以下、図面に基づき本発明の実施の形態を説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係る画像形成システム5を示す。画像形成システム5は、画像形成装置10と、2台の後処理装置90A、90Bと、2台のPC(Personal Computer)端末91が、LAN(Local Area Network)3で接続されて構成されている。なお、後処理装置90Aと後処理装置90Bを総括して示す場合は、後処理装置90と記す。
画像形成装置10は、原稿を光学的に読み取ってその複製画像を記録紙に画像形成(印刷)するコピージョブ、読み取った原稿の画像データをファイルにして保存したり外部装置へ送信したりするスキャンジョブ、PC端末91から送出されたデータに係る画像を記録紙に画像形成して出力する印刷ジョブなどのジョブを実行する機能を備えた、所謂、複合機である。
PC端末91は、印刷ジョブを画像形成装置10に投入する役割を果たす。
後処理装置90は、印刷済みの記録紙に対して後処理を行う。後処理装置90は、画像形成装置10とオフラインの状態である。オフラインとは、記録紙の搬送経路が物理的には接続されていない状態を言う。ここでは、オフラインであるが、後処理装置90は画像形成装置10とネットワークにて通信可能に接続されている。ユーザは、画像形成装置で画像形成された記録紙を後処理装置90まで運んで行き、後処理装置90の給紙部にセットする。後処理装置90は、セットされた記録紙に対して後処理を施す。本実施の形態では、後処理装置90Aは、記録紙に対してクリアトナーの塗布(コート)を行うコータである。後処理装置90Bは、記録紙に対して中綴じ、中折りの他、記録紙の断裁を行う。
後処理装置90Aが行うクリアトナーを塗布する後処理では、各画素へのクリアトナーの分布量を決定するための画像データを必要とする。画像形成装置10でトナーが定着された部分は、そのトナー量に応じて記録紙の表面が盛り上がっているので、画像形成後の記録紙の表面には画像に応じた凹凸が存在する。クリアトナーの塗布は、記録紙の表面を光沢仕上げにするための後処理であり、より均一な光沢を得るためには、クリアトナーを塗布した後の表面に凹凸の無いことが望ましい。そこで、記録紙の各部へのクリアトナーの塗布量をその記録紙に画像形成されている画像(トナー像)に応じて調整する。すなわち、トナー像のある画素位置ではクリアトナーの塗布量をトナー像のない画素位置より少なくすることで、クリアトナー塗布後の記録紙の表面を凹凸の無い均一なものにする。後処理装置90Aが行う後処理は、上記のようにきめ細かくクリアトナーの塗布量を制御するために画像データを必要とする。
画像形成装置10は、印刷ジョブ(例えばPC端末91から受信した印刷ジョブ等)に基づいて記録紙に画像形成すると共に、画像形成された記録紙に対する後処理の実行をオフラインの後処理装置90に指示する後処理ジョブを生成し、これをオフラインの後処理装置90に送信する機能を備えている。後処理装置90Aに送信する後処理ジョブは、前述したクリアトナーの塗布に係る画像データを含んでいる。
図2は、画像形成装置10の機械的概略構成を示す。画像形成装置10は、後処理部11と、排紙口12A、12Bと、流し読みタイプ自動原稿給送装置13と、原稿読み取り用スリットガラス14と、プラテンガラス15と、スキャナ部31と、プリンタ部33と、第二給紙ローラ16と、大容量給紙トレイ17と、給紙トレイ18を備えている。なお、排紙口12Aと排紙口12Bを総括して示す場合は、排紙口12と記す。
後処理部11は、印刷済みの記録紙に対してインラインの後処理を行う。インラインとは、画像形成処理を行う機構(後述のプリンタ部33)と、後処理を行う機構(後処理部11)とが記録紙の搬送経路で物理的に接続されている(連結されている状態)状態のことである。インラインの後処理を行うよう設定されていれば、印刷後の記録紙は自動搬送装置によって後処理部11に搬送され、後処理が行われる。本実施の形態では後処理部11は、複数の記録紙を束ねてステイプルで綴じたり、パンチで穴を開けたりする機能などを有する。
排紙口12は、印刷された(または、インラインの後処理が施された)記録紙が自動搬送装置により搬送され排出される箇所である。
流し読みタイプ自動原稿給送装置13は、原稿を光学的に読み取って画像データを取得する(以後スキャンと呼ぶ)際に、原稿をセットする箇所である。流し読みタイプ自動原稿給送装置13は、一度に複数枚の原稿をセットすることができる。セットされた原稿は、1枚ずつ順番に後述の原稿読み取り用スリットガラス14上を通過するように搬送され、その際に後述のスキャナ部31によって画像が読み取られる。
原稿読み取り用スリットガラス14は、流し読みタイプ自動原稿給送装置13にセットされた原稿が搬送され、通過していく箇所である。原稿読み取り用スリットガラス14上を原稿が通過する際には、原稿に光が照射され、その反射光を受けて原稿が幅方向に1ライン分読み取られる。この1ライン分の読み取り箇所を原稿が通過し、その通過中に繰り返し原稿を読み取ることによって、原稿の画像が読み取られる。
プラテンガラス15は、原稿を光学的に読み取って画像データを取得する際に、原稿を1枚セットする箇所である。セットされた原稿は、後述のスキャナ部31によってスキャンされる。
スキャナ部31は、原稿に光を照射する光源と、原稿をその幅方向に1ライン分読み取るラインイメージセンサ(CCD31A、図3参照)と、このライン単位の読取位置を原稿の長さ方向に順次移動させる移動手段と、原稿からの反射光をラインイメージセンサに導いて結像させるレンズやミラーなどからなる光学経路などで構成される。スキャナ部31は、流し読みタイプ自動原稿給送装置13によって原稿を搬送することにより原稿を読み取り位置である原稿読み取り用スリットガラス14に対して相対移動させながら読み取る流し読み形式のほか、原稿をプラテンガラス15上に載置した状態で読み取ることができる。
プリンタ部33は、画像データに応じた画像を記録紙上に画像形成する機能を果たす。ここでは、感光体ドラムと、帯電装置と、レーザーユニットと、現像装置と、転写分離装置と、クリーニング装置と、定着装置、排紙に使用する記録紙搬送機構などを有し、電子写真プロセスによって画像形成を行う、所謂、レーザープリンタとして構成されている。画像形成出力(印刷)を行う際は、主走査方向への1ライン分の画像形成を繰り返しつつ、画像形成の対象物(記録紙)を副走査方向に移動させることによって、記録紙上に2次元の画像が形成される。
第二給紙ローラ16は、給紙トレイ18、または、大容量給紙トレイ17にセットされている記録紙を、プリンタ部33に搬送する装置である。
給紙トレイ18は、給紙される記録紙を複数枚蓄積収容する箇所である。画像形成装置10の給紙トレイ18は3つあり、それぞれに、異なるサイズの記録紙をセットすることが可能である。1つの場所には一度に約500枚の記録紙をセットすることができる。
大容量給紙トレイ17は、給紙トレイ18と同じく、給紙される記録紙を複数枚セットする箇所である。一度に約3000枚等、大量の記録紙をセットすることができる。
図3は、画像形成装置10の概略構成を示している。画像形成装置10は、当該画像形成装置10の印刷とスキャンに係る動作を制御するプリント&スキャナコントローラ20と、ジョブを実行するコピー装置30で構成されている。
プリント&スキャナコントローラ20には、PC端末91などの情報処理装置がLAN3などのネットワークを介して接続される。プリント&スキャナコントローラ20はPC端末91から送られてくる印刷ジョブに係る印刷データをラスタライズしてビットマップ形式のイメージデータを生成する(RIP(Raster Image Processor)処理する)機能を備えている。
コピー装置30は、プリント&スキャナコントローラ20の生成したイメージデータに基づいて記録紙上に画像を形成して出力するプリント出力機能を備えている。
プリント&スキャナコントローラ20は、当該プリント&スキャナコントローラ20の動作を統括制御するコントローラ制御CPU(Central Processing Unit)21と、LAN3に接続するための通信機能を果たすLANI/F(Interface)部24と、RIP処理により生成したイメージデータなどを記憶する画像メモリ23と、画像メモリ23へのデータのリード/ライト機能、コピー装置30との間で各種データを送受信する機能などを備えたDRAM(Dynamic Random Access Memory)制御部22を有している。
このほか、コントローラ制御CPU21には、当該コントローラ制御CPU21が読み出して実行するプログラムや固定データが記憶されたROM、コントローラ制御CPU21がプログラムを実行する際に各種データを一時的に格納するためのワークメモリなどが接続されている。
コピー装置30は、当該コピー装置30の動作を統括制御する画像制御部40に、スキャナ部31と操作表示部32と、プリンタ部33を接続して構成される。
スキャナ部31は、ラインイメージセンサ(CCD31A)のほか、当該スキャナ部31の動作全体を制御するスキャナ制御部31Bを備えている。
プリンタ部33は画像データに応じてオン/オフされるレーザーダイオード(LD33A)のほか、プリンタ部33全体の動作を制御するプリンタ制御部33Bなどを有している。このほか、図示省略してあるがプリンタ制御部33Bには画像形成を行う各部や、記録紙搬送機構、第二給紙ローラ16を作動させるモータ、ソレノイド、センサなどが接続されている。
操作表示部32は、各種設定画面や操作画面を表示してユーザから各種の設定/選択操作を受け付けたり、ユーザに向けて各種の情報や警告を表示したりする機能を果たす。操作表示部32は、液晶ディスプレイ(LCD(Liquid Crystal Display)32B)と、その画面上に敷設されたタッチスイッチおよびその他のスイッチから成る操作部32Cと、LCD32Bおよび操作部32Cを制御する操作表示制御部32Aとを有する。
なお、スキャナ制御部31B、操作表示制御部32A、プリンタ制御部33BはそれぞれCPUおよびROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)を主要部とする回路で構成されており、ROMに格納されたプログラムに従って各種の制御を実行する。
画像制御部40は、コピー装置30の動作を統括制御する機能を果たし、DRAM制御部41と、画像制御CPU42と、不揮発メモリ43と、読み取り処理部44と、圧縮IC(Integrated Circuit)45と、LANI/F部46と、書き込み処理部47と、伸張IC48と、半導体メモリで構成された画像メモリ50などを備えて構成される。
読み取り処理部44は、スキャナ部31の出力する画像データに対して拡大処理、鏡像処理、誤差拡散処理などを施す機能を果たす。圧縮IC45は画像データを圧縮し、伸張IC48は圧縮された画像データ(圧縮画像データ)を元のイメージデータに伸張する機能を果たす。
画像メモリ50は、非圧縮の画像データをページ単位で記憶可能なページメモリ52としての機能と、圧縮画像データを記憶する圧縮メモリ51などとして使用される。
書き込み処理部47は、圧縮メモリ51から読み出して伸張された画像データに応じてレーザーユニットのレーザーダイオードをオン/オフさせるための信号を、プリンタ部33の動作に応じたタイミングで出力する機能を果たす。
DRAM制御部41は、ダイナミックRAMからなる画像メモリ50へのリード・ライトおよびリフレッシュのタイミング制御や、画像データを圧縮して圧縮メモリ51に格納したり、圧縮メモリ51から圧縮画像データを読み出して伸張したりする際のタイミング制御などを行う。またDRAM制御部41はPCI(Peripheral Component Interconnect)バス54を通じてプリント&スキャナコントローラ20のDRAM制御部22と接続されており、プリント&スキャナコントローラ20との間でPCIバス54を通じて各種のデータを授受する機能を果たす。
画像制御CPU42は、コピー装置30の動作全体を制御する機能を果たす。画像制御CPU42は、CPUおよびROM、RAM、を主要部とする回路で構成されており、ROMに格納されたプログラムに従って各種の制御を実行する。このROMには、プログラムや各種固定データなどが記憶されており、CPUはROMに格納されたプログラムに従って動作する。RAMは、CPUがプログラムを実行する際に各種のデータを一時的に格納するワークメモリとして使用される。
不揮発メモリ43は、電源オフ後も記憶しておくべきユーザデータやシステムデータ、後述する所定値などが記憶されるメモリである。
なお、LANI/F部46は、LANI/F部24とは別にLAN3に接続するための通信機能を果たす。
次に、図4にて、画像形成システム5において、画像形成装置10が印刷を開始し、後処理装置90A、90Bに後処理ジョブを送信する場合についての処理の流れについて説明する。
まず、画像形成装置10が操作表示部32に印刷用データ設定画面60(図5参照)を表示する(ステップS101)。図5は、LCD32Bに表示される印刷用データ設定画面60の一例を示す。
ユーザは、印刷用データ設定画面60にて、印刷や、後処理等に係る設定を行うことができる。たとえば、画質の濃度や、片面/両面印刷の切り替え、インラインの後処理を実行するか否かを、設定することができる。オフラインの後処理に係る設定を行う場合には、オフライン後処理設定釦62を押下し、オフライン後処理設定画面70(図6参照)に画面を遷移させ、その遷移後の画面にてオフライン後処理に係る設定を行う。
図4に戻って説明を続ける。オフラインの後処理設定を行う場合は(ステップS102;Yes)、つまり、オフライン後処理設定釦62が押下された場合は、オフライン後処理設定画面70(図6参照)に画面を遷移させ、オフラインの後処理設定処理を行い(ステップS103)、ステップS102に戻って処理を継続する。
図6は、オフライン後処理設定画面70の一例を示す。ユーザは、オフライン後処理設定画面70にてオフラインの後処理設定を行うことができる。ユーザはオフライン後処理設定画面70上の各設定項目についての設定釦を押下し、オフラインの後処理に係る詳細な設定を行う。
図中のオフライン後処理設定項目73は、オフラインの後処理を行うか否かを設定する項目である。ユーザは、オフラインの後処理を行わせたい場合は、「使用する」の設定釦を押下する。
図中のオフライン後処理割り込み処理項目74は、オフラインの後処理を実施する場合に、後処理装置90A、90Bにて後処理を開始させるタイミングを設定する項目である。
「実施する(プリント開始時)」に設定した場合は、画像形成装置10で印刷が開始する際に、後処理ジョブを送信し、オフラインの後処理を開始させる。「実施する(プリント完了時)」に設定した場合は、画像形成装置10で印刷が完了した際に、後処理装置に後処理ジョブを送信し、オフラインの後処理を開始させる。
なお、「実施する(プリント開始時)」、「実施する(プリント完了時)」に設定された場合、指定された時刻(プリント開始時もしくはプリント完了時)に、後処理装置90(A、B)が他のジョブの実行中ならば、そのジョブを一時中断させ、画像形成装置10が送信した後処理ジョブを優先的に(割り込みジョブとして)実行させる。「実行しない」に設定された場合、後処理装置90(A、B)で実行中(もしくは待機中)のジョブが全て完了してから、画像形成装置10が送信した後処理ジョブを実行させる。
実行後処理選択設定項目75は、実行させるオフラインの後処理の種類の選択や、その詳細を設定する項目である。図中では、「中綴じ」、「クリアトナー塗布」、「断歳」の3種類の後処理を行うか否かについての他、その処理内容についての詳細な設定を行うことができる。たとえば、「クリアトナー塗布」の後処理では、クリアトナーを塗布する範囲を「全面」、「画像部分のみ(文字以外の部分)」、「文字部分のみ」の3種類から選択することができる。
サンプル排紙時オフライン後処理項目76では、画像形成装置10がサンプル排紙を行った際に、そのサンプル排紙に対して後処理を行わせるか否かを設定する。サンプル排紙とは、複数枚の記録紙に連続的に画像形成されている途中で記録紙の排紙先を、それまで排紙されていた排紙口12から別の排紙口12に一時的に切り替えてサンプルを排紙することである。実施の形態では、排紙口12Aに連続して排紙されている途中で、一時的に排紙口12Bに排紙先を切り替える。
サンプル排紙時の後処理を「実施する」に設定した場合、サンプル排紙時に、排紙口12Aに排紙される記録紙に対する後処理ジョブとは別に排紙口12Bに排紙される記録紙に対する後処理ジョブ(サンプル後処理ジョブ)を生成し、後処理装置90に送信する。なお、サンプル後処理ジョブは、その時点で後処理装置90が行っているジョブを中断させ、優先的に処理を行わせる、所謂、割り込みジョブである。サンプル後処理ジョブによる割り込みは、その時点で後処理装置90が処理中のジョブが、既に他のジョブに割り込んで実行中の後処理ジョブであっても行う。
ユーザは、各項目の設定が終了したら、OK釦71を押下する。クライアント端末91は、OK釦71の押下を受け付けたら、設定を確定し、印刷用データ設定画面60に画面を戻す。なお、OK釦71ではなくキャンセル釦72の押下を受け付けた場合は、各項目の設定をデフォルトの状態に戻し、印刷用データ設定画面60に画面を遷移させる。なお、デフォルトの状態では、オフラインの後処理は行わないように設定されている。
図4に戻って説明を続ける。オフライン後処理設定が行われない場合(ステップS102;No)、ステップS104に進む。印刷ジョブが開始されない場合は(ステップS104;No)、ステップS102に戻って処理を継続する。
ジョブ開始釦61が押下されたら、つまり印刷ジョブが開始されたら(ステップS104;Yes)、ステップS105に進む。ステップS105では、ページカウンタを「1」に設定する。
以後のステップS106〜ステップS112は、画像形成装置10が印刷ジョブの実行中に行う処理の流れである。まず、オフライン後処理指示処理を行う(ステップS106)。オフライン後処理指示処理では、ステップS103で設定されたオフライン後処理設定に応じて、後処理装置90に後処理ジョブを送信する。オフライン後処理指示処理の詳細は後述する。
次に、ページカウンタ>印刷予定枚数(総ページ数)でなければ(ステップS107;No)、ステップS108に進む。
サンプル排紙を実施しない設定がされている場合、もしくはサンプル排紙を実施する設定がされていてもサンプル排紙を行うタイミングでなければ(ステップS108;No)、現在のページカウンタに応じたページ(たとえば、ページカウンタが1なら、1ページ目)の出力を実施し(ステップS111)、その後、ページカウンタを1インクリメントして(ステップS112)、ステップS106に戻って処理を継続する。なお、サンプル排紙を行うタイミングは、予め設定されている。たとえば、500枚印刷する毎に1枚サンプルを排紙する。
サンプル排紙を実施する設定がされていて、かつサンプル排紙のタイミングである場合は(ステップS108;Yes)、サンプル排紙を実施し(ステップS109)、サンプル排紙に対応するオフライン後処理指示処理を行い(ステップS110)、ステップS111に進む。
サンプル排紙に対応するオフライン後処理指示処理では、ステップS103で設定されたオフライン後処理設定(具体的には、サンプル排紙時オフライン後処理設定項目76(図6参照)の設定)に応じて、後処理装置90にサンプルに対する後処理ジョブ(サンプル後処理ジョブ)を送信する。サンプル排紙に対応するオフライン後処理指示処理の詳細は後述する。
ステップS106〜ステップS112の流れを繰り返し、ページカウンタ>印刷予定枚数(総ページ数)になったら(ステップS107;Yes)、処理を終了する。なお、ステップS113は、ステップS106のオフライン後処理指示と、ステップS110のサンプル排紙に対応するオフライン後処理指示に従って、後処理装置90で行われる処理である。ステップS113の処理については後述する。
図7は、図4のステップS106(オフライン後処理指示処理)の詳細な処理の流れを示す。なお、図7ではページカウンタをPGCと略して記す。
まず、図4のステップS103にて、オフライン後処理を実施するよう設定されていなかった場合は(ステップS201;No)、処理を終了する。オフライン後処理を実施するよう設定されていた場合は(ステップS201;Yes)、ステップS202に進む。
ページカウンタが1かつ、割り込み実施を行わないのであれば(ステップS202;Yes)、ステップS205に進む。ここで、ステップS205に進む場合とは、1ページ目の印刷時であって、オフライン後処理割り込み処理項目74(図6参照)にて「実施しない」が設定されていた場合のことを指す。
ページカウンタが1以外、または割り込み実施を行う場合は(ステップS202;No)、ページカウンタが1かつ、プリント開始時に割り込み実施を行うか否かを調べる(ステップS203)。ページカウンタが1かつ、プリント開始時に割り込み実施を行う場合は(ステップS203;Yes)、ステップS205に進む。ここで、ステップS205に進む場合とは、1ページ目の印刷時であって、オフライン後処理割り込み処理項目74(図6参照)にて「実施する、プリント開始時」に設定されていた場合のことを指す。
ページカウンタが1以外、もしくはプリント完了時に割り込み実施を行う場合は(ステップS203;No)、ページカウンタが最後のページを示す場合であってかつ、プリント完了時に割り込み実施を行うか否かを調べる(ステップS204)。
ページカウンタが最後のページを示す場合であってかつ、プリント完了時に割り込み実施を行う場合は(ステップS204;Yes)、ステップS205に進む。ここで、ステップS205に進む場合とは、最後のページの印刷時であって、オフライン後処理割り込み処理項目74(図6参照)にて「実施する、プリント完了時」に設定されていた場合のことを指す。
ページカウンタが最後のページ以外を示す場合、もしくはプリント完了時に割り込み実施を行わないのであれば(ステップS204;No)、処理を終了する。
ステップS205では、図4のステップS103で設定されたオフライン後処理設定から、図4のステップS104で開始された印刷ジョブの結果物に対して後処理を行うオフラインの後処理装置90を特定する。
たとえば、中綴じ、もしくは断栽が設定されている場合は、後処理装置90Bを、クリアトナー塗布が設定されている場合は、後処理装置90Aを、印刷ジョブの結果物に対して後処理を行うオフラインの後処理装置90として特定する。複数台の後処理装置90を使用する場合もある。なお、この特定した台数をM台とする。特定した際には、各後処理装置90に1〜Mの番号を割り振る。
以下、ステップS206〜ステップS216では、ステップS205で特定したM台の後処理装置90に対して、それぞれ後処理ジョブを作成し、送信する。まず、ステップS206で後処理装置カウンタを0(N=0)に設定する。
後処理装置カウンタを1インクリメントする(N+1)(ステップS207)。次に、後処理装置カウンタ(N)が、ステップS205で特定した後処理装置90の台数(M台)と同じでなければ、つまりN≠Mならば、(ステップS208;No)、S205で割り振られた番号=Nである後処理装置90(以後、N番目の後処理装置90と呼ぶ)へ送信する後処理ジョブを作成する(ステップS209)。
図4のステップS103にて、オフライン後処理割り込みを実施するよう設定されている場合、すなわち、オフライン後処理割り込み処理項目74(図6参照)で「実施する、プリント開始時」か「実施する、プリント完了時」が設定されている場合は(ステップS210;Yes)、ステップS209で作成した後処理ジョブに割り込みモードをセットし(ステップS211)、ステップS212に進む。設定されていない場合は(ステップS210;No)、ステップS212に進む。割り込みモードがセットされたジョブは、後処理装置90で割り込みジョブとして、割り込みジョブ以外のジョブより優先的に処理が行われる。
N番目の後処理装置90で行う後処理に画像データが必要であれば(ステップS212;Yes)、ステップS208で作成した後処理ジョブに画像データを付加し(ステップS213)、ステップS214に進む。ここで付加される画像データは、図4ステップS104で開始された印刷ジョブにおいて、記録紙への画像形成に使用する画像データである。印刷ジョブにおいて記録紙への画像形成に使用する画像データが複数ある場合(たとえば20枚で1部の書類を100部刷る場合)は、その複数の画像データを付加する。画像データが必要無い場合は(ステップS212;No)、ステップS216に進む。
ステップS213で付加した画像データに加工が必要であれば(ステップS214;Yes)、当該画像データを加工し(ステップS215)、ステップS216に進む。たとえば、クリアトナー塗布を行う場合、記録紙への画像形成に使用された画像データを、クリアトナーの塗布量を示す画像データに加工(変換)する。また、クリアトナーを塗布する範囲が、「画像部分のみ」や「文字部分のみ」に設定されている場合は、文字領域もしくは写真領域を抽出する加工を行う。複数の画像データが有る場合は、それぞれの画像データに対して加工を行う。加工が必要で無ければ(ステップS214;No)、ステップS216に進む。
ステップS216では、N番目の後処理装置90に後処理ジョブを送信する。この後処理ジョブを受信したN番目の後処理装置90は、当該後処理ジョブに従って後処理を実行する。その後、ステップS207に戻って処理を継続する。
その後、N=Mになったら(ステップS208;Yes)、処理を終了する。
図8は、図4のステップS110(サンプル排紙のオフライン後処理指示処理)の詳細な処理の流れを示す。
まず、図4のステップS103にて、オフライン後処理を実施するよう設定されていなかった場合は(ステップS301;No)、処理を終了する。オフライン後処理を実施するよう設定されていた場合は(ステップS301;Yes)、ステップS302に進む。
図4のステップS103にて、サンプル排紙に対するオフライン後処理を行うよう設定されていなかった場合は(ステップS302;No)、処理を終了する。サンプル排紙に対するオフライン後処理を実施するよう設定されていた場合は(ステップS302;Yes)、その設定されているオフライン後処理設定から、図4のステップS104で開始された印刷ジョブの結果物に対して後処理を行っている後処理装置90を特定する(ステップS303)。なお、この特定した台数をM台とする。特定した際には、各後処理装置90に1〜Mの番号を割り振る。
以下、ステップS304〜ステップS315では、ステップS304で特定した後処理装置90に対して、サンプル排紙に対応するオフラインの後処理ジョブ(サンプル後処理ジョブ)を送信する。まず、ステップS304で後処理装置カウンタを0(N=0)に設定する。
後処理装置カウンタを1インクリメントし(N+1)(ステップS305)、その後、後処理装置カウンタ(N)が、ステップS303で特定した後処理装置90の台数(M台)と同じでなければ、つまりN≠Mならば、(ステップS306;No)、N番目の後処理装置90がサンプルに対して行う後処理に係る後処理ジョブ(サンプル後処理ジョブ)を作成する(ステップS307)。その後、そのサンプル後処理ジョブに割り込みモードをセットする(ステップS308)。
N番目の後処理装置90がサンプルに対して行う後処理に画像データが必要であれば(ステップS309;Yes)、ステップS310に進む。画像データが必要で無い場合は(ステップS309;No)、ステップS315に進む。
サンプル排紙で画像形成する際に使用する画像データは、図4のステップS104で開始された印刷で使用される画像データと同じものである場合と、ミスプリント検出用の専用の画像データ(所謂、テストチャート)である場合がある。
サンプル排紙にて画像形成する際に使用する画像データが、図4のステップS104で開始された印刷で使用している画像データと同じ場合は(ステップS310;Yes)、サンプル後処理ジョブに、図7のステップS212でセットした画像データと同じ画像データを付加し(ステップS311)、ステップS313に進む。異なる場合は(ステップS310;No)、サンプル後処理ジョブに、サンプルの後処理で使用する専用の画像データを付加し(ステップS312)、ステップS313に進む。なお、ステップS311とステップS312のいずれにおいても、サンプル排紙にて画像形成する際に使用された画像データと同じ画像データがサンプル後処理ジョブに付加される。
ステップS311、もしくはステップS312でセットした画像データに加工が必要であれば(ステップS313;Yes)、当該画像データを加工し(ステップS314)、ステップS315に進む。加工が必要で無ければ(ステップS313;No)、ステップS315に進む。加工の内容については、図7のステップS214、ステップS215を参照する。
ステップS315では、N番目の後処理装置90にサンプル後処理ジョブを送信する。このサンプル後処理ジョブを受信したN番目の後処理装置90は、当該サンプル後処理ジョブに従って後処理を実行する。その後、ステップS305に戻って処理を継続する。
その後、後処理装置カウンタが増え、N=Mになったら(ステップS306;Yes)、処理を終了する。
図9と図10は、図4のステップS113(後処理装置90で行われる処理)の詳細な処理の流れを示す。なお、図中では画像形成装置10をMFPと略して記す。
まず、画像形成装置10から新規ジョブの入力があった場合は(ステップS401;Yes)、ステップS403に進む。無かった場合は(ステップS401;No)、ステップS402に進む。
次に、後処理装置90に備えられている操作パネルから新規ジョブの入力があった場合は(ステップS402;Yes)、ステップS403に進む。無かった場合は(ステップS402;No)、ステップS406に進む。
ステップS403では、入力された新規ジョブが割り込みモードに指定されているか否かを調べる。割り込みモードに指定されていたら(ステップS403;Yes)、割り込みジョブリストにそのジョブを追加し(ステップS405)、ステップS401に戻る。割り込みモードに指定されていなかったら(ステップS403;Yes)、実行ジョブリストにそのジョブを追加し(ステップS404)、ステップS401に戻る。
本実施の形態の後処理装置90は、入力されたジョブを3つのジョブリストのうちのいずれかに登録して、実行する順番を決定する。3つのジョブリストとは、実行中ジョブリスト、実行ジョブリスト、割り込みジョブリストである。実行中ジョブリストには、実行中のジョブが登録される。割り込みモードがセットされていない実行待ちのジョブは、実行ジョブリストに登録され、実行される際に、実行中ジョブリストに移される。割り込みジョブリストには、割り込みモードがセットされた実行待ちのジョブが登録される。割り込みジョブリストに登録されたジョブは、実行ジョブリストに登録されたジョブよりも優先して実行中ジョブリストに移される。これにより、後処理装置90はジョブの実行順を制御する。
ステップ406では、処理中のジョブがあるか否かを調べる。処理中のジョブがなければ(ステップS406;No)、割り込みジョブリストにジョブがあるか否かを調べる(ステップS407)。割り込みジョブリストにジョブがあれば(ステップS407;Yes)、実行中ジョブリストに割り込みリストの先頭のジョブをセットして(ステップS408)、図10のステップS415に進む。
割り込みジョブリストにジョブが無くて(ステップS407;No)、実行ジョブリストにジョブがある場合は(ステップS409;Yes)、実行中ジョブリストに実行ジョブリストの先頭のジョブをセットして(ステップS410)、図10のステップS415に進む。実行ジョブリストにジョブがない場合は(ステップS409;No)、ステップS401に戻る。
ステップS406にて、処理中のジョブがある場合(ステップS406;Yes)、割り込みジョブリストに登録されているジョブがあるか否かを調べる(ステップS411)。割り込みジョブリストに登録されているジョブが無ければ(ステップS411;No)、図10のステップS415に進む。
割り込みジョブリストに登録されているジョブがあった場合(ステップS411;Yes)、処理中のジョブが、割り込みモードがセットされたジョブ(割り込みジョブ)であるか否かを調べる(ステップS412)。
割り込みジョブで無ければ(ステップS412;No)、ステップS414に進む。割り込みジョブであれば(ステップS412;Yes)、割り込みジョブリストの先頭に登録されているジョブが、サンプル後処理ジョブか否か、すなわち、サンプル排紙に対応する後処理ジョブか否かを調べる(ステップS413)。
サンプル後処理ジョブで無ければ(ステップS413;No)、図10のステップS415に進む。サンプル後処理ジョブであった場合(ステップS413;Yes)、実行中のジョブを中断し、割り込みジョブリストの先頭ジョブを実行中ジョブにセットし(ステップS414)(移して)、図10のステップS415に進む。なお、中断されたジョブが割り込みジョブで無ければ、実行ジョブリストの先頭に、その中断したジョブの残りの部分を実行する内容のジョブを登録する。中断されたジョブが割り込みジョブであれば、割り込みジョブリストの先頭に、その中断したジョブの残りの部分を実行する内容のジョブを登録する。
図10のステップS415では、実行中ジョブリストに登録されているジョブの処理を進める(継続する)。実行中のジョブの処理が終了するまでは(ステップS416;No)、図9のステップS401に戻って処理を継続する。実行中のジョブの処理が終了したら(ステップS416;Yes)、実行中ジョブリストのジョブを削除し、新たなジョブを実行中ジョブリストにセットし(ステップS417)、図9のステップS401に戻って処理を継続する。
図9の処理は、後処理装置90の電源がOFFになるまで継続して行われる。
このように本発明の画像形成装置10は、オフラインの後処理装置90が、クリアトナー塗布のように画像データを必要とする後処理を行う場合、後処理に係るジョブと共に画像データを送信する。これにより、ユーザが後処理装置90と画像形成装置10の両装置に、画像データを送信する手間を省略することができる。
以上、本発明の実施の形態を図面によって説明してきたが、具体的な構成は実施の形態に示したものに限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
本発明の実施の形態では、プリント&スキャナコントローラ20と、コピー装置30は画像形成装置10の内部に組み込まれていたが、プリント&スキャナコントローラ20と、コピー装置30を別体にして設けてもよい。その場合には、プリント&スキャナコントローラ20とコピー装置30との間でのデータの送受信は、それに適したインターフェイスで行われる。
本発明の実施の形態では、画像形成装置10で画像形成に使用した画像データ、または、その画像データに係る画像データ(抽出加工した画像データ等)を後処理ジョブに追加していたが、後処理ジョブに追加する画像データはこれに限定しない。
本発明の実施の形態では、画像データを使用する後処理装置(後処理装置90A)はクリアトナーを塗布するコータであったが、画像データを使用する後処理装置はこれに限定しない。画像データを使用する後処理装置であればよい。