以下、本発明に係る実施形態を図面に基づいて説明する。図1は、本発明の印刷システムの一実施形態に係る印刷システムSYSのシステム構成図である。
図1に示すように、印刷システムSYSは、複合機1(画像形成装置)と、電話回線網95を介して複合機1に接続されたファクシミリ装置EFと、LAN(Local Area Network)やインターネット等のネットワーク97を介して複合機1に接続されたパーソナルコンピューター等のコンピューターEC(指示装置)と、が互いに通信可能に構成されている。
図2は、本発明の画像形成装置の一実施形態に係る複合機1の概略構造図である。図3は、複合機1の電気的構成を示すブロック図である。複合機1は、例えば図2に示すように、操作部3と、原稿読取部5と、原稿給送部6と、本体部100と、を備えている。
操作部3は、情報を表示するための表示部31と、ユーザーによって各種指示の操作を行わせるための操作キー部32と、を備えている。表示部31は、例えばタッチパネル機能を有する液晶ディスプレイ等によって構成されている。操作キー部32は、スタートキー33や節電キー34等を備えている。スタートキー33は、コピー機能やスキャナー機能等の複合機1の有する各機能の動作を開始させる指示を入力するために設けられている。節電キー34は、後述するモード制御部12(図3)の動作を省電力モードに切り替える指示を入力するために設けられている。
原稿読取部5は、露光ランプ及びCCD(Charge Coupled Device)等からなるスキャナー部51と、ガラス等の透明部材により構成された原稿台52及び原稿読取スリット53と、を備えている。
スキャナー部51は、図略の駆動部によって移動可能に構成され、原稿台52に載置された原稿を読み取るときは、原稿台52に対向する位置で原稿面に沿って移動され、原稿を走査しつつ取得した画像を表す画像データを後述する制御部10(図3)へ出力する。また、原稿給送部6により給送された原稿を読み取るときは、原稿読取スリット53と対向する位置に移動され、原稿読取スリット53を介して原稿給送部6による原稿の搬送動作と同期して原稿の画像を取得し、その画像データを後述する制御部10(図3)へ出力する。
原稿給送部6は、原稿を載置するための原稿載置部61と、画像読み取り済みの原稿を排出するための原稿排出部62と、原稿載置部61に載置された原稿を1枚ずつ繰り出して原稿読取スリット53に対向する位置へ搬送し、原稿排出部62へ排出する原稿搬送機構63と、を備えている。
本体部100は、手差トレイ460と、複数の給紙カセット461と、複数の給紙ローラー462と、画像形成部4と、を備えている。
給紙ローラー462は、用紙が載置された手差トレイ460や用紙が収納された給紙カセット461から用紙を引き出して、画像形成部4に向けて用紙を搬送する。
画像形成部4は、用紙搬送部41と、光走査装置42と、感光体ドラム43と、現像部44と、転写部45と、定着部47と、温度センサー49(温度検出部)と、排出部8と、を備えている。
用紙搬送部41は、画像形成部4内の用紙搬送路中に設けられ、複数の搬送ローラー413を備えている。各搬送ローラー413は、各給紙ローラー462によって搬送されてきた用紙を感光体ドラム43に供給する。
光走査装置42は、後述する制御部10による制御のもと、制御部10に入力された画像データに基づいてレーザー光を出力し、このレーザー光によって感光体ドラム43を走査することで、感光体ドラム43上に静電潜像を形成する。
現像部44は、感光体ドラム43上の静電潜像にトナーを付着させてトナー像を形成する。転写部45は、感光体ドラム43上のトナー像を用紙に転写する。
定着部47は、トナー像が転写された用紙を加熱してトナー像を用紙に定着させる。定着部47は、用紙に形成されたトナー像を溶融するための熱ローラー472(加熱部)と、この熱ローラー472との間で用紙を圧接しつつ搬送する圧ローラー471と、熱ローラー472を加熱するヒーター473と、を備えている。ヒーター473は、熱ローラー472の内部に配設されている。ヒーター473は、熱ローラー472を加熱することによって、熱ローラー472と圧ローラー471とでニップされた用紙を加熱する。
温度センサー49は、熱ローラー472の温度を検出し、検出した温度を示す検出信号を制御部10に出力する。
排出部8は、排出ローラー81,82と、スタックトレイ85と、排出トレイ86と、を備えている。排出ローラー81は、画像が形成された用紙をスタックトレイ85に排出する。排出ローラー82は、画像が形成された用紙を排出トレイ86に排出する。
複合機1は、例えば図3に示すように、本体部100の内部に更に、電源部2と、スイッチ24、25、26と、通信部9と、制御部10と、を備えている。
電源部2は、商用電源等の交流電源から供給される交流電圧を、図略のAC/DCコンバーターによって所定の電圧値の直流電圧に変換することによって、複合機1の動作に用いられる電源電圧を生成する。
スイッチ24、25、26は、それぞれ、制御部10による制御の下、オンオフ(開閉)されるスイッチである。スイッチ24がオン(閉状態)にされると、電源部2から画像形成部4へ電源電圧が供給され、スイッチ24がオフ(開状態)にされると、電源部2から画像形成部4への電源電圧の供給が遮断される。スイッチ25がオンにされると、電源部2から原稿読取部5へ電源電圧が供給され、スイッチ25がオフにされると、電源部2から原稿読取部5への電源電圧の供給が遮断される。スイッチ26がオンにされると、電源部2から原稿給送部6へ電源電圧が供給され、スイッチ26がオフにされると、電源部2から原稿給送部6への電源電圧の供給が遮断される。尚、操作部3、制御部10、温度センサー49、通信部9へは、電源部2からスイッチを介さずに電源電圧が供給される。
通信部9は、ファクシミリ通信部91及びネットワークI/F部93を備えている。ファクシミリ通信部91は、電話回線網95に接続されている。ファクシミリ通信部91は、相手先のファクシミリ装置EF(図1)との電話回線の接続を制御するNCU(Network Control Unit)及びファクシミリ通信用の信号を変復調する変復調回路を備えている。
ネットワークI/F部93は、ネットワーク97に接続されている。ネットワークI/F部93は、ネットワーク97に接続されたコンピューターEC(図1)との間で通信を実行するための通信インターフェイス回路である。
制御部10は、複合機1全体の動作を司る。制御部10は、例えば、所定の演算処理を実行するCPU(Central Processing Unit)と、所定の制御プログラムが記憶されたEEPROM(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)等の不揮発性メモリーと、データを一時的に記憶するRAM(Random Access Memory)と、これらの周辺回路等とを備えて構成されている。
制御部10は、不揮発性メモリーの記憶領域の一部を認証情報記憶部20として用いる。また、制御部10は、不揮発性メモリーに記憶された制御プログラムを実行することによって、指示受信部11、モード制御部12、認証部13、連絡送信部14、応答受信部15、案内送信部16、時間受付部17、時間設定部18(第1時間設定部、第2時間設定部)、及び操作指示受付部19を構成する。
認証情報記憶部20には、複合機1を使用することを予め許可された認証ユーザーを識別するための識別情報と、パスワードと、の組み合わせを示す情報が記憶されている。
指示受信部11は、後述するように、通信部9を用いて、ネットワーク97に接続されたコンピューターECから送信されてきた印刷処理の実行指示(印刷指示)を受信する。印刷処理は、画像形成部4によって行われる処理であり、画像を用紙に形成し、当該画像が形成された用紙を排出する処理を示す。
モード制御部12は、印刷処理が実行可能な電力が供給される通常モードと、通常モードよりも消費電力が少ない省電力モードと、通常モードを実行するための準備モードと、を択一的に実行する。
具体的には、モード制御部12は、例えば、複合機1の初期動作時や操作部3を用いた操作が行われたとき等に、準備モードを実行する。モード制御部12は、準備モードの実行を開始すると、スイッチ24、25、26をオンにして、電源部2から画像形成部4、原稿読取部5、原稿給送部6へ電源電圧を供給させる。そして、モード制御部12は、印刷処理を行うための準備処理を画像形成部4に行わせる。準備処理には、印刷処理において定着部47によってトナー像を用紙に定着させるための準備として、熱ローラー472の温度が予め定められた加熱温度になるように、ヒーター473によって熱ローラー472を加熱する処理が含まれる。
モード制御部12は、準備モードを実行している場合に、温度センサー49によって検出された熱ローラー472の温度が予め定められた加熱温度になると、準備モードに替えて通常モードを実行する。モード制御部12は、通常モードの実行を開始すると、操作部3を用いてユーザーによって入力された各種操作指示に基づいて、原稿給送部6による原稿の搬送処理や、原稿読取部5による原稿の読取処理や、画像形成部4による印刷処理を実行させる。
尚、これに限らず、モード制御部12は、準備モードを実行している場合に、操作部3を用いてユーザーによって入力された各種操作指示に基づいて、原稿給送部6による原稿の搬送処理や、原稿読取部5による原稿の読取処理を実行させるように構成してもよい。
モード制御部12は、通常モードを実行している場合において、予め定められた期間内にユーザーによって操作部3の操作が何ら行われないときや、ユーザーによって節電キー34の操作が行われたとき等に、通常モードに替えて省電力モードを実行する。モード制御部12は、省電力モードの実行を開始すると、スイッチ24、25、26をそれぞれオフにする。これによって、モード制御部12は、電源部2から画像形成部4、原稿読取部5、及び原稿給送部6への電源電圧の供給を遮断し、通常モードよりも複合機1の消費電力を少なくする。
認証部13は、ユーザーによって操作部3を用いて入力された、例えばユーザーを識別するための識別情報やパスワード等の認証情報を受け付け、受け付けた認証情報に基づいて、ユーザーが複合機1を使用することを予め許可された認証ユーザーであるか否かを判定する認定処理を行う。
具体的には、認証部13は、認定処理を開始すると、例えば、識別情報及びパスワードの入力部を含む操作画面を表示部31に表示する。そして、ユーザーによって操作部3を用いて操作画面の入力部に識別情報とパスワードとが入力されると、認証部13は、当該入力された識別情報及びパスワードを認証情報として受け付け、受け付けた認証情報に含まれる識別情報とパスワードとの組み合わせを示す情報が、認証情報記憶部20に記憶されているか否かを判定する。そして、認証部13は、受け付けた認証情報に含まれる識別情報とパスワードとの組み合わせを示す情報が、認証情報記憶部20に記憶されている場合には、ユーザーが認証ユーザーであると判定する。
連絡送信部14、応答受信部15、案内送信部16、時間受付部17、時間設定部18、及び操作指示受付部19の詳細については後述する。
図4は、本発明の指示装置の一実施形態に係るコンピューターECの電気的構成を示すブロック図である。コンピューターECは、例えば図4に示すように、操作部76と、記憶部77と、通信部78と、制御部70と、を備えている。
操作部76は、情報を表示するための表示部761と、ユーザーによって各種指示の操作を行わせるためのキーボード762やマウス763等を備えている。表示部761は、例えば液晶ディスプレイ等によって構成されている。
記憶部77は、情報を記憶する記憶媒体であり、例えば、HDD(Hard Disk Drive)やUSBメモリー等によって構成されている。記憶部77には、画像データや文書データ等の各種データが記憶されている。
通信部78は、ネットワーク97に接続されている。通信部78は、ネットワーク97に接続された複合機1(図1)との間で通信を実行するためのインターフェイス回路である。
制御部70は、コンピューターEC全体の動作を司る。制御部70は、例えば、所定の演算処理を実行するCPU(Central Processing Unit)と、所定の制御プログラムが記憶されたEEPROM(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)等の不揮発性メモリーと、データを一時的に記憶するRAM(Random Access Memory)と、これらの周辺回路等とを備えて構成されている。
制御部70は、不揮発性メモリーに記憶された制御プログラムを実行することによって、指示送信部71、報知部72、応答部73、案内報知部74、及び時間送信部75を構成する。
指示送信部71は、ユーザーによって操作部76を用いて入力された、ネットワーク97に接続された複合機1に対する印刷処理の実行指示を受け付ける。以下、印刷処理の実行指示を印刷指示と示す。
印刷指示には、印刷処理によって用紙に形成させる対象の画像を表す画像データや、印刷条件を示す情報が含まれている。画像データは、ユーザーによる操作部76の操作によって、記憶部77に記憶されている画像データや文書データ等の各種データを、画像を表す所定の形式のデータに変換したものである。印刷条件を示す情報とは、印刷処理において用紙に画像を形成するときの各種条件を示す情報であり、ユーザーによる操作部76の操作によって入力される。印刷条件を示す情報には、例えば、印刷処理によって用紙に画像が形成されるときの画像の濃度を表す情報や、用紙に形成される画像を拡大又は縮小させることを表す情報等が含まれる。
指示送信部71は、ユーザーによって入力された印刷指示を受け付けると、受け付けた印刷指示を、通信部78を用いて複合機1へ送信する。
報知部72、応答部73、案内報知部74、及び時間送信部75の詳細については後述する。
以下では、コンピューターECにおいて複合機1に対する印刷指示の入力が受け付けられたときの動作、及び、複合機1において当該印刷指示を受信したときの動作について図5乃至図11を用いて説明する。図5及び図6は、コンピューターECにおいて複合機1に対する印刷指示の入力を受け付けたときの動作を示すフローチャートである。図7及び図8は、複合機1において印刷指示を受信したときの動作を示すフローチャートである。
図5に示すように、コンピューターECにおいて、指示送信部71は、ユーザーによって操作部76を用いて入力された複合機1に対する印刷指示を受け付けると(S1;YES)、受け付けた印刷指示を通信部78を用いて複合機1へ送信する(S2)。
一方、図7に示すように、複合機1において、指示受信部11によってコンピューターECから送信されてきた印刷指示が受信されたとき(S21;YES)、モード制御部12によって省電力モードが実行されていた場合は(S22;YES)、連絡送信部14は、省電力モードの実行中であることを示す連絡情報を通信部9を用いてコンピューターECへ送信する(S23)。当該送信された連絡情報は、コンピューターECにおいて、報知部72によって通信部78を用いて受信される。
図5に示すように、コンピューターECにおいて、報知部72は、通信部78を用いて複合機1から送信されてきた連絡情報を受信すると(S3;YES)、受信した連絡情報を表示部761に表示する(S4)。
図9は、コンピューターECにおいて報知部72によって連絡情報が報知される態様の一例を示す説明図である。具体的には、連絡送信部14は、ステップS23(図7)において、「現在複合機は省電力モードです。複合機で認証を行ってから印刷処理を開始するまでに暫く時間を要します。」を示すメッセージM1を連絡情報としてコンピューターECへ送信する。報知部72は、複合機1から送信されてきたメッセージM1を受信すると(S3;YES、図5)、ステップS4(図5)において、例えば図9に示すように、当該受信したメッセージM1と閉じるボタンSK1とを含む連絡情報報知画面W1を表示部761に表示する。このように、報知部72は、連絡情報を表示部761に表示することによって、連絡情報をユーザーに報知する。
図5に戻り、マウス763等の操作によって、連絡情報報知画面W1内の閉じるボタンSK1がユーザーによって押下された場合(S5;YES)、応答部73は、ユーザーによって連絡情報を認識したことを示す入力操作が行われたと判断し、当該押下操作を受け付ける。応答部73は、当該押下操作を受け付けると、連絡情報を含む連絡情報報知画面W1の表示を終了し、ユーザーが連絡情報を認識したことを示す応答情報を、通信部78を用いて複合機1へ送信する(S6)。当該送信された応答情報は、複合機1において、応答受信部15によって通信部9を用いて受信される。尚、応答情報は、例えばメッセージや数値等、任意の形式で構成されている。
一方、ステップS4において表示部761に表示された連絡情報報知画面W1(図9)の閉じるボタンSK1が、ユーザーによって押下操作されていない場合に(S5;NO)、指示送信部71は、ステップS1で受け付けた印刷指示の送信先である複合機1と同じ複合機1に対する新たな印刷指示を受け付けると(S8;YES)、ユーザーが、当該新たな印刷指示の入力操作に合わせて、連絡情報報知画面W1内に表示された連絡情報を認識したことを示す応答情報の入力操作を行ったものとみなす。
この場合、指示送信部71は、当該新たな印刷指示を複合機1に送信するとともに(S9)、報知部72に連絡情報報知画面W1の表示を終了させ、ユーザーが連絡情報報知画面W1内に表示された連絡情報を認識したことを示す応答情報を複合機1に送信する(S10)。尚、ステップS9において、指示送信部71によって新たな印刷指示が複合機1に送信されると、これに応答して複合機1から送信されてくる連絡情報を受信するために、ステップS3以降の処理が行われる。
一方、図7に示すように、複合機1では、ステップS23で連絡送信部14によって連絡情報がコンピューターECへ送信された時点から予め定められた第1制限時間T1が経過するまでの間に(S24;NO)、応答受信部15によって応答情報が受信されず(S25;NO)、ステップS23で連絡送信部14によって連絡情報がコンピューターECへ送信された時点から第1制限時間T1が経過したときは(S24;YES)、ユーザーがコンピューターECの前から立ち去り、連絡情報を認識しないまま複合機1に出向いていると考えられる。
この場合、モード制御部12は、図8に示すように、準備モードの実行を開始して、ヒーター473によって熱ローラー472を加熱する処理を行わせる(S41)。以下では、説明の便宜上、連絡送信部14によって連絡情報がコンピューターECへ送信された時点から第1制限時間T1が経過するまでの期間を第1期間と示す。
尚、第1制限時間T1は、時間受付部17及び時間設定部18を用いて予め設定されている。具体的には、時間受付部17は、第1制限時間T1となり得る第1設定時間の入力部を含む操作画面を表示部31に表示し、ユーザーによる操作部3の操作によって当該入力部に入力された第1設定時間を受け付ける。時間設定部18は、時間受付部17によって受け付けられた第1設定時間を第1制限時間T1として設定し、不揮発性メモリーに記憶する。
また、第1制限時間T1は、コンピューターECにおける時間送信部75と、複合機1における時間設定部18を用いて設定することもできる。具体的には、コンピューターECにおいて、時間送信部75は、第1制限時間T1となり得る第2設定時間の入力部を含む操作画面を表示部761に表示し、ユーザーによる操作部76の操作によって当該入力部に入力された第2設定時間を受け付ける。そして、時間送信部75は、受け付けた第2設定時間を通信部78を用いて複合機1に送信する。複合機1において、時間設定部18は、通信部78を用いてコンピューターECから送信されてきた第2設定時間を受信すると、当該受信した第2設定時間を第1制限時間T1として設定し、不揮発性メモリーに記憶する。
図8に戻り、モード制御部12によって第1期間の終了時点で準備モードの実行が開始された後(S41)、応答受信部15によって応答情報が受信されていないときに(S42;NO)、ユーザーが複合機1に到着し、認証部13は、ユーザーによって操作部3を用いて入力された認証処理の実行指示を受け付けると(S45;YES)、認証処理を開始して、ユーザーが認証ユーザーであるか否かの判定を行う(S46)。
ステップS46において、認証部13によってユーザーが認証ユーザーであると判定された場合(S46;YES)、操作指示受付部19は、認証ユーザーであるユーザーから印刷処理の開始指示を示す操作指示(予め定められた操作指示)が入力されたものとして、当該操作指示を受け付ける。この場合、モード制御部12は、温度センサー49によって検出された熱ローラー472の温度Cが予め定められた加熱温度Eになるまで待機し(S47;NO)、熱ローラー472の温度Cが加熱温度Eになると(S47;YES)、準備モードに替えて通常モードの実行を開始する(S48)。そして、モード制御部12は、ステップS21(図7)において、指示受信部11によって受信された印刷指示に基づいて、画像形成部4に印刷処理を実行させる(S49)。尚、印刷指示に基づいて印刷処理を実行するとは、印刷指示に含まれる画像データによって表される画像を、印刷指示に含まれる印刷条件に従って用紙に形成することを示す。
画像形成部4による印刷処理が終了すると、モード制御部12は、印刷処理の終了を示す情報をコンピューターECに送信する(S50)。当該送信された印刷処理の終了を示す情報は、コンピューターECにおいて、報知部72及び案内報知部74によって通信部78を用いて受信される。
一方、コンピューターECでは、図5に示すように、ステップS4において表示部761に表示された連絡情報報知画面W1(図9)の閉じるボタンSK1がユーザーによって押下操作されていず(S5;NO)、且つ、新たな印刷指示が指示送信部71によって受け付けられていないときに(S8;NO)、図6に示すように、報知部72は、印刷処理の終了を示す情報を受信すると(S16;YES)、連絡情報を含む連絡情報報知画面W1の表示を終了する(S17)。報知部72によって印刷処理の終了を示す情報が受信されない場合は(S16;NO)、図5に示すように、ステップS5以降の処理が繰り返される。
〔第1期間内に応答情報が受信された場合の動作〕
次に、複合機1において、第1期間内に応答情報が受信された場合の動作について説明する。図7に示すように、複合機1において、ステップS23において連絡情報がコンピューターECへ送信された時点から第1制限時間T1が経過するまでの間(第1期間中)に(S24;NO)、応答受信部15によって応答情報が受信されたときは(S25;YES)、ユーザーがコンピューターECの表示部761に表示された連絡情報を認識しており、つまり、未だ複合機1に出向いていないと考えられる。
この場合、モード制御部12は、省電力モードの実行を継続する。その後、ユーザーが複合機1に到着し、認証部13は、ユーザーによって操作部3を用いて入力された認証処理の実行指示を受け付けると(S26;YES)、認証処理を開始して、ユーザーが認証ユーザーであるか否かの判定を行う(S27)。
そして、認証部13によってユーザーが認証ユーザーであると判定されたとき(S27;YES)、操作指示受付部19は、認証ユーザーであるユーザーから印刷処理の開始指示を示す操作指示が入力されたものとして、当該操作指示を受け付ける。この場合、モード制御部12は、省電力モードに替えて準備モードの実行を開始し、ヒーター473によって熱ローラー472を加熱する処理を行わせる(S28)。
ステップS28の実行後は、図8に示すように、ステップS47以降の処理が行われる。つまり、熱ローラー472の温度Cが加熱温度Eになった後(S47;YES)、モード制御部12によって通常モードが実行され(S48)、画像形成部4により印刷処理が行われる(S49)。画像形成部4による印刷処理が終了すると、モード制御部12は、印刷処理の終了を示す情報をコンピューターECに送信する(S50)。
〔第1期間以降に応答情報が受信された場合の動作〕
次に、複合機1において、第1期間以降に応答情報が受信された場合の動作について説明する。図8に示すように、ステップS41において、第1期間の終了時点でモード制御部12によって準備モードの実行が開始された後に、応答受信部15によって応答情報が受信された場合(S42;YES)、モード制御部12は、温度センサー49によって検出された熱ローラー472の温度Cが予め定められた規定温度Dを超えているか否かを判定する(S43)。
図10は、熱ローラー472の温度の時系列変化の一例を示す説明図である。図10において、縦軸は、熱ローラー472の温度を示し、横軸は、第1期間の終了時点からの経過時間を示している。符号Eは、画像形成部4による印刷処理が可能なときの熱ローラー472の温度として予め定めれられた上述の加熱温度E(例えば、250℃)を示している。尚、図10に示す熱ローラー472の温度の時系列変化を示す情報は、予め試験運転等による実験値に基づいて定められ、不揮発性メモリーに記憶されている。
図10に示すように、第1期間の終了時点から準備モードの実行を開始して、ヒーター473によって熱ローラー472を加熱することによって、熱ローラー472の温度は、温度D(例えば125℃)に到達するまでの間、緩やかに上昇するが、温度Dを超えたときから急上昇する。つまり、熱ローラー472の温度が温度Dを超えていないときは、熱ローラー472の温度が加熱温度Eに到達するまで、ヒーター473によって熱ローラー472を加熱する処理を長時間継続する必要があると考えられる。一方、熱ローラー472の温度が温度Dを超えているときは、熱ローラー472の温度が加熱温度Eに到達するまで、ヒーター473によって熱ローラー472を加熱する処理を短時間継続すればよいと考えられる。この温度Dが、規定温度Dとして予め定められている。
つまり、モード制御部12は、ステップS43(図8)において、温度センサー49によって検出された熱ローラー472の温度Cが規定温度Dを超えているか否かを判定することによって、熱ローラー472を加熱する処理を短時間継続すればよいか、長時間継続しなければならないかを判定する。
〔熱ローラー472の温度Cが規定温度Dを超えていた場合の動作〕
図8に戻り、モード制御部12は、ステップS43において、温度センサー49によって検出された熱ローラー472の温度Cが規定温度Dを超えていた場合(S43;YES)、熱ローラー472を加熱する処理を短時間継続すればよいと判定し、ステップS41において第1期間の終了時点から開始した準備モードを継続し、熱ローラー472を加熱する処理を継続する。
この場合、案内送信部16は、複合機1に出向いて認証部13による認証処理を実行するようユーザーに案内することを示す案内情報を、通信部9を用いてコンピューターECへ送信する(S44)。当該送信された案内情報は、コンピューターECにおいて、案内報知部74によって通信部9を用いて受信される。
コンピューターECでは、ステップS6(図5)又はステップS10(図5)において応答情報が複合機1に送信された後、図6に示すように、案内報知部74は、案内情報を受信すると(S11;YES)、受信した案内情報を表示部761に表示する(S12)。
図11は、コンピューターECにおいて案内報知部74によって案内情報が報知される態様の一例を示す説明図である。具体的には、案内送信部16は、ステップS44(図8)において、「印刷処理を行う準備ができました。複合機で認証を行ってください。」を示すメッセージM2を案内情報としてコンピューターECへ送信する。案内報知部74は、ステップS11(図6)において、複合機1から送信されてきたメッセージM2を受信すると、例えば図11に示すように、当該受信したメッセージM2と閉じるボタンSK2とを含む案内情報報知画面W2を表示部761に表示する。このように、案内報知部74は、案内情報を表示部761に表示することによって、案内情報をユーザーに報知する。
図6に戻り、マウス763等の操作によって案内情報報知画面W2内の閉じるボタンSK2がユーザーによって押下された場合(S13;YES)、案内報知部74は、案内情報を含む案内情報報知画面W2の表示を終了する(S15)。
また、案内報知部74は、案内情報報知画面W2内の閉じるボタンSK2がユーザーによって押下操作されていないときに(S13;NO)、印刷処理の終了を示す情報を受信すると(S14;YES)、ユーザーが閉じるボタンSK2を押下しないまま、複合機1に出向いて印刷処理を終了させたと考えられるので、この場合も、案内情報を含む案内情報報知画面W2の表示を終了する(S15)。
〔熱ローラー472の温度Cが規定温度Dを超えていなかった場合の動作〕
一方、モード制御部12は、ステップS43(図8)において、温度センサー49によって検出された熱ローラー472の温度Cが規定温度Dを超えていなかった場合(S43;NO)、画像形成部4によって印刷処理を実行するためには、熱ローラー472を加熱する処理を長時間継続しなければならないと判定し、ステップS41において第1期間の終了時点から開始した準備モードに替えて省電力モードの実行を開始する(S51)。これによって、画像形成部4への電力の供給が遮断される。
ステップS51の実行後は、図7に示すように、ステップS26以降の処理が行われる。つまり、ユーザーが複合機1に到達して、認証部13によって認証処理の実行指示が受け付けられ(S26;YES)、認証部13によってユーザーが認証ユーザーであると判定されると(S27;YES)、操作指示受付部19によって印刷処理の開始指示を示す操作指示が受け付けられ、モード制御部12は、省電力モードに替えて準備モードの実行を開始し、ヒーター473によって熱ローラー472を加熱する処理を行わせる(S28)。
その後、図8に示すように、ステップS47以降の処理が行われる。つまり、熱ローラー472の温度Cが加熱温度Eになった後(S47;YES)、モード制御部12によって通常モードが実行され(S48)、画像形成部4により印刷処理が行われる(S49)。画像形成部4による印刷処理が終了すると、モード制御部12によって、印刷処理の終了を示す情報がコンピューターECに送信される(S50)。
〔印刷指示が受信されたときに省電力モードが実行されていなかった場合の動作〕
尚、図7に示すように、複合機1において、指示受信部11によってコンピューターECから送信されてきた印刷指示が受信されたときに(S21;YES)、モード制御部12によって省電力モードが実行されていなかった場合は(S22;NO)、連絡送信部14によって連絡情報が送信されず、ステップS26以降の処理が行われる。
つまり、ユーザーが複合機1に到達して、認証部13によって認証処理の実行指示が受け付けられ(S26;YES)、認証部13によってユーザーが認証ユーザーであると判定されると(S27;YES)、操作指示受付部19によって印刷処理の開始指示を示す操作指示が受け付けられ、モード制御部12は、省電力モードに替えて準備モードの実行を開始し、ヒーター473によって熱ローラー472を加熱する処理を行わせる(S28)。
その後、図8に示すように、ステップS47以降の処理が行われる。つまり、熱ローラー472の温度Cが加熱温度Eになった後(S47;YES)、モード制御部12によって通常モードが実行され(S48)、画像形成部4により印刷処理が行われる(S49)。画像形成部4による印刷処理が終了すると、モード制御部12によって、印刷処理の終了を示す情報がコンピューターECに送信される(S50)。
この場合、図5に示すように、コンピューターECにおいて、ステップS2の実行後、報知部72は、通信部78を用いて連絡情報を受信することを待機しているが(S3;NO)、印刷処理の終了を示す情報を受信したときに(S7;YES)、その待機することを終了する。
このように、第1期間内に応答情報が受信されていなかった場合、ユーザーは、報知部72によって報知された連絡情報を認識しないまま、複合機1に出向いていると考えられる。つまり、この場合、ユーザーは、印刷指示の入力後、迅速に印刷処理を実行させることを意図していると考えられる。
上記実施形態の構成によれば、第1期間内に応答情報が受信されていなかった場合、準備モードが実行され、ヒーター473によって熱ローラー472を加熱する処理が行われる。つまり、迅速に印刷処理を実行させることを意図したユーザーが複合機1に到着したときには、既に熱ローラー472を加熱する処理が行われていることとなり、ユーザーが複合機1に到着してから熱ローラー472を加熱する処理を開始する場合に比して、ユーザーが複合機1に到着してから熱ローラー472を加熱する処理が終了するまでにかかる時間が軽減される。これによって、迅速に印刷処理を実行させることを意図したユーザーが複合機1に到着したときには、迅速に画像形成部4に印刷処理を実行させることができるようになる。
一方、第1期間内に応答情報が受信された場合、つまり、第1期間内にユーザーがコンピューターECにおいて報知部72によって報知された連絡情報を認識して応答情報を入力した場合、ユーザーは、迅速に印刷処理を実行させることを意図しておらず、暫くの間、複合機1には出向かないものと考えられる。
上記実施形態の構成によれば、第1期間内に応答情報が受信された場合、ユーザーが複合機1に到達し、認証部13によってユーザーが認証ユーザーであると判定されたことにより、操作指示受付部19によって印刷処理の開始指示を示す操作指示が受け付けられたときに、省電力モードに替えて準備モードの実行が開始され、ヒーター473によって熱ローラー472を加熱する処理が行われる。その後、通常モードが開始され、印刷処理が行われる。
このため、第1期間内に応答情報が受信され、ユーザーが迅速に印刷処理を実行させることを意図しておらず、操作指示受付部19によって印刷処理の開始指示を示す操作指示が受け付けられるまでに時間がかかるような場合に、第1期間の終了時から準備モードの実行を開始して熱ローラー472を加熱する処理を行うことによって、第1期間の終了時から操作指示受付部19によって印刷処理の開始指示を示す操作指示が受け付けられるまでの間、電力が無駄に消費される虞を低減することができる。
また、上記実施形態の構成によれば、第1期間以降に応答情報が受信されたとき、熱ローラー472の温度が加熱温度Eよりも低い規定温度Dを超えていない場合は、第1期間の終了時に開始された準備モードに替えて、省電力モードの実行が開始される。これによって、第1期間の終了時から行われている熱ローラー472を加熱する処理は終了する。そして、ユーザーが複合機1に到達して、認証部13によって認証処理の実行指示が受け付けられ、認証部13によってユーザーが認証ユーザーであると判定されたことによって、操作指示受付部19によって印刷処理の開始指示を示す操作指示が受け付けられたときに、省電力モードに替えて準備モードの実行が開始され、熱ローラー472を加熱する処理が行われる。その後、通常モードが開始され、印刷処理が行われる。
このため、第1期間以降に応答情報が受信された場合、つまり、操作指示受付部19によって印刷処理の開始指示を示す操作指示が受け付けられるまでに時間がかかると考えられるような場合に、熱ローラー472の温度が規定温度Dよりも低い温度から加熱温度E以上になるまで、第1期間の終了時に開始された熱ローラー472を加熱する処理を長い時間継続することによって、電力が無駄に消費される虞を低減することができる。
また、上記実施形態の構成によれば、複合機1では、第1期間以降に応答情報が受信されたとき、熱ローラー472の温度が規定温度Dを超えていた場合は、第1期間の終了時から行われている熱ローラー472を加熱する処理は継続され、コンピューターECでは、複合機1に出向いて認証部13による認証処理を実行するようユーザーに案内することを示す案内情報が案内報知部74によって報知される。
つまり、第1期間以降に応答情報が受信され、操作指示受付部19によって印刷処理の開始指示を示す操作指示が受け付けられるまでに時間がかかると考えられるが、熱ローラー472の温度が規定温度Dを超えており、熱ローラー472の温度を加熱温度Eまで上昇させるのに時間を要しないと考えられる場合には、熱ローラー472を加熱する処理が継続され、近いうちに熱ローラー472の温度が加熱温度Eまで上昇する。
このとき、コンピューターECでは案内情報が報知されるので、コンピューターECにいるユーザーに対して、迅速に複合機1に出向いて認証部13による認証処理を実行するよう案内することができる。これによって、第1期間の終了時点から操作指示受付部19によって印刷処理の開始指示を示す操作指示が受け付けられるまでの時間が長くなる虞が低減される。その結果、第1期間の終了時点から開始した熱ローラー472を加熱する処理を継続することによって電力が無駄に消費される虞を軽減することができる。
また、上記実施形態の構成によれば、時間受付部17によって第1制限時間T1となり得る第1設定時間の入力が受け付けられると、当該受け付けられた第1設定時間が時間設定部18によって第1制限時間T1として設定される。このため、迅速に印刷処理を実行させることを意図したユーザーが印刷指示を入力した後、コンピューターECから複合機1まで移動するのに要する時間を考慮する等して、適切な第1設定時間を入力することによって、第1制限時間T1を適切に変更することができる。
また、上記実施形態の構成によれば、コンピューターECにおいて、時間送信部75によって、第1制限時間T1となり得る第2設定時間の入力が受け付けられ、当該受け付けられた第2設定時間が複合機1に送信されると、複合機1では、時間設定部18によって、第2設定時間が受信され、当該受信された第2設定時間が第1制限時間T1として設定される。このため、迅速に印刷処理を実行させることを意図したユーザーが印刷指示を入力した後、コンピューターECから複合機1まで移動するのに要する時間を考慮する等して、適切な第2設定時間をコンピューターECにおいて入力することによって、第1制限時間T1を適切に変更することができる。
また、上記実施形態の構成によれば、指示送信部71は、連絡情報が報知されてから応答部73によって応答情報の入力が受け付けられるまでの間に新たな印刷指示の入力を受け付けた場合に、報知部72による連絡情報の表示を終了させ、新たな印刷指示とともに応答情報を複合機1へ送信する。このため、ユーザーは、新たな印刷指示の入力とは別に、報知部72による連絡情報の表示を終了させる操作や応答情報を入力する操作を行う手間が軽減される。
また、上記実施形態の構成によれば、認証部13によってユーザーが認証ユーザーであると判定されたときに、操作指示受付部19によって印刷処理の開始指示を示す操作指示が受け付けられる。このため、複合機1を使用することを予め許可されていないユーザーによって入力された印刷処理の開始指示を示す操作指示を受け付けて印刷処理を実行する虞を低減することができる。
尚、上記実施形態において図1乃至図11に示した構成は単なる一例に過ぎず、本発明を当該実施形態に限定する趣旨ではない。
例えば、上記実施形態では、モード制御部12は、ステップS43(図8)において、温度センサー49によって検出された熱ローラー472の温度Cが規定温度Dを超えているか否かを判定するように構成していた。しかし、モード制御部12は、ステップS43に代えて、第1期間の終了時点から、熱ローラー472を加熱する処理に要する時間として予め定められた準備時間よりも短い第2制限時間が経過しているか否かを判定する処理を行うように構成してもよい。
そして、モード制御部12によって第1期間の終了時点から第2制限時間が経過していると判定されたときには、ステップS44(図8)以降の処理を行い、モード制御部12によって第1期間の終了時点から第2制限時間が経過していないと判定されたときには、ステップS51(図8)以降の処理を行うように構成してもよい。
具体的には、準備時間は、例えば図10に示すように、熱ローラー472の温度の時系列変化を示す情報を用いて、熱ローラー472の温度が加熱温度Eを超えると考えられるときの、第1期間の終了時点からの経過時間T0に設定し、第2制限時間は、温度センサー49によって検出された熱ローラー472の温度Cが規定温度Dを超えると考えられるときの、第1期間の終了時点からの経過時間T2に設定すればよい。
この場合、第1期間の終了時点からヒーター473によって熱ローラー472を加熱し、第1期間の終了時点から第2制限時間T2が経過していないときは、熱ローラー472の温度が規定温度Dを超えていないと考えられる。したがって、この場合、第1期間の終了時点から準備時間T0が経過するまで、つまり、熱ローラー472の温度が加熱温度Eを超えると考えられるときまで、ヒーター473によって熱ローラー472を加熱する処理を長時間継続する必要があると考えられる。
一方、第1期間の終了時点から第2制限時間T2が経過しているときは、熱ローラー472の温度が規定温度Dを超えていると考えられる。したがって、この場合、第1期間の終了時点から準備時間T0が経過するまで、つまり、熱ローラー472の温度が加熱温度Eを超えると考えられるときまで、ヒーター473によって熱ローラー472を加熱する処理を短時間継続すればよいと考えられる。
つまり、モード制御部12は、第1期間の終了時点から第2制限時間T2が経過しているか否かを判定することによって、熱ローラー472を加熱する処理を短時間継続すればよいか、長時間継続しなければならないかを判定するように構成してもよい。以下、第1期間の終了時点から第2制限時間T2が経過するまでの期間を第2期間と示す。
この構成によれば、第2期間内に応答情報が受信された場合は、第1期間の終了時に開始された準備モードに替えて、省電力モードが実行される。これによって、第1期間の終了時から行われている熱ローラー472を加熱する処理は終了する。そして、ユーザーが複合機1に到達して、認証部13によって認証処理の実行指示が受け付けられ、認証部13によってユーザーが認証ユーザーであると判定されたことによって、操作指示受付部19によって印刷処理の開始指示を示す操作指示が受け付けられたときに、省電力モードに替えて準備モードの実行が開始され、熱ローラー472を加熱する処理が行われる。その後、通常モードが開始され、印刷処理が行われる。
このため、第2期間内に応答情報が受信された場合、つまり、操作指示受付部19によって印刷処理の開始指示を示す操作指示が受け付けられるまでに時間がかかると考えられるような場合に、第1期間の終了時点から第2制限時間T2が経過していない時点から、第1期間の終了時点から準備時間T0が経過した時点までの長い時間、熱ローラー472を加熱する処理を継続することによって、電力が無駄に消費される虞を低減することができる。
また、複合機1では、第2期間以降に応答情報が受信されたときは、第1期間の終了時点から行われている熱ローラー472を加熱する処理は継続され、コンピューターECでは、複合機1に出向いて認証部13による認証処理を実行するようユーザーに案内することを示す案内情報が案内報知部74によって報知される。
つまり、第2期間以降に応答情報が受信され、操作指示受付部19によって印刷処理の開始指示を示す操作指示が受け付けられるまでに時間がかかると考えられるが、第1期間の終了時点から第2制限時間T2が経過しており、つまり、第1期間の終了時点から準備時間T0が経過した時点までの残り時間が短く、熱ローラー472を加熱する処理を終了するまでに時間を要しないと考えられる場合には、熱ローラー472を加熱する処理が継続され、近いうちに熱ローラー472を加熱する処理が終了する。
このとき、コンピューターECでは案内情報が報知されるので、コンピューターECにいるユーザーに対して、迅速に複合機1に出向いて認証部13による認証処理を実行するよう案内することができる。これによって、第1期間の終了時点から操作指示受付部19によって印刷処理の開始指示を示す操作指示が受け付けられるまでの時間が長くなる虞が低減される。その結果、第1期間の終了時点から熱ローラー472を加熱する処理を継続することによって電力が無駄に消費される虞を軽減することができる。
また、上記実施形態の構成では、操作指示受付部19は、認証部13によってユーザーが認証ユーザーであると判定されたときに、ユーザーから印刷処理の開始指示を示す操作指示が入力されたものとして、当該操作指示を受け付けるように構成していた。しかし、制御部10が、認証部13を構成しないように簡素化してもよい。
これに合わせて、ステップS26及びステップS27(図7)に代えて、操作指示受付部19は、例えば、印刷処理の開始指示を入力するよう案内するメッセージを表示部31に表示し、その後、ユーザーによってスタートキー33が押下されたとき等、印刷処理の開始指示を入力するための操作部76を用いた予め定められた操作がユーザーによって行われたときに、ユーザーから印刷処理の開始指示を示す操作指示が入力されたものとして、当該操作指示を受け付けるように構成してもよい。
また、これと同様にして、ステップS45及びステップS46(図8)に代えて、操作指示受付部19は、印刷処理の開始指示を入力するための操作部76を用いた予め定められた操作がユーザーによって行われたときに、ユーザーから印刷処理の開始指示を示す操作指示が入力されたものとして、当該操作指示を受け付けるように構成してもよい。
また、指示送信部71がステップS8〜S10(図5)を実行しないように簡素化して構成してもよい。これに合わせて、ステップS5(図5)において、連絡情報報知画面W1(図9)の閉じるボタンSK1が、ユーザーによって押下操作されていない場合には(S5;NO)、ステップS16(図6)を行うように構成してもよい。
また、コンピューターECにおいて、制御部70が、時間送信部75を構成しないように簡素化してもよい。また、複合機1において、制御部10が、時間受付部17を構成しないように簡素化してもよい。これに合わせて、複合機1において、制御部10が、時間設定部18を構成しないように簡素化してもよい。尚、この場合、複合機1の出荷前に、専用治具等によって不揮発性メモリーに予め第1制限時間T1を記憶すればよい。
また、複合機1において、制御部10が、案内送信部16を構成しないようにし、ステップS44(図8)を実行しないように簡素化して構成してもよい。これに合わせて、コンピューターECにおいて、制御部70が、案内報知部74を構成しないようにし、ステップS11〜S15(図6)を実行しないように簡素化して構成してもよい。
また、ステップS42(図8)、ステップS43(図8)、及びステップS51(図8)を実行しないように簡素化してもよい。
また、上記実施形態の構成では、画像形成部4による印刷処理を実行する前に行われる準備処理として、ヒーター473によって熱ローラー472を加熱する処理を例に説明したが、準備処理は、これに限らず、例えば、各搬送ローラー413や熱ローラー472等のローラーを回転させる図略のモーターの動作等、画像形成部4内の各部の動作の異常の有無を印刷処理の事前に検出する処理等であってもよい。
また、上記実施形態では、報知部72は、連絡情報を表示部761に表示することによって、連絡情報をユーザーに報知する例について説明したが、これに限らず、報知部72は、例えば図略のスピーカー等によって連絡情報を示す音声を出力させることによって連絡情報をユーザーに報知するように構成してもよい。同様に、案内報知部74は、案内情報を表示部761に表示することによって、案内情報をユーザーに報知する例について説明したが、これに限らず、案内報知部74は、例えば、図略のスピーカー等によって案内情報を示す音声を出力させることによって、案内情報をユーザーに報知するように構成してもよい。
また、本発明に係る画像形成装置は、上記の複合機1に適用される場合の他、コピー装置、プリンター装置、及びファクシミリ装置等に適用することも可能である。また、本発明に係る指示装置は、上記のコンピューターECに適用される場合の他、携帯電話等に適用することも可能である。