JP5919870B2 - アクリロニトリル製造用触媒の製造方法および該アクリロニトリル製造用触媒を用いたアクリロニトリルの製造方法 - Google Patents
アクリロニトリル製造用触媒の製造方法および該アクリロニトリル製造用触媒を用いたアクリロニトリルの製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP5919870B2 JP5919870B2 JP2012033218A JP2012033218A JP5919870B2 JP 5919870 B2 JP5919870 B2 JP 5919870B2 JP 2012033218 A JP2012033218 A JP 2012033218A JP 2012033218 A JP2012033218 A JP 2012033218A JP 5919870 B2 JP5919870 B2 JP 5919870B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- catalyst
- acrylonitrile
- alkali metal
- producing
- firing
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Classifications
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02P—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
- Y02P20/00—Technologies relating to chemical industry
- Y02P20/50—Improvements relating to the production of bulk chemicals
- Y02P20/52—Improvements relating to the production of bulk chemicals using catalysts, e.g. selective catalysts
Landscapes
- Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
- Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)
- Catalysts (AREA)
Description
このようにアクリロニトリルを製造する際に用いられる触媒については、数多くの提案がされており、例えば特許文献1〜6等には、モリブデンおよびビスマスを主成分とする触媒が開示されている。これらは主にアクリロニトリル収率の高い触媒を得るための触媒の構成元素およびその組成比を規定したものであるが、これら公知の方法で得られる触媒は、触媒性能等の点で、工業触媒としては不十分であった。
例えば、特許文献7には、ナトリウム、カリウム、ルビジウムおよびセシウムから選ばれる1種以上のアルカリ金属の量を適正な範囲内にすることにより、アクリロニトリルの選択率を大きく向上させた触媒が開示されている。特許文献8には、触媒中のアルカリ金属は反応中に損失するため、アルカリ金属の含有量が高い触媒を補給することにより、経時的なアクリロニトリル収率の低下を抑制する方法が開示されている。また、特許文献9には、アルカリ金属としてナトリウムを用いた場合、アトリッション抵抗を強化できることや、さらに特定元素(Ge)とともに用いることにより、触媒活性とアクリロニトリル選択率との両方を高められることが開示されている。特許文献10には、モリブデン、ビスマス、鉄、タングステンに加えて、アルカリ金属としてルビジウムを必須とする触媒を用いると、副生成物(主に二酸化炭素)の選択率が経時的に低下し、その結果、アクリロニトリル選択率が経時的に向上し、長期にわたり高いアクリロニトリル収率を維持する安定運転ができることが開示されている。
前記アクリロニトリル製造用触媒は、下記一般式で示される組成を有することが好ましい。
MoaBibFecXdZeOf(SiO2)g
(式中、Mo、Bi、FeおよびOはそれぞれモリブデン、ビスマス、鉄および酸素を表し、Xはナトリウム、カリウム、ルビジウム、およびセシウムからなる群より選ばれた少なくとも1種のアルカリ金属元素、Zは、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、チタン、ジルコニウム、ホウ素、アルミニウム、ガリウム、インジウム、タンタル、リン、ヒ素、アンチモン、ゲルマニウム、スズ、鉛、バナジウム、ニオブ、クロム、タングステン、マンガン、コバルト、ニッケル、銅、銀、亜鉛、イオウ、セレン、テルル、ランタン、セリウム、プラセオジウム、ネオジムおよびサマリウムからなる群より選ばれた少なくとも1種の元素、SiO2はシリカを表し、a、b、c、d、e、fおよびgは各元素(シリカの場合はケイ素)の原子比を表し、a=10のとき、0.1≦b≦5.0、0.1≦c≦10.0、0.01≦d≦3.0、0≦e≦12、10≦g≦200であり、fはシリカを除く前記各成分の原子価を満足するのに必要な酸素の原子比である。)
本発明のアクリロニトリルの製造方法は、本発明のアクリロニトリル製造用触媒製造方法で製造されたアクリロニトリル製造用触媒を用いて、プロピレンのアンモ酸化反応を行うことを特徴とする。
本発明のアクリロニトリル製造用触媒の製造方法は、モリブデンと、ビスマスと、鉄と、アルカリ金属と、シリカとを少なくとも含有するアクリロニトリル製造用触媒を製造する方法であって、モリブデンと、ビスマスと、鉄と、シリカとを少なくとも含む混合スラリーを調製するスラリー調製工程を有する。
モリブデン元素を含む原料化合物としては、三酸化モリブデン等の酸化モリブデン類、モリブデン酸アンモニウム類(例えばパラモリブデン酸アンモニウム、ジモリブデン酸アンモニウム等。)のモリブデン酸塩類等が挙げられる。これらのなかでは、溶解性の面から、パラモリブデン酸アンモニウム、ジモリブデン酸アンモニウム等のモリブデン酸アンモニウム類を用いることが好ましい。
モリブデンの原料は1種または2種以上を使用できる。
ビスマス元素を含む原料化合物としては、特に限定はされず、酸化ビスマス、硝酸ビスマス、次炭酸ビスマス、水酸化ビスマス等を使用できる。
ビスマスの原料は1種または2種以上を使用できる。
鉄元素を含む原料化合物としては、特に限定はされず、酸化鉄、水酸化鉄、硝酸鉄、塩化鉄、硫酸鉄等を使用できる。また、金属鉄を硝酸等に溶解して用いてもよい。
鉄の原料は1種または2種以上を使用できる。
ここで他の元素(Z)としては、例えば、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、チタン、ジルコニウム、ホウ素、アルミニウム、ガリウム、インジウム、タンタル、リン、ヒ素、アンチモン、ゲルマニウム、スズ、鉛、バナジウム、ニオブ、クロム、タングステン、マンガン、コバルト、ニッケル、銅、銀、亜鉛、イオウ、セレン、テルル、ランタン、セリウム、プラセオジウム、ネオジムおよびサマリウムなどが挙げられ、これらのうち1種以上を含むことができる。
Z元素を含む原料化合物としては、特に限定はされず、酸化物、水酸化物、硝酸塩、炭酸塩、硫酸塩、アンモニウム塩等が挙げられる。
Z元素の原料は1種または2種以上を使用できる。
すなわち、アルカリ金属は、その全量(100質量%)のうち、40質量%以上を後述の含浸工程で含浸液に添加し、触媒に担持することが好ましく、より好ましくは70質量%以上、さらに好ましくは全量を含浸工程で含浸液に添加し、触媒に担持することが好ましい。これにより、得られるアクリロニトリル製造用触媒は、高い収率でアクリロニトリルを製造できるものとなる。
スラリー調製工程において調製される混合スラリーは、アルカリ金属以外の各原料の全量を含有することが好ましい。
乾燥方法としては、特に制限はないが、得られるアクリロニトリル製造用触媒を流動床で使用する場合には、噴霧乾燥機を用いて、球状粒子状の乾燥物を得ることが好ましい。
噴霧乾燥機としては、加圧ノズル式、二流体ノズル式、回転円盤式などの各種乾燥機を使用できる。また、噴霧乾燥機の乾燥室内に流通させる熱風の温度は、乾燥室内への導入口付近における温度の下限が、好ましくは130℃、さらに好ましくは140℃であり、上限が、好ましくは350℃、さらに好ましくは300℃である。また、乾燥室出口付近における温度の下限が、好ましくは100℃、さらに好ましくは110℃であり、上限が好ましくは200℃、さらに好ましくは180℃である。乾燥室の各温度が上記範囲内にあると、最終的に得られるアクリロニトリル製造用触媒の活性やアクリロニトリル収率がより優れ、また、かさ密度、粒子強度等もより好適な範囲となる。
第1の焼成工程における焼成温度の下限は200℃が好ましく、300℃がより好ましく、450℃がさらに好ましい。一方、上限は750℃が好ましく、700℃がより好ましく、680℃以下がさらに好ましい。このような温度範囲で第1の焼成工程を行うことにより、アクリロニトリル収率がより高い触媒が得られやすくなる。
焼成時間の下限は0.1時間が好ましく、0.5時間がより好ましい。焼成時間が下限値以上であると、最終的に得られるアクリロニトリル製造用触媒は、高いアクリロニトリル収率を発揮する十分な触媒性能を有するものとなる。焼成時間の上限は特にないが、必要以上に焼成時間を長くしても、触媒性能は一定以上にはならないため、通常20時間以内である。
また、第1の焼成工程では、ある温度で一定時間焼成した後、それよりも高い温度でさらに一定時間焼成するなどの多段焼成を行ってもよい。
アルカリ金属を含む液(含浸液)としては、アルカリ金属元素またはアルカリ金属元素を含む原料化合物を溶媒に溶解させた溶液、または、これらを溶媒に懸濁させたスラリーを用いることができる。用いる溶媒としては、特に限定されないが、硝酸または水を用いることが好ましい。
アルカリ金属元素を含む原料化合物としては、特に限定はされず、酸化物、水酸化物、硝酸塩、炭酸塩、硫酸塩等が使用できる。
含浸液は、1種または2種以上のアルカリ金属を含むことができる。
まず、第1の焼成工程により得られた触媒前駆体の細孔容積を水滴定法により測定する。ついで、アルカリ金属を含む含浸液を調製し、その液量(体積)を、触媒前駆体の細孔容積の95%相当に調整する。そして、触媒前駆体に攪拌または振動を与えながら、この含浸液を少しずつ触媒前駆体に滴下し、よく混合する。
これにより、アルカリ金属が含浸したアルカリ含浸触媒前駆体が得られる。
第2の焼成工程における焼成温度の下限は200℃が好ましく、300℃がより好ましく、450℃がさらに好ましい。一方、上限は750℃が好ましく、700℃がより好ましく、680℃がさらに好ましい。このような温度範囲で第2の焼成工程を行うことにより、アクリロニトリル収率がより高い触媒が得られやすくなる。
焼成時間の下限は0.1時間が好ましく、0.5時間がより好ましい。焼成時間が下限値以上であると、最終的に得られるアクリロニトリル製造用触媒は、高いアクリロニトリル収率を発揮する十分な触媒性能を有するものとなる。焼成時間の上限は特にないが、必要以上に焼成時間を長くしても、触媒性能は一定以上にはならないため、通常20時間以内である。
式中、Mo、Bi、FeおよびOはそれぞれモリブデン、ビスマス、鉄および酸素を表し、Xはナトリウム、カリウム、ルビジウム、およびセシウムからなる群より選ばれた少なくとも1種のアルカリ金属元素、Zは、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、チタン、ジルコニウム、ホウ素、アルミニウム、ガリウム、インジウム、タンタル、リン、ヒ素、アンチモン、ゲルマニウム、スズ、鉛、バナジウム、ニオブ、クロム、タングステン、マンガン、コバルト、ニッケル、銅、銀、亜鉛、イオウ、セレン、テルル、ランタン、セリウム、プラセオジウム、ネオジムおよびサマリウムからなる群より選ばれた少なくとも1種の元素、SiO2はシリカを表し、a、b、c、d、e、fおよびgは各元素(シリカの場合はケイ素)の原子比を表し、a=10のとき、0.1≦b≦5.0、0.1≦c≦10.0、0.01≦d≦3.0、0≦e≦12、10≦g≦200であり、fはシリカを除く前記各成分の原子価を満足するのに必要な酸素の原子比である。
気相接触アンモ酸化は、アクリロニトリル製造用触媒の存在下、プロピレンと分子状酸素とアンモニアとを含む原料ガスを反応器に導入し、反応させることにより実施できる。
気相接触アンモ酸化を行う際の酸素源(分子状酸素源)としては、空気が工業的には有利であるが、必要に応じて空気に純酸素を加え、酸素を富化した気体を用いてもよい。また、反応器としては、流動床反応器が好ましく用いられる。
例えばアルカリ金属であるルビジウムは、その化合物の世界の年間生産量が数トン規模と小さいレアメタルである。そのため、少ないアルカリ金属の使用量で、高性能な触媒が得られる本触媒製造方法は、アルカリ金属の原料供給の面からも非常に有益である。
<触媒の活性試験>
プロピレンのアンモ酸化によるアクリロニトリルの製造を内径25mm、高さ40cmの流動床反応器を用いて実施した。
その際、原料ガスとして、プロピレン/アンモニア/空気/水蒸気=1/1.2/9.5/0.5(モル比)の混合ガスを1時間当たり6.5L(NTP換算)供給した。反応温度は440℃とし、反応圧力は200kPaとした。接触時間は表1に示すとおりである。また、反応試験分析はガスクロマトグラフィーにより行った。
接触時間(秒)=かさ密度基準の触媒容積(L)/反応条件に換算した供給ガス流量(L/秒)
アクリロニトリルの収率(%)=B/A×100
ここで、Aは供給したプロピレンのモル数、Bは生成したアクリロニトリルのモル数を表す。
(スラリー調製工程)
20質量%シリカゾル(平均粒子径22nm)2477.4部に、攪拌下、水800部にパラモリブデン酸アンモニウム400部を溶解した液を加え、A液を調製した。
これとは別に、40℃に加温した17質量%硝酸400部に、攪拌下、硝酸ビスマス114.3部、硝酸鉄(III)137.3部、硝酸ニッケル349.2部、硝酸亜鉛57.3部、硝酸セリウム59.0部、硝酸クロム36.3部、硝酸インジウム2.68部を順次添加し、B液を調製した。
40℃に加温したA液に、B液を攪拌下添加した後、40℃に加温したメタタングステン酸アンモニウム50%水溶液(WO3として50質量%)73.5部、ホウ酸3.50部を順次添加し、混合スラリーを得た。
得られたスラリー状物を回転ディスク型スプレー乾燥機にて、熱風の導入口における温度を280℃、出口における温度を150℃にコントロールしながら乾燥した。
得られた乾燥物を空気流通下、300℃で2時間、ついで450℃で2時間予備焼成することで第1の焼成工程を行い、触媒前駆体を得た。
水滴定法により、この触媒前駆体の細孔容積を測定した結果、0.24ml/gであった。
硝酸ルビジウム4.68部を20部の純水に溶解後、さらに純水を加え、触媒前駆体100部の細孔容積の95%に相当する液量に調整した含浸液を調製した。この含浸液を触媒前駆体100部に、少しずつ滴下しよく混合した。
得られたアルカリ含浸触媒前駆体を空気流通下、250℃で2時間、次いで450℃で3時間静置焼成(仮焼成工程)した後、600℃で2時間流動焼成(第2の焼成工程)を行い、アクリロニトリル製造用触媒を得た。
Mo10Bi0.52Fe1.5W0.50Ni5.3Zn0.85Ce0.60Cr0.40B0.25In0.10Rb0.14Of(SiO2)36.4
ここでfは、他の各元素(ケイ素を除く)の原子価を満足するのに必要な酸素の原子比である。
硝酸ルビジウム4.68部を含む含浸液の代わりに、硝酸ルビジウム5.35部を含む含浸液を調製し、この含浸液を触媒前駆体に含浸した点以外は、実施例1と同様にして触媒製造を行い、反応評価を行った。結果を表1に示す。
硝酸ルビジウム4.68部を含む含浸液の代わりに、硝酸ルビジウム4.01部を含む含浸液を調製し、この含浸液を触媒前駆体に含浸した点以外は、実施例1と同様にして触媒製造を行い、反応評価を行った。結果を表1に示す。
スラリー調製工程と乾燥工程の後、含浸工程を実施せず、焼成工程を行って、表1の組成の触媒を製造した。
具体的には、スラリー調製工程のB液に、硝酸ルビジウム4.68部を添加した。この添加は硝酸インジウム添加後に行った。この点以外は実施例1と同様にして、混合スラリーを調製した。そして、実施例1と同様にして乾燥工程を行い、得られた触媒前駆体を空気流通下、600℃で2時間流動焼成し、触媒を得た。その後、実施例1と同様にして反応評価を行った。結果を表1に示す。
スラリー調製工程と乾燥工程の後、含浸工程を実施せず、焼成工程を行って表1の組成の触媒を製造した。
具体的には、スラリー調製工程のB液に、硝酸ルビジウム5.35部を添加した。この添加は硝酸インジウム添加後に行った。この点以外は実施例1と同様にして、混合スラリーを調製した。そして、実施例1と同様にして乾燥工程を行い、得られた触媒前駆体を空気流通下、600℃で2時間流動焼成し、触媒を得た。その後、実施例1と同様にして反応評価を行った。結果を表1に示す。
スラリー調製工程と乾燥工程の後、含浸工程を実施せず、焼成工程を行って表1の組成の触媒を製造した。
具体的には、スラリー調製工程のB液に、硝酸ルビジウム6.02部を添加した。この添加は硝酸インジウム添加後に行った。この点以外は実施例1と同様にして、混合スラリーを調製した。そして、実施例1と同様にして乾燥工程を行い、得られた触媒前駆体を空気流通下、600℃で2時間流動焼成し、触媒を得た。その後、実施例1と同様にして反応評価を行った。結果を表1に示す。
(スラリー調製工程)
20質量%シリカゾル(平均粒子径22nm)2382.1部に、攪拌下、水800部にパラモリブデン酸アンモニウム400部を溶解した液を加え、A液を調製した。
これとは別に、40℃に加温した17質量%硝酸400部に、攪拌下、硝酸ビスマス131.9部、硝酸鉄(III)109.8部、硝酸ニッケル362.4部、硝酸マグネシウム63.9部、硝酸マンガン16.3部、硝酸セリウム29.5部、硝酸ランタン24.5部、85%リン酸2.6部を順次添加し、B液を調製した。
40℃に加温したA液に、B液を攪拌下添加し、混合スラリーを得た。
実施例1と同様にして、乾燥工程と第1の焼成工程を行った。
水滴定法により、この触媒前駆体の細孔容積を測定した結果、0.24ml/gであった。
硝酸カリウム4.58部を20部の純水に溶解後、さらに純水を加え、触媒前駆体100部の細孔容積の95%に相当する液量に調整した含浸液を調製した。この含浸液を触媒前駆体100部に、少しずつ滴下しよく混合した。
得られたアルカリ含浸触媒前駆体に対して、実施例1と同様にして、仮焼成工程と第2の焼成工程を行い、アクリロニトリル製造用触媒を得た。そして、実施例1と同様にして反応評価を行った。結果を表1に示す
Mo10Bi0.60Fe1.2Ni5.5Mg1.1Mn0.25Ce0.30La0.25P0.10K0.20Of(SiO2)35.0
ここでfは、他の各元素(ケイ素を除く)の原子価を満足するのに必要な酸素の原子比である。
B液を調製する際の85%リン酸2.6部添加後に硝酸カリウム1.14部を添加した点、硝酸カリウム4.58部を含む含浸液の代わりに、硝酸カリウム3.44部を含む含浸液を調製し、この含浸液を得られた触媒前駆体に含浸した点以外は、実施例4と同様にして触媒製造を行い、反応評価を行った。結果を表1に示す。
B液を調製する際の85%リン酸2.6部添加後に硝酸カリウム2.29部を添加した点、硝酸カリウム4.58部を含む含浸液の代わりに、硝酸カリウム2.29部を含む含浸液を調製し、この含浸液を得られた触媒前駆体に含浸した点以外は、実施例4と同様にして触媒製造を行い、反応評価を行った。結果を表1に示す。
スラリー調製工程と乾燥工程の後、含浸工程を実施せず、焼成工程を行って表1の組成の触媒を製造した。
具体的には、スラリー調製工程のB液に、硝酸カリウム4.58部を添加した。この添加は85%リン酸添加後に行った。この点以外は実施例4と同様にして、混合スラリーを調製した。そして、実施例4と同様にして乾燥工程を行い、得られた触媒前駆体を空気流通下、590℃で2時間流動焼成し、触媒を得た。その後、実施例4と同様にして反応評価を行った。結果を表1に示す。
スラリー調製工程と乾燥工程の後、含浸工程を実施せず、焼成工程を行って表1の組成の触媒を製造した。
具体的には、スラリー調製工程のB液に、硝酸カリウム5.73部を添加した。この添加は85%リン酸添加後に行った。この点以外は実施例4と同様にして、混合スラリーを調製した。そして、実施例4と同様にして乾燥工程を行い、得られた触媒前駆体を空気流通下、590℃で2時間流動焼成し、触媒を得た。その後、実施例4と同様にして反応評価を行った。結果を表1に示す。
スラリー調製工程、乾燥工程の後、含浸工程を実施せず、焼成工程を行って表1の組成の触媒を製造した。
具体的には、スラリー調製工程のB液に、硝酸カリウム6.87部を添加した。この添加は85%リン酸添加後に行った。この点以外は実施例4と同様にして、混合スラリーを調製した。そして、実施例4と同様にして乾燥工程を行い、得られた触媒前駆体を空気流通下、590℃で2時間流動焼成し、触媒を得た。その後、実施例4と同様にして反応評価を行った。結果を表1に示す。
また、例えば実施例1と比較例1とを比較すると、これらは触媒製造に使用したアルカリ金属量は同じであるが、アクリロニトリル収率は実施例1の方が高い。このことから、一定量のアクリロニトリルを生産するために必要なアルカリ金属量は、実施例1の方が比較例1よりも低く、アルカリ金属量の低減がなされていた。
また、実施例4〜6で得られた触媒を比較すると、これらは同じ触媒組成を有するが、アルカリ金属全量のうちより多くの割合のアルカリ金属を含浸工程で担持した触媒ほど、アクリロニトリルの収率が高かった。
Claims (3)
- モリブデンと、ビスマスと、鉄と、アルカリ金属と、シリカとを含有するアクリロニトリル製造用触媒の製造方法であって、
少なくともモリブデンと、ビスマスと、鉄と、シリカとを含む混合スラリーを調製するスラリー調製工程と、
前記混合スラリーを乾燥して乾燥物を得る乾燥工程と、
前記乾燥物を焼成して触媒前駆体を製造する第1の焼成工程と、
前記触媒前駆体にアルカリ金属を含む液を含浸し、アルカリ含浸触媒前駆体を製造する含浸工程と、
前記アルカリ含浸触媒前駆体を焼成する第2の焼成工程とを有し、
アクリロニトリル製造用触媒の製造に使用されるアルカリ金属の全量(100質量%)のうち、50質量%以上のアルカリ金属を前記含浸工程で前記アルカリ金属を含む液に含ませることを特徴とするアクリロニトリル製造用触媒の製造方法。 - 前記アクリロニトリル製造用触媒は、下記一般式で示される組成を有することを特徴とする請求項1に記載のアクリロニトリル製造用触媒の製造方法。
MoaBibFecXdZeOf(SiO2)g
(式中、Mo、Bi、FeおよびOはそれぞれモリブデン、ビスマス、鉄および酸素を表し、Xはナトリウム、カリウム、ルビジウム、およびセシウムからなる群より選ばれた少なくとも1種のアルカリ金属元素、Zは、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、チタン、ジルコニウム、ホウ素、アルミニウム、ガリウム、インジウム、タンタル、リン、ヒ素、アンチモン、ゲルマニウム、スズ、鉛、バナジウム、ニオブ、クロム、タングステン、マンガン、コバルト、ニッケル、銅、銀、亜鉛、イオウ、セレン、テルル、ランタン、セリウム、プラセオジウム、ネオジムおよびサマリウムからなる群より選ばれた少なくとも1種の元素、SiO2はシリカを表し、a、b、c、d、e、fおよびgは各元素(シリカの場合はケイ素)の原子比を表し、a=10のとき、0.1≦b≦5.0、0.1≦c≦10.0、0.01≦d≦3.0、0≦e≦12、10≦g≦200であり、fはシリカを除く前記各成分の原子価を満足するのに必要な酸素の原子比である。) - 請求項1または2の製造方法で製造されたアクリロニトリル製造用触媒を用いて、プロピレンのアンモ酸化反応を行うことを特徴とするアクリロニトリルの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012033218A JP5919870B2 (ja) | 2012-02-17 | 2012-02-17 | アクリロニトリル製造用触媒の製造方法および該アクリロニトリル製造用触媒を用いたアクリロニトリルの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012033218A JP5919870B2 (ja) | 2012-02-17 | 2012-02-17 | アクリロニトリル製造用触媒の製造方法および該アクリロニトリル製造用触媒を用いたアクリロニトリルの製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2013169482A JP2013169482A (ja) | 2013-09-02 |
JP5919870B2 true JP5919870B2 (ja) | 2016-05-18 |
Family
ID=49263817
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2012033218A Expired - Fee Related JP5919870B2 (ja) | 2012-02-17 | 2012-02-17 | アクリロニトリル製造用触媒の製造方法および該アクリロニトリル製造用触媒を用いたアクリロニトリルの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5919870B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US11701648B2 (en) | 2018-08-23 | 2023-07-18 | Asahi Kasei Kabushiki Kaisha | Method for producing catalyst for ammoxidation, and method for producing acrylonitrile |
Families Citing this family (12)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN105813747B (zh) | 2014-03-06 | 2018-06-08 | 旭化成株式会社 | 氧化物催化剂及其制造方法、以及不饱和腈的制造方法 |
MY178728A (en) * | 2014-03-31 | 2020-10-20 | Asahi Chemical Ind | Method for producing oxide catalyst, and method for producing unsaturated nitrile |
KR102119088B1 (ko) | 2016-01-25 | 2020-06-04 | 아사히 가세이 가부시키가이샤 | 유동상 암모산화 반응 촉매 및 아크릴로니트릴의 제조 방법 |
EP3409357B1 (en) | 2016-01-25 | 2022-06-01 | Asahi Kasei Kabushiki Kaisha | Fluid bed ammoxidation reaction catalyst, and acrylonitrile production method |
US10427139B2 (en) | 2016-04-27 | 2019-10-01 | Asahi Kasei Kabushiki Kaisha | Method for producing ammoxidation catalyst, and method for producing acrylonitrile |
JP6722284B2 (ja) | 2016-06-14 | 2020-07-15 | 旭化成株式会社 | アンモ酸化用触媒の製造方法、及びアクリロニトリルの製造方法 |
WO2018043007A1 (ja) | 2016-08-31 | 2018-03-08 | 旭化成株式会社 | 触媒の製造方法、及びアクリロニトリルの製造方法 |
KR102558452B1 (ko) * | 2019-10-25 | 2023-07-21 | 주식회사 엘지화학 | 프로필렌의 암모산화용 촉매, 이의 제조 방법, 이를 이용한 프로필렌의 암모산화 방법 |
JP7371986B2 (ja) * | 2020-07-29 | 2023-10-31 | エルジー・ケム・リミテッド | プロピレンのアンモ酸化用触媒、その製造方法、これを用いたプロピレンのアンモ酸化方法 |
WO2023163067A1 (ja) * | 2022-02-25 | 2023-08-31 | 旭化成株式会社 | 触媒及びその製造方法、並びにアクリロニトリルの製造方法 |
KR20240040235A (ko) | 2022-09-21 | 2024-03-28 | 주식회사 엘지화학 | 아크릴로니트릴 촉매, 이의 제조 방법 및 이를 이용한 아크릴로니트릴의 제조 방법 |
WO2024181436A1 (ja) * | 2023-03-02 | 2024-09-06 | 旭化成株式会社 | 触媒、触媒の製造方法、アクリロニトリルの製造方法 |
Family Cites Families (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS58143842A (ja) * | 1982-02-18 | 1983-08-26 | ザ・スタンダ−ド・オイル・カンパニ− | 含浸触媒 |
JPH11309374A (ja) * | 1998-04-28 | 1999-11-09 | Mitsubishi Rayon Co Ltd | モリブデン含有酸化物触媒の製法 |
JP5008876B2 (ja) * | 2005-02-22 | 2012-08-22 | ダイヤニトリックス株式会社 | 触媒の製造方法 |
-
2012
- 2012-02-17 JP JP2012033218A patent/JP5919870B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US11701648B2 (en) | 2018-08-23 | 2023-07-18 | Asahi Kasei Kabushiki Kaisha | Method for producing catalyst for ammoxidation, and method for producing acrylonitrile |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2013169482A (ja) | 2013-09-02 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5919870B2 (ja) | アクリロニトリル製造用触媒の製造方法および該アクリロニトリル製造用触媒を用いたアクリロニトリルの製造方法 | |
JP5011176B2 (ja) | アクリロニトリル合成用触媒およびアクリロニトリルの製造方法 | |
JP4954750B2 (ja) | モリブデン、ビスマス、鉄、シリカ含有複合酸化物触媒の製造方法 | |
JP5483818B2 (ja) | アクリロニトリル製造用流動床触媒およびアクリロニトリルの製造方法 | |
JP2010172851A (ja) | アクリロニトリルの製造用触媒及びアクリロニトリルの製造方法 | |
JP5011167B2 (ja) | アクリロニトリル製造用触媒およびアクリロニトリルの製造方法 | |
JP2009285581A (ja) | 流動床用アンモ酸化触媒及びそれを用いたアクリロニトリル又はメタクリロニトリルの製造方法 | |
JP5335490B2 (ja) | メタクリル酸製造用触媒の再生方法及びメタクリル酸の製造方法 | |
JP5210834B2 (ja) | アクリロニトリル合成用触媒の製造方法およびアクリロニトリルの製造方法 | |
KR101735862B1 (ko) | 복합 산화물 촉매의 제조 방법 | |
JP5011178B2 (ja) | アクリロニトリル合成用触媒の製造方法およびアクリロニトリルの製造方法 | |
JP5210835B2 (ja) | アクリロニトリル合成用触媒の製造方法およびアクリロニトリルの製造方法 | |
JP5793345B2 (ja) | メタクリル酸製造用触媒の製造方法およびメタクリル酸の製造方法 | |
JP4823950B2 (ja) | アクリロニトリル製造用触媒の製造方法 | |
JP5214500B2 (ja) | メタクリル酸製造用触媒の製造方法及びメタクリル酸の製造方法 | |
JP5378041B2 (ja) | アクリロニトリル合成用複合酸化物触媒の製造方法 | |
JP5042658B2 (ja) | アクリロニトリル製造用触媒の製造方法、およびアクリロニトリルの製造方法 | |
JP2008229515A (ja) | メタクリル酸製造用触媒の製造方法 | |
KR101785181B1 (ko) | 아크릴로니트릴 제조용 촉매 및 아크릴로니트릴의 제조 방법 | |
JP2004188231A (ja) | メタクリル酸製造用触媒の製造方法およびメタクリル酸の製造方法 | |
JP5011177B2 (ja) | アクリロニトリル合成用触媒の製造方法およびアクリロニトリルの製造方法 | |
JP5609285B2 (ja) | 複合酸化物触媒の製造方法 | |
JP2002097017A (ja) | シアン化水素の製造方法 | |
JP2013000734A (ja) | メタクリル酸製造用触媒の再生方法及びメタクリル酸の製造方法 | |
JP2004141823A (ja) | メタクリル酸製造用触媒の製造方法およびメタクリル酸の製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A711 | Notification of change in applicant |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712 Effective date: 20130606 |
|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20150121 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20151130 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20151208 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20160201 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20160315 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20160328 |
|
R151 | Written notification of patent or utility model registration |
Ref document number: 5919870 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151 |
|
S533 | Written request for registration of change of name |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |