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JP5703547B2 - 樹脂組成物、プリプレグ、積層板、多層プリント配線および半導体装置 - Google Patents

樹脂組成物、プリプレグ、積層板、多層プリント配線および半導体装置 Download PDF

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Description

本発明は、樹脂組成物、プリプレグ、積層板、多層プリント配線および半導体装置に関するものである。
近年、電子機器の高機能化等の要求に伴い、電子部品の高密度集積化、更には高密度実装化等が進んでいる。そのため、これらに使用される高密度実装対応のプリント配線板等は、従来にも増して、小型薄型化かつ高密度化が進んでいる。
特に薄型化の場合、基板自体の剛性が低いため、リフローで部品を接続する際に反りのが問題となる。そのため、より低反り・低熱膨張に優れた配線板は、無機充填剤の配合比率が高くなる傾向にある。
しかしながら、無機充填材の比率が高くなると低熱膨張に優れるが、樹脂の流動性が低下してしまう場合が多かった。
また、半田リフロー温度の高温化に対応するために、無機充填剤としてベーマイトのような耐熱性の高いものを用いる技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
しかし、ベーマイトのような不定形の無機充填剤を用いると、樹脂の流動性の低下を招いてしまい、無機充填剤の高充填化が困難であった。
特開2004−59643号公報
本発明の目的は、不定形の無機充填剤を用いた場合であっても流動性を損なうことなく、積層板の反りが抑制される樹脂組成物を提供することにある。
また、本発明の別の目的は、上述した樹脂組成物を用いて性能に優れるプリプレグ、積層板、多層プリント配線板および半導体装置を提供することにある。
本発明の目的は、下記(1)〜(13)に記載の本発明により達成される。
(1)積層板を形成するために用いる樹脂組成物であって、
エポキシ樹脂と、ベーマイトと、前記ベーマイトレーザー回折散乱法により測定した平均粒子径が異なり、かつその平均粒子径が10〜100nmである球状シリカと、を含み、前記ベーマイトの含有量(w1)は前記樹脂組成物全体の20〜65重量%であり、前記平均粒子径が10〜100nmである球状シリカの含有量(w2)は前記樹脂組成物全体の0.5〜5重量%であり、前記ベーマイトの含有量(w1)と、前記平均粒子径が10〜100nmである球状シリカの含有量(w2)との重量比(w2/w1)が、0.02〜0.5である樹脂組成物。
)前記平均粒子径が10〜100nmである球状シリカは、予め有機溶媒に分散したスラリーを用いるものである(1)に記載の樹脂組成物。
)前記ベーマイトの平均粒径が、0.5〜5μmである(1)または(2)のいずれかに記載の樹脂組成物。
)さらに、平均粒子径が0.2〜3μmの第3無機充填剤を含むものである(1)ないし(3)のいずれかに記載の樹脂組成物。
)前記第3無機充填剤の最大粒子径が、10μm以下である(4)に記載の樹脂組成物。
)前記第2無機充填剤の含有量(w2)と、前記第3無機充填剤の含有量(w3)との重量比(w2/w3)が、0.02〜1.5である(4)または(5)に記載の樹脂組成物。
)さらに、シアネート樹脂を含むものである(1)ないし(6)のいずれかに記載の樹脂組成物。
)前記エポキシ樹脂は、ビフェニルジメチレン型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、ナフタレン変性クレゾールノボラックエポキシ樹脂、およびアントラセン型エポキシ樹脂よりなる群から選ばれる少なくとも1種である(1)ないし(7)のいずれかに記載の樹脂組成物。
)(1)ないし(8)のいずれかに記載の樹脂組成物を繊維基材に含浸してなることを特徴とするプリプレグ。
10)(9)に記載のプリプレグを少なくとも1枚以上重ね合わせた積層体の少なくとも片面に金属箔を有することを特徴とする積層板。
11)(9)に記載のプリプレグを絶縁層に用いてなることを特徴とする多層プリント配線板。
12)(10)に記載の積層板を内層回路基板に用いてなることを特徴とする多層プリント配線板。
13)(11)または(12)に記載の多層プリント配線板に半導体素子を搭載してなることを特徴とする半導体装置。
本発明によれば、ベーマイトを用いた場合であっても流動性を損なうことなく、積層板の反りが抑制される樹脂組成物を得ることができる。
また、本発明によれば性能に優れるプリプレグ、積層板、多層プリント配線板および半導体装置を得ることができる。
以下、本発明の樹脂組成物、プリプレグ、積層板、多層プリント配線板および半導体装置について説明する。
本発明の樹脂組成物は、積層板を形成するために用いる樹脂組成物であって、
エポキシ樹脂と、ベーマイトと、ベーマイトと平均粒子径が異なり、かつその平均粒子径が10〜100nmであるシリカと、を含むことを特徴とする。
また、本発明のプリプレグは、上記に記載の樹脂組成物を繊維基材に含浸してなることを特徴とする。
また、本発明の積層板は、上記に記載のプリプレグを少なくとも1枚以上重ね合わせた積層体の少なくとも片面に金属箔を有することを特徴とする。
また、本発明の多層プリント配線板は、上記に記載のプリプレグを絶縁層に用いてなることを特徴とする。
また、本発明の多層プリント配線板は、上記に記載の積層板を内層回路基板に用いてなることを特徴とする。
また、本発明の半導体装置は、上記に記載の多層プリント配線板に半導体素子を搭載してなることを特徴とする。
(樹脂組成物)
まず、樹脂組成物について説明する。
前記樹脂組成物は、エポキシ樹脂を含む。これにより、電気特性に優れる積層板を得ることができる。
前記エポキシ樹脂としては、特に限定されないが、実質的にハロゲン原子を含まないものが好ましい。ここで、「実質的にハロゲン原子を含まない」とは、エポキシ樹脂の合成過程において使用されたハロゲン系成分に由来するハロゲンが、ハロゲン除去工程を経ても尚、エポキシ樹脂に残存していることを許容することを意味する。通常、エポキシ樹脂中に30ppmを超えるハロゲン原子を含まないことが好ましい。
前記実質的にハロゲン原子を含まないエポキシ樹脂としては、例えばビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールE型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビスフェノールZ型エポキシ樹脂(4,4’-シクロヘキシジエンビスフェノール型エポキシ樹脂)、ビスフェノールP型エポキシ樹脂(4,4’-(1,4)-フェニレンジイソプリジエン)ビスフェノール型エポキシ樹脂)、ビスフェノールM型エポキシ樹脂(4,4’-(1,3-フェニレンジイソプリジエン)ビスフェノール型エポキシ樹脂)等のビスフェノール型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂等のノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、キシリレン型エポキシ樹脂、フェノールアラルキル型エポキシ樹脂、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂、ビフェニルジメチレン型エポキシ樹脂、トリスフェノールメタンノボラック型エポキシ樹脂、1,1,2,2−(テトラフェノール)エタンのグリシジルエーテル類、3官能、または4官能のグリシジルアミン類、テトラメチルビフェニル型エポキシ樹脂等のアリールアルキレン型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、アントラセン型エポキシ樹脂、フェノキシ型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、ノルボルネン型エポキシ樹脂、アダマンタン型エポキシ樹脂、フルオレン型エポキシ樹脂等が挙げられる。これらの中の1種類を単独で用いることもできるし、異なる重量平均分子量を有する2種類以上を併用もでき、1種類または2種類以上と、それらのプレポリマーを併用することもできる。
これらエポキシ樹脂の中でも特に、ビフェニルジメチレン型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、ナフタレン変性クレゾールノボラックエポキシ樹脂、およびアントラセン型エポキシ樹脂よりなる群から選ばれる少なくとも1種が好ましい。これにより、吸湿半田耐熱性および難燃性を向上させることができる。
前記エポキシ樹脂の含有量は、特に限定されないが、前記樹脂組成物全体の5重量%以上、60重量%以下とすることが好ましい。含有量が前記下限値未満であると樹脂組成物の硬化性が低下したり、当該樹脂組成物より得られるプリプレグ、または多層プリント配線板の耐湿性が低下したりする場合がある。また、前記上限値を超えるとプリプレグ、または多層プリント配線板の線熱膨張率が大きくなったり、耐熱性が低下したりする場合がある。前記エポキシ樹脂の含有量は、好ましくは樹脂組成物全体の10重量%以上、50重量%以下である。
前記(B)エポキシ樹脂の重量平均分子量は、特に限定されないが、重量平均分子量1.0×10以上、2.0×10以下が好ましい。重量平均分子量が前記下限値未満であると絶縁樹脂層の表面にタック性が生じる場合が有り、前記上限値を超えると半田耐熱性が低下する場合がある。重量平均分子量を前記範囲内とすることにより、これらの特性のバランスに優れたものとすることができる。
前記エポキシ樹脂の重量平均分子量は、例えばGPCで測定することができる。
前記樹脂組成物は、ベーマイトを含む。これにより、低熱膨張性、耐熱性およびドリル加工性を向上させることができる。
前記ベーマイトの平均粒子径は、特に限定されないが、0.3〜5μmであることが好ましく、特に0.5〜3μmであることが好ましい。平均粒子径が前記範囲内であると、特に高充填性と流動性に優れる。
前記無機充填材の平均粒子径の測定は、レーザー回折散乱法により測定することができる。無機充填材を水中で超音波により分散させ、レーザー回折式粒度分布測定装置(HORIBA製、LA−500)により、無機充填材の粒度分布を体積基準で作成し、そのメディアン径を平均粒子径とすることで測定することができる。具体的には、無機充填材の平均粒子径はD50で規定される。
前記ベーマイトの含有量は、特に限定されないが、前記樹脂組成全体の20〜65重量%であることが好ましく、特に25〜55重量%であることが好ましい。含有量が前記範囲内であると、特に耐熱性と流動性とのバランスに優れる。
前記第1無機充填剤の1%熱分解温度は、260℃以上であり、特に、300℃以上が好ましい。前記1%熱分解温度は、示差熱天秤(TG/DTA)で、10℃/minの昇温速度で、初期重量から1%重量減少点の温度で規定される。300℃以上の1%熱分解温度を有する第1の充填剤として、例えばベーマイト等が挙げられる。
前記樹脂組成物は、前記ベーマイトと平均粒子径が異なり、かつその平均粒子径が10〜100nmである球状シリカを含む。これにより、前記ベーマイトを用いた際に生じる流動性の低下を抑制することができる。
前記球状シリカとしては、例えば燃焼法などの乾式の溶融シリカや沈降法やゲル法などの湿式のゾルゲルシリカなどが挙げられる。これらの中でもナノサイズのシリカを予め有機溶媒に分散したスラリーが好ましい。これにより、分散性を向上することもできる。
このようなシリカを予め有機溶媒に分散したスラリーを用いることで、不定形のベーマイトを用いた際に生じる流動性の低下を抑制することができる理由は、次のように考えられる。まず、ナノサイズのシリカのようなナノサイズの粒子は、凝集し易く、樹脂組成物に配合する際に2次凝集体等を形成してしまうことが多いが、スラリー状のものを用いることで、このような2次凝集を防止することができ、それによって流動性が低下するのを防止することができる。次に、ナノサイズのシリカの表面電位と、前記ベーマイトの表面電位との相違より、ナノサイズのシリカと前記ベーマイトとが相互作用により引き付けられる。そのため、ナノサイズのシリカが、前記ベーマイトの周囲に存在することになり、ナノサイズのシリカがスペーサー的な作用を有する。このように、ナノサイズのシリカが前記ベーマイトの周囲に存在して、スペーサーとして作用することにより、前記ベーマイトのファンデスワール力による引き付け合う力を低減させ、凝集を防止する。これによって、前記ベーマイトが、より高分散状態となり、流動性の低下を防止することができる。
前記球状シリカの平均粒子径は、特に15〜90nmが好ましく、最も25〜75nmが好ましい。平均粒子径が前記範囲内であると、高充填性、および高流動性にも優れる。
前記平均粒子径は、例えば、超音波振動電流法(ゼータ電位)、超音波減衰分光法(粒度分布) およびレーザー回折散乱法により測定することができる。
無機充填材を水中で超音波により分散させ、レーザー回折式粒度分布測定装置(HORIBA製、LB−550)により、無機充填材の粒度分布を体積基準で作成し、そのメディアン径を平均粒子径とすることで測定することができる。具体的には、無機充填材の平均粒子径はD50で規定される
前記球状シリカの含有量は、特に限定されないが、前記樹脂組成物全体の0.5〜20重量%が好ましく、1〜10重量%が好ましい。含有量が前記範囲内であると、特にプリプレグの含浸性、および成形性に優れる。
前記ベーマイトの含有量(w1)と、前記球状シリカの含有量(w2)との重量比(w2/w1)は、特に限定されないが、0.02〜0.5であることが好ましく、特に0.06〜0.4であることが好ましい。重量比が前記範囲内であると、特に成形性を向上することができる。
前記樹脂組成物は、特に限定されないが、平均粒子径が0.2〜3μmの第3無機充填剤を含むことが好ましい。前記第1無機充填剤および第2無機充填剤と併用することにより、耐熱性および寸法安定性を特に向上することができる。
前記平均粒子径は、特に0.3〜2.5μmが好ましく、最も0.4〜1.5μmが好ましい。平均粒子径が前記範囲内であると、特に第2無機充填剤の高充填化と作業性とのバランスを向上することができる。
前記無機充填材の平均粒子径の測定は、レーザー回折散乱法により測定することができる。無機充填材を水中で超音波により分散させ、レーザー回折式粒度分布測定装置(HORIBA製、LA−500)により、無機充填材の粒度分布を体積基準で作成し、そのメディアン径を平均粒子径とすることで測定することができる。具体的には、無機充填材の平均粒子径はD50で規定される。
前記第3無機充填剤の最大粒子径も特に限定されないが、10μm以下であることが好ましく、特に5μm以下であることが好ましい。これにより、ドリル加工時のビット折損率を低減することができる。
前記第3無機充填剤としては、シリカ、酸化チタン、窒化ケイ素、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、アルミナ等が挙げられる。これらの中でもシリカが好ましく、特に球状の溶融シリカが好ましい。このような溶融シリカは、他の無機充填材と比較して低熱膨張性に優れるからである。また、前記球状シリカの製造方法は、特に限定されることなく、公知の方法によって得ることができる。前記球状シリカの製造方法としては、例えば乾式シリカ法、湿式シリカ法、ゾル-ゲル法によるシリカ製造方法等を挙げることができる
前記第2無機充填剤の含有量(w2)と、前記第3無機充填剤の含有量(w3)との重量比(w2/w3)は、特に限定されないが、0.02〜1.5であることが好ましく、特に0.05〜1.2であることが好ましい。重量比が前記範囲内であると、特に成形性に優れる。
前記第3無機充填剤(特にシリカ)の比表面積は、特に限定されないが、1m/g以上、250m/g以下であることが好ましい。比表面積が前記上限値を超えると第2無機充填剤同士が凝集しやすくなり、樹脂組成物の構造が不安定になる場合がある。また前記下限値未満であると樹脂組成物中に第2無機充填剤を充填し難い場合がある。尚、比表面積は、BET法により求めることができる。
前記第3無機充填剤(特にシリカ)は、予め官能基含有シラン類及び/又はアルキルシラザン類で表面処理して用いてもよい。表面処理を予め施すことで、第2無機充填剤の凝集を抑制することができ、本発明の樹脂組成物中にシリカを良好に分散させることができる。また、エポキシ樹脂と第2無機充填剤の表面の密着性が向上するため、機械強度に優れる絶縁層が得られる。
前記官能基含有シラン類及び/又はアルキルシラザン類の官能基含有シラン類としては公知のものを使用することができる。例えばエポキシシラン、スチリルシラン、メタクリロキシシラン、アクリロキシシラン、メルカプトシラン、N−ブチルアミノプロピルトリメトキシシラン、N−エチルアミノイソブチルトリメトキシシラン、N−メチルアミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−(N−アリルアミノ)プロピルトリメトキシシラン、(シクロヘキシルアミノメチル)トリエトキシシラン、N−シクロヘキシルアミノプロピルトリメトキシシラン、N−エチルアミノイソブチルメトキシルジエトキシシラン、(フェニルアミノメチル)メチルジメトキシシラン、N−フェニルアミノメチルトリエトキシシラン、N−メチルアミノプロピルメチルジメトキシシラン、ビニルシラン、イソシアネートシラン、スルフィドシラン、クロロプロピルシラン、ウレイドシラン化合物等を挙げることができる。
前記アルキルシラザン類としては、例えばヘキサメチルジシラザン(HMDS)、1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシラザン、オクタメチルトリシラザン、ヘキサメチルシクロトリシラザンなどを挙げることができる。これらの中でもアルキルシラザン類としてはヘキサメチルジシラザン(HMDS)が好ましい。
前記第3無機充填剤(特にシリカ)へ予め表面処理する官能基含有シラン類及び/又はアルキルシラザン類の量は、特に限定しないが、前記第3無機充填剤100重量部に対して0.01重量部以上、5重量部以下であることが好ましい。さらに好ましくは0.1重量部以上、3重量部以下が好ましい。カップリング剤の含有量が前記上限値を超えると、多層プリント配線板製造時において絶縁層にクラックが入る場合があり、前記下限値未満であると、樹脂成分と第3無機充填剤との結合力が低下する場合がある。
前記第3無機充填剤(特にシリカ)を予め官能基含有シラン類及び/又はアルキルシラザン類で表面処理する方法は、特に限定されないが、湿式方式または乾式方式が好ましい。特に好ましくは湿式方式が好ましい。湿式方式の方が、乾式方式と比較した場合、前記第3無機充填剤の表面へ均一に処理することができる。
前記第3無機充填剤(特にシリカ)の含有量は、特に限定されないが、樹脂組成物全体の20重量%以上、85重量%以下であることが好ましい。さらに好ましくは25重量%以上、75重量%以下である。前記第3無機充填剤の含有量が前記下限値未満であると、線熱膨張率が高くなったり、吸水率が高くなったりする場合がある。また、前記上限値を超えると、樹脂組成物の流動性の低下により絶縁樹脂層の成形性が低下する場合がある。前記第3無機充填剤の含有量を前記範囲内とすることにより、樹脂組成物の線熱膨張係数を35ppm以下にすることができる。
尚、本発明において、含有成分の樹脂組成物に対する含有量とは、含有成分の溶解及び/又は分散を目的として含有させる溶剤を除いた成分の合計量を100重量%とするものである。
前記樹脂組成物は、特に限定されないが、シアネート樹脂を含むことが好ましい。これにより、難燃性をより向上することができる。
前記シアネート樹脂は、特に限定されないが、例えば、ハロゲン化シアン化合物とフェノール類とを反応させ、必要に応じて加熱等の方法でプレポリマー化することにより得ることができる。また、このようにして調製された市販品を用いることもできる。
前記シアネート樹脂の種類としては特に限定されないが、例えば、ノボラック型シアネート樹脂、ビスフェノールA型シアネート樹脂、ビスフェノールE型シアネート樹脂、テトラメチルビスフェノールF型シアネート樹脂等のビスフェノール型シアネート樹脂などを挙げることができる。
前記シアネート樹脂は、分子内に2個以上のシアネート基(−O−CN)を有することが好ましい。例えば、2,2'−ビス(4−シアナトフェニル)イソプロピリデン、1,1'−ビス(4−シアナトフェニル)エタン、ビス(4−シアナト-3,5−ジメチルフェニル)メタン、1,3−ビス(4−シアナトフェニル−1−(1−メチルエチリデン))ベンゼン、ジシクロペンタジエン型シアネートエステル、フェノールノボラック型シアネートエステル、ビス(4−シアナトフェニル)チオエーテル、ビス(4−シアナトフェニル)エーテル、1,1,1−トリス(4−シアナトフェニル)エタン、トリス(4−シアナトフェニル)ホスファイト、ビス(4−シアナトフェニル)スルホン、2,2-ビス(4−シアナトフェニル)プロパン、1,3-、1,4-、1,6-、1,8-、2,6-又は2,7-ジシアナトナフタレン、1,3,6-トリシアナトナフタレン、4,4'−ジシアナトビフェニル、およびフェノールのノボラック型、クレゾールノボラック型の多価フェノール類とハロゲン化シアンとの反応で得られるシアネート樹脂等が挙げられる。これらの中で、フェノールノボラック型シアネート樹脂が難燃性、および低熱膨張性に優れ、2,2'−ビス(4−シアナトフェニル)イソプロピリデン、およびジシクロペンタジエン型シアネートエステルが架橋密度の制御、および耐湿信頼性に優れている。特に、フェノールノボラック型シアネート樹脂が低熱膨張性の点から好ましい。また、更に他のシアネート樹脂を1種類あるいは2種類以上併用したりすることもでき、特に限定されない。
前記シアネート樹脂は、単独で用いてもよいし、重量平均分子量の異なるシアネート樹脂を併用したり、前記シアネート樹脂とそのプレポリマーとを併用したりすることもできる。
前記プレポリマーは、通常、前記シアネート樹脂を加熱反応などにより、例えば3量化することで得られるものであり、樹脂組成物の成形性、流動性を調整するために好ましく使用されるものである。
前記プレポリマーは、特に限定されないが、例えば3量化率が20〜50重量%のプレポリマーを用いた場合、良好な成形性、流動性を発現できる。
前記シアネート樹脂の含有量は、特に限定されないが、樹脂組成物全体の5〜60重量%であることが好ましい。さらに好ましくは10〜50重量%である。これにより、シアネート樹脂は、効果的に耐熱性、および難燃性を発現させることができる。シアネート樹脂の含有量が前記下限値未満であると熱膨張性が大きくなり、耐熱性が低下する場合があり、前記上限値を超えると樹脂組成物を用いたプリプレグの強度が低下する場合がある。シアネート樹脂の含有量は、特に好ましくは樹脂組成物の中に10〜40重量%である。
また、前記樹脂組成物は、特に限定されないが、カップリング剤を含むことが好ましい。これにより、機械強度を向上することができる。
特に前記第1無機充填剤として、ベーマイトを用いる場合は、カップリング剤として、方向族アミノシランを用いることが好ましい。これにより、ベーマイトと芳香族アミノシランの相乗効果により吸水性をより低下させることができ、かつこの樹脂組成物を用いて得られる多層プリント配線板に用いた場合、吸湿処理後の試験において、金属箔とプリプレグ、プリプレグ間の密着性に優れる。
前記芳香族アミノシランとしては、例えばN−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、(フェニルアミノメチル)メチルジメトキシシラン、N−フェニルアミノメチルトリエトキシシラン等の2級の芳香族アミノシラン、および3−(m−アミノフェノキシ)プロピルトリメトキシシラン、p−アミノフェニルトリメトキシシラン、m−アミノフェニルトリメトキシシラン等の1級の芳香族アミンが挙げられる。これらの中でも、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン等の2級の芳香族アミノシランが好ましい。これにより、ベーマイトとの組み合わせによる吸湿率の低下だけでなく、多層プリント配線板製造工程中のレーザー照射後の樹脂残渣除去工程において、デスミア性に優れた樹脂組成物を得ることができる。
前記カップリング剤(特に、芳香族アミノシラン)の含有量は、特に限定されないが、前記第1無機充填剤100重量部に対して0.05重量部以上、5重量部以下であることが好ましい。さらに好ましくは0.2重量部以上、2.5重量部以下が好ましい。前記カップリング剤の含有量が前記上限値を超えると、積層板の製造時おいて本発明の樹脂組成物を含浸してなるプリプレグの成形性が低下する場合があり、前記下限値未満であると、回路と本発明の樹脂組成物より形成される絶縁層との密着力が低下する場合がある。
前記樹脂組成物は、さらにフェノール系硬化剤を使用することができる。フェノール系硬化剤としてはフェノールノボラック樹脂、アルキルフェノールノボラック樹脂、ビスフェノールAノボラック樹脂、ジシクロペンタジエン型フェノール樹脂、ザイロック型フェノール樹脂、テルペン変性フェノール樹脂、ポリビニルフェノール類など公知慣用のものを単独あるいは2種以上組み合わせて使用することができる。
前記フェノール硬化剤の配合量は、特に限定されないが、エポキシ樹脂との当量比(フェノール性水酸基当量/エポキシ基当量)が1.0未満、0.1以上好ましい。これにより、未反応のフェノール硬化剤の残留がなくなり、吸湿耐熱性が向上する。更に、厳しい吸湿耐熱性を必要とする場合は、0.2〜0.5の範囲が特に好ましい。これは、フェノール樹脂は、硬化剤として作用するだけでなく、シアネート基とエポキシ基との硬化を促進することができる。
前記樹脂組成物は、必要に応じて、上記成分以外の添加物を、特性を損なわない範囲で添加することが出来る。上記成分以外の成分は、例えば、イミダゾール類、トリフェニルホスフィン、および4級ホスホニウム塩等の硬化促進剤、アクリレート類等の界面活性剤、染料、および顔料等の着色剤等を挙げることが出できる。
(プリプレグ)
次に、プリプレグについて説明する。
本発明のプリプレグは上記樹脂組成物を繊維基材に含浸してなるものである。これにより、耐熱性、低膨張性および難燃性に優れたプリプレグを得ることができる。前記基材としては、例えばガラス織布、ガラス不繊布、ガラスペーパー等のガラス繊維基材、紙、アラミド、ポリエステル、芳香族ポリエステル、フッ素樹脂等の合成繊維等からなる織布や不織布、金属繊維、カーボン繊維、鉱物繊維等からなる織布、不織布、マット類等が挙げられる。これらの基材は単独又は混合して使用してもよい。これらの中でもガラス繊維基材が好ましい。これにより、プリプレグの剛性、寸法安定性を向上することができる。
前記樹脂組成物を前記基材に含浸させる方法は、例えば基材を樹脂ワニスに浸漬する方法、各種コーターによる塗布する方法、スプレーによる吹き付ける方法等が挙げられる。これらの中でも、基材を樹脂ワニスに浸漬する方法が好ましい。これにより、基材に対する樹脂組成物の含浸性を向上することができる。 なお、基材を樹脂ワニスに浸漬する場合、通常の含浸塗布設備を使用することができる。
前記樹脂ワニスに用いられる溶媒は、前記樹脂組成物に対して良好な溶解性を示すことが望ましいが、悪影響を及ぼさない範囲で貧溶媒を使用しても構わない。良好な溶解性を示す溶媒としては、例えばアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等が挙げられる。前記樹脂ワニスの固形分は、特に限定されないが、前記樹脂組成物の固形分30〜80重量%が好ましく、特に40〜70重量%が好ましい。これにより、樹脂ワニスの基材への含浸性を向上できる。前記基材に前記樹脂組成物を含浸させ、所定温度、例えば90〜180℃で乾燥させることによりプリプレグを得ることが出来る。
(積層板)
次に、積層板について説明する。
本発明の積層板は、上記のプリプレグを少なくとも1枚以上重ね合わせた積層体の少なくとも片面に金属箔を有するものである。これにより、耐熱性、低膨張性および難燃性に優れた積層板を得ることができる。プリプレグ1枚のときは、その上下両面もしくは片面に金属箔を重ねる。また、プリプレグを2枚以上積層することもできる。プリプレグ2枚以上積層するときは、積層したプリプレグの最も外側の上下両面もしくは片面に金属箔あるいはフィルムを重ねる。次に、プリプレグと金属箔とを重ねたものを加熱加圧成形することで積層板を得ることができる。
前記加熱する温度は、特に限定されないが、120〜220℃が好ましく、特に150〜200℃が好ましい。前記加圧する圧力は、特に限定されないが、1.5〜5MPaが好ましく、特に2〜4MPaが好ましい。 また、必要に応じて高温漕等で150〜300℃の温度で後硬化を行ってもかまわない。
(多層プリント配線板)
次に、本発明の多層プリント配線板について説明する。
本発明の多層プリント配線板は、上記に記載のプリプレグを絶縁層に用いてなる。また、本発明の多層プリント配線板は、上記に記載の積層板を内層回路基板に用いてなる。
前記積層板を内層回路基板として用いる場合について説明する。
前記内層回路基板となる積層板の片面又は両面に回路形成する。場合によっては、ドリル加工、レーザー加工によりスルーホールを形成し、めっき等で両面の電気的接続をとることもできる。この内層回路基板に市販の樹脂シート、または前記本発明のプリプレグを重ね合わせて加熱加圧成形し、多層プリント配線板を得ることができる。
具体的には、上記樹脂シートの絶縁層側と内層回路板とを合わせて、真空加圧式ラミネーター装置などを用いて真空加熱加圧成形させ、その後、熱風乾燥装置等で絶縁層を加熱硬化させることにより得ることができる。ここで加熱加圧成形する条件としては、特に限定されないが、一例を挙げると、温度60〜160℃、圧力0.2〜3MPaで実施することができる。また、加熱硬化させる条件としては特に限定されないが、一例を挙げると、温度140〜240℃、時間30〜120分間で実施することができる。
また、前記プリプレグを前記内層回路板に重ね合わせ、これを平板プレス装置等で加熱加圧成形することにより得ることができる。ここで加熱加圧成形する条件としては特に限定されないが、一例を挙げると、温度140〜240℃、圧力1〜4MPaで実施することができる。このような平板プレス装置等による加熱加圧成形では、加熱加圧成形と同時に絶縁層の加熱硬化が行われる。
前記層プリント配線板の製造方法は、前記樹脂シートまたはプリプレグを、内層回路基板の内層回路パターンが形成された面に重ね合わせて連続積層する工程および導体回路層をセミアディティブ法で形成する工程を含む。
前記樹脂シートまたは前記プリプレグより形成された絶縁層の硬化は、次のレーザー照射および樹脂残渣の除去を容易にし、デスミア性を向上させるため、半硬化状態にしておく場合もある。また、一層目の絶縁層を通常の加熱温度より低い温度で加熱することにより一部硬化(半硬化)させ、絶縁層上に、一層ないし複数の絶縁層をさらに形成し半硬化の絶縁層を実用上問題ない程度に再度加熱硬化させることにより絶縁層間および絶縁層と回路との密着力を向上させることができる。この場合の半硬化の温度は、80℃〜200℃が好ましく、100℃〜180℃がより好ましい。尚、次工程においてレーザーを照射し、絶縁層に開口部を形成するが、その前に基材を剥離する必要がある。基材の剥離は、絶縁層を形成後、加熱硬化の前、または加熱硬化後のいずれに行っても特に問題はない。
なお、前記多層プリント配線板を得る際に用いられる内層回路板は、例えば、銅張積層板の両面に、エッチング等により所定の導体回路を形成し、導体回路部分を黒化処理したものを好適に用いることができる。
次に、絶縁層に、レーザーを照射して、開孔部を形成する。前記レーザーは、エキシマレーザー、UVレーザーおよび炭酸ガスレーザー等が使用できる。
レーザー照射後の樹脂残渣等は過マンガン酸塩、重クロム酸塩等の酸化剤などにより除去することが好ましい。また、平滑な絶縁層の表面を同時に粗化することができ、続く金属メッキにより形成する導電配線回路の密着性を上げることができる。
次に、外層回路を形成する。外層回路の形成方法は、金属メッキにより絶縁樹脂層間の接続を図り、エッチングにより外層回路パターン形成を行う。樹脂シート、またはプリプレグを用いたときと同様にして、多層プリント配線板を得ることができる。
尚、金属箔を有する樹脂シート、またはプリプレグを用いた場合は、金属箔を剥離することなく、導体回路として用いるためにエッチングにより回路形成を行ってもよい。その場合、厚い銅箔を使用した基材付き絶縁樹脂シートを使うと、その後の回路パターン形成においてファインピッチ化が困難になるため、1〜5μmの極薄銅箔を使うか、または12〜18μmの銅箔をエッチングにより1〜5μmに薄くするハーフエッチングする場合もある。
さらに絶縁層を積層し、前記同様回路形成を行っても良いが、多層プリント配線板の設計上、最外層には、回路形成後、ソルダーレジストを形成する。ソルダーレジストの形成方法は、特に限定されないが、例えば、ドライフィルムタイプのソルダーレジストを積層(ラミネート)し、露光、および現像により形成する方法、または液状レジストを印刷したものを露光、および現像により形成する方法によりなされる。なお、得られた多層プリント配線板を半導体装置に用いる場合、半導体素子を実装するため接続用電極部を設ける。接続用電極部は、金めっき、ニッケルメッキおよび半田めっき等の金属皮膜で適宜被覆することができる。このような方法により多層プリント配線板を製造することができる。
(半導体装置)
次に、本発明の半導体装置について説明する。
前記で得られた多層プリント配線板に半田バンプを有する半導体素子を実装し、半田バンプを介して、前記多層プリント配線板との接続を図る。そして、多層プリント配線板と半導体素子との間には液状封止樹脂を充填し、半導体装置を形成する。半田バンプは、錫、鉛、銀、銅、ビスマスなどからなる合金で構成されることが好ましい。
半導体素子と多層プリント配線板との接続方法は、フリップチップボンダーなどを用いて基板上の接続用電極部と半導体素子の半田バンプとの位置合わせを行ったあと、IRリフロー装置、熱板、その他加熱装置を用いて半田バンプを融点以上に加熱し、多層プリント配線板と半田バンプとを溶融接合することにより接続する。尚、接続信頼性を良くするため、予め多層プリント配線板上の接続用電極部に半田ペースト等、比較的融点の低い金属の層を形成しておいても良い。この接合工程に先んじて、半田バンプおよび、または多層プリント配線板上の接続用電極部の表層にフラックスを塗布することで接続信頼性を向上させることもできる。
以下、本発明を実施例および比較例に基づいて詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
(実施例1)
(1)樹脂ワニスの調製
エポキシ樹脂としてノボラック型エポキシ樹脂(EOCN−1020−75、日本化薬社製、エポキシ当量200)17.5重量%と、第1無機充填剤としてベーマイト(河合石灰社製、品番BMT−3L、平均粒子径2.9μm、1%熱分解温度420℃)61.4重量%と、第2無機充填剤として球状ナノシリカ(品番NSS−5N、トクヤマ社製、平均粒子径70nm)3.5重量%と、硬化剤としてフェノール樹脂(MEH7851−4L、明和化成社製、水酸基当量187)17.5重量%と、硬化促進剤としてイミダゾール(四国化成工業社製、品番2E4MZ)0.1重量%とを、メチルイソブチルケトンに溶解・混合させた。次いで、高速撹拌装置を用い撹拌して樹脂ワニスを調製した(W2/W1=0.06)。
(2) プリプレグの作製
前記樹脂ワニスをガラス織布(厚さ94μm、日東紡績製Eガラス織布、WEA−2116)に含浸し、150℃の加熱炉で2分間乾燥して、プリプレグ中のワニス固形分が約50重量%のプリプレグを得た。
(3) 積層板の作製
前記プリプレグ4枚重ね、両面に12μmの銅箔(三井金属鉱業社製3EC−VLP箔)を重ねて、圧力3MPa、温度220℃で2時間加熱加圧成形し、厚さ0.40mmの両面に銅箔を有する積層板を得た。
(4)多層プリント配線板の製造
前記両面に銅箔を有する積層板を用いて、ドリル機で開孔後、無電解めっきで上下銅箔間の導通を図り、前記両面の銅箔をエッチングすることにより内層回路を両面に形成した。(L(導体回路幅)/S(導体回路間幅)=120/180μm、クリアランスホール1mmφ、3mmφ、スリット2mm)
次に内層回路に過酸化水素水と硫酸を主成分とする薬液(旭電化工業(株)製テックSO−G)をスプレー吹き付けすることにより粗化処理による凹凸形成を行った。
次に市販の樹脂フィルム(ビルドアップ材ともいう)(味の素ファインテクノ社製、ABF GX−13、厚さ40μm)を内層回路上に真空積層装置を用いて積層し、温度170℃、時間60分間加熱硬化し積層体を得た。
その後、前記で得られた積層体のプリプレグに、炭酸レーザー装置を用いてφ60μmの開孔部(ブラインド・ビアホール)を形成し、70℃の膨潤液(アトテックジャパン社製、スウェリングディップ セキュリガント P)に5分間浸漬し、さらに80℃の過マンガン酸カリウム水溶液(アトテックジャパン社製、コンセントレート コンパクト CP)に15分浸漬後、中和して粗化処理を行った。次に脱脂、触媒付与、活性化の工程を経た後、無電解銅メッキ皮膜を約0.5μmの給電層を形成した。次にこの給電層表面に、厚さ25μmの紫外線感光性ドライフィルム(旭化成社製AQ−2558)をホットロールラミネーターにより貼り合わせ、最小線幅/線間が20/20μmのパターンが描画されたクロム蒸着マスク(トウワプロセス社製)を使用して、位置を合わせ、露光装置(ウシオ電機社製UX−1100SM−AJN01)にて露光、炭酸ソーダ水溶液にて現像し、めっきレジストを形成した。
次に、給電層を電極として電解銅めっき(奥野製薬社製81−HL)を3A/dm2、30分間行って、厚さ約25μmの銅配線を形成した。ここで2段階剥離機を用いて、前記めっきレジストを剥離した。各薬液は、1段階目のアルカリ水溶液層にはモノエタノールアミン溶液(三菱ガス化学社製R−100)、2段階目の酸化性樹脂エッチング剤には過マンガン酸カリウムと水酸化ナトリウムを主成分とする水溶液(日本マクダーミッド社製マキュダイザー9275、9276)、中和には酸性アミン水溶液(日本マクダーミッド社製マキュダイザー9279)をそれぞれ用いた。
そして、給電層を過硫酸アンモニウム水溶液(メルテックス(株)製AD−485)に浸漬処理することで、エッチング除去し、配線間の絶縁を確保した。次に絶縁層を温度200℃時間60分で最終硬化させ、最後に回路表面にソルダーレジスト(太陽インキ社製PSR4000/AUS308)を形成し多層プリント配線板を得た。
(5)半導体装置の製造
前記多層プリント配線板は、半導体素子の半田バンプ配列に相当するニッケル金メッキ処理が施された接続用電極部を配したものを50mm×50mmの大きさに切断し使用した。半導体素子(TEGチップ、サイズ15mm×15mm、厚み0.8mm)は、Sn/Pb組成の共晶で形成された半田バンプを有し、半導体素子の回路保護膜はポジ型感光性樹脂(住友ベークライト社製CRC−8300)で形成されたものを使用した。半導体装置の組み立ては、まず、半田バンプにフラックス材を転写法により均一に塗布し、次にフリップチップボンダー装置を用い、多層プリント配線板上に加熱圧着により搭載した。次に、IRリフロー炉で半田バンプを溶融接合した後、液状封止樹脂(住友ベークライト社製、CRP−4152S)を充填し、液状封止樹脂を硬化させることで半導体装置を得た。尚、液状封止樹脂の硬化条件は、温度150℃、120分の条件であった。
(実施例2)
樹脂ワニスの配合を以下のようにした以外は、実施例1と同様にした。
シアネート樹脂としてフェノールノボラックシアネート樹脂(プリマセットPT−30、ロンザ社製)17.5重量%と、エポキシ樹脂としてビフェニルジメチレン型エポキシ樹脂(NC3000、日本化薬社製、エポキシ当量275)9.5重量%と、第1無機充填剤としてベーマイト(河合石灰社製、品番BMT−3L、平均粒子径2.9μm、1%熱分解温度420℃)61.4重量%と、第2無機充填剤として球状ナノシリカ(品番NSS−5N、トクヤマ社製、平均粒子径70nm)3.5重量%と、硬化剤としてフェノール樹脂(MEH7851−4L、明和化成社製、水酸基当量187)8.1重量%とを、用いた(W2/W1=0.06)。
(実施例3)
樹脂ワニスの配合を以下のようにした以外は、実施例1と同様にした。
シアネート樹脂としてフェノールノボラックシアネート樹脂(プリマセットPT−30、ロンザ社製)17.5重量%と、エポキシ樹脂としてビフェニルジメチレン型エポキシ樹脂(NC3000、日本化薬社製、エポキシ当量275)9.5重量%と、第1無機充填剤としてベーマイト(河合石灰社製、品番BMT−3L、平均粒子径2.9μm、1%熱分解温度420℃)31.6重量%と、第2無機充填剤として球状ナノシリカ(品番NSS−5N、トクヤマ社製、平均粒子径70nm)3.5重量%と、第3無機充填剤として球状シリカ(SO−31R(アドマテックス社製、比表面積4.5m/g、平均粒子径1.1μm)29.8重量%と、硬化剤としてフェノール樹脂(MEH7851−4L、明和化成社製、水酸基当量187)8.1重量%とを、用いた(W2/W1=0.11、W2/W3=0.12)。
(実施例4)
第2無機充填剤として、以下のものを用いた以外は、実施例3と同様にした。
第2無機充填剤として球状ナノシリカ(品番アドマナノ、アドマテックス社製、平均粒子径50nm、40wt%アノンスラリー)を用いた(W2/W1=0.11、W2/W3=0.12)。尚、球状ナノシリカの乾粉換算で配合した。
(実施例5)
第2無機充填剤として、以下のものを用いた以外は、実施例3と同様にした。
第2無機充填剤として球状ナノシリカ(品番アドマナノ、アドマテックス社製、平均粒子径25nm、30wt%アノンスラリー)を用いた(W2/W1=0.11、W2/W3=0.12)。尚、球状ナノシリカの乾粉換算で配合した。
(実施例6)
第2無機充填剤として、以下のものを用いた以外は、実施例3と同様にした。
第2無機充填剤として球状ナノシリカ(品番PL−1、扶桑化学工業社製、平均粒子径15nm、12wt%アノンスラリー)を用いた(W2/W1=0.11、W2/W3=0.12)。尚、球状ナノシリカの乾粉換算で配合した。
参考例7)
第1無機充填剤として、以下のものを用いた以外は、実施例3と同様にした。
第1無機充填剤として水酸化アルミ(品番ALH−3L、河合石灰社製、平均粒子径4.5μm、1%熱分解温度280℃)を用いた(W2/W1=0.11、W2/W3=0.12)。
参考例8)
第1無機充填剤として、以下のものを用いた以外は、実施例3と同様にした。
第1無機充填剤としてタルク(品番LMS−400、富士タルク工業社製、平均粒子径3.8μm、1%熱分解温度375℃)を用いた(W2/W1=0.11、W2/W3=0.12)。
(実施例9)
エポキシ樹脂として、以下のものを用いた以外は、実施例3と同様にした。
エポキシ樹脂としてナフタレン変性クレゾールノボラックエポキシ樹脂(HP−5000、DIC社製、エポキシ当量250)を用いた(W2/W1=0.11、W2/W3=0.12)。
(実施例10)
エポキシ樹脂として、以下のものを用いた以外は、実施例3と同様にした。
エポキシ樹脂としてアントラセン型エポキシ樹脂(YX8800、ジャパンエポキシレジン、エポキシ当量181)を用いた(W2/W1=0.11、W2/W3=0.12)。
(実施例11)
樹脂ワニスの配合を以下のようにした以外は、実施例1と同様にした。
シアネート樹脂としてフェノールノボラックシアネート樹脂(プリマセットPT−30、ロンザ社製)17.5重量%と、エポキシ樹脂としてビフェニルジメチレン型エポキシ樹脂(NC3000、日本化薬社製、エポキシ当量275)9.5重量%と、第1無機充填剤としてベーマイト(河合石灰社製、品番BMT−3L、平均粒子径2.9μm、1%熱分解温度420℃)21.1重量%と、第2無機充填剤として球状ナノシリカ(品番NSS−5N、トクヤマ社製、平均粒子径70nm)10.5重量%と、第3無機充填剤として球状シリカ(SO−31R(アドマテックス社製、比表面積4.5m/g、平均粒子径1.1μm)33.3重量%と、硬化剤としてフェノール樹脂(MEH7851−4L、明和化成社製、水酸基当量187)8.1重量%とを、用いた(W2/W1=0.5、W2/W3=0.32)。
(実施例12)
樹脂ワニスの配合を以下のようにした以外は、実施例1と同様にした。
シアネート樹脂としてフェノールノボラックシアネート樹脂(プリマセットPT−30、ロンザ社製)17.5重量%と、エポキシ樹脂としてビフェニルジメチレン型エポキシ樹脂(NC3000、日本化薬社製、エポキシ当量275)9.5重量%と、第1無機充填剤としてベーマイト(河合石灰社製、品番BMT−3L、平均粒子径2.9μm、1%熱分解温度420℃)45.6重量%と、第2無機充填剤として球状ナノシリカ(品番NSS−5N、トクヤマ社製、平均粒子径70nm)10.5重量%と、第3無機充填剤として球状シリカ(SO−31R(アドマテックス社製、比表面積4.5m/g、平均粒子径1.1μm)8.8重量%と、硬化剤としてフェノール樹脂(MEH7851−4L、明和化成社製、水酸基当量187)8.1重量%とを、用いた(W2/W1=0.23、W2/W3=1.2)。
(比較例1)
第2無機充填剤を用いずに、樹脂ワニスの配合を以下のようにした以外は、実施例1と同様にした。
シアネート樹脂としてフェノールノボラックシアネート樹脂(プリマセットPT−30、ロンザ社製)17.5重量%と、エポキシ樹脂としてビフェニルジメチレン型エポキシ樹脂(NC3000、日本化薬社製、エポキシ当量275)9.5重量%と、第1無機充填剤としてベーマイト(河合石灰社製、品番BMT−3L、平均粒子径2.9μm、1%熱分解温度420℃)56.1重量%と、第3無機充填剤として球状シリカ(SO−31R(アドマテックス社製、比表面積4.5m/g、平均粒子径1.1μm)8.8重量%と、硬化剤としてフェノール樹脂(MEH7851−4L、明和化成社製、水酸基当量187)8.1重量%とを、用いた。
(比較例2)
第1無機充填剤を用いずに、樹脂ワニスの配合を以下のようにした以外は、実施例1と同様にした。
シアネート樹脂としてフェノールノボラックシアネート樹脂(プリマセットPT−30、ロンザ社製)17.5重量%と、エポキシ樹脂としてビフェニルジメチレン型エポキシ樹脂(NC3000、日本化薬社製、エポキシ当量275)9.5重量%と、第2無機充填剤として球状ナノシリカ(品番NSS−5N、トクヤマ社製、平均粒子径70nm)10.5重量%と、第3無機充填剤として球状シリカ(SO−31R(アドマテックス社製、比表面積4.5m/g、平均粒子径1.1μm)54.4重量%と、硬化剤としてフェノール樹脂(MEH7851−4L、明和化成社製、水酸基当量187)8.1重量%とを、用いた(W2/W3=0.19)。
実施例および比較例で得られた樹脂ワニス、多層プリント配線板、半導体装置等について以下の評価を行った。評価項目を内容と共に示す。得られた結果を、表1に示す。
(1)チキソ性
チキソ性は、E型粘度計(円錐平板型回転粘度計)を用いてJIS K7117−2に準拠して測定し、5rpm/50rpmの粘度比を評価した。
(2)フィラー沈降性
フィラー沈降性は、ワニスを作製した後、100ccのメスシリンダーに10cmのワニス高さで静置した。24時間毎に、目視で確認し分離により透明部分の長さを測定して評価した。
(3)樹脂流れ性
樹脂流れ性は、JIS C 6521に準拠して、温度170℃ 圧力15kgf/cm間5分後にフローアウト量を評価した。尚、実施例で得られたワニスを12μm銅箔の粗面にキャスティングし、温度150℃時間5分乾燥後30μmの銅箔付き樹脂フィルムを5枚重ねて用いた。
(4)プリプレグ含浸性
プリプレグ含浸性は、作製したプリプレグを温度180℃×1時間、熱風オーブン中で硬化後、幅方向530mmを15mm間隔で35点の断面を観察し評価した。各符号は、以下の通りである。
◎:全点の箇所で、未含浸ボイドは見られなかった。
○:1以上5未満の箇所で、未含浸ボイドが見られたが、実用可能レベルであった。
△:5以上30未満の箇所で、未含浸ボイドが見られ、実用不可であった。
×:30点以上の箇所で、未含浸ボイドが見られ、実用不可であった。
(5)成形性
成形性は、510mm×510mmサイズの積層板の銅箔全面を、エッチングで除去した後に目視で評価した。尚、積層板としては、前記プリプレグ4枚重ね、両面に12μmの銅箔(三井金属鉱業社製3EC−VLP箔)を重ねて、圧力3MPa、温度220℃で2時間加熱加圧成形し、厚さ0.40mmの両面に銅箔を有するものを用いた。(製品温度が120℃の時に5分で30MPaまで昇圧した。)各符号は、以下の通りである。
◎:ボイドが、無かった。
○:10mm端部にのみ、10μm未満のボイドが有ったが、実用可能レベルであった。
△:ボイド10μmを超えるボイドが有り、実用不可であった。
×:ボイドが多数有り、実用不可であった。
(6)耐熱性
耐熱性は、260℃マルチリフローで評価した。
得られた半導体装置を、IPC/JEDECのJ−STD−20に準拠リフロー260℃リフロー炉を通し、10回毎に、超音波深傷検査装置で半導体装置の絶縁層の剥離、クラック、半導体素子裏面の剥離、および半田バンプの欠損、及び125℃の熱板上で銅通不良を評価した。各符号は以下の通りである。
◎:40回以上絶縁層の剥離等、または銅通不良が無かった。
○:20回以上、40回未満で絶縁層の剥離等、または銅通不良が無かった。
△:10回以上、20回未満で絶縁層の剥離等、または銅通不良が発生した。
×:10回未満 絶縁層の剥離等、または銅通不良が発生した。
(7)熱膨張係数
得られた積層板の銅箔をエッチングで除去し、厚さが100μm、4mm×40mmのテストピースを切り出し、TMAを用いて5℃/分の引っ張り条件で、25℃から150℃の範囲における線熱膨張係数を測定した。
(8)ドリル加工後のめっき染み込み
ドリル加工後のめっき染み込みは、0.4mmtの上記積層板を2枚重ね合わせ、直径0.2mmのドリルにて3,000hit穴あけ加工後、積層板の貫通孔に厚み25μmのスルーホールメッキを施してスルーホールを形成し、このスルーホールの内壁から積層板中へのメッキ液の染み込み深さで評価した。尚、ドリルは、ユニオンシール製、品番KMC L253を用い、穴あけ時のドリルの回転数は250krpm/min、ドリルのチップロードは9.6μm/revとした。各符号は、以下の通りである。
◎:染み込み深さが、20μm未満であった(良好)。
○:染み込み深さが、20μm以上50μm未満であった(実質上問題なし)。
△:染み込み深さが、50μm以上100μm未満であった(実質上使用不可)。
×:染み込み深さが、100μm以上であった(使用不可)。
(9)スルーホール絶縁信頼性
スルーホール絶縁信頼性は、スルーホール壁間を0.2mmで、印加電圧20V、温度130℃湿度85%の条件で、連続測定で評価した。尚、上述のドリル加工と同様の条件で、スルーホール加工、スルーホールメッキおよび回路加工したサンプルを用いた。なお、絶縁抵抗値が10Ω未満となる時点で終了とした。
各符号は以下の通りである。
◎:絶縁抵抗値が10Ω未満となるまで、500時間以上であった(良好)。
○:絶縁抵抗値が10Ω未満となるまで、200時間以上500時間未満であった(実質上問題なし)。
△:絶縁抵抗値が10Ω未満となるまで、100時間以上200時間未満であった(実質上使用不可)。
×:絶縁抵抗値が10Ω未満となるまで、100時間未満であった(使用不可)。
(10)パッケージの反り量
パッケージの反り量は、チップ面を加熱冷却可能なチャンバー上に置いて、−50℃と125℃の雰囲気下で、BGA面から基板(サイズ:50mm×50mm)上の48mm×48mm部分での反り量の変化を測定した。尚、サンプルは前記実施例で作製した半導体装置を用いた。各符号は、以下の通りである。
◎:反り量の変化が、200μm未満であった(良好)。
○:反り量の変化が、200μm以上300μm未満であった(実質上問題なし)。
△:反り量の変化が、300μm以上350μm未満であった(実質上使用不可)。
×:反り量の変化が、350μm以上であった(使用不可)。
(11)難燃性
前記積層板の製造において、前記プリプレグを10枚重ね、その両面に12μmの銅箔を重ねて、圧力3MPa、温度200℃で2時間加熱加圧成形し、厚さ0.12mmの両面銅張積層板を得た。前記で得られた積層板の銅箔をエッチングし、UL−94規格に従い、1.0mm厚のテストピースを垂直法により測定した。
表1から明らかなように、実施例1〜12で得られた樹脂組成物は、流動性に優れ、かつ積層板(多層プリント配線板)にした際の反りの発生も抑制されていた。
また、実施例1〜12で得られた樹脂ワニスは、チキソ性、およびフィラー沈降性に優れていた。そのため、量産安定性、およびプリプレグでの含浸性に優れる。また、樹脂流れ性にも優れるため、無機充填剤を高充填にしても積層板にする際の、成形性が良好であった。また、プリント配線板にした際の耐熱性、低線膨張率、ドリル加工性に優れていた。そのため、スルーホール絶縁信頼性に優れ、低線膨張率のため、PKG反り量も小さく優れていた。
それに比べて、比較例1は、チキソ比が高く、プリプレグでの含浸性、および樹脂流れ性に劣るため、成形性、および耐熱性、スルーホール絶縁信頼性に劣る。また、比較例2は、ドリル加工性に劣るため、スルーホール絶縁信頼性に劣る。
本発明の樹脂組成物をプリプレグとして用いた場合は、当該プリプレグは、従来の低線熱膨張率、高いガラス転移温度、高弾性率、難燃性を維持することができる。
さらに前記プリプレグを用いた多層プリント配線板は、吸湿処理後の半田耐熱性に優れ、また、多層プリント配線板の製造工程におけるスルーホールの加工性、および絶縁信頼性に優れ、さらには該多層プリントリ配線板を用いた半導体装置は、280℃という高温でのリフロー試験においても良好な結果を示すことができる。

Claims (13)

  1. 積層板を形成するために用いる樹脂組成物であって、
    エポキシ樹脂と、ベーマイトと、前記ベーマイトとレーザー回折散乱法により測定した平均粒子径が異なり、かつその平均粒子径が10〜100nmである球状シリカと、を含み、
    前記ベーマイトの含有量(w1)は前記樹脂組成物全体の20〜65重量%であり、
    前記平均粒子径が10〜100nmである球状シリカの含有量(w2)は前記樹脂組成物全体の0.5〜5重量%であり、
    前記ベーマイトの含有量(w1)と、前記平均粒子径が10〜100nmである球状シリカの含有量(w2)との重量比(w2/w1)が、0.02〜0.5であり、
    前記エポキシ樹脂の含有量は、前記樹脂組成物全体の5重量%以上、60重量%以下である樹脂組成物。
  2. 前記平均粒子径が10〜100nmである球状シリカは、予め有機溶媒に分散したスラリーを用いるものである請求項1に記載の樹脂組成物。
  3. 前記ベーマイトの平均粒径が、0.5〜5μmである請求項1または2のいずれかに記載の樹脂組成物。
  4. さらに、平均粒子径が0.2〜3μmの第3無機充填剤を含むものである請求項1ないし3のいずれかに記載の樹脂組成物。
  5. 前記第3無機充填剤の最大粒子径が、10μm以下である請求項4に記載の樹脂組成物。
  6. 前記第2無機充填剤の含有量(w2)と、前記第3無機充填剤の含有量(w3)との重量比(w2/w3)が、0.02〜1.5である請求項4または5に記載の樹脂組成物。
  7. さらに、シアネート樹脂を含むものである請求項1ないし6のいずれかに記載の樹脂組成物。
  8. 前記エポキシ樹脂は、ビフェニルジメチレン型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、ナフタレン変性クレゾールノボラックエポキシ樹脂、およびアントラセン型エポキシ樹脂よりなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項1ないし7のいずれかに記載の樹脂組成物。
  9. 請求項1ないし8のいずれかに記載の樹脂組成物を繊維基材に含浸してなることを特徴とするプリプレグ。
  10. 請求項9に記載のプリプレグを少なくとも1枚以上重ね合わせた積層体の少なくとも片面に金属箔を有することを特徴とする積層板。
  11. 請求項9に記載のプリプレグを絶縁層に用いてなることを特徴とする多層プリント配線板。
  12. 請求項10に記載の積層板を内層回路基板に用いてなることを特徴とする多層プリント配線板。
  13. 請求項11または12に記載の多層プリント配線板に半導体素子を搭載してなることを特徴とする半導体装置。
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