JP5950391B2 - トナー用結着樹脂 - Google Patents
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Description
この課題を解決するために、低分子量でも高ガラス転移温度のトナー用結着樹脂として、テレフタル酸やイソフタル酸等の芳香環を有するカルボン酸を原料モノマーとして用いて得られたポリエステルが汎用されている。
また、特許文献4に記載の樹脂も、軟化温度が110〜160℃であり、低温定着性に関して不十分である。
〔1〕 フラン環を有する非晶質ポリエステルを含有してなるトナー用結着樹脂であって、前記非晶質ポリエステルがカルボン酸成分とアルコール成分とを縮重合して得られるものであり、前記アルコール成分が、イソソルバイドを含有してなるトナー用結着樹脂、
〔2〕 前記〔1〕記載のトナー用結着樹脂を含有してなる、電子写真用トナー、並びに
〔3〕 前記〔1〕記載のトナー用結着樹脂を含む原料の溶融混練工程及び粉砕工程を含む、前記〔2〕記載の電子写真用トナーの製造方法
に関する。
で表されるビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物が挙げられる。
フローテスター(島津製作所社製、CFT-500D)を用い、1gの試料を昇温速度6℃/分で加熱しながら、プランジャーにより1.96MPaの荷重を与え、直径1mm、長さ1mmのノズルから押し出す。温度に対し、フローテスターのプランジャー降下量をプロットし、試料の半量が流出した温度を軟化点とする。
示差走査熱量計(ティー・エイ・インスツルメント・ジャパン社製、Q-100)を用いて、試料0.01〜0.02gをアルミパンに計量し、室温から降温速度10℃/分で0℃まで冷却しそのまま1分間静止させる。その後、昇温速度50℃/分で昇温し測定する。観測される吸熱ピークのうち、最も高温側にあるピークの温度を吸熱の最高ピーク温度とする。
示差走査熱量計(セイコー電子工業社製、DSC210)を用いて、試料0.01〜0.02gをアルミパンに計量し、200℃まで昇温し、その温度から降温速度10℃/分で0℃まで冷却した後、昇温速度10℃/分で昇温し測定する。吸熱の最高ピーク温度以下のベースラインの延長線とピークの立ち上がり部分からピークの頂点までの最大傾斜を示す接線との交点の温度をガラス転移温度とする。
示差走査熱量計(セイコー電子工業社製、DSC210)を用いて200℃まで昇温し、その温度から降温速度10℃/分で0℃まで冷却したサンプルを昇温速度10℃/分で昇温し、融解熱の最大ピーク温度を融点とする。
測定機:コールターマルチサイザーII(ベックマンコールター社製)
アパチャー径:50μm
解析ソフト:コールターマルチサイザーアキュコンプ バージョン 1.19(ベックマンコールター社製)
電解液:アイソトンII(ベックマンコールター社製)
分散液:エマルゲン109P(花王社製、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、HLB:13.6)5%電解液
分散条件:分散液5mlに測定試料10mgを添加し、超音波分散機にて1分間分散させ、その後、電解液25mlを添加し、さらに、超音波分散機にて1分間分散させる。
測定条件:ビーカーに電解液100mlと分散液を加え、3万個の粒子の粒径を20秒で測定できる濃度で、3万個の粒子を測定し、その粒度分布から体積中位粒径(D50)を求める。
表1、2に示す原料モノマー及びエステル化触媒を、温度計、ステンレス製攪拌棒、流下式コンデンサー及び窒素導入管を装備した5リットルの四つ口フラスコに入れ、窒素雰囲気にてマントルヒーター中で、220℃まで昇温し、220℃にて5時間反応を行った。その後220℃にて反応率が95%以上に到達したのを確認し、190℃まで冷却後、40kPaにて所望の軟化点に達するまで反応を行って、ポリエステルを得た。なお、反応率とは、生成反応水量/理論生成水量×100の値をいう。
表1、2に示す原料モノマー及びエステル化触媒を、温度計、ステンレス製攪拌棒、流下式コンデンサー及び窒素導入管を装備した5リットルの四つ口フラスコに入れ、窒素雰囲気にてマントルヒーター中で、180℃まで昇温した後、210℃まで5時間かけて昇温を行った。その後210℃にて反応率が95%以上に到達したのを確認し、190℃まで冷却後、40kPaにて所望の軟化点に達するまで反応を行って、ポリエステルを得た。
表1に示す無水トリメリット酸を除く原料モノマー及びエステル化触媒を、温度計、ステンレス製攪拌棒、流下式コンデンサー及び窒素導入管を装備した5リットルの四つ口フラスコに入れ、窒素雰囲気にてマントルヒーター中で、180℃まで昇温した後、210℃まで5時間かけて昇温を行った。その後210℃にて反応率が95%以上に到達したのを確認し、表1に示す無水トリメリット酸を投入した。1時間常圧にて反応を行った後、40kPaにて軟化点が101.8℃に達するまで反応を行って、ポリエステルを得た。
表2に示すグリセリンを除く原料モノマー及びエステル化触媒を、温度計、ステンレス製攪拌棒、流下式コンデンサー及び窒素導入管を装備した5リットルの四つ口フラスコに入れ、窒素雰囲気にてマントルヒーター中で、180℃まで昇温した後、210℃まで5時間かけて昇温を行った。その後210℃にて反応率が95%以上に到達したのを確認し、表2に示すグリセリンを投入した。1時間常圧にて反応を行った後、40kPaにて所望の軟化点に達するまで反応を行って、ポリエステルを得た。
実施例1〜11及び比較例1〜3(実施例1は参考例である)
表3に示す結着樹脂100重量部、負帯電性荷電制御剤「ボントロン E-81」(オリエント化学工業社製)1重量部、着色剤「Regal 330R」(キャボット社製、カーボンブラック)5重量部、及び離型剤「三井ハイワックスNP055」(三井化学社製、ポリプロピレンワックス、融点:125℃)2重量部をヘンシェルミキサーで十分混合した後、同方向回転二軸押出機「PCM-45」(池貝鉄工社製、軸の直径4.4cm、軸の断面積15.9cm2)を用いて溶融混練した。二軸押出機への混合物の供給量は、軸の単位断面積あたり、3.14kg/hr・cm2、バレル設定温度は80℃、軸回転の周速は200r/min(0.46m/sec)であった。得られた混練物を冷却、粗粉砕した後、ジェットミルにて粉砕し、分級して、体積中位粒径(D50)が8μmのトナー粒子を得た。
複写機「AR-505」(シャープ(株)製)の定着機を装置外での定着が可能なように改良した装置にトナーを実装し、シャープ(株)製の紙[CopyBond SF-70NA(75g/m2)]上に、4cm×4cmのベタ印刷の未定着画像を得た。総定着圧が40kgfになるように調整した定着機(定着速度390mm/sec)を用い、定着ローラーの温度を100℃から240℃へと5℃ずつ順次上昇させながら、最低定着温度に達するまで、各温度で未定着画像を定着させた。定着画像に「ユニセフセロハン」(三菱鉛筆社、幅:18mm、JISZ-1522)を貼り付け、温度を30℃、総定着圧が40kgfになるように調整した定着ローラーに通過させた後、テープを剥がした。テープを貼る前と剥がした後の光学反射密度を反射濃度計「RD-915」(マクベス社製)を用いて測定し、両者の比率(剥離後/貼付前×100)が最初に90%を越える定着ローラーの温度を最低定着温度とし、トナーの低温定着性を評価した。結果を表3に示す。
トナー4gを半径12mmの円筒型容器に入れ、温度55℃、湿度60%の環境下で72時間放置した。放置後、トナーを容器から取り出し、トナー凝集の発生程度を目視にて観察し、以下の評価基準に従って、トナーの保存性を評価した。結果を表3に示す。
A:72時間後も凝集は全く認められない。
B:48時間後で凝集は認められないが72時間後で凝集が認められる。
C:48時間後で凝集が認められる。
表3に示す所定量の結着樹脂、着色剤「Regal 330R」(キャボット社製、カーボンブラック)5重量部、ワックス「HNP-9」(日本精鑞社製、融点75℃)3重量部、及び荷電制御剤「ボントロンE-84」(オリエント化学工業社製)1重量部を、ヘンシェルミキサーにて混合し、得られた混合物を同方向回転二軸押出機PCM-30(池貝鉄工社製、軸の直径 3cm、軸の断面積 7.06cm2)を使用して、バレル設定温度 100℃、軸回転数 200r/minにて、原料供給速度 10kg/hrの条件で混練を行い、混練吐出物を直ちにシート化しつつ25℃まで冷却した。
[生産性]=[粉砕フィード量]×([得られたトナー母粒子量]/[投入粗砕物の量])
Claims (8)
- フラン環を有する非晶質ポリエステルを含有してなるトナー用結着樹脂であって、前記非晶質ポリエステルがカルボン酸成分とアルコール成分とを縮重合して得られるものであり、前記アルコール成分が、イソソルバイドを含有してなるトナー用結着樹脂。
- カルボン酸成分とアルコール成分の少なくともいずれかが、少なくともフラン環を有するカルボン酸化合物を含むカルボン酸成分及び/又はフラン環を有するアルコールを含むアルコール成分である、請求項1記載のトナー用結着樹脂。
- イソソルバイドの含有量が、アルコール成分中、10〜100モル%である、請求項1又は2記載のトナー用結着樹脂。
- フラン環を有する非晶質ポリエステルの軟化点が90〜110℃である、請求項1〜3いずれか記載のトナー用結着樹脂。
- フラン環を有するカルボン酸化合物が、フランジカルボン酸化合物、フランカルボン酸化合物及びヒドロキシフランカルボン酸化合物からなる群から選ばれた少なくとも1種である、請求項2〜4いずれか記載のトナー用結着樹脂。
- フラン環を有するアルコールが、フランジアルコール、ヒドロキシメチルフルフリルアルコール及びフルフリルアルコールからなる群から選ばれた少なくとも1種である、請求項2〜5いずれか記載のトナー用結着樹脂。
- 請求項1〜6いずれか記載のトナー用結着樹脂を含有してなる、電子写真用トナー。
- 請求項1〜6いずれか記載のトナー用結着樹脂を含む原料の溶融混練工程及び粉砕工程を含む、請求項7記載の電子写真用トナーの製造方法。
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