JP5954251B2 - ウェーハの面取り加工装置及びウェーハの面取り加工方法 - Google Patents
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Description
従来から面取り加工装置の運転休止後に運転を再開すると数バッチの間、加工されたウェーハの断面形状寸法精度が安定しないため加工精度が悪く、製品歩留まりを低下させる現象が知られていた。
このようなものであれば、砥石とウェーハ周縁部の相対位置の変化をより確実に抑制できるものとなる。
このようにすれば、砥石とウェーハ周縁部の相対位置の変化をより確実に抑制できる。
上記したように、従来のウェーハの面取り加工において、運転開始前に空運転を行っても加工精度が悪化するという問題がある。そこで本発明者はこの問題について詳細に検討したところ、従来の空運転を行う方法では、面取り加工中に生じる研削熱について考慮しておらず、この研削熱の影響による加工精度の悪化を抑制できないことを見出した。更に、この研削熱による影響は、発熱体を用いて加工前に砥石付近を加熱しておくことにより排除できることに想到し、本発明を完成させた。
図1に示すように、本発明のウェーハの面取り加工装置1は、砥石2、ステージ3、第1の発熱体4、第1の温度計5、制御装置6を有している。
ステージ3はウェーハ8を保持するためのもので、駆動モータ13bの駆動力により回転軸9周りに回転可能であり、移動軸11a、11b、及び図示しないもう1つの移動軸によりX−Y−Z方向に移動可能である。このステージ3により、保持したウェーハ8の位置を移動軸11aによりZ方向に、移動軸11bによりX方向に、もう1つの移動軸によりY方向に調整可能である。
第1の発熱体4は、砥石2及び砥石2の回転軸7を加熱するためのものである。例えば、第1の発熱体4として、赤外線放射型の放射伝熱による加熱を行えるものを用いることができ、具体的には、ハロゲンランプによる赤外線放射加熱器を用いることができる。第1の温度計5は、第1の発熱体4による加熱温度を測定するものである。
図1に示す面取り加工装置1の例では、第2の発熱体及び第2の温度計をそれぞれ2つづつ設けているが、ステージ3の構造や面取り加工装置1の筐体形状によって1つ又は3つ以上設ける構成とすることができる。
更に、上記では第1及び第2の発熱体を筐体の内壁に取り付けるタイプのものを例示したが、これに限定されず、砥石や回転軸、移動軸を加熱できるものであればいずれのものでも良い。
まず、ウェーハ8の面取り加工を開始する前の、例えば面取り加工装置1の運転停止中などで、第1の発熱体4によって砥石2及び砥石2の回転軸7を加熱する。このとき、砥石2及び砥石2の回転軸7を加熱する温度を、面取り加工中に上昇しうる最大値とすれば加工中の温度変化幅をより低減できるので好ましい。すなわち、砥石2及び砥石2の回転軸7の熱膨張による体積変化がこれ以上起こらない安定した状態で面取り加工を開始できる。
このとき、第2の発熱体10a、10bによって、ステージ3の回転軸9及び移動軸11a、11b(及びもう1つの移動軸)も加熱することが好ましい。このようにすれば、ウェーハ8の周縁部と砥石2の相対位置の変化をより確実に抑制できる。
このような面取り加工方法であれば、ウェーハ8の周縁部と砥石2の相対位置の変化を抑制でき、面取り加工開始直後の1バッチ目から安定した加工精度を得ることができるので、製品歩留まりを向上できる。また、空運転を行う必要もないので製造コストを低減できる。
図1に示すような、本発明のウェーハの面取り加工装置1を用い、本発明のウェーハの面取り加工方法に従って、直径300mmのシリコンウェーハの面取り加工を行い、加工精度を評価した。第1及び第2の発熱体として、ハロゲンランプによる赤外線放射加熱器(岩崎電気製IRE135−M)を用いた。
加工精度の評価は、株式会社コベルコ科研製エッジプロファイルモニターLEP2200を用い、評価項目を加工精度の代表例である表裏面幅差の平均値(n=5)とした。
例えば昼休みのように装置を短時間停止させた場合の効果を調べるため、通常運転後に面取り加工装置1を1時間停止した以外、実施例1と同様の条件でシリコンウェーハの面取り加工を行い、同様に評価した。
その結果、図3に示すように、実施例1と同様、1バッチ目から表裏面幅差の平均値が20μm以内で安定した加工精度を得た。
本発明の第1及び第2の発熱体を具備しない従来の面取り加工装置を用い、面取り加工前にこれら発熱体による加熱を行わなかった以外、実施例1と同様の条件でシリコンウェーハの面取り加工を行い、同様に評価した。
面取り加工開始前の砥石、砥石回転軸、ステージ回転軸及び移動軸の表面温度は24℃であった。表裏面幅差の平均値の結果は、図4に示すように、1バッチ目は70μmであり、実施例1、2と比べ大幅に悪化してしまった。その後、バッチが進むに連れて表裏面幅差が縮小したが、5バッチ目までは表裏面幅差が安定せず、6バッチ目以降から平均値20μm以内に安定した。
面取り加工前に空運転を行った以外、比較例1と同様にシリコンウェーハの面取り加工を行い、同様に評価した。
面取り加工開始前の砥石、砥石回転軸、ステージ回転軸及び移動軸の表面温度は26〜28℃であった。表裏面幅差の平均値の結果は、図5に示すように、1バッチ目は40μmであり、比較例1よりは改善されたものの、実施例1、2と比べ悪化してしまった。その後、バッチが進むに連れて表裏面幅差が縮小したが、2バッチ目までは表裏面幅差が安定せず、3バッチ目以降から平均値20μm以内に安定した。
5…第1の温度計、 6、6’…制御装置、 7…砥石の回転軸、 8…ウェーハ、
9…ステージの回転軸、 10a、10b…第2の発熱体、
11a、11b…ステージの移動軸、 12a、12b…第2の温度計、
13a、13b…駆動モータ。
Claims (4)
- ウェーハを保持するための軸周りに回転可能で、かつ移動軸によりX−Y−Z方向に移動可能なステージと、該ステージに保持された前記ウェーハの周縁を面取り加工するための軸周りに回転可能な砥石を具備するウェーハの面取り加工装置であって、
更に、前記砥石及び砥石の回転軸を加熱するための第1の発熱体と、該第1の発熱体による加熱温度を測定する第1の温度計と、前記第1の発熱体による加熱と前記第1の温度計による測定を自動制御するための制御装置を具備するものであることを特徴とするウェーハの面取り加工装置。 - 前記ステージの回転軸及び移動軸を加熱するための第2の発熱体と、該第2の発熱体による加熱温度を測定する第2の温度計を更に具備するものであることを特徴とする請求項1に記載のウェーハの面取り加工装置。
- ウェーハをステージに保持し、該ステージを軸周りに回転させつつ移動軸により前記ステージの位置をX−Y−Z方向に調整し、砥石を軸周りに回転させながら、前記砥石を前記ウェーハの周縁に当接させて面取り加工するウェーハの面取り加工方法であって、
前記ウェーハの面取り加工を開始する前に、前記砥石及び砥石の回転軸を加熱することを特徴とするウェーハの面取り加工方法。 - 前記ウェーハの面取り加工を開始する前に、更に前記ステージの回転軸及び移動軸を加熱することを特徴とする請求項3に記載のウェーハの面取り加工方法。
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