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JP5912256B2 - 清掃用具および清掃用物品 - Google Patents

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JP5912256B2
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Description

本発明は、清掃対象の清掃に用いる清掃用具および清掃用物品に関するものである。
従来、清掃対象を清掃するためのシート状の清掃用具が種々提案されている。例えば、特許文献1に記載されている清掃用具は、不織布シートの両面に、長繊維層が、長繊維層を構成する複数の長繊維が第1の方向に延びるように重ねられている。不織布シートと長繊維層は、第1の方向に交差する第2の方向に延びる複数の接合線により一体に接合されている。そして、複数の接合線の一部が切断されることによって、長繊維層からなる刷毛部が形成されている。
特開平11−235301号公報
従来の清掃用具は、接合部の切断箇所に不織布シートが露出している箇所があり、また、接合部の未切断箇所があるため、ゴミの捕集能力を高めるには限界がある。
本発明は、このような点に鑑みて創案されたものであり、長繊維を使用する清掃用具の捕集能力を高めることができる技術を提供することを課題とする。
本発明の清掃用具は、清掃対象を清掃する際に用いられるものであり、1回使用あるいは複数回使用の使い捨てタイプのものや、洗濯等を行うことによって繰り返し使用可能なタイプのものが含まれる。また、平面、曲面、凹凸面、段差面等の種々の形状の清掃箇所を清掃可能である。
本発明の清掃用具は、不織布シートと、複数の長繊維を有している。複数の長繊維は、不織布シートの両面の少なくとも一方側に、第1の方向に沿って延びるように配置されているとともに、第1の方向と交差する第2の方向に沿って並んで配置されている。また、複数の長繊維は、複数の接合箇所で不織布シートに接合されている。不織布シートおよび長繊維は、接合可能な材料で形成されるが、好適には、熱融着可能な材料で形成される。例えば、不織布シートとして、ポリエチレンテレフタレート(PET)とポリエチレン(PE)の芯鞘構造の繊維を材料としたスパンボンド不織布が用いられ、長繊維として、ポリオエチレンテレフタレート(PET)とポリエチレン(PE)の芯鞘構造の繊維が用いられる。不織布シートと長繊維を接合する接合部(例えば、熱融着接合部)の接合箇所の全部あるいは一部が、本発明の「接合箇所」に対応する。接合箇所の形状は、長繊維に適切な自由度を持たせることができるように設定される。例えば、接合箇所の第2の方向に沿った長さは、1〜30mmの範囲内、好適には、2〜20mmの範囲内に設定される。
本発明では、複数の接合箇所は、第1の方向に間隔をあけて配置されている。そして、第1の方向に隣接する2つの接合箇所の間隔が、当該2つの接合箇所で不織布シートに接合されている長繊維の、当該2つの接合箇所の間の長さより短く設定されている。これにより、複数の長繊維は、第1の方向に隣接する2つの接合箇所の間において、たるみが発生し、ループ状(凹凸状を含む)を有するようになる。すなわち、不織布シートの少なくとも一方の面に配置された複数の長繊維が、面全体にわたって波状に隆起する。複数の長繊維がループ状を有することにより、比容積が大きくなる。そして、比容積の増大により、ゴミを保持することができる空間が形成され、ゴミの捕集能力が高くなる。
第1の方向に隣接する2つの接合箇所の間隔を、当該2つの接合箇所で不織布シート接合されている長繊維の、当該2つの接合箇所の間の長さより短く設定する方法としては、好適には、長繊維を、不織布シートの表面に、第1の方向に沿って延びるように配置するとともに、第1の方向に隣接する複数の接合箇所で不織布シートに接合した状態で、不織布シートを第1の方向と交差する第2の方向に拡幅させる方法が用いられる。なお、複数の長繊維を、第1の方向に隣接する複数の接合箇所で接合することによって、長繊維グループが構成される。複数の接合箇所は、第1の方向に間隔を開けて配置されていればよいが、好適には、第2の方向にも間隔を開けて配置される。
本発明では、不織布シートの少なくとも一方の面に配置されている複数の長繊維が、面全体にわたって波状に隆起する。これにより、ゴミの捕集能力を高めることができる。
さらに本発明においては、不織布シートは、複数の穴を有しているとともに、隣接する穴の間に設けられている複数のシート部分を有している。そして、複数の接合箇所は、複数のシート部分のうち、第1の方向に沿って配置されているシート部分に配置されている。また、複数のシート部分のうちの少なくとも一部が、第1の方向および第2の方向に交差する第3の方向(不織布シートの面に交差する方向)に傾斜している。不織布シートの、隣接する穴の間に設けられているシート部分を第3の方向に傾斜させる方法としては、好適には、不織布シートに、第1の方向に沿った複数のスリット(切り欠き)を、第1の方向および第2の方向に間隔をあけて形成した状態で、不織布シートを第2の方向に拡幅させる方法を用いることができる。
本発明では、不織布シートの、隣接する穴の間のシート部分の少なくとも一部が、第3の方向に傾斜しているため、不織布シート全体が凹凸形状を有することになる。これにより、清掃用具全体がより嵩高となり、ゴミの捕集能力をより高めることができる。
本発明の他の異なる形態では、複数の接合箇所は、第1の方向および第2の方向に間隔をあけて配置されている。また、第2の方向に隣接する接合箇所は、第1の方向に離れて配置されている。すなわち、第2の方向に隣接して配置されている接合箇所は、第2の方向から見て重なっていない。
本形態では、第1の方向に沿って配置されている複数の接合箇所で接合されている複数の長繊維を長繊維グループとした時、第2の方向に隣接する長繊維グループでは、複数の長繊維が、第1の方向に沿って離れている接合箇所で接合される。このため、不織布シートの少なくとも一方の面に配置された複数の長繊維を、効果的に波状に隆起させることができる。
好適には、不織布シートの複数の穴が、不織布シートに、第1の方向に延びるスリットを、第1の方向および第2の方向に間隔をあけて、且つ、第2の方向から見て、第2の方向に隣接するスリットが端部で重なるように形成した状態で、不織布シートを第2の方向に拡幅することによって形成されている。
スリットの形状は、隣接する穴の間に設けられているシート部分が、効果的に第3の方向に傾斜するように設定される。例えば、スリットの第1の方向に沿った長さは、5〜100mmの範囲内、好適には、10〜40mmの範囲内に設定される。また、スリットの第1の方向および第2の方向の間隔は、1〜30mmの範囲内、好適には、2〜20mmの範囲内に設定される。
これにより、不織布シートを効果的に凹凸形状とすることができ、複数の長繊維の自由度を高めることができる。
本形態の更に他の異なる形態では、手持ち式ホルダの保持部を挿入可能な挿入空間を有している。
本形態では、清掃用具を保持する保持部を有する手持ち式ホルダを用いて清掃を行うことができる。
本発明の更に他の異なる形態では、前記の清掃用具と、清掃用具の挿入空間に挿入可能な保持部を有する手持ち式ホルダを備え、手持ちホルダの保持部が清掃用具の挿入空間に挿入されている。
これにより、清掃用具が手持ちホルダによって保持された状態での清掃作業を行うことができる清掃用物品を提供することができる。
本発明の更に他の異なる形態では、前記の清掃用具と、清掃用具を装着可能な清掃用具装着部材を有し、清掃用具装着部材に清掃用具が装着されている。
これにより、清掃用具が清掃用具装着部に装着された状態での清掃作業を行うことができる清掃用物品を提供することができる。
以上のように、本発明では、長繊維を使用する清掃用具の捕集能力を高めることができる。
清掃用物品の一実施の形態の斜視図である。 ヘッドの平面図である。 清掃シート(清掃用具)の第1の実施の形態を示す図である、 図3のIV−IV線断面図である。 図3の部分Vの拡大図である。 不織布シートに穴を形成する動作を説明する図である。 図2のVII−VII線断面図である。 清掃シート製造装置の1例を示す図である。 清掃シートの第2の実施の形態を説明する図である。 清掃シートの第3の実施の形態を説明する図である。 清掃シートの第4の実施の形態を説明する図である。
以下に、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。以下では、清掃シート装着部材と、清掃シート装着部材に装着される清掃シートを備える清掃用物品について説明する。勿論、以下で説明する清掃シートは、単独で(清掃シート装着部材に装着することなく)清掃対象を清掃することもできる。また、本発明の清掃シートあるいは清掃用物品は、平面状、曲面状、凹凸状、段差状等の種々の形状を有する清掃対象を清掃することができる。清掃シートが、本発明の「清掃用具」に対応する。
本発明の一実施の形態の清掃用物品10の斜視図が図1に示されている。本実施の形態の清掃用物品10は、清掃シート100が装着されるヘッド20と、パイプ40と、ハンドル60を有している。パイプ40は、複数のパイプ部材42が連結機構によって連結されて構成されている。連結機構としては、例えば、一方のパイプ部材42の一方側端部に設けられたオス側の連結部材と、他方のパイプ部材42の他方側端部に設けられたメス側の連結部材により構成される連結機構が用いられる。オス側の連結部材とメス側の連結部材とが連結された連結箇所は、カバー部材41によって覆われる。パイプ40の一方側の端部は、ハンドル60に接続される。また、パイプ40の他方側の端部は、ヘッド20に設けられている接続機構50に接続される。本実施の形態では、ヘッド20が本発明の「清掃シート装着部材」に対応し、ハンドル60が本発明の「把持部材」に対応し、パイプ40が本発明の「ヘッドとハンドルを接続する接続部材」に対応する。なお、パイプ40を構成するパイプ部材42の数は適宜選択可能である。また、ハンドル60は、ヘッド12に設けられている接続機構50に直接接続することもできる。
ヘッド20は、図2に示されているように、平板状に形成されており、接続機構50が取り付けられる上面22と、上面22と反対側の下面(装着面あるいは清掃面)21(図7参照)を有している。上面22には、清掃シート100の端部を係止する係止部材30が設けられている。係止部材30は、図2に示されているように、弾性を有する複数の係止片31を有している。清掃シート100は、図3に示されているように、x方向(長手方向)に交差するy方向の中央に設けられている中央部100bと、中央部100bを挟んでy方向に沿った両側に設けられている端部100aおよび100cを有している。清掃シート100の中央部100bは、ヘッド20の下面(装着面)21に対向する箇所に配置され、端部100aおよび100cは、ヘッド20上面22上に配置される。すなわち、清掃シート100は、中央部100bと両端部100aおよび100cによってヘッド20を覆うようにヘッド20に装着される。そして、清掃シート100の端部100aおよび100cをヘッド20の上面22上に配置した状態で、係止部材30に対応する箇所を指で押し込んで離す。これにより、清掃シート100の端部100aおよび100cは、隣接する係止片31の弾性力によって、係止片31の間に着脱自在に保持される。
次に、本実施の形態の清掃用物品20で使用される清掃シート100の第1の実施の形態を図3〜図5を参照して説明する。図3は、清掃シート100の平面図であり、図4は、図3のIV−IV線断面図であり、図5は、図3の部分Vの拡大図である。なお、図3〜5は、理解を容易にするために、誇張して記載されている。本実施の形態の清掃シート100は、ドライ状態で使用される。勿論、ヘッド20に装着する清掃シートとしては、洗浄剤等が含浸され、ウェット状態で使用される清掃シートを用いることもできる。
なお、以下では、図示されているx方向を「第1の方向」と呼び、y方向を「第1の方向と交差する(直交する)第2の方向」と呼び、x方向(第1の方向)およびy方向(第2の方向)と交差する(直交する)方向を「第3の方向」と呼ぶ。通常、「第1の方向」は、清掃シート100の長さ方向が対応し、「第2の方向」は、清掃シート100幅方向が対応し、「第3の方向」は、清掃シート100の厚さ方向(不織布シート110と長繊維層120および130が重ねられている方向あるいは不織布シートシート110の表面に直交する方向)が対応する。
図4に示されているように、本実施の形態の清掃シート100は、不織布シート(「基材シート」ともいう)110と、不織布シート110の上下両面に配置されている(重ねられている)長繊維層120および130により構成されている。本実施の形態では、清掃シート100は、x方向の長さSが約300mm、y方向の幅Mが約220mmの長方形に形成されている。不織布シート110の形状、大きさ等はこれに限定されない。
前述したように、清掃シート100は、ヘッド20の下面(清掃面)21に対応する位置に配置される中央部100bと、ヘッド20の上面(装着面)22に対応する位置に配置される端部100aおよび100cを有している。中央部100bでは、長繊維層120および130は、接合部140によって不織布シート110に接合されている。また、端部100aおよび100bでは、不織布シート110と長繊維層120および130が格子エンボス加工部150により接合されている。端部100aおよび100cの領域を格子エンボス加工することによって、端部100aおよび100cをヘッド20の係止部材30から外す時に、長繊維層120の長繊維が係止部材30に引っ掛かるのを防止することができる。格子エンボス加工では、5mm×5mmの正方形の非エンボス部が1mm程度の幅のエンボス部分で囲まれた格子パターンが100aおよび100cの全体に連続して形成されている。
不織布シート110と長繊維層120および130は、接合可能な繊維、例えば、接着剤で接合可能な繊維や熱融着可能な熱融着繊維により形成される。
本実施の形態では、不織布シート110は、ポリエチレンテレフタレート(PET)とポリエチレン(PE)の芯鞘構造の繊維を材料としたスパンボンド不織布により形成されており、目付が20g/cmである。詳しくは後述するが、不織布シート110は、拡幅前は、x方向の長さSが380mm、y方向の幅Mが110mmの長方形に形成されており、拡幅後は、x方向の長さSが300mm、y方向の幅Mが220mmの長方形のシートになる。
また、長繊維層120および130は、ポリエチレンテレフタレート(PET)とポリエチレン(PE)の芯鞘構造の複数の長繊維を含んでいる。長繊維層120および130は、1本3.3dtexの長繊維を8.3万dtexの束にし、埃等の捕集性を高めるために、束全体にギアで加工を施して長繊維を倦縮させたものを用いている。
長繊維層120および130は、不織布シート110に固定(エンボス加工)する前に、x方向に伸張して倦縮状態を解除した後、y方向に220mm程度まで拡幅する。その後、x方向に伸張しながら不織布シート110に固定する。そして、x方向への伸張を解いた長繊維層120および130を固定した不織布シート110をy方向に拡幅する。不織布シート110をy方向に拡幅すると、不織布シート110がx方向に収縮し、x方向に固定部間の間隔が短くなる。これにより、不織布シート110に固定されている長繊維層120および130(長繊維層を構成する長繊維)がx方向にたるみ、長繊維層120および130(長繊維層を構成する長繊維)は、x方向に隣接する固定部間においてゆるいループ構造を有する。
ここで、本実施の形態の不織布シート110は、図5に示されているように、複数の穴115と、隣接する穴115の間に設けられている複数のシート部分112を有している。また、長繊維層120(130)を構成している複数の長繊維は、不織布シート110の一方の面(他方の面)に、x方向(第1の方向)に沿って延びるように配置されているとともに、y方向(第2の方向)に沿って並んで配置されている。すなわち、長繊維層120(130)を構成している複数の長繊維は、不織布シート110の一方の面(他方の面)を万遍なく覆うように、不織布シート110の一方の面(他方の面)に配置されている。また、長繊維層120(130)を構成する複数の長繊維は、不織布シート110の一方の面(他方の面)に配置されている状態で、x方向(第1の方向)およびy方向(第2の方向)に間隔をあけて配置されている複数の接合部140によって不織布シート110に接合されている。長繊維層120(130)を構成する複数の長繊維は、x方向(第1の方向)に沿って配置されている複数の接合部140で接合されることによりグループ(長繊維グループ)化される。この長繊維グループは、y方向に沿って配置されている接合部毎に形成される。
さらに、本実施の形態の不織布シート110は、前述したy方向への拡幅によって、図4に示されているように、隣接する穴115の間に設けられている複数のシート部分112のうちの少なくとも一部が、不織布シート110と長繊維層120および130の重ね方向(第3の方向)に傾斜している。これにより、不織布シート110の表面が凹凸形状となっている。
以上のように、不織布シート110をy方向に拡幅することによって、不織布シート110に接合されている長繊維層120および130(長繊維層を構成する長繊維)が、x方向に隣接する固定部間においてゆるみ、ゆるいループ構造を有する。また、不織布シート110の表面が凹凸形状となる。これにより、不織布シート110の両面に、接合部140によって接合されている長繊維層120および130(長繊維層を構成する長繊維)が凹凸状(波状)に隆起する。
したがって、不織布シート110の中央部100bは、複数の凹凸形状を有することとなり、嵩高になる。
シート部分112が第3の方向(不織布シート110の表面に直交する方向)に傾斜している清掃シート100を形成する方法の一例を、図6を参照して説明する。
先ず、不織布シート110に、長繊維層120および130(長繊維層を構成する長繊維)が延びているx方向(第1の方向)に平行(略平行を含む)に、x方向の長さがPである複数のスリット(切り込み)111を形成する。この時、スリット111は、x方向に間隔Tをあけて、また、y方向に間隔Qをあけて形成する。さらに、y方向から見て、y方向に隣接するスリット111の端部が重なるように、スリット111を形成する。これにより、不織布シート110をy方向に拡幅することが可能である。
すなわち、x方向(第1の方向)に間隔Tをあけて形成した複数のスリット111からなるスリットグループを、y方向(第2の方向)に間隔Qをあけて並列に複数設け、各スリットグループのスリット111を、y方向に隣接するスリット111の端部が重なるように形成する。本実施の形態では、x方向の間隔Tが等しくなるように、また、y方向の間隔Qが等しくなるようにスリット111を形成しているが、x方向の間隔Tおよびy方向の間隔Qが異なるようにスリット111を形成してもよい。
次に、不織布シート110の一方の面に、複数の長繊維(長繊維層)を、各長繊維がx方向に延びるように配置するとともに、y方向に並ぶように配置する。そして、複数の長繊維を、接合部140によって不織布シート110に接合する。接合部140は、x方向およびy方向に間隔をあけて配置されている。なお、図6には、長繊維が図示されていない。
本実施の形態では、接合部140は、x方向に沿って間隔をあけて形成された接合部140によって接合される長繊維を長繊維グループとした時、y方向に隣接する長繊維グループが、y方向から見て同じ箇所で接合されないように、すなわち、x方向に沿って離れている接合部140によって接合されるように形成されている。
スリット111が形成されることによって、y方向に隣接するスリット111の間にシート部分112が設けられる。図6には、スリット111の端部に対応するシート部分112aと、スリット111の中央部に対応するシート部分112bが示されている。
この状態で、不織布シート110を矢印で示されている方向(y方向に)拡幅させると。図6の右側の図に示されているように、スリット111の中央部に対応するシート部分112bがy方向に沿って離れる方向に移動し、また、スリット111の端部に対応するシート部分112aがx方向に沿って接近するとともに、x方向およびy方向に交差する第3の方向(不織布シートの表面に直交する方向)に傾斜する。これにより、スリット111が穴115の形状となるとともに、不織布シート111の表面が凹凸形状となる。
以上のように、長繊維は、x方向に隣接する接合部140間においてたるみ、また、不織布シート111の表面が凹凸形状となるため、不織布シート110の表面から第3の方向に飛び出ている、ゆるいループ状構造となる。
なお、スリット111のx方向の長さPは、5〜100mmの範囲内、好適には10〜40mmの範囲内に設定される。スリットの径方向の長さPがこの範囲内に設定されることによって、100mm以上に設定された場合のように穴115が大きくなって、穴115をゴミが貫通するおそれがない。また、5mm以下に設定された場合のように、不織布シート111の広がりが小さく、不織布シート111の凹凸形状が少なくなるおそれがない。
スリット111のx方向の間隔Tおよびy方向の間隔Qは、1〜30mmの範囲内、好適には、2〜20mmの範囲内に設定される。スリット111のx方向の間隔Tおよびy方向の間隔Qをこの範囲内に設定することにより、30mm以上に設定された場合のように、不織布シート111の広がりが小さくなるおそれがない。また、1mm以下に設定された場合のように、不織布シート111の拡幅時に不織布シート110が破れるおそれがない。
接合部140のy方向の長さRは、1〜30mmの範囲内、好適には、2〜20mmの範囲内に設定される。接合部140のy方向の長さRをこの範囲内に設定することにより、30mm以上に設定された場合のように、長繊維層が固定される面積が増えて、繊維自由度が低下するおそれがない。また、1mm以下に設定された場合のように、長繊維層の延びる方向から見て繊維の抜けが起こることがない。
次に、本実施の形態の清掃シート100を製造する清掃シート製造装置の一例を、図8を参照して説明する。
図8に示されている清掃シート製造装置は、スリットカッター(スリット形成装置)510、解繊装置521および522、油剤スプレー(油剤拭き付け装置)530、エンボス加工ローラー(結合装置)540、拡幅装置550、エンボスローラー(エンボス加工装置)560、カッター(切断装置)571、エンドカッター572および573等により構成されている。
スリットカッター510は、不織布シート110に、x方向に沿ったスリット111を形成する。
解繊装置521および522は、スリット111が形成された不織布シート110の上下両面に、解繊したトウ(長繊維)を、x方向に沿って延びているとともに、y方向に沿って並ぶように配置し、長繊維層120および130を形成する。この時、長繊維を、x方向に伸張した状態で不織布シート110の表面に配置するのが好ましい。
油剤スプレー(油剤拭き付け装置)530は、長繊維層120および130に油剤を含浸させる。油剤は、例えば、長繊維層120および130の質量に対して0.75%の割合で含浸させる。
エンボス加工ローラー540は、不織布シート110と長繊維層120および130を接合する接合部140を形成する。例えば、熱融着接合部を形成する。
拡幅装置550は、不織布シート110と長繊維層120および130が接合部140で接合された状態で、不織布シート110と長繊維層120および130をy方向に拡幅させる。
エンボスローラー560は、y方向に拡幅した不織布シート110と長繊維層120および130に対して、清掃シート100の端部100aおよび100bに対応する箇所にエンボス加工部150を形成する。本実施の形態では、エンボス加工部150として方形エンボス加工部を形成している。
カッター571は、エンボス加工部150によって接合されている不織布シート110と長繊維層120および130を2つに切断する。
エンドカッター572および573は、清掃シート100のx方向の長さに対応した箇所を切断する。
なお、図8に示す清掃シート製造装置は、2丁取り用に構成されているが、カッターの数は、1丁取り、3丁取り等に応じて変更される。
長繊維層を不織布シートに接合する接合部としては、長繊維層をx方向およびy方向に間隔をあけて接合することができればよい。
図9には、第2の実施の形態の清掃シート200が示されている。
本実施の形態の清掃シート200では、不織布シート210の一方の面にのみ、長繊維層(図示省略)がx方向に延びるように配置されている。長繊維層を配置する不織布シートの面は、清掃シート200がヘッド20に装着された時に、外周側(清掃対象側)に配置されるように設定される。そして、不織布シート210にx方向に平行に形成されているスリット211と重ならないように、複数のスリット211にまたがる接合部240が形成されている。すなわち、長繊維層は、複数のスリットにまたがる接合部240によって不織布シート210に接合されている。なお、本実施の形態では、x方向に隣接する接合部240の間隔Kは、スリット211の間隔にほぼ等しく設定されている。間隔Kは、スリット211の整数倍に設定することもできる。
本実施の形態では、長繊維層を、x方向に引っ張った状態で不織布シート210の一方の面に配置する。そして、この状態で、熱エンボス加工によってスリット211を形成し、さらに、接合部240によって長繊維層と不織布シート210を接合する。
図10には、第3の実施の形態の清掃シート300が示されている。
本実施の形態の清掃シート300では、310の少なくとも一方の面に配置される長繊維層(図示省略)を接合する接合部340が、x方向に沿って形成されているスリット311と交差するように設定されている。
不織布シート形成するスリットとしては、不織布シートをx方向に拡幅することによって不織布シートに穴を形成することができればよい。
図11には、第4の実施の形態の清掃シート400が示されている。
本実施の形態の清掃シート400では、不織布シート410に、スリットより広い開口領域を有する穴411が形成されている。本実施の形態においても、第1〜第3の実施の形態と同様に、不織布シート410をy方向に拡幅することによって、第3の方向に傾斜しているシート部分を有する穴が形成される。本実施の形態の穴411は、本発明の「スリット」に対応する。
以上のように、本発明の清掃シート(清掃用具)では、不織布シートが凹凸構造を有しているため、清掃シート全体として嵩高になる。これにより、長繊維層が存在しない領域が無く、清掃シート全面でゴミを収集することができる。
長繊維層(長繊維層を構成する複数の長繊維)が、長繊維層が延びている方向(第1の方向)に隣接する接合部の間における収縮によって、繊維自由度が高いループ構造を有している。これにより、ゴミの取れ性を高めることができる。
長繊維層(長繊維層を構成する複数の長繊維)が、不織布シート上に、様々の角度を持って存在している。これにより、ゴミが清掃シートの中央まで入り込み易い。
長繊維層(長繊維層を構成す複数の繊維)の略全てが、不織布シートの、長繊維層の延びる方向(第1の方向)に沿った収縮によって、多数の凹凸形状を有し、嵩高となる。これにより、ゴミが清掃シートの中に入り込み易い。特に、大きなゴミの取れ性が高くなる。
本発明の清掃シートは、以上に説明した構成に限定されない、
実施の形態ではドライタイプの清掃シートについて説明したが、ウェットタイプの清掃シートとして構成することもできる。例えば、不織布シートまたは/および長繊維層を親水性の素材を用いたシートによって形成し、シートに薬液等の液体を含浸させる。
また、第1の方向に隣接する2つの接合箇所の間隔が、当該2つの接合箇所で接合されている長繊維の、当該2つの接合箇所の間の長さより短く設定する第1の手法と、不織布シートの複数のシート部分のうちの少なくとも一部を第1の方向および第2の方向に交差する第3の方向に傾斜させる第2の手法を用いたが、いずれか一方の手法のみ、好適には、第1の手法のみを用いることもできる。
また、長繊維層を不織布シートの両面に配置したが、不織布シートの少なくとも一方の面に配置されていればよい。
また、長繊維層を不織布シートに接合する方法は、熱エンボス加工方法以外の方法を用いることもできる。例えば、ホットメルト接着剤(HMA)等の接着剤を用いて接合する方法を用いることもできる。
また、本発明の清掃シートを清掃シート装着部材に装着した清掃用物品として使用する場合について説明したが、本発明の清掃シートの使用形態はこれに限定されない。例えば、本発明の清掃シートに、手持ち式ホルダの保持部を挿入可能な挿入区間を形成し、清掃シートの挿入区間に、手持ち式ホルダの保持部を挿入した清掃用物品として使用することができる。あるいは、本発明の清掃シートを単独で使用することもできる。
長繊維層を不織布シートの両面に配置し、清掃時に長繊維層を清掃対象に接触させたが、不織布シートを清掃対象に接触させることもできる。例えば、長繊維層の上下両側に不織布シートを配置する。あるいは、長繊維層の上下方向の一方側に不織布シートを配置する。この場合には、例えば、清掃シートをヘッド20に装着した時に、不織布シートが外周側(清掃対象側)に配置されるように構成する。
清掃シートは、不織布シートを含む種々の構成の基材シートにより構成することができる。
清掃シートの製造方法や製造装置は、実施の形態で説明した方法や装置に限定されない。
10 清掃用物品
20 ヘッド(清掃用具装着部材)
30 係止部材
31 係止片
42 パイプ
50 接続機構
60 ハンドル
100、200、300、400 清掃シート
110、210、310、410 不織布シート(基材シート)
111、211、311、411 スリット(切り欠き)
112a、112b シート部分
120、130 長繊維層
140、240、340 接合部
150 熱エンボス加工部

Claims (5)

  1. 清掃対象の清掃に用いる清掃用具であって、
    不織布シートと、
    複数の長繊維を備え、
    前記複数の長繊維は、前記不織布シートの両面の少なくとも一方側に、第1の方向に沿って延びるように配置され、また、前記第1の方向と交差する方向に沿って並んで配置されている状態で、複数の接合箇所で前記不織布シートに接合されており、
    前記複数の接合箇所は、前記第1の方向に間隔をあけて配置されており、前記第1の方向に隣接する2つの接合箇所の間隔が、当該2つの接合箇所で接合されている長繊維の、当該2つの接合箇所の間の長さより短く設定されており、
    前記不織布シートは、複数の穴を有しているとともに、隣接する穴の間に設けられている複数のシート部分を有しており、前記複数の接合箇所は、前記複数のシート部分のうち、前記第1の方向に沿って配置されているシート部分に配置されており、また、複数のシート部分のうちの少なくとも一部が、前記第1の方向および前記第2の方向に交差する第3の方向に傾斜していることを特徴とする清掃用具。
  2. 請求項1に記載の清掃用具であって、
    前記複数の接合箇所は、前記第1の方向および前記第2の方向に間隔をあけて配置されているとともに、前記第2の方向に隣接する接合箇所は、前記第1の方向に離れて配置されていることを特徴とする清掃用具。
  3. 請求項1または2に記載の清掃用具であって、手持ち式ホルダの保持部を挿入可能な挿入空間を有していることを特徴とする清掃用具。
  4. 請求項に記載の清掃用具と、前記清掃用具の前記挿入空間に挿入可能な保持部を有する手持ち式ホルダを備え、前記挿入空間に前記手持ち式ホルダの前記保持部が挿入されていることを特徴とする清掃用物品。
  5. 請求項1〜のいずれかに記載の清掃用具と、前記清掃用具を装着可能な清掃用具装着部材を有し、前記清掃用具装着部材に前記清掃用具が装着されていることを特徴とする清掃用物品。

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