JP5987550B2 - 画像処理装置および画像処理方法および画像形成装置 - Google Patents
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Description
これらの画像形成装置では、形成すべき画像のデータを入力画像データとして、画像形成を行なう。
入力画像データは、原稿をスキャナで読取って得られた読取データであることも、コンピュータ等で生成されたものや、通信回線を介して得られるものであることもある。
特許文献2に記載された発明では、再生すべき画像は「内臓のX線写真画像」であり、所望の観察部分の強調に成功している。
空間周波数:kの範囲:
0.0<k<1.0[cycle/mm]
に対して強調を行なうことを特徴とする。
0.0 < k < 1.0 [cycle/mm]
に対して空間周波数成分の強調を行なう工程を含むことを特徴とする。
0.0 < k < 1.0 [cycle/mm]
に対して空間周波数成分の強調」を行なう。
図1、図2を参照して、第1の実施の形態を説明する。
図1は、該実施の形態の画像処理装置を説明図的に示している。
この実施の形態では、画像処理装置10は、強調方向決定部12と、強調処理部14とを有する。
これらは、実体としてはコンピュータとして構築でき、強調方向決定部12と、強調処理部14は、コンピュータプログラムとして設定できる。
画像処理されたデータは出力画像データとして生成されるが、出力画像データは「汎用形式(この例ではTIF形式)の画像データ」としてファイル出力される。
強調方向決定部12では、先ず、入力画像データのRGBの各色成分に対し、窓関数である「ハニング窓」を積算し、その結果に対して「離散フーリエ変換」を行なう。
次に、算出された「g(x,y)」に対してDFTを実行し、2次元の空間周波数スペクトラム:G(u,v)を次の式(2)により算出する。
解像度:Rは、ディスプレイなどに表示するサイズ(あるいは印刷出力するサイズ)によって決定されるため、画像データからだけでは一義的には決定されない。
なお、解像度:Rの値は、これ以外の値であってもよく、ディスプレイ表示や印刷出力を想定して、解像度の値を指定して決定するようにしても良い。
なお、DFT演算を用いているので、角:θは離散値で、間隔も不均一である。
従って、実際の計算では「0≦θ<2πの範囲を360区間に分割」し、各分割区間に属するθの値をもつ空間周波数スペクトラムを全て加算することで算出を行なった。
このGl(θm)から、次工程で行なう「異方的な空間周波数成分の強調」を行う際に必要となる、強調パラメータを決定する。
このように計算される「Sθn」を、相互に比較し「Sθnの値が最大となるθn」を、強調パラメータ:φd(より大きな強調を行う強調方向)として決定する。
この決定は「Gl(θm)が大きな値を持つ方向においてSθnの値が大きくなる」という関係を用いて、強調パラメータ:φdを決定している。
即ち、次工程の空間周波数強調処理では「Gl(θm)が大きな値を持つ方向に、より大きな強調」を行う。
例えば、より単純にGl(θm)が「最大値や極大値をもつ方向」そのものを、強調パラメータ:φdとしても良い。
しかし、Gl(θm)は一般に「短周期で大きな波状の振動を繰り返す」ことが多く、単純な最大値や極大値では、より全体的なGl(θ)の傾向を抽出できない場合もある。
「R」は先の説明と同じく解像度でdpi単位であり、式中の「25.4」は1インチが25.4mmに対応することに基づく。
即ち、強調係数:αkは、以下の式(12)のように与えられる。
強調係数:αkは、入力画像データに応じて強調方向決定部12で決定されるものであるが、説明の簡単のため、図2において、強調パラメータ:φd=π/2とした。
式(12)による強調方法では「偏角:φが強調パラメータ:φdと一致する方向」において強調量が最大である。
このため強調係数:αkも繰返し周期がπとなるように設定している。
以下の式(13)は、逆DFTの演算式である。
また、色成分に関してもRGB色空間に限定されるものではなく、RGB以外の色空間でも良く、1画素あたりのデータ量も16bit以外のデータ量でも良い。
即ち、上には、強調処理を行う画像データがRGB色空間の画像データ形式であるとして説明したが、CMYK、XYZやLabなどの画像データ形式でも良い。
上記の如くする代わりに、例えば「特定周波数領域の強調処理を行うフィルタ」を作成して「入力画像データとのコンボリューションをとる」ようにすることも考えられる。
そして、比較的大きな空間周波数成分を有する方向を「強調パラメータ」として決定する。
発明者は、多くの画像において「画像の空間周波数成分が大きくなる方向が、画像の陰影の方向と一致」することを確認した。
図1の画像処理装置を用いて「入力画像の2次元の空間周波数スペクトラムの円周方向において強調量を異ならせて、空間周波数成分の強調を行なう」効果を検証した。
この目的に即して、図2〜図5は「強調変数:αkの平均値」が、全て1.3に等しくなるように強調変数を生成した。
図3、図4は、図2の場合に比して「強調量を大きくする領域」を狭くし、強調量自体を大きくする操作に対応している。
即ち、図2では、強調変数:αkの平均値は1.3、最大値は1.5、最小値は1.1である。
強調変数:αkは、図3では平均値:1.3、最大値:1.7、最小値:1.1、図4では平均値:1.3、最大値:1.9、最小値:1.1となるように設定した。
これ等の画像は、油絵、タイル、カーテンといった「質感や凹凸感のある対象物」の撮影画像や、風景や人物の撮影画像(所謂自然画)である。
なお、使用したディスプレイは「ColorEdge CG221(ナナオ社製 商品名)」である。
即ち、前述した画像の解像度(解像度:300dpi)と入力画像データの画素数(pix)とから画像サイズ(cm、mmなど)を決定した。
「質感および凹凸感(立体感)の向上の有無」は「向上した画像が多い」ほど好ましく、「違和感発生の有無」は「違和感の発生した画像が少ない」ほど好ましいとした。
即ち、「質感および凹凸感(立体感)の向上」と「違和感が発生しない」の2項目を両立させるのは「空間周波数成分の異方的な強調」を行う場合である。
強調処理部14は、図1に示した画像処理装置10における強調処理部14と同様のものである。
強調方向入力手段22から入力された強調パラメータ:φdは、強調方向指示手段24により、強調処理部14に送られる。
強調処理部14は、支持された強調パラメータ:φdに基づいて、先述の実施の形態におけると同様の強調処理を行う。
このような場合、強調パラメータ:φd(入力画像の陰影が強調される方向)が異なることが多い。
先に説明した、第1の実施の形態の画像処理装置10を用い、強調処理部14において「強調処理を行う空間周波数範囲」を変化させて比較をおこなった。
即ち、前述の式(12)を適用する「空間周波数:kの範囲」を変更して「入力画像から出力画像への変換」をおこなった。
なお、式(12)を適用する空間周波数:kの範囲に応じて、式(5)または(6)での「kについての和」をとる範囲を、変更した空間周波数:kの範囲と一致させた。
即ち、質感や凹凸感のある対象物(油絵、タイル、カーテン)を対象とした撮影画像および風景や人物を対象とした自然画の、合計20種類の入力画像である。
すなわち、評価項目は「質感および凹凸感(立体感)が向上の有無」および「違和感発生の有無」とした。
評価方法は「出力画像と入力画像を同時にディスプレイに表示し、両者を目視で比較する目視評価」により行った。
[cycle/mm]以上となると、対象物表面の比較的細かな凹凸感の向上が認められる。
しかし、このような「比較的細かな凹凸感の向上」は、単純な濃淡の強調のように見え、質感や凹凸感(立体感)の向上には結びつかない。
また、強調後のL成分L’と「強調しないままのab成分」を用いて、RGB形式のデータへ変換した後に出力画像データとする。
ここでは、第4の実施の形態として、以下のものを説明する。
RGB色空間からHSV色空間への変換は次の式(15)によって行われる。
この合成は、LSH分割部における分割演算の逆演算に当たるものであり、良く知られている。
Lab色空間における「ab成分は色に関係する成分」であり、「Lが明るさに関係する成分」である。
これ等のH、S、V成分のうち「HS成分は色に関係する成分」であり、明るさに関係する成分はV成分である。
第3及び第4の実施の形態では、RGB色空間から変換されたLab色空間またはHSV色空間において「明るさに関係するL成分、V成分のみ」を強調処理の対象とする。
即ち、RGB色空間の画像データの「RGB全ての色成分」に前述の強調処理を施した場合を「基準の場合」とする。
HSV色空間の画像データとへと変換し、V成分のみの強調処理を施した場合を「場合:V」とする。
上の実施の各形態において、最も計算時間が長くなるのは「DFTと逆DFT」の演算であり、基準の場合では、この演算をRGBの3成分全てに行う。
場合:Lや場合:Vでは、Labのうち1成分(L成分)あるいはHSVのうちのV成分のみに対して行うために、計算時間が大幅に短縮されるのである。
前述の如く、対象物の凹凸感や立体感は「陰影に関連する明るさ成分を強調する」ことで実現できる。
HSV色空間は、「明るさ成分:Vと色成分HSとの分離」が比較的良好であり、陰影に起因する明るさの変化のみを良好に強調するのに適している。
第1の実施の形態における画像処理装置10を用い、以下の検証実験3を行った。
検証実験3は、強調処理部14において用いられる強調係数:αkの最大値:αkmaxの大きさの意義に関するものである。
強調係数の最大値:αkmaxは、強調係数:αkを図2のように図示した場合の、最大値:1.5)に相当する。
検証実験3においても、入力画像としては検証実験1におけるものを用いた。
即ち、質感や凹凸感のある対象物(油絵、タイル、カーテン)を対象とした撮影画像および風景や人物を対象とした自然画の、合計20種類の画像である。
強調係数:αkmaxを「1.2〜4.0の範囲で変更」するには、式(12)における式
αk=1.0+(0.3+0.2×cos(2(φ―φd)))
における計数「0.3と0.2」を調整して行う。
強調係数:αkmaxを1.2以上に設定すると、強調係数:αkmaxの増大とともに「質感および凹凸感(立体感)」は増加した。
αkmax≧1.2、かつ、αkmax≦3.0
であることが理解される。
以下に、第5の実施の形態を説明する。
この第5の実施の形態は、第1の実施の形態の画像処理装置における強調処理部14に、以下の機能を持たせることにより実施できる。
即ち、強調係数:αkに「強調をおこなう空間周波数範囲において空間周波数:k」に対する依存性を持たせる機能である。
kmax=0.0[cycle/mm]および、kmax=1.0[cycle/mm]
である。
そして、ファイル出力部において、強調後の画像データに基づき、汎用形式であるTIFデータを生成し、出力画像データとして、外部記憶装置へファイル出力を行う。
このようにすることにより、強調処理の結果が「より自然な感じ」となり、強調処理によって生じた「画像濃淡の増加に対する違和感」が有効に軽減される。
つまり、質感や凹凸感(立体感)の向上以外の画質項目に良好な影響を作用し、単なる強調画像として覚知される副作用が低減される。
そして、コンタクトガラス31の下部に配置された、図示されない照明手段により「図面に直交する方向に長いスリット状部分」を照明される。
第1走行体33の走行速度は「V」、第2走行体34の走行速度は「V/2」である。
第1、第2走行体の移動速度比は「V:V/2」であるので「照明走査される原稿部分から画像読取レンズに至る光路長」は不変に保たれる。
そして、原稿32の照明走査に伴い、原稿画像を画像信号化する。
このようにして原稿32の読取りが実行され、原稿32のカラー画像は、RGBの3原色に色分解して読取られる。
画像処理部120は、ラインセンサ36からの入力信号を「入射画像データ」とし、画像形成に必要な「出力画像データ」に変換する。
感光体110の周囲には、帯電ローラ111、現像装置113、転写ベルト114、クリーニング装置115が配設されている。
光走査装置117は、画像処理部120から書込み用の信号(出力画像データ)を受けて光走査により感光体110に書込みを行う。
形成された静電潜像はリボルバ式の現像装置113の各現像ユニットR、G、B、Kにより順次反転現像されてポジ画像として可視化される。
得られた各色トナー画像は、転写電圧印加ローラ114Aにより、転写ベルト114上に順次転写される。
給紙された転写紙Sはその先端部をタイミングローラ対1190に捕えられる。
送り込まれた転写紙Sは、転写部においてカラー画像と重ね合わせられ、転写ローラ114Bの作用によりカラー画像を静電転写される。
転写ローラ114Bは、この転写の際に転写紙Sをカラー画像に押圧させる。
各色トナー画像が転写されるたびに、感光体110の表面はクリーニング装置115によりクリーニングされ、残留トナーや紙粉等が除去される。
上に説明した画像形成プロセスでは、ラインセンサ36から出力されるRGB形式の画像信号が入力画像データとして画像処理部120に入力する。
従って「入力画像」は、原稿32を撮像した画像である。
そして、光走査装置117に入力され、感光体110の書込みに供される。
画像処理部120にはまた、外部機器(コンピュータ等)からの画像信号も「入力画像データ」として入力可能であり、このデータに対しても前述の強調処理を実行できる。
このように、画像処理部120から出力される出力画像データは、空間周波数領域における空間周波数スペクトラムの異方的な周波数強調処理を受けている。
12 強調方向決定部
14 強調処理部
20 画像処理装置
22 強調方向入力手段
24 強調方向支持手段
30 画像処理装置
32 Lab分割部
34 RGB合成部
120 画像処理部
200 画像読取装置
Claims (11)
- 入力画像データに対して画像処理を行って出力画像データを生成する画像処理装置において、
画像処理の処理内容として、入力画像の空間周波数強調処理を含み、
前記空間周波数強調が、入力画像に対する2次元の空間周波数スペクトラムの円周方向において強調量を異ならせて、空間周波数成分の強調を行なうものであり、
空間周波数:kの範囲:
0.0 < k < 1.0 [cycle/mm]
に対して強調を行なうことを特徴とする画像処理装置。 - 請求項1記載の画像処理装置において、
入力画像の2次元の空間周波数スペクトラムの円周方向の分布を算出し、
算出された分布において、大きい空間周波数成分をもつ方向の強調量を大きくすることを特徴とする画像処理装置。 - 請求項1記載の画像処理装置において、
空間周波数成分の強調における、強調量が大きくなる方向を指示する強調方向指示手段を有する画像処理装置。 - 請求項1〜3の任意の1に記載の画像処理装置において、
3以上の色成分を有するカラー画像データを入力画像データとし、入力されたカラー画像データを入力画像とは異なる色空間に変換し、変換後の色成分のうちの2以下の色成分についてのみ、空間周波数強調処理を行い、
該空間周波数強調処理後に、入力画像と同じ色空間へ戻す変換を行なうことを特徴とする画像処理装置。 - 請求項4記載の画像処理装置において、
入力されたカラー画像データをLab色空間に変換し、変換後のL成分に対してのみ空間周波数強調処理を行ったのち、処理後のLab空間の画像データを、入力されたカラー画像と同じ色空間へ戻す変換を行なうことを特徴とする画像処理装置。 - 請求項4記載の画像処理装置において、
入力されたカラー画像データをHSV色空間に変換し、変換後のV成分に対してのみ空間周波数強調処理を行ったのち、処理後のHVS空間の画像データを、入力されたカラー画像と同じ色空間へ戻す変換を行なうことを特徴とする画像処理装置。 - 請求項1〜6の任意の1に記載の画像処理装置において、
空間周波数強調処理は、強調すべき空間周波数成分に強調係数:αkmaxを乗ずる処理であり、
前記強調係数:αkmaxが、条件:
1.2 ≦ αkmax ≦ 3.0
を満足することを特徴とする画像処理装置。 - 請求項1〜6の任意の1に記載の画像処理装置において、
空間周波数強調処理は、強調すべき空間周波数成分に強調係数:αkを乗ずる処理であり、前記強調係数:αkは、強調処理を行う空間周波数範囲の中間波長領域での値が、前記空間周波数範囲の上限近傍及び下限近傍の各値よりも大きい値を有することを特徴とする画像処理装置。 - 請求項1〜8の任意の1に記載の画像処理装置を有し、該画像処理装置により処理された出力画像により画像形成を行なうことを特徴とする画像形成装置。
- 入力画像データに対して画像処理を行って出力画像データを生成する画像処理方法において、
画像処理の処理内容として、入力画像の空間周波数強調処理を含み、
前記空間周波数強調が、入力画像に対する2次元の空間周波数スペクトラムの円周方向において強調量を異ならせて、空間周波数:kの範囲:
0.0 < k < 1.0 [cycle/mm]
に対して空間周波数成分の強調を行なう工程を含むことを特徴とする画像処理方法。 - 請求項10記載の画像処理方法において、
空間周波数強調処理が、強調すべき空間周波数成分に強調係数:αkを乗ずる処理であり、前記強調係数:αkは、強調処理を行う空間周波数範囲の中間波長領域での値が、前記空間周波数範囲の上限近傍及び下限近傍の各値よりも大きい値を有することを特徴とする画像処理方法。
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