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JP5812657B2 - 飲料又は食品の苦渋味抑制剤 - Google Patents

飲料又は食品の苦渋味抑制剤 Download PDF

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Description

本発明は、苦味若しくは渋味のある飲料又は食品の苦味若しくは渋味の抑制剤、及びその使用方法、さらに苦味若しくは渋味が低減された茶葉加工品、及び該茶葉加工品を含有する飲料又は食品ならびに該茶葉加工品の製造方法に関する。
詳しくは、カゼインホスホペプチド又はセリシンからなる苦渋味抑制剤であり、カゼインホスホペプチド又はセリシンを飲料又は食品に添加することにより飲料又は食品の苦味若しくは渋味を抑制する方法に関するものである。
また、カゼインホスホペプチド又はセリシンが添加された茶葉加工品、及び該茶葉加工品を含有する飲料又は食品、並びに該茶葉加工品の製造方法に関するものである。
飲料や食品の苦味や渋味は、その飲料や食品の特徴として嗜好性の重要な要素となる一方、強すぎる苦味や渋味は逆に飲料や食品の風味を損ねる要因となる。また、近年、健康増進などを目的として植物由来の機能性成分が注目されているが、これらの成分は苦味や渋味が強いものが多く、十分な量を含む飲料や食品は苦味や渋味が強くなり嗜好性が低下してしまう。そのため、飲料や食品の苦味や渋味を抑制することが求められている。
特に、茶にはカテキン類をはじめとしてさまざまな機能性成分が含まれており、健康機能性飲料又は食品として注目されている。しかしながら、カテキン類は強い渋味や苦味のためにその摂取量が制限されてしまう。
茶飲料の苦味や渋味を軽減する方法として不溶性ポリビニルポリピロリドン(PVPP)などの樹脂によりカテキン類を除去する方法が報告されている(特許文献1、2及び3)。しかしこれらの方法は高価な樹脂を用いるため、コストがかかる上に煩雑な操作を要する。また、カテキン類が除去されてしまうので茶葉加工品に期待される健康機能が低減してしまう。
また、茶抽出物の苦味や渋味を抑制する方法としてプロタミン(特許文献4)、乳タンパク(特許文献5)、大豆タンパク(特許文献6)、エンドウタンパク(特許文献7)などのタンパクを加える方法が開示されている。しかしながら、これらタンパクの効果はかならずしも十分ではなかった。さらに、これらタンパクは風味が強いため、茶葉加工品に添加した場合、該飲料又は食品の風味に影響を及ぼしてしまう。また、これらタンパクは溶解性が悪く、飲料に添加すると濁りや沈殿が発生してしまう。
さらにシクロデキストリンを用いた茶組成物の苦味抑制方法も報告されている(特許文献8)。シクロデキストリンの添加により苦味を抑制するには多量のシクロデキストリンの添加が必要になり、多量のシクロデキストリンを添加すると、シクロデキストリンによる異味が生じるという問題が生じる。
特開平9−220055号公報 特開2000−41577号公報 特開2004−159597号公報 特開平5−328935号公報 特開2000−323913号公報 特開2004−73196号公報 特開2006−180830号公報 特開平3−168048号公報
本発明の目的は、飲料や食品の苦味や渋味を抑制することである。
特に、茶のカテキン類などによる苦味や渋味に対する抑制効果が高く、飲料又は食品に対して十分な量のカテキン類やテアフラビン類を添加しても飲料又は食品自体の風味を損なわず、飲料とした場合の外観も損なわない茶葉加工品及び、茶葉加工品を含有する飲料又は食品及び茶葉加工品を製造する方法を簡便かつ低コストに提供することである。
本発明者らは、特定のタンパク質系成分が、飲料又は食品中のカテキン類、テアフラビン類と選択的に結合すること、特に苦味や渋味が強いとされるガレート型カテキン類と強く結合することを見出し、その結果、風味や外観に影響することなく、簡便に苦味や渋味が抑制された飲料や食品を提供できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、以下のとおりである。
(1)飲料又は食品の苦味若しくは渋味の抑制剤であって、カゼインホスホペプチド又はセリシンを有効成分とすることを特徴とする苦渋味抑制剤
(2)カゼインホスホペプチド又はセリシンを添加することを特徴とする、飲料又は食品の苦味若しくは渋味の抑制方法
(3)カテキン類を含有する飲料又は食品に、カゼインホスホペプチド又はセリシンを添加することを特徴とする、飲料又は食品に含まれるカテキン類濃度の低減方法
さらに、本発明は、以下のとおりである。
(4)茶葉の抽出液、懸濁液、造粒物、粉砕物、及び前記抽出物若しくは懸濁液の乾燥粉末から選ばれる一種にカゼインホスホペプチド又はセリシンが添加されてなることを特徴とする茶葉加工品
(5)前記茶葉加工品を含有することを特徴とする飲料又は食品
(6)茶葉の抽出液又は懸濁液に、カゼインホスホペプチド又はセリシンを添加することを特徴とする茶葉加工品の製造方法
(7)粉末状の茶葉又は固体状の茶葉抽出物に、カゼインホスホペプチド又はセリシンを添加して造粒することを特徴とする茶葉加工品の製造方法
また、本発明は、上記(4)〜(7)において、カゼインホスホペプチド又はセリシンの添加量が、茶葉に由来する固形分1質量部に対して0.01〜100質量部であること;茶が、紅茶、緑茶、烏龍茶であること;をそれぞれ特徴とする。
本発明によれば、飲料や食品の風味に影響を及ぼすことなく、飲料や食品が有する苦味若しくは渋味を抑制することが可能となる。特に、茶の風味を損なうことなく、また、茶葉加工品中のカテキン類やテアフラビン類の苦味、渋味に対する抑制効果が高い。
従って、飲料又は食品本来の持つ風味を低下させることなく、飲料又は食品への茶葉加工品の添加量を多くすることができる。
さらに、通常濃度のカテキン類やテアフラビン類を含有する茶飲料であっても苦味及び渋味が低減されることから多く飲むことも可能となる。
さらにこのようにして製造された茶飲料は濁りが生じないことから、製品の外観に優れ、製品の品質向上に貢献する。
以下、本発明を詳述する。
(1)苦渋味抑制剤
本発明においては、苦渋味抑制の有効成分として、タンパク質系のカゼインホスホペプチド(CPP)又はセリシンを使用する。
カゼインホスホペプチド(casein phosphopeptide:略称CPP)は、乳蛋白カゼインをトリプシンで分解したペプチドであり、例えば、特開昭58−170440号公報、特開昭59−159793号公報等に開示されている公知の方法に従って得ることができる。
特開昭59−159793号公報では以下のような製法が紹介されている。
「実施例1:乳酸カゼイン(ニュージーランド産)10gを水に溶解し10%溶液とした (pH8.0)。この溶液に豚の結晶トリプシン(ノボ社製) を対基質0.01%添加しpH7.5〜8.5で50℃、6時間反応させた。この反応液に、塩化第2鉄を10mMの濃度になるように添加し撹拌後、5℃で一夜放置した。沈殿となったCPP画分を遠心分離によって回収し、少量の水で洗浄した。その後真空乾燥し、CPP画分1.2gを得た。CPP純度は92%、N/P=8.9であった。」
このようなカゼインホスホペプチドは、市販品、例えば株式会社明治フードマテリア製「CPP−III」等を利用することもできる。
一方、セリシン(sericin)とは絹繊維に含まれるタンパク質であり、繭又は生糸を熱水で処理することにより、該水中に溶出させ、国際公開第2002−086133号パンフレットなどに開示されている公知の方法に従って得ることができる。
国際公開第2002−086133号パンフレットでは以下のような製法が紹介されている。
「製造例1:繭(家蚕(Bombyx mori)が作ったもの)1kgを、0.2%炭酸ナトリウム水溶液(pH11〜12)50L中において95℃の条件下において2時間熱水処理を施し、セリシン加水分解物を抽出した。得られたセリシン加水分解物抽出液を平均孔径0.2μmのフィルターを用いて濾過し、凝集物を除去した後、濾液を逆浸透膜により脱塩し、セリシン濃度0.2%の無色透明のセリシン加水分解物水溶液を得た。 次いで、この水溶液を、エバポレーターを用いてセリシン濃度が約2%になるまで濃縮させた後、凍結乾燥処理を行って、純度90%以上で、平均分子量20,000であるセリシン加水分解物(ポリペプチドA)の粉体100gを得た。」
セリシンとしては、市販品、例えばカシロ産業株式会社製「HiセリシンP−103」等を利用することもできる。
なお、セリシンはトリプシン等の酵素により、分子量が1,000〜100,000程度に分解されたものであっても良い。
上記セリシンが低分子量の場合は、苦渋味の低減効果が弱く、一方、高分子量の場合は溶解性が悪いことが予想される。従って、本発明におけるセリシンの分子量は好ましくは1,000〜100,000である。
CPP又はセリシンは、エンドウタンパクや大豆タンパクや乳タンパクのような特徴的な臭いがなく、またプロタミンのような強い収斂味もない。そのため、飲料又は食品、特に茶の風味となじむため、飲料又は食品、特に茶へと添加した際、それらの風味を損なうことがない。
また、エンドウタンパクや大豆タンパクや乳タンパクやプロタミンを飲料、特に茶抽出液に加えると濁りが発生するが、CPP又はセリシンを飲料、特に茶抽出液に添加しても濁りが発生しないため、茶飲料として自然であり好ましい。CPP又はセリシンは、茶由来のカテキン類やテアフラビン類に対する苦味若しくは渋味の抑制効果が高いので、飲料又は食品への茶含有組成物の添加量を多くすることができ、上記のカテキン類やテアフラビン類の生理活性効果を高めることができる。
本発明の苦渋味抑制効果を損なわない範囲において、CPP又はセリシンの他に、酸化防止剤、食塩、香料、各種エステル類、糖類、着色料、乳化剤、保存料、調味料、甘味料、発色剤、pH調整剤などの添加剤を配合してもよい。
また、本発明の苦渋味抑制剤の形態は、特に限定されるものではなく、例えば、水溶液、エマルジョン、粉末、粒状体、製剤などを挙げることができる。
本発明の苦渋味抑制剤の飲食品への使用時期は、飲料又は食品の製造工程前に使用したり、製造中に使用したり、あるいは製造された製品に使用したりするなどいずれでもよく、特に限定されるものではない。
また、後述するように、CPP又はセリシンを配合した茶葉加工品を飲料又は食品に使用することもできる。この場合も茶葉加工品の使用時期は特に限定されるものではない。
(2)苦味若しくは渋味成分を含む飲料又は食品
本発明で苦渋味の抑制が図られる飲料又は食品とは、嗜好性に問題を及ぼすような苦味や渋味を有する飲料や食品一般を含み、具体的には、植物由来の苦味物質としてポリフェノールやアルカロイドを含む飲料や食品である。
例えば、苦味物質としてポリフェノール成分のカテキン類やテアフラビン類やテアルビジン類を含有する紅茶、緑茶、烏龍茶が挙げられ、さらにこれらの茶葉抽出物や濃縮物、茶葉原料を含む食品が挙げられる。
また、苦味物質としてポリフェノール成分のクロロゲン酸やアルカロイドのカフェインを含有するコーヒー及びその抽出物や濃縮物、コーヒー豆原料を含む食品が挙げられる。
さらに、苦味物質としてポリフェノール成分のカテキン類やアルカロイドのテオブロミンを含むカカオ豆を原料とするココアやチョコレートも挙げられる。
加えて、渋味成分であるタンニンを含むグアバ茶などの各種健康茶もあげられる。
(3)苦渋味抑制剤の使用量
一般に、タンパク質の場合、添加量が多くなるとタンパク質自体の風味がそれを添加する飲料や食品の風味に影響を与える。しかし、CPP又はセリシン自体が有する独特の風味は弱いため、一般的なタンパク質より多く使用することができる。しかし、コストを考慮すると、効果が望めるのであれば、添加量は低いほうがよい。
そこで、本発明の苦渋味抑制剤の使用量は、一般には飲料又は食品1000質量部に対して、抑制剤中の有効成分CPP又はセリシンが0.001〜50質量部の範囲内が適当であり、好ましくは0.01〜50質量部である。0.001質量部未満では十分な苦渋味の抑制効果が得られず、一方、50質量部を超えるとコストがかかり高価となってしまう。
飲食品に対する苦渋味抑制剤の添加は、飲料又は食品の溶液に、上記の使用量にて苦渋味抑制剤を添加し、5〜90℃の温度条件で混合直後から、あるいは1秒〜30分間攪拌を続ければCPP又はセリシンと飲料又は食品中の苦味若しくは渋味成分が結合する。
かかる結合は、疎水結合、水素結合、イオン結合などによる分子間の相互作用によるものであるが、苦味若しくは渋味成分がCPP又はセリシンと結合することにより、物理的に口腔内の感覚器官と接触できなくなり、結果として苦味若しくは渋味を感じなくなるのである。
このようにして得られた溶液を飲料又は食品として用いることができるが、スプレードライや凍結乾燥などにより水分を除去した混合物を粉末又は固形状の食品に用いることもできる。
固体の食品の場合、CPP又はセリシン溶液に5〜90℃の温度条件で1分〜1日浸漬すればCPP又はセリシンと食品中の苦味若しくは渋味成分が結合する。
あるいは固体のままのCPP又はセリシンを直接固体の食品と混合しても、該食品を食する際に、口腔内でCPP又はセリシンと食品中の苦味若しくは渋味成分が結合する。
また、本発明におけるCPP又はセリシンはカテキン類、特に苦味や渋味が強いとされるガレート型カテキン類と強く結合する。そのため、飲料又は食品に混合させると、飲料又は食品に含まれる遊離のカテキン類の濃度を低減することができる。飲料又は食品に含まれる遊離のカテキン類の濃度が低下すると、その飲料又は食品の苦味や渋味が低減されることが期待される。
(4)茶葉加工品
本発明の茶葉加工品は、茶葉の抽出液、懸濁液、造粒物、粉砕物、及び前記抽出物若しくは懸濁液の乾燥粉末から選ばれた一種にCPP又はセリシンが添加されたものである。
本発明における茶葉とはツバキ科ツバキ属チャノキの葉や茎を加工したものであり、代表的なものとして、緑茶等の不発酵茶、烏龍茶等の半発酵茶、紅茶等の発酵茶の茶葉が挙げられる。
本発明で用いるCPP及びセリシンは比較的タンパク自体の風味が弱いため、高濃度にしても影響が少ないが、コストを考えると添加量が少ないほうがよい。
茶葉加工品におけるCPP又はセリシンの配合割合は、一般には茶葉由来固形物中のカテキン類やテアフラビン類の含量にもよるが、茶葉由来固形物1質量部に対して0.01〜100質量部であり、好ましくは0.1〜10質量部であり、0.1〜3質量部とすることがさらに好ましい。
CPP又はセリシンの配合割合が0.01質量部未満であると、茶の苦味若しくは渋味抑制効果が不十分となり、十分な苦味や渋味の抑制効果が得られず、一方、100質量部を超えるとコストがかかり高価となってしまう。
(5)茶葉加工品の製造方法
茶葉の抽出方法は特に限定されないが、公知の熱水抽出が好ましく用いられる。
また、得られた抽出液は水分量が多いため濃縮することが好ましい場合もある。濃縮手段は特に限定されないが、減圧濃縮、加熱濃縮、凍結濃縮等の常法が適宜選択できるが、加熱による風味の劣化が少ないことから、減圧濃縮又は凍結濃縮がより好ましい。
CPP又はセリシンを茶葉抽出物に添加する方法は、CPP又はセリシンの水溶液若しくは懸濁液を用いて茶葉抽出液又は茶葉懸濁液を調製しても、茶葉抽出液又は茶葉懸濁液にCPP又はセリシンを加えてもよい。また、茶葉抽出液又は茶葉懸濁液を乾燥させ粉末状態とした後にCPP又はセリシンを加えてもよく、特に限定されるものではない。
茶葉抽出液又は懸濁液に対するCPP又はセリシンの添加は、茶葉抽出液又は懸濁液に、上記の使用量にてCPP又はセリシンを添加し、5〜90℃の温度条件で混合直後から、あるいは1秒〜30分間攪拌を続ければCPP又はセリシンと茶葉抽出又は懸濁液中の苦味若しくは渋味成分が結合する。
かかる結合は、疎水結合、水素結合、イオン結合などによる分子間の相互作用によるものであるが、苦渋味成分がCPP又はセリシンと結合することにより、物理的に口腔内の感覚器官と接触できなくなり、結果として苦味若しくは渋味を感じなくなるのである。
このようにして得られた液体状態の茶葉加工品は飲料又は食品として用いることができる。また、液体状態の茶葉加工品からスプレードライや凍結乾燥などにより水分を除去することもできる。このようにして作成した粉末の茶葉加工品は水分含量が少なく、保存及び運搬に適している。
さらに、茶葉抽出液又は懸濁液からスプレードライや凍結乾燥などにより水分を除去した固形物に固体あるいは溶液あるいは懸濁液のカゼインホスホペプチド又はセリシンを添加した後造粒することにより茶葉加工品を製造することも可能である。
また、微粉末状態にした茶葉と、固体あるいは溶液あるいは懸濁液のCPP又はセリシンを混合し、造粒することにより茶葉加工品を製造することも可能である。
固体のCPP又はセリシンを固形の茶葉抽出物や微粉末状態の茶葉と造粒した茶葉加工品であっても、該茶葉加工品を含有する食品を食する際に、口腔内でCPP又はセリシンと食品中の苦味若しくは渋味成分が結合することにより苦味及び渋味が低減される。
(6)茶葉加工品を含有する飲料又は食品
本発明の飲料又は食品は、上記の茶葉加工品を含有することを特徴とする飲料又は食品である。ここで、前記飲料又は食品が、飲料、飲料用粉末、キャンデー、グミ、チューインガム、タブレット、打錠菓子、ビスケット、クッキー、チョコレート、ゼリー、プリン、ババロア、ケーキ類、まんじゅう、羊羹、アイスクリーム、冷菓から選ばれる1種であることが好ましい。本発明の茶葉加工品は、苦味、渋味を充分に抑制されているので、飲料又は食品自体の持つ風味を低下させることがないため従来よりも茶葉加工品の添加量を多くでき、カテキン類やテアフラビン類などの茶由来成分含有量の多い飲料又は食品を提供できる。
茶葉加工品の添加量が少ないと十分な量の茶由来成分を摂取できない。一方、茶葉加工品の添加量が多くなると飲料や食品の風味に影響するとともに高コストとなってしまう。
そのため、茶葉加工品の飲料又は食品への添加量は、目的とする食品にもよるが、茶葉加工品を固形分換算で、食品100質量部に対して0.1〜30質量部を添加するのが好ましい。
本発明の茶葉加工品を食品に使用する場合の使用時期は、飲料又は食品の製造工程前に使用したり、製造中に使用したり、あるいは製造後の製品に使用したりするなどいずれでもよく、特に限定されるものではない。
本発明を以下の実施例を用いてさらに詳細に説明するが、以下の実施例は例示の目的にのみ用いられ、本発明はこれによって限定されるものではない。
〔測定例1〕茶葉抽出液の固形量
予め磁器蒸発皿に海砂(20〜35メッシュ:和光純薬工業株式会社製)をおよそ30g加え、攪拌棒とともに、105℃に設定した乾燥機で1時間以上乾燥し、デシケーター中で放冷後、その重量(A)を精密に量る。
ここに茶葉抽出液をおよそ6g加え、その重量(B)を精密に量り、攪拌棒で均一に広げる。次にこれを105℃に設定した乾燥機で2時間乾燥し、デシケーター中で放冷後、その重量(C)を精密に量る。
茶抽出液100g中の固形量は以下の式で算出される。
固形量={(C)−(A)}/{(B)−(A)}×100%
〔測定例2〕カテキン類のHPLC分析
CPPと苦味若しくは渋味物質との結合実験を行った検体は、限外ろ過膜(ミリポア社製 アミコンウルトラ0.5 (3k)))を用いてろ過し、ろ液を以下の高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を用いてカテキン類の残存量について定量した。
なお、本実験例で用いたHPLCの条件を以下に示す:
装置:アジレント・テクノロジー株式会社製「Agilent 1100 HPLC システム」
カラム:株式会社資生堂製「CAPCELL PAK C18MG」(カラム温度:40℃)
溶離液:A. アセトニトリル
B. 10%アセトニトリル水溶液(pH2.5 H3PO4
グラジエント条件: 0分 → 10分 →25分 → 35分
A. 0% 0% 15% 100%
B. 100% 100% 85% 0%
流速: 1mL/分間
検出波長: 280nm
各成分の濃度は、純品で作成した検量線を用いて算出した。
〔試験例1〕紅茶葉抽出液の調製
市販の茶パックに小分けした紅茶葉(インド産)10gに沸騰した熱水(イオン交換水)を1000g投入し5分間抽出後、茶パックごと紅茶葉を廃棄することで紅茶葉抽出液を得た。測定例1記載の方法に従い、この紅茶葉抽出液の固形量を測定したところ、0.35重量%であった。
〔試験例2〕緑茶葉抽出液の調製
市販の茶パックに小分けした緑茶葉(静岡産)10gに沸騰した熱水(イオン交換水)を1000g投入し5分間抽出後、茶パックごと緑茶葉を廃棄することで緑茶葉抽出液を得た。測定例1記載の方法に従い、この緑茶葉抽出液の固形量を測定したところ、0.28重量%であった。
〔試験例3〕高濃度緑茶葉抽出液の調製
市販の茶パックに小分けした緑茶葉(静岡産)30gに沸騰した熱水(イオン交換水)を1000g投入し5分間抽出後、茶パックごと緑茶葉を廃棄することで高濃度緑茶葉抽出液を得た。測定例1記載の方法に従い、この高濃度緑茶葉抽出液の固形量を測定したところ、0.73重量%であった。
〔実施例1〕紅茶の苦渋味に対するCPP及びセリシンの苦渋味抑制効果
以下の試験においてCPPは株式会社明治フードマテリア製「CPP−III」を、セリシンはカシロ産業株式会社製「HiセリシンP−103」を使用した。
試験例1で調製した紅茶葉の抽出液を室温になるまで放置したのち、所定濃度となるようCPP又はセリシンを加え1分間攪拌し、紅茶葉加工品を得た。
これら紅茶葉加工品について、8名のパネラーにより官能評価を行い、苦渋味を比較した。苦渋味は、無添加の紅茶葉抽出液を5点として、1(非常に弱い)〜7(非常に強い)の7段階で評価した。
評価点の平均値を表1に示す。
また、異味の有無についても評価した。異味についてはなし(○)、わずかにあり(△)、あり(×)で評価した。各評価を行った評価者数を表1に示す。さらに、紅茶葉加工品に発生する濁りの有無についても表1に示す。
〔比較例1〕紅茶の苦渋味に対するエンドウタンパク、大豆タンパク、カゼインナトリウムの苦渋味抑制効果
実施例1のCPP又はセリシンの代わりに、所定濃度のエンドウタンパク(オルガノフードテック株式会社製「PP−CS」)又は大豆タンパク(不二製油株式会社製「プロリーナ900」)又はカゼインナトリウム(DMVインターナショナル社製「EM7」)を加えて紅茶葉加工品を得た。
これら紅茶葉加工品について、8名のパネラーにより、官能評価を行い、苦渋味を比較した。
苦渋味は、無添加の紅茶抽出液を5点として、1(非常に弱い)〜7(非常に強い)の7段階で評価した。評価点の平均値を表1に示す。
また、異味の有無についても評価した。異味についてはなし(○)、わずかにあり(△)、あり(×)で評価した。各評価を行った評価者数を表1に示す。さらに、紅茶葉加工品に発生する濁りの有無についても表1に示す。
Figure 0005812657
表1に示したように、CPPやセリシンを添加した紅茶葉加工品の苦渋味は無添加の紅茶葉抽出液より低減したのみならず、苦渋味低減効果が報告されているエンドウタンパクや大豆タンパクやカゼインナトリウムを添加したものより苦渋味が低減された。
また、紅茶葉抽出液にCPPやセリシンを添加してもざらつき感をはじめとする異味も感じられず、濁りも発生しなかった。一方、エンドウタンパクや大豆タンパクやカゼインナトリウムを紅茶抽出液に添加するとざらつき感をはじめとする異味が感じられ、濁りも発生した。
これらのことから、本発明の紅茶葉加工品を利用すれば好ましい飲食物を製造できることが明らかとなった。
〔実施例2〕緑茶の苦渋味に対するCPP及びセリシンの苦渋味抑制効果
試験例2で調製した緑茶葉抽出液を室温になるまで放置したのち、所定濃度となるよう実施例1で用いたCPP又はセリシンを加え1分間攪拌し、緑茶葉加工品を得た。
これら緑茶葉加工品について、9名のパネラーにより、官能評価を行い、苦渋味を比較した。
苦渋味は、無添加の緑茶葉抽出液を5点として、1(非常に弱い)〜7(非常に強い)の7段階で評価した。評価点の平均値を表2に示す。
また、異味の有無についても評価した。異味についてはなし(○)、わずかにあり(△)、あり(×)で評価した。各評価を行った評価者数を表2に示す。さらに、緑茶葉加工品に発生する濁りの有無についても表2に示す。
〔比較例2〕緑茶の苦渋味に対するエンドウタンパク、大豆タンパク、カゼインナトリウムの苦渋味抑制効果
実施例2のCPP又はセリシンの代わりに、所定濃度の比較例1で用いたエンドウタンパク又は大豆タンパク又はカゼインナトリウムを加えて緑茶葉加工品を得た。
これら緑茶葉加工品について、9名のパネラーにより、官能評価を行い、苦渋味を比較した。
苦渋味は、無添加の緑茶葉抽出液を5点として、1(非常に弱い)〜7(非常に強い)の7段階で評価した。評価点の平均値を表2に示す。
また、異味の有無についても評価した。異味についてはなし(○)、わずかにあり(△)、あり(×)で評価した。各評価を行った評価者数を表2に示す。さらに、緑茶葉加工品に発生する濁りの有無についても表2に示す。
Figure 0005812657
表2に示したように、CPPやセリシンを添加した緑茶葉加工品の苦渋味は無添加の緑茶葉抽出液より低減したのみならず、苦渋味低減効果が報告されているエンドウタンパクや大豆タンパクやカゼインナトリウムを添加したものより苦渋味が低減された。また、緑茶葉抽出液にCPPやセリシンを添加してもざらつき感をはじめとする異味も感じられず、濁りも発生しなかった。
一方、エンドウタンパクや大豆タンパクやカゼインナトリウムを緑茶葉抽出液に添加すると、ざらつき感をはじめとする異味が感じられ、濁りも発生した。
これらのことから、本発明の緑茶葉加工品を利用すれば好ましい飲食物を製造できることが明らかとなった。
〔実施例3〕高濃度緑茶の苦渋味に対するカゼインホスホペプチド及びセリシンの苦渋味抑制効果
試験例3で調製した高濃度緑茶葉抽出液を室温になるまで放置したのち、所定濃度となるよう実施例1で用いたCPP又はセリシンを加え1分間攪拌し、高濃度緑茶葉加工品を得た。
これら高濃度緑茶葉加工品について、8名のパネラーにより、官能評価を行い、苦渋味を比較した。
苦渋味は、無添加の高濃度緑茶葉抽出液を7点として、1(非常に弱い)〜7(非常に強い)の7段階で評価した。
評価点の平均値を表3に示す。
また、異味の有無についても評価した。異味についてはなし(○)、わずかにあり(△)、あり(×)で評価した。各評価を行った評価者数を表3に示す。 さらに、高濃度緑茶葉加工品に発生する濁りの有無についても表3に示す。
〔比較例3〕高濃度緑茶の苦渋味に対する大豆タンパク及びカゼインナトリウムの苦渋味抑制効果
実施例3のCPP又はセリシンの代わりに、所定濃度の比較例1で用いた大豆タンパク又はカゼインナトリウムを加えて、高濃度緑茶葉加工品を得た。
これら高濃度緑茶葉加工品について、8名のパネラーにより、官能評価を行い、苦渋味を比較した。
苦渋味は、無添加の高濃度緑茶葉抽出液を7点として、1(非常に弱い)〜7(非常に強い)の7段階で評価した。
評価点の平均値を表3に示す。
また、異味の有無についても評価した。異味についてはなし(○)、わずかにあり(△)、あり(×)で評価した。各評価を行った評価者数を表3に示す。 さらに、高濃度緑茶葉加工品に発生する濁りの有無についても表3に示す。
Figure 0005812657
表3に示したように、CPPやセリシンを添加した高濃度緑茶葉加工品の苦渋味は、無添加の高濃度緑茶葉抽出液より低減したのみならず、苦渋味低減効果が報告されている大豆タンパクやカゼインナトリウムを添加したものより苦渋味が低減された。
また、高濃度緑茶葉抽出液にCPPやセリシンを添加しても、ざらつき感をはじめとする異味も感じられず、濁りも発生しなかった。
一方、大豆タンパクやカゼインナトリウムを高濃度緑茶葉加工品に添加するとざらつき感をはじめとする異味が感じられ、濁りも発生した。
これらのことから、本発明の高濃度緑茶葉加工品を利用すれば、好ましい飲食物を製造できることが明らかとなった。
〔実施例4〕CPPと高濃度緑茶中のカテキン類との結合実験
実施例3で調製した、CPPを1.00重量%含む高濃度緑茶葉加工品300μLを限外ろ過膜(ミリポア社製 アミコンウルトラ0.5(3k))を用いてろ過し、ろ液を得た。
比較として、試験例3で作成した高濃度緑茶抽出液300μLを限外ろ過膜(ミリポア社製 アミコンウルトラ0.5(3k))を用いてろ過し、ろ液を得た。
このようにして得られたろ液を上述の測定例2で示した条件のもと、HPLCにより分析した結果を表4に示す。
表中でガレート型カテキン類とは、エピガロカテキン−3−O−ガレート、エピカテキン−3−O−ガレート、ガロカテキン−3−O−ガレート、カテキン−3−O−ガレートを示す。また、非ガレート型カテキン類とはエピガロカテキン、エピカテキン、ガロカテキン、カテキンを示す。
「ガレート型カテキン類残存率」とは、CPPを添加した高濃度緑茶中のガレート型カテキン類の残存率を示し、下記計算式(I)を用いて算出した。
残存率(%)=a/b×100(%) (I)
〔式中a:CPPを添加した高濃度緑茶のろ液中のガレート型カテキン類濃度、b:CPPを添加しない高濃度緑茶のろ液中のガレート型カテキン類濃度〕
また、「非ガレート型カテキン類残存率」とは、CPPを添加した高濃度緑茶中の非ガレート型カテキン類の残存率を示し、下記計算式(II)を用いて算出した。
残存率(%)=c/d×100(%) (II)
〔式中c:CPPを添加した高濃度緑茶のろ液中の非ガレート型カテキン類濃度、d:CPPを添加しない高濃度緑茶のろ液中の非ガレート型カテキン類濃度〕
Figure 0005812657
表4に示したように、CPPはガレート型カテキン類と選択的に結合することが明らかとなった。このことから、CPPは高濃度緑茶に含まれる遊離のガレート型カテキン類の濃度を低下させ、高濃度緑茶の苦渋味を抑制することが考えられる。
〔実施例5〕粉末状緑茶葉加工品の製造
試験例2で調製した緑茶葉抽出液1000重量部に実施例1で用いたCPPを5重量部加えた後、凍結乾燥し、粉末状の緑茶葉加工品を得た。
〔実施例6〕タブレットの製造
実施例5で得られた粉末状緑茶葉加工品を用いて、常法に従って下記の表5の組成を有するタブレットを製造した。この結果、このタブレットにおいては効果的に苦味及び渋味が抑制されていることが確認された。
Figure 0005812657
〔実施例7〕キャンデーの製造
実施例5で得られた粉末状緑茶葉加工品を用いて、常法に従って下記の表6の組成を有するキャンデーを製造した。この結果、このキャンデーにおいては効果的に苦味及び渋味が抑制されていることが確認された。
Figure 0005812657
〔実施例8〕ココアの苦渋味に対するCPP及びセリシンの苦渋味抑制効果
市販のココアパウダー(ココアパウダー含量22〜24%)2gを熱水100mLに溶解させ、常温になるまで放置した。こうして調製したココア飲料に、所定濃度となるよう実施例1で用いたCPP又はセリシンを加え1分間攪拌した。
これらココア飲料について、8名のパネラーにより官能評価を行い苦渋味を比較した。
苦渋味は、無添加のココア飲料を5点として、1(非常に弱い)〜7(非常に強い)の7段階で評価した。評価点の平均値を表7に示す。
また、異味の有無についても評価した。異味についてはなし(○)、わずかにあり(△)、あり(×)で評価した。各評価を行った評価者数を表7に示す。
〔比較例4〕ココアの苦渋味に対する大豆タンパク及びカゼインナトリウムの苦渋味抑制効果
実施例8のカゼインホスホペプチド又はセリシンの代わりに、所定濃度の比較例1で用いた大豆タンパク又はカゼインナトリウムを加えて、ココア飲料を得た。
これらココア飲料について、8名のパネラーにより官能評価を行い苦渋味を比較した。
苦渋味は、無添加のココア飲料を5点として、1(非常に弱い)〜7(非常に強い)の7段階で評価した。評価点の平均値を表7に示す。
また、異味の有無についても評価した。異味についてはなし(○)、わずかにあり(△)、あり(×)で評価した。各評価を行った評価者数を表7に示す。
Figure 0005812657
表7に示したように、CPPやセリシンを添加したココア飲料の苦渋味は、無添加のココア飲料より低減したのみならず、苦渋味低減効果が報告されている大豆タンパクやカゼインナトリウムを添加したものより苦渋味が低減された。 また、ココア飲料にCPPやセリシンを添加しても、ざらつき感をはじめとする異味も感じられず、濁りも発生しなかった。
一方、大豆タンパクやカゼインナトリウムをココア飲料に添加すると、ざらつき感をはじめとする異味が感じられ、濁りも発生した。
これらのことから、本発明のCPP又はセリシンを有効成分とする苦渋味抑制剤を利用すれば、好ましい飲食物を製造できることが明らかとなった。
〔試験例4〕グアバ葉抽出液の調製
市販の茶パックに小分けした乾燥グアバ葉10gに沸騰した熱水(イオン交換水)を1000g投入し5分間抽出後、茶パックごとグアバ葉を廃棄することで得たグアバ葉抽出液をグアバ茶とした。
〔実施例9〕グアバ茶の苦渋味に対するCPP及びセリシンの苦渋味抑制効果
試験例4で調製したグアバ葉抽出液を室温になるまで放置したのち、所定濃度となるよう実施例1で用いたCPP又はセリシンを加え1分間攪拌した。
これらグアバ葉抽出液について、10名のパネラーにより、官能評価を行い、苦渋味を比較した。
苦渋味は、無添加のグアバ葉抽出液を7点として、1(非常に弱い)〜7(非常に強い)の7段階で評価した。評価点の平均値を表8に示す。
また、異味の有無についても評価した。異味についてはなし(○)、わずかにあり(△)、あり(×)で評価した。各評価を行った評価者数を表8に示す。
さらに、グアバ葉抽出液に発生する濁りの有無についても表8に示す。
〔比較例5〕グアバ茶の苦渋味に対する大豆タンパク及びカゼインナトリウムの苦渋味抑制効果
実施例9のカゼインホスホペプチド又はセリシンの代わりに、所定濃度の比較例1で用いた大豆タンパク又はカゼインナトリウムを加えてグアバ葉抽出液を得た。
これらグアバ葉抽出液について、10名のパネラーにより、官能評価を行い苦渋味を比較した。
苦渋味は、無添加のグアバ葉抽出液を7点として、1(非常に弱い)〜7(非常に強い)の7段階で評価した。
評価点の平均値を表8に示す。
また、異味の有無についても評価した。異味についてはなし(○)、わずかにあり(△)、あり(×)で評価した。各評価を行った評価者数を表8に示す。 さらに、グアバ葉抽出液に発生する濁りの有無についても表8に示す。
Figure 0005812657
表8に示したように、CPPやセリシンを添加したグアバ葉抽出液の苦渋味は、無添加のグアバ葉抽出液より低減したのみならず、苦渋味低減効果が報告されている大豆タンパクやカゼインナトリウムを添加したものより苦渋味が低減された。
また、グアバ葉抽出液にCPPやセリシンを添加しても、ざらつき感をはじめとする異味も感じられず、濁りも発生しなかった。
一方、大豆タンパクやカゼインナトリウムをグアバ葉抽出液に添加するとざらつき感をはじめとする異味が感じられ、濁りも発生した。
これらのことから、本発明のCPP又はセリシンを有効成分とする苦渋味抑制剤を利用すれば、好ましい飲食物を製造できることが明らかとなった。
本発明により、苦味や渋味の影響がなく好ましい形態の飲料や食品を提供することができる。特に、十分な量のカテキン類やテアフラビン類を含む各種の茶葉加工品を苦味や渋味の影響なく好ましい形態の飲料や食品として提供することができる。

Claims (9)

  1. 飲料又は食品の苦味若しくは渋味の抑制剤であって、カゼインホスホペプチド又はセリシンを有効成分とすることを特徴とする苦渋味抑制剤。
  2. 飲料又は食品が、ポリフェノール又はアルカロイドを含有する飲料又は食品であることを特徴とする、請求項1記載の苦渋味抑制剤。
  3. 飲料又は食品が、タンニン、カテキン類、テアフラビン類、テアルビジン類又はクロロゲン酸を含有する飲料又は食品であることを特徴とする、請求項1記載の苦渋味抑制剤。
  4. 飲料又は食品が、紅茶、緑茶、烏龍茶、各種健康茶、コーヒー、ココア及びその抽出物を含む飲料又は食品であることを特徴とする、請求項1記載の苦渋味抑制剤。
  5. カゼインホスホペプチドの添加により苦味若しくは渋味が抑制されたことを特徴とするカテキン類含有飲料又は食品。
  6. カゼインホスホペプチドの添加量が、飲料又は食品1000質量部に対して0.001〜50質量部であることを特徴とする請求項5記載のカテキン類含有飲料又は食品。
  7. カゼインホスホペプチドの添加により苦味若しくは渋味が抑制されたことを特徴とする茶葉加工品であって、茶葉加工品が茶葉の抽出液、懸濁液、造粒物、粉砕物、及び前記抽出液若しくは懸濁液の乾燥粉末から選ばれる一種である、前記茶葉加工品。
  8. カゼインホスホペプチドの添加量が、茶葉に由来する固形分1質量部に対して0.01〜100質量部である請求項7記載の茶葉加工品。
  9. 請求項7又は8に記載の茶葉加工品を含有することを特徴とする飲料又は食品。
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