(本発明の基礎となった知見)
上述のように、特許文献1には、ユーザの操作に基づき、ユーザがしばらく見ていない画像を自動で抽出して表示する技術が開示されている。
特許文献1記載の技術では、ユーザの操作をカウント値に換算し、換算したカウント値に応じてコンテンツをユーザに提示する。具体的には、カウンタの値が小さいコンテンツ、すなわちユーザがしばらく見ていないと判断されるコンテンツを自動で抽出して表示する。
しかしながら、カウント値が少ないコンテンツというのは、ユーザにとって強い興味を引くものではなかったためにユーザ操作が少なかったものである。このようなコンテンツは、偶然性や意外性の高い、ユーザに思いもよらない価値をもたらすコンテンツとは必ずしもいえない。
したがって、カウント値に基づいて選択されたコンテンツを漠然とユーザに提示するだけでは、死蔵コンテンツを少なくする効果は小さい。
そこで、本発明の一態様に係るコンテンツ選択装置は、複数のコンテンツからコンテンツを選択するコンテンツ選択装置であって、前記複数のコンテンツを取得する取得部と、前記複数のコンテンツの中から、ユーザに提示するためのコンテンツである対象コンテンツを選択する選択部とを備え、前記複数のコンテンツのそれぞれは、複数の管理単位のうち当該コンテンツの作成日に対応する前記管理単位に振り分けられており、前記選択部は、振り分けられた前記コンテンツの数が少ない順に所定数の前記管理単位を選択し、選択した前記管理単位に属する前記コンテンツを前記対象コンテンツとして選択する。
このような構成により、ユーザが見返すことが少なくなりがちな「日常を撮影したコンテンツ」が対象コンテンツとして選択される。したがって、このようなコンテンツを用いて作成された作品コンテンツをユーザに提示することが可能となる。
また、例えば、前記選択部は、前記対象コンテンツを予め定められた所定数選択してもよい。
これにより、作品コンテンツの作成のために選択されるコンテンツ数を適切なものとすることができる。
また、例えば、さらに、前記選択部の前記対象コンテンツの選択方法である選択モードを切り替える選択モード切替部を備え、前記選択モード切替部が前記選択モードを第1選択モードに切替えた場合に、振り分けられた前記コンテンツの数が少ない順に所定数の前記管理単位を選択し、選択した前記管理単位に属する前記コンテンツを前記対象コンテンツとして選択してもよい。
また、例えば、前記選択モード切替部が前記選択モードを前記第1選択モードとは異なる第2選択モードに切替えた場合に、前記選択部は、振り分けられた前記コンテンツの数が多い順に所定数の前記管理単位を選択し、選択した管理単位に属する前記コンテンツを前記対象コンテンツとして選択してもよい。
このように選択された選択コンテンツにより、コンテンツを管理する管理単位(例えばフォルダ)に多くのコンテンツが属する場合であっても、管理単位に含まれるコンテンツの内容をダイジェスト的に振り返ることのできる作品コンテンツが作成される。したがって、このような作品コンテンツをユーザに提示することが可能となる。
また、例えば、前記選択部は、前記コンテンツ選択装置が前記対象コンテンツの選択を行う日付である選択日が、当該選択日が属する月の最初の日から所定の日数を経過した後の日付である場合に、前記選択日が属する月の直前の月に作成された前記複数のコンテンツの中から、前記対象コンテンツを選択してもよい。
また、例えば、前記コンテンツ選択装置は、さらに、前記複数のコンテンツそれぞれについて、当該コンテンツに含まれるオブジェクトを検出し、検出した前記オブジェクトの特徴量をそれぞれ抽出する特徴量抽出部と、検出された複数の前記オブジェクトを、前記特徴量に基づいて互いに類似する前記オブジェクト毎に分類し、所定の条件に基づいて前記オブジェクトの前記分類毎に重要度を決定し、前記オブジェクトに前記重要度を付与する重要度算出部を備え、前記選択モード切替部が前記選択モードを前記第1選択モードとは異なる第3選択モードに切替えた場合に、前記選択部は、前記複数のコンテンツのうちの、当該コンテンツに含まれる前記オブジェクトの前記重要度が所定の値以下である前記コンテンツを、前記対象コンテンツとして選択してもよい。
このような構成により、「こんなところにあの人が写っていた」、「この人大きく写っているけど、誰だろう」、「ここの模様が人の顔みたいに見えて面白い」、または「こんなものが写っていたのか」というような、ユーザにとって意外性を持つコンテンツが対象コンテンツとして選択される。したがって、このようなコンテンツを用いて作成された作品コンテンツをユーザに提示することが可能となる。
また、例えば、前記コンテンツ選択装置は、さらに、前記複数のコンテンツそれぞれについて、当該コンテンツに所定のオブジェクトが含まれるか否かを検出する特徴量抽出部を備え、前記複数のコンテンツのそれぞれは、当該コンテンツの撮影時の仰角を示す情報を含み、前記選択モード切替部が前記選択モードを前記第1選択モードとは異なる第4選択モードに切替えた場合に、前記選択部は、前記複数のコンテンツのうちの、前記所定のオブジェクトが含まれ、なおかつ前記仰角が所定の範囲内の角度である前記コンテンツを前記対象コンテンツとして選択してもよい。
このような構成により、「こんなところに人の顔があったのか」というような、ユーザにとって意外性を持つコンテンツが対象コンテンツとして選択される。したがって、このようなコンテンツを用いて作成された作品コンテンツをユーザに提示することが可能となる。
また、例えば、前記複数のコンテンツのそれぞれは、当該コンテンツの撮影時の仰角を示す情報を含み、前記選択部は、前記仰角が所定の範囲内の角度である前記複数のコンテンツの中から前記対象コンテンツを選択してもよい。
また、例えば、前記コンテンツ選択装置は、さらに、前記複数のコンテンツのうち文字が含まれる前記コンテンツから前記文字に関する情報である文字情報を抽出する文字情報抽出部を備え、前記選択モード切替部が前記選択モードを前記第1選択モードとは異なる第5選択モードに切替えた場合に、前記選択部は、前記複数のコンテンツのうちの前記文字情報が抽出された前記コンテンツを、前記対象コンテンツとして選択してもよい。
このとき、例えば、前記選択部は、前記文字情報が表す前記文字のサイズが所定値よりも小さい前記文字情報が抽出された前記コンテンツを前記対象コンテンツとして選択してもよい。
また、このとき、例えば、前記選択部は、前記文字情報が表す前記文字のサイズが所定値よりも大きい前記文字情報が抽出された前記コンテンツを前記対象コンテンツとして選択してもよい。
このような構成により、文字情報を含むコンテンツが対象コンテンツとして選択され、このようなコンテンツを用いて作成された作品コンテンツをユーザに提示することが可能となる。
また、例えば、前記コンテンツ選択装置は、さらに、複数の前記対象コンテンツから構成される作品コンテンツの生成方法を示す情報であって、前記対象コンテンツの選択方法を含む情報である作成ルールを前記コンテンツ選択装置の外部に設けられたサーバから受信する通信部を備え、前記選択部は、前記通信部が受信した前記作成ルールが示す前記選択方法によって、前記対象コンテンツを選択してもよい。
このような構成により、外部の装置から取得した新たな作成方法で作品コンテンツの自動作成を行うことが可能となる。その結果、ユーザがコンテンツの意外さを様々な形で楽しみ続けることが可能な作品コンテンツを提供することが可能となる。
また、例えば、前記コンテンツ選択装置は、さらに、前記作成ルールと、当該作成ルールを用いて前記作品コンテンツの作成を行ったか否かを示す情報である実行情報とを対応付けた作成ルール情報を記憶するルール記憶部を備え、前記選択部は、前記作成ルール情報に含まれる前記作成ルールのうち、前記作品コンテンツの作成を行っていないことを示す前記実行情報に対応付けられた前記作成ルールが示す前記選択方法によって、前記対象コンテンツを選択してもよい。
このような構成により、過去に作品コンテンツの作成に使用されていない作成ルールに基づき作品コンテンツを生成することが可能となる。
また、例えば、前記複数のコンテンツは、静止画または動画であってもよい。
また、例えば、前記コンテンツ選択装置は、さらに、前記作品コンテンツとして、アルバム、スライドショー、ショートムービーを、複数の前記対象コンテンツを用いて作成してもよい。
また、例えば、前記複数のコンテンツのそれぞれは、当該コンテンツの作成日に関する情報を含み、前記選択部は、前記作成日が所定の期間内である前記複数のコンテンツの中から、前記対象コンテンツを選択してもよい。
このような構成により、所定の期間に撮影されたコンテンツを対象コンテンツとして選択することが可能となる。
また、例えば、前記複数のコンテンツのそれぞれは、当該コンテンツの作成場所に関する情報を含み、前記選択部は、前記作成場所が所定の範囲内である前記複数のコンテンツの中から、前記対象コンテンツを選択してもよい。
このような構成により、所定の範囲の場所において撮影されたコンテンツを対象コンテンツとして選択することが可能となる。
また、例えば、前記コンテンツ選択装置は、さらに、前記作品コンテンツを作成する際に選択されたコンテンツに関する情報である選択履歴情報が記憶される記憶部を備え、前記選択部は、前記選択履歴情報に基づき、前記作品コンテンツを作成する際に選択された頻度が所定値以下の前記複数のコンテンツの中から、前記対象コンテンツを選択してもよい。
このような構成により、作品コンテンツとして過去に選択された頻度の少ないコンテンツを対象コンテンツとして選択することが可能となる。
なお、これらの包括的または具体的な態様は、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラムまたはコンピュータ読み取り可能なCD−ROMなどの記録媒体で実現されてもよく、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラムおよび記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的または具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置および接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
なお、以下の実施の形態に係るコンテンツ選択装置は、コンテンツを適切に選択し、思いもよらない価値をユーザにもたらすコンテンツをユーザに提示することを可能とするものである。
ここで、思いもよらない価値をユーザにもたらすコンテンツとは、例えば、(1)ユーザにより閲覧される頻度が低いコンテンツであって、ユーザが興味を持ちうるコンテンツ、または(2)ユーザが通常は閲覧することが少ない観点でまとめられた複数のコンテンツなどである。本発明のコンテンツ選択装置は、上記(1)、(2)に該当するコンテンツを提示することを可能とするものである。
(実施の形態1)
実施の形態1に係るコンテンツ選択装置は、コンテンツが格納されたフォルダのうち、当該フォルダに含まれるコンテンツ数が少ないフォルダを選択し、選択したフォルダに格納されたコンテンツを用いて、新たな作品コンテンツを自動作成する。ここで、作品コンテンツとは、複数のコンテンツから生成された新たなコンテンツを指す。作品コンテンツは、例えば、アルバム、スライドショー、ショートムービー等である。
フォルダに含まれるコンテンツの数は、それらコンテンツが大きなイベント(例えば、重要なイベント、開催期間が長いイベント)において撮影されたかどうかによって変わる場合が多い。
例えば、旅行や子どもの学校行事など、大きなイベントにおいては、写真数十枚〜数百枚、ムービー数回分が撮影される。撮影日またはイベント単位でコンテンツがフォルダに振り分けられる(分類される)場合には、上述のように多数のコンテンツがこの撮影日またはイベントに対応するフォルダに格納されることになる。
一方、ユーザが日常生活においてふと気になった風景や物の写真を撮影する場合、写真の枚数は、1〜数枚である。したがって、撮影日またはイベント単位でコンテンツがフォルダに振り分けられる場合には、当該撮影日またはイベントに対応するフォルダに1〜数枚の少数の写真が格納されることになる。
ここで、ユーザがコンテンツを見返す際には大きなイベントに着目しがちであり、ユーザが日常を撮影したコンテンツに着目してこのようなコンテンツを見返すことは少ない。
そこで、実施の形態1に係るコンテンツ選択装置は、このような「日常を撮影したコンテンツ」を選択し、選択したコンテンツからなる新たな作品コンテンツを作成する。
このような作品コンテンツがユーザに提示されることで、ユーザは、自分が日常生活でふと関心を抱いたことを振り返ることができる。また、ユーザは、自分や自分の周囲環境に関する新たな発見を楽しむことが可能となる。
つまり、実施の形態1に係るコンテンツ選択装置は、上記のような、ユーザが見返すことが少なくなりがちな「日常を撮影したコンテンツ」を、思いもよらない価値をユーザにもたらすコンテンツとして選択する。したがって、実施の形態1に係るコンテンツ選択装置によれば、このようなコンテンツを用いて作成された作品コンテンツをユーザに提供することが可能となる。
図1は、実施の形態1に係るコンテンツ選択装置の機能構成を表すブロック図である。
図1に示されるように、コンテンツ選択装置100は、記憶部101と、判断部102と、選択部103と、作成部104と、表示部105と、取込部106とを備える。
記憶部101には、例えば、静止画(写真)などのコンテンツのファイルと、コンテンツを管理するための情報を記述したファイルとが記録されている。なお、コンテンツを管理するための情報は、例えば、コンテンツをフォルダによって管理する場合においては、フォルダに関するメタデータである。以下の説明では、コンテンツを管理するための情報が、フォルダに関するメタデータである場合を例として説明する。
記憶部101に記録されたコンテンツは、取込部106が撮影機器から取り外したメモリカードなどの記憶媒体、またはUSB(Universal Serial Bus)ケーブルなどの通信用ケーブルを用いて取り込んだものである。また、メタデータは、コンテンツが記憶部101に最初に記録され、このコンテンツを管理するためにフォルダが生成される際に新たに生成される。また、すでにコンテンツが記憶部101に記録されている状態において、新たにコンテンツが追加または削除され、これに伴いフォルダが追加または削除される際には、メタデータの変更が行われる。なお、取込部106は、これらのコンテンツを図示されない通信部を通じて、撮影機器や他のコンテンツ管理装置から取り込んでもよい。
ここで、記憶部101について図2および図3を用いて詳細に説明する。
図2は、記憶部101における、フォルダによるコンテンツ管理の一例を図示したものである。
実施の形態1では、コンテンツの記録には、木構造によるフォルダ構成が用いられ、フォルダ内にコンテンツと下位フォルダとを格納される方式でコンテンツ管理が行われる。なお、コンテンツ管理の方式は、ここで述べる木構造によるものには限られず、同様の効果を有する方式であればどのような方式でもよい。
図2において、フォルダ201は最上位のフォルダである。フォルダ201の直下には、フォルダ202、フォルダ203(それぞれ、フォルダ名は、“フォルダ1”、“フォルダ2”)、およびフォルダに関するメタデータが記述されたフォルダメタデータファイル204が格納される。
フォルダ202には、実際に撮影された1つ以上のコンテンツ205が格納される。図2では、コンテンツ205は、3つの静止画コンテンツ(それぞれ、ファイル名は、pic00001.jpg、pic00002.jpg、pic00003.jpg)を示している。
同様に、フォルダ203には、コンテンツ206が格納される。コンテンツ206は、4個の静止画コンテンツ(それぞれ、ファイル名は、pic00004.jpg、pic00005.jpg、pic00006.jpg、pic00007.jpg)を示している。
なお、図2では、例として、フォルダ202、203、およびコンテンツ205、206が図示されているが、実際にはさらに多くのフォルダおよびコンテンツが記録されているものとする。
図3は、フォルダメタデータファイル204のデータ構成の一例を示す図である。
図3の例では、フォルダメタデータファイル204には、フォルダID301と、フォルダ名302と、コンテンツ数303と、最古撮影日時304と、最新撮影日時305とがフォルダ毎に対応付けられて記述されている。
フォルダID301は、記憶部101内で管理されるフォルダを一意に識別するためのIDである。図3の例では、フォルダIDは、コンテンツ選択装置100がフォルダを生成した順に割り振った5桁の連番の先頭に“FLD”を付けた文字列である。
コンテンツ数303は、当該フォルダ内に格納されるコンテンツの数を示す。最古撮影日時304は、当該フォルダ内に格納されるコンテンツのうち、最も撮影日時が古いコンテンツの撮影日時を示す。最新撮影日時305は、当該フォルダ内に格納されるコンテンツのうち、最も撮影日時が新しいコンテンツの撮影日時を示す。
ここで、図1に示される機能構成の説明に戻る。
判断部102は、作品コンテンツを作成可能であるかどうかを判断する。判断部102は、例えば、判断部102の処理が始まる時点で、作品コンテンツの作成処理よりも優先度の高い処理が行われている場合、作品コンテンツを作成不可であると判断する。また、判断部102は、例えば、判断部102の処理が始まる時点で、コンテンツ選択装置100のCPUやメモリなどの資源が所定量以上占有されている場合、作品コンテンツを作成不可であると判断する。
具体的には、例えば、コンテンツ選択装置100がHDDレコーダとして実現される場合、テレビ番組の予約録画処理の優先度は作品コンテンツの作成処理の優先度よりも高く設定される。また、例えば、作品コンテンツの作成処理中に優先度の高い処理が入ることが予約されているような場合、判断部102は、作品コンテンツを作成不可であると判断する。判断部102の詳細な動作については、後述する。
選択部103は、所定の条件に基づき、作品コンテンツに用いられるコンテンツを選択する。選択部103の詳細な動作については後述する。
作成部104は、選択部103が選択したコンテンツを用いて作品コンテンツを作成する。作成部104が作成するコンテンツは、例えば、選択部103が選択したコンテンツを撮影日時順に表示するのみのスライドショームービーである。また、作成部104が作成するコンテンツは、例えば、選択部103が選択したコンテンツと背景データ、音楽データ、表示効果、遷移効果などとを組み合わせたスライドショームービーである。
表示部105は、作成部104により作成された作品コンテンツを表示する。また、表示部105は、コンテンツ選択装置100を操作するためのユーザインターフェースや、作品コンテンツを作成するためのコンテンツそのものを表示してもよい。
取込部106は、作品コンテンツを作成するためのコンテンツを取り込む。取込部106は、例えば、撮影機器から取り外されたメモリカードなどの記憶媒体からコンテンツを取り込む。また、例えば、取込部106は、USBケーブルなどの通信用ケーブルを用いてコンテンツ選択装置の外部からコンテンツを取り込む。
次に、判断部102および選択部103の動作の詳細について、図4と図5を用いて説明する。
実施の形態1では、判断部102は、一ヶ月分のコンテンツを使って作品コンテンツ「ひと月振り返りスライドショー」を作成するかどうかの判断を行う。以降、作品コンテンツ「ひと月振り返りスライドショー」のことを、「ひと月振り返りコンテンツ」と記載する。
図4は、判断部102の動作の一例を示すフローチャートである。
図4に示される、判断部102の判断処理は、所定のタイミングを迎えると開始される。実施の形態1では、所定のタイミングは、コンテンツ選択装置100の電源ボタンが押されて待機状態に入った直後であるが、判断部102の判断処理は、所定の時刻になったら待機状態か否かに関わらず開始されてもよい。
まず、判断部102は、上述のような判断基準により、コンテンツ選択装置100が作品コンテンツを作成可能な状態にあるかどうかを判断する(S401)。その結果、判断部102が、作品不可であると判断した場合(S401でNo)、以降の処理を行うことなく、判断部102は、判断処理を終了する。
判断部102が、作品コンテンツが作成可能であると判断した場合(S401でYes)、判断部102は、判断処理が開始された時点の日付を取得する(S402)。日付は、例えば、コンテンツ選択装置100がシステム時刻を有する場合は、システム時刻に基づいて算出されてもよい。また、判断部102は、コンテンツ選択装置100に接続された他の機器から日付に関する情報を取得してもよい。
次に、判断部102は、取得した日付が、当該日付の属する月において、所定の日付以後であるかどうかを判断する(S403)。
実施の形態1では、所定の日付は、各月の7日とする。ここで、各月の1日ではなく各月の7日としているのは、所定の日付を各月の1日とした場合、直前の月の月末ごろに撮影されたコンテンツが、コンテンツ選択装置100に取り込まれないまま、ひと月振り返りコンテンツの作成が行われ、直前の月の月末ごろに撮影されたコンテンツが、ひと月振り返りコンテンツの対象からもれることを防ぐためである。
すなわち、このような直前の月の月末ごろに撮影されたコンテンツをユーザがコンテンツ選択装置100に取り込むであろう日数を考慮して、実施の形態1では、所定の日付は、各月の7日と設定される。しかしながら、所定の日付はこの例に限られず、例えば、各月の3日であってもよいし、各月の10日であってもよいし、各月の1日であってもよい。 ステップS403において、取得した日付が所定の日付よりも前の日付である場合、判断部102は、判断処理を終了する。
ステップS403において、取得した日付が所定の日付以降である場合(S403でYes)、判断部102は、取得した日付が属する月の直前の月(先月)のひと月振り返りコンテンツが作成済であるかどうかを判断する(S404)。
ステップS404の処理は、例えば、上述のように作品コンテンツの作成処理よりも優先度の高い処理があることでひと月振り返りコンテンツ作成が行われないような場合に、ひと月振り返りコンテンツが未作成のままとなることを回避するために行われる。ひと月振り返りコンテンツが作成済であるかどうかは、例えば、作成部104がひと月振り返りコンテンツを作成した際に、ひと月振り返りコンテンツと共に記憶部101に記録した作成履歴を読み取ることで判断される。
ステップS404において、すでに先月分のひと月振り返りコンテンツが作成済である場合(S404でYes)、判断部102は、判断処理を終了する。
ステップS404において、先月分のひと月振り返りコンテンツが作成されていない場合(S404でNo)、判断部102は、先月分のひと月振り返りコンテンツを作成するためのコンテンツの選択を選択部103に指示し(S405)、判断処理を終了する。
図5は、選択部103の動作の一例を示すフローチャートである。
選択部103は、図4のステップS405の処理により、先月分のひと月振り返りコンテンツを作成するためのコンテンツの選択を行う指示を判断部102から受けつけると、フォルダメタデータファイル204を参照して、コンテンツ撮影日時が先月の範囲に含まれるフォルダを選択する(S501)。
次に、選択部103は、選択したフォルダを、当該フォルダに含まれるコンテンツ数が少ない順にソートし、コンテンツ数が少ないフォルダから順に所定数のフォルダを抽出する(S502)。
例えば、上記所定数が5であり、ステップS501において選択されたフォルダの数が20である場合、フォルダに含まれるコンテンツ数が少ないフォルダから順に、5つのフォルダが抽出される。
一方、ステップS501において選択されたフォルダの数が、上記所定数以下である場合、ステップS501において選択されたフォルダの全てが抽出される。例えば、上記所定数が5であり、ステップS501において選択されたフォルダの数が3である場合、3つのフォルダ全てが抽出される。
以上のように、ステップS502においては、所定数のフォルダを選択するとしているが、ステップS501において選択されたフォルダの数に応じて、ステップS502において抽出されるフォルダの数は上記所定数以下のものとなりうる。
なお、実施の形態1では、上記所定数を5としているが、対象月内の全フォルダ数や、全コンテンツ数に応じて上記所定数を5とは異なる数値としてもよい。
最後に、選択部103は、抽出したフォルダ内のコンテンツのコンテンツIDを取得し、作成部104に出力する(S503)。なお、コンテンツIDとは、コンテンツを特定するための情報であり、例えば、記憶部101内のコンテンツ毎にユニークな識別子、または木構造におけるファイルパスなどである。
図4および図5で説明した動作について、より具体的に説明する。なお、以下の具体例の説明では、コンテンツが、図3に示されるようなフォルダ構成で記憶部101に格納されているものとする。また、2011年11月7日にユーザがコンテンツ選択装置100を利用した後にコンテンツ選択装置100が待機状態に入ったものとし、コンテンツ選択装置100において他に優先度の高い処理は存在しない状態であるものとする。
待機状態に入ったコンテンツ選択装置100は、判断部102の判断処理を開始する。まず、判断部102は、作品コンテンツを作成可能であるかどうかを判断する(図4のS401)。この具体例では、優先度の高い処理が存在しないため、判断部102は、作品コンテンツを作成可能であると判断する(図4のS401でYes)。
次に、判断部102は、日付を取得する(図4のS402)。判断部102が取得した11月7日という日付は、所定の日付以後である(図4のS403でYes)。ここで、今回の判断処理は、取得した日付が所定の日付以後であることが確認されてから初めての処理であるため、先月(10月)分のひと月振り返りコンテンツはまだ作成されていない(図4のS404でNo)。したがって、判断部102は、ひと月振り返りコンテンツ作成用のコンテンツの選択を選択部103に対して指示する(図4のS405)。
選択部103は、撮影日時が10月の範囲に含まれるフォルダを選択する(図5のS501)。図3の例では、フォルダIDがそれぞれFLD00002〜FLD00009である8つのフォルダが選択される。
次に、選択部103は、コンテンツ数が少ない順にフォルダをソートし、コンテンツ数が少ない方から5つのフォルダを抽出する(図5のS502)。図3の例では、フォルダIDがそれぞれFLD00004、FLD00006、FLD00009、FLD00005、FLD00002である5つのフォルダが抽出される。
そして、選択部103は、これらのフォルダに格納されているコンテンツのコンテンツIDを取得し、作成部104に出力する(図5のS503)。
作成部104は、選択部103からコンテンツIDを受け取ると、受け取ったコンテンツIDによって特定されるコンテンツを取得し、記憶部101に記録されている背景データ、音楽データ、表示効果、遷移効果などと組み合わせることで、スライドショームービーを作成する。そして、作成部104は、作成したスライドショームービーのコンテンツファイルと、2011年10月分のひと月振り返りコンテンツの作成履歴とを記憶部101に記録する。
このように、実施の形態1に係るコンテンツ選択装置100は、コンテンツを格納するコンテンツフォルダのうち、コンテンツ数が少ないフォルダから順に所定数のフォルダを選択する。また、コンテンツ選択装置100は、選択したフォルダに格納されるコンテンツを用いて、新たな作品コンテンツを自動作成する。
このため、ユーザは、見返すことが少なくなりがちな「日常を撮影したコンテンツ」をまとめて見ることできる。すなわちユーザは、日常生活でふと関心を抱いたことを振り返ることや、自分や自分の周囲環境に関する新たな発見を楽しむことが可能となる。
なお、実施の形態1では、選択部103は、コンテンツ数が少ないものから順に所定数選択したフォルダに格納される全てのコンテンツのコンテンツIDを取得する。ここで、選択部103は、各フォルダからコンテンツIDを取得する数に上限値を設けてもよいし、取得するコンテンツIDの総数に上限値を設けてもよい。
対象月のほとんどのフォルダがコンテンツ数の多いフォルダであるような場合、コンテンツID取得の対象となるコンテンツの総数が多くなり、作成されるスライドショームービーが長大になる。その結果、ユーザが作品コンテンツの途中で見飽きてしまい、有効なコンテンツの振り返りができなくなる恐れがある。よって、コンテンツIDの取得数に上限値を設けることは、このような事態を防ぐのに有効である。
また、コンテンツ選択装置100は、コンテンツ数が多いものから順にフォルダを選択してもよい。
先に述べたように、コンテンツ数が多いコンテンツフォルダには大きなイベントにおいて撮影されたコンテンツが格納されている場合が多い。ユーザはこれらを見返す際にはイベント単位で見返すことが多い。そこで、ユーザにイベント単位で細かく見せるのではなく、ユーザが「どんなイベントがあったかをダイジェスト的に振り返る」ことができるよう、例えば一ヶ月間、あるいは一年間の大きなイベントで撮影したコンテンツを所定の枚数ずつ選択してひと月振り返りコンテンツが作成されてもよい。
この場合、ステップS502において、選択部103は、選択したフォルダを、当該フォルダに含まれるコンテンツ数が多い順にソートし、コンテンツ数が多いフォルダから順に所定数のフォルダを抽出する。このとき、ステップS501において選択されたフォルダの数に応じて、抽出されるフォルダの数が所定数以下のものとなりうる点は、上述の通りである。
これにより、ユーザは、作品コンテンツの作成対象となる期間にあったイベント、または自分や家族の成長、周囲環境の変化等をダイジェスト的に振り返ることが可能となる。
また、コンテンツ選択装置100は、新たにひと月振り返りコンテンツが記憶部101に記録されたことを検知すると、起動時画面あるいはメニュー画面に、ひと月振り返りコンテンツが作成されたことをユーザに通知するアイコンを表示部105に表示してもよい。そして、ユーザが表示部105に表示されたアイコンを選択し、またはコンテンツ一覧画面から該当するコンテンツを選択することで、ひと月振り返りコンテンツが表示部105を通じて再生されるようにしてもよい。これにより、次回ユーザがコンテンツ選択装置100を起動した際に、新たにひと月振り返りコンテンツが作成されたことをユーザに気付かせることが可能となる。
(実施の形態2)
実施の形態2に係るコンテンツ選択装置は、記憶部に記録されたコンテンツ内に写るオブジェクトを検出し、検出したオブジェクトの重要度を算出し、重要度が低いオブジェクトが写るコンテンツを用いて、新たな作品コンテンツを自動作成する。
オブジェクトとして人間の顔を例にとり、説明する。コンテンツには人間の顔が写っている場合が多く、その顔は様々である。意図して撮影された人間の顔もあれば、ユーザの意図に反して写りこんでいる人間の顔もある。意図して撮影された人間の顔の一例は、家族や友人の顔である。
コンテンツを見返す際、ユーザは、家族や友人が写るコンテンツを中心に見返すことが多い。コンテンツに対する関心度の高さや、コンテンツを消失した際のユーザの落胆の大きさという点から、家族や友人が写るコンテンツは、ユーザにとって重要度が高いオブジェクトが写るコンテンツであるといえる。
一方、コンテンツには必ずしも家族や友人といった近しい人間だけが写っているわけではない。コンテンツには、親しいが特に撮影した覚えがない人間、あまり親しくない人間、全く知らない人間が写っている場合がある。また、コンテンツには、看板などに描かれた人間の写真やイラストが写っている場合もあるし、壁の模様がたまたま人間の顔のように写っていたりする場合もある。
これらの「ユーザの意図に反して写っている人間(人間のように写っているものも含む)」は、ユーザが気に留めないオブジェクトであり、また、ユーザが気付きにくいオブジェクトであるため、イベントを振り返るという目的でコンテンツを見返す際には、重要度が低いといえる。
しかし、これら重要度が低いものが写るコンテンツをまとめて新たな作品コンテンツとし、ユーザに提示することで、ユーザは「こんなところにあの人が写っていた」「この人大きく写っているけど、誰だろう」「ここの模様が人の顔みたいに見えて面白い」というように、ユーザは、コンテンツが持つ意外性を楽しむことができる。
実施の形態2に係るコンテンツ選択装置は、上記のような、ユーザにとっての意外性を有するコンテンツを、思いもよらない価値をユーザにもたらすコンテンツとして選択する。したがって、実施の形態2に係るコンテンツ選択装置によれば、このようなコンテンツを用いて作成された作品コンテンツをユーザに提供することが可能となる。
図6は、実施の形態2に係るコンテンツ選択装置の機能構成を表すブロック図である。実施の形態1に係るコンテンツ選択装置100との違いは、実施の形態2に係るコンテンツ選択装置100aは、特徴量抽出部601と、重要度算出部602とをさらに備える点である。
まず、特徴量抽出部601について説明する。
特徴量抽出部601は、コンテンツに写るオブジェクトを検出し、検出したオブジェクトの特徴量を抽出する。実施の形態2では、特徴量抽出部601は、オブジェクトの例として、コンテンツに人間の顔が写っているかどうかを検出する。
例えば、コンテンツ選択装置100aは、取込部106を通じて記憶部101にコンテンツを記録する際に、コンテンツに付帯する付帯情報(写真の場合、例えばEXIF情報)から撮影日時情報を読み取って、図7に示されるようにコンテンツメタデータファイルを更新する。コンテンツメタデータファイルを更新するとともに、コンテンツ選択装置100aは、取り込んだコンテンツに人間の顔が写っているかどうかを検出するために特徴量抽出部601の抽出処理を開始する。
特徴量抽出部601は、まず、取り込んだコンテンツそれぞれに対し、人間の顔が写っているかどうかを検出する。コンテンツに人間の顔が写っている場合、特徴量抽出部601は、その顔の特徴量を抽出し、コンテンツと関連付けてコンテンツメタデータファイル内に記録する。
なお、人間の顔の特徴量を抽出する顔特徴量抽出技術と、コンテンツに人間の顔が写っているかどうかを調べる顔領域検出技術とは公知であるため、詳細な説明は行わない。例えば、顔の特徴量として両目の距離や鼻の幅などを特徴量としてもよいし、顔表面の色や濃淡部分などのパターン分布の特徴量を利用してもよい。また、顔領域の検出は、これらの特徴量を入力として、SVM(Support Vector Machine)やAdaboostなどの識別器を用いて行われてもよい。
図7は、コンテンツメタデータファイルのデータ構成の一例を示す図である。
図7の例では、コンテンツメタデータファイルには、コンテンツID701と、コンテンツのファイル名702と、フォルダID301と、撮影日時703と、オブジェクトID704と、オブジェクト領域705と、オブジェクト特徴量706とが、コンテンツ毎に対応付けられて記述されている。
コンテンツID701は、記憶部101内でコンテンツを識別するためのIDである。具体的には、コンテンツID701は、記憶部101にコンテンツを記録する際に順に割り振られた連番の先頭に“CNT”を付けた文字列である。
ファイル名702は、コンテンツのファイル名であり、フォルダID301は、実施の形態1と同様に、コンテンツが格納されているフォルダを識別するためのIDである。撮影日時は、コンテンツが撮影された撮影日時である。
オブジェクトID704は、コンテンツ内に検出されたオブジェクト(本実施の形態では人間の顔)を識別するIDである。具体的には、オブジェクトID704は、特徴量抽出部601がオブジェクトを検出した順に割り振った連番の先頭に“OBJ”を付けた文字列である。
オブジェクト領域705は、検出されたオブジェクトのコンテンツ画像中の位置と領域の大きさを示す座標であり、オブジェクト特徴量706は、オブジェクトの特徴量を示す値である。
なお、コンテンツメタデータファイルのうち、オブジェクトID704、オブジェクト領域705、およびオブジェクト特徴量706については、特徴量抽出部601によってコンテンツ内に人間の顔が検出されない場合は、何も記録されない。図7の例では、コンテンツID701がCNT00002であるコンテンツが、人間の顔が写っていないコンテンツに該当する。
また、一つのコンテンツに複数の人間の顔が写っていると判断される場合、検出された顔の数分のオブジェクトID704、オブジェクト領域705、オブジェクト特徴量706が一つのコンテンツIDと対応して記録される。図7の例では、コンテンツID701がCNT00003のコンテンツが、複数の人間の顔が写っているコンテンツに該当する。 なお、コンテンツメタデータファイルは、図2で説明したフォルダ構成においては、フォルダメタデータファイル204と同じ階層(最上位のフォルダ201の直下)に記録される。
オブジェクト領域705について、図8を用いて説明する。
図8は、オブジェクト領域の一例を示す図である。
コンテンツ801における人間の顔が特徴量抽出部601により検出されると、検出された人間の顔は、枠802で示されるオブジェクトとして扱われる。特徴量抽出部601は、コンテンツ801の左上をx−y座標系の原点(0,0)とし、枠802左上部の座標を同座標系の(x,y)、枠802の幅と高さを(w,h)とし、これらを並べて記した値(x,y,w,h)を、オブジェクト領域705としてコンテンツメタデータファイルに記録する。なお、図8の例では、枠802は、矩形としたが、円形や多角形その他の形状であってもよい。また、枠802は、顔の輪郭に沿ったものであってもよい。
次に、重要度算出部602について説明する。
重要度算出部602は、特徴量抽出部601により抽出された特徴量に基づき、オブジェクトを互いに類似するもの毎に分類し、オブジェクトの分類毎に重要度を決定し、オブジェクトに重要度を付与する。ここで、互いに類似するものとして分類されたオブジェクト群をクラスタと称する。
以下、重要度算出部602の動作について、図9、および図10を用いて説明する。
図9は、重要度算出部602がオブジェクトを互いに類似するもの毎に分類するクラスタリング処理のイメージを示した図である。
図9の縦軸および横軸は、それぞれのオブジェクトが有するオブジェクト特徴量706のうち一部(ここでは仮にα・βとする)を表している。図中の点は、各オブジェクトを表し、それぞれが持つ特徴量に対応する位置にプロットされている。図9では紙面の都合上、オブジェクト特徴量706を2次元的に描いているが、一般的には、数十次元を超える、複数の数値を成分とするベクトルである。図中の点線は、クラスタを示しており、1つの点線に囲まれるオブジェクトは同じクラスタに属していることを表す。
クラスタリングは、例えばK−means法によって行われる。K−means法は、各オブジェクトのオブジェクト特徴量706を元にK個(所定のクラスタ数)のクラスタ毎の代表値を決定して、その代表値とオブジェクト特徴量706との差に基づいてオブジェクトを分類する方法である。K−means法により、図9のようにオブジェクト特徴量706の近いオブジェクトは、同じクラスタに分類される。
図10は、クラスタ情報のデータ構成の一例を示した図である。
図10に示されるように、クラスタ情報は、クラスタID1001と、オブジェクトID704と、所属オブジェクト数1002と、重要度1003とにより構成される。
クラスタID1001は、各クラスタを一意に識別するためのIDである。クラスタID1001は、具体的には、重要度算出部602がクラスタリング処理の際にクラスタを生成した順に割り振った4桁の連番の先頭に“CLS”を付加した文字列である。
オブジェクトID704は、クラスタに含まれるオブジェクトのオブジェクトIDである。所属オブジェクト数1002は、クラスタに含まれるオブジェクトの数である。
ここで、重要度1003について詳細に説明する。
実施の形態2においては、重要度算出部602は、所属オブジェクト数1002が多いクラスタほど重要度が高いクラスタであるとし、所属オブジェクト数1002が多い順に重要度を各クラスタに付与する。
具体的には、重要度算出部602は、最も所属オブジェクト数1002が多いクラスタを重要度1とし、以下、所属オブジェクト数1002が多い順位を重要度として付与する(所属オブジェクト数1002が同じ場合は同順とする)。
このように重要度を付ける理由は次の通りである。各クラスタは、基本的には一人の人物の顔を示している。すなわち、所属オブジェクト数が多いクラスタは、その人物を撮影したコンテンツの数が多いことを示している。
例えば、コンテンツ選択装置100aの記憶部101内においては、「家庭における子供」など、重要な人物を撮影したコンテンツの数が多くなることが通常である。そのため、実施の形態2では、所属オブジェクト数1002が多いクラスタは重要であると定義され、重要度算出部602は、上述のように重要度を付与する。
なお、上記の説明では、所属オブジェクト数1002のみに基づいて重要度付与を行なっているが、さらに、他のクラスタに属するオブジェクトと一緒に写る頻度を考慮して重要度を付与してもよい。
重要な人物と一緒に写ることが時々ある人物、例えば「家庭における子供」と一緒に写る「子供の両親・祖父母」は、その家庭にとっては重要な人物であることが考えられる。このため、「子供の両親・祖父母」が写っているコンテンツは、当該コンテンツの数がそれほど多くなくても、重要度が高いコンテンツであるといえる。
さらには、重要度算出部602は、ユーザが明示的に入力した情報に基づいて重要度を付与してもよい。例えば、重要度算出部602は、コンテンツ選択装置100aが有する対話的なユーザインタフェースを通じて、ユーザがクラスタに対して付与したお気に入り度をそのまま重要度としてもよい。あるいは、重要度算出部602は、ユーザがクラスタに対して名称(例えば子供の名前など)を付けたクラスタに、高い重要度を付与してもよい。
次に、実施の形態2に係る判断部102および選択部103の動作について、図11と図12とを用いて説明する。
コンテンツ選択装置100a(取込部106)は、新たに写真やムービーなどのコンテンツを取り込むと、取り込んだコンテンツを当該コンテンツが撮影された日付毎にフォルダに分類する。そして、コンテンツ選択装置100aの作成部104は、フォルダに格納されたコンテンツを用いて作品コンテンツ「フォルダ毎スライドショー」をフォルダ毎に自動作成する。そして、最後にフォルダ毎スライドショーを作成してから所定時間が経過しても新たにコンテンツが取り込まれない場合、コンテンツ選択装置100aの作成部104は、重要度が低い人物が写るコンテンツを用いて作品コンテンツ「人物振り返りスライドショー」を自動作成する。以降、作品コンテンツ「人物振り返りスライドショー」のことを、「人物振り返りコンテンツ」と記載する。
図11は、判断部102の動作の一例を示すフローチャートである。
図11に示される、判断部102の判断処理は、所定のタイミングを迎えると開始される。実施の形態2では、所定のタイミングは、コンテンツ選択装置100aの電源ボタンが押されて待機状態に入った直後であるが、判断部102の判断処理は、所定の時刻になったら待機状態か否かに関わらず開始されてもよい。
まず、判断部102は、コンテンツ選択装置100aが作品コンテンツを作成可能な状態にあるかどうかを判断する(S401)。この処理については、実施の形態1でも述べたため、説明を省略する。判断部102が、作品コンテンツを作成不可であると判断した場合(S401でNo)、以降の処理を行うことなく、判断部102は、判断処理を終了する。
判断部102が、作品コンテンツを作成可能であると判断した場合(S401でYes)、判断部102は、最後に作成されたフォルダ毎スライドショーの作成日時Tfを取得し(S1101)、現在の日時が作成日時Tfから所定時間経過した日時であるかどうかを判断する(S1102)。実施の形態2では、所定時間は、100時間である。また、作成日時Tfは、フォルダ毎スライドショーのファイル作成時のタイムスタンプ情報から取得することができる。
ステップS1102において、現在の日時が作成日時Tfから所定時間経過した日時ででない場合(S1102でNo)、判断部102は、判断処理を終了する。
現在の日時が作成日時Tfから所定時間経過した日時である場合(S1102でYes)、判断部102は、人物振り返りコンテンツを作成するためのコンテンツの選択を選択部103に指示し(S1103)、判断処理を終了する。
図12は、選択部103の動作の一例を示すフローチャートである。
選択部103は、図11のステップS1103の処理により、人物振り返りコンテンツを作成するためのコンテンツの選択を行う指示を判断部102から受けつけると、フォルダメタデータファイル204を参照して、コンテンツ撮影日時が所定の範囲に含まれるフォルダを選択する(S1201)。実施の形態2では、この所定の範囲を、選択部103の選択処理が行われる日の60日前の日を基準日として、当該基準日と当該基準日の前後7日間の合計15日間とする。
これは、ユーザがおよそ2ヶ月も経つと何を撮影したか忘れがちであることから、ユーザにコンテンツの存在を思い出させるために設定された値である。しかしながら、所定の範囲は、この値に限られるものではない。なお、コンテンツ撮影日時が所定の範囲に含まれるフォルダが存在しない場合、選択部103は、選択処理を終了する。
次に、選択部103は、クラスタ情報(図10)を参照し、最も重要度が低いクラスタを選択する(S1202)。ここで、最も低い重要度のクラスタが複数ある場合、選択部103は、例えば、クラスタIDの番号が最も小さいクラスタを選択する。最も低い重要度のクラスタが複数ある場合に選択されるクラスタは、この例のほか、複数の中からランダムに選択された1つのクラスタとしてもよく、2以上の所定の個数のクラスタとしてもよい。さらには、最も低い重要度のクラスタが全て選択されてもよい。
続いて、選択部103は、選択したクラスタに属するオブジェクトIDのオブジェクトを含むコンテンツが、ステップS1201において選択したフォルダ内に存在するかどうかを、コンテンツメタデータファイルを参照して調べる(S1203)。該当するコンテンツが存在しなければ(S1203でNo)、選択部103は、ステップS1205の処理に移行する。該当するコンテンツが存在すれば(S1203でYes)、選択部103は、該当するコンテンツのコンテンツIDを選択し(S1204)、ステップS1205の処理に移行する。
次に、選択部103は、すでに選択したコンテンツIDの数が所定数以上であるかを調べる(S1205)。実施の形態2では、所定数を3とする。しかしながら、所定数は、この例に限定されない。
選択したコンテンツIDの数が3以上であれば(S1205でYes)、選択部103は、ステップS1207の処理に移行する。選択したコンテンツID数が3に満たなければ(S1205でNo)、選択部103は、現在選択しているクラスタと同じ重要度、またはその次に低い重要度のクラスタを選択し(S1206)、ステップS1203の処理に戻る。ステップS1206において、該当するクラスタが存在しなければ、選択部103は、ステップS1207の処理に移行する。
最後に、選択部103は、選択した全てのコンテンツIDを作成部104に出力する(S1207)。
図11および図12で説明した動作について、より具体例に説明する。なお、以下の具体例の説明では、コンテンツが、図3および図7に示されるような状態で記憶部101に格納されており、クラスタ情報が図10に示すような状態であるものとする。さらに、フォルダIDがFLD00012であるフォルダに格納されるコンテンツ(撮影日時が2011年11月12日)を用いて、2011年11月12日の21:00に実行されたフォルダ毎スライドショーの作成処理が、現在までに実行された最後のフォルダ毎スライドショー作成処理であるとする。
このような状況において、ユーザ操作により、2011年11月23日の10:00にコンテンツ選択装置100aの電源が投入され、その後、コンテンツ選択装置100aは、コンテンツを取り込むことなく、ユーザ操作により、2011年11月23日の10:30に待機状態に入ったものとする。また、コンテンツ選択装置100aにおいて他に優先度の高い処理は存在しない状態であるものとする。
待機状態に入ったコンテンツ選択装置100aは、判断部102の判断処理を開始する。まず、判断部102は、作品コンテンツを作成可能であるかどうかを判断する(図11のS401)。この具体例では、優先度の高い処理が存在しないため、判断部102は、作品コンテンツを作成可能であると判定する(図11のS401でYes)。
次に、判断部102は、最後に作成されたフォルダ毎スライドショーの作成日時Tfを取得する(図11のS1101)。この具体例では、上述の説明の通り、作成日時Tfは、2011年11月12日の21:00である。また、コンテンツ選択装置100aが待機状態に入った現在の日時は、2011年11月23日の10:30であり、現在の日時は、作成日時Tfから所定時間(100時間)を経過した日時である(図11のS1102)。したがって、判断部102は、人物振り返りコンテンツを作成するためのコンテンツの選択を選択部103に対して指示する(図11のS1103)。
選択部103は、撮影日時が所定期間に含まれるフォルダを選択する(図12のS1201)。実施の形態2では、人物振り返りコンテンツを作成する日(本例では2011年11月23日)の60日前の日を基準日として、当該基準日と、当該基準日の前後7日間の合計15日間、すなわち、2011年9月17日〜10月1日が所定期間となる。この期間に含まれるフォルダは、フォルダIDがFLD00001、FLD00002のフォルダであるので、選択部103は、これらのフォルダを選択する。
次に、選択部103は、最も重要度が低いクラスタを選択する(図12のS1202)。図10に示されるように、最も低い重要度は5であり、該当するクラスタはクラスタIDがCLS0002、CLS0003、CLS0004、CLS0007のクラスタである。選択部103は、このうち、番号が最も小さいCLS0002のクラスタを選択する。
クラスタIDがCLS0002であるクラスタに属するオブジェクトのオブジェクトIDは、OBJ00002である。したがって、選択部103は、オブジェクトID、OBJ00002のオブジェクトを含むコンテンツが、先ほど選択したフォルダIDがFLD00001およびFLD00002であるフォルダ内に存在するかどうかを調べる(図12のS1203)。
図7に示されるように、フォルダIDがFLD00001のフォルダにはコンテンツIDがCNT00001〜CNT00003のコンテンツがあり、そのうちコンテンツIDがCNT00003のコンテンツは、オブジェクトIDがOBJ00002であるオブジェクトを含む(図12のS1203でYes)。したがって、選択部103は、コンテンツID、CNT00003を選択する(図12のS1204)。一方、フォルダIDがFLD00002のフォルダ内には、オブジェクトIDがOBJ00002のオブジェクトを含むコンテンツは存在しないので(図12のS1203でNo)、選択部103は、フォルダIDがFLD00002のフォルダからは何も選択しない。
この時点で選択部103が選択したコンテンツIDは1つであり、所定数3に満たないため(図12のS1205でNo)、選択部103は、同じ重要度または次に低い重要度のクラスタを選択する(図12のS1206)。ここで、すでに選択したCLS0002と同じく重要度が5であるクラスタとして、クラスタIDがCLS0003、CLS0004、CLS0007である3つのクラスタ残っている。したがって、選択部103は、これら3つのそれぞれのクラスタについて、クラスタIDがCLS0002であるクラスタにおける処理と同じように、当該クラスタに属するオブジェクトIDのオブジェクトを含むコンテンツが、フォルダIDがFLD00001およびFLD00002であるフォルダ内に存在するかどうかを調べる(図12のS1203)。
クラスタIDがCLS0003のクラスタにはオブジェクトIDがOBJ00004であるオブジェクトが属しており、フォルダIDがFLD00002のフォルダ内には、このオブジェクトを含む、コンテンツIDがCNT00004のコンテンツが存在する(図12のS1203でYes)。したがって、選択部103は、コンテンツID、CNT00004を選択する(図12のS1204)。
また、クラスタIDがCLS0004のクラスタにはオブジェクトIDがOBJ00005であるオブジェクトが属しており、フォルダIDがFLD00002のフォルダ内には、このオブジェクトを含む、コンテンツIDがCNT00007のコンテンツが存在する(図12のS1203でYes)。したがって、選択部103は、コンテンツID、CNT00007を選択する(図12のS1204)。
なお、クラスタIDがCLS0007のクラスタにはオブジェクトIDがOBJ00029のオブジェクトが属しているが、このオブジェクトは、フォルダIDがFLD00001およびFLD00002であるフォルダ内のコンテンツには含まれていない。
この時点で選択部103が選択したコンテンツIDは3つであり、所定数3に達しているため(図12のS1205でYes)、選択部103は、選択した全てのコンテンツIDを作成部104に出力する(図12のS1207)。
作成部104は、コンテンツIDを受け取ると、受け取ったコンテンツIDによって特定されるコンテンツを取得し、記憶部101に記録されている背景データ、音楽データ、表示効果、遷移効果などと組み合わせることで、スライドショームービーを作成する。そして、作成部104は、作成したスライドショームービーのコンテンツファイルを記憶部101に記録する。
このように、実施の形態2に係るコンテンツ選択装置100aは、記憶部101に記録されたコンテンツ内に写るオブジェクトを検出し、オブジェクトの重要度を算出し、重要度が低いオブジェクトが写るコンテンツを用いて、新たな作品コンテンツを自動作成する。 このため、ユーザは、「こんなところにあの人が写っていた」、「この人大きく写っているけど、誰だろう」、「ここの模様が人の顔みたいに見えて面白い」、「こんなものが写っていたのか」というように、コンテンツが持つ意外性を楽しむことが可能となる。
なお、実施の形態2においては、オブジェクトとして人間の顔を例に取り説明したが、オブジェクトは、人間の顔以外であってもよい。例えば、動植物や建物、人が使う道具などであってもよい。また、人間の顔ではなく人体をオブジェクトとしてもよい。この場合には、特徴量抽出部601は、オブジェクトの検出および特徴量の抽出方法として、対象を示すオブジェクトを検出できて各対象の識別ができるような特徴量を抽出する方法を用いればよい。
このようにすることで、コンテンツ選択装置100aは、動植物や建物、人が使う道具などが映ったコンテンツの集合から「こんなものが写っていたのか」というような、ユーザにとって意外性があるコンテンツを選択することができる。よって、コンテンツ選択装置100aによれば、このようなコンテンツを用いて作成された作品コンテンツをユーザに提供することが可能となる。
なお、実施の形態2に係るコンテンツ選択装置100aの選択部103は、選択したコンテンツIDと共に、コンテンツ選択のために用いたオブジェクトIDを作成部104に出力してもよい。
コンテンツIDとオブジェクトIDとの両方を受け取ることにより、作成部104は、オブジェクトIDで示されるオブジェクトのオブジェクト位置をコンテンツメタデータファイルから特定することができる。このため、作成部104は、写っている人間の顔(あるいは人間の顔っぽく写るもの)を拡大して表示する、といった表示効果を使った作品コンテンツの作成が可能となる。
また、コンテンツ選択装置100aは、重要度が高いオブジェクトが写るコンテンツを選択してもよい。
先に述べたように、家族や友人は、重要度が高いオブジェクトであるといえる。また、コンテンツを見返す際には、ユーザは、イベント単位で見返すことが多い。そこで、ユーザにイベント単位で細かくコンテンツを見せるのではなくユーザが「様々なイベントを通して、ある人がどんな様子だったかをダイジェスト的に振り返る」ことができるよう、例えば、ユーザが指定したオブジェクト(またはオブジェクトのクラスタ)が写るコンテンツを、一ヶ月間、または一年間の範囲内で抽出して振り返りコンテンツを作成してもよい。
これにより、ユーザは、指定した特定のオブジェクトに注目した作品コンテンツ(例えば子供の成長)を楽しむことが可能となる。
また、コンテンツ選択装置100aは、新たに人物振り返りコンテンツが記憶部101に記録されたことを検知すると、起動時画面あるいはメニュー画面に、人物振り返りコンテンツが作成されたことをユーザに通知するアイコンを表示部105に表示してもよい。そして、ユーザが表示部105に表示されたアイコンを選択し、またはコンテンツ一覧画面から該当するコンテンツを選択することで、人物振り返りコンテンツが表示部105を通じて再生されるようにしてもよい。これにより、次回ユーザがコンテンツ選択装置100aを起動した際に、人物振り返りコンテンツが作成されたことをユーザに気付かせることが可能となる。
(実施の形態3)
実施の形態3に係るコンテンツ選択装置は、記憶部に記録されたコンテンツ内に写るオブジェクトを検出し、コンテンツ内にオブジェクトが検出され、なおかつ第1の所定値以上もしくは第2の所定値以下の仰角で撮影されたコンテンツを用いて、新たな作品コンテンツを自動作成する。
オブジェクトとして人間の顔を例にとり、説明する。多くの場合において、ユーザは、撮影機器を水平またはそれに近い角度に向けて撮影する。しかしながら、空や建物を撮影する際、または地面を歩く動物などを撮影する際には、ユーザは、撮影機器を上方または下方に向けて撮影する。
実施の形態3では、撮影方向の鉛直成分の角度を仰角と定義する。そこで、まず仰角について詳細に説明する。
図13は、撮影機器と同じ高さの真横から撮影機器を見た図である。
図13に示されるように、実施の形態3では、撮影機器を中心とし、水平方向を0°、垂直上方を90°、垂直下方を−90°とした際の、撮影機器が向く撮影方向の水平からの角度θを仰角と定義する。撮影方向が水平から上の場合(図13に示されるような場合)、仰角は正の値であり、撮影方向が水平から下の場合、仰角は負の値である。
ここで、仰角がある程度以上の正の値である場合、ユーザは、空や、高い建物・植物を撮影している場合が多い。逆に、仰角がある程度以下の値である場合、ユーザは、地面を歩く動物や、地面に生える植物を撮影している場合が多い。
これらのコンテンツの中に、人間の顔(あるいは人間の顔のように見えるもの)が写っていることはあまりない。このため、もし人の顔が写っていても、ユーザは、それらのコンテンツを単体で見返す際には気に留めなかったり、気付かなかったりする。
しかし、こういったコンテンツをまとめて新たな作品コンテンツとし、ユーザに提示することで、ユーザは「こんなところに人が写っていた」「この辺りが人の顔っぽく見えて不思議だ」というように、コンテンツが持つ意外性を楽しむことができる。
実施の形態3に係るコンテンツ選択装置は、上記のような、ユーザにとっての意外性を有するコンテンツを、思いもよらない価値をユーザにもたらすコンテンツとして選択する。したがって、実施の形態3に係るコンテンツ選択装置によれば、このようなコンテンツを用いて作成された作品コンテンツをユーザに提供することが可能となる。
実施の形態3に係るコンテンツ選択装置の機能構成は、図6に示されるブロック図と同じである。実施の形態2に係るコンテンツ選択装置100aと異なる点として、実施の形態3に係るコンテンツ選択装置(以下、コンテンツ選択装置100bとも記載する。)の重要度算出部602は、処理を行わない。このため、コンテンツ選択装置100bの機能構成は、図6から重要度算出部602省略したものとしてもよい。
まず、特徴量抽出部601について説明する。
特徴量抽出部601は、コンテンツに人間の顔が写っているかどうかを検出する。このときの特徴量抽出部601の動作については、実施の形態2と同じであるため、説明を省略する。
また、コンテンツ選択装置100bの特徴量抽出部601は、コンテンツを撮影した際の撮影機器の仰角に関する情報を取得する。
例えば、コンテンツ選択装置100bは、取込部106を通じて記憶部101にコンテンツを記録する際に、コンテンツに付帯された付帯情報から撮影日時情報と仰角情報を読み取って、図14に示されるコンテンツメタデータファイルを更新する。コンテンツメタデータファイルを更新するとともに、コンテンツ選択装置100bは、取り込んだコンテンツに人間の顔が写っているかどうかを検出するために特徴量抽出部601の抽出処理を開始する。
ここで、コンテンツを撮影する撮影機器には、電子水準器を撮影機器の画面に表示してユーザの撮影を補助するため、または再生時に縦横表示を自動的に切り替えるために、撮影機器自身の姿勢を検出するセンサ(例えば、加速度センサ等)が搭載されているものがある。こういったセンサによる仰角情報がコンテンツの付帯情報(写真の場合で言うと、例えばEXIF情報のメーカーノート領域)内に記録されていれば、特徴量抽出部601は、仰角情報を取得することができる。一方、センサを搭載していない撮影機器で撮影したコンテンツ、またはセンサを搭載していても仰角情報を記録していない撮影機器で撮影したコンテンツについては、特徴量抽出部601は、仰角情報を読み取ることができないため、コンテンツメタデータファイルに仰角情報を書き込まない。
なお、コンテンツ選択装置100bの特徴量抽出部601のその他の詳細な動作は、実施の形態2と同じであるため、説明を省略する。
図14は、コンテンツメタデータファイルのデータ構成の一例を示す図である。
図14に示されるコンテンツメタデータファイルには、実施の形態2で説明した図7の内容に加え、コンテンツIDがCNT00058〜CNT00061であるコンテンツの例を示す行と、仰角1401の列が加わっている。なお、図14の例では、図7同様、オブジェクト領域705およびオブジェクト特徴量706もコンテンツと対応付けて記録されているが、これらの欄の内容については、記述を省略している。
次に、実施の形態3に係る判断部102および選択部103の動作について、図15と図16とを用いて説明する。
コンテンツ選択装置100bは、取込部106から新たに写真やムービーなどのコンテンツを取り込むと、取り込んだコンテンツを当該コンテンツが撮影された日付毎にフォルダに分類する。そして、コンテンツ選択装置100bの作成部104は、フォルダに格納されるコンテンツを用いて作品コンテンツ「フォルダ毎スライドショー」をフォルダ毎に自動作成する。そして、フォルダ毎スライドショーの作成が連続して毎日行われている場合、コンテンツ選択装置100bの作成部104は、仰角が第1の所定値以上か第2の所定値以下で撮影され、かつ人間の顔が写っているコンテンツを用いて作品コンテンツ「顔振り返りスライドショー」を自動作成する。以降、作品コンテンツ「顔振り返りスライドショー」のことを、「顔振り返りコンテンツ」と記載する。
図15は、判断部102の動作の一例を示すフローチャートである。
図15に示される、判断部102の判断処理は、所定のタイミングを迎えると開始される。実施の形態3では、所定のタイミングは、コンテンツ選択装置100bの電源ボタンが押されて待機状態に入った直後であるが、判断部102の判断処理は、所定の時刻になれば待機状態か否かに関わらず開始されてもよい。
まず、判断部102は、コンテンツ選択装置100bが作品コンテンツを作成可能な状態にあるかどうかを判断する(S401)。この処理については、実施の形態1でも述べたため、説明を省略する。判断部102が、作品コンテンツを作成不可であると判断した場合(S401でNo)、以降の処理を行うことなく、判断部102は、判断処理を終了する。 判断部102が、作品コンテンツを作成可能であると判断した場合(S401でYes)、判断部102は、直近の所定回数分のフォルダ毎スライドショーの作成日時を取得する(S1501)。実施の形態3では、この所定回数を3とする。作成したフォルダ毎スライドショーのファイルを記憶部101に記録する際に、作成日時も一緒に記録されるため、判断部102は、作成日時を取得することができる。
続いて、判断部102は、この所定回数分のフォルダ毎スライドショーの作成日時が、毎日連続しているかどうかを判断する(S1502)。フォルダ毎スライドショーの作成日時が毎日連続している場合(S1502でYes)、判断部102は、ステップS1503の処理に移行する。フォルダ毎スライドショーの作成日時が毎日連続していない場合(S1502でNo)、判断部102は、以降の処理を行うことなく、判断処理を終了する。
最後に、判断部102は、顔振り返りコンテンツを作成するためのコンテンツの選択を選択部103に指示し(S1503)、判断処理を終了する。
図16は、選択部103の動作の一例を示すフローチャートである。
選択部103は、図15のステップS1503の処理により、顔振り返りコンテンツを作成するためのコンテンツ選択を行う指示を判断部102から受けつけると、フォルダメタデータファイル204を参照して、コンテンツ撮影日時が所定の範囲に含まれるフォルダを選択する(S1601)。実施の形態3では、この所定の範囲を、選択部103の選択処理が行われる日の30日前の日を基準日として、当該基準日と当該基準日の前後2日間の合計5日間とする。しかしながら、所定の範囲は、この値に限られるものではない。なお、コンテンツ撮影日時が所定の範囲に含まれるフォルダが存在しない場合、選択部103は、選択処理を終了する。
次に、選択部103は、選択したフォルダから、フォルダIDが最も小さいフォルダを選択する(S1602)。そして、選択部103は、選択したフォルダ内に、オブジェクトが検出され、かつ仰角が第1の所定値以上または第2の所定値以下であるコンテンツが存在するかどうかを、コンテンツメタデータファイルを参照して調べる(S1603)。実施の形態3では、第1の所定値を45°、第2の所定値を−45°とする。なお、第1の所定値、第2の所定値は、この例で挙げた値に限定されない。
上記の条件に該当するコンテンツが存在しなければ(S1603でNo)、選択部103は、ステップS1605の処理に移行する。上記の条件に該当するコンテンツが存在すれば(S1603でYes)、選択部103は、該当コンテンツのコンテンツIDを選択し(S1604)、ステップS1605の処理に移行する。
次に、選択部103は、現在選択しているフォルダが、ステップS1601で選択されたフォルダのうち最後のフォルダであるかどうかを調べる(S1605)。ここで、最後のフォルダとは、ステップS1601で選択されたフォルダのうち、最後にステップS1602からステップS1604の処理が行われるフォルダである。現在選択しているフォルダが、最後のフォルダであれば(S1605でYes)、選択部103は、ステップS1607の処理に移行する。現在選択しているフォルダが最後のフォルダでなければ(S1605でNo)、選択部103は、次にフォルダIDが小さいフォルダを選択して(S1606)、ステップS1603の処理に戻る。
最後に、選択部103は、これまでに選択した全てのコンテンツIDを作成部104に出力する(S1607)。
図15および図16で説明した動作について、より具体的に説明する。なお、以下の具体例の説明では、コンテンツが、図3および図14に示されるような状態で記憶部101に格納されているものとする。また、2011年11月10日から2011年11月12日にかけて、フォルダIDがFLD00010〜FLD00012であるフォルダを元にフォルダ毎スライドショーが毎日作成されているものとする。そして、2011年11月13日にコンテンツ選択装置100bの電源が投入され、その後、コンテンツ選択装置100bは、コンテンツを取り込むことなく、ユーザ操作により、その日のうちに待機状態に入ったものとする。また、コンテンツ選択装置100bにおいて、他に優先度の高い処理は存在しない状態であるものとする。
待機状態に入ったコンテンツ選択装置100bは、判断部102の判断処理を開始する。まず、判断部102は、作品コンテンツを作成可能であるかどうかを判断する(図15のS401)。この具体例では、優先度の高い処理が存在しないため、判断部102は、作品コンテンツを作成可能であると判定する(図15のS401でYes)。
次に、判断部102は、直近の所定回数(3回)分のフォルダ毎スライドショーの作成日時を取得し(図15のS1501)、フォルダ毎スライドショーが毎日作成されているかどうかを判断する(図15のS1502)。この具体例では、上述の説明の通り、フォルダ毎スライドショーは、2011年11月10日から2011年11月12日にかけて毎日作成されている。このため、判断部102は、顔振り返りコンテンツを作成するためのコンテンツの選択を選択部103に対して指示する(図15のS1503)。
選択部103は、撮影日時が所定期間に含まれるフォルダを選択する(図16のS1601)。実施の形態3では、顔振り返りコンテンツを作成する日(本例では2011年11月13日)の30日前の日を基準日として、当該基準日と、当該基準日の前後2日間の合計5日間、すなわち、2011年10月12日〜10月16日が所定期間となる。この期間に含まれるフォルダは、フォルダIDがFLD00004、FLD00005、FLD00006のフォルダであるので、選択部103は、これらのフォルダを選択する。
次に、選択部103は、フォルダIDが最も小さいFLD00004のフォルダを選択し(図16のS1602)、フォルダ内にオブジェクトが検出され、かつ仰角が第1の所定値(45°)以上または第2の所定値(−45°)以下であるコンテンツが存在するかどうかを調べる(図16のS1603)。
フォルダIDがFLD00004であるフォルダにはコンテンツが1つ格納されているが、このコンテンツは、オブジェクトが検出されていないコンテンツである。このため、選択部103は、フォルダIDがFLD00004であるフォルダからはコンテンツの選択を行わず(図16のS1603でNo)、次のフォルダを選択する(図16のS1605でNo)。
次のフォルダとして、FLD00004の次にフォルダIDが小さいFLD00005のフォルダを選択し(図16のS1606)、同様の処理を行う。フォルダIDがFLD00005のフォルダにはコンテンツが2つ格納され、うち一方(コンテンツIDがCNT00059のコンテンツ)は、オブジェクトが検出され、かつ撮影時の仰角が第1の所定値以上のコンテンツである(図16のS1603でYes)。このため、選択部103は、このコンテンツのコンテンツID、CNT00059を選択する(図16のS1604)。
さらに、FLD00005の次にフォルダIDが小さいFLD00006のフォルダを選択し(図16のS1605でNo、S1606)、同様の処理を行う。このフォルダには、コンテンツIDがCNT00061であるコンテンツのみが格納され、なおかつこのコンテンツの撮影時の仰角は、第2の所定値以下である(図16のS1603でYes)。このため、選択部103は、このコンテンツのコンテンツID、CNT00061を選択する(図16のS1604)。FLD00006のフォルダは、撮影日時が所定期間に含まれる最後のフォルダであるため(図16のS1605でYes)、選択部103は、これまでに選択された全てのコンテンツIDを作成部104に出力する(図16のS1607)。
作成部104は、コンテンツIDを受け取ると、受け取ったコンテンツIDによって特定されるコンテンツを取得し、記憶部101に記録されている背景データ、音楽データ、表示効果、遷移効果などと組み合わせることで、スライドショームービーを作成する。そして、作成部104は、作成したスライドショームービーのコンテンツファイルを記憶部101に記録する。
このように、実施の形態3に係るコンテンツ選択装置100bは、記憶部101に記録されたコンテンツ内に写るオブジェクトを検出し、コンテンツ内にオブジェクトが検出され、なおかつ第1の所定値以上もしくは第2の所定値以下の仰角で撮影されているコンテンツを用いて、新たな作品コンテンツを自動作成する。
このため、ユーザは「こんなところに人の顔があったのか」というように、コンテンツが持つ意外性を楽しむことが可能となる。
なお、実施の形態3においては、オブジェクトとして人間の顔を例として説明したが、オブジェクトは、人間の顔以外であってもよい。例えば、動植物や建物、人が使う道具などであってもよい。また、人間の顔ではなく人体をオブジェクトとしてもよい。この場合には、特徴量抽出部601は、オブジェクトの検出および特徴量の抽出方法として、対象を示すオブジェクトを検出できて各対象の識別ができるような特徴量を抽出する方法を用いればよい。
このようにすることで、コンテンツ選択装置100bは、動植物や建物、人が使う道具などが映ったコンテンツの集合から「こんなところにこんなものが写っていたのか」というような、ユーザにとって意外性があるコンテンツを選択することができる。よって、コンテンツ選択装置100bによれば、このようなコンテンツを用いて作成された作品コンテンツをユーザに提供することが可能となる。
なお、実施の形態3に係るコンテンツ選択装置100bの選択部103は、選択したコンテンツIDと共に、コンテンツ選択のために用いたオブジェクトIDを作成部104に出力してもよい。
コンテンツIDとオブジェクトIDとの両方を受け取ることにより、作成部104は、オブジェクトIDで示されるオブジェクトのオブジェクト位置をコンテンツメタデータファイルから特定することができる。このため、作成部104は、写っている人間の顔(あるいは人間の顔のように写るもの)に段々とズームアップして表示する、といった表示効果を使った作品コンテンツの作成が可能となる。
また、コンテンツ選択装置100bは、新たに顔振り返りコンテンツが記憶部101に記録されたことを検知すると、起動時画面あるいはメニュー画面に、顔振り返りコンテンツが作成されたことをユーザに通知するアイコンを表示部105に表示してもよい。そして、ユーザが表示部105に表示されたアイコンを選択し、またはコンテンツ一覧画面から該当するコンテンツを選択することで、顔振り返りコンテンツが表示部105を通じて再生されるようにしてもよい。これにより、次回ユーザがコンテンツ選択装置100bを起動した際に、顔振り返りコンテンツが作成されたことをユーザに気付かせることが可能となる。
(実施の形態4)
実施の形態4に係るコンテンツ選択装置は、記憶部に記録されたコンテンツ内に写るオブジェクトとして文字を検出し、文字が写っているコンテンツを用いて、新たな作品コンテンツを自動作成する。
ユーザがコンテンツを撮影する場合、意図的に文字をコンテンツ内に入れて撮影することがある。例えば、旅行や学校行事などのイベントや、イベント中の状況を説明するような文字(例えば運動会における「運動会」と書かれた看板や、旅行中の移動手段における駅名標など)は、後で見返す時にイベントを説明する重要な情報となるため、意図的に撮影されることが多い。また、特にイベントとは関係ないが、ユーザは、関心を引くような文字(看板など)を見かけた際に撮影を行うこともある。あるいは、撮影時のユーザの意図に反して撮影したコンテンツ内に文字が写っているということもある。
イベントに関連する文字や、関心を引くような文字というのは、それ単体でイベントや状況を説明し得るため、コンテンツを一つ一つ見返す際にユーザがイベントや状況を思い出すのに有効である。実施の形態4に係るコンテンツ選択装置は、これらに加えて、ユーザが意図せず撮影された文字も含めた、文字が写っているコンテンツをまとめて新たな作品コンテンツとし、ユーザに提示する。これにより、ユーザは「改めて見てみると、最近いろんなところに行っている」「こんなところに面白い看板があったことに気付かなかった」というように、自分の行動や状況、あるいはコンテンツが持つ意外性を楽しむことができる。
実施の形態4に係るコンテンツ選択装置は、上記のような、ユーザにとっての意外性を有するコンテンツを、思いもよらない価値をユーザにもたらすコンテンツとして選択する。よって、実施の形態4に係るコンテンツ選択装置によれば、このようなコンテンツを用いて作成された作品コンテンツをユーザに提供することが可能となる。
図17は、実施の形態4に係るコンテンツ選択装置の機能構成を表すブロック図である。実施の形態1に係るコンテンツ選択装置100との違いは、実施の形態4に係るコンテンツ選択装置100cは、文字情報抽出部1701をさらに備える点である。
まず、文字情報抽出部1701について説明する。
文字情報抽出部1701は、コンテンツに写る文字に関する情報である文字情報を抽出する。
コンテンツ選択装置100cは、取込部106を通じて記憶部101にコンテンツを記録する際に、コンテンツに付帯される付帯情報(写真の場合で言うと、例えばEXIF情報)から撮影日時情報を読み取って、図19に示されるコンテンツメタデータファイルを更新する。コンテンツメタデータファイルを更新するとともに、取り込んだコンテンツに写っている文字を検出するために文字情報抽出部1701の抽出処理を開始する。
文字情報抽出部1701は、取り込んだコンテンツを1つずつ選択し、選択したコンテンツに写っている文字を検出するために、文字情報抽出部1701は、文字認識処理を行う。文字認識処理には、例えば、OCR(Optical Character Recognition)と呼ばれる技術を用いることができる。文字認識処理によりコンテンツから文字が検出された場合、文字情報抽出部1701は、文字認識結果および文字と認識された箇所の領域情報をコンテンツメタデータファイル内にコンテンツと関連付けて記録する。さらに、文字情報抽出部1701は、文字が写っていると判断したコンテンツのコンテンツIDを、図18で説明する文字情報検出コンテンツ情報に追加する。
図18は、文字情報検出コンテンツ情報のデータ構成の一例を示す図である。
文字情報検出コンテンツ情報は、文字情報抽出部1701によって、文字が写っていると判断されたコンテンツのコンテンツIDが登録される。図18の例では、一つのコンテンツにつき文字を示す領域が複数ある場合でも、文字情報検出コンテンツ情報には一つのコンテンツIDが格納される。
図19は、実施の形態4に係るコンテンツメタデータファイルのデータ構成の一例を示す図である。
コンテンツメタデータファイルには、コンテンツID701と、ファイル名702と、フォルダID301と、撮影日時703と、文字情報ID1901と、文字情報領域1902と、文字認識結果1903とが、コンテンツ毎に対応付けられて記述されている。
文字情報ID1901は、コンテンツ内に認識された文字を識別するためのIDである。文字情報ID1901は、文字を認識する際に順に割り振られた連番の先頭に“CHR”を付けた文字列とする。
文字情報領域1902は、認識された文字のコンテンツ内(画像内)の位置と領域の大きさとを示す。文字認識結果1903は、上述の文字認識処理により認識された文字を示す。
なお、コンテンツメタデータファイルのうち、文字情報ID1901、文字情報領域1902、および文字認識結果1903については、文字情報抽出部1701によってコンテンツ内に文字が写っていると認識されなければ、何も記録されない。図19の例では、コンテンツID701がCNT00102、CNT00104であるコンテンツが、文字が写っていると認識されなかったコンテンツに該当する。また、一つのコンテンツに複数の文字単位(例えば、「運動会」は、3文字であるが、3文字で一つの文字単位とする。)が写っていると判断される場合には、検出された文字単位分の文字情報ID1901、文字情報領域1902、文字認識結果1903が一つのコンテンツIDに対して記録される。
図20は、文字情報が写っているコンテンツの一例を示す図である。
コンテンツ2001における文字が文字情報抽出部1701により認識されると、「運動会」という文字認識結果と、枠2002で示す文字情報領域が得られる。文字情報抽出部1701は、コンテンツ2001の左上をx−y座標系の原点(0,0)とし、枠2002の左上部の座標を同座標系の(x,y)、枠2002の幅と高さを(w,h)とし、これらを並べて記した値(x,y,w,h)を文字情報領域として、文字認識結果と共にコンテンツメタデータファイルに記録する。
次に、実施の形態4に係る判断部102および選択部103の動作について、図21と図22とを用いて説明する。
コンテンツ選択装置100cは、文字が写っているコンテンツの数が所定値以上となると、文字が写っているコンテンツを用いて作品コンテンツ「文字情報振り返りスライドショー」を自動作成する。以降、作品コンテンツ「文字情報振り返りスライドショー」のことを、「文字情報振り返りコンテンツ」と呼ぶ。
図21は、判断部102の動作の一例を示すフローチャートである。
図21に示される、判断部102の判断処理は、所定のタイミングを迎えると開始される。実施の形態4では、所定のタイミングは、コンテンツ選択装置100cの電源ボタンが押されて待機状態に入った直後であるが、判断部102の判断処理は、所定の時刻になったら待機状態か否かに関わらず処理が開始されてもよい。
まず、判断部102は、コンテンツ選択装置100cが作品コンテンツを作成可能な状態にあるかどうかを判断する(S401)。この処理については、実施の形態1でも述べたため、説明を省略する。判断部102が、作品コンテンツを作成不可であると判断した場合(S401でNo)、以降の処理を行うことなく、判断部102は、判断処理を終了する。 判断部102が、作品コンテンツを作成可能であると判断した場合(S401でYes)、判断部102は、文字情報検出コンテンツ情報を取得する(S2101)。
次に、判断部102は、文字情報検出コンテンツ情報に登録されているコンテンツIDの数が所定値以上であるかどうかを判断する(S2102)。実施の形態4では、所定値は、5である。なお、所定値は5に限定されない。文字情報検出コンテンツ情報に登録されているコンテンツIDの数が所定値に達していない場合(S2102でNo)、判断部102は、以降の処理を行うことなく、判断処理を終了する。
文字情報検出コンテンツ情報に登録されているコンテンツIDの数が所定値以上である場合(S2102でYes)、判断部102は、文字情報振り返りコンテンツを作成するためのコンテンツの選択を選択部103に指示し(S2103)、判断処理を終了する。
図22は、選択部103の動作の一例を示すフローチャートである。
選択部103は、図21のステップS2103の処理により、文字情報振り返りコンテンツを作成するためのコンテンツの選択を行う指示を判断部102から受けつけると、文字情報検出コンテンツ情報を取得する(S2201)。
次に、選択部103は、文字情報検出コンテンツ情報に登録された全てのコンテンツIDを、作成部104に出力する(S2202)。
最後に、選択部103は、文字情報検出コンテンツ情報に登録された全てのコンテンツIDを削除し(S2203)、選択処理を終了する。
図21および図22で説明した動作について、より具体例に説明する。なお、以下の具体例の説明では、コンテンツが、図19に示されるような状態で記憶部101に格納されているものとする。また、コンテンツIDがCNT00101であるコンテンツが格納されるタイミングまでに文字情報振り返りコンテンツがすでに作成され、文字情報検出コンテンツ情報がリセット(登録されたコンテンツIDを全て削除)されているものとする。また、文字情報検出コンテンツ情報には、その後コンテンツIDがCNT00101〜CNT00107であるコンテンツが登録され、CNT00107のコンテンツが格納された後に、ユーザ操作により、コンテンツ選択装置100cが待機状態に入ったものとする。また、コンテンツ選択装置100cにおいて、他に優先度の高い処理は存在しない状態であるものとする。
待機状態に入ったコンテンツ選択装置100cは、判断部102の判断処理を開始する。まず、判断部102は、作品コンテンツを作成可能であるかどうかを判断する(図21のS401)。この具体例では、優先度の高い処理が存在しないため、判断部102は、作品コンテンツを作成可能と判定する(図21のS401でYes)。
次に、判断部102は、文字情報検出コンテンツ情報を取得し(図21のS2101)、登録されているコンテンツIDの数が所定値(5つ)以上であるかどうかを判断する(図21のS2102)。図19に示されるように、文字情報が検出されたコンテンツは、コンテンツIDがCNT00101、CNT00103、CNT00105、CNT00106、CNT00107の5つのコンテンツであり、これらは全て文字情報検出コンテンツ情報に登録されている。このため、判断部102は、文字情報検出コンテンツ情報に登録されているコンテンツIDの数が所定値以上であると判断する(図21のS2102でYes)。したがって、判断部102は、文字情報振り返りコンテンツを作成するためのコンテンツの選択を選択部103に対して指示する(図21のS2103)。
選択部103は、文字情報検出コンテンツ情報を取得し(図22のS2201)、登録されている全てのコンテンツIDを作成部104に出力する(図22のS2202)。そして、選択部103は、文字情報検出コンテンツ情報に登録されたコンテンツIDを全て削除する(図22のS2203)。
作成部104は、コンテンツIDを受け取ると、受け取ったコンテンツIDによって特定されるコンテンツを取得し、記憶部101に記録されている背景データ、音楽データ、表示効果、遷移効果などと組み合わせることで、スライドショームービーを作成する。そして、作成部104は、作成したスライドショームービーのコンテンツファイルを記憶部101に記録する。
このように、実施の形態4に係るコンテンツ選択装置100cは、記憶部101に記録されたコンテンツ内に写るオブジェクトとして文字を検出し、文字が写っているコンテンツを用いて、新たな作品コンテンツを自動作成する。
なお、実施の形態4においては、文字が写っているコンテンツを全て利用して文字情報振り返りコンテンツを作成する場合を一例として説明したが、コンテンツ選択装置100cは、コンテンツメタデータファイルに登録した文字情報領域に基づいてコンテンツを選択してもよい。例えば、コンテンツ選択装置100cは、所定値より小さいサイズの文字が写るコンテンツのみを用いて文字振り返りコンテンツを作成してもよい。
このように、小さいサイズの文字を対象として生成された文字振り返りコンテンツにより、ユーザがイベントを振り返る目的でコンテンツを見返す際には気に留めなかったり、気付かなかったりするような文字をユーザはまとめて見ることができる。これにより、ユーザは、「こんなところにこんな文字が写っていたのか」というように、コンテンツが持つ意外性を楽しむことができる。
反対に、コンテンツ選択装置100cは、所定値より大きいサイズの文字が写るコンテンツのみを用いて文字振り返りコンテンツを作成してもよい。
このように、大きいサイズの文字を対象として生成された文字振り返りコンテンツは、看板など比較的大きな文字ばかりをまとめたコンテンツとなる。このため、大きいサイズの文字を対象として生成された文字振り返りコンテンツにより、ユーザは、イベント、旅行で訪ねた場所あるいはその道中で通った場所をまとめて振り返ることができる。
また、ユーザをコンテンツ内の文字に注目させるため、作成部104は、コンテンツIDとコンテンツメタデータファイルから文字情報領域を取得し、写っている文字に段々とズームアップするように表示する、といった表示効果を使った作品コンテンツを作成してもよい。
また、コンテンツ選択装置100cは、新たに文字情報振り返りコンテンツが記憶部101に記録されたことを検知すると、起動時画面あるいはメニュー画面に、文字情報振り返りコンテンツが作成されたことをユーザに通知するアイコンを表示部105に表示してもよい。そして、ユーザが表示部105に表示されたアイコンを選択し、またはコンテンツ一覧画面から該当するコンテンツを選択することで、文字情報振り返りコンテンツが表示部105を通じて再生されるようにしてもよい。これにより、次回ユーザがコンテンツ選択装置100cを起動した際に、文字情報振り返りコンテンツが作成されたことをユーザに気付かせることが可能となる。
(実施の形態5)
実施の形態5に係るコンテンツ選択装置は、記憶部に記録されたコンテンツを使って新たな作品コンテンツを自動作成する方法に関する情報を、コンテンツ選択装置の外部から取得する。これにより、実施の形態5に係るコンテンツ選択装置は、あらかじめ内蔵された固定の自動作成方法(具体的には自動作成タイミングやコンテンツ選択方法)とは異なる新たな方法を用いて作品コンテンツ自動作成を行う。
これまでの実施の形態において、様々な作品コンテンツ作成方法について説明してきた。これまでに述べてきた作品コンテンツの作成方法は、蓄積されているコンテンツから、ユーザに思いもよらない価値をもたらすことを可能とするものである。
しかしながら、作品コンテンツの作成方法が固定的なままであると、初めのうちは、作成された作品コンテンツはユーザにとって新鮮ではあるものの、いずれ作成方法に対する慣れが生じる。その結果、作成された作品コンテンツから得られる意外性は変わらないものの、作品コンテンツを作成する際の視点(選択方法)については、ユーザにとって意外さを感じるものではなくなるという問題が生じ得る。
例えば、コンテンツ選択装置が、サービス事業者や他のユーザにより提供される、ユーザにとっては新しい作品コンテンツの作成方法を継続的に取得し、利用することができれば、ユーザは、コンテンツの意外さを様々な形で楽しみ続けることができる。
実施の形態5に係るコンテンツ選択装置は、作品コンテンツを自動作成する方法に関する情報(以後、作成ルールと呼ぶ)を、コンテンツ選択装置の外部から取得する。これにより、コンテンツ選択装置は、新たな作成方法でコンテンツの自動作成を行うことができる。その結果、ユーザは、コンテンツの意外さを様々な形で楽しみ続けることができる。
図23は、実施の形態5に係るコンテンツ選択装置の機能構成を表すブロック図である。 実施の形態5に係るコンテンツ選択装置100dは、少なくとも、実施の形態1〜4で説明した機能ブロックのいずれか1つと同様の構成を備え、さらに、作成ルールを外部(例えば、サーバ2303)から取得するための通信部2301と、取得した作成ルールを記録するルール記憶部2302とを備える。なお、実施の形態5に係るコンテンツ選択装置100dは、実施の形態1〜4で説明した機能ブロックの全てを備え、さらに、通信部2301とルール記憶部2302とを備えることとしてもよい。
通信部2301は、作品コンテンツを作成するための作成ルールを格納するサーバ2303との通信を行う。
ルール記憶部2302は、サーバ2303から取得された作成ルールを記憶する。
また、実施の形態5においては、判断部102は、実施の形態1〜4と同様に、作品コンテンツを作成可能かどうかを判断し、さらに、サーバ2303から作成ルールを取得する。作成ルールの取得は、通信部2301を介して行われる。
判断部102による作成ルールの取得は、例えば、定期的に行われる。実施の形態5においては、判断部102は、毎日所定の時刻(例えば午前2時00分)に、サーバ2303に対して新しい作成ルールが登録されたかどうかを問い合わるものとする。サーバ2303に新しい作成ルールが登録されていれば、判断部102は、通信部2301を通じてその新しい作成ルールをサーバ2303から取得する。なお、新しい作成ルールとは、コンテンツ選択装置100dにおいて取得されていない作成ルールである。
さらに、判断部102は、ルール記憶部2302に記憶された作成ルール情報を参照し、作品コンテンツの作成の際に使用する作成ルールを選択する。作成ルールは、未実行の作成ルールの中から登録日時が最も古いものが選択されてもよいし、未実行の作成ルールの中からランダムに選択されてもよいし、全ての作成ルールの中からランダムに選択されてもよいし、これ以外の選択方法で選択されてもよい。
図24は、作成ルールの例を示す図である。
図24に示される作成ルールは、作成タイミング2401と、コンテンツ選択範囲2402と、コンテンツを選択する方法を示すコンテンツ選択方法2403(選択モード)と、コンテンツを選択する際に用いる選択キーを示す選択キー2404とで構成される。
作成タイミング2401は、コンテンツ選択装置100dがこの作成ルールに示される作品コンテンツの作成をどのようなタイミングで開始するのかを示す。図24の例においては、作成タイミング2401は、この作成ルールがコンテンツ選択装置100dにより受信された直後、または最初にコンテンツ作成可能となったタイミングである。
一例として、コンテンツ選択装置100dが待機状態に入った直後に作品コンテンツの自動作成を行うようなコンテンツ選択装置である場合の作成タイミングについて説明する。
コンテンツ選択装置100dがすでに待機状態でこの作成ルールを取得していた場合、コンテンツ選択装置100dは、他に優先度の高いタスクがないかどうかを判断する。他に優先度の高いタスクがない場合、コンテンツ選択装置100dは、作成ルール取得後すぐに作品コンテンツの作成を行う。
一方、コンテンツ選択装置100dが待機状態になく、ユーザにより利用されている状況下でこの作成ルールを受信した場合、次に待機状態に入ったタイミングで作品コンテンツの作成を行う。
コンテンツ選択範囲2402は、作品コンテンツの作成時に、選択部103が記憶部101蓄積されたコンテンツのうちどの時間的範囲のコンテンツを選択すべきかを示す。コンテンツ選択範囲2402に何も指定されていない場合、記憶部101に蓄積されている全てのコンテンツが選択範囲となる。
図24の例では、コンテンツ選択範囲2402は、この作成ルールをコンテンツ選択装置100dが取得した時点から遡って直近の2ケ月の期間であり、この期間に撮影されたコンテンツが選択部103の選択対象となる。
コンテンツ選択方法2403は、コンテンツをどのような方法で選択するのかを示す。また、選択キー2404は、コンテンツ選択方法2403で指定される選択方法で用いる選択キーを示す。
図24の例におけるコンテンツ選択方法2403には、コンテンツ選択範囲2402に含まれるコンテンツにおける各オブジェクト特徴量と、選択キー2404で示されるオブジェクト特徴量とを比較し、オブジェクト特徴量間の距離が指定された値(ここではNとする)以下であるオブジェクト特徴量を含むコンテンツを選択する、ということが示される。ここでは、オブジェクト特徴量は、実施の形態2で説明したような複数次元のベクトルであり、オブジェクト特徴量間の距離は、ベクトル間のユークリッド距離であるとするが、同様の方法であれば、別の方法により距離を求めてもよい。
コンテンツ選択装置100dが取得した作成ルールは、ルール記憶部2302にある作成ルール情報に記録される。
図25は、ルール記憶部2302に記録される作成ルール情報の例を示す図である。
作成ルール情報には、図24に示される作成ルールに加え、各作成ルールを実行したかどうかの状態を示す実行フラグ2501と、作成ルールを作成ルール情報に登録した日時である登録日時2502とが記録される。図25の例では、実行フラグ2501の欄には、すでに実行済みの作成ルールについては「済」、未実行の作成ルールについては「未」が記録される。
次に、実施の形態5に係る判断部102における処理について、図26を用いて説明する。
図26は、判断部102の動作の一例を示すフローチャートである。なお、図26は、作成ルールの選択方法として、未実行の作成ルールのうち、登録日時が最も古いものを選択する例を示すフローチャートである。
判断部102の判断処理は、所定のタイミングを迎えると開始される。実施の形態5では、所定のタイミングは、コンテンツ選択装置100dの電源ボタンが押されて待機状態に入った直後であるが、判断部102の判断処理は、所定の時刻になったら待機状態か否かに関わらず処理が開始されてもよい。
まず、判断部102は、コンテンツ選択装置100dが作品コンテンツを作成可能な状態にあるかどうかを判断する(S401)。この処理については、実施の形態1でも述べたため、説明を省略する。判断部102が、作品コンテンツを作成不可であると判定した場合(S401でNo)、以降の処理を行うことなく、判断部102は、判断処理を終了する。
判断部102が、作品コンテンツを作成可能であると判断した場合(S401でYes)、判断部102は、ルール記憶部2302に記録された作成ルール情報の中に、未実行の作成ルールが存在するかどうかを判断する(S2601)。ルール記憶部2302に記録された作成ルール情報の中に、未実行の作成ルールが存在しなければ(S2601でNo)、判断部102は、作品コンテンツを作成可能であるかどうかに関わらず、判断処理を終了する。なお、ステップS2601において、未実行の作成ルールが存在しない場合、判断部102は、何らかの作成ルールを選択し実行してもよい。具体的には、例えば、判断部102は、実行済みの作成ルールのいずれかをランダムに選択することとしてもよい。
未実行の作成ルールがルール記憶部2302に記録された作成ルール情報の中に存在する場合(S2601でYes)、判断部102は、未実行の作成ルールのうち、登録日時が最も古い作成ルールを取得する(S2602)。
そして、判断部102は、取得した作成ルールの作成タイミング2401を参照し、現時点が作成タイミング内であるかどうかを判断する(S2603)。現時点が、まだ作成タイミング内ではない場合(S2603でNo)、判断部102は、ステップS2606の処理に移行する。現時点が、作成タイミング内であれば(S2603でYes)、判断部102は、作成ルールのコンテンツ選択範囲2402、コンテンツ選択方法2403、選択キー2404を選択部103に送信する(S2604)。そして、判断部102は、ステップS2602において取得した作成ルールに対応する実行フラグ2501を実行済に変更し(S2605)、ステップS2606の処理に移行する。
ステップS2606では、判断部102は、次に古い未実行の作成ルールが作成ルール情報の中に存在するかどうかを調べる(S2606)。未実行の作成ルールが作成ルール情報の中に存在しなければ(S2606でNo)、判断部102は、判断処理を終了する。未実行の作成ルールが作成ルール情報の中に存在していれば(S2606でYes)、判断部102は、当該作成ルールを取得し(S2607)、ステップS2603の処理に戻る。
図26で説明した動作について、より具体的に説明する。なお、以下の具体例の説明では、2011年10月5日に、コンテンツ選択装置100dがサーバから新しい作成ルールを取得し、取得された作成ルールが図25に示されるような作成ルール情報として登録されたものとする。また、新しい作成ルールを取得した次の日にコンテンツ選択装置100dの電源が投入され、しばらく操作された後に、コンテンツ選択装置100dは、ユーザ操作により待機状態に入ったものとする。また、コンテンツ選択装置100dにおいて、他に優先度の高い処理は存在しない状態であるものとする。
待機状態に入ったコンテンツ選択装置100dは、判断部102の判断処理を開始する。まず、判断部102は、作品コンテンツを作成可能かどうかを判断する(図26のS401)。この具体例では、優先度の高い処理が存在しないため、判断部102は、作品コンテンツを作成可能であると判断する(図26のS401でYes)。
次に、未実行の作成ルールが作成ルール情報内に存在するかどうかを調べる(図26のS2601)。この具体例では、図25より未実行の作成ルールが1つ存在するため、該当する作成ルールを取得する(図26のS2602)。
そして、取得した作成ルールに記述された作成タイミングを取得し、現時点が作成タイミング内であるかどうかを判断する(図26のS2603)。図25の例では、未実行の作成ルールに記述された作成タイミング2401は「作成ルール受信後、最初の作成可能時」であるため、判断部102は、現時点が作成タイミング内であると判断する(図26のS2603でYes)。
続いて、判断部102は、取得した未実行の作成ルールにおいて指定されているコンテンツ選択範囲2402「直近2ケ月」と、コンテンツ選択方法「選択キーに示すオブジェクト特徴量との間の距離がN以下であるオブジェクト特徴量を含むコンテンツ」と、選択キー「(124,67,・・・)」を選択部103に出力する(図26のS2604)。
その後、判断部102は、取得した作成ルールの実行フラグを「済」にし(図26のS2605)、次に古い未実行作成ルールが存在するかどうかを判断する(図26のS2606)。作成ルール情報内には未実行作成ルールはもう存在しないので(図26のS2606でNo)、判断部102は、判断処理を終了する。
なお、選択部103、作成部104における処理は、これまでの実施の形態で述べた処理と同様のため、説明を省略する。
このように、実施の形態5に係るコンテンツ選択装置100dは、記憶部101に記録されたコンテンツを用いて新たな作品コンテンツを自動作成する際の自動作成方法に関する情報を、コンテンツ選択装置の外部から取得する。
これにより、コンテンツ選択装置100dは、新たな作成方法で作品コンテンツの自動作成を行うことが可能となる。このため、ユーザは、コンテンツの意外さを様々な形で楽しみ続けることができる。
なお、コンテンツ選択装置100dは、通信部2301を通じてサーバ2303から作成ルールを取得するとしているが、メモリカードのような記憶媒体から作成ルールを取得してもよい。また、コンテンツ選択装置100dは、作成ルールを、他のコンテンツ選択装置から取得してもよい。このとき、コンテンツ選択装置100dが他のコンテンツ選択装置の所有者を特定できる場合は、ソーシャルグラフなど、ユーザの親密度に関する情報を利用して、例えば親密度の高いユーザが所有する他のコンテンツ選択装置から作成ルールを取得してもよい。
また、ルール記憶部2302は、判断部102の中に含まれるとしたが、ルール記憶部2302の機能を記憶部101に統合し、作成ルールは、記憶部101に記録されてもよい。
また、コンテンツ選択装置100dの判断部102は、毎日所定の時刻に、サーバ2303に対して新しい作成ルールが登録されたかどうかを問い合わせるが、サーバ2303において新たな作成ルールが格納されたときに、サーバ2303からコンテンツ選択装置100dに対して新しい作成ルールが配信されてもよい。
また、ルール記憶部2302に格納されている全ての作成ルールそれぞれについて、作成部104が当該作成ルールを用いた作品コンテンツを作成したことがある場合、コンテンツ選択装置100dの判断部102は、サーバ2303に新しい作成ルールが登録されたかどうかを問い合わせてもよい。
また、実施の形態5で説明した作成ルールでは、コンテンツ選択範囲2402は時間的な範囲が指定されているが、コンテンツ選択範囲2402は、空間的な範囲を示すものであってもよい。
この場合、撮影機器に内蔵あるいは接続された位置検出手段(GPSや無線通信基地局による位置推定など)によって検出された、コンテンツと関連付けて記録されている位置情報に基づいてコンテンツ選択範囲2402が決定される。具体的には、コンテンツ選択範囲2402に示される起点(例えば有名な観光地の位置を示す点)および当該起点からの距離の範囲内で撮影されたコンテンツが選択対象となる。
また、実施の形態5で説明した作成ルールでは、コンテンツ選択方法2403および選択キー2404としてオブジェクト特徴量が用いられたが、コンテンツ選択方法2403および選択キー2404として文字情報や色情報が用いられてもよい。
文字情報を用いる場合、例えば、図24において、コンテンツ選択方法2403を「文字情報を含むコンテンツ」とし、選択キー2404として特定の文字列の指定を受けつけてもよい。このようにすると、コンテンツ選択装置100dは、選択キー2404で指定された文字列を文字情報として含むコンテンツを選択することができる。
また、色情報を用いる場合、例えば、図24において、コンテンツ選択方法2403を「色情報を含むコンテンツ」とし、選択キー2404として特定の色情報(例えば24ビットRGB値)の指定を受けつけてもよい。このようにすると、コンテンツ選択装置100dは、選択キー2404の色情報で示される色またはそれに近い色(例えば24ビットRGB値でR=128、G=200、B=45で示される色の場合、各色チャンネルにおいて±10以内、つまり118≦R≦138、190≦G≦210、35≦B≦55の範囲の値で示される色)の画素を、全画素のうち所定の割合(たとえば全画素中で30%の画素)以上含むコンテンツを選択することができる。
また、実施の形態5で説明した作成ルール情報では、実行フラグにより、その作成ルールにより作品コンテンツの作成処理が実行されたか否かを管理している。しかしながら、例えば、その作成ルールが使用された年月日や、過去に使用された回数などの情報を用いて、作成ルールの使用履歴が管理されてもよい。これにより、例えば、新たな作品コンテンツの作成にあたって、所定の期間において使用されていない作成ルールを用いるなど、よりきめ細やかな作成ルールの使用が可能となる。
(変形例)
なお、上記全ての実施の形態において、新たに作成する作品コンテンツの素材として静止画コンテンツ(写真)を例として説明したが、動画コンテンツ(ムービー)を素材としてもよい。
また、上記全ての実施の形態に係るコンテンツ選択装置は、実施の形態5で説明したような作成ルールと、素材として用いたコンテンツ(あるいはフォルダ)の履歴を記憶部101内に保存してもよい。そして、コンテンツ選択装置は、今まで使った作成ルールやコンテンツはなるべく使わず、使っていない作成ルールやコンテンツを積極的に使って作品コンテンツを作成してもよい。
また、上記全ての実施の形態において、コンテンツ選択装置では、記憶部101にコンテンツが記憶されるとしたが、コンテンツ選択装置にコンテンツが記憶されず、コンテンツ選択装置が、記憶装置を備える他の装置や記録媒体に格納されているコンテンツを取得し、各実施の形態において説明した作品コンテンツの作成処理を行ってもよい。
この場合、コンテンツ選択装置は、記憶部101に代えて、または、記憶部101とは別に、外部からコンテンツを取得する取得部(図示せず)を備える。このときの取得部は、外部からコンテンツを取得するだけでなく、コンテンツ選択装置の内部にコンテンツが記憶されている場合は、コンテンツ選択装置の内部からもコンテンツを取得してもよい。
また、上記全ての実施の形態において、記憶部101に、過去に作品コンテンツを作成した際に選択したコンテンツに関する情報が選択履歴情報として記憶されてもよい。この場合、選択部103は、この選択履歴情報を参照して、作品コンテンツを作成する際に選択された頻度が所定値以下のものを、新たに作品コンテンツを作成するためのコンテンツとして選択してもよい。なお、選択履歴情報に基づき選択されるコンテンツは、上記の例に限らず、例えば、ある所定値(例えば、0、1など)のもののみを選択するようにしてもよい。
このようにすることで、コンテンツ選択装置は、作品コンテンツとして過去に選択された頻度の少ないコンテンツを用いて新たな作品コンテンツを作成することが可能となる。その結果、ユーザは、より多くの種類のコンテンツを作品コンテンツとして閲覧することが可能となる。
なお、上記全ての実施の形態において、コンテンツは、作成日時に応じてフォルダに振り分けられているが、コンテンツは、作成日時とは異なるパラメータに基づいてフォルダに振り分けられてもよい。
なお、コンテンツ選択装置は、上記実施の形態において説明したコンテンツの選択方法を切替えてコンテンツの選択を行ってもよい。この場合、コンテンツ選択装置は、さらに、選択部103のコンテンツの選択方法である選択モードを切り替える選択モード切替部を備える。
また、上記全ての実施の形態で説明したコンテンツ選択装置は、コンピュータにより実現することも可能である。
また、本発明は、上記に示す方法であるとしてもよい。また、これらの方法をコンピュータにより実現するコンピュータプログラムであるとしてもよいし、前記コンピュータプログラムからなるデジタル信号であるとしてもよい。
さらに、本発明は、上記コンピュータプログラムまたは上記デジタル信号をコンピュータ読み取り可能な記録媒体、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、CD−ROM、MO、DVD、DVD−ROM、DVD−RAM、BD(Blu−ray Disc(登録商標))、USBメモリ、SDメモリーカードなどのメモリカード、半導体メモリなどに記録したものとしてもよい。また、これらの記録媒体に記録されている上記デジタル信号であるとしてもよい。
また、本発明は、上記コンピュータプログラムまたは上記デジタル信号を、電気通信回線、無線または有線通信回線、インターネットを代表とするネットワーク、データ放送等を経由して伝送するものとしてもよい。
また、本発明は、マイクロプロセッサとメモリを備えたコンピュータシステムであって、上記メモリは、上記コンピュータプログラムを記憶しており、上記マイクロプロセッサは、上記コンピュータプログラムに従って動作するとしてもよい。
また、上記プログラムまたは上記デジタル信号を上記記録媒体に記録して移送することにより、または上記プログラムまたは上記デジタル信号を、上記ネットワーク等を経由して移送することにより、独立した他のコンピュータシステムにより実施するとしてもよい。
さらに、上記実施の形態および上記変形例をそれぞれ組み合わせるとしてもよい。
今回開示された実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
以上、一つまたは複数の態様に係るコンテンツ選択装置について、実施の形態に基づいて説明したが、本発明は、この実施の形態に限定されるものではない。本発明の趣旨を逸脱しない限り、当業者が思いつく各種変形を本実施の形態に施したものや、異なる実施の形態における構成要素を組み合わせて構築される形態も、一つまたは複数の態様の範囲内に含まれてもよい。