JP5997591B2 - 低温収縮性オーバーラップ包装用フィルム - Google Patents
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Description
[1]エチレン−酢酸ビニル共重合体を50質量%以上含む両表面層(I)と、密度が0.880〜0.939g/cm3のエチレン−α−オレフィンランダム共重合体(A)を20〜90質量%、融解ピーク温度が120℃以下であるエチレン−α−オレフィンブロック共重合体(B)を5〜40質量%、190℃における溶融張力が60〜200mNのポリオレフィン系樹脂(C)を5〜40質量%含む芯層(II)と、の少なくとも3層から構成された低温収縮性オーバーラップ包装用フィルム。
[2]上記ポリオレフィン系樹脂(C)は、酢酸ビニル含有量が5〜40%のエチレン酢酸ビニル共重合体及び高圧法低密度ポリエチレンからなる群から選ばれる少なくとも1種を含む、[1]に記載の低温収縮性オーバーラップ包装用フィルム。
[3]100℃における加熱収縮応力が250g/cm2以下である[1]又は[2]に記載の低温収縮性オーバーラップ包装用フィルム。
[4]少なくとも一つの層が架橋されている[1]〜[3]のいずれか一つに記載の低温収縮性オーバーラップ包装用フィルム。
本実施の形態において、両表面層(I)は、エチレン−酢酸ビニル共重合体を50質量%以上含めばよい。エチレン−酢酸ビニル共重合体は酢酸ビニルに由来するヒートシール性、防曇剤の保持性に優れており、表面層に使用するのに好適である。
本実施の形態において、芯層(II)は、密度が0.880〜0.939g/cm3のエチレン−α−オレフィンランダム共重合体(A)を20〜90質量%、融解ピーク温度が120℃以下であるエチレン−α−オレフィンブロック共重合体(B)を5〜40質量%、かつ190℃における溶融張力が60〜200mNのポリオレフィン系樹脂(C)を5〜40質量%含んでなる。
本実施の形態において、滑り性や防曇性を改善する観点で、添加剤としてグリセリン系脂肪酸エステルを両表面層(I)及び/又は芯層(II)に配合することが好ましい。
本実施の形態の低温収縮性オーバーラップ包装用フィルムの製造方法としては、ダイレクトインフレーション法、ダブルバブルインフレーション法、トリプルバブルインフレーション法、テンター法が挙げられる。
本実施の形態において、自動包装機による包装工程の一例について説明する。
沸騰p−キシレン中で試料を12時間抽出し、不溶解部分の割合を次式により計算により求めた。フィルムの架橋度の尺度として用いた。
ゲル分率(質量%)=(抽出後の試料の質量/抽出前の試料の質量)×100
ASTM D2732に準拠して熱収縮率を測定した。フィルムを流れ(MD)方向、幅(TD)方向にそれぞれ10cm×10cmとなるようにサンプリングを行い、100℃に設定した熱風乾燥機を用いて、30分間自由収縮させた。3回測定を行い、TDの熱収縮率を各3回測定し、平均値を求めた。
ASTM D2838に準拠して最大熱収縮応力(加熱収縮応力)を測定した。フィルムを幅10mm、長さ50mmのサイズに切り出し、100℃で保温されたオイルバス中に浸漬し、TD方向の最大熱収縮応力を各3回測定し、平均値を求めた。
得られたフィルムを380mm巾にスリットし、大森機械工業株式会社製の「STC−N2(商品名)」を用いて、PSPトレー(株式会社エフピコ製 エコFLB−A15−35 W)に、鶏肉(200g)を入れたものを各30個包装した。
(1)カットバック性
フィルム切断時のカットバック性の評価として、フィルムカット部が綺麗に折り畳まれて密着しているものを○、先端が捲れているものを△、フィルムカット部が大きく捲れ上がっているものを×とした。
(2)底シール性
底シール性の評価として、包装後にフィルムカット部のめくれがないもののみを抑えベルトで抑えながら、150℃まで加熱した熱板上を通過させて、底シールを行った。完全シール出来ているものを○、部分的にシール出来ているものを△、容易に剥がせるものを×とした。
(3)トレー変形評価
底シールまで完了した包装体を115℃の温度に設定した熱風シュリンクトンネルに1.5秒間、通過させたのち、トレーが割れていないか評価した。トレーが割れておらず、トレーの幅に対して、トレーの変形量が5%未満のものを○、トレーが割れていないが変形量が5%以上のものを△、トレーが割れているものを×とした。
上記評価の全てが○であったものをA、△が1つ以上あったものをB、×が1つ以上あったものをCとして、総合評価した。
前記自動包装機適性の評価で得られた包装体の中央に、直径15mmの金属丸棒(先端が半径7.5mmの半球)をトレー上面から、20mmの深さまで、1000mm/minの一定速度で押込み、同速度で引き抜いた。引き抜いた直後から押込みによって生じた押し痕が消えるのに要した時間を復元時間とした。なお、内容物は押込みの妨げとならないよう、粘土をトレーの角へ入れたものを用いた。
「エチレン−酢酸ビニル共重合体」
・EVA1 NUC3758 (酢酸ビニル含有量=15質量%、MFR=2.2g/cm3)(日本ユニカー社製)
「エチレン−α−オレフィンランダム共重合体」
・LLDPE1 ユメリット0520F (α−オレフィンコモノマー=ヘキセン、密度=0.905g/cm3、MFR=2.0g/10分)(宇部丸善ポリエチレン製)
エチレン−α−オレフィンランダム共重合体(A)
・LLDPE2 エチレン−α−オレフィンランダム共重合体 (α−オレフィンコモノマー=ヘキセン、密度=0.903g/cm3、MFR=1.0g/10分)(プライムポリマー社製 エボリューSP0510(商品名))
・LLDPE3 エチレン−α−オレフィンランダム共重合体 (α−オレフィンコモノマー=オクテン、密度=0.905g/cm3、MFR=0.8g/10分)(ダウケミカル社製 アテイン4203(商品名))
・LLDPE4 エチレン−α−オレフィンランダム共重合体 (α−オレフィンコモノマー=オクテン、密度=0.926g/cm3、MI=2.0g/10分)(ダウケミカル社製 ダウレックス2032(商品名))
・B−LLDPE エチレン−α−オレフィンランダム共重合体(バイオマス) (α−オレフィンコモノマー=ブテン/ヘキセン、密度=0.918g/cm3、MFR=1.0g/10分)(Braskem社製 Green Polyethylene Biopolymer SLH118(商品名))
・VLDPE1 エチレン−α−オレフィンランダム共重合体(α−オレフィンコモノマー=オクテン、密度=0.868g/cm3、MI=0.5g/10分)(ダウケミカル社製 アフィニティ EG8150(商品名))
・OBC1 エチレン−α−オレフィンブロック共重合体(オレフィンブロックコポリマー) (α−オレフィンコモノマー=オクテン、密度=0.866g/cm3、MFR=0.5g/10分、融点=120℃)(ダウケミカル社製 Infuse D9000(商品名))
・OBC2 エチレン−α−オレフィンブロック共重合体(オレフィンブロックコポリマー) (α−オレフィンコモノマー=オクテン、密度=0.866g/cm3、MFR=1.0g/10分、融点=120℃)(ダウケミカル社製 Infuse D9107(商品名))
・LD1 高圧法低密度ポリエチレン(密度=0.922g/cm3、MFR=0.2g/10分、190℃における溶融張力=175mN)(旭化成ケミカルズ社製 サンテックLD M2102(商品名))
・LD2 高圧法低密度ポリエチレン(密度=0.921g/cm3、MFR=1.5g/10分、190℃における溶融張力=80mN)(旭化成ケミカルズ社製 サンテックLD M2115(商品名))
・EVA1 エチレン−酢酸ビニル共重合体 (酢酸ビニル含有量=15質量%、MFR=2.2g/cm3、190℃における溶融張力=55mN)(日本ユニカー社製 NUC3758(商品名))
・EVA2 エチレン−酢酸ビニル共重合体 (酢酸ビニル含有量=15質量%、MFR=1.0g/cm3、190℃における溶融張力=115mN)(ダウケミカル社製 NUC8452D(商品名))
・Ad1/Ad2=1/1
・Ad1 グリセリンモノオレート(理研ビタミン社製 リケマール(登録商標)OL−100)
・Ad2 ジグリセリンオレート(理研ビタミン社製 リケマール(登録商標)O−71D)
・Ad1/Ad2/Ad3=4/5/1
・Ad1 グリセリンモノオレート(理研ビタミン社製 リケマール(登録商標)OL−100)
・Ad2 ジグリセリンオレート(理研ビタミン社製 リケマール(登録商標)O−71D)
・Ad3 ポリオキシエチレンアルキルエーテル(理研ビタミン社製 リケマール(登録商標)B−205)
実施例及び比較例における低温収縮性オーバーラップ包装用フィルムは、下記の方法により製造した。すなわち、両表面層(I)の押出機には、両表面層(I)を形成するための樹脂を供給し、芯層(II)の押出機には、芯層(II)を形成するための樹脂を供給し、各押出機において、所定の添加剤を注入ポンプで所定量注入しながら混合溶融を行った。この混合溶融された樹脂をそれぞれ環状ダイに供給し、このダイで積層化し共押出しした。環状ダイ直下で、ダイから吐出された溶融樹脂は第1バブルを形成しながら、冷却水で急冷したあとピンチロールでピンチし、無延伸状の原反を採取した。
[実施例1]
EVA1を97質量%、添加剤としてグリセリンモノオレートAd1とジグリセリンオレートAd2とを1:1の割合で混合した添加剤1を3.0質量%含有する樹脂組成物を両表面層(I)を形成するための第一の樹脂組成物とした。また、(A)として、エチレン−α−オレフィンランダム共重合体LLDPE2を59質量%、(B)として、エチレン−α−オレフィンブロック共重合体OBC1を20質量%、(C)として、高圧法低密度ポリエチレンEVA2を20質量%、及び、グリセリンモノオレートAd1とジグリセリンオレートAd2とを1:1の割合で混合した添加剤1を1.0質量%含有する樹脂組成物を、芯層(II)を形成するための第二の樹脂組成物とした。これら第一の樹脂組成物及び第二の樹脂組成物を用いて、表面層(I)/芯層(II)/表面層(I)の各層厚み比率が15/70/15%となるように環状ダイを用いて押出した。
各層を形成するための樹脂、添加剤及びその比率を表1及び表2に示すとおりに変更したこと以外は、実施例1の条件と同様にして、厚み10〜15μmのフィルムを得た。なお、延伸倍率は実施例1と同一とし、延伸前のチューブ状延伸原反の厚みにより、フィルムの厚みを適宜調整した。
照射線量を表6記載の条件に変えた以外は、実施例1と同様にして、厚み11μmのフィルムを得た。得られたフィルムの評価結果を表6に示す。
各層を形成するための樹脂及びその比率を表3及び表4に示すとおり変更したこと以外は、実施例1の条件と同様にして11μmのフィルムを得た。なお、比較例5〜8は請求項1と同じ架橋条件では延伸が安定しなかったため、100kGyの照射線量で架橋処理を行った。
Claims (3)
- エチレン−酢酸ビニル共重合体を50質量%以上含む両表面層(I)と、
密度が0.880〜0.939g/cm3のエチレン−α−オレフィンランダム共重合体(A)を20〜90質量%、融解ピーク温度が120℃以下であるエチレン−α−オレフィンブロック共重合体(B)を5〜40質量%、190℃における溶融張力が60〜200mNのポリオレフィン系樹脂(C)を5〜40質量%含む芯層(II)と、の少なくとも3層から構成され、
少なくとも一つの層が架橋されており、
フィルム全体のゲル分率が3〜50質量%である、低温収縮性オーバーラップ包装用フィルム。 - 前記ポリオレフィン系樹脂(C)は、酢酸ビニル含有量が5〜40%のエチレン酢酸ビニル共重合体及び高圧法低密度ポリエチレンからなる群から選ばれる少なくとも1種を含む、請求項1に記載の低温収縮性オーバーラップ包装用フィルム。
- 100℃における加熱収縮応力が250g/cm2以下である、請求項1又は2に記載の低温収縮性オーバーラップ包装用フィルム。
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