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JP5927915B2 - タッチパネルセンサ基板及びその基板の製造方法 - Google Patents

タッチパネルセンサ基板及びその基板の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、タッチパネルセンサ基板及びその基板の製造方法に係り、とりわけ、耐久性を有した基板及びこの製造方法に関する。
タッチパネル装置は、多くの場合、液晶ディスプレイやプラズマディスプレイ等の表示装置が組み込まれた種々の装置等(例えば、券売機、ATM装置、携帯電話、ゲーム機)に対する入力手段として、表示装置と共に用いられている。このような装置において、タッチパネルセンサ層は表示装置の表示面上に配置され、これにより、タッチパネル装置は表示装置に対する直接的な入力を可能にする。
タッチパネル装置は、タッチパネルセンサ層上への接触位置(接近位置)を検出する原理に基づいて、種々の形式に区別される。昨今では、光学的に明るいこと、意匠性があること、構造が容易であること、機能的にも優れていること等の理由から、容量結合方式(「静電容量方式」や「静電容量結合方式」とも呼ばれる)のタッチパネル装置が注目されている。
容量結合方式のタッチパネル装置においては、位置を検知されるべき外部導体(典型的には、指)が誘電体を介してタッチパネルセンサ層に接触(接近)することにより、新たに奇生容量が発生し、この容量結合の変化を利用して、タッチパネルセンサ層上における対象物の位置を検出するようになっている。容量結合方式には表面型と投影型とがあるが、マルチタッチの認識(多点認識)への対応に適していることから、投影型が注目を浴びている(例えば、特許文献1)。
特許文献1に開示されたタッチパネルセンサ層では、基材の同一の側の面上に、第1透明電極と第2透明電極とが設けられている。第1透明電極と第2透明電極とが交差する領域において、第1透明電極と第2透明電極との間には、絶縁体が設けられている。この結果、第2透明電極は、第1透明電極と交差する領域において、第1透明電極を跨ぐようになり、第1透明電極と第2透明電極との非接触状態が確保されている。
ところで、タッチパネルセンサ層を含むタッチパネルセンサ基板は、通常、表示装置とは別個に製造され、表示装置の表示面上に貼り付けられる(例えば、特許文献2)。この場合、観察者側の最表面(タッチパネルセンサの表面)だけでなく、タッチパネルセンサ基板と表示装置の表示面との界面においても、光が反射し得るようになる。
この結果、照明光のような環境光(外光)がより多く反射してコントラストが低下してしまうとともに、表示装置によって表示される映像光の透過率が低下してしまう。
また、近年では、表示装置として薄型の表示パネルを有したフラットパネルディスプレイが広く普及している。したがって、別個のタッチパネルセンサ基板を表示パネルに貼り付けることにより、表示用のパネル全体としての厚みが厚くなり、かつ重量が重くなることも問題となる。
タッチパネル装置を別個の表示装置と組み合わせて使用する際における以上のような不具合を解消するため、液晶表示パネル(LCDパネル)やプラズマディスプレイパネル(PDP)等の表示パネルを構成するようになる表示装置用基板として、タッチパネルセンサ層を有したタッチパネルセンサ基板を、適用することも検討されている。
一例として、基材と、基材の一方の側に形成されたタッチパネルセンサ層と、基材の他方の側に形成された表示装置用の構成、具体例として、PDP用またはLCDパネル用のカラーフィルタ層とを有する基板が検討されている(以下、「タッチパネル一体型カラーフィルタ」という)。
一方、種々の形式のタッチパネル装置に用いられるタッチパネルセンサ層は、複雑な構成を有し、この複雑な構成に起因して損傷を受けやすいセンサ部を、含んでいる。
また、投影型容量結合方式等のタッチパネルセンサ層は透明な導電体をパターニングしてなるセンサ部を有している。このセンサ部は表示面上に配置される。
したがって、センサ部をなす透明導電体パターンは、視認されにくくするため、非常に薄く形成される。すなわち、投影型容量結合方式のタッチパネルセンサ層のセンサ部は、非常に複雑で損傷しやすく、且つ、損傷したことを認識されにくくなっている。
そして、上記タッチパネルセンサ層の損傷を防ぐためセンサ部を保護層で被覆することが行われている。有機材料からなる誘電体材料を保護層に用いて電極表面を被覆することによりキズや汚れを防止しようとしているが、有機材料では、硬度を高めることには限界があり、十分な保護機能を発揮することができない。
タッチパネル一体型カラーフィルタのような表示基材では、カラーフィルタ層を形成する工程において、タッチパネル面を下にして搬送する必要がある。その際、保護層が搬送手段の搬送コロや吸着パッドあるいは支持ピンなどと擦れ、キズや汚れが発生し、外観品質を低下させている。
また、保護膜として有機材料ではなく、無機材料、例えば、SiON、SiNなどは、蒸着(スパッタリング、CVD法など)により形成されるが、表面蒸着層の形成がネックとなり生産性が低下し、また製造コストがアップするなど問題があった。
そして、保護層を形成する場合、ポジまたはネガ型の感光性材料を用い、塗布、プレベーク、マスク露光、現像、ポストベークといった一連の工程を経て形成される。
すなわち、塗布後の塗膜乾燥としてのプレベーク工程後、マスク形状に応じて部分的に露光が行われ、ポジ型では露光した部位が、ネガ型では露光されなかった部位が、現像にて除去され、ポストベークの熱処理にて樹脂が硬化して丈夫な膜が得られるので、多くの付随した処理工程を必要としてするなど工程数の増加、処理の煩雑化など、生産性の低下及びコストアップにつながるものであった。
また、表面保護の方法として、一般的に製造段階で保護フィルムを表面に貼り合わせて表面を保護することが行われている。しかしながら、表面保護フィルムの貼着は、作業が繁雑であり、コストアップにつながり、さらに、生産性が低下する。
タッチパネルセンサ層付き表示基材の製造工程の最終段階では、タッチパネルセンサ層の表面に粘着剤層を介して偏光板等を積層することから、製造ラインで製造されたものに保護フィルムを貼着したまま製品として輸送に供することができない。
製造過程で、必ず、保護フィルムは除去されることとなり、保護フィルムで表面を保護する工程は、一時的な保護のための工程にすぎず、無駄な工程であり、また、保護フィルムを除去する際、表示基材への粘着剤の付着を生じ、後処理を必要とするなどコストアップに繋がるものである。
実用新案登録第3134925 特開平4−264613号公報
上述した特許文献1では、第2透明電極は、第1透明電極と交差する領域において、第1透明電極を跨ぐように基材から浮かび上がっている。また、第1単位センサ及び第2透明電極の幅は、重複面積を少なくするため、交差領域において狭く設計される。
したがって、特許文献1のタッチパネルセンサ層では、第2透明電極の幅が狭い領域が突出し、この部分が極めて損傷を受けやすくなる。
一方、カラーフィルタ層は、通常、画素に対応して形成されたブラックマトリクス(遮光部)と、複数種類の着色部と、を有している。ブラックマトリクスや着色部は、通常、フォトリソグラフィー技術を用い、コーティングされた材料層を露光及び現像することによって、形成される。
そして、タッチパネルセンサ層を有した基板の裏面にカラーフィルタ層を形成しようとするタッチパネル一体型カラーフィルタにおいて、カラーフィルタ層の形成中、タッチパネルセンサ基板は、タッチパネルセンサ層が形成された側を下面として、ローラー等の搬送手段によって搬送されていく。
この結果、カラーフィルタ/セル/モジュール工程において、カラーフィルタ層の作製中に、ローラー等に接触するタッチパネルセンサ層、とりわけ、保護膜上にキズ、汚れが発生し、外観品質が悪く、歩留まりが低下するという問題があった。
また、第2透明電極の第1透明電極との交差部分が、損傷されやすく、透明電極が損傷すると、作製された表示装置用基板のタッチパネルセンサ層は予定した機能を果たさなくなってしまう。
また、カラーフィルタ層を形成する工程において、タッチパネルセンサ層の透明電極と、カラーフィルタ部の透明電極が、何れも同じ材料である多結晶ITOから形成されているため、ITOをエッチング加工すると、他方の面のITOに損傷を与えてしまうという問題もあった。
本発明は、上記した従来技術の問題点等を考慮してなされたものであって、本発明では、工程を複雑にする保護膜を形成することなく、あるいは保護フィルムを設けることもなく、耐久性が高く、損傷しにくいタッチパネルセンサ層を有したタッチパネルセンサ基板を提供することを目的とする。
本発明は、種々研究した結果、意外にも、タッチパネル一体型カラーフィルタを含むタッチパネルセンサ基板において、タッチパネルセンサ部の表面全体に、工程が複雑となり、コストアップを招く、保護層を設けることなく、また、必要最小限の小領域に誘電体層を施し、電気的に非接触状態を形成するとともに、タッチパネルセンサ基板の表面層の大部分の面積がタッチパネルセンサ部の透明電極主部が占めるタッチパネルセンサ基板とすることで、樹脂保護層よりも硬度の高い透明電極材料によりタッチパネルセンサ基板の表面が形成されることで、上記課題を解決できることを見出して本発明を完成したものである。
すなわち、本発明のタッチパネルセンサ基板は、
少なくとも前記透明基材の一側の面上に設けられたタッチパネルセンサ層を備えるタッチパネルセンサ基板において、
前記タッチパネルセンサ層は、透明基材の一側の面上に、第1方向及び第1方向と交差する第2方向に並べられた、導電体からなる複数のブリッジ部を有し、
前記複数のブリッジ部上に設けられた誘電体層であって、前記誘電体層は、前記各ブリッジ部を部分的に被覆する第1方向に並べられ及び第2方向に離間して形成された誘電体層と、
前記誘電体層上には、第1方向に並べられた前記複数のブリッジ部を非接触状態で横切るように第1方向へ延び及び第2方向に並列配置された複数の透明導電膜からなる第1透明電極を有し、
前記複数のブリッジ部のうちの、第2方向に隣り合う二つのブリッジ部にそれぞれ対応して設けられた、各々が第1透明電極の間に、前記複数の第1透明電極から離間して配置された透明導電膜からなる第2透明電極と、を有し、
前記第2透明電極は、透明基材上に形成され、第1透明電極と非接触状態で対応する二つのブリッジ部に接続している複数の第2透明電極と前記複数のブリッジ部とによって、各々が第1透明電極とは非接触状態で前記第2方向へ延び、及び第1方向に並列配置された複数の第2透明電極が構成されている
表面に前記第1及び第2透明電極からなる層を有することを特徴とするタッチパネルセンサ基板である。
上記構造のタッチパネルセンサ層は、基板上に直接第1及び第2透明電極並びにブリッジ部を形成するものであって、第1方向へ延び及び第2方向に並列配置された複数の透明導電膜からなる第1透明電極と、各々が第1方向に延び、第1透明電極の間に前記複数の第1透明電極から離間して配置された透明導電膜からなる、複数の第2透明電極と基材上に形成した導電体からなる複数のブリッジ部と該ブリッジ部上に配置した誘電体によって、第2透明電極の各々が第1透明電極とは非接触状態であって、前記第2方向へ延びる並列配置された複数の第2透明電極が構成されることで、表層の大部分が第1及び第2透明電極で構成されるようにしたものである。
本発明の他の態様によるタッチパネルセンサ基板は、
前記透明基材の一側の面上に設けられたタッチパネルセンサ層を備えるタッチパネルセンサ基板において、
前記タッチパネルセンサ層は、透明基材の一側の面上に第1方向及び第1方向と交差する第2方向に並べられた、導電体からなる複数のブリッジ部と、
前記複数のブリッジ部上及び透明基材上に設けられた誘電体層であって、前記誘電体層には、前記各ブリッジ部の両端部に位置するように設けられた2つの貫通孔が第2方向に離間して形成された誘電体層と、
前記誘電体層上には、第1方向に並べられた前記複数のブリッジ部を、2つの貫通孔の間を通過して非接触状態で横切るように第1方向へ延び及び第2方向に並列配置された複数の透明導電膜からなる第1透明電極と、
複数のブリッジ部のうちの、第2方向に隣り合う二つのブリッジ部にそれぞれ対応して設けられた、各々が第1透明電極の間に、前記複数の第1透明電極から離間して配置された透明導電膜からなる第2透明電極であって、
前記第2透明電極は、誘電体層上を延びて貫通孔を経由し、第1透明電極と非接触状態で対応する二つのブリッジ部に接続している複数の第2透明電極と、を有し、
前記複数の第2透明電極と前記複数のブリッジ部とによって、各々が第1透明電極とは非接触状態で前記第2方向へ延びる並列配置された複数の第2透明電極が構成されている表面に前記第1及び第2透明電極からなる層を有することを特徴とするタッチパネルセンサ基板である。
上記構造のタッチパネルセンサ層は、基板上に直接第1及び第2透明電極を形成するのではなく、第1方向へ延び及び第2方向に並列配置された複数の透明導電膜からなる第1透明電極と、各々が第1方向に延び、第1透明電極の間に前記複数の第1透明電極から離間して配置された透明導電膜からなる、複数の第2透明電極と、第2透明電極の各々が基材上に形成した導電体からなるブリッジ部とその上の誘電体により第1透明電極とは非接触状態で前記第2方向へ延びる並列配置された複数の第2透明電極が構成されることで、誘電体層上に第1及び第2透明電極が形成され、その透明電極が表層の大部分を構成するようにしたものである。
本発明のさらなる一態様によるタッチパネルセンサ基板は、
前記透明基材の一側の面上に設けられたタッチパネルセンサ層を備えるタッチパネルセンサ基板において、
前記タッチパネルセンサ層は、
前記透明基材上に、第1方向に延びる並列配置された複数の透明導電膜からなる第1透明電極と、
前記第1方向及び第1方向と交差する第2方向に並べられて、前記並列配置された複数の第1透明電極の間に、前記第1透明電極から離間して、配置された複数の透明導電膜からなる第2透明電極と、
複数の第2透明電極のうち、前記第2方向に隣り合う二つの第2透明電極に対応してそれぞれ設けられた導電体からなる複数のブリッジ部であって、各ブリッジ部が第2方向に隣り合う二つの前記第2透明電極を接続して、複数の第2透明電極と複数のブリッジ部によって、各々が前記第1透明電極と非接触状態で第2方向へ延びる並列配置された第2透明電極を構成する複数のブリッジ部と、
前記複数の第1透明電極及び前記複数の第2透明電極上の一部を被覆する誘電体層であって、第2方向に隣り合う二つの第2透明電極を接続する前記複数のブリッジ部それぞれに対応して設けられ、前記第1透明電極と前記第1透明電極と交差して第2方向へ延びる第2透明電極の間を非接触状態とするように配置されている誘電体層と、を有し
表面に前記第1及び第2透明電極並びに前記ブリッジ部からなる層を有することを特徴とするタッチパネルセンサ基板である。
上記構造のタッチパネルセンサ層は、基板上に直接第1及び第2透明電極並びにブリッジ部を形成するものであって、第1方向へ延び及び第2方向に並列配置された複数の透明導電膜からなる第1透明電極と、各々が第1方向に延び、第1透明電極の間に前記複数の第1透明電極から離間して配置された透明導電膜からなる、複数の第2透明電極と、第1電極上に配置した誘電体と該誘電体上に形成した導電体からなる複数のブリッジ部によって、第2透明電極の各々が第1透明電極とは非接触状態であって、前記第2方向へ延びる並列配置された複数の第2透明電極が構成されることで、表層の大部分が第1及び第2透明電極並びにブリッジ部により構成されるようにしたものである。
本発明のタッチパネルセンサ基板によれば、表示基板の基板を共有化し、基材の数を低減でき、薄型化や軽量化に有利となる。また、1つの基材の一方の面にタッチパネルセンサ層、他方の面にカラーフィルタ層を形成するタッチパネルセンサ一体型カラーフィルタを含むタッチパネルセンサ基板の製造工程において、表面に有機材料の保護膜を有せず、有機材料の保護膜より表面硬度の大きい透明導電材料(鉛筆硬度:6〜7H)から形成されているので、擦れによるキズなどの損傷や汚れの付着を防止できる。
従って、有機材料の保護膜を形成したものに比べて、キズ、汚れが十分に低減されるので、製造工程における歩留まりが向上する。しかも、保護膜を形成することなく、タッチパネルセンサ基板を形成することができることから、タッチパネルセンサ一体型カラーフィルタを含むタッチパネルセンサ基板の製造工程の工程数が削減でき、そのことにより生産性が向上し、かつコストダウンに繋がる。
保護膜層を形成しないことにより、及び誘電体材料を第1及び第2透明電極の絶縁のために使用する際、ブリッジ部に対応する箇所のみにオーバーコート層を施すだけなので、異物の混入による不良品の低減ができ、歩留まりが向上する。
また、保護層を形成する場合でも、第1及び第2透明電極のライン部とブリッジ部の交差する領域を保護するだけで済むことから、保護膜(オーバーコート層)の面積を小さくできるので、タッチパネルセンサ層の透過率が向上する。また、従来の保護膜を形成した後、カラーフィルタを製造する工程よりも、保護膜を形成し、焼成するという工程の繰り返しが少なくなり、タッチパネル層が黄変することがなくなる。
カラーフィルタの形成工程において透明電極に切開パターンを形成する必要が有る場合でも、タッチパネルセンサの透明電極を多結晶ITOで形成し、カラーフィルタの透明電極をアモルファスITOで形成し、エッチング加工することで、工程を複雑にする保護膜をタッチパネルセンサ部の表面に設けることなく、エッチング加工でき、切開パターンを製造することが可能となる。
すなわち、本発明によれば、カラーフィルタ部の透明電極はシュウ酸を主成分とする弱酸を用いてエッチング加工されるため、タッチパネルセンサ部の表面に露出している結晶化したITO(例えば、連結透明電極)に浸食が生じることはなく、それゆえ保護膜を設ける工程を省くことができる。
図1は、本発明による第1の実施の態様を説明するための図であって、表示装置の構成を概略的に示す図。 図2は、表示装置の表示面への法線方向に沿った断面において、図1の表示装置に組み込まれた表示パネルを示す断面図。 図3は、図2の表示パネルに組み込まれた第1基板(タッチパネル基板兼カラーフィルタ)のタッチパネルセンサ層の構成を説明するための図であって、タッチパネルセンサ層を示す上面図。なお、図2中に示されたタッチパネルセンサ層は、図3のII−II線に沿った断面において示した図。 図4aは、図3のII−II線に沿ったタッチパネルセンサ層の断面図。 図4bは、図3のIV−IV線に沿ったタッチパネルセンサ層の断面図。 図5は、第1基板に含まれる上記したタッチパネルセンサ層の製造方法の一例を説明するための製造工程図。 図6は、第1透明電極のライン部と第2透明電極のブリッジ部との交差した領域に保護層を設けた場合の図3のII−II線に沿った断面において示す変形例のタッチパネルセンサ層の断面図。 図7は、第1基板に含まれるカラーフィルタ層の製造方法の一例を説明するための製造工程図。 図8aは、本発明による第2の実施の態様を説明するための端子構造を含むタッチパネルセンサ層の断面図。 図8bは、図8aに示すタッチパネルセンサ層の拡大模式図。 図8cは、第1基板に含まれる上記した図8aに示すタッチパネルセンサ層の製造方法の一例を説明するための製造工程図。 図9aは、保護層を第1透明電極のライン部と第2透明電極のブリッジ部との交差した領域に設けた場合の図3のIV−IV線に沿った断面において示す第2の実施の態様の変形例を説明するための端子構造部を含むタッチパネルセンサ層の断面図。本変形例のタッチパネルセンサ層は、図8cの製造工程図における「保護層の形成の工程Sa4’」に対応するものである。 図9bは、図9aに示すタッチパネルセンサ層の拡大模式図。 図10aは、本発明の第3の実施の態様を説明するための端子構造を含むタッチパネルセンサ層の断面図。なお、図では、本発明の構造を理解しやすくするため、タッチパネルセンサ基材の構造を模式化して表現した。 図10bは、本発明の第3の実施の態様を説明するためのタッチパネルセンサ層の製造工程図及びタッチパネルセンサ層の製造方法に示す変形例1の断面図 図10cは、本発明の第3の実施の態様の図10aのタッチパネルセンサ層の製造方法の変形例2の端子構造を含むタッチパネルセンサ層の断面図。 図10dは、本発明の第3の実施の態様の変形例3の端子構造を含むタッチパネルセンサ層の断面図。なお、図は、本発明の構造を理解しやすくするため、タッチパネルセンサ基材の構造を模式化して表現した。
以下、図面を参照して本発明の実施の態様について説明する。なお、本件明細書に添付する図面においては、図示と理解のしやすさの便宜上、適宜縮尺及び縦横の寸法比等を
、実物のそれらから変更し誇張してある。
[第1の実施の態様]
まず、図1〜図7を参照して、本発明による第1の実施の態様について説明する。
図1及び図2に示された表示装置10は、文字や図等の情報を映像として出力する出力装置として機能するだけでなく、表示面12へ接触(接近)することにより情報を入力する入力装置としても機能するものであり、表示装置10が、投影型の容量結合方式のタッチパネル機能を有する液晶表示パネル(LCDパネル、液晶パネル)として構成された表示パネル30を有している液晶表示装置(液晶ディスプレイ)に適用した例について説明する。
図1に示すように、表示装置10は、表示パネル30と、表示パネル30に接続され表示パネル30の駆動を制御する制御部20と、液晶パネルとしての表示パネル30を背面側(非観察者側)から照明する面光源装置(バックライト)25と、を有している。面光源装置25としては、例えば、エッジライト型や直下型等の面光源装置を適宜用いることができる。また、表示パネル30の表示面12が、タッチパネル装置の入力面(タッチ面、接触面)として機能するようになる。つまり、表示面12に導体、例えば人間の指を接触させることにより又は接近させることにより、表示装置10に対して外部から情報を入力することができるようになっている。
制御部20は、表示されるべき映像に関する情報を処理する映像情報処理部22と、表示面12を介して入力される情報を処理する入力情報処理部24と、を有している。映像情報処理部22は、表示パネル30に接続され、映像情報に基づいて各画素の表示状態を制御するように構成された回路(駆動回路)により表示パネル30を駆動する。
一方、入力情報処理部24は、表示パネル30に接続され、表示面12を介して入力された情報を処理する。具体的には、入力情報処理部24は、表示面12へ導体(典型的には、人間の指)が接触または接近している際に、表示面12への導体の接触位置または接近位置を特定し得るように構成された回路(検出回路)を含んでいる。また、入力情報処理部24は、映像情報処理部22と接続され、処理した入力情報を映像情報処理部22へ送信することもできる。この際、映像情報処理部22は、入力情報に基づいた映像情報を作成し、入力情報に対応した映像を表示面12に表示させるようにすることもできる。
次に、図2に示すように、液晶パネルとしての表示パネルは、第1の基板(タッチパネル基板、カラーフィルタ(カラーフィルタ基板)、対向基板とも呼ぶ)40と、第1基板40に対面して第1基板40の背面側(面光源装置側)に配置された第2基板(以下において、素子基板、アレイ基板とも呼ぶ)35と、第1基板40及び第2基板35の間に封入された液晶層32と、第1基板40の観察者側に設けられた図示しない保護誘電体膜33と、を有している。また、液晶パネルの両側には、それぞれ、図示しない偏向板が設けられている。
第1基板40は、透明な板状の第1の基材45と、基材45の一側(本実施の態様においては、観察者側であって、図2の紙面おける上側)に設けられたタッチパネルセンサ層60と、基材45の一側とは反対側の他側(本実施の態様においては、光源側であって、図2の紙面おける下側)に設けられたカラーフィルタ層50と、を有している。このタッチパネルセンサ層60が、上述の制御部の入力情報処理部24と接続され、入力情報処理部24とともにタッチパネル機能を構築する。
[表示パネル]
表示パネル30は、表示装置10が映像を表示することを可能とするための構成と、表示装置10がタッチパネルとして機能することを可能にするための構成と、を含んでいる。そして、このような概要の表示パネル30のうち、まず、主に映像表示装置として機能するための構成、具体的には、第1基板40のカラーフィルタ層50及び第2基板35について、説明する。
本発明において、カラーフィルタ層50は、第1の基材45上に形成される。本発明における、該第1の基材45は、例えば、樹脂製の板材や板ガラスから構成される。
また、ここで、基材は、基材それ自体だけを意味するものではなく、タッチパネルセンサ、カラーフィルタを形成し、光が透過するため、透明導電層とガラス基板の間には、薄膜干渉効果にて、透明導電層の有る部分と無い部分の透過率、反射率を同程度にして、透明電極のパターンが容易に視認できなくする不可視化のための層を設ける場合、例えば、基材に屈折率調整層を成膜処理し、インデックスマッチング層などを形成する場合があり、そのような基板の表面を表面処理した基板も含め、単に、基板と表現する。
図2に示すように、カラーフィルタ層50は、遮光作用を有し非画素領域(光が透過し得ない領域)を形成する遮光部51を有している。遮光部51は、各々がサブ画素を構成するようになる貫通開口を形成されている。この遮光部51は、いわゆるブラックマトリクスとして機能し、コントラストの向上に寄与し得る。
また、本発明において、各サブ画素を構成する貫通開口には、当該サブ画素の表示色に着色された第1〜第3の着色部52が形成されている。具体例として、第1着色部52Gは緑色に着色され、第2着色部52Rは赤色に着色され、第3着色部52Bは青色に着色されている。
さらに、第1基板40には、液晶パネルの観察者側の基板(カラーフィルタ基板)として有効に機能するため、その他の構成要素が適宜設けられている。例えば、着色部52の光源側には、保護膜53、透明電極層54及び配向膜(図示せず)等が設けられる。
一方、図2に示すように、第2基板35は、透明な第2の基材36と、カラーフィルタ層50の各着色部52に対面するようにして基材36上にそれぞれ配置された画素電極37と、を有している。また、画素電極37に対する印加を制御するスイッチング素子38が、画素電極37毎に別個に設けられている。
スイッチング素子38は、上述した制御部20の映像情報処理部22に電気的に接続され、映像情報処理部22の各画素の表示を制御するための駆動回路からの信号に基づいて動作する。第2基材36上には、スイッチング素子38の駆動に必要となる、走査線や信号線(データ線)等の種々の回路配線(図示せず)、さらに、第2基板(TFT基板)35には、液晶パネルの面光源装置側の基板(素子基板、アレイ基板)として有効に機能す
るため、その他の構成要素が適宜設けられている。例えば、画素電極37の観察者側には、画素電極37やスイッチング素子38等を保護するための保護層39や、配向膜(図示せず)等が設けられる。
[タッチパネルセンサ層]
次に、表示パネル30に含まれる主にタッチパネルとして機能するための構成、すなわち、タッチパネルセンサ層60の構成について説明する。
図1及び図3に示すように、タッチパネルセンサ層60は、接触位置(接近位置)を検出する領域に対応するアクティブエリアA1(図1及び図3参照)に配置されたセンサ部60aと、アクティブエリアA1に隣接する非アクティブエリアA2に配置されセンサ部60aと接続された取り出し部60bと、を有している。なお、アクティブエリアA1は、表示パネル30の映像を表示することができる領域(表示エリア)である。非アクティブエリアA2は、表示領域を取り囲むようにして表示領域の外側に配置された領域であって、映像が表示されない領域(非表示領域)である。
図3に示すように、投影型の容量結合方式として構成された本実施の態様におけるタッチパネルセンサ層60において、センサ部60aは、第1及び第2透明電極を含むものからなっている。
第1透明電極61は、並列配置された複数の第1単位センサを構成し、第2透明電極66は、並列配置された複数の第2単位センサを構成している。各第1透明電極61は、基材45の一側の面45aと平行な第1方向に延び、各第2透明電極66は、ブリッジ部68により第1方向と交差する方向であって基材45の一側の面45aと平行な第2方向に、延びている。
図3に示すように、本発明の実施の態様では、複数の第1透明電極61は、第2透明電極66の長手方向である第2方向に、等間隔で並べられている。また、複数の第2透明電極66は、第1透明電極61の長手方向である第1方向に、第1透明電極61と交差する部位で分断されており、かつ、ブリッジ部68により第2方向に延びかつ第1方向に等間隔で配列されている。
そして、第1透明電極61の長手方向及び第2透明電極66の長手方向は、基材45の一側の面45a上において、直交している。
図3に示すように、アクティブエリアA1内において、第1透明電極61及び第2透明電極66は互いに交わっている。図2及び図4に示すように、第1透明電極61及び第2透明電極66は、交差する領域において、基材45の一側の面45aからの離間距離が誘電体層の厚さの分だけ異なる位置、すなわち、基材45の表面から異なる高さ方向位置を通過している。
この結果、第1透明電極61及び第2透明電極66は、互いから非接触状態で、交差する。なお、図4においては、図示及び理解のしやすさの便宜から、カラーフィルタ層50を省略している。
[透明電極]
センサ部60aを構成する透明電極61、66の構成について、さらに詳述する。
センサ部は、第1透明電極61、第2透明電極66、ブリッジ部68からなり、各電極及びブリッジ部は、通常、同じ材料により形成される。第1透明電極61と第2透明電極66は、同一平面に同時に形成されるため同じ材料であることが好ましく、また、均一な透明性や導電性を得るために、ブリッジ部68は、第1透明電極61、第2透明電極66と同じ透明材料であることが好ましいが、不透明な導電材料である金属であっても狭幅で、誘電体層あるいは透明電極により被覆される限りにおいて本発明では採用できる。
上記材料としては、透明性を有するとともに、所要の導電性を有する材料が用いられる。例えば、インジウム錫酸化物(ITO)、酸化亜鉛、酸化インジウム、アンチモン添加酸化錫、フッ素添加酸化錫、アルミニウム添加酸化亜鉛、カリウム添加酸化亜鉛、シリコン添加酸化亜鉛や、酸化亜鉛−酸化錫系、酸化インジウム−酸化錫系、酸化亜鉛−酸化インジウム−酸化マグネシウム系などの金属酸化物や、これらの金属酸化物が2種以上複合された材料が挙げられる。
[第1透明電極]
まず、第1透明電極61について説明する。複数の第1透明電極61は、透明な導電性材料、例えば、典型的にはITOから形成されている。図3に示すように、複数の第1透明電極61は、前記第1方向及び前記第2方向の両方向に並べて配置された多数の第1透明電極主部62と、多数の第1透明電極主部62のうちの第1方向に並べられた複数の第1透明電極主部62を、互いに接続するライン部63とを有している。
すなわち、第1方向に隣り合う二つの第1透明電極主部62の間に、それぞれ、ライン部63が、二つの第1透明電極主部62と一体として設けられ、二つの第1透明電極主部62を連結している。このようにして、第1方向に直線状に整列した複数の第1透明電極主部62と、それら第1透明電極主部62の間を接続するライン部63と、によって、各第1透明電極61が構成されている。
図3に示すように、第1透明電極主部62は、基材45の一側の面45a上において、略正方形状の形状を有している。この正方形は、該正方形をなす各辺が第1方向に対して略45°傾斜するようにして、基材45の一側の面45a上に配置されている。
一方、ライン部63は、基材45の一側の面45a上に形成した第1方向及び第1方向と直交する第2方向に配列され、導電体からなる複数のブリッジ部68を被覆する誘電体層上を横切り、第1方向に延びる細長い長方形状の形状を有している。そして、第1方向に直交する方向における第1透明電極61の幅は、ライン部63にて最も細くなっている。
[第2透明電極]
次に、第2透明電極66について説明する。複数の第2透明電極66は、第1透明電極61と同様に、透明な導電性材料、例えばITOから形成されている。図3に示すように、複数の第2透明電極66は、前記第1方向及び前記第2方向の両方向に配列され、複数の第1透明電極61の間に該複数の第1透明電極61から離間して配置された多数の第2透明電極主部67と、多数の第2透明電極主部67のうちの第2方向に直線状に整列した複数の第2透明電極主部67を、互いに連結するブリッジ部68と、を有している。
すなわち、第2方向に隣り合う二つの第2透明電極主部67の間に、それぞれ、これらの二つの第2透明電極主部67と別体としてブリッジ部68が設けられている。このようにして、第2方向に直線状に整列した複数の第2透明電極の主部67と、それらの間を接続するブリッジ部68と、によって、各第2透明電極66が構成されている。
[ブリッジ部]
図2及び図4に示されているように、各ブリッジ部68は、金属ライン又は透明導電体などの導電体からなり、基材45の一側の面45a上に、第1方向及び第1方向に交差する第2方向に並べられて設けられている。この複数のブリッジ部68が第2方向に隣り合う二つの第2透明電極66の間を接続している。
そして、基材45と接触する複数のブリッジ部68の表面に、誘電体層70が該ブリッジ部を被覆するように形成されている。該誘電体層70上に第1方向に延びている第1透明電極61のライン部63が、第1方向に並べられた各ブリッジ部68を横切るようにして、非接触状態で交差して延びている。
具体的には、図2及び図3に示すように、第2透明電極主部67及び透明電極を接続するブリッジ部68は、第1透明電極主部62と同一平面(図示する例では、基材45の一側の面45a)上に設けられている。そして、第2透明電極主部67及び第1透明電極61の観察者側には、透明な絶縁性材料(例えば、アクリル系ポリマーやSiO2)からなり、容量結合方式タッチパネルにおける誘電体としても機能する誘電体層(絶縁層)70が複数のブリッジ部68に対応して複数設けられている。
この結果、第1透明電極61は、誘電体層70を介して非接触状態で複数のブリッジ部68を横切り、第2方向に並べて等間隔で配置されている。
図3に示すように、第2透明電極主部67は、基材45の一側の表面45a上において、略正方形状の形状を有している。この正方形は、該正方形をなす各辺が第2方向に対して略45°傾斜するようにして、基材45の一側の面45a上に配置されている。
一方、ブリッジ部68は、概ね第2方向に長方形状に延びており、第2方向に直交する方向におけるブリッジ部68の幅は、第2透明電極主部67と接続される両端部分以外において概ね一定となっている。そして、第2方向に直交する方向における第2透明電極66の幅は、ブリッジ部68のうち、隣り合う第2透明電極主部67間上に位置する領域にて最も細くなっている。
また、図3に示すように、タッチパネルセンサ層60の上面視(タッチパネル
センサ層60をその法線方向から観察した場合)において、第2透明電極66の幅狭のブリッジ部68は、第1透明電極61の幅狭のライン部63と、交差するようになっている。
この結果、上面視において、第1透明電極61と第2透明電極66とが重なり合っている部分が非常に小さくなる。
そのことにより、第2透明電極66は、外部導体の接触面として機能する表示面12の側からみて、第1透明電極61の裏側に位置するようになるが、第2透明電極66での検出感度が、第1透明電極61での検出感度と比較して、大幅に低下してしまうことはない。
[取り出し配線]
次に、取り出し部60bの配線について説明する。図3に示すように、取り出し部60bは、複数の第1透明電極61にそれぞれ対応して設けられた複数の第1取り出しライン73と、複数の第2透明電極66にそれぞれ対応して設けられた複数の第2取り出しライン74と、を含んでいる。
各第1取り出しライン73は、その一端において、当該第1取り出しライン73と対応する第1透明電極61と接続され、その他端に、外部(すなわち、入力情報処理部24へ通ずる配線)との接続端子として機能するパッド73aを含んでいる。同様に、各第2取り出しライン74は、その一端において、当該第2取り出しライン74と対応する第2透明電極66と接続され、その他端に、外部との接続端子として機能するパッド74aを含んでいる。
図2に示されているように、本実施の態様において、各第1取り出しライン73
及び各第2取り出しライン74は、後に説明する製造方法に起因して、三つの層によって構成されている。
具体的には、各取り出しライン73、74は、基材45の側から順に配置された、銅、アルミニウム、銀またはそれらを含む合金等の高導電率金属からなる金属ライン部75aと、上述したブリッジ部68と同一の金属ライン又は透明導電体からなる第1導電体部75b、上述した第1透明電極61及び第2透明電極の主部67と同一の透明導電体からなる第2透明導電体部75cとを有している。
次に、以上のような構成からなるタッチパネルセンサ基板40を製造する方法の一例について以下に説明する。
まず、第1基材45となる透明な基材を準備する。透明な基材として代表的には板ガラスが用いられるが、これに限られず、十分な厚さを有した樹脂板を、第1基材45を構成する透明基材として用いてもよい。
次に、準備した基材45の一側の表面45a上に、タッチパネルセンサ層60を作製する工程について、ここでは、主に図5の製造工程図に従って、タッチパネルセンサ層60を基材45の一側の表面上に形成する方法の一例について説明する。
取り出しラインの形成工程(図5の工程Sa1)
まず、基材45上の第1取り出しライン73及び第2取り出しライン74を形成する。第1取り出しライン73及び第2取り出しライン74のうちの、金属ライン部75aが形成される。第1取り出しライン73及び第2取り出しライン74は、上述したように、アクティブエリアA1に形成されたセンサ部60aと、制御部20と、を接続するために、非アクティブエリアA2に形成される。
したがって、表示面12の表示領域外であり、金属ライン部75aは、銅、アルミニウム、銀若しくはそれらを含む合金等の透明でない高導電率金属から形成する。
例えば、基材45の一側の表面45aの全面を覆うようにして、高導電率金属からなる膜を蒸着、スパッタ等の真空薄膜形成方法で形成し、その後、フォトリソグラフィー技術を用いてこの高導電率金属からなる膜をパターニングすることによって、第1取り出しライン73及び第2取り出しライン74のうちの金属ライン部75aを形成する。
その他の例としては、スクリーン印刷により、所望のパターンで、第1取り出しライン73及び第2取り出しライン74のうちの金属ライン部75aを基材45上に形成することもできる。
第1導電体層の形成工程(図5の工程Sa2)
本発明の実施態様として、第1導電体層において形成するブリッジ部68を透明導電体材料から形成する場合について説明する。上記した取り出しライン73、74及び金属ライン部75a等をパターニング形成した後、第1導電体層を基材45の一側の表面45aの全面を覆うように透明導電体材料を、蒸着、スパッタ等の真空薄膜形成法により成膜形成し、取り出しライン73、74及び金属ライン部75a上に透明導電体材料層75bを成膜し、積層した構造とするとともに、透明導電体材料からなるブリッジ部68を形成するため、アクティブエリアA1に透明導電体材料層を成膜し、形成する。しかし、第1導電体層は、金属ラインと同じ導電性材料を用いて形成してもよい。
次に、第1導電体層をパターニングする。
この工程は、基材45全面に形成した第1導電体層を、本発明の第1方向及び第2方向に配置された複数の第2透明電極主部67のうち、隣り合う第2透明電極主部67を接続するために複数のブリッジ部68を第1方向及び第1方向と直交する第2方向に配置した複数のブリッジ部68をパターンニング形成する工程である。
この工程では、フォトリソグラフィー技術を用いて、次のようにして、第1導電体層をパターニングする。
まず、感光性材料を第1導電体層上にコーティングして、感光性材料層を形成する。次に、この感光性材料層を所望のパターンで露光し、さらに現像する。これにより、感光性材料層から、第1導電体層上に所望のパターンを有したレジストマスクが、形成される。そして、このレジストマスク越しに、第1導電体層上をエッチングすることにより、レジストマスクのパターンに対応するパターン(第2方向に長方形の複数のブリッジ部68の配列パターン)に第1導電体層をパターニングすることができる。
その際、第1取り出しライン73及び第2取り出しライン74のうちの金属ライン部75a上の第1導電体層を除去することなく残すことで、金属ライン部75a上に第1透明導電体部75bを形成する(図2及び図4参照)。
誘電体層の形成工程(図5の工程Sa3)
第1導電体層の成膜、パターニングした後、誘電体層をパターニングし形成する。基材45の一側の表面45a上に形成したブリッジ部68の表面領域を、第2透明電極主部67と接続する部位を残してブリッジ部68の一部を被覆するように第2方向に長方形の誘電体層70を形成する工程(工程Sa3)が実行される。
この工程において、誘電体層70は、透明な絶縁性材料、例えばアクリル系ポリマーやSiONを、基材45上にコーティングすることにより形成される。とりわけ、本実施の態様においては、誘電体層70が、感光性材料、より詳細には、露光されると硬化するネガ型の感光性材料から、形成される。
このように誘電体層70をコーティングにより形成することにより、基材45上における第1導電体層のパターンに係わらず、形成した誘電体層70の表面70aは、平坦となる。とりわけ、基材45が水平方向と平行に保持された状態で誘電体層70を形成する材料をコーティングすることにより、誘電体層70の表面70aは、基材45の一側の表面45aと同様に、水平方向と平行に形成することができる。
次に、誘電体層70をパターニングする。
この工程Sa3では、フォトリソグラフィー技術を用いて、誘電体層70をパターニングする。上述したように、本発明の実施の態様において、誘電体層70は、ネガ型の感光性材料から形成されている。そして、誘電体層70上にマスクを配置した状態で、マスクの側から誘電体層70を露光する。その結果、マスクに形成された所望のパターンで誘電体層70が硬化する。その後、誘電体層70の未硬化領域の感光性材料を現像で除去することにより、誘電体層70がパターニングされる。
誘電体層をパターニングした後、第2導電体層を形成する工程(工程Sa4)を実施する。
この工程において、第2導電体層は、本発明のタッチパネルセンサ部を形成する第1透明電極及び第2透明電極主部を形成するための層である。この工程では、フォトリソグラフィー技術を用いて、次のようにして、第2導電体層をパターニングする。
第2導電体層を形成する工程(図5の工程Sa4)。
第2導電体層は、第1透明電極61及び第2透明電極66の主部67及びライン部63を形成するための層である。
したがって、本発明の実施の態様において、第2導電体層は、基本的には透明な導電性材料を用いて形成される。
具体例としては、ITO(酸化インジウムスズ)を蒸着またはスパッタリングにより第1基材45に一側から付着させ、ITOをからなる第2導電体層を一定の厚みで形成することができる。
第2導電体層は、第1導電体層と同様に、透明な導電性材料を用いて形成される。具体例としては、蒸着またはスパッタリングによって、作製されつつあるタッチパネルセンサ層60に、基材45とは反対の側(一側)から、ITO(酸化インジウムスズ)を成膜する。
第2導電体層は、誘電体層70からはみ出て、表面に露出しているブリッジ部両端域の一端部上に、第2導電体層から形成される第2透明電極主部67の一端部及び別の該第2透明電極主部の一端部が、誘電体層70からはみ出て表面に露出している第2方向に隣り合う別のブリッジ部両端域の一端部と重なって各第2透明電極主部が電気的に接続するように、並びに第1透明電極が形成されるように、蒸着またはスパッタリングによって形成される。
すなわち、透明導電材料であるITOからなる第2導電体層を形成することにより第1透明電極61及び第2透明電極66の主部67となる部分が形成されることになる。
第2導電体層を蒸着またはスパッタリングにより形成すれば、成膜対象物の表面が凹凸形状として形成されていたとしても、当該凹凸形状に沿って延びる、薄く且つ一定である膜(層)を形成することができる。
したがって、誘電体層70からはみ出て、表面に露出しているブリッジ部両端域の表面に重なって電気的に接続した、所望の厚みの第2導電体層を形成することができる。
次に、第2導電体層をパターニングする。
この工程では、フォトリソグラフィー技術を用いて、第2導電体層をパターニングする。
パターニングした結果、図2及び図3に示すように、第1方向及び第2方向の両方向に並べて配置される第1透明電極及び第2透明電極の主部62、67並びに第1透明電極のライン部63が、第2導電体層から形成される。
すなわち、各第1透明電極61は、第1方向に並べられた複数のブリッジ部68を横切るようにして、第1方向に延びている。
各第1透明電極61のライン部63は、各ブリッジ部68に対応してブリッジ部の一部を被覆するように設けられた誘電体層70により被覆されていない、表面に露出しているブリッジ部68の両端域の間を通過し、誘電体層70上を延び、第1透明電極61は、誘電体層70を介し、非接触状態で各ブリッジ部68を横切っている。図示する例では、複数の第1透明電極61は、第2方向に並べて等間隔で配置されている。
図2及び図4に示すように、第2透明電極の主部67は、第2方向の誘電体により覆われていないブリッジ部68の両端域においてブリッジ部68と重なり、電気的に接続するように位置する。その結果、第2透明電極66が形成されることになる。
上述した誘電体層70をパターニングする工程Sa3において、非アクティブエリアA2の一部領域から誘電体層70を除去することにより、第1取り出しライン73及び第2取り出しライン74の取り出しライン部には、第1導電体部75bが露出している。
第2導電体層を形成する工程では、第1導電体部75bが露出した非アクティブエリアA2にも第2導電体層を形成している。そして、第2導電体層をパターニングする工程において、露出した第1導電体部75b上の第2導電体層を除去することなく残し、第1導電体部75b上に第2透明導電体部75cを形成する(図2、4参照)ことにより3層構造の取り出しライン部を形成することができる。なお、取り出しライン部の処理の仕方により2層構造にすることができことも理解されるであろう。
保護層の形成工程(図5の工程Sa5)
保護層42の形成工程は、アクティブエリアA1に第1透明電極61及び第2透明電極66並びに非アクティブエリアA2に取り出しライン配線部を形成した後、非アクティブエリアの表面を確実に保護するため、図2、図4及び図5の工程Sa5に示すように、タッチパネルセンサ表面及び端子部を除いた非アクティブエリア領域のみに、保護層42を被覆するように配置することができる。
なお、保護層42は、タッチパネルセンサ層60を形成する工程の後であってカラーフィルタ層を形成する工程の前に、形成されることが好ましい。
上記した保護層42は、例えばアクリル系ポリマー等の有機材料をタッチパネルセンサ層60上にコーティングして有機材料層を形成し、さらに、フォトリソグラフィー技術を用いてこの有機材料層をパターニングすることによって、形成することができる。
このような方法によれば、タッチパネルセンサ層60の所望の領域のみを覆う保護層42を作製することができる。あるいは、保護層42は、蒸着またはスパッタリングによって、例えばSiON 、SiN等の無機材料をタッチパネルセンサ層60上に付着させることによっても、作製することができる。
この態様によれば、タッチパネルセンサ層60をメタルマスクでマスキングした状態で、蒸着またはスパッタリングを行うことにより、または、蒸着またはスパッタリングで形成した無機材料層をフォトリソグラフィー技術でパターニングすることにより、無機材料からなる保護層が、タッチパネルセンサ層60の所望の領域のみを覆うようにすることができる。
以上のタッチパネルセンサ層60を形成する工程は、搬送手段によって基材45を搬送しながら、行われる。この際、典型的な例として、基材45の他側の表面45bが搬送手段のローラーに接触した状態で、ローラーが回転及び停止を繰り返し、基材45の搬送、基材45への処理、あるいは、搬送しながらの基材45への処理が実施される。
基材45は高い硬度を有するものであれば、搬送手段による搬送中に、基材45の他側の面45bが損傷してしまうことや、基材45の他側の表面45bに汚れが除去不能に付着してしまうこと等を、防止することができる。
本発明の実施の態様では、第1透明電極の非常に幅狭なライン部63が、誘電体層70上を跨ぐようにブリッジ部68と非接触状態で交差するものであり、誘電体層の僅かな厚みだけ第1及び第2透明電極主部が形成する表面より突出するものである。
基材45表面は、実質的に第1及び第2透明電極で覆われている。しかも、該透明電極を構成する材料は、硬度が鉛筆硬度で6H〜7Hと高く、キズ汚れを防ぐことができる透明導電材料であり、また、タッチパネルセンサ層の表面全体が、硬度の高い平面状の透明電極主部と透明電極の幅狭のライン部とが整列して配置され、該ライン部が誘電体層の厚みだけ突出した小領域として所定間隔で配置されている表面構造となっている。
したがって、タッチパネルセンサ層の表面は、表面硬度の高い透明電極層により実質的に保護される。
この場合、基材45の一側にタッチパネルセンサ層60を形成した後に、形成したタッチパネルセンサ層を下に向けた状態で、作製中の基板40を搬送手段により移動及び停止を繰り返しながら、基材45の他側にカラーフィルタ層50を形成したとしても、上記透明電極により形成された硬度の高いキズ汚れを防ぐことができる材料であることから、タッチパネルセンサが自身でタッチパネルセンサ層60が損傷したり、タッチパネルセンサ層60に汚れが付着したりすることを防止することができる。
この結果、期待した機能を発揮し得るタッチパネルセンサ層60を有した表示装置用基板40が安定して得られるようになる。
次に、基材45の他側の面45b上に、カラーフィルタ層50を作製する工程(工程Sb1〜Sb6)。
図7は、カラーフィルタ層50の製造方法を説明するための製造工程図とともに、作成されつつあるカラーフィルタ層の状態を示す模式図を示している。
図7に示すように、カラーフィルタ層50を作製する工程は、遮光部51の形成工程Sb1、第1着色部52Gの形成工程Sb2、第2着色部52Rの形成工程Sb3、第3着色部52Bの形成工程Sb4、保護膜53の形成工程Sb5、透明電極層54の形成工程Sb6、さらに、配向膜の形成等の他の工程を含んでいる。
これらの各工程Sb1〜Sb6において、それぞれ、コーティング、蒸着またはスパッタリング等による材料層の形成工程、材料層を露光する工程、材料層を現像する工程が実際される。
これらの各工程は、一般的に専用の装置で実施されるため、タッチパネルセンサ層60を設けた基材45は、カラーフィルタ層50を形成する中、搬送及び停止を数十回にわたって繰り返しながら、長い製造ラインを搬送されている。
このカラーフィルタ層50を形成する工程においては、上述したタッチパネルセンサ層60を形成する工程S2とは異なり、基材45が一側から搬送手段のローラー等に接触した状態で、基材45(作製中の基板40)が搬送されることになる。
そのため、本実施の態様によれば、誘電体層70の基材45と接する側とは反対側の表面70aには、第1透明電極61が配置されるとともに、その他の領域には、第1透明電極及び第2透明電極が配置される。
その結果、第1及び第2透明電極が、タッチパネルセンサ層の表面全体をほぼ覆うように設けられている。
したがって、損傷を受けやすい表面領域は、殆どが透明電極で覆われ、透明電極のうち第1透明電極のライン部63が誘電体層70の厚み分だけ他の透明電極層より突出するものの、透明電極はほぼ平面状であり、しかも、透明電極を形成している透明導電材料は、従来の樹脂保護層よりも硬度が高く、透明であることから、損傷したことを発見しにくいセンサ部60aが損傷してしまうことを極めて効果的に防止することができる。
すなわち、タッチパネルセンサ層60は、取り扱い中における外部との接触に対し、例えば、カラーフィルタ層50の形成中に搬送手段のローラーと、タッチパネルセンサ層60のほぼ全表面を覆う硬度高い透明電極とが接触することになり、タッチパネルセンサ層の透明電極層が、優れた耐摩耗性、耐久性をタッチパネルセンサ層に付与する役割を果たすことができることになる。
以上のようにして、タッチパネルセンサ層60及びカラーフィルタ層50を有する第1基板40が、製造される。このようにして得られた第1基板40は、タッチパネルセンサ層60を有したカラーフィルタ基板として、液晶表示装置10に組み込まれる。
したがって、この表示装置10は、高感度のタッチパネル装置として機能するとともに、映像を表示する装置としても機能する。
そして、この表示装置10がタッチパネル装置として機能する場合には、損傷や汚れの付着を防止しながら、タッチパネルセンサ層60を有したカラーフィルタ基板を安定して作製することができるため、表示装置10も安定した感度で接触位置または接近位置の検出を行うことができるようになる。
一方、この表示装置10が映像を表示する装置として機能する場合、以下の作用効果を期待することができる。
この表示装置10は、表示装置とは別個に形成されたタッチパネル装置が表示装置に貼り付けられている装置と比較して、照明等の環境光(外光)や映像光等を反射し得る界面の数を減じることができる。これにより、映像光の透過率が上昇してエネルギ効率が向上するとともに、環境光の反射を抑制して表示装置10に表示される映像のコントラストを向上させることができる。
以上のことから、本実施の態様による表示装置10によれば、タッチパネル機能を付与されているものの、優れた画質の映像を表示することができる。
以上のように、本発明の実施の態様によれば、タッチパネルセンサ基板は、誘電体層70の基材45とは反対側の表面70aに、第1透明電極61のライン部63が配置されるとともに、基材45の他の表面領域には、第1及び第2透明電極主部が配置され、両透明電極主部によりタッチパネルセンサ層の表面全体がほぼ覆われるように設けられている。
したがって、厚みが薄いことから損傷しやすく、また、透明であることから損傷したことが発見されにくいセンサ部60aが、樹脂保護層を設けることなく、タッチパネルセンサ一体型カラーフィルタ基板等のように両面にセンサ又はフィルタなどの機能層を連続的に形成しても、基板表面の損傷及び基板表面への汚れの付着を、極めて効果的に防止することができる。
[第1の実施の態様の変形例1]
本発明の上述した実施の態様とこの実施の態様の変形例として、ブリッジ部68を高導電率導電体である金属を用いて形成する場合について説明する。
本発明の第1の実施態様における取り出し部の配線を形成する取り出しラインの形成工程(図5の工程Sa1)において、ブリッジ部を形成するために、第1導電体層の形成工程(図5の工程Sa2)を上記取り出しラインの形成工程と一緒に行うことができ、このことにより、第1導電体層の形成工程を省略してタッチパネルセンサ層を形成する。
すなわち、取り出し部の取り出しライン73及び74の配線を形成するため、基材45の一側の表面45aの非アクティブエリアA2に高導電率導体である金属を、蒸着、スパッタリング等の真空薄膜形成方法を用いて成膜する際、基材45の一側の表面45aのアクティブエリアA1に対しても該金属を成膜することができ、基材45の一側の表面45a全面を覆うように金属層を成膜する。
そして、成膜された金属層から既に説明したように、フォトリソグラフィー技術等を用いて、第1取り出しライン73及び第2取り出しライン74の取り出し部、端子等の金属ライン部75a等を形成するパターニングの際、ブリッジ部68を同時にパターニング形成する。
次いで、該第2透明電極66のブリッジ部68を形成後、第1の実施態様と同様、誘電体層の形成工程(図5のSa3)において、第2透明電極主部67間を連結できるように該ブリッジ部68を含む必要最小限の領域を誘電体で被覆する。
その後、第2導電体層の形成工程(図5の工程Sa4)で、第1透明電極61及び第2透明電極66の主部62、67及びライン部63を形成するため第2導電体層をアクティブエリアA1に成膜し、その後、第1透明電極61及び第2透明電極66の主部62、67及びライン部63をパターニングし、形成する。これにより第1透明電極61のライン部63が誘電体層70を跨ぐ形で、第2透明電極66のブリッジ部68と交差する。また、第2透明電極の主部67間をブリッジ部68により連結し、電気的に接続して第2透明電極66が形成される。
最後に、非アクティブエリアA2における保護層の形成工程(図5の工程Sa5)において、第1取り出しライン73及び第2取り出しライン74の取り出し部の配線を保護するため非アクティブエリアA2に上記した第1の実施態様と同様に保護層を成膜し、形成する。
[第1の実施の態様の変形例2]
また、第1の実施態様又は上記変形例1において、ブリッジ部68と交差した、第1透明電極61のライン部63が、透明電極主部62よりも誘電体層の厚さだけ表示基材表面から突出して形成されることから、該第1透明電極主部62より細幅のライン部63を確実に保護するため、さらに、図6に示すように、タッチパネルセンサ表面の当該ライン部とブリッジ部との交差する領域に、保護層42を被覆するように配置することによりタッチパネルセンサ表面をより確実に保護することもできる。
該保護層は、第1の実施態様又は上記変形例1において、更なる変形例として、図5の保護層の形成工程(Sa5)において非アクティブエリアA2に保護層42を形成する際、工程(Sa5’)に示すように、ライン部63とブリッジ部68の交差部上に保護層42を形成するか、あるいはアクティブエリアA1の全体と非アクティブエリアA2のパッド73a、74aを除く領域に保護層を成膜し、全体に保護層を成膜し、パターニング形成することにより他院部とブリッジ部の交差部上に保護層を形成したものである。
保護層42を第1センサ電極61のライン部63と第2センサ電極66のブリッジ部突68の交差した突出した領域に施し、かつ保護層を設けた保護領域を小さくすることで、異物による歩留まりの低下を抑制することもできる。さらに、保護層による保護領域を小さくすることによりタッチパネルセンサの透過率を向上することができる。
なお、保護層42は、タッチパネルセンサ層60を形成する工程の後であってカラーフィルタ層60を形成する工程の前に、形成することが好ましい。
上記した第1の実施の態様の変形例に示した保護層42は、第1の実施の態様と同様、例えばアクリル系ポリマー等の有機材料をタッチパネルセンサ層60上にコーティングして有機材料層を形成し、さらに、フォトリソグラフィー技術を用いてこの有機材料層をパターニングすることによって、形成することができる。
この方法によれば、タッチパネルセンサ層60の所望の領域のみを覆う保護層を作製することができる。また、保護層は、蒸着またはスパッタリングによって、例えばSiON、SiN等の無機材料をタッチパネルセンサ層60上に付着させることによっても、作製することができる。
この態様によれば、タッチパネルセンサ層60をメタルマスクでマスキングした状態で、蒸着またはスパッタリングを行うことにより、または、蒸着またはスパッタリングで形成した無機材料層をフォトリソグラフィー技術でパターニングすることにより、無機材料からなる保護層42が、タッチパネルセンサ層60の所望の領域のみを覆うようにすることができる。
[第2の実施の態様]
次に、図8a及び図8bを主に参照して、本発明による第2の実施の態様について説明する。
上述の第1の実施の態様では、基材45の一側の表面上に、第1透明電極61及び第2透明電極66の主部67が配置されていた。そして、第1透明電極61及び第2透明電極66の主部67並びに複数の第2透明電極主部の第2方向に隣り合う同士の第2透明電極主部を電気的に接続するブリッジ部68の基材45とは反対側(主部67の一側)に、誘電体層70を介して、第1透明電極61のライン部63が配置されていた。
第2の実施の態様は、上述の第1の実施の態様と、タッチパネルセンサ層60のセンサ部60aの構成が異なるものであって、その他は第1の実施の態様と同様に構成する。
すなわち、第2の実施の態様では、基材45の一側の表面上に、取り出しライン73、74及び第2透明電極66のブリッジ部68が配置され、該第2透明電極66のブリッジ部68の表面、及びアクティブエリアA1上に誘電体層70を被覆配置する。
そして、該誘電体層70の表面全体を、第1透明電極61及び第2透明電極66の主部67が覆うように配置される。
以下、図8a及び図8bの概略図及びそのタッチパネルセンサ部の拡大図並びに図8及びタッチパネルセンサ層の製造方法に示す変形例1cの製造工程の図面を参照しながら、さらに詳しく説明する。
図8a及び図8bに示すように、第2のタッチパネルセンサ層の実施の態様では、基材の一側の表面45a上に、第1方向及び第1方向と交差する第2方向に並べられて、導電体からなる複数のブリッジ部68を設ける。そして、この複数のブリッジ部68を配置した基材45の一側の表面、アクティブエリアA1に、誘電体層70を形成する。
該誘電体層70には、複数の各ブリッジ部68と、第2透明電極66の主部67と接続する部分にそれぞれ対応して、貫通孔(スルーホール)71を形成する。貫通孔(スルーホール)71は、対応するブリッジ部68に通じている。図8a及び図8bから理解できるように、各ブリッジ部68に対して、それぞれ、二つの貫通孔(スルーホール)71を有し、一つのブリッジ部68に対応して設けられた二つの貫通孔(スルーホール)71は、第2方向に互いから離間している。
誘電体層70表面には、複数の第1透明電極61が設けられている。各第1透明電極61は、第1方向に並べられた複数のブリッジ部68を横切るようにして、第1方向に延びている。各第1透明電極61は、各ブリッジ部68に対応して設けられた二つの貫通孔(スルーホール)71の間を通過して、誘電体層70の表面70a上を延びている。
すなわち、第1透明電極61は、誘電体層70を介し、非接触状態で第1透明電極の幅狭のライン部63が、各ブリッジ部68を横切っている。図示する例では、複数の第1透明電極61は、第2方向に並べて等間隔で配置されている。
また、複数のブリッジ部68のうちの、第2方向に隣り合う二つのブリッジ部68に対応している各貫通孔71の誘電体層表面に形成した開口部には、誘電体層70上の、それぞれの開口に対応する位置に、第2透明電極66の主部67が設けられている。各第2透明電極66の主部67は、誘電体層70上に所定間隔を置いて形成し、貫通孔(スルーホール)71を通過し、第1透明電極61と非接触状態で交差し、貫通孔(スルーホール)に対応する隣接した二つのブリッジ部68に接続している。それにより第2方向に隣り合う各二つのブリッジ部68は、一つの主部67によって、連結されている。
本発明の実施の態様では、第1の実施の態様と同様に、第1方向に沿った断面である図8aに示すように、タッチパネルセンサ基板のタッチパネルセンサ領域の表面全体、すなわちアクティブエリアA1の誘電体層70の基材45とは反対側の表面70aには、第1透明電極61と第2透明電極66の主部67が配置され、透明電極によりほぼ覆われている。
第1透明電極61の幅狭のライン部63は、第1透明電極の幅太の主部62よりも、基材45の一側の表面45aに位置するブリッジ部と交差するように、二つの貫通孔(スルーホール)の間の領域の誘電体層70の表面70aに配置されている。
また、第1方向に沿った断面である図8a及び図8bに示すように、誘電体層70の基材45とは反対側の表面70aには、基材45の一側の表面45aに位置する各ブリッジ部68に対面する領域に、第2透明電極66の主部67が配置されている。すなわち、誘電体層70の厚みはタッチパネルセンサ領域全体で均一な厚みを有し、その表面に第1透明電極61及び第2透明電極の主部67が誘電体層の表面全体をほぼ覆うように設けられ、ブリッジ部68に対応する誘電体層70に形成された貫通孔(スルーホール)71を介
して第2透明電極66の主部67とブリッジ部68とが接続されている。
以上のような構成のタッチパネルセンサ層60を有したタッチパネル基板(第1基板)40は、第1の実施の態様と同様に、図8cに示す第2の実施の態様の製造工程図にしたがって、製造することができる。
取り出しラインの形成工程(図8cの工程Sa1)
まず、基材45上に第1取り出しライン73及び第2取り出しライン74を形成する。
第1取り出しライン73及び第2取り出しライン74などの取り出しライン部は、アクティブエリアA1に形成したセンサ部60aと制御部20とを接続するために、非アクティブエリアA2に形成する。
この工程Sa1において、金属ライン部75aは、タッチパネルセンサ表示基板の表示面12の表示領域外であり、金属ライン部75aは、銅、アルミニウム、銀若しくはそれらを含む合金等の透明でない高導電率金属を用いて金属層を成膜し、非アクティブエリアに金属ライン部75aを形成する。
本発明の第2の実施の態様において、ブリッジ部68も高導電率導体である金属ラインで形成するため取り出しラインの形成工程において、第1導電体層の形成工程を併せて行うことができる。
すなわち、取り出しラインの形成工程において、非アクティブエリアA2に金属層を成膜する際、併せてアクティブエリアA1にも金属層を成膜し、その後、取り出しライン73、74及びブリッジ部68をパターニング形成し、第1導電体層の形成工程を省略することができる。
誘電体層の形成工程(図8cの工程Sa2)
次いで、本発明の第2の実施の態様では、基材45の一側の表面45aのアクティブエリアA1に形成したブリッジ部68の表面を覆うように、アクティブエリアA1全体に、均一に誘電体層70を成膜し、形成する。
そして、誘電体層70をパターニングすることにより、誘電体層70に貫通孔(スルーホール)71を形成する。
第2導電体層の形成工程(図8cの工程Sa3)
次に、本発明の実施の態様では、第1透明電極61及び、第2透明電極66の主部67及び貫通孔71を介してブリッジ部と第2透明電極の主部67との間を連結して第2透明電極を形成するため、ITO透明導電材料を用いて第2導電体層をアクティブエリアA1に成膜する。
該第2導電体層の形成工程(Sa3)において、ITO透明導電材料を用いて非アクティブエリアA2の取り出しライン部に第2導電体層を成膜し、積層し、取り出しライン部に第2導電体層75bを形成することもできる。
そして、形成した第2導電体層をパターニングすることによって、第1透明電極61及び、第2透明電極66の主部67及び貫通孔(スルーホール)71を介してブリッジ部と第2透明電極の主部67との間を連結して第2透明電極66、並びに非アクティブエリアA2の取り出しライン部を被覆する第2透明導電体部75bを形成する。
保護層の形成工程(図8cの工程Sa4)
本発明の第2の実施の態様において、誘電体層表面のアクティブエリアA1に第1透明電極61及び第2透明電極66、並びに非アクティブエリアA2に取り出しライン配線部を形成した後、非アクティブエリアの表面を確実に保護するため、図8a及び8cに示すように、タッチパネルセンサ表面及び端子部を除いた非アクティブエリア領域に保護層42を被覆、配置する。
なお、保護層42は、タッチパネルセンサ層60を形成する工程の後であってカラーフィルタ層60を形成する工程の前に、形成することが好ましい。
上記した保護層42は、例えばアクリル系ポリマー等の有機材料をタッチパネルセンサ層60上にコーティングして有機材料層を形成し、さらに、フォトリソグラフィー技術を用いてこの有機材料層をパターニングすることによって、形成することができる。
このような方法によれば、タッチパネルセンサ層60の所望の領域のみを覆う保護層42を作製することができる。
保護層42は、蒸着またはスパッタリングによって、例えばSiON、SiN等の無機材料をタッチパネルセンサ層60上に付着させることによっても作製することができる。
この態様によれば、タッチパネルセンサ層60をメタルマスクでマスキングした状態で蒸着またはスパッタリングを行うことにより、又は、蒸着またはスパッタリングで形成した無機材料層をフォトリソグラフィー技術でパターニングすることにより、無機材料からなる保護層が、タッチパネルセンサ層60の所望の領域のみを覆うようにすることができる。
本発明の第2の実施の態様によれば、第2透明電極66のブリッジ部68は、誘電体層70によって覆われ、露出しない。また、誘電体70の表面全体が第1及び第2透明電極により被覆され、表面透明導電体材料からなる硬度の高い無機材料で覆われていることから、取り扱い中におけるタッチパネルセンサ基板と外部との接触によって、例えばカラーフィルタ層60の形成中における搬送手段のローラーとの接触によって、タッチパネルセンサ基板のタッチパネルセンサ層表面及び第2透明電極66のブリッジ部68が損傷してしまうことを防止することができる。
また、誘電体層70の基材45とは反対側の表面(誘電体層70の一側の面)70aは、二つの貫通孔(スルーホール)71の間の領域に、第1透明電極61の幅狭のライン部63が形成され、誘電体層70の表面70aを覆う第1及び第2透明電極と同一表面を形成するようになる。すなわち、幅狭であることから損傷されやすい第1透明電極61のライン部63を、透明電極主部によって周囲から取り囲むことにより、効果的に保護することができる。
すなわち、第1透明電極61の幅狭のライン部63は局所的に誘電体層70上から外方へ突出することはない。このため、第1透明電極61の幅狭のライン部63が、損傷されやすくなることはない。
誘電体層70上には、第1透明電極61の主部62と第2透明電極66の主部67とが露出している。これらの第1透明電極61の主部62及び第2透明電極66の主部67は、第1透明電極61のライン部63や第2透明電極66のブリッジ部68と比較し、幅が太いことから優れた耐久性を有している。
[第2の実施の態様の変形例]
本発明の第2の実施の態様では、図8cの第2導電体層の形成工程(工程Sa3)において形成する第1透明電極61及び第2透明電極の主部67からなるタッチパネルセンサ層は、第1透明電極61のライン部63と、第2透明電極66のブリッジ部68の交差する領域に形成した誘電体層70の表面70aに、第1透明電極の幅狭のライン部63が位置する。
このような態様では、タッチパネルセンサ層60の取り扱い中に、センサ部60aと外部とが局所的に接触して、センサ部60aに大きな力が加わった場合にライン部63が、損傷又は切断される恐れがあることから、タッチパネルセンサ層を確実に保護するため、図9a及び図9bに示すように、第1透明電極61のライン部63と第2透明電極66のブリッジ部68の交差する領域を中心とした必要最小限の小領域を保護層42により被覆されたものである。
図9a及び図9bに示す変形例は、図8cに示した第2の実施の態様の製造工程図における保護層を形成する工程Sa4の変形例である工程Sa4’を説明するものである。
本発明の第2の実施の態様の製造工程(図8c)と同様の工程(図8cに示す各工程Sa1〜Sa3)を経て、図8cの保護層42の形成工程(Sa4)において、第1取り出しライン73及び第2取り出しライン74の取り出し部の配線を保護するため非アクティブエリアA2に第1の実施態様と同様に保護層42を成膜し、形成する際、アクティブエリアA1の、第1透明電極61のライン部63と第2透明電極66のブリッジ部68の交差する領域を中心とした必要最小限の小領域にも保護層42を成膜するか、又はアクティブエリアA1の表面全体に保護層を成膜し、該必要最小限の小領域に保護層42をパターニング形成することにより保護層を被覆する。
本第2の実施の態様によるタッチパネルセンサ層60も、従来のものより透過率が向上し、十分な耐久性を有している。
[第3の実施の態様]
本発明のタッチパネルセンサ表示基板は、上述した第1及び第2のタッチパネルセンサ層の実施の態様の他に図10aに示すような第3の実施の態様を挙げることができる。図10aのタッチパネルセンサ層の断面図及び図10bの第3の実施の態様のタッチパネルセンサ層の製造工程図を用いて以下に詳しく説明する。
本発明の第3のタッチパネルセンサ層の実施の態様は、第1の実施の態様において、取り出しラインを形成する工程(工程Sa1)を実施した後、ITO透明導電材料を用いて第1導電体層を成膜し、パターニングすることで第1透明電極66のブリッジ部68を基材45の一側の表面45aに形成した。
本第3の実施の態様では、第1導電体層の形成工程(図10bの工程Sa2)において、ITO透明導電材料を用いて基材45の一側の表面45a全面に第1導電体層を成膜し、その後、第1透明電極61及び第2透明電極66の主部67をパターニング形成することによって、第1透明電極61及び第2透明電極66の主部67を基材45の一側の表面45aに形成する点で異なる。
また、第1導電体層の形成工程において、取り出しラインの形成工程において形成した少なくとも金属ライン部75aの表面領域を含む領域に上記ITO透明導電材料の第1透明導電体部75bを形成してもよいし、形成しなくてもよい。本実施の態様では第1透明導電体部75bを形成した場合を示している。
本第3の実施の態様の第2導電体層は、ITO透明導電材料を用いて第2導電体層を成膜し、ブリッジ部68をパターニング形成することによって、第2透明電極66の主部67を連結するITO透明導電材料のブリッジ部68を形成する層である。
この場合、複数の第2透明電極の主部67は、第1透明電極から離間して、基材45の表面45a上に直接配置されており、ブリッジ部68は、第2方向に隣り合う二つの第2透明電極の主部67間の幅狭な部分に配置され、該幅狭な部分に形成した誘電体層の表面上に第1透明電極61のライン部63と交差するように跨いで配置されている。
したがって、ブリッジ部68は、上記ライン部63とブリッジ部68が交差する領域を覆っている誘電体層70上を第1透明電極と非接触状態で交差し、前記第2方向に隣り合う二つ第2透明電極の主部67を接続して第2方向へ延びる並列配置された第2透明電極を構成するように形成される。
誘電体層70は、誘電体をパターニングすることによって、複数の第1透明電極のライン部63と第2透明電極のブリッジ部の幅狭な部分が交差する領域に、第1及び第2透明電極間が非接触状態となるように対応して誘電体層70が形成される。
本実施の態様では、幅狭である第2透明電極のブリッジ部68が誘電体層上に形成され、誘電体層の僅かな厚みだけ第2透明電極の主部67より突出することになるが、突出部が所定間隔で配置され、基材の表面は、実質的に無機材料の透明導電材料の第1及び第2透明電極で覆われており、タッチパネルセンサ層の表面全体が、基材45表面上に直接形成された樹脂保護層より表面硬度の高い透明電極層により実質的に被覆される。
以上のような本発明のタッチパネルセンサ層60を有するタッチパネル基板(第1基板)40は、第1の実施の態様と同様に、図10bに示す製造工程図にしたがって、製造することができる。
取り出しラインの形成工程(図10bの工程Sa1)
本取り出しラインの形成工程において、取り出しライン部を形成するため非アクティブエリアA2の基材45の表面45a上に、銅、アルミニウム、銀若しくはそれらを含む合金等の透明でない高導電率導体の金属層を成膜し、取り出しライン73,74等の金属ライン部75aをパターニング形成する。
第1導電体層の形成工程(図10bの工程Sa2)
次いで、本第1導電体層の形成工程において、タッチパネルセンサ層の主要部である第1透明電極61及び第2透明電極66の主部67を形成するため、ITO透明導電材料を用いて基材45の一側の表面45a全面に第1導電体層を均一に成膜し、その後、第1透明電極61及び第2透明電極66の主部67、必要に応じて非アクティブエリアにITO透明導電材料で少なくとも取り出しラインを被覆する第1導電体部75bをパターニング形成することによって、基材45の一側の表面45aに第1透明電極61及び第2透明電極66の主部67、必要に応じて少なくとも取り出しラインを被覆するように第1導電体部75bを形成する。
誘電体層の形成工程(図10bの工程Sa3)
第1導電体層の形成工程後、第1透明電極61のライン部63及び第2透明電極66のブリッジ部68が交差する幅狭な部分で第1及び第2透明電極が短絡(ショート)しないように保護するため、誘電体層70を形成する。
第1透明電極61のライン部63は、透明電極の非常に幅狭な部分を構成するもので、基材45と直接接触する構造となっており、該ライン部63とブリッジ部68が交差する幅狭な部分に上述した誘電体材料を用い誘電体層を成膜するか、又はアクティブエリアA1全体に誘電体層を成膜し、パターニングにより該幅狭な部分に誘電体層を形成する。
第2導電体層の形成工程(図10bの工程Sa4)
次に、本発明の実施の態様では、第2導電体層として第2透明電極66のブリッジ部68を形成し、第2透明電極の主部67間を接続して第2透明電極及び第2透明導電体部75cを形成するため、第2導電体層を成膜する。
その際、第2導電体層を形成するITO透明導電材料をアクティブエリアA1全体に成膜し、第1透明電極のライン部63と交差する幅狭な部分に形成した誘電体層70の表面70a上に第2透明電極の主部67間を接続するブリッジ部68をパターニング形成するか、又は第1透明電極のライン部63と交差する幅狭な部分に形成した誘電体層70の表面70a上に第2透明電極66の主部67間を接続するブリッジ部68を形成するように第2導電体層を成膜する。
さらに、第2導電体層の形成工程Sa4において、第2透明電極66のブリッジ部68を形成する第2導電体層を成膜する際に、取り出しラインの形成工程(図10bの工程Sa1)で形成した非アクティブエリアA2の取り出しライン部にも第2導電体層を成膜し、取り出しライン73、74等の金属ライン部75a及び又は第1透明導電体部75bで形成した取り出しライン部に、さらに第2導電体部75cを積層形成することができる。
保護層の形成工程(図10bの工程Sa5)
本第3の実施の態様において、非アクティブエリアに形成した取り出しライン部を保護するため、タッチパネルセンサ表面及び端子部を除いた非アクティブエリア領域に、保護材料として既に説明したようなアクリル系ポリマー等の有機材料を用い、保護層42をコーティングして成膜し、あるいは、蒸着またはスパッタリングによって、例えばSiON、SiN等の無機材料を付着させることによって、取り出しライン部の領域を被覆する。
なお、保護層42は、タッチパネルセンサ層を形成する工程の後であってカラーフィルタ層を形成する工程の前に、形成することが好ましい。
本第3の実施の態様のタッチパネルセンサ層60は、他の実施の態様と同様、タッチパネルセンサ表示基板の表面が、第1及び第2透明電極62,66と誘電体層の厚みだけ僅かに突出し、所定間隔に配列したブリッジ部68で覆われ、硬度の高い透明導電材料のタッチパネルセンサ層60でほぼ覆われている。
そのことにより、基材45の一側にタッチパネルセンサ層60を形成した後に、基材45の一側を下に向けた状態で、搬送手段によって、作製中の基板40を移動及び停止を繰り返しながら、基材45の他側にカラーフィルタ層50を形成したとしても、タッチパネルセンサ基板を取り扱い中にタッチパネルセンサ部60aと外部との接触によって、例えば、カラーフィルタ層60の形成中における搬送手段のローラーとタッチパネルセンサ基板表面の接触によって、タッチパネルセンサ層60が損傷したり、タッチパネルセンサ層に汚れが付着したり、することを防止し、効果的に保護することができる。
本第3の実施の態様では、期待した機能を発揮し得るタッチパネルセンサ層60を有した表示装置用基板40が安定して得られるようになる。
さらに、基材45の表面45aに直接第1及び第2透明電極の主部62及び67が形成されることから、基板と透明導電極との間に他の層が介在した積層構造の部位が少なく、積層部位からの剥離の発生原因の少ない基材と確実に密接した透明電極層が形成され、耐久性がよいものである。
また、本件発明者らが鋭意研究を重ねたところ、保護層42が3H以上の鉛筆硬度を有する場合には、搬送中に、保護層42が損傷してしまうことや、保護層42に汚れが除去不能に付着してしまうこと等を効果的に防止することができることがわかった。
本発明の透明電極材料は、鉛筆硬度が6H〜7Hであることから、従来のように保護層を設けることなく、本発明のタッチパネルセンサ層のほぼ表面全体が透明電極であるように形成した構造の第1基板40とすることで、第1基板40をそのまま表示装置10に組み込むことができる。透明電極層61,66を、保護層として問題なく使用することができる。
[第3の実施の態様の変形例1]
図10aに示す本変形例1は、第3の実施態様において、幅狭なライン部であるブリッジ部68が突出した場合、第2透明電極のブリッジ部68が誘電体層70を間に挟んで第1透明電極のライン部63と交差するように跨ぐ、該交差する領域を中心とした必要最小限の小領域に保護層42をさらに配置することにより、確実にタッチパネルセンサ層の突出したブリッジ部68表面を保護し、かつタッチパネルセンサ層表面全面に保護層を形成した従来のものより透過率が向上し、かつ十分な耐久性を与えるようにすることもできる。
本変形例1の製造工程は、第3の実施態様の製造工程(図10b)と同様の工程(図10bに示す各工程Sa1〜Sa4)を経て、図10bの保護層42の形成工程(Sa5’)において、非アクティブエリアA2に第1の実施態様と同様に保護材料を用いて保護層42を成膜し、第1取り出しライン73及び第2取り出しライン74の取り出しライン部を保護層42により被覆する。
該取り出しライン部73、74を保護層42で被覆する際、アクティブエリアA1の、第1透明電極61のライン部63と第2透明電極66のブリッジ部68の交差する領域を中心とした必要最小限の小領域にも保護層42を成膜するか、又はアクティブエリアA1の表面全体に保護層42を成膜し、該必要最小限の小領域又はタッチパネルセンサ層全面に保護層42を形成することによりブリッジ部68等を保護層により被覆する。
また、本変形例1において、取り出しライン部の積層構造は、取り出しライン73、74の金属ライン部75a及び第1透明導電体部75bで形成した取り出しライン部からなるものか、さらに、該積層構造の上に第2導電体部75cを積層形成した構造とすることもできる。
本第3の実施の態様の変形例1によるタッチパネルセンサ層60も、従来のものより透過率が向上し、十分な耐久性を有している。
[第3の実施の態様の変形例2]
本第3の実施の態様において、初めに、取り出しラインの形成工程(図10bの工程Sa1)を実行したが、本変形例2(図10c)では、初めに、ITO透明導電材料を用いて第1導電体層の形成工程(図10aの工程Sa2)により第1透明電極61及び第2透明電極の主部67、並びに取り出しライン73、74及び第1導電体部75b等の取り出しライン部を形成し、次いで、取り出しラインの形成工程により非アクティブエリアA2に金属層を成膜し、金属層の取り出しライン73、74及び金属ライン部75aを第1導電体部75bに積層形成した取り出しライン部にする。
その後、第2導電体層の形成工程(図10aの工程Sa4)において、該金属ライン部75aを被覆包囲するように第2導電体部75cの取り出しライン部を積層形成する。
本変形例2(図10c)の製造工程では、図10bに示した製造工程において、第1導電体層の形成工程(Sa2)、次いで取り出しラインの形成工程(Sa1)を実行した後、図10bに示した製造工程の順序に従って、誘電体層の形成工程(図10bの工程Sa3)において、すでに説明したように誘電材料を成膜し、パターニング等により第1透明電極61のライン部63と第2透明電極66のブリッジ部68と交差する幅狭な部分に誘電体層70を形成する。
次いで、第2導電体層の形成工程(Sa4)において、誘電体層70の表面70a上にITO透明導電材料を用いて第2透明電極の主部67間を接続するブリッジ部68を形成し、保護層の形成工程(Sa5又はSa5’)において、非アクティブエリア及び又はアクティブエリアに保護材料を成膜し、取り出しライン部及び又は第1透明電極61のライン部63と第2透明電極66のブリッジ部68の交差する領域を中心とした必要最小限の小領域に、パターニング等により保護層42を形成する。
本変形例2の製造工程によりタッチパネルセンサ表示基板40は、本第3の実施の態様又はその変形例1における、非アクティブエリアA2の取り出しライン部の各成膜積層構造が変更されたタッチパネルセンサ層(図10c)が形成される。
本第3の実施の態様の変形例2によるタッチパネルセンサ層60も、従来のものより透過率が向上し、取り出しライン部も含めた十分な耐久性を有しているものができる。
[第3の実施の態様の変形例3]
第3の実施の態様の本変形例3(図10d)では、図10bに示した製造工程において、取り出しラインを最初に形成するのを取りやめ、初めにITO透明導電材料を用いて第
1導電体層の形成工程(図10bの工程Sa2)により第1透明電極61及び第2透明電極の主部67並びに取り出しライン73、74及び第1導電体部75b等の取り出しライン部を形成する。
次いで、図10bに示した製造工程の順序に従って、第1透明電極のライン部63と交差する幅狭な部分に、誘電体層の形成工程(Sa3)において、既に記載したように誘電体材料を用いて必要最小限の領域に誘電体層を成膜し、パターニングし、誘電体層70を形成する。
その後、図10bに示した製造工程(工程Sa4、次いでSa5又はSa5’)の順序に従って、第2導電体層の形成工程(Sa4)において、アクティブエリアA1に銅、アルミニウム、銀若しくはそれらを含む合金等の透明でない高導電率導体の金属層を成膜するとともに、ここで取り出しラインの形成工程を併せ実施するため、非アクティブエリアA2にも金属層を成膜し、誘電体層70の表面70a上に、第1導電体層の形成工程で形成した第2透明電極の主部67間を接続する金属層のブリッジ部68並びに金属層の取り出しライン73、74及び金属ライン部75aをパターニング等により、形成する。
次いで、保護層42の形成工程(工程Sa5又はSa5’)において、非アクティブエリア及び又はアクティブエリアに保護材料を成膜し、取り出しライン部及び又は第1透明電極61のライン部63と第2透明電極66のブリッジ部68の交差する領域を中心とした必要最小限の小領域に、パターニング等により保護層42を形成する。
保護層42を形成するもので、その結果、本第3の実施の態様及びその変形例1、2における、非アクティブエリアA2の取り出しライン部の各成膜積層構造とは異なる成膜積層構造を有するタッチパネルセンサ層が形成される。
本第3の実施の態様の変形例3によるタッチパネルセンサ層60も、従来のものより透過率が向上し、取り出しライン部も含めた十分な耐久性を有しているものができる。
本発明のタッチパネルセンサ基板は、タッチパネルセンサ層と、該センサ層と反対側の基材の表面にカラーフィルタとを備え、基板上に、第1の方向に延在し、前記第1の方向と交差する第2の方向に併設される複数の第1透明電極と、前記第1透明電極と交差して前記第2の方向に延在し、前記第1の方向に併設される複数の第2透明電極主部を有し、かつ前記複数の第1透明電極と、前記第2透明電極とからなる透明電極層がタッチパネルセンサ層のほぼ表面全体を占めるように表面層を形成したタッチパネルセンサ層の構造とすることにより、保護層を形成する工程の省略により、関連する工程の削減、歩留まり及び生産効率の向上、かつコストダウンで、安定的に製造できる。
また、タッチパネルセンサ層は、表面が透明電極層でほぼ被覆された構造となっており、タッチパネルセンサ基板表面の損傷及び該基板表面への汚れの付着を、極めて効果的に防止することができる。タッチパネルセンサ基板の透過率の向上にもつながる。
本発明のタッチパネルセンサ基板は、液晶ディスプレイやプラズマディスプレイ等の表示装置が組み込まれた種々の装置等に対する入力手段の用途に用いることができる。
10 表示装置
12 表示面
20 制御部
30 表示パネル
35 第2基板(TFT基板)
40 第1基板(表示装置用基板、カラーフィルタ、カラーフィルタ基板)
42 保護層
45 基材
45a 一側の面
45b 他側の面
50 カラーフィルタ層
60 タッチパネルセンサ層
61 第1透明電極
62 第1透明電極主部(主部)
63 第1透明電極ライン部(ライン部)
66 第2透明電極
67 第2透明電極主部(主部)
68 第2透明電極ブリッジ部(ブリッジ部)
70 誘電体層(絶縁層)
70a 面
71 貫通孔
72 凹部
73 第1取り出しライン
74 第2取り出しライン
73a、74a パッド

Claims (10)

  1. 透明基材と、
    前記透明基材の一側の面上に設けられたタッチパネルセンサ層を備えるタッチパネル一体型カラーフィルタ形成用タッチパネルセンサ基板において、
    前記タッチパネルセンサ層は、透明基材の一側の面上に第1方向及び第1方向と交差する第2方向に並べられた、導電体からなる複数のブリッジ部と、
    前記複数のブリッジ部上及び透明基材上に設けられた誘電体層であって、前記誘電体層には、前記各ブリッジ部の両端部に位置するように設けられた2つの貫通孔が第2方向に離間して形成された誘電体層と、
    前記誘電体層上には、第1方向に並べられた前記複数のブリッジ部を、2つの貫通孔の間を通過して非接触状態で横切るように第1方向へ延び及び第2方向に並列配置された複数の透明導電膜からなる第1透明電極と、
    複数のブリッジ部のうちの、第2方向に隣り合う二つのブリッジ部にそれぞれ対応して設けられた、各々が第1透明電極の間に、前記複数の第1透明電極から離間して配置された透明導電膜からなる第2透明電極であって、
    前記第2透明電極は、誘電体層上を延びて貫通孔を経由し、第1透明電極と非接触状態で対応する二つのブリッジ部に接続している複数の第2透明電極と、を有し、
    前記複数の第2透明電極と前記複数のブリッジ部とによって、各々が第1透明電極とは非接触状態で前記第2方向へ延びる並列配置された複数の第2透明電極が構成されている
    表面を前記第1及び第2透明電極主部並びに前記導電体からなる複数のブリッジ部からなる電極層が占めることを特徴とするタッチパネル一体型カラーフィルタ形成用タッチパネルセンサ基板。
  2. 透明基材と、
    少なくとも前記透明基材の一側の面上に設けられたタッチパネルセンサ層を備えるタッチパネル一体型カラーフィルタ形成用タッチパネルセンサ基板において、
    前記タッチパネルセンサ層は、透明基材の一側の面上に、第1方向及び第1方向と交差する第2方向に並べられた、導電体からなる複数のブリッジ部を有し、
    前記複数のブリッジ部上に設けられた誘電体層であって、前記誘電体層は、前記各ブリッジ部を部分的に被覆する第1方向に並べられ及び第2方向に離間して形成された誘電体
    層と、
    前記誘電体層上には、第1方向に並べられた前記複数のブリッジ部を非接触状態で横切るように第1方向へ延び及び第2方向に並列配置された複数の透明導電膜からなる第1透明電極を有し、
    前記複数のブリッジ部のうちの、第2方向に隣り合う二つのブリッジ部にそれぞれ対応して設けられた、各々が第1透明電極の間に、前記複数の第1透明電極から離間して配置された透明導電膜からなる第2透明電極と、を有し、
    前記第2透明電極は、透明基材上に形成され、第1透明電極と非接触状態で対応する二つのブリッジ部に接続している複数の第2透明電極と前記複数のブリッジ部とによって、各々が第1透明電極とは非接触状態で前記第2方向へ延び、及び第1方向に並列配置された複数の第2透明電極が構成されている
    表面を前記第1及び第2透明電極主部並びに前記導電体からなる複数のブリッジ部からなる電極層が占めることを特徴とするタッチパネル一体型カラーフィルタ形成用タッチパネルセンサ基板。
  3. 透明基材と、
    前記透明基材の一側の面上に設けられたタッチパネルセンサ層を備えるタッチパネル一体型カラーフィルタ形成用タッチパネルセンサ基板において、
    前記タッチパネルセンサ層は、前記透明基材上に、第1方向に延びる並列配置された複数の透明導電膜からなる第1透明電極と、
    前記第1方向及び第1方向と交差する第2方向に並べられて、前記並列配置された複数の第1透明電極の間に、前記第1透明電極から離間して、配置された複数の透明導電膜からなる第2透明電極と、
    複数の第2透明電極のうち、前記第2方向に隣り合う二つの第2透明電極に対応してそれぞれ設けられた導電体からなる複数のブリッジ部であって、各ブリッジ部が第2方向に隣り合う二つの前記第2透明電極を接続して、複数の第2透明電極と複数のブリッジ部によって、各々が前記第1透明電極と非接触状態で第2方向へ延びる並列配置された第2透明電極を構成する複数のブリッジ部と、
    前記複数の第1透明電極及び前記複数の第2透明電極上の一部を被覆する誘電体層であって、第2方向に隣り合う二つの第2透明電極を接続する前記複数のブリッジ部それぞれに対応して設けられ、前記第1透明電極と前記第1透明電極と交差して第2方向へ延びる第2透明電極の間を非接触状態とするように配置されている誘電体層と、を有し
    表面を前記第1及び第2透明電極主部並びに前記導電体からなる複数のブリッジ部からなる電極層が占めることを特徴とするタッチパネル一体型カラーフィルタ形成用タッチパネルセンサ基板。
  4. ブリッジ部を多結晶ITO膜で形成したことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の基板。
  5. ブリッジ部を金属ブリッジにより形成したことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の基板。
  6. 表面のブリッジ部のみを保護層で被覆保護したことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の基板。
  7. タッチパネルセンサ層となる表示領域周辺の透明基材周縁部に設けられた、端子部に電気的に接続されてタッチパネルセンサの電極からの信号を端子部に伝達する配線部を保護層で被覆したことを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の基板。
  8. 基材のタッチパネルセンサ層を設けた面と反対側にカラーフィルタを備えることを特徴
    とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の基板。
  9. 請求項8に記載の基板のタッチパネルセンサ層上に接着層を介して透明基材を積層したタッチパネルセンサ表示基板。
  10. 請求項9に記載の基板の透明基材が偏光板であるタッチパネルセンサ表示基板。
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