JP2015081708A - 給水加温システム - Google Patents
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Abstract
【課題】複数台のヒートポンプを備えた給水加温システムにおいて、容易な水位制御を実現する。
【解決手段】給水タンク3は、少なくとも一部で並列な複数の給水路9を介して給水される。各給水路9に設けられるヒートポンプ4は、給水タンク3への給水を加温する。給水タンク3の水位検出器は、給水タンク3内の段階的に異なる複数の設定水位を検出する。給水タンク3内の水位が前記各設定水位を下回るごとに、通水されるヒートポンプ4の数を増加させる一方、給水タンク3内の水位が前記各設定水位を設定時間継続して上回るごとに、通水されるヒートポンプ4の数を減少させる。
【選択図】図1
【解決手段】給水タンク3は、少なくとも一部で並列な複数の給水路9を介して給水される。各給水路9に設けられるヒートポンプ4は、給水タンク3への給水を加温する。給水タンク3の水位検出器は、給水タンク3内の段階的に異なる複数の設定水位を検出する。給水タンク3内の水位が前記各設定水位を下回るごとに、通水されるヒートポンプ4の数を増加させる一方、給水タンク3内の水位が前記各設定水位を設定時間継続して上回るごとに、通水されるヒートポンプ4の数を減少させる。
【選択図】図1
Description
本発明は、ヒートポンプを用いた給水加温システムに関し、特に複数台のヒートポンプを備えた給水加温システムに関するものである。
従来、下記特許文献1に開示されるように、ボイラ(24)の給水タンク(23)への給水を、ヒートポンプ(12)を用いて加温できるシステムが知られている。また、下記特許文献2に開示されるように、廃熱回収熱交換器(12)と過冷却器(17)とを備えることで、さらに高効率な給水加温システムも知られている。
この種の給水加温システムにおいて、温水の供給能力を増すために、ヒートポンプを複数台設置したい場合がある。ところが、これら複数台のヒートポンプを同時に発停させるだけでは、複数台同時稼働時と複数台同時停止時との間での流量差が大きくなるため、給水タンク内の水位制御が難しい。
そこで、本発明が解決しようとする課題は、複数台のヒートポンプを備えた給水加温システムにおいて、容易な水位制御を実現することにある。
本発明は、前記課題を解決するためになされたもので、請求項1に記載の発明は、少なくとも一部で並列な複数の給水路を介して給水される給水タンクと、前記各給水路に設けられ、前記給水タンクへの給水を加温するヒートポンプと、前記給水タンク内の段階的に異なる複数の設定水位を検出する水位検出器と、この水位検出器の検出信号に基づき、前記給水タンク内の水位が前記各設定水位を下回るごとに、通水されるヒートポンプの数を増加させる制御器とを備えることを特徴とする給水加温システムである。
請求項1に記載の発明によれば、給水タンク内の段階的に異なる複数の設定水位を検知して、給水タンク内の水位が各設定水位を下回るごとに、通水されるヒートポンプの数を増加させる。よって、給水タンク内の水位が下がるほど、給水流量を増加させることができる反面、給水タンク内の水位が比較的上方では、給水流量は比較的少量に抑えられる。このようにして、容易な水位制御を実現することができる。
請求項2に記載の発明は、前記水位検出器の検出信号に基づき、下記(a)〜(c)のいずれかを実行することを特徴とする請求項1に記載の給水加温システムである。
(a)前記給水タンク内の水位が前記各設定水位を下回るごとに、通水される前記ヒートポンプの数を増加させる一方、前記給水タンク内の水位が前記各設定水位を設定時間継続して上回るごとに、通水される前記ヒートポンプの数を減少させる。
(b)前記給水タンク内の水位が前記各設定水位を設定時間継続して下回るごとに、通水される前記ヒートポンプの数を増加させる一方、前記給水タンク内の水位が前記各設定水位を上回るごとに、通水される前記ヒートポンプの数を減少させる。
(c)前記給水タンク内の水位が前記各設定水位を設定時間継続して下回るごとに、通水される前記ヒートポンプの数を増加させる一方、前記給水タンク内の水位が前記各設定水位を設定時間継続して上回るごとに、通水される前記ヒートポンプの数を減少させる。
(a)前記給水タンク内の水位が前記各設定水位を下回るごとに、通水される前記ヒートポンプの数を増加させる一方、前記給水タンク内の水位が前記各設定水位を設定時間継続して上回るごとに、通水される前記ヒートポンプの数を減少させる。
(b)前記給水タンク内の水位が前記各設定水位を設定時間継続して下回るごとに、通水される前記ヒートポンプの数を増加させる一方、前記給水タンク内の水位が前記各設定水位を上回るごとに、通水される前記ヒートポンプの数を減少させる。
(c)前記給水タンク内の水位が前記各設定水位を設定時間継続して下回るごとに、通水される前記ヒートポンプの数を増加させる一方、前記給水タンク内の水位が前記各設定水位を設定時間継続して上回るごとに、通水される前記ヒートポンプの数を減少させる。
請求項2に記載の発明によれば、給水タンク内の段階的に異なる複数の設定水位を検知して、通水されるヒートポンプの数を順次に増加させたり、逆に順次に減少させたりすることができる。よって、給水タンク内の水位が下がるほど、給水流量を増加させ、給水タンク内の水位が上がるほど、給水流量を減少させることができる。このようにして、容易な水位制御を実現することができる。しかも、このような制御を電極式水位検出器で行う場合でも、給水開始水位と給水停止水位とで電極棒を分けて設置する必要がないので、ヒートポンプの数が多くなった場合でも構成が簡易である。
請求項3に記載の発明は、前記給水タンクには、前記ヒートポンプを介して給水路により給水可能であると共に、前記ヒートポンプを介さずに補給水路により給水可能とされ、前記補給水路を介した前記給水タンクへの給水は、前記給水タンク内の水位が前記複数の設定水位の内の最も下方の設定水位よりも低い補給水開始水位を下回ると開始する一方、その補給水開始水位よりも高い補給水停止水位を上回ると停止することを特徴とする請求項2に記載の給水加温システムである。
請求項3に記載の発明によれば、ヒートポンプを介した給水路からの給水だけでは給水タンク内の水位を所望に維持できない場合には、ヒートポンプを介さない補給水路からも給水することで、給水タンク内の水位が下がり過ぎるのを防止することができる。
請求項4に記載の発明は、前記補給水停止水位は、前記複数の設定水位の内の最も上方の設定水位よりも高いことを特徴とする請求項3に記載の給水加温システムである。
請求項4に記載の発明によれば、補給水停止水位は、給水制御用の複数の設定水位の内の最も上方の設定水位よりも高く設定される。つまり、従来技術(前記特許文献1)と比べて補給水停止水位が比較的高いので、給水タンクへの給水速度を速めることができると共に、給水タンクには比較的多めの水を貯留できる。よって、給水タンク内の貯水量が不足するおそれはなく、最も重要なボイラやその蒸気使用設備の稼働を優先できる。
請求項5に記載の発明は、前記給水タンクには、前記ヒートポンプを介して給水路により給水可能であると共に、前記ヒートポンプを介さずに補給水路により給水可能とされ、前記補給水路を介した前記給水タンクへの給水は、下記(a)〜(c)のいずれかにより制御されることを特徴とする請求項2に記載の給水加温システムである。
(a)前記補給水路を介した前記給水タンクへの給水は、前記給水タンク内の水位が前記複数の設定水位の内の最も下方の設定水位よりも低い所定水位を下回ると開始する一方、その所定水位を所定時間継続して上回ると停止する。
(b)前記補給水路を介した前記給水タンクへの給水は、前記給水タンク内の水位が前記複数の設定水位の内の最も下方の設定水位よりも低い所定水位を所定時間継続して下回ると開始する一方、その所定水位を上回ると停止する。
(c)前記補給水路を介した前記給水タンクへの給水は、前記給水タンク内の水位が前記複数の設定水位の内の最も下方の設定水位よりも低い所定水位を所定時間継続して下回ると開始する一方、その所定水位を所定時間継続して上回ると停止する。
(a)前記補給水路を介した前記給水タンクへの給水は、前記給水タンク内の水位が前記複数の設定水位の内の最も下方の設定水位よりも低い所定水位を下回ると開始する一方、その所定水位を所定時間継続して上回ると停止する。
(b)前記補給水路を介した前記給水タンクへの給水は、前記給水タンク内の水位が前記複数の設定水位の内の最も下方の設定水位よりも低い所定水位を所定時間継続して下回ると開始する一方、その所定水位を上回ると停止する。
(c)前記補給水路を介した前記給水タンクへの給水は、前記給水タンク内の水位が前記複数の設定水位の内の最も下方の設定水位よりも低い所定水位を所定時間継続して下回ると開始する一方、その所定水位を所定時間継続して上回ると停止する。
請求項5に記載の発明によれば、ヒートポンプを介した給水路からの給水だけでは給水タンク内の水位を所望に維持できない場合には、ヒートポンプを介さない補給水路からも給水することで、給水タンク内の水位が下がり過ぎるのを防止することができる。しかも、このような制御を電極式水位検出器で行う場合でも、補給水開始水位と補給水停止水位とで電極棒を分けて設置する必要がないので、構成が簡易である。
請求項6に記載の発明は、前記各給水路には、前記ヒートポンプを備えた加温ユニットが設けられ、前記各加温ユニットは、凝縮器より上流側の前記給水路の水と、凝縮器から膨張弁への冷媒とを熱交換する過冷却器と、この過冷却器より上流側の前記給水路の水と、蒸発器を通過後の熱源流体とを熱交換する廃熱回収熱交換器とを備え、前記給水路を介した前記給水タンクへの給水中、前記凝縮器の出口側水温を目標温度に維持するように、前記給水路を介した前記給水タンクへの給水流量を調整することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の給水加温システムである。
請求項6に記載の発明によれば、各加温ユニットでは、給水路を介した給水タンクへの給水は、廃熱回収熱交換器、過冷却器および凝縮器を順に通される一方、ヒートポンプの熱源流体は、蒸発器および廃熱回収熱交換器を順に通される。蒸発器を通過後の熱源流体の廃熱や、凝縮器を通過後の冷媒の熱を用いて、凝縮器への給水を予熱しておくことで、ヒートポンプの効率を向上することができる。また、給水路を介した給水タンクへの給水中、凝縮器の出口側水温を目標温度に維持するように、給水路を介した給水タンクへの給水流量を調整することで、給水源の水温や熱源流体の温度に拘わらず、所望温度の温水を得ることができる。
さらに、請求項7に記載の発明は、前記各加温ユニットは、前記給水路を介した前記給水タンクへの給水中、前記蒸発器への熱源流体温度が設定温度以上になると、前記ヒートポンプを停止させた状態で、前記給水路を介して前記給水タンクへ給水することを特徴とする請求項6に記載の給水加温システムである。
請求項7に記載の発明によれば、各加温ユニットでは、蒸発器への熱源流体温度が設定温度以上になると、ヒートポンプを停止させるので、圧縮機の保護を図ることができる。但し、その場合でも、廃熱回収熱交換器において、給水と熱源流体とを熱交換して、熱源流体からの熱回収を図ることができる。
本発明によれば、複数台のヒートポンプを備えた給水加温システムにおいて、容易な水位制御を実現することができる。
以下、本発明の具体的実施例を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明の給水加温システム1の一実施例を示す概略図である。
図1は、本発明の給水加温システム1の一実施例を示す概略図である。
本実施例の給水加温システム1は、ボイラ2の給水タンク3への給水を、ヒートポンプ4を備えた加温ユニット5で加温できるシステムであり、ボイラ2への給水を貯留する給水タンク3と、この給水タンク3への給水を貯留する補給水タンク6と、この補給水タンク6から給水タンク3への給水を加温する複数台の加温ユニット5と、これら加温ユニット5への熱源としての熱源水(たとえば廃温水)を貯留する熱源水タンク7とを備える。
ボイラ2は、蒸気ボイラであり、給水タンク3からの給水を加熱して蒸気にする。ボイラ2は、典型的には、蒸気の圧力を所望に維持するように、燃焼量を調整される。また、ボイラ2は、缶体内の水位を所望に維持するように、給水タンク3からボイラ2への給水路またはボイラ2の内部に設けたポンプ8が制御される。ボイラ2からの蒸気は、各種の蒸気使用設備(図示省略)へ送られるが、蒸気使用設備からのドレン(蒸気の凝縮水)を給水タンク3へ戻してもよい。あるいは、蒸気使用設備からのドレンは、熱源水タンク7へ供給してもよい。
給水タンク3は、補給水タンク6から、加温ユニット5を介して給水路9により給水可能であると共に、加温ユニット5を介さずに補給水路10により給水可能である。補給水タンク6から給水タンク3への給水路9は、少なくとも一部で並列に構成されている。具体的には、補給水タンク6と給水タンク3とは、基本的には並列な複数の給水路9で接続されるが、図示例のように、補給水タンク6側と給水タンク3側との双方または片方において、共通管路に構成されてもよい。
いずれにしても、並列に配置された各給水路9に、加温ユニット5が設けられる。並列に配置された給水路9の数、言い換えれば加温ユニット5の数は、複数であれば特に問わず、図示例では四つとされているが、二つもしくは三つ、または五つ以上であってもよい。各加温ユニット5の構成は、典型的には互いに同一とされる。
各給水路9を介した給水タンク3への給水の有無、言い換えれば各加温ユニット5の通水の有無は、各給水路9に設けた給水ポンプ11により制御される。一方、補給水路10を介した給水タンク3への給水の有無は、補給水路10に設けた補給水ポンプ12により制御される。なお、図示例では、給水ポンプ11は、加温ユニット5外に設けられているが、場合により加温ユニット5内に設けられてもよい。つまり、加温ユニット5が給水ポンプ11を含む構成であってもよい。
各給水路9に設けた給水ポンプ11は、本実施例では、インバータにより回転数を制御可能とされる。各給水ポンプ11の回転数を変更することで、各給水路9を介した給水タンク3への給水流量を調整することができる。一方、補給水ポンプ12は、本実施例では、オンオフ制御される。
補給水タンク6は、給水タンク3への給水を貯留する。補給水タンク6への給水として、本実施例では軟水が用いられる。すなわち、軟水器(図示省略)にて水中の硬度分を除去された軟水は、補給水タンク6に供給され貯留される。補給水タンク6の水位に基づき軟水器からの給水を制御することで、補給水タンク6の水位は所望に維持される。
図2は、図1に示される複数の加温ユニット5の内の一つを示す概略図である。この図に示すように、加温ユニット5は、ヒートポンプ4を主要部として備える。
ヒートポンプ4は、蒸気圧縮式のヒートポンプであり、圧縮機13、凝縮器14、膨張弁15および蒸発器16が順次環状に接続されて構成される。そして、圧縮機13は、ガス冷媒を圧縮して高温高圧にする。また、凝縮器14は、圧縮機13からのガス冷媒を凝縮液化する。さらに、膨張弁15は、凝縮器14からの液冷媒を通過させることで、冷媒の圧力と温度とを低下させる。そして、蒸発器16は、膨張弁15からの冷媒の蒸発を図る。
従って、ヒートポンプ4は、蒸発器16において、冷媒が外部から熱を奪って気化する一方、凝縮器14において、冷媒が外部へ放熱して凝縮することになる。これを利用して、本実施例では、ヒートポンプ4は、蒸発器16において、熱源水から熱をくみ上げ、凝縮器14において、給水路9の水を加温する。
ヒートポンプ4は、さらに、凝縮器14と膨張弁15との間に、過冷却器17を備えるのが好ましい。過冷却器17は、凝縮器14より上流側の給水路9の水と、凝縮器14から膨張弁15への冷媒との間接熱交換器である。過冷却器17により、凝縮器14への給水で、凝縮器14から膨張弁15への冷媒を過冷却することができると共に、凝縮器14から膨張弁15への冷媒で、凝縮器14への給水を加温することができる。ヒートポンプ4の冷媒は、好適には、凝縮器14において潜熱を放出し、過冷却器17において顕熱を放出する。
つまり、凝縮器14において、ガス冷媒は凝縮して液冷媒となり、その液冷媒が過冷却器17に供給されて、過冷却器17において、液冷媒はさらに冷却(過冷却)される。冷媒の凝縮用と過冷却用とで熱交換器を分けることで、熱交換器の設計が容易となり、熱交換器を簡易な構造で小型化でき、コスト削減を図ることができる。また、汎用の熱交換器の利用も可能となる。
その他、ヒートポンプ4には、圧縮機13の入口側にアキュムレータを設置したり、圧縮機13の出口側に油分離器を設置したり、凝縮器14の出口側(凝縮器14と過冷却器17との間)に受液器を設置したりしてもよい。
ところで、ヒートポンプ4は、その出力を変更可能とされてもよい。たとえば、圧縮機13のモータの電源周波数ひいては回転数をインバータで変更することで、ヒートポンプ4の出力を変更することができる。但し、以下においては、ヒートポンプ4は、圧縮機13のモータの電源周波数が一定に維持され、一定出力で運転される例について説明する。
本実施例では、各加温ユニット5は、さらに廃熱回収熱交換器18を備える。この廃熱回収熱交換器18は、過冷却器17より上流側の給水路9の水と、蒸発器16を通過後の熱源水との間接熱交換器である。従って、各加温ユニット5において、給水路9の水は、廃熱回収熱交換器18、過冷却器17および凝縮器14へと順に通される。一方、各加温ユニット5において、熱源水タンク7からの熱源水は、蒸発器16を通された後、廃熱回収熱交換器18に通される。
図1に示すように、各加温ユニット5には、熱源水タンク7からの熱源水が熱源供給路19を介して供給可能とされる。この際、熱源水タンク7からの熱源水は、各加温ユニット5に並列に供給可能とされる。
熱源水タンク7は、ヒートポンプ4の熱源としての熱源水を貯留する。熱源水とは、たとえば廃温水(工場などから排出される温水)である。なお、熱源水タンク7には、熱源水の供給路20が設けられると共に、所定以上の水をあふれさせるオーバーフロー路21が設けられている。
熱源水タンク7の熱源水は、各熱源供給路19を介して各加温ユニット5へ供給され、各加温ユニット5において、ヒートポンプ4の蒸発器16に通された後、廃熱回収熱交換器18に通される(図2)。各熱源供給路19には、蒸発器16より上流側に熱源供給ポンプ22が設けられており、この熱源供給ポンプ22を作動させることで、熱源水タンク7からの熱源水を、その熱源供給ポンプ22より下流に設けた蒸発器16と廃熱回収熱交換器18とに順に通すことができる。
蒸発器16を先に通した後に廃熱回収熱交換器18に熱源水を通すことで、廃熱回収熱交換器18を先に通した後に蒸発器16に熱源水を通す場合と比較して、蒸発器16における冷媒の蒸発温度(つまり蒸発圧力)を高めることができ、圧縮機13の圧力比を小さくすることができ、省エネルギーを図ることができる。
なお、図示例では、熱源供給ポンプ22は、加温ユニット5外に設けられているが、場合により加温ユニット5内に設けられてもよい。つまり、加温ユニット5が熱源供給ポンプ22を含む構成であってもよい。
図3は、図1に示される給水タンク3の具体的構成を示す概略図である。この図に示すように、給水タンク3には、水位検出器23が設けられる。この水位検出器23は、その構成を特に問わないが、本実施例では電極式水位検出器とされる。この場合、給水タンク3には、長さの異なる複数の電極棒24〜26が、その下端部の高さ位置を互いに異ならせて差し込まれて保持される。本実施例では、各給水ポンプ11制御用の複数本(加温ユニット5の数と対応しており図示例では四本)の給水制御電極棒24の他、補給水ポンプ12制御用の補給水開始電極棒25と補給水停止電極棒26とが、給水タンク3に挿入されている。この際、詳細は後述するが、各給水制御電極棒24は、その下端部の高さ位置を設定間隔(典型的には一定間隔)で低くなるように、給水タンク3に挿入されている。また、補給水停止電極棒26、各給水制御電極棒24、補給水開始電極棒25の順に、下端部の高さ位置を低くして、給水タンク3に挿入されている。
各電極棒24〜26は、その下端部が水に浸かるか否かにより、下端部における水位の有無を検出する。以下において、各給水制御電極棒24が検出する水位を段階的に異なる複数の設定水位H1、補給水開始電極棒25が検出する水位を補給水開始水位H2、補給水停止電極棒26が検出する水位を補給水停止水位H3という。
熱源水タンク7には、図1に示すように、熱源水の有無を確認するために、水位検出器27が設けられる。この水位検出器27は、その構成を特に問わないが、本実施例では電極式水位検出器とされる。この場合、熱源水タンク7には、低水位検出電極棒28が差し込まれており、熱源水の水位が設定を下回っていないかを監視する。
各加温ユニット5には、図2に示すように、凝縮器14の出口側の給水路9に、出湯温度センサ29が設けられる。出湯温度センサ29は、凝縮器14を通過後の水温を検出する。各加温ユニット5では、出湯温度センサ29の検出温度に基づき、その加温ユニット5への給水ポンプ11が制御される。ここでは、給水ポンプ11は、出湯温度センサ29の検出温度を目標温度に維持するようにインバータ制御される。これにより、各給水路9を介した給水タンク3への給水は、その給水路9に設けた出湯温度センサ29の検出温度を目標温度に維持するように、流量が調整される。
各加温ユニット5には、蒸発器16の入口側の熱源供給路19に、熱源温度センサ30が設けられる。熱源温度センサ30は、蒸発器16へ供給される熱源水の温度を検出する。但し、熱源温度センサ30は、場合により、熱源水タンク7に設けられてもよいし、熱源水タンク7から各加温ユニット5へ熱源水を供給するために複数の熱源供給路19に分岐する前の熱源水タンク7側の共通管路に設けられてもよい。詳細は後述するが、熱源温度センサ30の検出温度に基づき、ヒートポンプ4(より具体的には圧縮機13)の発停と、前記目標温度の変更が可能とされる。
次に、本実施例の給水加温システム1の制御(運転方法)について説明する。以下に説明する一連の制御は、図示しない制御器を用いて自動でなされる。
給水タンク3への給水は、給水タンク3に設けた水位検出器23の検出信号に基づき、各給水ポンプ11と補給水ポンプ12とを制御することでなされる。各給水路9を介した給水タンク3への給水制御は、水位検出器23の検出信号に基づき、下記(a)〜(c)のいずれかにより実行される。なお、設定水位H1とは、各給水制御電極棒24の下端部が検出する水位であり、上下に離隔して複数存在する。
(a)給水タンク3内の水位が各設定水位H1を下回るごとに、通水される加温ユニット5の数を増加させる一方、給水タンク3内の水位が各設定水位H1を設定時間継続して上回るごとに、通水される加温ユニット5の数を減少させる。
(b)給水タンク3内の水位が各設定水位H1を設定時間継続して下回るごとに、通水される加温ユニット5の数を増加させる一方、給水タンク3内の水位が各設定水位H1を上回るごとに、通水される加温ユニット5の数を減少させる。
(c)給水タンク3内の水位が各設定水位H1を設定時間(第一設定時間)継続して下回るごとに、通水される加温ユニット5の数を増加させる一方、給水タンク3内の水位が各設定水位H1を設定時間(第二設定時間)継続して上回るごとに、通水される加温ユニット5の数を減少させる。なお、第一設定時間と第二設定時間とは、同一でもよいし、異なってもよい。
一方、補給水路10を介した給水タンク3への給水は、給水タンク3内の水位が補給水開始水位H2を下回ると開始し、この補給水開始水位H2よりも高い補給水停止水位H3を上回ると停止する。ここで、補給水開始水位H2は、各設定水位H1よりも低く設定(つまり最も下方の設定水位H1よりも低く設定)され、補給水停止水位H3は、各設定水位H1よりも高く設定(つまり最も上方の設定水位H1よりも高く設定)される。
このような構成であるから、たとえば前記(a)の場合を例に説明すると、いま、すべての給水制御電極棒24および補給水停止電極棒26が水位を検知しているとすると、給水タンク3の水位が十分にあるとして、各給水ポンプ11を停止すると共に、補給水ポンプ12も停止している。給水タンク3からボイラ2への給水により、給水タンク3の水位が下がり、最も上方の給水制御電極棒24が水位を検知しなくなると、一台目の給水ポンプ11を作動させる。これにより、一つの給水路9を介して給水タンク3に給水されるが、その給水制御電極棒(最も上方の給水制御電極棒)24が設定時間継続して水位を検知すると、一台目の給水ポンプ11を停止させる。一方、一台目の給水ポンプ11を作動させても、給水タンク3の水位を回復できず、給水タンク3の水位がさらに下がり、上から二番目の給水制御電極棒24が水位を検知しなくなると、二台目の給水ポンプ11を作動させ、上から三番目の給水制御電極棒24が水位を検知しなくなると、三台目の給水ポンプ11を作動させるというように、給水タンク3内の水位が段階的に設定された各設定水位H1を下回るごとに、通水される加温ユニット5の数を増加させていく。そして、最も下方の給水制御電極棒24も水位を検知しなくなり、全ての給水ポンプ11を作動させても水位を回復できず、補給水開始電極棒25が水位を検知しなくなると、補給水ポンプ12も作動させる。これにより、補給水路10を介しても給水タンク3に給水されるが、給水タンク3の水位が回復して、最も下方の給水制御電極棒24が水位を設定時間継続して検知すると、一台の給水ポンプ(ここでは四台目の給水ポンプ)11を停止させ、下から二番目の給水制御電極棒24が水位を設定時間継続して検知すると、もう一台の給水ポンプ(ここでは三台目の給水ポンプ)11を停止させるというように、給水タンク3内の水位が段階的に設定された各設定水位H1を設定時間継続して上回るごとに、通水される加温ユニット5の数を減少させていく。その後、補給水停止電極棒26が水位を検知すると、補給水ポンプ12も停止する。なお、各加温ユニット5について、その加温ユニット5への給水ポンプ11を作動中、その加温ユニット5への熱源供給ポンプ22も作動させる。
前記(b)や(c)についても、給水タンク3内の水位下降時、各給水制御電極棒24が水位を検知しなくなった場合に、設定時間待機するか否か、あるいは、給水タンク3内の水位上昇時、各給水制御電極棒24が水位を検知した場合に、設定時間待機するか否かが異なるだけで、基本的には前記(a)と同様に制御される。
以上の例では、給水タンク3の水位の低下に伴い、給水ポンプ11を一台目、二台目、三台目…と順次に起動し、給水タンク3の水位の回復に伴い、最後に起動した給水ポンプ11から順次に停止する。たとえば三台の給水ポンプ11の運転中からの水位回復時には、前記三台目、前記二台目、前記一台目と順次に停止させることになる。但し、給水タンク3内の水位の回復に伴い、最初に起動した給水ポンプ11から順次に停止させてもよい。たとえば三台の給水ポンプ11の運転中からの水位回復時には、前記一台目、前記二台目、前記三台目と順次に停止させてもよい。
また、これにも関連するが、上述のような一連の制御において、複数の給水ポンプ11の内、どの給水ポンプ11を優先的に運転するかは、予め設定されており、制御器により自動で選択される。但し、優先的に稼働する給水ポンプ11を、制御器にユーザが手動で設定可能としておいてもよい。いずれの場合も、制御器は、いずれかの加温ユニット5の故障を検知した場合、その加温ユニット5を抜いた状態で制御を継続するのがよい。
本実施例では、補給水停止水位H3は、複数の設定水位H1の内の最も上方の設定水位H1よりも高く設定される。言い換えれば、補給水停止電極棒26の下端部は、最も上方の給水制御電極棒24の下端部よりも高く配置される。従来技術と比べて補給水停止水位H3が比較的高いので、給水タンク3への給水速度を速めることができると共に、給水タンク3には比較的多めの水を貯留できる。よって、給水タンク3内の貯水量が不足するおそれはなく、最も重要なボイラ2やその蒸気使用設備の稼働を優先できる。また、給水タンク3を空の状態から満水にするまでの時間を短縮することができる。
なお、補給水ポンプ12の回転数をインバータにより変更可能としておき、補給水ポンプ12の稼働中、給水タンク3内の水位が回復するに従って、補給水路10を介した給水タンク3への給水流量を徐々に絞るようにしてもよい。たとえば、各給水制御電極棒24による設定水位H1を順に上回るごとに、補給水ポンプ12による流量を段階的に絞っていけばよい。あるいは、給水タンク3内の水位を連続的に検出できる水位検出器を用いて、給水タンク3内の水位上昇に応じて補給水ポンプ12による流量を連続的に絞っていけばよい。
各加温ユニット5のヒートポンプ4は、後述するように、所定の場合に作動する。ヒートポンプ4は、その圧縮機13の作動の有無により、運転と停止が切り替えられる。ヒートポンプ4の運転中、圧縮機13は、モータの電源周波数が一定に維持され、一定出力を維持される。
各給水ポンプ11は、作動中、出湯温度センサ29の検出温度を目標温度に維持するように、回転数をインバータ制御される。後述するように、状況に応じて、目標温度は変更される。
前述したように、本実施例の給水加温システム1では、給水タンク3内の水位に基づき、各給水路9を介した給水タンク3への給水が制御されるが、各給水路9を介した給水タンク3への給水中、それによる通水中の加温ユニット5では、熱源温度センサ30により蒸発器16への熱源流体温度を監視し、その温度が設定温度以上になると、ヒートポンプ4を停止させるのがよい。その場合でも、給水タンク3内の水位に基づく給水条件が満たされる限りは、給水路9を介して給水タンク3へ給水する。
より詳細には、本実施例では、次のように制御される。すなわち、各加温ユニット5では、給水路9を介した給水タンク3への給水中、熱源温度センサ30の検出温度が設定温度(たとえば60℃)未満であれば、ヒートポンプ4を作動させた状態で、出湯温度センサ29の検出温度を第一目標温度(たとえば75℃)に維持するように、給水ポンプ11をインバータ制御して、給水路9を介した給水タンク3への給水流量を調整する(第一制御)。なお、ここでは、第一目標温度は、前記設定温度よりも高い温度とされる。
このような第一制御中、熱源温度センサ30の検出温度が設定温度(たとえば60℃)以上になると、第二制御に切り替える。第二制御では、ヒートポンプ4を停止させる。その場合でも、給水タンク3内の水位に基づく給水条件が満たされる限りは、給水路9を介して給水タンク3へ給水するが、凝縮器14の出口側水温の制御目標温度を下げるのが好ましい。つまり、出湯温度センサ29の検出温度を第一目標温度よりも低い第二目標温度(たとえば60℃)に維持するように、給水ポンプ11をインバータ制御して、給水路9を介した給水タンク3への給水流量を調整する。なお、ここでは、第二目標温度は、前記設定温度と同一温度とされるが、場合により、前記設定温度よりも低い温度とされてもよい。
このように、蒸発器16への熱源流体温度が設定温度未満であれば、ヒートポンプ4を作動させた状態で、凝縮器14の出口側水温を第一目標温度に維持するように、給水路9を介した給水タンク3への給水流量を調整することで、給水源の水温や熱源流体の温度に拘わらず、所望温度の温水を得ることができる。一方、蒸発器16への熱源流体温度が設定温度以上になると、ヒートポンプ4を停止させるので、圧縮機13の保護を図ることができる。但し、その場合でも、廃熱回収熱交換器18において、給水と熱源流体とを熱交換して、熱源流体からの熱回収を図ることができる。しかも、凝縮器14の出口側水温の制御目標温度を、第一目標温度よりも低い第二目標温度に切り替えることで、給水路9を介した給水タンク3への給水流量をある程度以上に確保して、熱源流体からの熱回収を有効に図ることができる。
各加温ユニット5において、第二制御から第一制御への切替えは、次のように行われる。すなわち、ヒートポンプ4を停止した状態で、出湯温度センサ29の検出温度を第二目標温度に維持するように、給水路9を介した給水タンク3への給水流量を調整中(つまり第二制御中)、熱源温度センサ30の検出温度が設定温度未満を設定時間(たとえば60秒)継続した場合には、第一制御に戻される。つまり、ヒートポンプ4を再起動して、出湯温度センサ29の検出温度を第一目標温度に維持するように、給水路9を介した給水タンク3への給水流量を調整する制御に切り替えればよい。
但し、第二制御から第一制御への切替えは、次のように行ってもよい。すなわち、ヒートポンプ4を停止した状態で、出湯温度センサ29の検出温度を第二目標温度に維持するように、給水路9を介した給水タンク3への給水流量を調整中(つまり第二制御中)、熱源温度センサ30の検出温度が設定温度よりも低い所定温度(たとえば58℃)未満になった場合には、第一制御に戻される。つまり、ヒートポンプ4を再起動して、出湯温度センサ29の検出温度を第一目標温度に維持するように、給水路9を介した給水タンク3への給水流量を調整する制御に切り替えればよい。
いずれにしても、蒸発器16への熱源流体温度が所定に下がると、ヒートポンプ4を停止させた第二制御から、ヒートポンプ4を稼働させた第一制御に戻すことができる。このようにして、蒸発器16への熱源流体温度に応じて、第一制御と第二制御との切り替えが行われる。
但し、各加温ユニット5では、給水路9を介した給水タンク3への給水中、熱源温度センサ30の検出温度が前記設定温度よりも高い上限温度(たとえば65℃)以上になると、給水加温システム1の稼働を停止するのがよい。具体的には、ヒートポンプ4を停止すると共に、熱源供給ポンプ22を停止して蒸発器16への熱源流体の供給も停止する。さらに、給水ポンプ11も停止するのがよい。このようにして、蒸発器16への熱源流体温度が過度に上昇した場合には、給水加温システム1の稼働を停止することで、給水加温システム1の保護を図ることができる。なお、ここでは、上限温度は、前記設定温度よりも高いが、前記第一目標温度よりも低い温度とされる。
その他、各加温ユニット5では、ヒートポンプ4の運転中、熱源水タンク7の水位が下がり、低水位検出電極棒28が水位を検知しなくなると、ヒートポンプ4の運転を停止すると共に、熱源供給ポンプ22を停止して蒸発器16への熱源水の供給を停止するのがよい。これにより、ヒートポンプ4を無駄に運転するのが防止される。また、同様に、各加温ユニット5では、給水路9を介した給水タンク3への給水中、万一、給水路9を通る給水の量が設定を下回ると、ヒートポンプ4の運転を停止すると共に、熱源供給ポンプ22を停止して蒸発器16への熱源水の供給を停止するのがよい。さらに、給水タンク3内の水位が、補給水停止水位H3よりも高い所定の上限水位を上回るか、補給水開始水位H2よりも低い所定の下限水位を下回るかを水位検出器で検知可能としておき、上限水位を上回るか下限水位を下回るかを検知した場合、異常があるとしてその旨報知したり、給水加温システム1の運転を停止したりしてもよい。
本発明の給水加温システム1は、前記実施例の構成に限らず、適宜変更可能である。特に、給水タンク3内の水位が下がるほど、給水タンク3への給水が実行される給水路9の数(言い換えれば通水される加温ユニット5の数)を増加させ、好ましくはさらに、水位回復時、給水タンク3内の水位が上がるほど、給水タンク3への給水が実行される給水路9の数(言い換えれば通水される加温ユニット5の数)を減少させるのであれば、その他の構成は適宜に変更可能である。
たとえば、前記実施例では、各給水ポンプ11の発停を制御するのに、それぞれ一本の給水制御電極棒24を用いたが、補給水ポンプ12の制御と同様に、各給水ポンプ11について、給水開始電極棒とそれより上方に配置される給水停止電極棒とのセットを用いてもよい。この際、給水タンク3には、給水停止電極棒と給水開始電極棒とがその下端部を交互に低くするように設けられてもよいし、下端部を順に低くした各給水停止電極棒の下端部が配置される水位域と、下端部を順に低くした各給水開始電極棒の下端部が配置される水位域とを上下に分けるように設けられてもよい。
逆に、前記実施例では、補給水ポンプ12の発停を制御するのに、補給水開始電極棒25とそれより上方に配置される補給水停止電極棒26とを用いたが、所定水位を検知する一本の補給水制御電極棒を用いて、下記(a)〜(c)のいずれかにより制御してもよい。なお、所定水位とは、補給水制御電極棒の下端部が検出する水位であり、各給水制御電極棒24の下端部が検出する水位よりも下方(言い換えれば複数の設定水位H1の内の最も下方の設定水位H1よりも下方)に配置される。
(a)補給水路10を介した給水タンク3への給水は、給水タンク3内の水位が所定水位を下回ると開始する一方、その所定水位を所定時間継続して上回ると停止する。
(b)補給水路10を介した給水タンク3への給水は、給水タンク3内の水位が所定水位を所定時間継続して下回ると開始する一方、その所定水位を上回ると停止する。
(c)補給水路10を介した給水タンク3への給水は、給水タンク3内の水位が所定水位を所定時間(第一所定時間)継続して下回ると開始する一方、その所定水位を所定時間(第二所定時間)継続して上回ると停止する。なお、第一所定時間と第二所定時間とは、同一でもよいし、異なってもよい。
また、前記実施例において、過冷却器17と廃熱回収熱交換器18の内、一方または双方の設置を省略してもよい。廃熱回収熱交換器18の設置を省略する場合、加温ユニット5は、ヒートポンプ4そのものと捉えることができる。その場合、ヒートポンプ4を停止した状態で廃熱回収熱交換器18における給水の加温ができないのであるから、熱源流体温度によるヒートポンプ4の発停制御は別途必要ではなくなる。よって、給水タンク3内の水位に基づき給水ポンプ11を作動させる場合、それにより通水されるヒートポンプ4を連動して起動させ、給水タンク3内の水位に基づき給水ポンプ11を停止させる場合、それによる通水停止されるヒートポンプ4を連動して停止させればよい。
また、前記実施例において、出湯温度センサ29や熱源温度センサ30による各種制御を省略してもよい。さらに、前記実施例において、各給水路9を介した給水タンク3への給水は、各給水路9に給水ポンプ11を設置してこれを制御することに代えてまたはこれに加えて、各給水路9に弁を設置してこれを制御することで行ってもよいし、補給水路10を介した給水タンク3への給水は、補給水路10に補給水ポンプ12を設置してこれを制御することに代えてまたはこれに加えて、補給水路10に弁を設置してこれを制御することで行ってもよい。
また、実施例では、各給水路9を介した給水タンク3への給水流量を調整するために、各給水路9に設けた給水ポンプ11をインバータ制御したが、各給水ポンプ11をオンオフ制御しつつ、各給水路9に設けた弁の開度を調整してもよい。つまり、出湯温度センサ29の検出温度などに基づき各給水路9を介した給水の流量を調整可能であれば、その流量調整方法は適宜に変更可能である。
また、前記実施例の場合、給水タンク3は、複数の給水路9により給水可能であると共に、補給水路10により給水可能であれば、各給水路9や補給水路10の具体的構成は、前記実施例の構成に限らず適宜変更可能である。たとえば、前記実施例において、各給水路9と補給水路10との一端部(補給水タンク6側の端部)と他端部(給水タンク3側の端部)の一方または双方は、共通の管路としてもよい。言い換えれば、補給水路10の一端部は、補給水タンク6に接続するのではなく、各給水路9の補給水タンク6側の共通管路から分岐するように設けてもよいし、補給水路10の他端部は、給水タンク3に接続するのではなく、各給水路9の給水タンク3側の共通管路に合流するように設けてもよい。補給水路10の一端部を、補給水タンク6に接続するのではなく、各給水路9の補給水タンク6側の共通管路から分岐するように設ける場合、その分岐部より下流において、各給水路9に給水ポンプ11を設ける一方、補給水路10に補給水ポンプ12を設ければよいが、分岐部よりも上流側の共通管路にのみポンプを設けて、分岐部より下流の各給水路9や補給水路10に設けた弁の開度を調整することで、各給水路9や補給水路10を通る流量を調整してもよい。
また、前記実施例では、給水タンク3への給水を貯留するために補給水タンク6を設置したが、場合により補給水タンク6の設置を省略して、給水源から直接に各給水路9および補給水路10に水を通してもよい。
また、前記実施例では、各給水路9および/または補給水路10を介して、補給水タンク6から給水タンク3へ給水可能としたが、これら給水は、軟水器から直接に行ってもよい。たとえば、図1において、各給水路9および補給水路10の基端部をまとめて軟水器に接続し、給水ポンプ11の設置を省略する代わりに各給水路9に設けた電動弁(モータバルブ)の開度を調整し、補給水ポンプ12の設置を省略する代わりに補給水路10に設けた電磁弁の開閉を制御すればよい。
また、前記実施例では、ボイラ2の給水タンク3への給水を加温ユニット5で加温できるシステムについて説明したが、給水タンク3の貯留水の利用先は、ボイラ2に限らず適宜に変更可能である。
また、前記実施例では、各ヒートポンプ4の熱源として熱源水を用いた例について説明したが、各ヒートポンプ4の熱源流体として、熱源水に限らず、空気や排ガスなど各種の流体を用いることができる。
また、前記実施例では、各ヒートポンプ4を運転する際、圧縮機13のモータの電源周波数を一定に維持したが、場合により、圧縮機13の吐出圧を所定に維持するように制御してもよい。あるいは、給水タンク3内の水位または蒸発器16への熱源流体温度に基づき、圧縮機13の出力を調整してもよい。
また、各加温ユニット5のヒートポンプ4は、単段に限らず複数段とすることもできる。ヒートポンプ4を複数段にする場合、隣接する段のヒートポンプ同士は、間接熱交換器を用いて接続されてもよいし、直接熱交換器(中間冷却器)を用いて接続されてもよい。後者の場合、低段ヒートポンプの圧縮機からの冷媒と高段ヒートポンプの膨張弁からの冷媒とを受けて、両冷媒を直接に接触させて熱交換する中間冷却器を備え、この中間冷却器が低段ヒートポンプの凝縮器であると共に高段ヒートポンプの蒸発器とされる。このように、複数段(多段)のヒートポンプには、一元多段のヒートポンプの他、複数元(多元)のヒートポンプ、あるいはそれらの組合せのヒートポンプが含まれる。
また、前記実施例では、段階的な設定水位を下回るごとに一台ずつ給水ポンプ11を起動し、段階的な設定水位を上回るごとに一台ずつ給水ポンプ11を停止したが、場合により、複数台ずつ起動または停止を制御してもよい。
さらに、前記実施例では、各加温ユニット5では、ヒートポンプ4の圧縮機13は、電気モータにより駆動されたが、圧縮機13の駆動源は特に問わない。たとえば、圧縮機13は、電気モータに代えてまたはそれに加えて、蒸気を用いて動力を起こすスチームモータ(蒸気エンジン)に駆動されたり、ガスエンジンにより駆動されたりしてもよい。
1 給水加温システム
2 ボイラ
3 給水タンク
4 ヒートポンプ
5 加温ユニット
6 補給水タンク
7 熱源水タンク
8 ポンプ
9 給水路
10 補給水路
11 給水ポンプ
12 補給水ポンプ
13 圧縮機
14 凝縮器
15 膨張弁
16 蒸発器
17 過冷却器
18 廃熱回収熱交換器
19 熱源供給路
20 熱源水の供給路
21 オーバーフロー路
22 熱源供給ポンプ
23 水位検出器
24 給水制御電極棒
25 補給水開始電極棒
26 補給水停止電極棒
27 水位検出器
28 低水位検出電極棒
29 出湯温度センサ
30 熱源温度センサ
H1 設定水位
H2 補給水開始水位
H3 補給水停止水位
2 ボイラ
3 給水タンク
4 ヒートポンプ
5 加温ユニット
6 補給水タンク
7 熱源水タンク
8 ポンプ
9 給水路
10 補給水路
11 給水ポンプ
12 補給水ポンプ
13 圧縮機
14 凝縮器
15 膨張弁
16 蒸発器
17 過冷却器
18 廃熱回収熱交換器
19 熱源供給路
20 熱源水の供給路
21 オーバーフロー路
22 熱源供給ポンプ
23 水位検出器
24 給水制御電極棒
25 補給水開始電極棒
26 補給水停止電極棒
27 水位検出器
28 低水位検出電極棒
29 出湯温度センサ
30 熱源温度センサ
H1 設定水位
H2 補給水開始水位
H3 補給水停止水位
Claims (7)
- 少なくとも一部で並列な複数の給水路を介して給水される給水タンクと、
前記各給水路に設けられ、前記給水タンクへの給水を加温するヒートポンプと、
前記給水タンク内の段階的に異なる複数の設定水位を検出する水位検出器と、
この水位検出器の検出信号に基づき、前記給水タンク内の水位が前記各設定水位を下回るごとに、通水されるヒートポンプの数を増加させる制御器と
を備えることを特徴とする給水加温システム。 - 前記水位検出器の検出信号に基づき、下記(a)〜(c)のいずれかを実行する
ことを特徴とする請求項1に記載の給水加温システム。
(a)前記給水タンク内の水位が前記各設定水位を下回るごとに、通水される前記ヒートポンプの数を増加させる一方、前記給水タンク内の水位が前記各設定水位を設定時間継続して上回るごとに、通水される前記ヒートポンプの数を減少させる。
(b)前記給水タンク内の水位が前記各設定水位を設定時間継続して下回るごとに、通水される前記ヒートポンプの数を増加させる一方、前記給水タンク内の水位が前記各設定水位を上回るごとに、通水される前記ヒートポンプの数を減少させる。
(c)前記給水タンク内の水位が前記各設定水位を設定時間継続して下回るごとに、通水される前記ヒートポンプの数を増加させる一方、前記給水タンク内の水位が前記各設定水位を設定時間継続して上回るごとに、通水される前記ヒートポンプの数を減少させる。 - 前記給水タンクには、前記ヒートポンプを介して給水路により給水可能であると共に、前記ヒートポンプを介さずに補給水路により給水可能とされ、
前記補給水路を介した前記給水タンクへの給水は、前記給水タンク内の水位が前記複数の設定水位の内の最も下方の設定水位よりも低い補給水開始水位を下回ると開始する一方、その補給水開始水位よりも高い補給水停止水位を上回ると停止する
ことを特徴とする請求項2に記載の給水加温システム。 - 前記補給水停止水位は、前記複数の設定水位の内の最も上方の設定水位よりも高い
ことを特徴とする請求項3に記載の給水加温システム。 - 前記給水タンクには、前記ヒートポンプを介して給水路により給水可能であると共に、前記ヒートポンプを介さずに補給水路により給水可能とされ、
前記補給水路を介した前記給水タンクへの給水は、下記(a)〜(c)のいずれかにより制御される
ことを特徴とする請求項2に記載の給水加温システム。
(a)前記補給水路を介した前記給水タンクへの給水は、前記給水タンク内の水位が前記複数の設定水位の内の最も下方の設定水位よりも低い所定水位を下回ると開始する一方、その所定水位を所定時間継続して上回ると停止する。
(b)前記補給水路を介した前記給水タンクへの給水は、前記給水タンク内の水位が前記複数の設定水位の内の最も下方の設定水位よりも低い所定水位を所定時間継続して下回ると開始する一方、その所定水位を上回ると停止する。
(c)前記補給水路を介した前記給水タンクへの給水は、前記給水タンク内の水位が前記複数の設定水位の内の最も下方の設定水位よりも低い所定水位を所定時間継続して下回ると開始する一方、その所定水位を所定時間継続して上回ると停止する。 - 前記各給水路には、前記ヒートポンプを備えた加温ユニットが設けられ、
前記各加温ユニットは、
凝縮器より上流側の前記給水路の水と、凝縮器から膨張弁への冷媒とを熱交換する過冷却器と、
この過冷却器より上流側の前記給水路の水と、蒸発器を通過後の熱源流体とを熱交換する廃熱回収熱交換器とを備え、
前記給水路を介した前記給水タンクへの給水中、前記凝縮器の出口側水温を目標温度に維持するように、前記給水路を介した前記給水タンクへの給水流量を調整する
ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の給水加温システム。 - 前記各加温ユニットは、前記給水路を介した前記給水タンクへの給水中、前記蒸発器への熱源流体温度が設定温度以上になると、前記ヒートポンプを停止させた状態で、前記給水路を介して前記給水タンクへ給水する
ことを特徴とする請求項6に記載の給水加温システム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013219146A JP2015081708A (ja) | 2013-10-22 | 2013-10-22 | 給水加温システム |
Applications Claiming Priority (1)
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---|---|---|---|
JP2013219146A JP2015081708A (ja) | 2013-10-22 | 2013-10-22 | 給水加温システム |
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---|---|---|---|---|
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-
2013
- 2013-10-22 JP JP2013219146A patent/JP2015081708A/ja active Pending
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WO2024130684A1 (zh) * | 2022-12-23 | 2024-06-27 | 广东芬尼克兹节能设备有限公司 | 热泵工程的控制方法、装置、设备及存储介质 |
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