発明の実施例の説明では、電圧源から電圧が印加される例について述べているが、電圧源ではなく電流源を用いることや、出力電圧により電流源、電圧源と動作が切り替わるような電源系を用いることももちろん可能であることは言うまでもない。
また、上述した本発明の実施例の説明では、皮膚コンダクタンスを測定する例について説明したが、皮膚コンダクタンスの代わりに皮膚インピーダンスを用いてもよい。
図8(a)乃至(c)は、従来の交流電圧の印加法と本発明における印加電圧極性切替法による比較を説明するための図で、図8(a)は、交流法(商用電源周波数と皮膚印加電圧周波数を十分離した場合)、図8(b)は、交流法(商用電源周波数と皮膚印加電圧周波数が近い場合)、図8(c)は、本発明(スイッチ切替周波数に依らず一定の関係)を示す図である。
図8(a)乃至(c)に基づいて、本発明の効果である、交流法に比べて印加電圧の切り替え周波数の制限が少ないことについて以下に説明する。
課題のところでも述べたように、交流法においては、測定信号が皮膚印加電圧周波数で変調されるため、復調回路でベースバンド領域に復調する必要がある。したがって、図8(b)に示すように、皮膚印加電圧周波数が、商用電源周波数に近いと商用電源ノイズを復調前のバンドパスフィルタ、バンドエリミネートフィルタや復調後のローパスフィルタにて減衰させるなどの除去が難しくなり、外乱ノイズを併せて復調することになり、結果として皮膚電気活動の測定信号に大きなノイズが重畳されてしまう。したがって、図8(a)に示すように、皮膚印加電圧周波数を商用電源周波数から十分に離れたところに選ぶ必要があった。しかしながら、皮膚印加電圧周波数として商用電源周波数よりも十分に低い周波数を選択した場合、皮膚電気活動を観測するに十分な測定信号帯域を確保しようとするとローパスフィルタにより商用電源ノイズを十分に減衰させることが難しくなる。
一方、商用電源周波数よりも十分に高い周波数を選択しようとした場合、周波数が高いほど皮膚のアドミタンス成分が支配的になってくるため、皮膚コンダクタンス変化を効率よく検出することが難しくなる。このような事情があるため、交流法においては商用電源周波数よりも高い周波数で、皮膚コンダクタンスを効率よく取れ、かつ、商用電源ノイズの影響が少ない、皮膚印加電圧周波数を選択する必要があり、具体的には、上述した特許文献3のように88Hz付近の皮膚印加電圧周波数を選択する必要がある。
しかしながら、実際上88Hzは、商用電源周波数である50Hz又は60Hzに近く、商用電源ノイズの影響を排除することは難しい。交流法においては、印加電圧周波数の制限とともに、高次のローパス、ハイパス又はバンドパスフィルタを用いる必要があり、ここでも回路規模の増大という問題があることがわかる。
本発明によれば、図8(c)に示すように、測定信号は印加電圧切替周波数によって変調されることがない。信号と商用電源ノイズは印加電圧切替周波数に依らず測定信号の帯域からは常に十分に離れており、ローパスフィルタにより商用電源ノイズを制限することが簡単であるため、印加電圧切替周波数の選択幅が広がるうえに、フィルタに対する要求も厳しくないのでフィルタなどの設計の自由度が高く、また、回路規模や部品点数も抑えられる。
図9は、本発明による印加電圧極性切替法を適用した回路で取得した皮膚電気活動にともなう皮膚コンダクタンス波形図である。測定電極には、図3と同様に、銀・塩化銀電極とステンレス電極を用いている。図9と図3とを比較すると、従来は、ステンレス電極を用いたときに分極の影響で銀・塩化銀電極と同様の波形を得ることができなかったが、本発明の適用により、回路規模を増大させることなく、ステンレス電極でも銀・塩化銀電極を用いたときと同等の波形が得られるようになった。なお、この効果は、ステンレス電極だけでなく、銅やニッケル、鉄などの他の電極(特に分極の影響を受けやすい乾式電極)においても有効であり、もちろん銀・塩化銀電極を用いた場合に適用することも有効であり、これらを混在して使用してもよい。
印加電圧極性切替部34により印加電圧を切り替える場合に、電圧の切替に伴って発生するノイズが問題になることがある。これは、人体には、図6(a)に示したような抵抗成分だけでなく、実際には、図10のようになっており、容量成分Cが抵抗Rに並列に存在しているためである。
図10は、皮膚の等価回路モデルを示す図である。
図10に示す等価回路モデルにおいて、Rは皮膚の真皮、Rは表皮、Zは主に汗腺活動に伴って変化する可変インピーダンス(図6(a),(b)におけるRb)を表している。
図11は、印加電圧切替によってノイズを重畳する理由を説明するための図である。この図11を用いて、電圧の切替に伴うノイズの生じる原因について説明する。いま仮に、P点にVin、Q点にVexの電圧がかかっているとする(Vex>Vin)。このとき、Q点からP点には、i=(Vex−Vin)/(R+(R//R))の電流が流れている。また、容量CにはQ=C(Vex−Vin)の電荷が蓄えられている。ここで、電圧を切り替えて皮膚に印加される電圧が逆転したときを考える。すると、P点からQ点に、先と同じ電流iが流れると同時に、容量Cに充電されていた電荷Qの放電による電流iが重畳する。このiがノイズである。
図12は、印加電圧切替に伴うノイズの模式図で、電圧の切り替え時に生じるノイズの波形を模式的に描いたものである。このノイズの緩和時間τは、先に挙げた皮膚の等価回路で表される電気的特性からτ=1/(RC)のように決まり、切替時間Tには依らない。
このようなノイズが生じている波形で、ノイズの生じている部分を測定すると、本来の電流値よりも大きな電流値が測定されてしまうため、正しい皮膚コンダクタンスを測定できないという問題がある。
この印加電圧の切替で生じるノイズの影響を避けるには、例えば、このノイズの影響が大きく見られる期間τではなく、このノイズの影響が十分におさまった期間τに測定を行えばよい。
τの時間でも、いつも同じタイミングのところを測定するようにすれば、スイッチの切替によるノイズの量はいつも一定になるので問題はないと考えるかもしれないが、図10に示す等価回路におけるインピーダンスZ以外の抵抗成分は、そのときの人の状態や、人の置かれている環境によってゆっくりと変化する。したがって、緩和時間τ1も人の状態や周囲の環境によって変わる。したがって、たとえスイッチ切替後のいつも同じタイミングで測定していたとしても、スイッチ切替によるノイズの量は一定にはならない。
スイッチ切替時間Tcには、その時間範囲に制限が存在する。Tが長いとき、τはTに依らないので、τが長くなる。しかし、Tが長くなると、もともとの課題である分極の影響が発生し問題になってくる。したがって、スイッチはある時間以内に切り替える必要がある。
図13は、ステンレス電極を使用した場合と、Ag/AgCl電極を使用した場合における時間に対する皮膚コンダクタンスの関係を示す図である。図13に示すように、皮膚にステンレス電極を取り付けて、通電し始めてから分極電圧が安定するまでに10秒程度かかることがわかる。したがって、Tが10秒以上の場合は、スイッチ切り替えによって分極の影響を排除できないことがわかる。Tcが10秒以内であれば、本発明により分極の影響を少なくする効果があるといえる。したがって、本発明の効果が有効な範囲として、交番周波数が0.1Hz以上といえる。なお、交番周波数の下限として、皮膚コンダクタンスの測定値がステンレス電極と分極の影響を少ないAg/AgCl電極で同等である範囲としては、交番間隔が1秒、すなわち、交番周波数は1Hz程度がよいといえる。また、測定値が交番間隔1秒と10秒の中間を示す3秒程度、すなわち、交番周波数3Hzなどを選んでも良い。
図13において、本発明を適用した場合に、ステンレス電極と銀・塩化銀電極での測定値の差異が少ない領域として、T<1秒が好ましい。また、分極の影響が飽和していないという視点でTc<3sを選んでもよい。Tc<3sならば、分極による影響は顕著ではなく、皮膚電気活動を測定することが可能となる。この場合は、印加電圧切り替え時間内の測定値の変動の影響を少なくするために、印加電圧切り替え時間内の測定値を平均化するなどの方法を組み合わせることでもよい。
一方、Tが短くなると、τが短くなっていき、Tがτに近づくとτは0になる。τが0になるとスイッチ切替に伴うノイズの影響を受けずに測定することができなくなる。このため、ノイズの影響を受けずに測定するためには、Tに下限値が存在することになる。
図14(a),(b)は、電圧印加切り替えと電圧切り替え時のI/V変換入力部の電圧の関係を示す図で、図14(a)は電圧印加切り替え時の印加電圧、図14(b)は電圧切り替え時のI/V変換入力部の電圧を示す図ある。図14(b)に示すように、ノイズが安定するまでの時間は約0.01秒であり、電圧切り替え直前と、ノイズの影響の収まった時点とで測定をすることにより、0.01秒ごとに測定をすればノイズの影響を受けずに測定できることがわかる。すなわち、T>0.01秒が好ましい。
以上のことから、スイッチ切替時間Tは、0.01秒から10秒の間であること(すなわち、切り替え周波数が1Hzから100Hzの間)を選ぶことが肝要であり、その中でも、Tc<3秒が好ましい。さらに、Tc<1秒とすれば、分極の影響をほとんど受けずに測定できるという点でさらに好ましい。
電圧切り替えによるノイズは、電極の大きさや材質、また人による差異の影響を受けることもある。図14(b)は、電極として標準的な直径10mm程度の物での測定値だが、電極面積を大きくすると、図10の等価回路の容量分が大きくなるため、切り替え時間が短いとノイズの影響を受けやすくなる場合もある。その場合は、切り替え時間として例えば0.0125秒以上、すなわち、切り替え時間が80Hz以下を選択するなどが好ましい。
さらに、電圧切り替えに伴うノイズの影響を受ける期間には測定をしないような制御として次のようなやり方も可能である。例えば、電圧切り替え後、τの期間は測定しない、もしくは測定した測定値を破棄するという制御をする。例えば、A/D変換部を備え、増幅後の測定信号をデジタルデータに変換し、内部記憶部に記憶する構成とした場合に、測定信号は0.1秒ごとに取得し、デジタルデータに変換するが、τの期間はデジタルデータへの変換を休止するというような制御が可能である。これ以外の方法での電圧切り替えに伴うノイズの影響を受ける期間には測定をしないような制御ももちろん可能である。
これ以外の方法でのスイッチ切り替えに伴うノイズの影響を受ける期間には測定をしないような制御ももちろん可能である。また、この電圧の切替で生じるノイズは、後段のI/V変換器の構成によって低減してもよい。また、フィルタによる低減など、さまざまな手段を用いることが可能である。
図15は、本発明に係る皮膚電気活動測定装置の実施例2を説明するための構成図で、図中符号35は差動増幅器を示している。なお、図6(a),(b)と同じ機能を有する構成要素には同一の符号を付してある。
2つの電極からの出力を差動入力を有する差動増幅器に接続することはよく行われる。本実施例2では、図5に示した実施例1における増幅器23が差動増幅器35で、図6(a),(b)に示した第1の信号経路と第2の信号経路の各々は、差動増幅器35の異極性の入力部を経路に含んでいる。
図15に示す場合も、上述した実施例1と同様に、直流電圧源32と差動増幅器35のあいだに印加電圧極性切替部34を設け、人体に接触した2つの電極のうちの直流電圧を印加する電極と、差動増幅器35に接続される電極を交互に切り替える形態である。
つまり、極性切替部34を構成するSW1の前段端子は差動増幅器35の一方の入力端子に接続され、極性切替部34を構成するSW4の後段段端子は差動増幅器35の他方の入力端子に接続されている。
このような構成により、第1の信号経路は、第1のスイッチSW1と第4のスイッチSW4がオンの時に、第1のスイッチSW1とA点(第1の電極)と皮膚31とB点(第2の電極)と第4のスイッチSW4と差動増幅器35の他方の入力端子を介して第1の信号経路が構成され、差動増幅器35には、直流電圧源32からの信号と、第1の信号経路からの信号とが入力される。
また、図15に示すように、第3のスイッチSW3と第2のスイッチSW2がオンの時に、第3のスイッチSW3とB点(第2の電極)と皮膚31とA点(第1の電極)と第2のスイッチSW2と差動増幅器35の他方の入力端子を介して第2の信号経路が構成され、差動増幅器35には、直流電圧源32からの信号と、第2の信号経路からの信号とが入力される。
図16は、本発明に係る皮膚電気活動測定装置の実施例3を説明するための構成図で、図中符号36は第2の極性切替部を示している。なお、図15と同じ機能を有する構成要素には同一の符号を付してある。
本実施例3においても、直流電圧を印加する電極を切り替えるとともに、2つの電極から差動増幅器35への入力信号経路も切り替えているが、直流電圧源32と差動増幅器35のあいだに印加電圧極性切替部34を設け、人体に接触した2つの電極のうちの直流電圧を印加する電極と、差動増幅器35に接続される電極を交互に切り替えている。
電極間に与える電圧の極性と、差動増幅器35に入力される信号の極性が同時に切り替わるように設定することが重要である。
第2の極性切替部36は、A点と差動増幅器35の一方の入力端子に接続されているSW5と、A点と差動増幅器35の他方の入力端子に接続されているSW6と、B点と差動増幅器35の一方の入力端子に接続されているSW7と、B点と差動増幅器35の他方の入力端子に接続されているSW8とで構成されている。
このような構成により、第1の信号経路は、第1のスイッチSW1と第4のスイッチSW4と第5のスイッチSW5と第8のスイッチSW8とがオンの時に、第1のスイッチSW1とA点(第1の電極)と皮膚31とB点(第2の電極)と第8のスイッチSW8と差動増幅器35の他方の入力端子を介して第1の信号経路が構成され、差動増幅器35には、一方の入力端子にスイッチSW5を介してA点からの信号と、他方の入力端子に第1の信号経路からの信号とが入力される。
また、図16に示すように、第3のスイッチSW3と第2のスイッチSW2と第6のスイッチSW6と第7のスイッチSW7とがオンの時に、第3のスイッチSW3とB点(第2の電極)と皮膚31とA点(第1の電極)と第6のスイッチSW6と差動増幅器35の他方の入力端子を介して第2の信号経路が構成され、差動増幅器35には、一方の入力端子にスイッチSW7を介してB点からの信号と、他方の入力端子に第2の信号経路からの信号とが入力される。
以上のように、本発明は、分極による影響を低減させるために、従来の皮膚に直流電圧を印加して測定を行う回路に、2つの電極に電圧を印加する経路を切り替える印加電圧極性切替部を設け、この印加電圧極性切替部はスイッチ(電子スイッチ)でも実現できるため、IC回路内部に容易に組み込むことができ、部品点数の増加や回路規模の大幅な増大にはつながらないという効果がある。また、本発明が、人間以外のペットの皮膚電気活動を測定する目的であっても適用可であるのはいうまでもない。
1,11 人体(手の平)
2,32 直流電圧源
3,13 I/V変換器
12 交流電圧源
21,31 測定対象物(人体の皮膚など)
22 直流電流源又は直流電圧源
23 増幅器
24 測定電極
24a 第1の電極
24b 第2の電極
25,34 極性切替部(印加電圧極性切替部)
26 制御部
27 フィルタ部
28 出力部
29 A/D変換部
30 記憶部(内部記憶部)
35 差動増幅器
36 第2の極性切替部

Claims (10)

  1. 測定電極と測定対象物との間に発生する分極電圧の影響を低減するように構成された皮膚電気活動測定装置において、
    前記測定対象物に前記測定電極を介して直流信号を供給する直流電源と、
    該直流電源からの直流信号により前記測定対象物の皮膚電気活動を検知するための前記測定電極を構成する第1の電極及び第2の電極と、
    前記直流電源と前記第1の電極及び前記第2の電極に接続された複数のスイッチからなる極性切替部と
    前記第1の電極と前記第2の電極とにより測定された前記皮膚電気活動に基づく信号を増幅する増幅器とを備え、
    前記極性切替部は、前記複数のスイッチとして、前記測定対象物の入力側に直列に設けられた第1及び第2のスイッチと、前記測定対象物の出力側に直列に設けられた第3及び第4のスイッチとを備え、前記第1の電極が前記第1及び第2のスイッチの中点に接続され、前記第2の電極が前記第3及び第4のスイッチの中点に接続され、
    前記第1のスイッチ及び前記第4のスイッチがオンの時に、前記直流電源と前記第1のスイッチと前記第1の電極と前記測定対象物と前記第2の電極と前記第4のスイッチとを介して前記増幅器に信号が流れる第1の信号経路と、前記第3のスイッチ及び前記第2のスイッチがオンの時に、前記直流電源と前記第3のスイッチと前記第2の電極と前記測定対象物と前記第1の電極と前記第2のスイッチとを介して前記増幅器に信号が流れる第2の信号経路とを構成して、前記第1の信号経路と前記第2の信号経路とを所定の周期で切り替える切り替え動作を行うことを特徴とする皮膚電気活動測定装置。
  2. 前記極性切替部による切り替え動作から所定時間以内は、前記皮膚電気活動に基づく信号を測定しないことを特徴とする請求項1に記載の皮膚電気活動測定装置。
  3. 前記所定時間は、0.01秒であることを特徴とする請求項に記載の皮膚電気活動測定装置。
  4. 前記切り替え動作の周期は、1Hzから100Hzの範囲内であることを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載の皮膚電気活動測定装置。
  5. 前記切り替え動作の周期は、1Hzから80Hzの範囲内であることを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載の皮膚電気活動測定装置。
  6. 乱ノイズを除去するために前記増幅器にフィルタ部を設けたことを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載の皮膚電気活動測定装置。
  7. 前記増幅器が差動増幅器で、前記第1の信号経路と前記第2の信号経路の各々は、前記差動増幅器の極性の入力部を経路に含むことを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載の皮膚電気活動測定装置。
  8. 前記増幅器によって増幅されたアナログ信号をデジタル信号に変換するA/D変換部と、該A/D変換部からのデジタル量を記憶する記憶部とを備えていることを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載の皮膚電気活動測定装置。
  9. 前記極性切替部の前記第1の電極及び前記第2の電極の極性を切り替え制御する制御部を備えていることを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載の皮膚電気活動測定装置。
  10. 電極材質が、銀・塩化銀,ステンレススチール,鉄,ニッケル,銅,アルミニウムのいずれかであることを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載の皮膚電気活動測定装置。
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