JP5878381B2 - 多回転アブソリュートロータリーエンコーダ - Google Patents
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Description
従動歯車を用いて機械的に主回転軸の回転数を記憶させるものは、一般的には、回転数を記憶させるために必要な従動歯車の数が多くなってしまうため、大型且つ高価格なものとなっていた。特に複数の従動歯車を連続して噛合させたものは、このような傾向が顕著なものとなっている。このような構成の場合、複数の従動歯車が連続して噛合されているので、バックラッシュによる従動歯車の回転角度の誤差が累積して大きなものとなってしまい、上記従動歯車の回転角度を大まかにしか知ることができなくなってしまう。そのため、上記複数の従動歯車の回転角度の組み合わせによって上記出力軸の回転数を記憶させようとすると、上記出力軸の回転数を十分に記憶させるために必要な上記従動歯車の回転角度の組み合わせを確保するために上記従動歯車の数を多くしなければならない。これに対しては、従動歯車の回転数の組み合わせから上記出力軸の回転数を算出する方法もあるが、この場合には処理が複雑になってしまう。
また、請求項2に記載された多回転アブソリュートロータリーエンコーダは、請求項1記載の多回転アブソリュートロータリーエンコーダにおいて、3個以上の上記従動歯車が上記主動歯車に噛合されていることを特徴とするものである。
また、請求項3に記載された多回転アブソリュートロータリーエンコーダは、請求項2記載の多回転アブソリュートロータリーエンコーダにおいて、上記主動歯車の歯数が上記複数の従動歯車のうち最も歯数が多い従動歯車の歯数以上であることを特徴とするものである。
また、請求項4に記載された多回転アブソリュートロータリーエンコーダは、請求項2記載の多回転アブソリュートロータリーエンコーダにおいて、上記3個以上の従動歯車のうちの一の従動歯車の歯数が上記主動歯車の歯数の整数倍、もしくは、上記主動歯車の歯数が上記一の従動歯車の歯数の整数倍となっていることを特徴とするものである。
また、請求項5に記載された多回転アブソリュートロータリーエンコーダは、請求項2記載の多回転アブソリュートロータリーエンコーダにおいて、個々の上記従動歯車について算出された上記主動歯車と噛合されている上記従動歯車の歯の番号が切り替わる直前又は切り替わった直後となっているか否かを判定し、直前となっている従動歯車と直後となっている従動歯車の両方がある場合に直前又は直後となっている上記従動歯車の何れか一方の上記算出された歯の番号を直前又は直後となっている上記従動歯車の何れか他方の上記算出された歯の番号に合わせる補正を行い、直前となっている従動歯車と直後となっている従動歯車の何れか一方しかない場合及びその両方がない場合には補正を行わないことを特徴とするものである。
また、請求項6に記載された多回転アブソリュートロータリーエンコーダは、請求項2記載の多回転アブソリュートロータリーエンコーダにおいて、個々の上記従動歯車には永久磁石が固着されており、上記永久磁石は上記従動歯車の直径方向に着磁されており、上記センサは磁気センサであり上記従動歯車が回転する際の上記永久磁石による磁界強度の変化により上記従動歯車の回転角度を検出するものであることを特徴とするものである。
また、請求項7に記載された多回転アブソリュートロータリーエンコーダは、請求項2記載の多回転アブソリュートロータリーエンコーダにおいて、上記主動歯車は金属製であるとともに上記従動歯車は樹脂製であることを特徴とするものである。
また、請求項8に記載された多回転アブソリュートロータリーエンコーダは、請求項1記載の多回転アブソリュートロータリーエンコーダにおいて、上記算出された出力軸の回転数を上記出力軸の回転角度と上記複数の従動歯車のうちの一の従動歯車の上記主動歯車と噛合している歯の番号を参照して補正することを特徴とするものである。
また、請求項9に記載された多回転アブソリュートロータリーエンコーダは、請求項8記載の多回転アブソリュートロータリーエンコーダにおいて、上記一の従動歯車の歯数が上記主動歯車歯数と同じであることを特徴とするものである。
すなわち、一つの主動歯車に複数の従動歯車が直接噛合された構成となっているため、従動歯車を連ねた構成とした場合に見られるバックラッシュの累積が発生せず、上記従動歯車におけるバックラッシュによる回転角度の誤差を大幅に低減することができる。そして、上記従動歯車の歯数が多い場合であっても上記従動歯車の回転角度に基づいて上記従動歯車が上記主動歯車に対して噛合されている歯の番号を正確に算出することができ、これにより上記従動歯車の歯数を増やすことができる。その結果、上記出力軸の回転数を十分に記憶するために必要な上記複数の従動歯車の歯の番号の組み合わせをより少ない上記従動歯車によって確保することができる。そして、上記従動歯車の数を減らすことにより、上記多回転アブソリュートロータリーエンコーダを小型化・低コスト化することができるものである。
また、一つの主動歯車に複数の従動歯車が直接噛合された構成となっていることから、使用される歯車の総数を少なくすることができ、これによっても上記多回転アブソリュートロータリーエンコーダの小型化・低コスト化が担保されている。
また、上記従動歯車は上記主動歯車のみに噛合されているので、上記従動歯車の負荷モーメントは上記従動歯車自身による回転抵抗のみであり小さなものとなっている。そのため、上記従動歯車および上記主動歯車の耐摩耗性能が高くなり、上記多回転アブソリュートロータリーエンコーダの信頼性が高いものとなっている。
また、上記出力軸の回転数を得ることのできる多回転モジュールとは別に、上記出力軸の回転角度を得られる単回転アブソリュートエンコーダを備えているため、上記多回転アブソリュートロータリーエンコーダの用途などに応じて様々な種類の単回転アブソリュートエンコーダを選択することができる。
また、電源オフ時の上記出力軸の回転数が上記複数の従動歯車の上記主動歯車と噛み合っている歯の歯数番号の組み合わせによって機械的に記憶されるため、バッテリーバックアップメモリを用いる必要がない。
また、請求項2記載の多回転アブソリュートロータリーエンコーダによると、請求項1記載の多回転アブソリュートロータリーエンコーダにおいて、3個以上の上記従動歯車が上記主動歯車に噛合されているため、個々の歯車の歯数を少なくしても上記出力軸の回転数の記憶に必要な歯の番号の組み合わせを十分に確保することができる。
また、歯数を少なくすることができるので上記主動歯車や上記従動歯車の小型化を図ることができ、それによって、上記多回転アブソリュートロータリーエンコーダを小型化・低コスト化することができる。
また、請求項3記載の多回転アブソリュートロータリーエンコーダによると、請求項2記載の多回転アブソリュートロータリーエンコーダにおいて、上記主動歯車の歯数が上記複数の従動歯車のうち最も歯数が多い従動歯車の歯数以上であるため、上記主動歯車が固着された上記出力軸の径を十分に大きくすることができ、上記出力軸の回転による振れを抑えることができる。
また、上記出力軸の径を大きくすると上記出力軸の剛性も高くなり、上記多回転モジュールや上記単回転アブソリュートエンコーダを安定して上記出力軸に取り付けることができる。
また、上記主動歯車の歯数が多くなることにより上記主動歯車の径も大きくなり、上記主動歯車のバックラッシュの大きさが同じでも上記バックラッシュあたりの回転角度が小さくなるため、上記主動歯車に噛合された上記複数の従動歯車を用いた上記出力軸の回転数の算出に対する上記バックラッシュの影響を小さくすることができる。
また、請求項4記載の多回転アブソリュートロータリーエンコーダによると、請求項2記載の多回転アブソリュートロータリーエンコーダにおいて、上記3個以上の従動歯車のうちの一の従動歯車の歯数が上記主動歯車の歯数の整数倍、もしくは、上記主動歯車の歯数が上記一の従動歯車の歯数の整数倍となっているため、上記一の従動歯車の回転数について簡易な補正を行うだけで、上記出力軸の回転数を算出する際の処理に用いることができる。
また、請求項5の多回転アブソリュートロータリーエンコーダは、請求項2記載の多回転アブソリュートロータリーエンコーダにおいて、個々の上記従動歯車について算出された上記主動歯車と噛合されている上記従動歯車の歯の番号が切り替わる直前又は切り替わった直後となっているか否かを判定し、直前又は直後となっている上記従動歯車の何れか一方の上記算出された歯の番号を直前又は直後となっている上記従動歯車の何れか他方の上記算出された歯の番号に合わせる補正を行うため、上記従動歯車の回転角度から算出される上記主動歯車と噛み合っている上記従動歯車の歯の番号のバックラッシュによる誤差を補正することができ、このことが上記従動歯車の上記主動歯車と噛み合っている歯の歯数番号の組み合わせから上記出力軸の正確な回転数を確実に算出することに大きく寄与している。
また、一つの主動歯車に複数の従動歯車が直接噛合された構成となっていることから、バックラッシュによる影響がない状態であれば、上記主動歯車に対する全ての上記従動歯車の噛合状態が同じ、すなわち、算出される上記歯の番号が全ての上記従動歯車について同時に切り替わっていくようになっているので、算出された上記従動歯車の歯の番号の補正を容易に行うことができる。
また、請求項6記載の多回転アブソリュートロータリーエンコーダによると、請求項2記載の多回転アブソリュートロータリーエンコーダにおいて、個々の上記従動歯車には永久磁石が固着されており、上記永久磁石は上記従動歯車の直径方向に着磁されており、上記センサは磁気センサであり上記従動歯車が回転する際の上記永久磁石による磁界強度の変化により上記従動歯車の回転角度を検出するようにしているので、小型且つ安価な磁気センサを用いることにより小型の上記多回転アブソリュートロータリーエンコーダを容易且つ安価に構成することができる。
また、請求項7記載の多回転アブソリュートロータリーエンコーダによると、請求項2記載の多回転アブソリュートロータリーエンコーダにおいて、上記主動歯車は金属製であるとともに上記従動歯車は樹脂製であるため、上記従動歯車の製造が容易になり、上記多回転アブソリュートロータリーエンコーダをより安価なものとすることができるとともに、金属製の上記主動歯車によって上記従動歯車の熱を効果的に逃がすことができ、耐久性を向上させることができる。
また、請求項8に記載された多回転アブソリュートロータリーエンコーダは、請求項1記載の多回転アブソリュートロータリーエンコーダにおいて、上記算出された出力軸の回転数を上記出力軸の回転角度を参照して補正するため、上記出力軸の正確な回転数を確実に得ることができる。
また、請求項9に記載された多回転アブソリュートロータリーエンコーダは、請求項8記載の多回転アブソリュートロータリーエンコーダにおいて、さらに上記複数の従動歯車のうちの一の従動歯車の上記主動歯車と噛合される歯の番号を参照して上記算出された出力軸の回転数を補正している。そのため、上記出力軸の回転角度と上記一の従動歯車の上記主動歯車と噛合される歯の番号によって算出された上記出力軸の回転数が上記出力軸の正確な回転数と異なっているか否かを判別でき、正確且つ確実に上記出力軸の回転数を補正することができる。
また、請求項10記載の多回転アブソリュートロータリーエンコーダによると、請求項9記載の多回転アブソリュートロータリーエンコーダにおいて、上記一の従動歯車の歯数が上記主動歯車と同じ歯数となっているため、上記一の従動歯車の回転数が上記主動歯車の回転数に対応しており、容易に上記出力軸の回転数を補正することができる。
本実施の形態による多回転アブソリュートロータリーエンコーダ1は、例えば、図1に示すような形態で用いられる。すなわち、アクチュエータ2の動力源としてモータ3が備えられており、このモータ3の出力軸5に対して単回転アブソリュートエンコーダ7と多回転モジュール9が取り付けられている。また、コントローラ11が設置されており、信号線11aによって上記コントローラ11と上記単回転アブソリュートエンコーダ7とが接続されているとともに、信号線11bによって上記コントローラ11と上記多回転モジュール9とが接続されている。そして、上記コントローラ11によって上記単回転アブソリュートエンコーダ7から上記出力軸5の回転角度が取得されるとともに、上記多回転モジュール9から上記出力軸5の回転数等が取得される。
なお、本実施の形態の場合は、上記単回転アブソリュートエンコーダ7は上記出力軸5の先端側(図1中左端側)に設けられ、上記多回転モジュール9は上記単回転アブソリュートエンコーダ7よりも上記モータ3側(図1中右側)に設けられている。
上記多回転アブソリュートロータリーエンコーダ1とは、単回転アブソリュートエンコーダ7と多回転モジュール9とから構成されるものである。
また、上記単回転アブソリュートエンコーダ7は、例えば、図示しない光学センサと上記出力軸5に固着された図示しないエンコーダスケールとから構成されており、上記出力軸5の回転角度の絶対値(0°以上360°未満)を検出することができるものである。
まず、図2や図3に示すようにケース12がある。このケース12は、内部に空間12aを備えた中空形状を成しており、図2中下側に向けた開口部12bが形成されているものである。また、上記ケース12の上側には貫通孔12cが穿孔されている。また、上記ケース12の開口部12bはベースプレート12dによって閉塞されている。このベースプレート12dには、貫通孔12eが穿孔されている。また、上記ベースプレート12dの上記貫通孔12eの周囲には、貫通孔12f、貫通孔12g、貫通孔12hが穿孔されている。
なお、図2において、貫通孔12fは図示されていない。
また、上記貫通孔12c、12eを介して、上記ケース12内を上記出力軸5が貫通している。
また、上記第1従動歯車15aにも同様に複数(例えば、37個)の歯が形成されており、個々の上記歯には歯数番号が割り当てられている。この歯数番号は0から始まり、上記第1従動歯車15aの正回転方向(図3中反時計回り方向)に向かって1ずつ増加していく整数となっている。すなわち、上記歯数番号は0〜36までの整数となっている。また、上記第1従動歯車15aの歯数は、上記主動歯車13の歯数と同数である。
また、上記第3従動歯車15cにも複数(例えば、29個)の歯が形成されており、個々の上記歯には歯数番号が割り当てられている。この歯数番号は0から始まり、上記第3従動歯車15cの正回転方向(図3中反時計回り方向)に向かって1ずつ増加していく整数となっている。すなわち、上記歯数番号は0〜28までの整数となっている。
なお、上記従動歯車の歯数は互いに素な数であることが望ましい。上記従動歯車の歯数が互いに素となっていれば、歯数番号の組み合わせに重複が生じず、上記出力軸の回転数を記憶するための上記歯数番号の組み合わせをより多く確保することができるからである。
また、上記第1従動歯車15aにはシャフト15a1が突出・形成されている。同様に、上記第2従動歯車15bにはシャフト15b1が突出・形成されており、上記第3従動歯車15cにはシャフト15c1が突出・形成されている。
また、上記主動歯車13は、例えば、磨耗粉が後述する磁気センサ19a等に影響を与えないように非磁性である黄銅などの金属製であり、上記第1従動歯車15a、第2従動歯車15b、第3従動歯車15cは、例えば、樹脂製である。
そして、上記内輪18bに上記第1従動歯車15aのシャフト15a1、上記第2従動歯車15bのシャフト15b1、上記第3従動歯車15cのシャフト15c1が挿入・固定されている。そのため、上記第1従動歯車15a、上記第2従動歯車15b、上記第3従動歯車15cが回転可能となっている。
また、上記主動歯車13、上記第1従動歯車15a、上記第2従動歯車15b、上記第3従動歯車15cは、図2及び図3に示すように、同一平面上に配置されている。
また、図2に示すように、上記永久磁石19a、19b、19cと上記磁気センサ23a、23b、23cとの間には僅かに空間があり、両者は接触していない。
また、上記基板21には、図示しない電子部品も実装されている。また、図2に示すように、上記基板21は、上記基板21と上記ケース12内の図2中上側の壁面との間に空間が確保されるように設けられており、この空間内に上記図示しない電子部品の一部が配置されるようになっている。
まず、多回転モジュール9の作用について説明する。
モータ3の出力軸5が正方向、すなわち、図3中時計回り方向に回転されると、主動歯車13も同方向に回転される。一方、上記主動歯車13に噛合されている第1従動歯車15a、第2従動歯車15b、第3従動歯車15cは、上記主動歯車13の回転に伴って、図3中反時計回り方向に回転される。
上記第1従動歯車15a、上記第2従動歯車15b、上記第3従動歯車15cが回転されると、永久磁石19a、19b、19cもそれぞれ回転されることとなる。この永久磁石19a、19b、19cの回転によって、磁気センサ23a、23b、23c付近の磁界強度が変化し、その磁界強度の変化が上記磁気センサ23a、23b、23cによって測定され、この磁界強度の変化から上記永久磁石19a、19b、19cの回転角度、ひいては、上記第1従動歯車15a、上記第2従動歯車15b、上記第3従動歯車15cの回転角度が導き出される。
上記第1従動歯車15a(永久磁石19a)を図4中反時計方向に回転させると、図4(a)〜図4(d)に順に示すように、上記永久磁石19aのN極又はS極とホール素子25a、25b、25c、25dとの距離が変化していく。例えば、上記ホール素子25aと上記永久磁石19aのN極との関係について説明すると、図4(a)においては最も両者の距離が近い状態となっているが、上記第1従動歯車15a(永久磁石19a)の回転に従って徐々に離れていき、図4(c)においては最も離れているが、その後、再び上記永久磁石19aのN極が上記ホール素子25aに接近してくる。このような一連の動きにおいて上記ホール素子25aによって検出される図4紙面垂直方向の磁界の強度変化はサイン波形状の曲線として得られる。
また、上記ホール素子25aに対向する位置にあるホール素子25cにおいては上記ホール素子25aによって得られた上記サイン波形状の曲線を反転させたサイン波形状の曲線が得られ、上記ホール素子25bに対向する位置にあるホール素子25dにおいては上記ホール素子25bによって得られた上記コサイン波形状の曲線を反転させたコサイン波形状の曲線が得られることになる。
tanθ=cosθ/sinθ ―――(1)
そのため、上記回転角度θは次の式(2)によって求められることになる。
θ=tan−1(tanθ) ―――(2)
このようにして、上記第1従動歯車15aの回転角度θが求められる。
また、上記第2従動歯車15bや上記第3従動歯車15cについても、同様にして、永久磁石19b、19cの回転による磁界強度の変化から、回転角度が求められる。
このような回転角度を求める演算は、例えば、磁気センサ23a、23b、23c内のDSP(Digital Signal Processor)やCPU等によって行われる。
まず、前述したように、上記出力軸5の回転数が0のとき、すなわち、上記出力軸5が原点にある場合は、上記第1従動歯車15aは、歯数番号が0の歯によって上記主動歯車13と噛合された状態となっている。そのため、上記第1従動歯車15aがθ度回転された場合の、上記主動歯車13と噛合されている歯の歯数番号Nは、上記第1従動歯車15aの歯数をQとすると、次の式(3)によって求められる。
N=θ×Q/360 ―――(3)
但し、
N:歯数番号
θ:回転角度(第1従動歯車15aが図3中反時計方向に回転された方向を正
とする。)
Q:歯数
また、上記歯数番号N1、N2、N3の整数部分を、それぞれ、歯数番号N1′、N2′、N3′とする。
なお、この説明においては、説明を行いやすくするため、主動歯車13、第1従動歯車15a、第2従動歯車15b、第3従動歯車15cの歯の数を前述した場合よりも減らしている。具体的には、上記主動歯車13と上記第1従動歯車15aの歯数は共に5個、上記第2従動歯車15bの歯数は4、上記第3従動歯車15cの歯数は3と設定されている。
また、上記主動歯車13(出力軸5)の回転数とは、上記主動歯車13(出力軸5)が図3中時計回り方向に回転すると増加していくものであり、逆に上記主動歯車13(出力軸5)が図3中反時計回り方向に回転すると減少していくものである。
そして、上記出力軸5(上記主動歯車13)が図3中時計回り方向に回転されると、上記歯数番号N1、N2、N3が増加していき、上記歯数番号N0′、N1′、N2′、N3′も1ずつ増加していくが、一周してしまった歯車については、上記歯数番号が0に戻る。上記第1従動歯車15a、上記第2従動歯車15b、上記第3従動歯車15cは、前述したようにそれぞれ異なる歯数に設定されているため、上記主動歯車13の図3中時計回り方向への回転が進むと、ステップごとに異なった上記歯数番号N1′、上記歯数番号N2′、上記歯数番号N3′の組み合わせが発生する。
図5に示すように、上記主動歯車13と上記第1従動歯車15a等との噛合された歯の間にはバックラッシュ(遊び、図5(a)中符号Dで示す。)がある。そのため、上記出力軸5(主動歯車13)がある方向に回転された後、停止・固定された直後の状態から振動等の外力の影響を受けると、上記第1従動歯車15a、上記第2従動歯車15b、上記第3従動歯車15cが上記バックラッシュの範囲内で回転されてしまう可能性がある。
図5は、このような状態を示した図であり、図5(a)は図5中時計回り方向に回転していた上記出力軸5(主動歯車13)を停止・固定させた直後の主動歯車13と第1従動歯車15aの状態を示した図であり、図5(b)は図5(a)の状態から第1従動歯車15aがバックラッシュの範囲内で回転した状態を示した図である。
なお、この図5においては、上記主動歯車13及び上記第1従動歯車15aは模式的に示されたものとなっている。
例えば、上記出力軸5が停止・固定された直後は上記歯数番号N1′が1、上記歯数番号N2′が3、上記歯数番号N3′が2であり、図7の表のNo.11に該当する回転数「2」を示すものであったが、上記歯数番号N3′が0に変動してしまうと、図7の表から求められる回転数が「10」(図7の表におけるNo.51に該当)となってしまう。
そのため、上記歯数番号N1、N2、N3の小数点以下の値が「0以上1/3未満」となる状態で上記出力軸5が停止・固定された場合は、上記第1従動歯車15a等が上記バックラッシュの範囲で回転されてしまったとしても、上記歯数番号N1、N2、N3はその整数部分が変わってしまうほど変動することはない。
しかし、上記歯数番号N1、N2、N3の小数点以下の値が「2/3以上1未満」となる状態で上記出力軸5が停止・固定された場合は、上記第1従動歯車15a等が上記バックラッシュの範囲で回転されてしまうと、上記歯数番号N1、N2、N3はその整数部分が変わってしまうほどに変動してしまう可能性がある。(例えば、「1.9」であったN1が「2.1」になってしまう。)
図6中破線で示す図形は、上記出力軸5(主動歯車13)が図6中時計回り方向に回転されて停止・固定された直後の上記第1従動歯車15aの状態を示したものであり、図6中実線で示す図形(上記主動歯車13と上記スケールCは除く)は上記第1従動歯車15aが上記バックラッシュの分だけ回転されてしまった状態を示すものである。
そして、図6(a)に、上記状態αとなる状態で、図6中時計回り方向に回転されていた上記出力軸5(主動歯車13)が停止・固定された様子を示す。この場合、上記第1従動歯車15aが上記バックラッシュの分だけ回転されてしまったとしても、上記第1従動歯車15aは上記歯数番号N1の整数部分が切り替わらずに同じ歯数番号N1′で状態βとなるだけである。
また、図6(c)には、上記状態γとなる状態で、図6中時計回り方向に回転されていた上記出力軸5(主動歯車13)が停止・固定された様子を示す。この場合は、上記第1従動歯車15aが上記バックラッシュの分だけ回転されてしまうと、上記第1従動歯車15aは上記歯数番号N1の整数部分が切り替わってしまい(整数部分が+1となってしまい)、次の歯数番号における状態αとなってしまう。
また、図6においては、上記主動歯車13及び上記第1従動歯車15aや、これらの歯車の噛合の状態は、模式的に図示されたものである。
また、前述した機械的なバックラッシュだけでなく、電気的な磁気センサ23a等の検出精度や温度変化等による影響によって測定される回転角度が変動し、同様に上記歯数番号N1、N2、N3の変動が起きる場合もある。よって、厳密には、上記バックラッシュの幅は上記磁気センサ23a等の検出精度や温度変化等の要因も考慮して設定されているものである。
このような場合は、上記バックラッシュによる変動があったとしても、上記歯数番号N1、N2、N3は上記状態α又は前述の状態βとなる場合しかなく、前述したように、上記歯数番号N1、N2、N3の整数部分が変動することはありえないため、上記歯数番号N1、N2、N3の補正を行う必要がない。
このような場合も、上記バックラッシュによる変動があったとしても、上記歯数番号N1、N2、N3は上記状態β又は前述の状態γとなる場合しかなく、前述したように、上記歯数番号N1、N2、N3の整数部分が変動することはありえないため、上記歯数番号N1、N2、N3の補正を行う必要がない。
このような場合は、上記歯数番号N1、N2、N3は上記状態γのままか又は次の歯数番号における上記状態αとなる場合があり、前述したように、上記歯数番号N1、N2、N3のうちの全部又は一部の整数部分が変動してしまう可能性がある。そうすると、上記出力軸5の正しい回転数を示す上記歯数番号N1、N2、N3の整数部分の組み合わせとは異なる上記歯数番号N1′、N2′、N3′の組み合わせが算出されてしまうことになる。
まず、上記歯数番号N1、N2、N3のうち、上記状態αとなっているものの数と上記状態γとなっているものの数を確認する。そして、上記状態αとなっているものの数と上記状態γとなっているものの数を比較・判断して、必要な場合には上記歯数番号N1、N2、N3の補正を行う。
ちなみに、正しい回転数に1プラスされたものが求められた場合には後述する補正が施されることによって最終的には正しい回転数が求められる。
これに対して、上記歯数番号N1、N2、N3の整数部分の組み合わせが、算出される回転数が切り替わる直前のものである場合、例えば、図7の表における「No.14」のような場合であるが、このような場合において、バックラッシュの範囲内での従動歯車の回転により、上記歯数番号N1、N2、N3の整数部分が次の歯数番号に切り替わってしまうと、求められる回転数は「2」から「3」に変動してしまう。つまり、正しい回転数よりも1プラスされてしまうことになる。このような場合は、後述する回転数の補正を行うことによって正しい回転数を求めることができる。
なお、上記状態γとなっているものよりも上記状態αとなっているものが多い場合において、上記歯数番号N1、N2、N3のうち上記状態αを示すものについて1をマイナスする補正を行うことも考えられる。
なお、上記状態αとなっているものよりも上記状態γとなっているものが多い場合において、上記歯数番号N1、N2、N3のうち上記状態γを示すものについて1をプラスする補正を行うことも考えられる。
まず、上記主動歯車13に全ての従動歯車が直接噛合された構成となっているため、理想的な状態であれば、上記歯数番号N1、N2、N3の整数部分は同時に切り替わる、すなわち、全ての上記従動歯車は上記主動歯車13に対して前述の状態α、β、γの何れか一つの状態となって噛合されていることになる。この場合には、当然、正しい上記出力軸5の回転数が求められることになる。
次に、バックラッシュの範囲内で従動歯車が移動してしまった場合であっても、全ての上記従動歯車が上記主動歯車13に対して前述の状態α、β、γの何れか一つの状態となっている場合には、正しい上記出力軸5の回転数または正しい回転数に1プラスされたものが求められることになるので問題はない。
しかし、例えばバックラッシュの影響により上記従動歯車の回転角度から算出された上記歯数番号N1、N2、N3にズレが生じ、これによって正しい上記出力軸5の回転数とは全く異なる回転数が算出されてしまう場合には補正を行う必要がある。すなわち、上記状態αと上記状態γが混在している場合は、上記歯数番号N1、N2、N3の整数部分までもが変動して、それらの組み合わせが正しい上記出力軸5の回転数とは全く異なる回転数を示すものとなってしまう可能性がある。そこで、上記状態α及び上記状態γの何れかを一方を示す上記歯数番号N1、N2、N3の整数部分を調整し、上記出力軸5の正しい回転数、又は、補正によって上記出力軸5の正しい回転数が求められるものを得ることができるようにしている。
なお、前述した上記歯数番号N1、N2、N3の補正は、上記出力軸5が図5中時計回り方向、すなわち、上記歯数番号N1、N2、N3が増加する方向に回転する場合について説明したものであるが、上記出力軸5が逆方向に回転された際も同様にして上記歯数番号N1、N2、N3の補正を行うことで、上記出力軸5の正しい回転数、または、正しい回転数から1をマイナスしたものが求められるものとなっている。
上記出力軸5が逆方向(上記歯数番号N1、N2、N3が減少する方向)に回転される場合は、上記出力軸5が状態αで停止・固定された場合に上記歯数番号N1、N2、N3の補正を行う必要が生じる場合がある。すなわち、バックラッシュによって、上記歯数番号N1、N2、N3の一部が上記状態αから一つ前の歯数番号の状態γになってしまうことが懸念され、その際に、上記歯数番号N1、N2、N3の補正が必要となるものである。また、この補正によって正しい回転数から1をマイナスしたものが求められた場合には、後述する補正によって正しい回転数が求められる。
X1×Q1+N1′=X2×Q2+N2′=X3×Q3+N3′―――(4)
但し、
X1:第1従動歯車15aの回転数
Q1:第1従動歯車15aの歯数
X2:第2従動歯車15bの回転数
Q2:第2従動歯車15bの歯数
X3:第3従動歯車15cの回転数
Q3:第3従動歯車15cの歯数
ここで、上記主動歯車13と歯数が同じである第1従動歯車15aの回転数であるX1の整数解を求めれば、必要な場合はこのX1に対して後述する回転数の補正を行うことで、上記主動歯車13の正確な回転数ひいては出力軸5の正確な回転数を算出することができる。言い換えれば、上記主動歯車13と第1従動歯車15aの歯数が同じでなければ、上記式(4)によって上記出力軸5の回転数を求めることができない。
このような、上記歯数番号N1、上記歯数番号N2、上記歯数番号N3を求め、上記出力軸5の回転数を算出するまでの演算は、例えば、多回転モジュール9の基板21に実装されたCPUによって行われる。
前述したように、上記歯数番号N1、N2、N3の補正を行ってから上記出力軸5の回転数を求めると、実際の上記出力軸5の回転数が切り替わる直前及び直後の場合(上記出力軸5がちょうど1回転する境界付近の回転角度となっている場合)において、前述のように算出された上記出力軸5(上記主動歯車13)の回転数が実際の上記出力軸5の回転数に1プラスされたもの、または、実際の上記出力軸5の回転数に1マイナスされたものとなる可能性がある。
そこで、以下のようにして、前述のように算出された上記出力軸5(上記主動歯車13)の回転数を補正する。
そして、上記N1′が0や最大番号(例えば、図7の表に示す場合においては4)ではない場合、すなわち、上記出力軸5の回転数が切り替わる直前及び直後の状態とはなっていない場合は補正を行わず、上記回転数X1をそのまま上記出力軸5の回転数として採用する。
また、上記歯数番号N1′が0であり、回転角度θ0が0°以上である場合は、算出された上記出力軸5の回転数が切り替わった直後であり、上記単回転アブソリュートエンコーダ7によって測定された上記回転角度θ0も上記出力軸5の回転数が切り替わった直後であることを示しているので、補正を行わず、上記回転数X1をそのまま上記出力軸5の回転数として採用する。
また、上記歯数番号N1′が最大番号(例えば、図7の表に示す場合においては4)であって、回転角度θ0が0°以上である場合は、算出された上記出力軸5の回転数が切り替わる直前であるが、上記単回転アブソリュートエンコーダ7によって測定された上記回転角度θ0は上記出力軸5の回転数が切り替わった直後であることを示しているので、上記回転数X1を1プラスする補正を行い、上記出力軸5の回転数として補正後の上記回転数X1を採用する。
また、上記歯数番号N1′が最大番号(例えば、図7の表に示す場合においては4)であっても、回転角度θ0が360°未満である場合は、算出された上記出力軸5の回転数が切り替わる直前であり、上記単回転アブソリュートエンコーダ7によって測定された上記回転角度θ0も上記出力軸5の回転数が切り替わる直前であることを示しているので、補正を行わず、上記回転数X1をそのまま上記出力軸5の回転数として採用する。
すなわち、算出された上記出力軸5の回転数の補正とは、算出された上記出力軸5の回転数の補正を、実際に測定された上記出力軸5の回転角度にあわせて補正しているものである。
また、このようにして、上記出力軸5の回転数は多回転モジュール9によって機械的に記憶されており、コントローラ11の電源をオフにしても、バッテリーバックアップメモリを用いることなく次に電源をオンにした際に再現されることとなる。
まず、1つの主動歯車13に第1従動歯車15a、第2従動歯車15b、及び、第3従動歯車15cがそれぞれ直接噛合される構成となっているので、従動歯車を連ねた構成とした場合にみられるバックラッシュの累積が発生しない。そのため、上記第1従動歯車15a、上記第2従動歯車15b、及び、上記第3従動歯車15cにおけるバックラッシュによる回転角度の誤差を大幅に低減することができるので、上記第1従動歯車15a、上記第2従動歯車15b、及び、上記第3従動歯車15cの歯数が多い場合であってもその回転角度に基づいて歯数番号N1、N2、N3ひいては歯数番号N1′、N2′、N3′を正確に算出することができる。これにより上記第1従動歯車15a、上記第2従動歯車15b、及び、上記第3従動歯車15cの歯を所望の数だけ設けることができるので、出力軸5の回転数を十分に記憶するために必要な上記歯数番号N1′、N2′、N3′の組み合わせをより少ない数の(本実施の形態では3つの)上記従動歯車(第1従動歯車15a、第2従動歯車15b、第3従動歯車15c)によって確保することができる。
また、全ての上記従動歯車は上記主動歯車13のみに噛合されているので、バックラッシュ等による歯数番号N1、N2,N3のズレが積み重なるようなことがないとともに、全ての上記従動歯車と上記主動歯車13との噛合状態は略同じ、すなわち、バックラッシュ等による上記歯数番号N1、N2,N3のズレがなければ全ての上記歯数番号N1、N2,N3は前述の状態α、状態β、状態γの何れかの状態に揃っているので、その補正が容易であるとともに、信頼性の高い上記出力軸5の回転数の算出を行うことができる。
また、全ての上記従動歯車は上記主動歯車13のみに噛合されているので、個々の上記従動歯車の負荷モーメントは個々の上記従動歯車自身による回転抵抗のみであり小さなものとなっている。そのため、上記従動歯車および上記主動歯車13の耐摩耗性能が高くなり、上記多回転アブソリュートロータリーエンコーダ1の信頼性が高いものとなっている。
また、上記出力軸5が一回転する境界に位置する場合においては、単回転アブソリュートエンコーダ7によって得られた上記出力軸5の回転角度を参照して、上記歯数番号N1′、上記歯数番号N2′、上記歯数番号N3′の組み合わせから算出された上記出力軸5の回転数の補正を行うため、上記出力軸5の正確な回転数を算出することができる。また、このとき、上記主動歯車13と上記第1従動歯車15aの歯数は同一であるため、上記第1従動歯車15aの回転が上記主動歯車13の回転に対応し、上記第1従動歯車15aが上記主動歯車13と噛合されている歯の歯数番号N1′を用いることで、容易に上記出力軸5が一回転する境界に位置するかどうかを判定することができる。
また、上記多回転モジュール9の上記第1従動歯車15a、上記第2従動歯車15b、上記第3従動歯車15cによって機械的に上記出力軸5の回転数が記憶されることになるため、電源オフの状態とした場合であっても、バッテリーバックアップメモリを用いることなく上記出力軸5の回転数を記憶させることができる。
また、永久磁石19a、19b、19cは、サマリウムコバルト製であるため、温度に対する安定性が良好である。
また、上記永久磁石19a、19b、19cの回転による磁界強度の変化を検出する磁気センサ23a、23b、23cを用いているため、これら磁気センサは安価で小型且つ薄型のものであり、このことによっても、上記多回転モジュール9、ひいては、上記多回転アブソリュートロータリーエンコーダ1を小型化・薄型化、低コスト化することができる。
例えば、従動歯車の個数は、複数であれば様々な場合が考えられる。上記従動歯車の個数を増やせば、その分だけ大きな出力軸5の回転数を多回転モジュール9に記憶させることができる。
また、各部材の材質についても様々な場合が考えられる。例えば、第1従動歯車15a、第2従動歯車15b、第3従動歯車15cについても金属製とすることや、全ての歯車を樹脂製とすることも考えられる。また、永久磁石19a、19b、19cとして、例えば、ネオジウム磁石やアルニコ磁石などを用いることも考えられる。
また、単回転アブソリュートエンコーダ7及び多回転モジュール9の位置も、前述した一実施の形態の場合に限定されない。すなわち、上記多回転モジュール9を出力軸5の先端側に設置することも考えられる。
特に、上記主動歯車13の歯数を上記第1従動歯車15aの歯数の整数倍、もしくは、上記第1従動歯車15aの歯数を上記主動歯車13の歯数の整数倍にすると、上記出力軸5の回転数の算出も容易である。また、このような場合でも、上記出力軸5の回転数が切り替わる境界では、上記第1従動歯車15aが上記主動歯車13と噛合される歯の歯数番号が必ず「0」又は最大値となる。そのため、単回転アブソリュートエンコーダ7から得られた回転角度を参照して、算出された上記出力軸5の回転数の補正を同様にして容易に行うことができる。
また、歯数番号N1、N2、N3の算出・補正及び上記出力軸5の回転数の算出を上記コントローラ11側で行うことも考えられる。
5 出力軸
7 単回転アブソリュートエンコーダ
9 多回転モジュール
13 主動歯車
15a 第1従動歯車
15b 第2従動歯車
15c 第3従動歯車
19a 永久磁石
19b 永久磁石
19c 永久磁石
23a 磁気センサ
23b 磁気センサ
23c 磁気センサ
Claims (9)
- モータの出力軸に設けられ上記出力軸の回転角度を検出する単回転アブソリュートエンコーダと、
上記出力軸に設けられ上記出力軸に固着された一つの主動歯車と上記主動歯車に直接噛合される複数の従動歯車と上記複数の従動歯車の回転角度をそれぞれ検出するセンサとからなる多回転モジュールと、を具備し、
上記従動歯車に形成された歯のそれぞれには番号が割り当てられており、
上記センサにより検出される回転角度から上記主動歯車と噛合している上記複数の従動歯車の歯の番号をそれぞれ算出し、
算出された上記主動歯車と噛合している上記複数の従動歯車の歯の番号の組み合わせから上記出力軸の回転数を算出するようにしたことを特徴とする多回転アブソリュートロータリーエンコーダ。 - 請求項1記載の多回転アブソリュートロータリーエンコーダにおいて、
3個以上の上記従動歯車が上記主動歯車に噛合されていることを特徴とする多回転アブソリュートロータリーエンコーダ。 - 請求項2記載の多回転アブソリュートロータリーエンコーダにおいて、
上記主動歯車の歯数が上記複数の従動歯車のうち最も歯数が多い従動歯車の歯数以上であることを特徴とする多回転アブソリュートロータリーエンコーダ。 - 請求項2記載の多回転アブソリュートロータリーエンコーダにおいて、
上記3個以上の従動歯車のうちの一の従動歯車の歯数が上記主動歯車の歯数の整数倍、もしくは、上記主動歯車の歯数が上記一の従動歯車の歯数の整数倍となっていることを特徴とする多回転アブソリュートロータリーエンコーダ。 - 請求項2記載の多回転アブソリュートロータリーエンコーダにおいて、
個々の上記従動歯車について算出された上記主動歯車と噛合されている上記従動歯車の歯の番号が切り替わる直前又は切り替わった直後となっているか否かを判定し、直前となっている従動歯車と直後となっている従動歯車の両方がある場合に直前又は直後となっている上記従動歯車の何れか一方の上記算出された歯の番号を直前又は直後となっている上記従動歯車の何れか他方の上記算出された歯の番号に合わせる補正を行い、直前となっている従動歯車と直後となっている従動歯車の何れか一方しかない場合及びその両方がない場合には補正を行わないことを特徴とする多回転アブソリュートロータリーエンコーダ。 - 請求項2記載の多回転アブソリュートロータリーエンコーダにおいて、
個々の上記従動歯車には永久磁石が固着されており、
上記永久磁石は上記従動歯車の直径方向に着磁されており、
上記センサは磁気センサであり上記従動歯車が回転する際の上記永久磁石による磁界強度の変化により上記従動歯車の回転角度を検出するものであることを特徴とする多回転アブソリュートロータリーエンコーダ。 - 請求項2記載の多回転アブソリュートロータリーエンコーダにおいて、
上記主動歯車は金属製であるとともに上記従動歯車は樹脂製であることを特徴とする多回転アブソリュートロータリーエンコーダ。 - 請求項1記載の多回転アブソリュートロータリーエンコーダにおいて、
上記算出された出力軸の回転数を上記出力軸の回転角度と上記複数の従動歯車のうちの一の従動歯車の上記主動歯車と噛合している歯の番号を参照して補正することを特徴とする多回転アブソリュートロータリーエンコーダ。 - 請求項8記載の多回転アブソリュートロータリーエンコーダにおいて、
上記一の従動歯車の歯数が上記主動歯車の歯数と同じであることを特徴とする多回転アブソリュートロータリーエンコーダ。
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