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JP6062973B2 - 工具姿勢を考慮した近傍点サーチが可能な数値制御装置 - Google Patents

工具姿勢を考慮した近傍点サーチが可能な数値制御装置 Download PDF

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Description

本発明は、数値制御装置に関し、特に工具姿勢を考慮した近傍点サーチが可能な数値制御装置に関する。
近傍点サーチ機能を実行すると、加工プログラムを先頭から仮実行し、現在の工具先端点と、仮実行中の各ブロック始点での工具先端点の二点間の距離を計算する。この距離が設定距離(近傍点距離)内に入っていて、更にそのブロック終点で工具先端点が現在の工具先端点から遠ざかる場合に、このブロック始点を近傍点とする。近傍点が決定すると近傍点に工具が位置決めされ、そのブロック始点からプログラムを再開することが可能となる。
図6は、近傍点サーチ機能による近傍点の判定とサーチ中の再開への位置決めを示している。工具先端点から近傍点距離内にあるブロック始点を近傍点とし、そのブロック始点までプログラムを実行して中断したときと同じようにプログラムを再開することが可能となる。
特開平09−128027号公報
従来技術における近傍点サーチ機能は、加工プログラムを先頭から仮実行したときの各ブロックの工具先端点と、実際の工具先端点との距離でのみ近傍点の判定を行っているため、三次元の加工で工具の姿勢は変わるが先端はあまり移動しないときや、現在の工具から近傍点距離内にブロック始点が複数存在するときなどに、本来再開したいブロックではないブロックの始点を近傍点とすることがあるという問題があった。
例えば、図7のように、プログラムによっては再開しようとしてノズル先端を近づけたブロック始点とは異なるブロック始点が先に近傍点距離内に入り、近傍点として決定してしまうことがある。
そこで本発明の目的は、近傍点距離内にブロック始点が複数存在するような加工において、より相応しいブロック始点を近傍点とすることが可能な近傍点サーチ機能を備えた数値制御装置を提供することである。
本願の請求項1に係る発明は、加工プログラムに基づいて少なくとも1つの移動軸と少なくとも1つの回転軸により制御される工具を、前記工具の現在位置から近傍点距離内の、前記加工プログラムにより指令される加工経路上に移動させる近傍点サーチ機能を有する数値制御装置において、現在の前記工具の工具先端点位置を取得する現在工具先端点位置取得手段と、現在の前記工具の工具姿勢を取得する現在工具姿勢取得手段と、前記加工プログラムからブロックを読み出して解析する加工プログラム解析手段と、前記加工プログラム解析手段の解析結果に基づいて、前記ブロックの実行開始時における前記工具の先端点位置を取得するブロック実行開始時工具先端点位置取得手段と、前記ブロックの実行開始時における前記工具の先端点位置が、前記現在の前記工具の工具先端点位置から、あらかじめ設定されている近傍点距離内にあるか否かを判定する距離近傍判定手段と、前記距離近傍判定手段により前記近傍点距離内にあると判定された場合、前記加工プログラム解析手段の解析結果に基づいて、前記ブロックの実行開始時における前記工具の工具姿勢を取得するブロック実行開始時工具姿勢取得手段と、前記ブロックの実行開始時における前記工具の工具姿勢と、前記現在の前記工具の工具姿勢との差があらかじめ設定された所定の値以内であるかを判定する姿勢近傍判定手段と、前記姿勢近傍判定手段によりあらかじめ設定された所定の値以内であるかを判定された場合、前記ブロックの実行開始時における前記工具の先端点位置を近傍点として出力する近傍点出力手段と、を備え、前記近傍点出力手段により近傍点が出力されるか、または、前記加工プログラムが終了するまで、前記加工プログラムから順次ブロックを読み出して解析する、ことを特徴とする数値制御装置である。
本願の請求項2に係る発明は、前記工具姿勢は、前記回転軸の角度により定義され、前記姿勢近傍判定手段は、前記ブロックの実行開始時における前記回転軸の角度と前記現在の前記回転軸の角度の差があらかじめ設定された所定の値以内であるかを判定する、ことを特徴とする請求項1に記載された数値制御装置である。
本願の請求項3に係る発明は、前記工具姿勢は、前記工具の制御点から工具先端点へのベクトルである工具ベクトルにより定義され、前記姿勢近傍判定手段は、前記ブロックの実行開始時における工具ベクトルと、前記現在の工具ベクトルとの為す角度があらかじめ設定された所定の値以内であるかを判定する、ことを特徴とする請求項1に記載された数値制御装置である。
本発明により、近傍点距離内にブロック始点が複数存在するような加工において、意図しないブロック始点を近傍点としてサーチすることがなくなり、より相応しいブロック始点を近傍点とすることが可能となる。
本発明の一実施形態における数値制御装置の要部ブロック図である。 本発明の第1の実施形態における近傍点サーチ処理の概要を説明する図である。 本発明を第1の実施形態における近傍点サーチ処理のフローチャートである。 本発明の第2の実施形態における近傍点サーチ処理の概要を説明する図である。 本発明を第2の実施形態における近傍点サーチ処理のフローチャートである。 従来技術における近傍点サーチ機能を説明する図である。 従来技術における近傍点サーチ機能の問題点を説明する図である。
以下、本発明の実施の形態を図面と共に説明する。
本発明の近傍点サーチ機能において、従来の近傍点の判別に加えて工具の姿勢による判別を備えることで、より正確な近傍点のサーチおよび再開を可能とする。すなわち、現在の工具姿勢とサーチ中の各ブロック始点での工具姿勢を比較して近傍点の判別を行う。
本発明では、以下のような機能手段を実装することで、工具姿勢を考慮した近傍点サーチ機能を実現する。
<手段1>
工具先端点から近傍点距離内に入るブロック始点を見つけた場合、そのブロック始点での回転軸と、現在の回転軸の差分を計算する。各回転軸の角度差が設定された範囲内に無い場合は近傍点と見なさず、続けて次のブロックをサーチする。
<手段2>
工具先端点から近傍点距離内に入るブロック始点を見つけた場合、そのブロック始点での制御点からノズル先端点へのベクトルと、現在の制御点からノズル先端点へのベクトルのなす角を計算する。この角度が設定された範囲内に無い場合は近傍点と見なさず、続けて次のブロックをサーチする。
<第1の実施形態>
本実施形態では、上述した手段1を用いた近傍点サーチ機能を備えた数値制御装置の実施形態を説明する。
図1は、本発明に係る実施の形態の数値制御装置1の要部ブロック図である。CPU11は数値制御装置1を全体的に制御するプロセッサである。CPU11は、ROM12に格納されたシステムプログラムをバス20を介して読み出し、該システムプログラムに従って数値制御装置全体を制御する。RAM13には一時的な計算データや表示データ及び表示器/MDIユニット70を介してオペレータが入力した各種データが格納される。
SRAM14は図示しないバッテリでバックアップされ、数値制御装置1の電源がオフされても記憶状態が保持される不揮発性メモリとして構成される。SRAM14中には、インタフェース15を介して読み込まれた加工プログラムや表示器/MDIユニット70を介して入力された加工プログラム等が記憶される。また、ROM12には、加工プログラムの作成及び編集のために必要とされる編集モードの処理や自動運転のための処理を実施するための各種システムプログラムがあらかじめ書き込まれている。
本発明を実行する加工プログラム等の各種加工プログラムはインタフェース15や表示器/MDIユニット70を介して入力し、SRAM14に格納することができる。
インタフェース15は、数値制御装置1とアダプタ等の外部機器72との接続を可能とするものである。外部機器72側からは加工プログラムや各種パラメータ等が読み込まれる。また、数値制御装置1内で編集した加工プログラムは、外部機器72を介して外部記憶手段に記憶させることができる。PMC(プログラマブル・マシン・コントローラ)16は、数値制御装置1に内蔵されたシーケンスプログラムで工作機械の補助装置(例えば、工具交換用のロボットハンドといったアクチュエータ)にI/Oユニット17を介して信号を出力し制御する。また、工作機械の本体に配備された操作盤の各種スイッチ等の信号を受け、必要な信号処理をした後、CPU11に転送する。
表示器/MDIユニット70はディスプレイやキーボード等を備えた手動データ入力装置であり、インタフェース18は表示器/MDIユニット70のキーボードからの指令やデータを受けてCPU11に転送する。インタフェース19は手動パルス発生器等を備えた操作盤71に接続されている。
各軸の軸制御回路30〜34はCPU11からの各軸の移動指令量を受けて、各軸の指令をサーボアンプ40〜44に出力する。サーボアンプ40〜44はこの指令を受けて、各軸のサーボモータ50〜54を駆動する。各軸のサーボモータ50〜54は位置・速度検出器を内蔵し、この位置・速度検出器からの位置・速度フィードバック信号を軸制御回路30〜34にフィードバックし、位置・速度のフィードバック制御を行う。なお、本ブロック図では、位置・速度のフィードバックについては省略している。
本実施形態の説明では、工具としてレーザ加工のためのノズルを備え、該ノズルの駆動する軸として、図1に示したように、移動軸がX軸,Y軸,Z軸の3軸、回転軸が第1回転軸(A軸)および第2回転軸(B軸)の2軸を備えた工作機械を制御する数値制御装置を例とする。
本実施形態の近傍点サーチ機能では、現在のノズル先端点から近傍点距離内に入るブロック始点を見つけ、更にそのブロック終点がブロック始点よりもノズル先端点から遠ざかる場合、そのブロック始点での第1回転軸および第2回転軸(ブロック始点でのノズル姿勢)と、現在の第1回転軸および第2回転軸(現在のノズル姿勢)との差分を計算する。各回転軸の角度差があらかじめ設定された所定の範囲内に無い場合は近傍点と見なさず、続けて次のブロックをサーチする。
図2は、本実施形態の近傍点サーチ機能による近傍点サーチ処理の概要を説明する図である。2(a)において、プログラム経路Rは、加工プログラム指令に含まれるブロックN1〜ブロックN5により指令されるノズル先端点の経路である。
本実施形態の近傍点サーチ機能において、加工プログラムを先頭から仮実行(解析)すると、最初にN2ブロックの始点でノズル先端点があらかじめ数値制御装置に設定された近傍点距離D内に入り、N2ブロックの終点が始点よりも遠ざかることが判定され、N2ブロック始点(N2ブロック開始時点でのノズル先端点の位置)での第1回転軸(A軸)および第2回転軸(B軸)の角度と、現在のノズル位置(サーチ開始時のノズル位置)での第1回転軸(A軸)および第2回転軸(B軸)の角度の差分を計算する。
N2ブロックの開始時点における第1回転軸(A軸)の角度と、現在の第1回転軸(A軸)の角度との差分A1、N2ブロックの開始時点における第2回転軸(B軸)の角度と、現在の第2回転軸(B軸)の角度との差分B1とが算出されると、次に、各角度差を、あらかじめ回転軸毎に数値制御装置に設定された回転軸近傍角度(第1回転軸近傍角度θ1、第2回転軸近傍角度θ2)と比較する。
そして、図2(b)に示すように、各回転軸の角度差(A1,B1)が大きくA1>θ1、A2>θ2が成立するため、N2ブロック始点は近傍点と見なさず、近傍点サーチを継続する。
次に、近傍点サーチを継続すると、N5ブロックの始点が近傍点距離D内に入り、N5ブロックの終点が始点よりも遠ざかることが判定され、N5ブロック始点(N5ブロック開始時点でのノズル先端点の位置)での第1回転軸(A軸)および第2回転軸(B軸)の角度と、現在のノズル位置(サーチ開始時のノズル位置)での第1回転軸(A軸)および第2回転軸(B軸)の角度の差分を計算する。
N5ブロックの開始時点における第1回転軸(A軸)の角度と、現在の第1回転軸(A軸)の角度との差分A2、N5ブロックの開始時点における第2回転軸(B軸)の角度と、現在の第2回転軸(B軸)の角度との差分B2とが算出されると、次に各角度差を、第1回転軸近傍角度θ1、第2回転軸近傍角度θ2と比較する。
そして、図2(b)に示すように、各回転軸の角度差(A2,B2)は小さく、A2≦θ1、B2≦θ2が成立するため、N5ブロックの開始時点のノズル先端点位置を近傍点サーチの結果として出力し、移動軸を制御して出力された近傍点の位置にノズルの先端点を移動させる。
図3は、本実施形態における近傍点サーチ処理のフローチャートである。
●[ステップSA01]サーチ開始時の第1回転軸(A軸)の角度Asを取得する。
●[ステップSA02]サーチ開始時の第2回転軸(B軸)の角度Bsを取得する。
●[ステップSA03]加工プログラムを読み込んでブロックを順次仮実行(解析)し、各ブロックの開始時点におけるノズルの各座標値(ノズル制御点位置及び先端点位置の座標値、及び第1回転軸(A軸)、第2回転軸(B軸)の角度)を仮更新する。
●[ステップSA04]仮実行時(解析)における、ブロックの開始時点でのノズル先端点の位置と、現在のノズル先端点の位置との距離L1を計算する。
●[ステップSA05]ステップSA04で計算した距離L1が、近傍点距離D以下であるか否かを判定する。近傍点距離D以下である場合にはステップSA06へ進み、そうでない場合には当該ブロックの開始時点での位置は近傍点ではないと判断し、ステップSA03へ戻って次のブロックへ処理を移す。
●[ステップSA06]仮実行時(解析)における、ブロックの終点でのノズル先端点の位置と、現在のノズル先端点の位置との距離L2を計算する。
●[ステップSA07]ステップSA06で計算した距離L2が、ステップSA04で計算した距離L1より大きいか否かを判定する。距離L1より大きい場合にはステップSA08へ進み、そうでない場合には当該ブロックの開始時点での位置は近傍点ではないと判断し、ステップSA03へ戻って次のブロックへ処理を移す。
●[ステップSA08]ブロック開始時点における第1回転軸(A軸)の角度Anを取得する。
●[ステップSA09]サーチ開始時の第1回転軸(A軸)の角度Asと、ブロック開始時点における第1回転軸(A軸)の角度Anとの差分を計算し、該差分が第1回転軸の近傍角度θ1以下であるか否かを判定する。差分が第1回転軸の近傍角度θ1以下である場合にはステップSA10へ進み、そうでない場合には当該ブロックの開始時点での位置は近傍点ではないと判断し、ステップSA03へ戻って次のブロックへ処理を移す。
●[ステップSA10]ブロック開始時点における第2回転軸(B軸)の角度Bnを取得する。
●[ステップSA11]サーチ開始時の第2回転軸(B軸)の角度Bsと、ブロック開始時点における第2回転軸(B軸)の角度Bnとの差分を計算し、該差分が第2回転軸の近傍角度θ2以下であるか否かを判定する。差分が第2回転軸の近傍角度θ2以下である場合にはステップSA12へ進み、そうでない場合には当該ブロックの開始時点での位置は近傍点ではないと判断し、ステップSA03へ戻って次のブロックへ処理を移す。
●[ステップSA12]仮実行(解析)中のブロックの開始時点の位置を近傍点として決定する。
●[ステップSA13]ステップSA12で決定した近傍点に、ノズルの先端点を位置決めする。
●[ステップSA14]近傍点から加工を再開する。
以上に述べたように、本実施形態の近傍点サーチ機能は、近傍点サーチ処理実行開始時におけるノズル先端点の位置およびノズルの回転角と、加工プログラムに含まれる各ブロックの開始時点におけるノズル先端点の位置およびノズルの回転角とが、一定の近傍範囲内にある点を近傍点として決定する。
なお、本実施形態では、近傍点サーチ機能を移動軸3軸、回転軸2軸の工作機械を制御する数値制御装置を例として説明しているが、本発明の近傍点サーチ機能をこれに限定されるものではなく、少なくとも移動軸1軸、回転軸1軸以上を備えた工作機械を制御する数値制御装置に適用可能である。また、工具の例としてレーザ加工のノズルを例としたが、切削工具や研磨工具など、工具姿勢を制御する必要がある加工に用いる、いずれの工具に対しても適用可能である。
<第2の実施形態>
第1の実施形態では、近傍点サーチ処理実行開始時における工具先端点の位置および工具の回転角と、加工プログラムに含まれる各ブロックの開始時点における工具先端点の位置および工具の回転角とが、一定の近傍範囲内にある点を近傍点として決定する近傍点サーチ機能について説明したが、本実施形態では、工具の回転角の代わりに工具の向き(工具の制御点から工具先端点へのベクトル)を用いて近傍点の判定を行う例を説明する。なお、本実施形態の説明においては第1の実施形態と同様の工作機械を制御する数値制御装置を例とする。
本実施形態の近傍点サーチ機能では、ノズル先端点から近傍点距離内に入るブロック始点を見つけた場合、そのブロックの開始時点における、ノズルの制御点からノズル先端点へのベクトルと、現在のノズルの制御点からノズル先端点へのベクトルのなす角を計算する。この角度があらかじめ設定された所定の範囲内に無い場合は近傍点と見なさず、続けて次のブロックをサーチする。
図4は、本実施形態の近傍点サーチ機能による近傍点サーチ処理の概要を説明する図である。4(a)において、プログラム経路Rは、加工プログラム指令に含まれるブロックN1〜ブロックN5により指令されるノズル先端点の経路である。
本実施形態の近傍点サーチ機能において、加工プログラムを先頭から仮実行(解析)すると、最初にN2ブロックの始点でノズル先端点があらかじめ数値制御装置に設定された近傍点距離D内に入ることが判定され、N2ブロック始点(N2ブロック開始時点でのノズル先端点の位置)でのノズルの制御点からノズル先端点へのベクトルV1と、現在のノズル位置(サーチ開始時のノズル位置)でのノズルの制御点からノズル先端点へのベクトルVaを算出し、ベクトルV1とベクトルVaの為す角度を計算する。
N2ブロックの開始時点におけるノズルの制御点からノズル先端点へのベクトルV1と、サーチ開始時のノズルの制御点からノズル先端点へのベクトルVaとが為す角度αが算出されると、該角度αをあらかじめ数値制御装置に設定された近傍ベクトル角度φと比較する。
そして、図4(b)に示すように、ベクトルV1,Vaの為す角度αは大きく、α>φが成立するため、N2ブロック始点は近傍点と見なさず、近傍点サーチを継続する。
次に、近傍点サーチを継続すると、N5ブロックの始点が近傍点距離D内に入ることが判定され、N5ブロック始点(N5ブロック開始時点でのノズル先端点の位置)でのノズルの制御点からノズル先端点へのベクトルV2を算出し、ベクトルV2とベクトルVaの為す角度を計算する。
N5ブロックの開始時点におけるノズルの制御点からノズル先端点へのベクトルV2と、サーチ開始時のノズルの制御点からノズル先端点へのベクトルVaとが為す角度βが算出されると、該角度βをあらかじめ数値制御装置に設定された近傍ベクトル角度φと比較する。
そして、図4(b)に示すように、ベクトルV2,Vaの為す角度αは小さく、β≦φが成立するため、N5ブロックの開始時点のノズル先端点位置を近傍点サーチの結果として出力し、移動軸を制御して出力された近傍点の位置にノズルの先端点を移動させる。
図5は、本実施形態における近傍点サーチ処理のフローチャートである。
●[ステップSB01]サーチ開始時のノズルの各座標値(ノズル先端点位置の座標値、及び第1回転軸(A軸)、第2回転軸(B軸)の角度など)を取得し、取得した座標値に基づいて、サーチ開始時のノズルの制御点からノズル先端点へのベクトルVaを計算する。
●[ステップSB02]加工プログラムを読み込んでブロックを順次仮実行(解析)し、各ブロックの開始時点におけるノズルの各座標値を仮更新する。
●[ステップSB03]仮実行(解析)時における、ブロックの開始時点でのノズル先端点の位置と、現在のノズル先端点の位置との距離L1を計算する。
●[ステップSB04]ステップSB03で計算した距離L1が、近傍点距離D以下であるか否かを判定する。近傍点距離D以下である場合にはステップSB05へ進み、そうでない場合には当該ブロックの開始時点での位置は近傍点ではないと判断し、ステップSB02へ戻って次のブロックへ処理を移す。
●[ステップSB05]仮実行時(解析)における、ブロックの終点でのノズル先端点の位置と、現在のノズル先端点の位置との距離L2を計算する。
●[ステップSB06]ステップSB05で計算した距離L2が、ステップSB03で計算した距離L1より大きいか否かを判定する。距離L1より大きい場合にはステップSB07へ進み、そうでない場合には当該ブロックの開始時点での位置は近傍点ではないと判断し、ステップSB02へ戻って次のブロックへ処理を移す。
●[ステップSB07]ブロック開始時点におけるノズルの制御点からノズル先端点へのベクトルV1を計算する。
●[ステップSB08]サーチ開始時のノズルの制御点からノズル先端点へのベクトルVaと、ブロック開始時点における、ノズルの制御点からノズル先端点へのベクトルV1の為す角度を計算し、該角度が近傍ベクトル角度φ以下であるか否かを判定する。ベクトルの為す角度が近傍ベクトル角度φ以下である場合にはステップSB09へ進み、そうでない場合には当該ブロックの開始時点での位置は近傍点ではないと判断し、ステップSB02へ戻って次のブロックへ処理を移す。
●[ステップSB09]仮実行(解析)中のブロックの開始時点の位置を近傍点として決定する。
●[ステップSB10]ステップSB09で決定した近傍点に、ノズルの先端点を位置決めする。
●[ステップSB11]近傍点から加工を再開する。
以上の述べたように、本実施形態の近傍点サーチ機能は、近傍点サーチ処理実行開始時におけるノズル先端点の位置およびノズルの制御点からノズル先端点へのベクトルと、加工プログラムに含まれる各ブロックの開始時点におけるノズル先端点の位置およびノズルの制御点からノズル先端点へのベクトルとが、一定の近傍範囲内にある点を近傍点として決定する。
1 数値制御装置
11 CPU
12 ROM
13 RAM
14 SRAM
15,18,19 インタフェース
16 PMC
17 I/Oユニット
20 バス
30,31,32,33,34 軸制御回路
40,41,42,43,44 サーボアンプ
50,51,52,53,54 サーボモータ
70 表示器/MDIユニット
71 操作盤
72 外部機器

Claims (3)

  1. 加工プログラムに基づいて少なくとも1つの移動軸と少なくとも1つの回転軸により制御される工具を、前記工具の現在位置から近傍点距離内の、前記加工プログラムにより指令される加工経路上に移動させる近傍点サーチ機能を有する数値制御装置において、
    現在の前記工具の工具先端点位置を取得する現在工具先端点位置取得手段と、
    現在の前記工具の工具姿勢を取得する現在工具姿勢取得手段と、
    前記加工プログラムからブロックを読み出して解析する加工プログラム解析手段と、
    前記加工プログラム解析手段の解析結果に基づいて、前記ブロックの実行開始時における前記工具の先端点位置を取得するブロック実行開始時工具先端点位置取得手段と、
    前記ブロックの実行開始時における前記工具の先端点位置が、前記現在の前記工具の工具先端点位置から、あらかじめ設定されている近傍点距離内にあるか否かを判定する距離近傍判定手段と、
    前記距離近傍判定手段により前記近傍点距離内にあると判定された場合、前記加工プログラム解析手段の解析結果に基づいて、前記ブロックの実行開始時における前記工具の工具姿勢を取得するブロック実行開始時工具姿勢取得手段と、
    前記ブロックの実行開始時における前記工具の工具姿勢と、前記現在の前記工具の工具姿勢との差があらかじめ設定された所定の値以内であるかを判定する姿勢近傍判定手段と、
    前記姿勢近傍判定手段によりあらかじめ設定された所定の値以内であるかを判定された場合、前記ブロックの実行開始時における前記工具の先端点位置を近傍点として出力する近傍点出力手段と、を備え、
    前記近傍点出力手段により近傍点が出力されるか、または、前記加工プログラムが終了するまで、前記加工プログラムから順次ブロックを読み出して解析する、
    ことを特徴とする数値制御装置。
  2. 前記工具姿勢は、前記回転軸の角度により定義され、
    前記姿勢近傍判定手段は、前記ブロックの実行開始時における前記回転軸の角度と前記現在の前記回転軸の角度の差があらかじめ設定された所定の値以内であるかを判定する、
    ことを特徴とする請求項1に記載された数値制御装置。
  3. 前記工具姿勢は、前記工具の制御点から工具先端点へのベクトルである工具ベクトルにより定義され、
    前記姿勢近傍判定手段は、前記ブロックの実行開始時における工具ベクトルと、前記現在の工具ベクトルとの為す角度があらかじめ設定された所定の値以内であるかを判定する、
    ことを特徴とする請求項1に記載された数値制御装置。
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