JP5986419B2 - 接点装置及びこれを使用した電磁開閉器 - Google Patents
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Description
例えば、所定距離だけ離間して配設されたそれぞれ固定接点を有する一対の固定接触子と、これら一対の固定接触子に接離自在に配設された左右端に可動接点を有する可動接触子と、可動接触子を駆動する電磁石装置と、可動接触子及び固定接触子を収納する囲み部材とを備え、囲み部材の外側に可動接触子と平行にアーク消弧用の永久磁石を配置した電磁開閉装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
そこで、本発明は、上記従来例の未解決の課題に着目してなされたものであり、開極時に固定接触子及び可動接触子間に発生するアークを容易に消弧することができる接点装置及びこれを使用した電磁開閉器を提供することを目的としている。
また、第1のアーク足移動促進部としてアークランナーを設け、このアークランナーを可動接触子の一対の固定接触子とは反対側に突出延長させることにより、開極時に発生するアークの足が角部に留まることなく固定接触子から離れる方向に移動されるのでアーク発生時の電界強度を大きくして再発弧を抑制し、遮断性能を向上させることができる。
この第2の態様によると、一対の固定接触子がC字状に形成されているので、一対の固定接触子に可動接触子が接触して一対の固定接触子間に可動接触子を介して電流が流れる投入状態としたときに、上面板部及び下面板部間で電流の流れる方向が逆となり、電磁反発力に抗するローレンツ力を発生することができ、これに応じて接触スプリングの付勢力を小さく設定することが可能となり、接点装置の構成を小形化することができる。
この第8の態様によると、一対の固定接触子の可動接触子に対向する接点部がアークランナーで覆われるので、開極時に発生するアークの足の移動を円滑に行うことができる。
この第4の態様によると、第2のアーク足移動促進部でも、可動接触子の電流の通流方向と直交する方向で段部に行くに従い厚みが薄くなるテーパー面、円弧面等の傾斜面が形成されているので、この傾斜面に沿ってアークの足の一対の固定接触子から離れる方向の移動が促進される。
この第5の態様によると、傾斜面がテーパー面であるので、アーク足移動促進部を有する可動接触子を容易に形成することができる。
本発明に係る接点装置の第6の態様は、前記傾斜面が、円弧状湾曲面で構成されている。
この第6の態様によると、傾斜面が円弧状湾曲面であるので、可動接触子の底面側に達するまでの間に角部が生じることがなく、アークの足の移動を容易かつ確実に行うことができる。
この構成によると、簡単な構成で開極時に発生するアークを確実に消弧して遮断性能を向上することができる電磁開閉器を提供することができる。
また、上記効果を有する接点装置を電磁開閉器に適用することにより、簡易な構成で開極時に発生するアークを容易に消弧して遮断性能を向上することができる電磁接触器、電磁継電器等の電磁開閉器を提供することができる。
図1は本発明に係る電磁開閉器を電磁接触器に適用した場合の第1の実施形態を示す断面図、図2は接点収納ケースの分解斜視図である。この図1及び図2において、10は電磁接触器であり、この電磁接触器10は接点機構を配置した接点装置100と、この接点装置100を駆動する電磁石ユニット200とで構成されている。
また、固定接点支持絶縁基板105には、中央部に後述する一対の固定接触子111及び112を挿通する貫通孔106及び107が所定間隔を保って形成されている。この固定接点支持絶縁基板105の上面側における貫通孔106及び107の周囲及び下面側における金属角筒体104に接触する位置にメタライズ処理が施されている。このメタライズ処理を行うには、平面上に複数の固定接点支持絶縁基板105を縦横に配列した状態で、貫通孔106及び107の周囲及び金属角筒体104に接触する位置に銅箔を形成する。
また、固定接触子111及び112の接点導体部115における中間板部117の内側面を覆うように、平面から見てC字状の磁性体板119が装着されている。このように、中間板部117の内側面を覆うように磁性体板119を配置することにより、中間板部117を流れる電流によって発生する磁場をシールドすることができる。
実際には、図5(a)に示すように、固定接触子111及び112を取付けた後の接点収納ケース102を、固定接点支持絶縁基板105を下側とした状態で、上方の開口部から絶縁カバー121を図5(a)〜(c)とは上下逆にした状態で、固定接触子111及び112間に挿入する。
このように、固定接触子111及び112の接点導体部115に絶縁カバー121を装着することにより、この接点導体部115の内周面では下板部118の上面側のみが露出されて接点部とされている。
この可動接触子130は、釈放状態で、両端の平坦部130aと固定接触子111及び112の接点導体部115の下板部118の平坦部118aとが所定間隔を保って離間した状態となる。また、可動接触子130は、投入位置で、両端の接点部が固定接触子111及び112の接点導体部115の下板部118の平坦部118aに、接触スプリング134による所定の接触圧で接触するように設定されている。
したがって、絶縁筒体140は、磁石収納筒体141及び142によるアーク消弧用永久磁石143及び144の位置決め機能と、アークからアーク消弧用永久磁石143及び144を保護する保護機能及び外部の剛性を高める金属角筒体104に対するアークの影響を遮断する絶縁機能を備えている。
因みに、アーク消弧用永久磁石143及び144を、図8(a)〜(c)に示すように、絶縁筒体140の外側に配置する場合には、固定接触子111及び112の接点部と可動接触子130の接点部との対向位置までの距離が長くなり、本実施形態と同一の永久磁石を適用した場合に、アークを横切る磁束密度が少なくなる。
電磁石ユニット200は、図1に示すように、側面から見て扁平なU字形状の磁気ヨーク201を有し、この磁気ヨーク201の底板部202の中央部に円筒状補助ヨーク203が固定されている。この円筒状補助ヨーク203の外側にスプール204が配置されている。
そして、スプール204の中央円筒部205内に、底部と磁気ヨーク201の底板部202との間に復帰スプリング214を配設した可動プランジャ215が上下に摺動可能に配設されている。この可動プランジャ215には、上部磁気ヨーク210から上方に突出する上端部に半径方向外方に突出する周鍔部216が形成されている。
そして、永久磁石220の上端面に、永久磁石220と同一外形で可動プランジャ215の周鍔部216の外径より小さい内径の貫通孔224を有する補助ヨーク225が固定されている。この補助ヨーク225の下面に可動プランジャ215の周鍔部216が当接されている。
なお、永久磁石220の形状は上記に限定されるものではなく、円環状状に形成することもでき、要は内周面が周鍔部216の形状に合わせた形状であれば外形は円形、多角形等の任意形状とすることができる。
そして、可動プランジャ215が非磁性体製で有底筒状に形成されたキャップ230で覆われ、このキャップ230の開放端に半径方向外方に延長して形成されたフランジ部231が上部磁気ヨーク210の下面にシール接合されている。これによって、接点収納ケース102及びキャップ230が上部磁気ヨーク210の貫通孔210aを介して連通される密封容器が形成されている。そして、接点収納ケース102及びキャップ230で形成される密封容器内に水素ガス、窒素ガス、水素及び窒素の混合ガス、空気、SF6等のガスが封入されている。
今、固定接触子111が例えば大電流を供給する電力供給源に接続され、固定接触子112が負荷に接続されているものとする。
この状態で、電磁石ユニット200における励磁コイル208が非励磁状態にあって、電磁石ユニット200で可動プランジャ215を下降させる励磁力を発生していない釈放状態にあるものとする。この釈放状態では、可動プランジャ215が復帰スプリング214によって、上部磁気ヨーク210から離れる上方向に付勢される。これと同時に、永久磁石220の磁力による吸引力が補助ヨーク225に作用されて、可動プランジャ215の周鍔部216が吸引される。このため、可動プランジャ215の周鍔部216の上面が補助ヨーク225の下面に当接している。
この釈放状態から、負荷に電力を供給するには、電磁石ユニット200の励磁コイル208を励磁し、電磁石ユニット200で励磁力を発生させて、可動プランジャ215を復帰スプリング214の付勢力及び環状永久磁石220の吸引力に抗して下降させる。この可動プランジャ215の下降が、周鍔部216の下面が上部磁気ヨーク210の上面に当接することにより停止される。
このため、外部電力供給源の大電流が固定接触子111、可動接触子130、及び固定接触子112を通じて負荷に供給される閉極状態となる。
このとき、固定接触子111及び112と可動接触子130との間に可動接触子130を開極させる方向の電磁反発力が発生する。
これによって、電磁石ユニット200で可動プランジャ215を下方に移動させる励磁力がなくなることにより、可動プランジャ215が復帰スプリング214の付勢力によって上昇し、周鍔部216が補助ヨーク225に近づくに従って環状永久磁石220の吸引力が増加する。
そして、絶縁カバー121は、嵌合部125を、固定接触子111及び112の小径部114bに係合させるだけで、固定接触子111及び112に装着することができ、固定接触子111及び112への装着を容易に行うことができる。
このとき、アークが外側のアーク消弧空間145内に引き伸ばされることにより、固定接触子111側のアークの足は、図3に示すように、平坦部118aからテーパー面118cを伝って下板部118の後端面側に素早く移動する。
したがって、固定接触子111及び可動接触子のアークの足間距離が大きく広がり、固定接触子111及び可動接触子130間にアークによって発生する金属蒸気150の影響による電界強度の低下を防止して、アーク足間の電界強度をアーク電圧以上に維持することができる。このため、固定接触子111及び可動接触子130のアーク足の近傍の電極間に再発弧が発生することを確実に防止することができ、遮断性能を向上させることができる。
因みに、固定接触子111,112及び可動接触子130がテーパー面118b,118c及び130b,130cが形成されていない平坦面であるものとすると、固定接触子111,112及び可動接触子130との間に発生したアークが固定接触子111,112及び可動接触子130のアークの足がアーク消弧用永久磁石143及び144の磁力によって消弧空間145(又は146)側に引き伸ばされたときに、平坦面と側面との角部に留まってしまう。このため、固定接触子111及び112のアークの足との距離が短いままに留まることになり、金属蒸気等によりアーク足間の電界強度がアーク電圧以下に低下することがある。この結果、アーク足近傍の電極間に再発弧が発生して遮断性能が低下する。
このローレンツ力Fによって、固定接触子112の平坦部118aと可動接触子130と平坦部130aとの間に発生したアークが、可動接触子130の上面側からアーク消弧空間145内を通って固定接触子112の側面側に達するように大きく引き伸ばされて消弧される。
このとき、アーク消弧用永久磁石143及び144は絶縁筒体140に形成された磁石収納筒体141及び142内に配置されているので、アークが直接アーク消弧用永久磁石143及び144に接触することがない。このため、アーク消弧用永久磁石143及び144の磁気特性を安定して維持することができ、遮断性能を安定化させることができる。
さらに、絶縁機能、アーク消弧用永久磁石143及び144の位置決め機能、アーク消弧用永久磁石143及び144のアークからの保護機能及び外部の金属角筒体104にアークが届くことを遮断する絶縁機能を1つの絶縁筒体140で行うことができるので、製造コストを低減させることができる。
また、可動接触子130の側縁と、絶縁筒体140の内周面との距離をアーク消弧用永久磁石143及び144の厚み分、長くすることができるので、十分なアーク消弧空間145及び146を設けることができ、アークの消弧を確実に行うことができる。
さらに、アーク消弧用永久磁石143及び144を収納する磁石収納筒体141及び142の可動接触子130と対向する位置に可動接触子の側縁に摺接する可動接触子ガイド部材148及び149が突出形成されているので、可動接触子130の回動を確実に防止することができる。
なお、上記第1の実施形態では、第1のアーク足移動促進部をテーパー面118b,118cで構成し、第2のアーク足移動促進部をテーパー面130b,130cで構成する場合について説明した。しかしなだら、本発明は上記構成に限定されるものではなく、図9に示すように、テーパー面118b,118c及び130b,130cに代えて円筒面の一部を形成する円弧状湾曲面151a,151b及び152a,152bとするようにしてもよい。この場合には、アークの足が円弧状湾曲面151a(又は151b)及び152a(又は152b)に沿って外側に移動するに従い、固定接触子111及び112と可動接触子130とのアークの足間距離をより長くすることができ、遮断性能をより向上させることができる。
この第2の実施形態では、固定接触子111及び112に形成した第1のアーク足移動促進部の構成を変更したものである。
この第2の実施形態では、図10に示すように、固定接触子111及び112の電流方向と直交する前後方向の断面形状は長方形断面形状を維持するが、前後側面に側面を覆い、且つ下方に突出延長するに第1のアーク足移動促進部としての平板状のアークランナー161a及び161bを固定している。ここで、アークランナー161a及び161bのそれぞれは、タングステン(W)や銀(Ag)等の耐アーク性を有するとともに、電導性を有する金属材料で形成されている。
この第2の実施形態によると、前述した第1の実施形態と同様に、可動接触子130が固定接触子111及び112から離間する開極時に、可動接触子130及び固定接触子111及び112間に発生するアークがアーク消弧用永久磁石143及び144の磁力によってアーク消弧空間145(又は146)側に引き伸ばされる。
このとき、可動接触子130は、前述した第1の実施形態と同様の構成を有するので、アークの足は、アーク消弧空間145(又は146)側に引き伸ばされるに応じてテーパー面130b(又は130c)を伝って端面側に素早く移動する。
この第3の実施形態では、接点収納ケース102の構成を変更したものである。
すなわち、第3の実施形態では、図12及び図2(b)に示すように、セラミックスや合成樹脂材によって角筒部301とその上端を閉塞する天面板部302とを一体成形して桶状体303を形成し、この桶状体303の開放端面側にメタライズ処理して金属箔を形成し、この金属箔に金属製の接続部材304をシール接合して接点収納ケース102を構成している。
また、天面板部302には、前述した固定接点支持絶縁基板105と同様に、固定接触子111及び112を挿通する挿通孔306及び307が形成され、これら挿通孔306及び307に固定接触子111及び112が前述した第1の実施形態と同様に支持されている。
この第3の実施形態によると、絶縁材で一体成形された桶状体303で接点収納ケース102を構成しているので、気密性のある接点収納ケース102を少ない工数で容易に形成することができるとともに、部品点数を減少させることができる。
また、上記第1〜第3の実施形態においては、固定接触子111及び112に接点導体部115を形成する場合について説明したが、これに限定されるものではなく、図13(a)及び(b)に示すように、支持導体部114に接点導体部115における上板部116を省略した形状となるL字状部170を連結するようにしてもよい。
また、上記第1〜第3の実施形態においては、可動プランジャ215に連結軸131を螺合させる場合について説明したが、可動プランジャ215と連結軸131とを一体に形成するようにしてもよい。
また、上記第1〜第3の実施形態においては、接点収納ケース102及びキャップ230で密封容器を構成し、この密封容器内にガスを封入する場合について説明したが、これに限定されるものではなく、遮断する電流が低い場合にはガス封入を省略するようにしてもよい。
Claims (7)
- 消弧室内に所定間隔を保って固定配置された一対の固定接触子と、
前記消弧室内に前記一対の固定接触子に対して接離可能に配設された可動接触子と、
前記固定接触子と前記可動接触子の開閉方向と直交し、且つ当該可動接触子の長手方向と直交する方向にアークを駆動させるアーク消弧用永久磁石とを備え、
前記一対の固定接触子に、それぞれ前記可動接触子が離間する開極時に発生するアークの足の当該可動接触子から離れる方向への移動を促進する第1のアーク足移動促進部を形成し、
前記可動接触子に、前記一対の固定接触子から離間する開極時に発生するアークの足の当該固定接触子から離れる方向への移動を促進する第2のアーク足移動促進部を形成し、
前記第1アーク足移動促進部は、前記可動接触子の長手方向と平行な前記固定接触子の両端面に設けられ、前記可動接触子側とは反対側に突出延長する平板上のアークランナーで構成されていることを特徴とする接点装置。 - 前記一対の固定接触子は、所定間隔を保って配置された上面板部及び下面板部と、上面板部及び下面板部の外側端を連結する連結板部とから内側を開放したC字状に形成され、
前記上面板部及び下面板部間に前記可動接触子が可動可能に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の接点装置。 - 両側面のアークランナーが前記可動接触子との対向面で連結板部によって連結されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の接点装置。
- 前記第2のアーク足移動促進部は、前記可動接触子の電流の通流方向と直交する方向で端部に行くに従い厚みが薄くなる傾斜面で構成されていることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の接点装置。
- 前記傾斜面は、テーパー面で構成されていることを特徴とする請求項4に記載の接点装置。
- 前記傾斜面は、円弧状湾曲面で構成されていることを特徴とする請求項4に記載の接点装置。
- 前記請求項1乃至請求項6の何れか1項に記載の接点装置を備え、前記可動接触子が電磁石装置の可動鉄心に連結され、前記一対の固定接触子が外部接続端子に接続されていることを特徴とする電磁開閉器。
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