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JP6065212B2 - 給水加温システム - Google Patents

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JP6065212B2
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靖国 田中
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Description

本発明は、ヒートポンプを用いた給水加温システムに関するものである。
従来、下記特許文献1に開示されるように、ボイラ(24)の給水タンク(23)への給水を、ヒートポンプ(12)を用いて加温できるシステムが知られている。また、出願人は、この従来技術に比べてヒートポンプの効率をさらに向上した給水加温システムを提案し、既に特許出願を済ませている(特願2012−79191)。
この出願中の給水加温システムは、ヒートポンプと給水タンクとを備え、給水路を介した給水タンクへの給水は、サイクル外熱交換器(廃熱回収熱交換器)、過冷却器および凝縮器を順に通される。サイクル外熱交換器は、給水路を介した給水タンクへの給水と、蒸発器を通過後の熱源流体との間接熱交換器であり、過冷却器は、給水路を介した給水タンクへの給水と、凝縮器から膨張弁への冷媒との間接熱交換器である。給水路を介した給水タンクへの給水中、ヒートポンプを運転すると共に、ヒートポンプの凝縮器の出口側水温を設定温度に維持するように、凝縮器への通水量を調整するのが好ましい。
特開2010−25431号公報(図2、図3)
しかしながら、熱源流体は、ヒートポンプの蒸発器を通された後、サイクル外熱交換器に通される。言い換えれば、サイクル外熱交換器において給水を加温するための流体は、ヒートポンプの熱源として利用されて温度低下した後、サイクル外熱交換器に供給される。そのため、サイクル外熱交換器において、給水の加温を十分に行えないおそれがある。
そこで、本発明が解決しようとする課題は、ヒートポンプを用いた給水加温システムにおいて、ヒートポンプへの給水をサイクル外熱交換器において所望に加温でき、それによりヒートポンプの効率を向上することにある。
本発明は、前記課題を解決するためになされたもので、請求項1に記載の発明は、圧縮機、凝縮器、膨張弁および蒸発器が順次環状に接続されて冷媒を循環させ、前記蒸発器に通される熱源流体から熱をくみ上げ、前記凝縮器に通される水を加温するヒートポンプと、サイクル外熱交換器、過冷却器および前記凝縮器を順に通されて給水路により給水可能な給水タンクとを備え、前記サイクル外熱交換器は、前記給水路を介した前記給水タンクへの給水と、熱源流体との間接熱交換器であり、前記過冷却器は、前記給水路を介した前記給水タンクへの給水と、前記凝縮器から前記膨張弁への冷媒との間接熱交換器であり、前記蒸発器と前記サイクル外熱交換器とに、熱源流体が並列に通されることを特徴とする給水加温システムである。
請求項1に記載の発明によれば、給水タンクへの給水は、サイクル外熱交換器、過冷却器および凝縮器を順に通される一方、熱源流体は、蒸発器とサイクル外熱交換器とに並列に通される。サイクル外熱交換器や過冷却器において、凝縮器への給水を予熱しておくことで、ヒートポンプの効率を向上することができる。また、サイクル外熱交換器には、蒸発器と並列に熱源流体が通されるので、蒸発器を通過後の熱源流体が直列に通される場合と比較して、給水の加温量を増やすことができる。
さらに、請求項2に記載の発明は、前記給水タンクの水位に基づき、前記給水路を介した前記給水タンクへの給水の有無と、前記ヒートポンプの出力を制御し、前記給水路を介した前記給水タンクへの給水中、前記凝縮器の出口側の水温を設定温度に維持するように通水量を調整することを特徴とする請求項1に記載の給水加温システムである。
請求項2に記載の発明によれば、給水路を介した給水タンクへの給水中、凝縮器の出口側水温を設定温度に維持するように、凝縮器への通水量(給水路を介した給水タンクへの給水流量)を調整することで、給水源の水温や熱源流体の温度に拘わらず、所望温度の温水を得ることができる。
本発明によれば、ヒートポンプを用いた給水加温システムにおいて、ヒートポンプへの給水をサイクル外熱交換器において所望に加温でき、それによりヒートポンプの効率を向上することができる。
本発明の給水加温システムの一実施例を示す概略図である。
以下、本発明の具体的実施例を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明の給水加温システム1の一実施例を示す概略図である。
本実施例の給水加温システム1は、ボイラ2の給水タンク3への給水をヒートポンプ4で加温できるシステムであり、ボイラ2への給水を貯留する給水タンク3と、この給水タンク3への給水を貯留する補給水タンク5と、この補給水タンク5から給水タンク3への給水を加温するヒートポンプ4と、このヒートポンプ4の熱源としての熱源水(たとえば廃温水)を貯留する熱源水タンク6とを備える。
ボイラ2は、蒸気ボイラであり、給水タンク3からの給水を加熱して蒸気にする。ボイラ2は、典型的には、蒸気の圧力を所望に維持するように、燃焼量を調整される。また、ボイラ2は、缶体内の水位を所望に維持するように、給水タンク3からボイラ2への給水路またはボイラ2の内部に設けたポンプ7が制御される。ボイラ2からの蒸気は、各種の蒸気使用設備(図示省略)へ送られるが、蒸気使用設備からのドレン(蒸気の凝縮水)を給水タンク3へ戻してもよい。
給水タンク3は、補給水タンク5から、ヒートポンプ4を介して給水路8により給水可能であると共に、ヒートポンプ4を介さずに補給水路9により給水可能である。給水路8に設けた給水ポンプ10と、補給水路9に設けた補給水ポンプ11との作動を制御することで、給水路8と補給水路9との内、いずれか一方または双方を介して、補給水タンク5から給水タンク3へ給水可能である。
給水ポンプ10は、本実施例では、インバータにより回転数を制御可能とされる。給水ポンプ10の回転数を変更することで、給水路8を介した給水タンク3への給水流量を調整することができる。一方、補給水ポンプ11は、本実施例では、オンオフ制御される。
補給水タンク5は、給水タンク3への給水を貯留する。補給水タンク5への給水として、本実施例では軟水が用いられる。すなわち、軟水器(図示省略)にて水中の硬度分を除去された軟水は、補給水タンク5に供給され貯留される。補給水タンク5の水位に基づき軟水器からの給水を制御することで、補給水タンク5の水位は所望に維持される。
ヒートポンプ4は、蒸気圧縮式のヒートポンプであり、圧縮機12、凝縮器13、膨張弁14および蒸発器15が順次環状に接続されて構成される。そして、圧縮機12は、ガス冷媒を圧縮して高温高圧にする。また、凝縮器13は、圧縮機12からのガス冷媒を凝縮液化する。さらに、膨張弁14は、凝縮器13からの液冷媒を通過させることで、冷媒の圧力と温度とを低下させる。そして、蒸発器15は、膨張弁14からの冷媒の蒸発を図る。
従って、ヒートポンプ4は、蒸発器15において、冷媒が外部から熱を奪って気化する一方、凝縮器13において、冷媒が外部へ放熱して凝縮することになる。これを利用して、本実施例では、ヒートポンプ4は、蒸発器15において、熱源水から熱をくみ上げ、凝縮器13において、給水路8の水を加温する。
ヒートポンプ4は、さらに、凝縮器13と膨張弁14との間に、過冷却器16を備えるのが好ましい。過冷却器16は、凝縮器13から膨張弁14への冷媒と、凝縮器13への給水との間接熱交換器である。過冷却器16により、凝縮器13への給水で、凝縮器13から膨張弁14への冷媒を過冷却することができると共に、凝縮器13から膨張弁14への冷媒で、凝縮器13への給水を加温することができる。ヒートポンプ4の冷媒は、好適には、凝縮器13において潜熱を放出し、過冷却器16において顕熱を放出する。
つまり、凝縮器13において、ガス冷媒は凝縮して液冷媒となり、その液冷媒が過冷却器16に供給されて、過冷却器16において、液冷媒はさらに冷却(過冷却)される。冷媒の凝縮用と過冷却用とで熱交換器を分けることで、熱交換器の設計が容易となり、熱交換器を簡易な構造で小型化でき、コスト削減を図ることができる。また、汎用の熱交換器の利用も可能となる。
その他、ヒートポンプ4には、圧縮機12の入口側にアキュムレータを設置したり、圧縮機12の出口側に油分離器を設置したり、凝縮器13の出口側(凝縮器13と過冷却器16との間)に受液器を設置したりしてもよい。
ところで、ヒートポンプ4は、その出力を変更可能とされてもよい。たとえば、圧縮機12のモータの電源周波数ひいては回転数をインバータで変更することで、ヒートポンプ4の出力を変更することができる。
給水加温システム1は、さらに、サイクル外熱交換器17を備える。このサイクル外熱交換器17は、過冷却器16への給水と、熱源水タンク6からの熱源水との間接熱交換器である。従って、給水路8の水は、サイクル外熱交換器17、過冷却器16および凝縮器13へと順に通されることになる。一方、熱源水タンク6の熱源水は、蒸発器15とサイクル外熱交換器17とに並列に通される。具体的には、熱源水タンク6の熱源水は、第一熱源供給路18を介して蒸発器15に通されると共に、第二熱源供給路19を介してサイクル外熱交換器17に通される。
熱源水タンク6は、ヒートポンプ4の熱源としての熱源水を貯留する。熱源水とは、たとえば廃温水(工場などから排出される温水)である。なお、熱源水タンク6には、熱源水の供給路20が設けられると共に、所定以上の水をあふれさせるオーバーフロー路21が設けられている。
熱源水タンク6の熱源水は、前述したように、第一熱源供給路18を介して、ヒートポンプ4の蒸発器15を通されると共に、これと並行に、第二熱源供給路19を介して、サイクル外熱交換器17を通される。第一熱源供給路18には、蒸発器15より上流側に第一熱源供給ポンプ22が設けられており、この第一熱源供給ポンプ22を作動させることで、熱源水タンク6からの熱源水を、蒸発器15に通すことができる。一方、第二熱源供給路19には、サイクル外熱交換器17より上流側に第二熱源供給ポンプ23が設けられており、この第二熱源供給ポンプ23を作動させることで、熱源水タンク6からの熱源水を、サイクル外熱交換器17に通すことができる。
各熱源供給ポンプ22,23は、オンオフ制御されてもよいが、インバータ制御されてもよい。後者の場合、蒸発器15やサイクル外熱交換器17への熱源水の供給流量を調整可能とできる。たとえば、第一熱源供給ポンプ22は、蒸発器15の出口側の熱源水温度に基づき流量調整し、第二熱源供給ポンプ23は、サイクル外熱交換器17の出口側の熱源水温度に基づき流量調整してもよい。それにより、熱源水の排出温度を所望に調整することができる。
給水路8には、凝縮器13の出口側に、出湯温度センサ24が設けられる。出湯温度センサ24は、凝縮器13を通過後の水温を検出する。出湯温度センサ24の検出温度に基づき、給水ポンプ10が制御される。ここでは、給水ポンプ10は、出湯温度センサ24の検出温度を設定温度(たとえば75℃)に維持するようにインバータ制御される。つまり、給水路8を介した給水タンク3への給水は、出湯温度センサ24の検出温度を設定温度に維持するように、流量が調整される。但し、場合により、このような出湯温度センサ24による流量調整制御を省略することもできる。
給水タンク3には、水位検出器25が設けられる。この水位検出器25は、その構成を特に問わないが、本実施例では電極式水位検出器とされる。この場合、給水タンク3には、長さの異なる複数の電極棒26〜28が、その下端部の高さ位置を互いに異ならせて差し込まれて保持されている。本実施例では、給水停止電極棒26、給水開始電極棒27および負荷切替電極棒28が、順に下端部の高さ位置を低くして、給水タンク3に挿入されている。各電極棒26〜28は、その下端部が水に浸かるか否かにより、下端部における水位の有無を検出する。
熱源水タンク6には、熱源水の有無を確認するために、水位検出器29が設けられる。この水位検出器29は、その構成を特に問わないが、本実施例では電極式水位検出器とされる。この場合、熱源水タンク6には、低水位検出電極棒30が差し込まれており、熱源水の水位が設定を下回っていないかを監視する。さらに、熱源水タンク6には、熱源水の温度を検出する熱源温度センサ31が設けられる。
次に、本実施例の給水加温システム1の制御(運転方法)について説明する。以下に説明する一連の制御は、図示しない制御器を用いて自動でなされる。
給水タンク3には、給水路8を介して給水可能であると共に補給水路9を介しても給水可能であるが、給水路8を介した給水が優先されるように制御されるのが好ましい。たとえば、給水タンク3の水位を設定範囲に維持するように、給水路8を介した給水を制御するが、それでは給水タンク3の水位が設定範囲を維持できない場合には、補給水路9を介しても給水タンク3へ給水するのが好ましい。
具体的には、本実施例では、次のように制御される。いま、給水停止電極棒26が水位を検知し、給水タンク3の水位が十分にある場合、給水タンク3への給水は不要であるから、給水ポンプ10を停止すると共に、補給水ポンプ11も停止している。給水タンク3からボイラ2への給水により、給水タンク3の水位が下がり、給水開始電極棒27が水位を検知しなくなると、給水ポンプ10を作動させる。これにより、給水路8を介して給水タンク3に給水されるが、給水停止電極棒26が水位を検知すると、給水ポンプ10を停止する。一方、給水ポンプ10を作動させても、給水タンク3の水位を回復できず、さらに低い所定の補給水開始水位を下回ると、補給水ポンプ11を作動させて、補給水路9を介しても給水タンク3に給水する。これにより、給水タンク3の水位が回復して、給水タンク3の水位が補給水停止水位を上回ると、補給水ポンプ11を停止して、補給水路9を介しての給水を停止する。このような制御を実施する場合、補給水開始水位や補給水停止水位も、水位検出器25により検出可能としておけばよい。
給水路8を介した給水中、ヒートポンプ4を運転すると共に、第一熱源供給ポンプ22および第二熱源供給ポンプ23を作動させる。ヒートポンプ4は、その圧縮機12の作動の有無により、運転と停止が切り替えられる。また、ヒートポンプ4は、給水タンク3の水位に基づき出力を制御されるのがよい。本実施例では、給水タンク3の水位が下がり、給水開始電極棒27が水位を検知しなくなると、ヒートポンプ4を低負荷運転し、それでも水位が回復せず、負荷切替電極棒28が水位を検知しなくなると、ヒートポンプ4を高負荷運転に切り替える。そして、水位回復時には、給水開始電極棒27が水位を検知すれば、ヒートポンプ4を低負荷運転に切り替え、給水停止電極棒26が水位を検知すれば、ヒートポンプ4を停止させる。このように、本実施例では、ヒートポンプ4は、高負荷運転(典型的には全負荷運転=100%出力)、低負荷運転(たとえば50%出力)および停止(0%出力)の三位置で制御される。
給水路8を介した給水中、給水ポンプ10は、出湯温度センサ24の検出温度を設定温度(出湯温度設定値)に維持するように、回転数をインバータ制御される。その結果、ヒートポンプ4の高負荷運転時は低負荷運転時よりも多い流量で、給水路8を介して給水タンク3へ給水可能となる。
ヒートポンプ4を運転して、補給水タンク5から給水路8を介して給水タンク3へ給水する際、補給水タンク5からの給水は、サイクル外熱交換器17、過冷却器16および凝縮器13により徐々に加温されて、所定温度で給水タンク3へ供給される。給水タンク3とヒートポンプ4(凝縮器13)との間で水を循環させる場合と比較して、補給水タンク5から給水タンク3への一回の通過(ワンススルー)で給水を加温するので、ヒートポンプ4を通過する前後の給水の温度差を確保して、ヒートポンプ4の成績係数(COP)の向上を図ることができる。また、各熱交換器をコンパクトに構成することもできる。
また、ヒートポンプ4の運転中、つまり給水路8を介した給水タンク3への給水中、熱源水タンク6の水温を熱源温度センサ31で監視して、その温度に基づきヒートポンプ4の出力を調整してもよい。ヒートポンプ4の熱源としての熱源水の温度が高温なほど、ヒートポンプ4の出力を下げることができる。熱源水の温度を考慮してヒートポンプ4の出力を調整することで、熱源水の温度変化に拘わらず、給水路8を介した給水タンク3への給水流量を安定させることができる。
さらに、ヒートポンプ4の運転中、熱源水タンク6の水位が下がり、低水位検出電極棒30が水位を検知しなくなると、ヒートポンプ4の運転を停止すると共に、各熱源供給ポンプ22,23を停止して蒸発器15やサイクル外熱交換器17への熱源水の供給を停止するのがよい。また、同様に、ヒートポンプ4の運転中(つまり給水路8を介した給水タンク3への給水制御中)、万一、給水路8を通る給水の量が設定を下回ると、ヒートポンプ4の運転を停止すると共に、各熱源供給ポンプ22,23を停止して蒸発器15やサイクル外熱交換器17への熱源水の供給を停止するのがよい。
給水路8を介した給水タンク3への給水中、熱源水タンク6からの熱源水は、蒸発器15とサイクル外熱交換器17とに並列に通される。蒸発器15とサイクル外熱交換器17とに熱源流体を直列に順に通す場合と比較して、蒸発器15とサイクル外熱交換器17とに熱源流体を並列に通す場合、比較的高温の熱源流体をサイクル外熱交換器17に通すことができる。これにより、サイクル外熱交換器17における熱交換量を高めることができ、ヒートポンプ4の手前における給水の加温が図られるので、圧縮機12の動力を小さくして、ヒートポンプ4の効率を向上することができる。また、ヒートポンプ4の出力を抑えることができるので、過冷却器16などを小さく構成することもできる。さらに、蒸発器15とサイクル外熱交換器17とに順に熱源流体を通した場合、蒸発器15が圧損要素となるが、蒸発器15とサイクル外熱交換器17とに熱源流体を並列に通す場合、そのような圧損要素がないというメリットもある。
本発明の給水加温システム1は、前記実施例の構成に限らず、適宜変更可能である。たとえば、前記実施例では、給水路8を介した給水タンク3への給水流量を調整するために、給水ポンプ10をインバータ制御したが、給水ポンプ10をオンオフ制御しつつ、給水路8に設けたバルブの開度を調整してもよい。つまり、出湯温度センサ24の検出温度などに基づき給水路8を介した給水の流量を調整可能であれば、その流量調整方法は適宜に変更可能である。
また、ヒートポンプ4は、単段に限らず複数段とすることもできる。ヒートポンプ4を複数段にする場合、隣接する段のヒートポンプ同士は、間接熱交換器を用いて接続されてもよいし、直接熱交換器(中間冷却器)を用いて接続されてもよい。後者の場合、下段ヒートポンプの圧縮機からの冷媒と上段ヒートポンプの膨張弁からの冷媒とを受けて、両冷媒を直接に接触させて熱交換する中間冷却器を備え、この中間冷却器が下段ヒートポンプの凝縮器であると共に上段ヒートポンプの蒸発器とされる。このように、複数段(多段)のヒートポンプには、一元多段のヒートポンプの他、複数元(多元)のヒートポンプ、あるいはそれらの組合せのヒートポンプが含まれる。
また、給水タンク3に、凝縮器13を介して給水路8により給水可能であると共に、凝縮器13を介さずに補給水路9により給水可能であれば、給水路8や補給水路9の具体的構成は、前記実施例の構成に限らず適宜変更可能である。たとえば、前記実施例では、給水路8と補給水路9とは、それぞれ補給水タンク5と給水タンク3とを接続するように並列に設けたが、給水路8と補給水路9との一端部(補給水タンク5側の端部)と他端部(給水タンク3側の端部)の一方または双方は、共通の管路としてもよい。言い換えれば、補給水路9の一端部は、補給水タンク5に接続するのではなく、給水路8から分岐するように設けてもよいし、補給水路9の他端部は、給水タンク3に接続するのではなく、給水タンク3の手前において給水路8に合流するように設けてもよい。補給水路9の一端部を、補給水タンク5に接続するのではなく、給水路8から分岐するように設ける場合、その分岐部より下流において、給水路8に給水ポンプ10を設ける一方、補給水路9に補給水ポンプ11を設ければよいが、分岐部よりも上流側の共通管路にのみポンプを設けて、分岐部より下流の給水路8および/または補給水路9に設けたバルブの開度を調整することで、給水路8や補給水路9を通る流量を調整してもよい。
また、前記実施例では、給水タンク3への給水を貯留するために補給水タンク5を設置したが、場合により補給水タンク5の設置を省略して、給水源から直接に給水路8および補給水路9に水を通してもよい。
また、前記実施例では、給水路8および/または補給水路9を介して、補給水タンク5から給水タンク3へ給水可能としたが、これら給水は、軟水器から直接に行ってもよい。たとえば、図1において、給水路8および補給水路9の基端部をまとめて軟水器に接続し、給水ポンプ10の設置を省略する代わりに給水路8に設けた電動弁(モータバルブ)の開度を調整し、補給水ポンプ11の設置を省略する代わりに補給水路9に設けた電磁弁の開閉を制御すればよい。
また、前記実施例では、ボイラ2の給水タンク3への給水をヒートポンプ4で加温できるシステムについて説明したが、給水タンク3の貯留水の利用先は、ボイラ2に限らず適宜に変更可能である。そして、場合により、補給水タンク5や補給水路9を省略してもよい。
また、前記実施例では、ヒートポンプ4の熱源(サイクル外熱交換器17において給水を加温する流体でもある。)として熱源水を用いた例について説明したが、ヒートポンプ4の熱源流体として、熱源水に限らず、空気や排ガスなど各種の流体を用いることができる。
さらに、前記実施例では、ヒートポンプ4の圧縮機12は、電気モータにより駆動されたが、圧縮機12の駆動源は特に問わない。たとえば、圧縮機12は、電気モータに代えてまたはそれに加えて、蒸気を用いて動力を起こすスチームモータ(蒸気エンジン)により駆動されたり、ガスエンジンにより駆動されたりしてもよい。その場合、スチームモータへの給蒸量を調整したり、ガスエンジンへの供給ガス量を調整したりして、圧縮機12の出力が調整可能である。
1 給水加温システム
2 ボイラ
3 給水タンク
4 ヒートポンプ
5 補給水タンク
6 熱源水タンク
8 給水路
9 補給水路
10 給水ポンプ
11 補給水ポンプ
12 圧縮機
13 凝縮器
14 膨張弁
15 蒸発器
16 過冷却器
17 サイクル外熱交換器
18 第一熱源供給路
19 第二熱源供給路
22 第一熱源供給ポンプ
23 第二熱源供給ポンプ
24 出湯温度センサ
25 水位検出器

Claims (2)

  1. 圧縮機、凝縮器、膨張弁および蒸発器が順次環状に接続されて冷媒を循環させ、前記蒸発器に通される熱源流体から熱をくみ上げ、前記凝縮器に通される水を加温するヒートポンプと、
    サイクル外熱交換器、過冷却器および前記凝縮器を順に通されて給水路により給水可能な給水タンクとを備え、
    前記サイクル外熱交換器は、前記給水路を介した前記給水タンクへの給水と、熱源流体との間接熱交換器であり、
    前記過冷却器は、前記給水路を介した前記給水タンクへの給水と、前記凝縮器から前記膨張弁への冷媒との間接熱交換器であり、
    前記蒸発器と前記サイクル外熱交換器とに、熱源流体が並列に通される
    ことを特徴とする給水加温システム。
  2. 前記給水タンクの水位に基づき、前記給水路を介した前記給水タンクへの給水の有無と、前記ヒートポンプの出力を制御し、
    前記給水路を介した前記給水タンクへの給水中、前記凝縮器の出口側の水温を設定温度に維持するように通水量を調整する
    ことを特徴とする請求項1に記載の給水加温システム。
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