JP5703547B2 - 樹脂組成物、プリプレグ、積層板、多層プリント配線および半導体装置 - Google Patents
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Description
特に薄型化の場合、基板自体の剛性が低いため、リフローで部品を接続する際に反りのが問題となる。そのため、より低反り・低熱膨張に優れた配線板は、無機充填剤の配合比率が高くなる傾向にある。
しかし、ベーマイトのような不定形の無機充填剤を用いると、樹脂の流動性の低下を招いてしまい、無機充填剤の高充填化が困難であった。
また、本発明の別の目的は、上述した樹脂組成物を用いて性能に優れるプリプレグ、積層板、多層プリント配線板および半導体装置を提供することにある。
(1)積層板を形成するために用いる樹脂組成物であって、
エポキシ樹脂と、ベーマイトと、前記ベーマイトとレーザー回折散乱法により測定した平均粒子径が異なり、かつその平均粒子径が10〜100nmである球状シリカと、を含み、前記ベーマイトの含有量(w1)は前記樹脂組成物全体の20〜65重量%であり、前記平均粒子径が10〜100nmである球状シリカの含有量(w2)は前記樹脂組成物全体の0.5〜5重量%であり、前記ベーマイトの含有量(w1)と、前記平均粒子径が10〜100nmである球状シリカの含有量(w2)との重量比(w2/w1)が、0.02〜0.5である樹脂組成物。
(2)前記平均粒子径が10〜100nmである球状シリカは、予め有機溶媒に分散したスラリーを用いるものである(1)に記載の樹脂組成物。
(3)前記ベーマイトの平均粒径が、0.5〜5μmである(1)または(2)のいずれかに記載の樹脂組成物。
(4)さらに、平均粒子径が0.2〜3μmの第3無機充填剤を含むものである(1)ないし(3)のいずれかに記載の樹脂組成物。
(5)前記第3無機充填剤の最大粒子径が、10μm以下である(4)に記載の樹脂組成物。
(6)前記第2無機充填剤の含有量(w2)と、前記第3無機充填剤の含有量(w3)との重量比(w2/w3)が、0.02〜1.5である(4)または(5)に記載の樹脂組成物。
(7)さらに、シアネート樹脂を含むものである(1)ないし(6)のいずれかに記載の樹脂組成物。
(8)前記エポキシ樹脂は、ビフェニルジメチレン型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、ナフタレン変性クレゾールノボラックエポキシ樹脂、およびアントラセン型エポキシ樹脂よりなる群から選ばれる少なくとも1種である(1)ないし(7)のいずれかに記載の樹脂組成物。
(9)(1)ないし(8)のいずれかに記載の樹脂組成物を繊維基材に含浸してなることを特徴とするプリプレグ。
(10)(9)に記載のプリプレグを少なくとも1枚以上重ね合わせた積層体の少なくとも片面に金属箔を有することを特徴とする積層板。
(11)(9)に記載のプリプレグを絶縁層に用いてなることを特徴とする多層プリント配線板。
(12)(10)に記載の積層板を内層回路基板に用いてなることを特徴とする多層プリント配線板。
(13)(11)または(12)に記載の多層プリント配線板に半導体素子を搭載してなることを特徴とする半導体装置。
また、本発明によれば性能に優れるプリプレグ、積層板、多層プリント配線板および半導体装置を得ることができる。
本発明の樹脂組成物は、積層板を形成するために用いる樹脂組成物であって、
エポキシ樹脂と、ベーマイトと、ベーマイトと平均粒子径が異なり、かつその平均粒子径が10〜100nmであるシリカと、を含むことを特徴とする。
また、本発明のプリプレグは、上記に記載の樹脂組成物を繊維基材に含浸してなることを特徴とする。
また、本発明の積層板は、上記に記載のプリプレグを少なくとも1枚以上重ね合わせた積層体の少なくとも片面に金属箔を有することを特徴とする。
また、本発明の多層プリント配線板は、上記に記載のプリプレグを絶縁層に用いてなることを特徴とする。
また、本発明の多層プリント配線板は、上記に記載の積層板を内層回路基板に用いてなることを特徴とする。
また、本発明の半導体装置は、上記に記載の多層プリント配線板に半導体素子を搭載してなることを特徴とする。
まず、樹脂組成物について説明する。
前記樹脂組成物は、エポキシ樹脂を含む。これにより、電気特性に優れる積層板を得ることができる。
前記エポキシ樹脂としては、特に限定されないが、実質的にハロゲン原子を含まないものが好ましい。ここで、「実質的にハロゲン原子を含まない」とは、エポキシ樹脂の合成過程において使用されたハロゲン系成分に由来するハロゲンが、ハロゲン除去工程を経ても尚、エポキシ樹脂に残存していることを許容することを意味する。通常、エポキシ樹脂中に30ppmを超えるハロゲン原子を含まないことが好ましい。
これらエポキシ樹脂の中でも特に、ビフェニルジメチレン型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、ナフタレン変性クレゾールノボラックエポキシ樹脂、およびアントラセン型エポキシ樹脂よりなる群から選ばれる少なくとも1種が好ましい。これにより、吸湿半田耐熱性および難燃性を向上させることができる。
前記エポキシ樹脂の重量平均分子量は、例えばGPCで測定することができる。
前記無機充填材の平均粒子径の測定は、レーザー回折散乱法により測定することができる。無機充填材を水中で超音波により分散させ、レーザー回折式粒度分布測定装置(HORIBA製、LA−500)により、無機充填材の粒度分布を体積基準で作成し、そのメディアン径を平均粒子径とすることで測定することができる。具体的には、無機充填材の平均粒子径はD50で規定される。
前記球状シリカとしては、例えば燃焼法などの乾式の溶融シリカや沈降法やゲル法などの湿式のゾルゲルシリカなどが挙げられる。これらの中でもナノサイズのシリカを予め有機溶媒に分散したスラリーが好ましい。これにより、分散性を向上することもできる。
このようなシリカを予め有機溶媒に分散したスラリーを用いることで、不定形のベーマイトを用いた際に生じる流動性の低下を抑制することができる理由は、次のように考えられる。まず、ナノサイズのシリカのようなナノサイズの粒子は、凝集し易く、樹脂組成物に配合する際に2次凝集体等を形成してしまうことが多いが、スラリー状のものを用いることで、このような2次凝集を防止することができ、それによって流動性が低下するのを防止することができる。次に、ナノサイズのシリカの表面電位と、前記ベーマイトの表面電位との相違より、ナノサイズのシリカと前記ベーマイトとが相互作用により引き付けられる。そのため、ナノサイズのシリカが、前記ベーマイトの周囲に存在することになり、ナノサイズのシリカがスペーサー的な作用を有する。このように、ナノサイズのシリカが前記ベーマイトの周囲に存在して、スペーサーとして作用することにより、前記ベーマイトのファンデスワール力による引き付け合う力を低減させ、凝集を防止する。これによって、前記ベーマイトが、より高分散状態となり、流動性の低下を防止することができる。
前記平均粒子径は、例えば、超音波振動電流法(ゼータ電位)、超音波減衰分光法(粒度分布) およびレーザー回折散乱法により測定することができる。
無機充填材を水中で超音波により分散させ、レーザー回折式粒度分布測定装置(HORIBA製、LB−550)により、無機充填材の粒度分布を体積基準で作成し、そのメディアン径を平均粒子径とすることで測定することができる。具体的には、無機充填材の平均粒子径はD50で規定される
前記無機充填材の平均粒子径の測定は、レーザー回折散乱法により測定することができる。無機充填材を水中で超音波により分散させ、レーザー回折式粒度分布測定装置(HORIBA製、LA−500)により、無機充填材の粒度分布を体積基準で作成し、そのメディアン径を平均粒子径とすることで測定することができる。具体的には、無機充填材の平均粒子径はD50で規定される。
尚、本発明において、含有成分の樹脂組成物に対する含有量とは、含有成分の溶解及び/又は分散を目的として含有させる溶剤を除いた成分の合計量を100重量%とするものである。
前記シアネート樹脂は、特に限定されないが、例えば、ハロゲン化シアン化合物とフェノール類とを反応させ、必要に応じて加熱等の方法でプレポリマー化することにより得ることができる。また、このようにして調製された市販品を用いることもできる。
前記プレポリマーは、通常、前記シアネート樹脂を加熱反応などにより、例えば3量化することで得られるものであり、樹脂組成物の成形性、流動性を調整するために好ましく使用されるものである。
前記プレポリマーは、特に限定されないが、例えば3量化率が20〜50重量%のプレポリマーを用いた場合、良好な成形性、流動性を発現できる。
特に前記第1無機充填剤として、ベーマイトを用いる場合は、カップリング剤として、方向族アミノシランを用いることが好ましい。これにより、ベーマイトと芳香族アミノシランの相乗効果により吸水性をより低下させることができ、かつこの樹脂組成物を用いて得られる多層プリント配線板に用いた場合、吸湿処理後の試験において、金属箔とプリプレグ、プリプレグ間の密着性に優れる。
次に、プリプレグについて説明する。
本発明のプリプレグは上記樹脂組成物を繊維基材に含浸してなるものである。これにより、耐熱性、低膨張性および難燃性に優れたプリプレグを得ることができる。前記基材としては、例えばガラス織布、ガラス不繊布、ガラスペーパー等のガラス繊維基材、紙、アラミド、ポリエステル、芳香族ポリエステル、フッ素樹脂等の合成繊維等からなる織布や不織布、金属繊維、カーボン繊維、鉱物繊維等からなる織布、不織布、マット類等が挙げられる。これらの基材は単独又は混合して使用してもよい。これらの中でもガラス繊維基材が好ましい。これにより、プリプレグの剛性、寸法安定性を向上することができる。
次に、積層板について説明する。
本発明の積層板は、上記のプリプレグを少なくとも1枚以上重ね合わせた積層体の少なくとも片面に金属箔を有するものである。これにより、耐熱性、低膨張性および難燃性に優れた積層板を得ることができる。プリプレグ1枚のときは、その上下両面もしくは片面に金属箔を重ねる。また、プリプレグを2枚以上積層することもできる。プリプレグ2枚以上積層するときは、積層したプリプレグの最も外側の上下両面もしくは片面に金属箔あるいはフィルムを重ねる。次に、プリプレグと金属箔とを重ねたものを加熱加圧成形することで積層板を得ることができる。
次に、本発明の多層プリント配線板について説明する。
本発明の多層プリント配線板は、上記に記載のプリプレグを絶縁層に用いてなる。また、本発明の多層プリント配線板は、上記に記載の積層板を内層回路基板に用いてなる。
前記積層板を内層回路基板として用いる場合について説明する。
前記内層回路基板となる積層板の片面又は両面に回路形成する。場合によっては、ドリル加工、レーザー加工によりスルーホールを形成し、めっき等で両面の電気的接続をとることもできる。この内層回路基板に市販の樹脂シート、または前記本発明のプリプレグを重ね合わせて加熱加圧成形し、多層プリント配線板を得ることができる。
具体的には、上記樹脂シートの絶縁層側と内層回路板とを合わせて、真空加圧式ラミネーター装置などを用いて真空加熱加圧成形させ、その後、熱風乾燥装置等で絶縁層を加熱硬化させることにより得ることができる。ここで加熱加圧成形する条件としては、特に限定されないが、一例を挙げると、温度60〜160℃、圧力0.2〜3MPaで実施することができる。また、加熱硬化させる条件としては特に限定されないが、一例を挙げると、温度140〜240℃、時間30〜120分間で実施することができる。
なお、前記多層プリント配線板を得る際に用いられる内層回路板は、例えば、銅張積層板の両面に、エッチング等により所定の導体回路を形成し、導体回路部分を黒化処理したものを好適に用いることができる。
尚、金属箔を有する樹脂シート、またはプリプレグを用いた場合は、金属箔を剥離することなく、導体回路として用いるためにエッチングにより回路形成を行ってもよい。その場合、厚い銅箔を使用した基材付き絶縁樹脂シートを使うと、その後の回路パターン形成においてファインピッチ化が困難になるため、1〜5μmの極薄銅箔を使うか、または12〜18μmの銅箔をエッチングにより1〜5μmに薄くするハーフエッチングする場合もある。
次に、本発明の半導体装置について説明する。
前記で得られた多層プリント配線板に半田バンプを有する半導体素子を実装し、半田バンプを介して、前記多層プリント配線板との接続を図る。そして、多層プリント配線板と半導体素子との間には液状封止樹脂を充填し、半導体装置を形成する。半田バンプは、錫、鉛、銀、銅、ビスマスなどからなる合金で構成されることが好ましい。
(1)樹脂ワニスの調製
エポキシ樹脂としてノボラック型エポキシ樹脂(EOCN−1020−75、日本化薬社製、エポキシ当量200)17.5重量%と、第1無機充填剤としてベーマイト(河合石灰社製、品番BMT−3L、平均粒子径2.9μm、1%熱分解温度420℃)61.4重量%と、第2無機充填剤として球状ナノシリカ(品番NSS−5N、トクヤマ社製、平均粒子径70nm)3.5重量%と、硬化剤としてフェノール樹脂(MEH7851−4L、明和化成社製、水酸基当量187)17.5重量%と、硬化促進剤としてイミダゾール(四国化成工業社製、品番2E4MZ)0.1重量%とを、メチルイソブチルケトンに溶解・混合させた。次いで、高速撹拌装置を用い撹拌して樹脂ワニスを調製した(W2/W1=0.06)。
前記樹脂ワニスをガラス織布(厚さ94μm、日東紡績製Eガラス織布、WEA−2116)に含浸し、150℃の加熱炉で2分間乾燥して、プリプレグ中のワニス固形分が約50重量%のプリプレグを得た。
前記プリプレグ4枚重ね、両面に12μmの銅箔(三井金属鉱業社製3EC−VLP箔)を重ねて、圧力3MPa、温度220℃で2時間加熱加圧成形し、厚さ0.40mmの両面に銅箔を有する積層板を得た。
前記両面に銅箔を有する積層板を用いて、ドリル機で開孔後、無電解めっきで上下銅箔間の導通を図り、前記両面の銅箔をエッチングすることにより内層回路を両面に形成した。(L(導体回路幅)/S(導体回路間幅)=120/180μm、クリアランスホール1mmφ、3mmφ、スリット2mm)
次に内層回路に過酸化水素水と硫酸を主成分とする薬液(旭電化工業(株)製テックSO−G)をスプレー吹き付けすることにより粗化処理による凹凸形成を行った。
前記多層プリント配線板は、半導体素子の半田バンプ配列に相当するニッケル金メッキ処理が施された接続用電極部を配したものを50mm×50mmの大きさに切断し使用した。半導体素子(TEGチップ、サイズ15mm×15mm、厚み0.8mm)は、Sn/Pb組成の共晶で形成された半田バンプを有し、半導体素子の回路保護膜はポジ型感光性樹脂(住友ベークライト社製CRC−8300)で形成されたものを使用した。半導体装置の組み立ては、まず、半田バンプにフラックス材を転写法により均一に塗布し、次にフリップチップボンダー装置を用い、多層プリント配線板上に加熱圧着により搭載した。次に、IRリフロー炉で半田バンプを溶融接合した後、液状封止樹脂(住友ベークライト社製、CRP−4152S)を充填し、液状封止樹脂を硬化させることで半導体装置を得た。尚、液状封止樹脂の硬化条件は、温度150℃、120分の条件であった。
樹脂ワニスの配合を以下のようにした以外は、実施例1と同様にした。
シアネート樹脂としてフェノールノボラックシアネート樹脂(プリマセットPT−30、ロンザ社製)17.5重量%と、エポキシ樹脂としてビフェニルジメチレン型エポキシ樹脂(NC3000、日本化薬社製、エポキシ当量275)9.5重量%と、第1無機充填剤としてベーマイト(河合石灰社製、品番BMT−3L、平均粒子径2.9μm、1%熱分解温度420℃)61.4重量%と、第2無機充填剤として球状ナノシリカ(品番NSS−5N、トクヤマ社製、平均粒子径70nm)3.5重量%と、硬化剤としてフェノール樹脂(MEH7851−4L、明和化成社製、水酸基当量187)8.1重量%とを、用いた(W2/W1=0.06)。
樹脂ワニスの配合を以下のようにした以外は、実施例1と同様にした。
シアネート樹脂としてフェノールノボラックシアネート樹脂(プリマセットPT−30、ロンザ社製)17.5重量%と、エポキシ樹脂としてビフェニルジメチレン型エポキシ樹脂(NC3000、日本化薬社製、エポキシ当量275)9.5重量%と、第1無機充填剤としてベーマイト(河合石灰社製、品番BMT−3L、平均粒子径2.9μm、1%熱分解温度420℃)31.6重量%と、第2無機充填剤として球状ナノシリカ(品番NSS−5N、トクヤマ社製、平均粒子径70nm)3.5重量%と、第3無機充填剤として球状シリカ(SO−31R(アドマテックス社製、比表面積4.5m2/g、平均粒子径1.1μm)29.8重量%と、硬化剤としてフェノール樹脂(MEH7851−4L、明和化成社製、水酸基当量187)8.1重量%とを、用いた(W2/W1=0.11、W2/W3=0.12)。
第2無機充填剤として、以下のものを用いた以外は、実施例3と同様にした。
第2無機充填剤として球状ナノシリカ(品番アドマナノ、アドマテックス社製、平均粒子径50nm、40wt%アノンスラリー)を用いた(W2/W1=0.11、W2/W3=0.12)。尚、球状ナノシリカの乾粉換算で配合した。
第2無機充填剤として、以下のものを用いた以外は、実施例3と同様にした。
第2無機充填剤として球状ナノシリカ(品番アドマナノ、アドマテックス社製、平均粒子径25nm、30wt%アノンスラリー)を用いた(W2/W1=0.11、W2/W3=0.12)。尚、球状ナノシリカの乾粉換算で配合した。
第2無機充填剤として、以下のものを用いた以外は、実施例3と同様にした。
第2無機充填剤として球状ナノシリカ(品番PL−1、扶桑化学工業社製、平均粒子径15nm、12wt%アノンスラリー)を用いた(W2/W1=0.11、W2/W3=0.12)。尚、球状ナノシリカの乾粉換算で配合した。
第1無機充填剤として、以下のものを用いた以外は、実施例3と同様にした。
第1無機充填剤として水酸化アルミ(品番ALH−3L、河合石灰社製、平均粒子径4.5μm、1%熱分解温度280℃)を用いた(W2/W1=0.11、W2/W3=0.12)。
第1無機充填剤として、以下のものを用いた以外は、実施例3と同様にした。
第1無機充填剤としてタルク(品番LMS−400、富士タルク工業社製、平均粒子径3.8μm、1%熱分解温度375℃)を用いた(W2/W1=0.11、W2/W3=0.12)。
エポキシ樹脂として、以下のものを用いた以外は、実施例3と同様にした。
エポキシ樹脂としてナフタレン変性クレゾールノボラックエポキシ樹脂(HP−5000、DIC社製、エポキシ当量250)を用いた(W2/W1=0.11、W2/W3=0.12)。
エポキシ樹脂として、以下のものを用いた以外は、実施例3と同様にした。
エポキシ樹脂としてアントラセン型エポキシ樹脂(YX8800、ジャパンエポキシレジン、エポキシ当量181)を用いた(W2/W1=0.11、W2/W3=0.12)。
樹脂ワニスの配合を以下のようにした以外は、実施例1と同様にした。
シアネート樹脂としてフェノールノボラックシアネート樹脂(プリマセットPT−30、ロンザ社製)17.5重量%と、エポキシ樹脂としてビフェニルジメチレン型エポキシ樹脂(NC3000、日本化薬社製、エポキシ当量275)9.5重量%と、第1無機充填剤としてベーマイト(河合石灰社製、品番BMT−3L、平均粒子径2.9μm、1%熱分解温度420℃)21.1重量%と、第2無機充填剤として球状ナノシリカ(品番NSS−5N、トクヤマ社製、平均粒子径70nm)10.5重量%と、第3無機充填剤として球状シリカ(SO−31R(アドマテックス社製、比表面積4.5m2/g、平均粒子径1.1μm)33.3重量%と、硬化剤としてフェノール樹脂(MEH7851−4L、明和化成社製、水酸基当量187)8.1重量%とを、用いた(W2/W1=0.5、W2/W3=0.32)。
樹脂ワニスの配合を以下のようにした以外は、実施例1と同様にした。
シアネート樹脂としてフェノールノボラックシアネート樹脂(プリマセットPT−30、ロンザ社製)17.5重量%と、エポキシ樹脂としてビフェニルジメチレン型エポキシ樹脂(NC3000、日本化薬社製、エポキシ当量275)9.5重量%と、第1無機充填剤としてベーマイト(河合石灰社製、品番BMT−3L、平均粒子径2.9μm、1%熱分解温度420℃)45.6重量%と、第2無機充填剤として球状ナノシリカ(品番NSS−5N、トクヤマ社製、平均粒子径70nm)10.5重量%と、第3無機充填剤として球状シリカ(SO−31R(アドマテックス社製、比表面積4.5m2/g、平均粒子径1.1μm)8.8重量%と、硬化剤としてフェノール樹脂(MEH7851−4L、明和化成社製、水酸基当量187)8.1重量%とを、用いた(W2/W1=0.23、W2/W3=1.2)。
第2無機充填剤を用いずに、樹脂ワニスの配合を以下のようにした以外は、実施例1と同様にした。
シアネート樹脂としてフェノールノボラックシアネート樹脂(プリマセットPT−30、ロンザ社製)17.5重量%と、エポキシ樹脂としてビフェニルジメチレン型エポキシ樹脂(NC3000、日本化薬社製、エポキシ当量275)9.5重量%と、第1無機充填剤としてベーマイト(河合石灰社製、品番BMT−3L、平均粒子径2.9μm、1%熱分解温度420℃)56.1重量%と、第3無機充填剤として球状シリカ(SO−31R(アドマテックス社製、比表面積4.5m2/g、平均粒子径1.1μm)8.8重量%と、硬化剤としてフェノール樹脂(MEH7851−4L、明和化成社製、水酸基当量187)8.1重量%とを、用いた。
第1無機充填剤を用いずに、樹脂ワニスの配合を以下のようにした以外は、実施例1と同様にした。
シアネート樹脂としてフェノールノボラックシアネート樹脂(プリマセットPT−30、ロンザ社製)17.5重量%と、エポキシ樹脂としてビフェニルジメチレン型エポキシ樹脂(NC3000、日本化薬社製、エポキシ当量275)9.5重量%と、第2無機充填剤として球状ナノシリカ(品番NSS−5N、トクヤマ社製、平均粒子径70nm)10.5重量%と、第3無機充填剤として球状シリカ(SO−31R(アドマテックス社製、比表面積4.5m2/g、平均粒子径1.1μm)54.4重量%と、硬化剤としてフェノール樹脂(MEH7851−4L、明和化成社製、水酸基当量187)8.1重量%とを、用いた(W2/W3=0.19)。
チキソ性は、E型粘度計(円錐平板型回転粘度計)を用いてJIS K7117−2に準拠して測定し、5rpm/50rpmの粘度比を評価した。
フィラー沈降性は、ワニスを作製した後、100ccのメスシリンダーに10cmのワニス高さで静置した。24時間毎に、目視で確認し分離により透明部分の長さを測定して評価した。
樹脂流れ性は、JIS C 6521に準拠して、温度170℃ 圧力15kgf/cm2間5分後にフローアウト量を評価した。尚、実施例で得られたワニスを12μm銅箔の粗面にキャスティングし、温度150℃時間5分乾燥後30μmの銅箔付き樹脂フィルムを5枚重ねて用いた。
プリプレグ含浸性は、作製したプリプレグを温度180℃×1時間、熱風オーブン中で硬化後、幅方向530mmを15mm間隔で35点の断面を観察し評価した。各符号は、以下の通りである。
◎:全点の箇所で、未含浸ボイドは見られなかった。
○:1以上5未満の箇所で、未含浸ボイドが見られたが、実用可能レベルであった。
△:5以上30未満の箇所で、未含浸ボイドが見られ、実用不可であった。
×:30点以上の箇所で、未含浸ボイドが見られ、実用不可であった。
成形性は、510mm×510mmサイズの積層板の銅箔全面を、エッチングで除去した後に目視で評価した。尚、積層板としては、前記プリプレグ4枚重ね、両面に12μmの銅箔(三井金属鉱業社製3EC−VLP箔)を重ねて、圧力3MPa、温度220℃で2時間加熱加圧成形し、厚さ0.40mmの両面に銅箔を有するものを用いた。(製品温度が120℃の時に5分で30MPaまで昇圧した。)各符号は、以下の通りである。
◎:ボイドが、無かった。
○:10mm端部にのみ、10μm未満のボイドが有ったが、実用可能レベルであった。
△:ボイド10μmを超えるボイドが有り、実用不可であった。
×:ボイドが多数有り、実用不可であった。
耐熱性は、260℃マルチリフローで評価した。
得られた半導体装置を、IPC/JEDECのJ−STD−20に準拠リフロー260℃リフロー炉を通し、10回毎に、超音波深傷検査装置で半導体装置の絶縁層の剥離、クラック、半導体素子裏面の剥離、および半田バンプの欠損、及び125℃の熱板上で銅通不良を評価した。各符号は以下の通りである。
◎:40回以上絶縁層の剥離等、または銅通不良が無かった。
○:20回以上、40回未満で絶縁層の剥離等、または銅通不良が無かった。
△:10回以上、20回未満で絶縁層の剥離等、または銅通不良が発生した。
×:10回未満 絶縁層の剥離等、または銅通不良が発生した。
得られた積層板の銅箔をエッチングで除去し、厚さが100μm、4mm×40mmのテストピースを切り出し、TMAを用いて5℃/分の引っ張り条件で、25℃から150℃の範囲における線熱膨張係数を測定した。
ドリル加工後のめっき染み込みは、0.4mmtの上記積層板を2枚重ね合わせ、直径0.2mmのドリルにて3,000hit穴あけ加工後、積層板の貫通孔に厚み25μmのスルーホールメッキを施してスルーホールを形成し、このスルーホールの内壁から積層板中へのメッキ液の染み込み深さで評価した。尚、ドリルは、ユニオンシール製、品番KMC L253を用い、穴あけ時のドリルの回転数は250krpm/min、ドリルのチップロードは9.6μm/revとした。各符号は、以下の通りである。
◎:染み込み深さが、20μm未満であった(良好)。
○:染み込み深さが、20μm以上50μm未満であった(実質上問題なし)。
△:染み込み深さが、50μm以上100μm未満であった(実質上使用不可)。
×:染み込み深さが、100μm以上であった(使用不可)。
スルーホール絶縁信頼性は、スルーホール壁間を0.2mmで、印加電圧20V、温度130℃湿度85%の条件で、連続測定で評価した。尚、上述のドリル加工と同様の条件で、スルーホール加工、スルーホールメッキおよび回路加工したサンプルを用いた。なお、絶縁抵抗値が108Ω未満となる時点で終了とした。
各符号は以下の通りである。
◎:絶縁抵抗値が108Ω未満となるまで、500時間以上であった(良好)。
○:絶縁抵抗値が108Ω未満となるまで、200時間以上500時間未満であった(実質上問題なし)。
△:絶縁抵抗値が108Ω未満となるまで、100時間以上200時間未満であった(実質上使用不可)。
×:絶縁抵抗値が108Ω未満となるまで、100時間未満であった(使用不可)。
パッケージの反り量は、チップ面を加熱冷却可能なチャンバー上に置いて、−50℃と125℃の雰囲気下で、BGA面から基板(サイズ:50mm×50mm)上の48mm×48mm部分での反り量の変化を測定した。尚、サンプルは前記実施例で作製した半導体装置を用いた。各符号は、以下の通りである。
◎:反り量の変化が、200μm未満であった(良好)。
○:反り量の変化が、200μm以上300μm未満であった(実質上問題なし)。
△:反り量の変化が、300μm以上350μm未満であった(実質上使用不可)。
×:反り量の変化が、350μm以上であった(使用不可)。
前記積層板の製造において、前記プリプレグを10枚重ね、その両面に12μmの銅箔を重ねて、圧力3MPa、温度200℃で2時間加熱加圧成形し、厚さ0.12mmの両面銅張積層板を得た。前記で得られた積層板の銅箔をエッチングし、UL−94規格に従い、1.0mm厚のテストピースを垂直法により測定した。
また、実施例1〜12で得られた樹脂ワニスは、チキソ性、およびフィラー沈降性に優れていた。そのため、量産安定性、およびプリプレグでの含浸性に優れる。また、樹脂流れ性にも優れるため、無機充填剤を高充填にしても積層板にする際の、成形性が良好であった。また、プリント配線板にした際の耐熱性、低線膨張率、ドリル加工性に優れていた。そのため、スルーホール絶縁信頼性に優れ、低線膨張率のため、PKG反り量も小さく優れていた。
それに比べて、比較例1は、チキソ比が高く、プリプレグでの含浸性、および樹脂流れ性に劣るため、成形性、および耐熱性、スルーホール絶縁信頼性に劣る。また、比較例2は、ドリル加工性に劣るため、スルーホール絶縁信頼性に劣る。
さらに前記プリプレグを用いた多層プリント配線板は、吸湿処理後の半田耐熱性に優れ、また、多層プリント配線板の製造工程におけるスルーホールの加工性、および絶縁信頼性に優れ、さらには該多層プリントリ配線板を用いた半導体装置は、280℃という高温でのリフロー試験においても良好な結果を示すことができる。
Claims (13)
- 積層板を形成するために用いる樹脂組成物であって、
エポキシ樹脂と、ベーマイトと、前記ベーマイトとレーザー回折散乱法により測定した平均粒子径が異なり、かつその平均粒子径が10〜100nmである球状シリカと、を含み、
前記ベーマイトの含有量(w1)は前記樹脂組成物全体の20〜65重量%であり、
前記平均粒子径が10〜100nmである球状シリカの含有量(w2)は前記樹脂組成物全体の0.5〜5重量%であり、
前記ベーマイトの含有量(w1)と、前記平均粒子径が10〜100nmである球状シリカの含有量(w2)との重量比(w2/w1)が、0.02〜0.5であり、
前記エポキシ樹脂の含有量は、前記樹脂組成物全体の5重量%以上、60重量%以下である樹脂組成物。 - 前記平均粒子径が10〜100nmである球状シリカは、予め有機溶媒に分散したスラリーを用いるものである請求項1に記載の樹脂組成物。
- 前記ベーマイトの平均粒径が、0.5〜5μmである請求項1または2のいずれかに記載の樹脂組成物。
- さらに、平均粒子径が0.2〜3μmの第3無機充填剤を含むものである請求項1ないし3のいずれかに記載の樹脂組成物。
- 前記第3無機充填剤の最大粒子径が、10μm以下である請求項4に記載の樹脂組成物。
- 前記第2無機充填剤の含有量(w2)と、前記第3無機充填剤の含有量(w3)との重量比(w2/w3)が、0.02〜1.5である請求項4または5に記載の樹脂組成物。
- さらに、シアネート樹脂を含むものである請求項1ないし6のいずれかに記載の樹脂組成物。
- 前記エポキシ樹脂は、ビフェニルジメチレン型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、ナフタレン変性クレゾールノボラックエポキシ樹脂、およびアントラセン型エポキシ樹脂よりなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項1ないし7のいずれかに記載の樹脂組成物。
- 請求項1ないし8のいずれかに記載の樹脂組成物を繊維基材に含浸してなることを特徴とするプリプレグ。
- 請求項9に記載のプリプレグを少なくとも1枚以上重ね合わせた積層体の少なくとも片面に金属箔を有することを特徴とする積層板。
- 請求項9に記載のプリプレグを絶縁層に用いてなることを特徴とする多層プリント配線板。
- 請求項10に記載の積層板を内層回路基板に用いてなることを特徴とする多層プリント配線板。
- 請求項11または12に記載の多層プリント配線板に半導体素子を搭載してなることを特徴とする半導体装置。
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