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JP5904486B2 - ケーブル用管路口の止水装置 - Google Patents

ケーブル用管路口の止水装置 Download PDF

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Description

本発明は、管路内にケーブルが敷設され、その管路の管路口を止水するケーブル用管路口の止水装置に関する。
従来から管路内にケーブルが敷設され、その管路の管路口を止水するケーブル用管路口の止水装置が用いられている。
この種のケーブル用管路口の止水装置として、ケーブル類を水封させた状態で挿通孔にて挿通支持させてケーブル用導管内に挿入配置されたゴム製のシールブロック体を、このシールブロック体の前後に配した締付盤を介して圧締ボルト、ナットにて挟み付けて成るケーブル用導管の防水装置であって、シールブロック体を挿入方向と直角に少なくとも二つに分割し、いずれか一方のシールブロック体のゴム硬度を他方のシールブロック体のゴム硬度と異なるようにしたものがあった(たとえば、特許文献1)。このシールブロック体は、挿通孔を外部から、また挿通孔それぞれを連結する開放切込部、連絡切込部を有し、これらの開放切込部、連結切込部それぞれの位置を、前後の他のシールブロック体の開放切込部、連絡切込部それぞれの位置と異なるようにしたものであった。
特開2006−158057号公報
従来のケーブル用導管の防水装置では、挿入方向と直角に分割されたゴム硬度が硬いシールブロック体の厚み幅をその隣合うゴム硬度が軟らかいシールブロック体の厚み幅より狭くしているが、これは管路内面及びケーブルとの接触面を増やすためであり、ケーブル特有の熱伸縮に対応したものではなかった。その結果ケーブルが熱伸縮して挿通孔内を長手方向に移動すると、軟らかいシールブロック体のケーブル用導管に接触した部分が、隣の硬いシールブロック体のさらに隣の軟らかいシールブロック体に衝突することにより軟らかいシールブロック体の周面(円周部分)が傷つけられ、シールブロック体の周辺から漏水するという問題があった(図11参照)。ここで、図11は、ケーブルが熱伸縮した場合の従来の軟直角分割シールブロック体の変形状態を示す図である。
本発明は上記問題点に鑑みてなされたもので、ケーブルが熱伸縮して挿通孔内を長手方向に移動しても、シールブロック体の周辺からの漏水をなくし、ケーブルが敷設された管路の管路口を止水することができるケーブル用管路口の止水装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決し上記目的を達成するために、本発明のうち第1の態様に係るものは、管路内にケーブルが敷設され、その管路の管路口を止水するケーブル用管路口の止水装置であって、ケーブルを挿通させるブロック体ケーブル挿通孔および締付ボルトを挿通させるブロック体ボルト挿通孔が設けられ、挿入方向と直角方向に少なくとも3つ以上に所定の厚み幅で分割された状態で管路内に配置されるゴム製のシールブロック体と、シールブロック体の前後に備えられ、ケーブルを挿通させる締付盤ケーブル挿通孔および締付ボルトを挿通させる締付盤ボルト挿通孔が設けられた締付盤と、を有し、シールブロック体は、挿入方向と直角方向に分割された直角分割シールブロック体のそれぞれ隣り合う直角分割シールブロック体のゴム硬度を隣りの直角分割シールブロック体のゴム硬度より硬く、軟らかくと交互に配列させ、隣りの直角分割シールブロック体よりゴム硬度が硬い硬直角分割シールブロック体の厚み幅を隣りのゴム硬度が軟らかい軟直角分割シールブロック体の厚み幅より大きくすることにより、軟直角分割シールブロック体のケーブルに接触した部分が隣の硬直角分割シールブロック体のさらに隣の軟直角分割シールブロック体に衝突しにくくなり、軟直角分割シールブロック体の周面が傷つけられず、シールブロック体の周辺からの漏水をなくすることができることを特徴とする。
シールブロック体のゴム硬度を硬く、軟らかくとそれぞれ交互に配列した状態で締付盤を用いて締め付けると、軟直角分割シールブロック体硬直角分割シールブロック体より径方向に膨張拡大する。この状態で、ケーブルが熱伸縮して挿通孔内を長手方向に移動すると、軟直角分割シールブロック体もケーブルの移動に伴って移動することになり、軟直角分割シールブロック体のケーブルに接触した部分が隣の硬直角分割シールブロック体のさらに隣の軟直角分割シールブロック体に衝突することにより軟直角分割シールブロック体の周面(円周部分)が傷つけられることになる。本発明によれば、硬直角分割シールブロック体の厚み幅をその隣りの軟シールブロックの厚み幅より大きくしているので、ケーブルが熱伸縮して挿通孔内を長手方向に移動しても、軟直角分割シールブロック体のケーブルに接触した部分が隣の硬直角分割シールブロック体のさらに隣の軟直角分割シールブロック体に衝突しにくくなり、軟直角分割シールブロック体の周面が傷つけられず、シールブロック体の周辺からの漏水をなくすることができる。これにより、シールブロック体の止水効果を向上させることができる。
本発明のうち第2の態様に係るものは、第1の態様に係るケーブル用管路口の止水装置であって、シールブロック体および締付盤は、挿入方向にそれぞれ2つ以上に分割され、硬直角分割シールブロック体軟直角分割シールブロック体は、挿入方向の分割位置を異ならして管路内に配置され、締付盤の挿入方向の分割位置と硬直角分割シールブロック体の挿入方向の分割位置を略同一にして管路内に配置させることを特徴とするものである。
本発明によれば、締付盤の挿入方向の分割位置と硬直角分割シールブロック体の挿入方向の分割位置を略同一にしているので、締付盤の締付力が直接硬直角分割シールブロック体に伝わり、締付盤の締付力を硬直角分割シールブロック体に効率よく伝えることができる。また、硬直角分割シールブロック体の分割位置と軟直角分割シールブロック体の分割位置を異ならしているので、硬直角分割シールブロック体の締付力が隣りの軟直角分割シールブロック体に伝達し、軟直角分割シールブロック体全体に万遍なく伝えることができる。これにより、軟直角分割シールブロック体内の締付力の応力分布差が少なくなり、シールブロック体の止水効果を向上させることができる。
本発明のうち第3の態様に係るものは、第2の態様に係るケーブル用管路口の止水装置であって、締付盤は、挿入方向に分割されたそれぞれの分割締付盤に2つ以上の締付盤ボルト挿通孔が設けられ、分割締付盤に2つ以上設けられた締付盤ボルト挿通孔およびそれら締付盤ボルト挿通孔に対応して設けられたブロック体ボルト挿通孔に締付ボルトを挿通させることにより締付盤を介しシールブロック体が圧接されることを特徴とするものである。
本発明によれば、分割締付盤に2つ以上設けられた締付盤ボルト挿通孔およびそれら締付盤ボルト挿通孔に対応して設けられたブロック体ボルト挿通孔に締付ボルトを挿通させることにより、分割締付盤全体に締付ボルトの締付力を満遍なく伝えることができ、軟直角分割シールブロック体内の締付力の応力分布差がさらに少なくなり、シールブロック体の止水効果を向上させることができる。
本発明のうち第4の態様に係るものは、第1〜3のいずれかの態様に係るケーブル用管路口の止水装置であって、硬直角分割シールブロック体は、ゴム硬度が略70度の直角分割シールブロック体であり、軟直角分割シールブロック体は、ゴム硬度が略30度の直角分割シールブロック体であることを特徴とするものである。
本発明によれば、硬く変形が少ないゴム硬度が略70度の硬直角分割シールブロック体の隣に、ゴム硬度が略30度の軟直角分割シールブロック体を配しているので、軟直角分割シールブロック体硬直角分割シールブロック体に締め付けられることにより締付盤の締付力が軟直角分割シールブロック体全体に波及し、管路内でその径方向に膨張拡大し、管路内周面およびブロック体ケーブル挿通孔に挿通されたケーブル外周面に各々強く押圧することができる。これにより、シールブロック体の止水効果を向上させることができる。
以上のように本発明のケーブル用管路口の止水装置によれば、ケーブルが熱伸縮して挿通孔内を長手方向に移動しても、シールブロック体の周辺からの漏水をなくすことができ、ケーブルが敷設された管路の管路口を止水することができる。
本発明の一の実施形態におけるケーブル用管路口の止水装置の設置状況を示す概略図である。 本発明の第1の実施形態におけるケーブル用管路口の止水装置の分解斜視図である。 (a) 同ケーブル用管路口の止水装置の側面図である。 (b) 同ケーブル用管路口の止水装置の正面図である。 同ケーブル用管路口の止水装置のシールブロック体の正面図である。 同ケーブル用管路口の止水装置を管路に取付けた状態を示す一部断面図である。 (a) ケーブルが熱伸縮していない状態を示す図である。(b) ケーブルが冷えて縮んだ場合の軟直角分割シールブロック体の変形状態を示す図である。(c) ケーブルが熱で伸びた場合の軟直角分割シールブロック体の変形状態を示す図である。 本発明の第2の実施形態におけるケーブル用管路口の止水装置の分解斜視図である。 (a) 同ケーブル用管路口の止水装置の側面図である。 (b) 同ケーブル用管路口の止水装置の正面図である。 同ケーブル用管路口の止水装置のシールブロック体の正面図である。 同ケーブル用管路口の止水装置を管路に取付けた状態を示す一部断面図である。 ケーブルが熱伸縮した場合の従来の軟直角分割シールブロック体の変形状態を示す図である。
以下、本発明のケーブル用管路口の止水装置の一実施形態について図面を参照にしながら説明する。図1は本発明の一実施形態におけるケーブル用管路口の止水装置の設置状況を示す概略図である。
図1に示すように、ケーブル用管路口の止水装置1は、管路2内にケーブル(電線)3が敷設され、その管路2の管路口4を止水するものである。具体的には、地中に埋設された管路2に敷設されたケーブル3の適宜長さの箇所にマンホール5(人孔)が設けられているが、そのマンホール5への管路2の開口部である管路口4からマンホール5内に水が入るのを防ぐものである。ここで、ケーブル接続部34は、マンホール5内で左右のケーブル3を接続する部材であり、熱伸縮吸収部33は、ケーブル3が熱伸縮した場合に、そのケーブル3の熱伸縮を吸収する構造である。
次に、本発明の第1の実施形態におけるケーブル用管路口の止水装置1の構造について説明する。ここで、図2は本発明の第1の実施形態におけるケーブル用管路口の止水装置の分解斜視図であり、図3(a)は同ケーブル用管路口の止水装置の側面図であり、図3(b)は同ケーブル用管路口の止水装置の正面図であり、図4は同ケーブル用管路口の止水装置のシールブロック体の正面図であり、図5は同ケーブル用管路口の止水装置を管路に取付けた状態を示す一部断面図である。ここで、本実施形態では、電気を送電する単芯の送電ケーブル(CVケーブル)に用いられるケーブル用管路口の止水装置1について説明する。
図2に示すように、ケーブル用管路口の止水装置1は、シールブロック体6(6a、6b、6c、6d、6e)と、締付盤7(7a、7b)と、締付ボルト8とを備えている。
シールブロック体6は、エチレンプロピレンゴムを材質とし円柱形状に形成され、送電ケーブルなどのケーブル3が挿通されるブロック体ケーブル挿通孔9および締付ボルト8が挿通されるブロック体ボルト挿通孔10がそれぞれ設けられている(図4参照)。そして、管路2への挿入方向(管路方向に沿う方向)と直角方向に5つに分割された状態で管路2内に配置される。なお、本実施形態では、5つに分割された状態で管路2内に配置させたが、これに限らず、3つ以上(例えば、3つ、7つなど)に分割された状態で管路2内に配置させてもよい。ここで、シールブロック体6に設けられたブロック体ボルト挿通孔10は、シールブロック体6の円周方向等間隔で形成されている。
このシールブロック体6は、軟直角分割シールブロック体6aのゴム硬度を略30度、硬直角分割シールブロック体6bのゴム硬度を略70度、軟直角分割シールブロック体6cのゴム硬度を略30度、硬直角分割シールブロック体6dのゴム硬度を略70度、軟直角分割シールブロック体6eのゴム硬度を略30度とし、それぞれ隣りの直角分割シールブロック体6a、6b、6c、6d、6eのゴム硬度より硬く、軟らかくなるように交互に配列している(図3(a)参照)。なお、本実施形態では、隣りの軟直角分割シールブロック体6a、6c、6eよりゴム硬度が硬い硬直角分割シールブロック体6b、6dのゴム硬度を略70度とし、隣りの硬直角分割シールブロック体6b、6dよりゴム硬度が軟らかい軟直角分割シールブロック体6a、6c、6eのゴム硬度を略30度としたが、これに限らず、軟直角分割シールブロック体6a、6c、6eのゴム硬度は比較的軟らかいゴム硬度であれば他のゴム硬度でもよく、また硬直角分割シールブロック体6b、6dのゴム硬度は比較的硬いゴム硬度であれば他のゴム硬度にしてもよい。また、各硬直角分割シールブロック体6b、6d、各軟直角分割シールブロック体6a、6c、6eのゴム硬度をそれぞれ異なったゴム硬度にしてもよい。
また、それぞれの軟直角分割シールブロック体6a、6c、6e、硬直角分割シールブロック体6b、6dは、挿入方向にそれぞれ2つに分割され、その分割された分割シールブロック体を組み合わせて各軟直角分割シールブロック体6a、6c、6e、各硬直角分割シールブロック体6b、6dが構成されている(図4参照)。なお、本実施形態では、シールブロック体6を挿入方向に2つに分割させたが、これに限らず、シールブロック体6を挿入方向に2つ以上(例えば、3つ)に分割したものであれば分割の数は問わない。また、シールブロック体6は、硬直角分割シールブロック体6b、6dの厚み幅を軟直角分割シールブロック体6a、6c、6eの厚み幅より大きくしている(図3(a)参照)。
締付盤7(前方締付盤7a、後方締付盤7b)は、ナイロンモノマーを大気圧下で重合・成型(キャスト)したMCナイロン(登録商標)を材質とし円柱形状に形成され、ケーブル3が挿通される締付盤ケーブル挿通孔11および締付ボルト8が挿通される4つの締付盤ボルト挿通孔12がそれぞれ設けられている(図2参照)。そして、締付盤7は挿入方向にそれぞれ2つに分割され、その分割された分割締付盤を組み合わせて締付盤7が構成されている(図3(b)参照)。ここで、締付盤7に設けられた締付盤ボルト挿通孔12は、締付盤7の円周方向等間隔で形成されている。また、管路挿入阻止部材35は、ケーブル用管路口の止水装置1の外周を管路2より大きくして、ケーブル用管路口の止水装置1が管路2の奥に入り込まないようにするためのものである。なお、本実施形態では、締付盤7を挿入方向に2つに分割させたが、これに限らず、締付盤7を挿入方向に2つ以上(例えば、3つ)に分割したものであれば分割の数は問わない。また、本実施形態では、各分割締付盤に4つの締付盤ボルト挿通孔12を設けたが、これに限らず、各分割締付盤に2つ以上の締付盤ボルト挿通孔12が設けたものであれば締付盤ボルト挿通孔12の数は問わない。
ケーブル用管路口の止水装置1は、後方の後方締付盤7bの締付盤ケーブル挿通孔11、シールブロック体6のブロック体ケーブル挿通孔9、前方の前方締付盤7aの締付盤ケーブル挿通孔11にそれぞれケーブル3を挿通し、それから、シールブロック体6のブロック体ボルト挿通孔10および締付盤7の締付盤ボルト挿通孔12にそれぞれ締付ボルト8を挿入して、締付盤7によりシールブロック体6が締め付けられる(図2参照)。これにより、締付盤7により軟直角分割シールブロック体6a、6c、6eが径方向に膨張拡大され、管路2の内周面に強く圧接される(図5参照)。なお、本実施形態では、締付盤7の締付盤ボルト挿通孔12の内周面に螺子孔を刻設して、締付ボルト8で締め付けるようにしたが、これに限らず、ボルト挿通孔12の内周面に螺子孔を刻設せず、締付ボルト8とナット(図示略)により締め付けるようにしてもよい。
図3(a)に示すように、ぞれぞれ2つに分割されている硬直角分割シールブロック体6b、6dと軟直角分割シールブロック体6a、6c、6eは、挿入方向のそれぞれの分割位置を異ならして管路2内に配置されている。具体的には、硬直角分割シールブロック体6b、6dのブロック体ボルト挿通孔10と軟直角分割シールブロック体6a、6c、6eのブロック体ボルト挿通孔10とを1つずつずらして管路2内に配置されている。そして、締付盤7の挿入方向の分割位置と硬直角分割シールブロック体6b、6dの分割位置を略同一にして管路2内に配置されている。このように、締付盤7の挿入方向の分割位置と硬直角分割シールブロック体6b、6dの挿入方向の分割位置を略同一にしているので、締付盤7の締付力が直接硬直角分割シールブロック体6b、6dに伝わり、締付盤7の締付力を硬直角分割シールブロック体6b、6dに効率よく伝えることができる。また、硬直角分割シールブロック体6b、6dの分割位置と軟直角分割シールブロック体6a、6c、6eの分割位置を異ならしているので、硬直角分割シールブロック体6b、6dの締付力が隣りの軟直角分割シールブロック体6a、6c、6eに伝達し、軟直角分割シールブロック体6a、6c、6eに部分的な応力分布が生じないようにすることができる。これにより、軟直角分割シールブロック体6a、6c、6e内の締付力の応力分布差が少なくなり、シールブロック体6の止水効果を向上させることができる。また、2つに分割された分割締付盤に4つの締付盤ボルト挿通孔12およびそれら締付盤ボルト挿通孔12に対応して設けられたブロック体ボルト挿通孔10に締付ボルト8を挿通することにより、部分的な応力分布を生じさせず、分割締付盤7全体に締付ボルト8の締付力を満遍なく伝えることができ、軟直角分割シールブロック体6a、6c、6e内の締付力の応力分布差をさらに少なくすることができる。
次に、シールブロック体6が締付ボルト8により前後方向に締め付けられた状態で、ケーブル3が熱伸縮してブロック体ケーブル挿通孔9内を長手方向に移動する場合について図6を参照にして説明する。ここで、図6(a)はケーブルが熱伸縮していない状態を示す図であり、図6(b)はケーブルが冷えて縮んだ場合の軟直角分割シールブロック体の変形状態を示す図であり、図6(c)はケーブルが熱で伸びた場合の軟直角分割シールブロック体の変形状態を示す図である。
シールブロック体6が締付ボルト8により前後方向に締め付けられた状態で、ケーブル3が熱伸縮してブロック体ケーブル挿通孔9内を長手方向に移動すると、軟直角分割シールブロック体6a、6c、6eもケーブル3の移動に伴って移動する。この場合、軟直角分割シールブロック体6a、6c、6eの円周面のケーブル3に接触した部分はケーブル3に引き摺られ、ケーブル3の外周面と硬直角分割シールブロック体6b、6dの円周面の間に入り込む。本実施形態では、ケーブル3が熱伸縮してブロック体ケーブル挿通孔9内を長手方向に移動し、軟直角分割シールブロック体6a、6c、6eの円周面がケーブル3の外周面と硬直角分割シールブロック体6b、6dの円周面の間に入り込んでも、硬直角分割シールブロック体6b、6dの厚み幅をその隣りの軟直角分割シールブロック体6a、6c、6eの厚み幅より大きくしているので、隣の硬直角分割シールブロック体6b、6dのさらに隣の軟直角分割シールブロック体6a、6c、6eに衝突しにくくなり、軟直角分割シールブロック体同士が衝突することにより軟直角分割シールブロック体6a、6c、6eの周面が傷つけられにくくなる。これにより、シールブロック体6の周辺からの漏水を防止することができる。
次に、本発明のケーブル用管路口の止水装置の第2の実施形態について説明する。図7は本発明の第2の実施形態におけるケーブル用管路口の止水装置の分解斜視図であり、図8(a)は同ケーブル用管路口の止水装置の側面図であり、図8(b)は 同ケーブル用管路口の止水装置の正面図であり、図9は同ケーブル用管路口の止水装置のシールブロック体の正面図であり、図10は同ケーブル用管路口の止水装置を管路に取付けた状態を示す一部断面図である。ここで、第1の実施形態では電気を送電するたとえば単芯の送電ケーブル(CVケーブル)に用いられるケーブル用管路口の止水装置1について説明したが、第2の実施形態では電気を送電する3芯の送電ケーブル(CVTケーブル)に用いられるケーブル用管路口の止水装置21について説明する。なお、第2の実施形態では、第1の実施形態と異なる部分についてのみ説明する。
ケーブル23は、3本のケーブルに撚りを加えて一体化させた3芯の送電ケーブル(CVTケーブル)である。そして、シールブロック体26には、3芯のケーブル23の撚りに合わせて内周面に穴が形成されたブロック体ケーブル挿通孔29が設けられ(図7、図9参照)、また、締付盤27(前方締付盤27a、後方締付盤27b)には、3芯のケーブル23が挿通される締付盤ケーブル挿通孔31が設けられている(図7、図8(b)参照)。
そして、後方の後方締付盤27bの締付盤ケーブル挿通孔31、シールブロック体26のブロック体ケーブル挿通孔29、前方の前方締付盤27aの締付盤ケーブル挿通孔31にそれぞれケーブル23を挿通し、それから、シールブロック体26のブロック体ボルト挿通孔30および締付盤27の締付盤ボルト挿通孔32にそれぞれ締付ボルト8を挿入して、締付盤27によりシールブロック体26が締め付けられる(図7参照)。この3芯のケーブル23の中心部の隙間には芯材(図示略)が挟持され、3芯のケーブル23の隙間から漏水するのを防止している(図8(b)参照)。これにより、締付盤27により軟直角分割シールブロック体26a、26c、26eが径方向に膨張拡大され、管路2の内周面に強く圧接される(図10参照)。このように構成されたケーブル用管路口の止水装置21においても、第1の実施形態と同様の作用効果を奏する。
今回開示された実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 ケーブル用管路口の止水装置
2 管路
3 ケーブル
4 管路口
5 マンホール
6 シールブロック体
7 締付盤
8 締付ボルト
9 ブロック体ケーブル挿通孔
10 ブロック体ボルト挿通孔
11 締付盤ケーブル挿通孔
12 締付盤ボルト挿通孔
21 ケーブル用管路口の止水装置
23 ケーブル
26 シールブロック体
27 締付盤
29 ブロック体ケーブル挿通孔
30 ブロック体ボルト挿通孔
31 締付盤ケーブル挿通孔
32 締付盤ボルト挿通孔
33 熱伸縮吸収部
34 ケーブル接続部
35 管路挿入阻止部材

Claims (4)

  1. 管路内にケーブルが敷設され、その管路の管路口を止水するケーブル用管路口の止水装置であって、
    ケーブルを挿通させるブロック体ケーブル挿通孔および締付ボルトを挿通させるブロック体ボルト挿通孔が設けられ、挿入方向と直角方向に少なくとも3つ以上に所定の厚み幅で分割された状態で管路内に配置されるゴム製のシールブロック体と、
    該シールブロック体の前後に備えられ、ケーブルを挿通させる締付盤ケーブル挿通孔および前記締付ボルトを挿通させる締付盤ボルト挿通孔が設けられた締付盤と、を有し、
    前記シールブロック体は、挿入方向と直角方向に分割された直角分割シールブロック体のそれぞれ隣り合う直角分割シールブロック体のゴム硬度を隣りの直角分割シールブロック体のゴム硬度より硬く、軟らかくと交互に配列させ、
    隣りの直角分割シールブロック体よりゴム硬度が硬い硬直角分割シールブロック体の厚み幅を該隣りのゴム硬度が軟らかい軟直角分割シールブロック体の厚み幅より大きくすることにより、軟直角分割シールブロック体のケーブルに接触した部分が隣の硬直角分割シールブロック体のさらに隣の軟直角分割シールブロック体に衝突しにくくなり、軟直角分割シールブロック体の周面が傷つけられず、シールブロック体の周辺からの漏水をなくすることができることを特徴とするケーブル用管路口の止水装置。
  2. 前記シールブロック体および前記締付盤は、挿入方向にそれぞれ2つ以上に分割され、
    前記硬直角分割シールブロック体と前記軟直角分割シールブロック体は、挿入方向の分割位置を異ならして管路内に配置され、
    前記締付盤の挿入方向の分割位置と前記硬直角分割シールブロック体の挿入方向の分割位置を略同一にして管路内に配置させることを特徴とする請求項1記載のケーブル用管路口の止水装置。
  3. 前記締付盤は、挿入方向に分割されたそれぞれの分割締付盤に2つ以上の前記締付盤ボルト挿通孔が設けられ、
    前記分割締付盤に2つ以上設けられた前記締付盤ボルト挿通孔およびそれら締付盤ボルト挿通孔に対応して設けられた前記ブロック体ボルト挿通孔に前記締付ボルトを挿通させることにより前記締付盤を介し前記シールブロック体が圧接されることを特徴とする請求項2記載のケーブル用管路口の止水装置。
  4. 前記硬直角分割シールブロック体は、ゴム硬度が略70度の直角分割シールブロック体であり、
    前記軟直角分割シールブロック体は、ゴム硬度が略30度の直角分割シールブロック体であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のケーブル用管路口の止水装置。



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