JP5943488B2 - 半導体封止用樹脂組成物及びその硬化物を備えた半導体装置 - Google Patents
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Description
(A)1分子中に2個以上のシアナト基を有するシアネートエステル化合物
(B)下記一般式(2)で表されるフェノール化合物
(式(2)中、R 5 及びR 6 は、互いに独立に、水素原子または炭素数1〜4のアルキル基であり、R 7 は、互いに独立に、下記のいずれかである。
R 4 は、互いに独立に、水素原子またはメチル基であり、mは0〜10の整数である)
(C)無機充填剤(ただし、不定形の無機充填剤、並びに、窒化ホウ素、及びジルコニウム粒子を除く)
(D)下記一般式(3)または(4)で表されるエポキシ樹脂
(E)酸価が30以下であり、かつケン化価が150以下である離型剤(但し、酸価が5未満のときケン化価は80以上150以下であり、ケン化価が5未満のとき酸価は20以上30以下である)を含み、
(A)シアネートエステル化合物中のシアナト基に対する(B)フェノール化合物中のフェノール性水酸基のモル比が0.2〜0.4であり、かつ(A)シアネートエステル化合物中のシアナト基に対する(D)エポキシ樹脂中のエポキシ基のモル比が0.04〜0.25である組成物である。
(A)成分は、1分子中に2個以上のシアナト基を有するシアネートエステル化合物である。本発明におけるシアネートエステル化合物は1分子中に2個以上のシアナト基を有するものであればよく、一般に公知のものが使用できる。該シアネートエステル化合物は、例えば下記一般式(1)で表すことができる。
(B)成分は1分子中に2個以上のフェノール性水酸基を有するフェノール化合物であり、1分子中に2個以上のフェノール性水酸基を有するものであれば一般に公知のものが使用できる。該フェノール化合物は、例えば下記一般式(2)で表すことができる。
上記式中、R7は、互いに独立に、下記式で表される基である。
本発明において無機充填剤の種類は特に制限されず、半導体封止用樹脂組成物の無機充填剤として公知のものを使用できる。例えば、溶融シリカ、結晶性シリカ、クリストバライト等のシリカ類、アルミナ、窒化珪素、窒化アルミニウム、ボロンナイトライド、酸化チタン、ガラス繊維、酸化マグネシウム、及び酸化亜鉛等が挙げられる。これら無機充填剤の平均粒径や形状は、用途に応じて選択されればよい。中でも、シリコンに近い熱膨張係数を得るためには、溶融シリカが好ましく、形状は球状のものが好適である。無機充填剤の平均粒径は0.1〜40μmであることが好ましく、より好ましくは0.5〜15μmであるのがよい。該平均粒径は、例えばレーザー光回折法等による重量平均値(又はメディアン径)等として求めることができる。
(D)成分は下記式(3)または(4)で表されるエポキシ樹脂である。
本発明で用いられる(E)成分は、酸価が30以下であり、かつケン化価が150以下である離型剤である。好ましくは、酸価は10〜25である。また好ましくは、ケン化価は70〜140、さらに好ましくは70〜100である。酸価及びケン化価はいずれか一方が0であってもよい。但し、酸価が5未満のときケン化価は80以上150以下、好ましくは100以上150以下であり、ケン化価が5未満のとき酸価は20以上30以下、好ましくは25以上30以下であることが必要である。酸価及びケン化価が共に小さすぎる離型剤は樹脂との相溶性が良すぎるため、十分な離型効果(即ち、連続成形性)を発揮することができず好ましくない。また、酸価、ケン化価が大きすぎると、硬化物表面の滲み出しがひどく外観不良となる場合がある。特に、ケン化価が上記上限値を超えると、離型剤は室温で固形ではなく液体(潤滑油)になるおそれがある。このような離型剤を組成物に添加して成形すると、経時でブリードアウトして硬化物の外観を損ねるおそれがあるため好ましくない。
下記に示す各成分を表1に示す組成で配合し、高速混合機で均一に混合した後、加熱2本ロールで均一に混練、冷却後 粉砕することで樹脂組成物を得た。
[合成例1]
100gのフェノール化合物 MEH−7851SS(明和化成製)を600gの酢酸ブチル中に溶解した。その溶液を約−15℃に冷却し、32gのガス状塩化シアンを導入した。ついで、約30分間にわたって、50gのトリエチルアミンを攪拌下に滴下して加え、その間、温度は−10℃以下に保った。この温度にさらに30分間保った後、冷却を止めて反応混合物を濾過した。濾液を継続的にイオン交換体充填カラムに通した。続いて、減圧下、浴温度70℃で溶剤を除去し、その後揮発性の不純物(溶媒の残留物、遊離のトリエチルアミン、ジエチルシアナミドを含む)を、流下フィルム型蒸発器を用い、1mbar、130℃にて除去した。得られた生成物は下記式(6)で示すシアネートエステル化合物(シアネート基当量208)であった。
(ハ)下記式(7)で示すフェノール化合物(MEH−7800SS、明和化成製、フェノール性水酸基当量175)
(ニ)下記式(8)で示すフェノール化合物(MEH−7851SS、明和化成製、フェノール性水酸基当量203)
(ホ)下記式(9)で示すフェノール化合物(TD−2131、DIC製、フェノール性水酸基当量110)
(ヘ)平均粒径15μmの溶融球状シリカ(龍森製)
(ト)下記式(10)で示すエポキシ樹脂化合物(NC−3000、日本化薬製、エポキシ当量272)
(チ)下記式(11)で示すエポキシ樹脂化合物(HP−4770、日本化薬製、エポキシ当量204)
(リ)離型剤1:酸価25、ケン化価0の酸化ポリエチレン(リコワックスPED−522、クラリアント社製)
(ヌ)離型剤2:酸価10、ケン化価85の脂肪酸エステル(TOWAX−131、東亜合成株式会社製)
(ル)離型剤3:酸価25、ケン化価140の脂肪酸エステル(ITO−WAX TP NC−133、伊藤製油株式会社製)
(ヲ)離型剤4:酸価0、ケン化価0のポリエチレン(リコワックスPE−522、クラリアント社製)
(ワ)離型剤5:酸価86、ケン化価0のポリプロピレンと無水マレイン酸コポリマー(エレクトールD121−41、日産化学工業株式会社製)
・シランカップリング剤:3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン(KBM−803、信越化学工業株製)
・イミダゾール(四国化成社製)
EMMI規格に準じた金型を使用して、175℃、6.9N/mm2、成形時間180秒の条件で測定した。
175℃x120秒間、成形圧6.9MPaの条件でトランスファー成形、次いで180℃、4時間ポストキュアすることにより10x100x4mmの試験片を得た。該試験片を250℃オーブン中に500時間保管し、重量減少率を測定した。
ダイパッド部(8mmx8mm)及びワイヤーボンディング部がAgメッキされたCu 合金(Olin C7025)製100pin QFPリードフレームを175℃x120秒間、成形圧6.9MPaの条件でトランスファー成形、次いで180℃、4時間ポストキュアした。リードフレームカッターでタイバーを切断し、20mmx14mmx2.7mmのQFPパッケージを得た。
このパッケージ12個を250℃オーブン中に500時間保管し、保管後パッケージのクラックの有無を目視で確認した。また、超音波探傷装置を使用して内部クラック及びリードフレームとの剥離の有無を観察した。クラックまたは剥離が生じたパッケージの個数を表に記載する。
ダイパッド部(8mmx8mm)及びワイヤーボンディング部がAgメッキされたCu 合金(Olin C7025)製100pin QFPリードフレームを175℃x120秒間、成形圧6.9MPaの条件でトランスファー成形、次いで180℃、4時間ポストキュアした。リードフレームカッターでタイバーを切断し、20mmx14mmx2.7mmのQFPパッケージを得た。
このパッケージ12個をPCT(121℃x100%RH 2.1atm)中に96時間保管し、保管後、超音波探傷装置を使用して内部クラック及びリードフレームとの剥離の有無を観察した。クラックまたは剥離が生じたパッケージの個数を表に記載する。
80pin QFP(14x20x2.7mm)を175℃x120秒、6.9MPa で100ショット成形し、金型張り付きやカル、ランナー折れ発生までのショット数を観察した。
Claims (8)
- (A)1分子中に2個以上のシアナト基を有するシアネートエステル化合物
(B)下記一般式(2)で表されるフェノール化合物
(C)無機充填剤(ただし、不定形の無機充填剤、並びに、窒化ホウ素、及びジルコニウム粒子を除く)
(D)下記一般式(3)または(4)で表されるエポキシ樹脂
(E)酸価が30以下であり、かつケン化価が150以下である離型剤(但し、酸価が5未満のときケン化価は80以上150以下であり、ケン化価が5未満のとき酸価は20以上30以下である)を含み、
(A)シアネートエステル化合物中のシアナト基に対する(B)フェノール化合物中のフェノール性水酸基のモル比が0.2〜0.4であり、かつ(A)シアネートエステル化合物中のシアナト基に対する(D)エポキシ樹脂中のエポキシ基のモル比が0.04〜0.25である組成物。 - (E)成分が、脂肪酸エステル及び酸化ポリエチレンから選ばれる少なくとも1種である、請求項1記載の組成物。
- (C)無機充填剤が、溶融シリカ、アルミナ、クリストバライト、及び窒化ケイ素から選ばれる、請求項1〜3のいずれか1項記載の組成物。
- (C)無機充填剤が球状溶融シリカである、請求項4記載の組成物。
- 請求項1〜5のいずれか1項記載の組成物の硬化物を備えた半導体装置。
- SiCまたはGaNからなる半導体素子を搭載している、請求項6記載の半導体装置。
- 請求項1〜5のいずれか1項記載の組成物をトランスファー成形により成形する工程を含む、請求項6または7に記載の半導体装置を製造する方法。
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