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JP6062197B2 - 電池 - Google Patents

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Description

本発明は、電池に関し、特に、ラミネート外装体を備える電池に関する。
ラミネート外装体を備えた電池は、携帯電話機などのモバイル機器にはもとより、ハイブリッド電気自動車(HEV)や電気自動車(PEV)などの車両、さらには家庭や店舗などでの蓄電用として広く用いられている。従来技術に係るラミネート外装電池について、その構成の一例を図15を用い説明する。
図15(a)に示すように、ラミネート外装電池は、ラミネートシートが加工されてなるラミネート外装体920を備える。ラミネート外装体920では、電極体910を収納する部分が電池厚み方向に膨らみを有し(収納部920a)、その外縁部が封止されてなる(封止部920b〜920e)。電極体910は、セパレータ9103を挟んで対向する正極板9101と負極板9102とを有してなる構成であり、正極板9101のリード(正極リード)には、正極集電端子931が接合されて、その一部が封止部920dを横断して外部に延出している。同様に、負極板9102のリード(負極リード)には、負極集電端子932が接合されて、その一部が封止部920dを横断して外部に延出している。
なお、正極集電端子931および負極集電端子932が封止部920dを横断する各部分においては、ラミネート外装体920の内側面と各集電端子931,932との間に封止樹脂941,942が介挿されている。これにより、封止性が高められている。
ところで、ラミネート外装電池においては、収納部920a内に空気などが残らないようにするため、減圧封止によりラミネート外装体920の封止が行われるが、その際に矢印Kの部分、即ち、収納部920aを取り囲む側壁のうち正極集電端子931と負極集電端子932との間に相当する部分に凹みを生じる。このような凹みは、外観品質を低下させるばかりでなく、ラミネート外装体920にピンホールや皺などのダメージの原因となることが考えられる。
このような凹みを生じないようにするため、該当する側壁の内側に挿入されるスペーサを用いるという提案がなされている(特許文献1を参照)。即ち、電気絶縁性の確保のためにラミネート外装体920内に挿入されるスペーサを用い凹みを抑制するために、例えば、図15(b)に示すようなスペーサ944を採用することが考えられる。
具体的には、長方形状の底壁944aの一方の長辺から、紙面手前側に起立する立壁944bとが一体に形成され、立壁944bの一部(矢印Lの部分)の厚みを厚くした(厚肉部944eを有する)スペーサ944である。このスペーサ944を用いることで、図15(a)の矢印Kの部分に図15(b)に示すスペーサ944の矢印Lの厚肉部944eを充当させることで、ラミネート外装体920の側壁における矢印Kの部分での凹みを抑制することができるものと考えられる。
特開2012−54029号公報
しかしながら、図15(b)に示すようにスペーサ944を作製しようとすると、厚肉部944eの形成に関係してスペーサ944全体に変形(例えば、反りなど)が生じることがある。即ち、スペーサ944は、絶縁性の確保および電解液に対する耐性などを考慮して樹脂材料などを用い一体成形により作成されるが、厚肉部944eとその他の部分との肉厚差により、スペーサ944の残留歪が生じ、これによりスペーサ944全体に変形を生じることがある。
このように反りなどの変形が大きいものについては、ラミネート外装電池の製造に用いることはできず、結果として部品コストの上昇に繋がってしまう。
本発明は、上記のような問題の解決を図るべくなされたものであって、ラミネート外装体の外観における凹みの発生を抑制しながら、高い歩留まりでの作製が可能な構成のスペーサを備える電池を提供することを目的とする。
そこで、本発明は、次の構成を採用することを特徴とする。
本発明に係る電池は、電極体と、ラミネート外装体と、正極リードおよび負極リードと、正極端子および負極端子と、スペーサとを備える。
(i) 電極体は、正極板および負極板を有する。
(ii) 正極リードは、正極板に電気的に接続されており、負極リードは、負極板に電気的に接続されている。
(iii) ラミネート外装体は、金属ラミネートシートを用い構成され、電極体を包み込んだ状態で外縁部が封止されている。
(iv) 正極端子および負極端子は、正極リードおよび負極リードの各々に電気的に接続され、ラミネート外装体における外縁部の封止部を横断して各一部が外方へと延出されている。
(v) スペーサは、電気絶縁性を有する材料から構成され、ラミネート外装体における電極体の収納部分において、ラミネート外装体の内面と正極リードおよび負極リードとの間に介挿されている。
本発明に係る電池では、スペーサが板状の主壁を有し構成され、当該主壁が、ラミネート外装体の内面と正極リードおよび負極リードとの各介挿部分から、ラミネート外装体の内面に沿って延出した状態で配置されており、当該スペーサの延出部分には、スペーサにおける主壁から、ラミネート外装体の内面が対向する側とは反対の内側に向けて突出するリブが形成されている。
本発明に係る電池では、スペーサにおける主壁の上記延出部分、即ち、主壁のうち正極リードおよび負極リードに当接または対向する部分から外れた部分にリブが設けられている。本発明に係る電池では、スペーサに設けたリブが、ラミネート外装体の表面が凹むことを抑制し、外観品質の低下を抑制することができるとともに、ピンホールや皺などの発生を抑制することができる。
また、本発明に係る電池では、図15(b)に示す従来技術のような全体的に厚肉とするのではなく、リブを一部に形成することで凹みの発生を抑制している。このため、本発明に係るスペーサの作製に際して、反りやヒケの発生を従来よりも低く抑えることができ、歩留まりの向上を図ることができる。よって、コストの低減を図ることが可能となる。
従って、本発明に係る電池では、ラミネート外装体の外観における凹みの発生を抑制しながら、高い歩留まりでの作製が可能な構成のスペーサを備えることでのコスト低減を図ることができる。
本発明では、次のようなバリエーション構成を採用することができる。
本発明に係る電池では、上記構成において、正極リードと負極リードとが互いの間に間隔をあけて並んだ状態で延伸しており、スペーサにおけるリブが、正極リードと負極リードとの間に相当する部分に設けられている。本発明では、このように正極リードと負極リードとが並んだ状態で延伸していても、その間の部分にスペーサのリブが形成された部分を配置することで、ラミネート外装体の外面の凹みを抑制することができる。
本発明に係る電池では、上記構成において、スペーサにおけるリブが第1リブと第2リブとを以って構成されており、主壁を基準とする高さが、第1リブの方が第2リブよりも高い。このように、第1リブの方が第2リブよりも高い構成とすることにより、第2リブも第1リブと同様の高さとする場合に比べて、スペーサの作製に際して反りをより生じ難くすることができる。即ち、第2リブの高さを低くすることにより、リブの形成領域におけるボリュームを小さく抑えることができ、リブが形成された領域とその周囲とのボリューム差を小さくし、反りを生じ難くすることができる。
本発明に係る電池では、上記構成において、スペーサにおける主壁が平面視において短冊状をしており、平面視において、第1リブが、第2リブが形成された領域を囲繞する状態で形成されている。このような構成とすることにより、ラミネート外装体の凹みを抑制するためのスペーサの剛性を確保し易くなる。
本発明に係る電池では、上記構成において、第1リブと第2リブとが連続した状態で形成されている。このような構成を採用する場合には、スペーサの作製に際し、リブへの材料の回り込みをよくすることができ、歩留まりの向上を図ることができる。
本発明に係る電池では、上記構成において、平面視において、第1リブがコの字状に形成されており、第2リブが、第1リブで囲繞される領域に格子状に形成されている。これにより、ラミネート外装体の凹もうとする力に対する抗力という観点から望ましい。
本発明に係る電池では、上記構成において、スペーサが主壁の長辺を共有して連続する第2主壁を有し、スペーサの横断面において、主壁と第2主壁とでL字状となっている。このように第2主壁を備えることが、ラミネート外装体の内部において、正極リードおよび負極リードに対するスペーサの位置制度の確保という観点で望ましい。
本発明に係る電池では、上記構成において、スペーサにおける主壁と第2主壁とは長手方向の長さが同じであり、スペーサが、主壁における長手方向の両端辺と、第2主壁における長手方向の両短辺とを接続する側壁を有する。これにより、主壁と第2主壁との角度が略維持され、スペーサの位置制度の確保という観点から望ましい。
本発明に係る電池では、上記構成において、スペーサが主壁における長手方向の長さが15cm以上である。このように15cm以上の長さのスペーサにおいては、スペーサの作製の際の変形という観点からは不利であるが、本発明の構成のようにリブを有する構成とすることで変形の発生を抑制することが特に有効となる。
本発明に係る電池では、上記構成において、スペーサが樹脂材料からなる。このような材料を用いスペーサを作製することとすれば、電気絶縁性の確保およびラミネート外装体の凹み抑制という観点から望ましい。スペーサの形成に用いる樹脂材料としては、例えば、ポリプロピレンが特に好ましい。
本発明に係る電池では、上記構成において、電極体が扁平直方体形状であり、正極リードおよび負極リードが、電極体の側面から延出し、当該側面に沿うように曲折されており、正極端子および負極端子が、それぞれ正極リードおよび負極リードに対し、側面に沿う部分で接合されている。このような構成の場合、ラミネート外装体における電極体の側面に対応する側壁部分に凹みを生じようとするが、本発明では、スペーサのリブでこれを抑制することができる。
本発明に係る電池では、上記構成において、スペーサにおける主壁が、正極リードおよび負極リードと正極端子および負極端子の各一部を間に挟んで、電極体の側面に対向するように配されている。これにより、ラミネート外装体における電極体の側面に対応する側壁部分が、スペーサの主壁により略平面状に維持される。
本発明に係る電池では、上記構成において、電極体が、さらに複数枚の正極板と複数枚の負極板とを有する積層型電極体であって、正極板と負極板とは、間にセパレータを挟んで交互に積層されており、正極リードおよび負極リードが、各正極板および各負極板に電気的に接続されており、正極端子および負極端子が、複数の正極リードおよび複数の負極リードに対し、各々が集束された部分で接合されている。このように積層型の電極体を備える場合には、複数のリードを集束し、この集束した部分に端子を接合することになり、正負のリードの集束部分同士の間において、ラミネート外装体の凹みを生じ易いが、本発明では、当該部分にスペーサのリブが形成された部分を配置することで凹みを抑制することができる。
本発明の実施の形態1に係るラミネート外装電池1の概略構成を示す模式平面図(一部切欠図)である 集電端子31,32が接合されてなる電極体10を示す模式平面図である。 電極体10における正極集電端子31との接合部分とその周辺の構成を示す模式断面図である。 スペーサ44の概略構成を示す模式斜視図である。 (a)〜(c)は、スペーサ44の各断面構成を示す模式断面図である。 正極集電端子31が接合されてなる電極体10に対してスペーサ44を装着した状態を示す模式断面図である。 (a)は、正極板101を示す模式平面図であり、(b)は、負極板102を示す模式平面図である。 正極板101をセパレータ103で袋詰めする工程を示す模式平面図である。 正極板101がセパレータ103からなる袋に袋詰めされてなる正極袋体108を示す模式平面図である。 (a)は、正極袋体108と負極板102とを交互に積層する工程を示す模式斜視図であり、(b)は、電極体10を示す模式平面図である。 (a)は、正極リード105の集束工程を示す模式断面図であり、(b)は、正極リード105の切断および集電端子31の接合工程を示す模式断面図である。 (a)および(b)は、本発明の実施の形態2に係るラミネート外装電池が備えるスペーサ54の一部断面を示す模式断面図である。 本発明の実施の形態3に係るラミネート外装電池が備えるスペーサ64の一部断面を示す模式断面図である。 (a)は、本発明の実施の形態4に係るラミネート外装電池が備えるスペーサ74を示す模式斜視図であり、(b)は、本発明の実施の形態5に係るラミネート外装電池が備えるスペーサ84を示す模式斜視図である。 (a)は、従来技術に係るラミネート外装電池を示す模式平面図(一部切欠図)であり、(b)は、従来技術に係るラミネート外装電池が備えるスペーサ944を示す模式平面図である。
以下では、本発明を実施するための形態について、図面を用い説明する。なお、以下で示す具体例は、本発明の構成およびその構成から奏される作用・効果を分かりやすく説明するために用いる一例であって、本発明は、発明の本質とする構成部分以外について、以下の具体例に何ら限定を受けるものではない。
[実施の形態1]
1.ラミネート外装電池1の概略構成
本発明の実施の形態1に係るラミネート外装電池1の概略構成
図1に示すように、本発明の実施の形態に係るラミネート外装電池1は、金属ラミネートシートが加工されてなるラミネート外装体20を備える。ラミネート外装体20では、電極体10を収納する部分が電池厚み方向に膨らみを有し(収納部20a)、その外縁部が封止されてなる(封止部20b〜20e)。
電極体10は、セパレータ103を挟んで対向する正極板101と負極板102とを有してなる構成であり、正極板101にはリード(正極リード)が電気的に接続されており、当該正極リードには、正極集電端子31が接合されている。そして、正極集電端子31の一部が封止部20dを横断して外部に延出している。同様に、負極板102にはリード(負極リード)が電気的に接続されており、当該負極リードには、負極集電端子32が接合されている。そして、負極集電端子32の一部が封止部20dを横断して外部に延出している。
なお、正極集電端子31および負極集電端子32が封止部20dを横断する各部分においては、ラミネート外装体20の内側面と各集電端子31,32との間に封止樹脂41,42が介挿されている。これにより、封止性が高められている。
2.集電端子31,32が接合されてなる電極体10の構成
リード105,106を介して集電端子31,32が接合されてなる電極体10の構成について、図2および図3を用い説明する。
図2に示すように、電極体10における正極板101および負極板102の各々に対しては、正極リード105および負極リード106が電気的に接続され、これら正極リード105および負極リード106が互いに間に間隔をあけた状態で、Y軸方向上向きに延出されている。図3に示すように、正極リード105は、Y軸方向右向きに延出された後、Z軸方向上向きに曲折され、当該部分(矢印B部分)で正極集電端子31に接合されている。正極集電端子31は、正極リード105との接合部分の近傍で、Y軸方向に曲折されている。
正極リード105の集束された部分の正極集電端子31の接合部分とは反対側部分には、絶縁テープ43が貼着されている。なお、負極リード106と負極集電端子32とについても同様の接合形態を採用している。
図2に示すように、正極集電端子31および負極集電端子32には、各延出方向(Y軸方向)の中程の部分に封止樹脂41,42が貼着されている。
図3に戻って、正極板101は、芯体部分101aと活物質部分101bとから構成され、正極リード105は、正極板101における芯体部分101aに接合されている。負極板102についても、芯体部分102aと活物質部分102bとから構成され、負極リード106は、負極板102における芯体部分102aに接合されている(図2を参照)。
なお、本実施の形態に係るラミネート外装電池1では、図3に示すように、電極体10として積層型電極体を備えており、複数枚の正極板101と複数枚の負極板102とが、間にセパレータ103を挟んで交互に積層されている。そして、電極体10におけるZ軸方向上下には、絶縁シート109が積層されている。
また、図3に示すように、正極板101における正極リード105の延出端側には、絶縁層107が形成されている。絶縁層107は、正極板101の活物質部分101bの表面にも少しオーバーラップするように形成されている(図では、当該オーバーラップ部分の図示を省略)。
図2に示すように、電極体10における積層部分に対しては、その外縁部分に対し、複数個所に絶縁テープ104が貼着されている。
なお、図3に示すように、本実施の形態では、絶縁シート109に対して正極板101および負極板102の両方が内方に凹んだ状態としたが、電極体10の構成はこれに限定されるものではない。例えば、負極板102が絶縁シート109と同じサイズ(凹みがない状態)で、正極板101が絶縁シート109および負極板102よりも小さなサイズ(凹んでいる)であり、絶縁シート109よりも絶縁テープ(図2を参照)が外側に一部突出した状態の電極体も採用することができる。この場合における当該積層部分についても、「扁平直方体形状」と規定する。
3.スペーサ44の概略構成
ラミネート外装電池1では、図1の矢印A部分において、ラミネート外装体20の内面と正極リード105および負極リード106との間に電気絶縁性のスペーサ44が挿入されている。その概略構成について、図4および図5を用い説明する。
図4に示すように、スペーサ44は、X軸方向において略同一の長さを有する2つの矩形状の壁(底壁44aと立壁44b)が長辺を共有した構成を有する。スペーサ44は、さらに底壁44aおよび立壁44bのX軸方向両端辺に接続された端壁44c,44dを有する。スペーサ44は、全体としてアングル形状の壁(底壁44aと立壁44b)の両端が端壁44c,44dで閉じられた構成となっている。
また、図4に示すように、矢印C部分において、立壁44bのY軸方向左下側の主面からは、リブ44e〜44iが突設されている。これらリブ44e〜44iのうち、立壁44bを平面視したときにコの字状を描いているリブ44e〜44gを、以下では、外リブ44e〜44gと記載する。他方、外リブ44e〜44gで囲繞された内側に設けられ、格子状(十字状)に交差するリブ44h,44iを、以下では、内リブ44h,44iと記載する。
なお、本実施の形態においては、スペーサ44は、外リブ44e〜44gおよび内リブ44h,44iを含め、絶縁材料を用い一体に形成されている。材料としては、例えば、ポリプロピレンなどの樹脂材料や、絶縁紙などを用いることができる。
図5(a)に示すように、スペーサ44におけるD断面(図4を参照)は、底壁44aと立壁44bとでY−Z方向においてL字状となっており、底壁44aと立壁44bとは略直交する関係である。
また、図5(a)に示すように、立壁44bのZ軸方向上端部分は、曲率を以って構成されている(頂辺部44j)。ラミネート外装電池1においては、立壁44bにおけるY軸方向外側の面にラミネート外装体20が当接あるいは近接することになるのであるが、頂辺部44jに曲率をもたせることにより当該部分におけるラミネート外装体20の皺や空気溜りなどの発生を抑制することができる。
図5(b)に示すように、スペーサ44におけるE断面(図4を参照)は、立壁44bのY軸方向左側主面から、底壁44aの上面に沿って外リブ44eおよび内リブ44hが突設されている。ここで、図5(b)に示すように、内リブ44hのリブ高さt2は、外リブ44eのリブ高さt1よりも低く設定されている。
図5(c)に示すように、スペーサ44のF断面(図4を参照)では、立壁44bのY軸方向左側主面からは、Z軸方向に沿って延伸する内リブ44iが突設されている。内リブ44iは、Z軸方向下端において底壁44aの上面に接続されている。そして、図5(c)に示すように、内リブ44iのリブ高さt3についても、外リブ44eのリブ高さt1よりも低く設定されている。
なお、図5では、図示していないが、外リブ44f,44gについても、Z軸方向下端が底壁44aの上面に接続されている。また、外リブ44f,44gのリブ高さについては、本実施の形態では外リブ44eのリブ高さt1と略同じとしている。
また、図5(b)および図5(c)に示すように、E断面およびF断面においても、頂辺部44kが曲率を以って形成されている。理由は、上述の通りである。
ここで、内リブ44h,44iのリブ高さt2,t3を外リブ44e〜44gのリブ高さt1よりも低くしているのは、これによりラミネート外装体20における凹みの発生を抑制するための剛性を保ちながら、スペーサ44の作製時における変形(反りなど)を抑制するためである。即ち、剛性の確保という観点からは、内リブ44h,44iを外リブ44e〜44gと同じ高さとすることや、外リブ44e〜44gよりも高くすることも考えられるが、その場合には、リブの形成のための材料ボリュームが大きくなってしまい、そりなどの変形を生じ易くなる。このため、本実施の形態では、よりスペーサ44の変形を抑制するために、内リブ44h,44iのリブ高さt2,t3を外リブ44e〜44gのリブ高さt1よりも低くしている。
本実施の形態において、リブ高さt1〜t3は、例えば、次の通りである。
[数1] t1=2.0[mm]
[数2] t2=t3=0.4[mm]
また、スペーサ44のX軸方向長さについては、略195[mm]としている。
4.電極体10とスペーサ44との配置
ラミネート外装電池1における電極体10とスペーサ44との配置関係について、図6を用い説明する。図6では、正極リード105およびこれに接合された正極集電端子31の部分を抜き出して図示しているが、負極リード106およびこれに接合された負極集電端子32の部分についても同様の構成を有する。
図6に示すように、ラミネート外装電池1では、電極体10に対して、そのZ軸方向下面(絶縁シート109の下面)にスペーサ44の底壁44aの上面が当接または近接するようになっている。スペーサ44の立壁44bのY軸方向左側主面に対しては、正極リード105に対する正極集電端子31の接合部分が当接または近接するようになっている。換言すると、スペーサ44の立壁44bは、その主面が電極体10における一方の端面(正極リード105が延出された側の端面)に対して対向する位置関係を以って取り付けられている。
なお、図6では、正極集電端子31が、スペーサ44における頂辺部44jのZ軸方向上面に沿っているが、当該部分においては、必ずしも正極集電端子31がスペーサ44の頂辺部44jに沿っている必要はなく、間に隙間を生じていてもよい。
また、上述のように、電極体10における負極板102に接合された負極リード106、および負極リード106に接合された負極集電端子32の部分についても同様の構成を以ってスペーサ44に対し配置されている。
5.効果
本実施の形態に係るラミネート外装電池1では、スペーサ44における立壁44bに対して正極集電端子31および負極集電端子32が当接または近接し、正極リード105および負極リード106に対して対向する。これにより、電気的絶縁を図ることができる。
また、図4に示すように、スペーサ44には第1リブとしての外リブ44e〜44gと、第2リブとしての内リブ44h,44iを設けることによって、正極リード105および正極集電端子31と負極リード106および負極集電端子32との間の間隙部分で、ラミネート外装体20に凹みが生じるのを抑制することができる。
さらに、本実施の形態では、図15(b)に示す従来技術のように、スペーサの一部を厚肉部とするのではなく、リブ44e〜44iを突設させるようにしているので、スペーサ44に反りなどの変形を生じ難く。部品コストの低減を図ることができる。そして、本実施の形態では、外リブ44e〜44gのリブ高さt1よりも、内リブ44h,44iのリブ高さt2、t3を低くしているので、リブ44e〜44iを形成するためボリュームを少なく抑え、これによって更なる変形の抑制が可能となっている。
従って、本実施の形態に係るラミネート外装電池1では、ラミネート外装体20の外観における凹みの発生を抑制しながら、高い歩留まりでの作製が可能な構成のスペーサ44を備えることでのコスト低減を図ることができる。
6.ラミネート外装電池1の製造方法
本実施の形態に係るラミネート外装電池1の製造方法について、図7〜図11などを用い説明する。
(i)正極板101の製造
図7(a)に示すように、芯体部分101aに接合された正極リード105の一部が、短冊状の極板本体部分から延出された正極板101を製造する。正極板101は、図3に示したように、芯体部分101aに対して、その厚み方向の両側に活物質部分101bが形成され、芯体部分101aに正極リード105が接合された形態を有する。なお、正極リード105については、芯体部分101aと別体が接合されたものとしてもよいし、芯体部分101aの一部が延出された形態としてもよい。この場合には、芯体部分101aの延出部分が正極リード105ということになる。
正極活物質としては、例えば、LiCoO2を90重量部と、導電剤としてのカーボンブラックを5重量部と、結着剤としてのポリフッ化ビニリデンを5重量部と、溶剤としてのN−メチル−2−ピロリドン(NMP)溶液とを混合して、正極用スラリーを調製する。その後、この正極用スラリーを、正極集電体(芯体部分101a)としてのアルミニウム箔(厚み:15[μm])の両面に塗布する。
その後、溶剤を乾燥させ、ローラを用いて厚みが0.1[mm]になるまで圧縮し、幅W1が190[mm]、高さH1が190[mm]となるように切断して正極板101を作製する。この際に、正極板101から幅W2が70[mm]、高さH2が20[mm]の正極リード(正極タブ)105が延出するようにする。
なお、正極用の材料としては、LiCoO2の他に、例えば、LiNiO2、LiMn24、あるいはこれらの複合体などを用いることもできる。
(ii)負極板102
図7(b)に示すように、芯体部分102aに接合された負極リード106の一部が、短冊状の極板本体部分から延出された負極板102を製造する。負極板102も、図3に示したように、芯体部分102aに対して、その厚み方向の両側に活物質部分102bが形成され、芯体部分102aに負極リード106が接合された形態を有する。なお、負極リード106についても、芯体部分102aと別体が接合されたものとしてもよいし、芯体部分102aの一部が延出された形態としてもよい。この場合には、芯体部分102aの延出部分が負極リード106ということになる。
負極活物質としては、黒鉛粉末を96重量部と、結着剤としてのカルボキシメチルセルロース(CMC)およびスチレンブタジエンゴム(SBR)をそれぞれ2重量部と、溶剤としての純水とを混合して負極用スラリーを調製する。その後、負極用スラリーを負極集電体(芯体部分102a)としての銅箔(厚み:10[μm])の両面に塗布する。
その後、溶剤を乾燥させ、ローラを用いて厚みが0.08[mm]になるまで圧縮し、幅W3が194[mm]、高さH3が194[mm]になるように切断して負極板102を作製する。負極板102についても正極板101と同様に、幅W4が70[mm]、高さH4が20[mm]の負極リード(負極タブ)106が延出するようにする。
なお、負極用の材料としては、天然黒鉛、人工黒鉛などを用いることが好ましい。
(iii)正極板101の袋詰め
図8に示すように、上記のように作製した正極板101に対し、その両主面に当接するように2枚のセパレータ103を積層する。用いるセパレータ103は、厚みが30[μm]で、幅W5が194[mm]、高さH5が198[mm]のものとする。
そして、図9に示すように、正極板101を挟み込んだ状態で、2枚のセパレータ103の四方の外縁部103aを熱溶着する。これにより、2枚のセパレータ103により袋体が構成され、その内部に正極板101が収納された状態となる。以下では、これを正極袋体108と記載する。
なお、図9に示すように、セパレータ103の内面と正極リード105との間には、絶縁層107を形成しておく。これについては、図3に示す通りである。
(iv)電極体10の作製
図10(a)に示すように、正極袋体108と負極板102とを交互に積層し、上下にセパレータ103と同サイズの絶縁シート109を積層する。絶縁シート109は、例えば、ポリプロピレン(PP)を用いて形成されたものである。
なお、積層する正極袋体108の数は、例えば、25枚であり、負極板102の数は、例えば、26枚である。図3や図10(a)などでは、枚数を省略して図示している。
次に、図10(b)に示すように、積層した正極袋体108、負極板102、および絶縁シート109が崩れないようにするため、外縁部分の数箇所に絶縁テープ104を貼着して電極体10が完成する。
(v)リード105,106の集束および集電端子31,32の接合
図11(a)に示すように、正極袋体108から延出している正極リード105を集束する。リード105,106の集束は、電極体10をZ軸方向上下からワーク押えで狭圧して保持し、複数の正極リード105および負極リード106を、Z軸方向上方から集束ヘッドを用いて下方に向けて押圧して行う。
なお、図11(a)などでは、正極袋体108の数、および正極リード105の数については、実際よりも少なく図示している。また、図11(a)などでは、正極リード105の部分だけを図示しているが、負極リード106についても同様に集束を行う。
次に、図11(b)に示すように、集束された正極リード105および負極リード106の余剰部分を、矢印G部分で切断する。そして、正極リード105の束、および負極リード106の束に対して、それぞれ正極集電端子31および負極集電端子32を接合する。正極集電端子31および負極集電端子32の接合は、例えば、矢印H1,H2で示す部分に超音波ホーンおよびアンビルをセットして超音波溶接を行うことでなされる。
正極集電端子31は、例えば、幅が70[mm]、厚みが0.4[mm]のアルミニウム板であり、負極集電端子32は、例えば、幅が70[mm]、厚みが0.4[mm]の銅板である。
正極集電端子31および負極集電端子32の各々には、長手方向の中程の部分に封止樹脂41,42を貼着する。
なお、図11(b)においても、負極リード106および負極集電端子32の図示を省略している。
(vi)絶縁テープ43の貼着と集電端子31,32の曲折
図3に示すように、正極リード105と正極集電端子31との接合部分、および負極リード106と負極集電端子32との接合部分の各一方側面(リード105,106側の側面)に絶縁テープ43を貼着する。絶縁テープ43は、例えば、ポリプロピレン(PP)製のテープである。なお、絶縁テープ43は、正極リード105と正極集電端子31との接合部分、および負極リード106と負極集電端子32との接合部分の各一方側面の略全体を覆うことができるサイズとなっている。
絶縁テープ43を貼着した後、図3に示すように、正極リード105、負極リード106、および正極集電端子31、負極集電端子32をクランク状に曲折する。曲折は、正極集電端子31および負極集電端子32の各接合部側の部分をL字状に曲折した後、正極リード105および負極リード106の各接合部側をL字状に曲折することによりなされる。
(vii)スペーサ44の取り付け
上記のように正極集電端子31および負極集電端子32などの曲折を行った後、図6に示すように、スペーサ44を取り付ける。スペーサ44は、上記のように、耐電解液性を考慮してポリプロピレン製としている。このようにポリプロピレン製のスペーサ44については、成形収縮が大きく、作製時において成形型からスペーサ44を取り出した際に変形を生じようとする。
しかし、本実施の形態では、スペーサ44の一部を厚肉化するのではなく、リブ44e〜44iを設けるようにしたので、反りなどの変形を抑制することができる。
(viii)ラミネート外装体20内への包装
上記のように形成した電極体10を金属ラミネートシートを用い作製したラミネート外装体20の収納空間20a内に収納する。収納空間20aに対しては、電極体10とともに、電解液を注入する。
電解液については、例えば、エチレンカーボネート(EC)とエチルメチルカーボネート(EMC)とが体積比で30:70の割合で混合された混合溶媒に、LiPF6が1M[mol/L]の割合で溶解された液である。
なお、ラミネート外装体20の形成に際しては、電極体10を収納した後、一の外縁部を残して他の外縁部を熱溶着により接合する。そして、溶着していない外縁部より電解液を注入した後、残りの位置の外縁部を熱溶着により接合する。
以上のように、ラミネート外装電池1が完成する。
[実施の形態2]
本発明の実施の形態2に係るラミネート外装電池について、図12を用い説明する。なお、本実施の形態に係るラミネート外装電池と上記実施の形態1に係るラミネート外装電池1との構成上の差異は、スペーサ54の構成にあるので、当該差異部分であるスペーサ54の構成についてだけ、以下で説明する。
図12(a)は、上記実施の形態1に係るスペーサ44の図5(b)に示すE断面に対応する断面を示し、図12(b)は、図5(c)に示すF断面に対応する断面を示す。
図12(a)に示すように、スペーサ54においても、立壁54bのY軸方向左側主面から外リブ54eおよび内リブ54hが突設されている。外リブ54eおよび内リブ54hは、ともに底壁54aに沿った方向に突設されている。
ここで、本実施の形態に係るスペーサ54においては、外リブ54eと内リブ54hのリブ高さt4が略同じである。
図12(b)に示すように、Z軸方向に延伸する内リブ54iについても、外リブ54eのリブ高さt4と略同じリブ高さt5を有し構成されている。
なお、本実施の形態に係るスペーサ54においても、頂辺部54kは、そのY軸方向外側面が曲率を以って構成されている。これについては、上記同様の理由からである。
本実施の形態に係るスペーサ54のように外リブ54eのリブ高さt4と、内リブ54h,54iのリブ高さt4,t5を略同一としても、図15(b)のように厚肉とする従来技術に比べて、スペーサ54の作製に際して反りなどの変形を抑えることができる。
また、ラミネート外装体の凹みを抑制することができることは、上記同様である。
[実施の形態3]
本発明の実施の形態3に係るラミネート外装電池について、図13を用い説明する。なお、本実施の形態に係るラミネート外装電池と上記実施の形態1に係るラミネート外装電池1との構成上の差異についても、スペーサ64の構成にあるので、当該差異部分であるスペーサ64の構成についてだけ、以下で説明する。
図13は、上記実施の形態1に係るスペーサ44の図5(a)に示すD断面に対応する断面を示す。
図13に示すように、本実施の形態に係るスペーサ64においても、正極リード105および負極リード106に相当する部分においては底壁64aと立壁64bとが一体に設けられてなるが、本実施の形態では、立壁64bの頂辺部64jが曲率を有さない形態となっている。
なお、図示を省略しているが、リブの形態については、上記実施の形態1あるいは上記実施の形態2の何れかと同一構成とすることができる。
このような頂辺部64jを有するスペーサ64においても、ラミネート外装体の凹みを抑制する機能を有し、また、スペーサ64の作製に際しての反りなどの変形を生じ難いことについては、上記同様である。
[実施の形態4]
本発明の実施の形態4に係るラミネート外装電池について、図14(a)を用い説明する。なお、本実施の形態に係るラミネート外装電池と上記実施の形態1に係るラミネート外装電池1との構成上の差異についても、スペーサ74の構成にあるので、当該差異部分であるスペーサ74の構成についてだけ、以下で説明する。
図14(a)に示すように、本実施の形態に係るスペーサ74についても、底壁74aと立壁74bとが長辺を共有しており、立壁74bに外リブ74e〜74gおよび内リブ74h,74iが突設されている。なお、外リブ74e〜74gのリブ高さと内リブ74h,74iのリブ高さとについては、図14(a)に示すように上記実施の形態1と同様の関係を採用することもできるし、上記実施の形態2の関係を採用することもできる。
図14(a)に示すように、本実施の形態に係るスペーサ74では、矢印I1,I2で示す箇所に端壁が設けられていない。換言すると、底壁74aおよび立壁74bの各X軸方向の両端辺は自由端となっている。
このような構成のスペーサ74を用いた場合にあっても、ラミネート外装体の凹みを抑制する機能を有し、また、スペーサ74の作製に際しての反りなどの変形を生じ難いことについては、上記同様である。
[実施の形態5]
本発明の実施の形態5に係るラミネート外装電池について、図14(b)を用い説明する。なお、本実施の形態に係るラミネート外装電池と上記実施の形態1に係るラミネート外装電池1との構成上の差異についても、スペーサ84の構成にあるので、当該差異部分であるスペーサ84の構成についてだけ、以下で説明する。
図14(b)に示すように、本実施の形態に係るスペーサ84は、一枚の平板上の立壁84bと、そのY軸方向左側主面から突設された外リブ84e〜84gおよび内リブ84h,84iを有する。外リブ84e〜84gのリブ高さと内リブ84h,84iのリブ高さとについては、図14(b)に示すように上記実施の形態1と同様の関係を採用することもできるし、上記実施の形態2の関係を採用することもできる。
本実施の形態に係るスペーサ84では、上記実施の形態4と同様に、端壁が省略されているのに加えて、底壁についても省略されている。
このような構成のスペーサ84を用いた場合にあっても、ラミネート外装体の凹みを抑制する機能を有し、また、スペーサ84の作製に際しての反りなどの変形を生じ難いことについては、上記同様である。また、底壁などを省略することにより、部品コストの低減を図ることが可能であり、また、軽量化を図ることもできる。
[その他の事項]
上記実施の形態1〜5の各態様は、本発明の構成などを説明するために用いた一例であって、本発明は、その本質的な部分を除き、何らこれらの態様に限定されるものではない。例えば、上記実施の形態1〜5では、電極体として積層型電極体を採用したが、これに限らず巻回型電極体を採用することもできる。このような電極体を採用する場合においても、上記同様の効果を得ることができる。
また、上記実施の形態1〜5では、スペーサ44,54,64,74,84の各構成材料としてポリプロピレンなどの樹脂材料を用いることとしたが、絶縁性および耐電解液性とを併せ持つ材料であれば採用することができる。
また、上記実施の形態1〜5では、スペーサ44,54,64,74,84におけるリブの形態について、外リブが平面視でコの字状、内リブが平面視で格子状(十字状)としたが、形状は種々変えることが可能である。例えば、外リブのうち、X軸方向に延伸する外リブと、Z軸方向に延伸する外リブとの端同士が離れていてもよいし、内リブが外リブの一部を突き抜けたような形態を採用することもできる。
また、リブの突出方向先端辺部が直線状である必要は必ずしもなく、波型となっていてもよい。
また、上記実施の形態1,3〜5では、外リブのリブ高さが内リブのリブ高さよりも高い構成を採用したが、リブ高さが外リブと内リブとで逆転したような形態を採用することもできる。
また、上記のように、各極板における芯体部分とリードとが別部材であり、それらを接合した形態ばかりでなく、芯体部分の一部が活物質を塗布した部分から延出され、当該延出部分をリードとする形態を採用することもできる。
また、リードおよび集電端子の曲折加工については、必須の要件ではなく、曲折なしに集電端子がラミネート外装体から延出したような形態を採用することもできる。
また、図1などに示すように、上記実施の形態1〜5では、ラミネート外装体20における一の外縁部20dから並んだ状態で正極集電端子31と負極集電端子32とが延出する形態を採用したが、集電端子の延出方向については、正極側と負極側とで異なっていてもよい。例えば、図1において、正極集電端子と負極集電端子の一方が、外縁部20dを横断して延出され、他方が外縁部20eを横断して延出された形態とすることもできる。さらには、一方の集電端子が、外縁部20bを横断して延出され、他方の集電端子が、外縁部20dを横断して延出されるような形態とすることもできる。これらの場合においては、集電端子が延出する箇所と、これに隣接する箇所との間において、段差が生じることになるが、当該部分にスペーサのリブ形成部を配置するようにすれば、凹みを抑制することができる。
また、上記実施の形態1〜5では、正極板を袋状にしたセパレータ内に収納したが、袋状にしたセパレータ内に負極板を収納するようにすることもできる。
また、各部材の構成材料やその寸法などについては、ラミネート外装電池の要求寸法などから適宜変更することができる。
また、上記実施の形態では、所謂、四方封止のラミネート外装体を採用したが、三方封止構成を採用することもできる。
また、上記実施の形態1〜5を相互に組み合わせることも可能である。
本発明は、携帯電話機などのモバイル機器や家庭での蓄電用、あるいは車両用の電源として高い外観品質を実現しつつ、コスト上昇を抑えることができる電池を実現するのに有用である。
1.ラミネート外装電池
10.電極体
20.ラミネート外装体
31.正極集電端子
32.負極集電端子
41,42.封止樹脂
43.絶縁テープ
44,54,64,74,84.スペーサ
44e〜44g,54e,74e〜74g,84e〜84g.外リブ
44h,44i,54h,54i,84h,84i.内リブ
44j,44k,54k,64j.頂辺部
101.正極板
102.負極板
103.セパレータ
104.絶縁テープ
105.正極リード
106.負極リード
107.絶縁層
108.正極袋体
109.絶縁シート

Claims (11)

  1. 正極板および負極板を有する電極体と、
    前記正極に電気的に接続された正極リードと、
    前記負極板に電気的に接続された負極リードと、
    金属ラミネートシートを用い構成され、前記電極体を包み込んだ状態で外縁部が封止されたラミネート外装体と、
    前記正極リードおよび前記負極リードの各々に電気的に接続され、前記ラミネート外装体における前記外縁部の封止部を横断して各一部が外方へと延出された正極端子および負極端子と、
    電気絶縁性を有する材料から構成され、前記ラミネート外装体における前記電極体の収納部分において、前記ラミネート外装体の内面と前記正極リードおよび前記負極リードとの間に介挿されたスペーサと、
    を備え、
    前記スペーサは、板状の主壁を有し構成され、当該主壁が、前記ラミネート外装体の内面と前記正極リードおよび前記負極リードとの各介挿部分から、前記ラミネート外装体の内面に沿って延出した状態で配置されており、
    前記スペーサにおける前記延出した部分には、前記スペーサにおける前記主壁から、前記ラミネート外装体の内面が対向する側とは反対の内側に向けて突出するリブが形成され
    前記スペーサにおける前記リブは、第1リブと第2リブとを以って構成されており、
    前記主壁を基準とする高さが、前記第1リブの方が前記第2リブよりも高く、
    前記スペーサにおける前記主壁は、平面視において短冊状をしており、
    平面視において、前記第1リブは、前記第2リブが形成された領域を囲繞する状態で形成されている
    ことを特徴とする電池。
  2. 正極板および負極板を有する電極体と、
    前記正極板に電気的に接続された正極リードと、
    前記負極板に電気的に接続された負極リードと、
    金属ラミネートシートを用い構成され、前記電極体を包み込んだ状態で外縁部が封止さ
    れたラミネート外装体と、
    前記正極リードおよび前記負極リードの各々に電気的に接続され、前記ラミネート外装体における前記外縁部の封止部を横断して各一部が外方へと延出された正極端子および負極端子と、
    電気絶縁性を有する材料から構成され、前記ラミネート外装体における前記電極体の収納部分において、前記ラミネート外装体の内面と前記正極リードおよび前記負極リードとの間に介挿されたスペーサと、
    を備え、
    前記スペーサは、板状の主壁を有し構成され、当該主壁が、前記ラミネート外装体の内面と前記正極リードおよび前記負極リードとの各介挿部分から、前記ラミネート外装体の内面に沿って延出した状態で配置されており、
    前記スペーサにおける前記延出した部分には、前記スペーサにおける前記主壁から、前記ラミネート外装体の内面が対向する側とは反対の内側に向けて突出するリブが形成され、
    前記スペーサにおける前記リブは、第1リブと第2リブとを以って構成されており、
    前記主壁を基準とする高さが、前記第1リブの方が前記第2リブよりも高く、
    平面視において、前記第1リブは、コの字状に形成されており、前記第2リブは、前記第1リブで囲繞される領域に格子状に形成されている
    ことを特徴とする電池。
  3. 正極板および負極板を有する電極体と、
    前記正極板に電気的に接続された正極リードと、
    前記負極板に電気的に接続された負極リードと、
    金属ラミネートシートを用い構成され、前記電極体を包み込んだ状態で外縁部が封止されたラミネート外装体と、
    前記正極リードおよび前記負極リードの各々に電気的に接続され、前記ラミネート外装体における前記外縁部の封止部を横断して各一部が外方へと延出された正極端子および負極端子と、
    電気絶縁性を有する材料から構成され、前記ラミネート外装体における前記電極体の収納部分において、前記ラミネート外装体の内面と前記正極リードおよび前記負極リードとの間に介挿されたスペーサと、
    を備え、
    前記スペーサは、板状の主壁を有し構成され、当該主壁が、前記ラミネート外装体の内面と前記正極リードおよび前記負極リードとの各介挿部分から、前記ラミネート外装体の内面に沿って延出した状態で配置されており、
    前記スペーサにおける前記延出した部分には、前記スペーサにおける前記主壁から、前記ラミネート外装体の内面が対向する側とは反対の内側に向けて突出するリブが形成され、
    前記スペーサにおける前記リブは、第1リブと第2リブとを以って構成されており、
    前記主壁を基準とする高さが、前記第1リブの方が前記第2リブよりも高く、
    前記スペーサは、前記主壁の長辺を共有して連続する第2主壁を有し、
    前記スペーサの横断面において、前記主壁と前記第2主壁とでL字状となっており、
    前記スペーサにおいて、前記主壁と前記第2主壁とは長手方向の長さが同じであり、
    前記スペーサは、前記主壁における長手方向の両端辺と、前記第2主壁における長手方向の両端辺とを接続する側壁を有する
    ことを特徴とする電池。
  4. 前記スペーサにおける前記主壁は、平面視において短冊状をしている
    ことを特徴とする請求項2に記載の電池。
  5. 前記正極リードと前記負極リードとは、互いの間に間隔をあけて並んだ状態で延伸しており、
    前記スペーサにおける前記リブは、前記正極リードと前記負極リードとの間に相当する部分に設けられている
    ことを特徴とする請求項1から請求項4の何れかに記載の電池。
  6. 前記第1リブと前記第2リブとは、連続した状態で形成されている
    ことを特徴とする請求項1から請求項5の何れかに記載の電池。
  7. 前記スペーサは、前記主壁における長手方向の長さが15cm以上である
    ことを特徴とする請求項1から請求項の何れかに記載の電池。
  8. 前記スペーサは、樹脂材料からなる
    ことを特徴とする請求項1から請求項の何れかに記載の電池。
  9. 前記電極体は、扁平直方体形状であり、
    前記正極リードおよび前記負極リードは、前記電極体の側面から延出し、当該側面に沿うように曲折されており、
    前記正極端子および前記負極端子は、それぞれ前記正極リードおよび前記負極リードに対し、前記側面に沿う部分で接合されている
    ことを特徴とする請求項1から請求項の何れかに記載の電池。
  10. 前記スペーサにおける前記主壁は、前記正極リードおよび前記負極リードと前記正極端子および前記負極端子の各一部を間に挟んで、前記電極体の側面に対向するように配されている
    ことを特徴とする請求項1から請求項の何れかに記載の電池。
  11. 前記電極体は、さらに複数枚の正極板と複数枚の負極板とを有する積層型電極体であって、
    前記正極板と前記負極板とは、間にセパレータを挟んで交互に積層されており、
    前記正極リードおよび前記負極リードは、各正極板および各負極板に電気的に接続されており、
    前記正極端子および前記負極端子は、複数の正極リードおよび複数の負極リードに対し、各々が集束された部分で接合されている
    ことを特徴とする請求項1から請求項10の何れかに記載の電池。

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