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JP5867687B2 - 画像処理装置および画像処理プログラム - Google Patents

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Description

本発明は、画像処理装置および画像処理プログラムに関するものである。
出力装置に画像を出力する場合、与えられた描画情報に従って出力画像の解像度でオブジェクトの描画処理を行い、描画された出力画像に対して空間周波数処理を含む各種の画像処理を施して出力している。与えられるオブジェクトとして、例えば写真や読取装置で読み取った画像などのイメージのオブジェクトの場合がある。与えられるイメージのオブジェクトの解像度は様々であり、描画の際に解像度変換を行う。上述のように描画後の出力画像に対して空間周波数処理を行うため、与えられたイメージのオブジェクトの解像度を考慮せずに空間周波数処理を行うことになる。そのため、もとの解像度が出力解像度よりも低く、描画の際に拡大した場合には、拡大の際に生じる画質の劣化が強調されてしまう場合がある。解像度変換の手法として、周囲の画像との類似性をもとに解像度変換を行う超解像度変換と呼ばれる手法も利用され、画質の劣化は従来の拡大手法に比べて減少しているが、この手法を用いた場合でも空間周波数処理によって過補正となる場合がある。
空間周波数処理を行う従来技術としては、例えば特許文献1に記載の技術がある。この特許文献1には、画像を縮小する際に画素の平均値を算出することによるボケを補正するために、縮小率に応じた強度でエッジ強調処理を行うことが記載されている。この特許文献1に記載されている技術も、上述の画像全体に対して処理を施すものである。
特開2007−156547号公報
本発明は、出力画像が最適な鮮鋭度を持つ画像となるように空間周波数処理を行うことができる画像処理装置および画像処理プログラムを提供することを目的とするものである。
本願請求項1に記載の発明は、与えられたオブジェクトの種類を判定する判定手段と、前記判定手段でイメージと判定されたオブジェクトについて該オブジェクトの解像度を出力画像の解像度に変換する解像度変換手段と、前記解像度変換手段による解像度変換後のオブジェクトに対してオブジェクトの解像度変換前の解像度と出力画像の解像度の比に応じた空間周波数処理を行うオブジェクト処理手段と、前記オブジェクト処理手段により空間周波数処理が行われたオブジェクトに従って前記出力画像を生成する生成手段を有することを特徴とする画像処理装置である。
本願請求項2に記載の発明は、本願請求項1に記載の発明における前記オブジェクト処理手段が、前記解像度変換後のオブジェクトの解像度変換前の解像度と出力画像の解像度の比に応じて空間周波数処理の周波数帯域を変更することを特徴とする画像処理装置である。
本願請求項3に記載の発明は、本願請求項1または請求項2に記載の発明における前記オブジェクト処理手段が、前記解像度変換後のオブジェクトの解像度変換前の解像度と出力画像の解像度の比に応じて、空間周波数処理の強度を変更することを特徴とする画像処理装置である。
本願請求項4に記載の発明は、本願請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の発明における前記オブジェクト処理手段が、解像度変換されたオブジェクトの解像度変換前の解像度により出力画像の解像度を除算した値が予め決められた第1の値以下の場合には、当該オブジェクトに対しては空間周波数処理を行わないことを特徴とする画像処理装置である。
本願請求項5に記載の発明は、本願請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の発明における前記オブジェクト処理手段が、解像度変換されたオブジェクトの解像度変換前の解像度により出力画像の解像度を除算した値が予め決められた第2の値以上の場合には、当該オブジェクトに対しては空間周波数処理を行わないことを特徴とする画像処理装置である。
本願請求項6に記載の発明は、本願請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の発明の構成に、さらに、前記生成手段で生成された出力画像に対して空間周波数処理を行う出力画像処理手段を有しており、前記生成手段は、前記オブジェクト処理手段から受け取ったイメージのオブジェクトに従って描画した領域について当該領域である旨を示す付加情報を付して前記出力画像処理手段へ前記出力画像を渡し、前記出力画像処理手段は、前記付加情報が前記領域である旨を示している部分について空間周波数処理を行わないことを特徴とする画像処理装置である。
本願請求項7に記載の発明は、コンピュータに、請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の画像処理装置の機能を実行させるものであることを特徴とする画像処理プログラムである。
本願請求項1に記載の発明によれば、イメージのオブジェクトについてもとのオブジェクトの解像度によらず出力画像が最適な鮮鋭度を持つ画像となるように空間周波数処理を行うことができるという効果がある。
本願請求項2に記載の発明によれば、それぞれのイメージのオブジェクトに対して最適な空間周波数処理を行うことができる。
本願請求項3に記載の発明によれば、それぞれのイメージのオブジェクトに対して最適な空間周波数処理を行うことができる。
本願請求項4に記載の発明によれば、縮小処理によって鮮鋭度が得られる場合の空間周波数処理を省略することができる。
本願請求項5に記載の発明によれば、拡大処理によって高周波成分が存在しない場合の空間周波数処理を省略することができる。
本願請求項6に記載の発明によれば、出力画像全体として最適な鮮鋭度を持つように空間周波数処理を行うことができる。
本願請求項7に記載の発明によれば、本願請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の発明の効果を得ることができる。
本発明の実施の一形態を示す構成図である。 本発明の実施の一形態における動作の一例を示す流れ図である。 空間周波数処理部で行う空間周波数処理の一例の説明図である。 空間周波数処理部で行う空間周波数処理の別の例の説明図である。 本発明の実施の一形態で説明した機能をコンピュータプログラムで実現した場合におけるコンピュータプログラム及びそのコンピュータプログラムを格納した記憶媒体とコンピュータの一例の説明図である。
図1は、本発明の実施の一形態を示す構成図である。図中、11は描画命令解釈部、12は色変換部、13は描画部、14は出力画像処理部、15は第1解像度変換部、16は色補正部、17は第2解像度変換部、18は空間周波数処理部、19は色空間変換部である。この例では、例えばPDL(Printer Description Language)と呼ばれる記述言語あるは他の記述言語などで記述された描画命令を受け取り、ラスタ形式の出力画像を出力するものとしている。描画命令によって1以上のオブジェクトの描画が指示され、指示された1以上のオブジェクトを描画処理して出力画像を生成する。オブジェクトにはいくつかの種類が存在し、その一つとしてイメージのオブジェクトがある。イメージのオブジェクトは、例えば写真画像や画像読取装置で読み取った画像、あるいはそれらを加工した画像、そのほかラスタ化された画像などが含まれる。イメージのオブジェクトには解像度の情報が付加されているものとする。
描画命令解釈部11は、描画命令を解釈し、描画部13において描画処理を行うための中間情報を作成する。その際に、描画するオブジェクトの種類を判定する判定手段としても機能し、それぞれのオブジェクトの種類に対応した処理を行うように切り替える機能も有している。この例では、オブジェクトの種類がイメージの場合には当該オブジェクトについて第1解像度変換部15から色空間変換部19の処理を行ってから描画部13に送られ、それ以外の種類のオブジェクトについては色変換部12を介して描画部13に送られるように構成した例を示している。もちろん、イメージのオブジェクトだけでなく、他の種類のオブジェクトについても、その種類に対応した処理が行われるように構成してもよい。
色変換部12は、この例ではイメージ以外の種類のオブジェクトについて、色修正や色空間変換など、色に関する種々の処理を行う。この処理は、描画前であることから、オブジェクトに対して指定されている色情報について行えばよい。
描画部13は、1以上のオブジェクトに従って出力画像を生成する。オブジェクトは、この例ではイメージ以外の種類のオブジェクトについては色変換部12から受け取り、イメージのオブジェクトについては色空間変換部19から受け取る。もちろん、イメージ以外の種類のオブジェクトについても種類に応じた処理を行っている場合には、各処理部から受け取ることになる。受け取ったオブジェクトについて出力画像上に描画し、出力画像を生成することになる。なお、イメージのオブジェクトについては、後述するように描画前にすでに空間周波数処理を終えているため、出力画像処理部14でさらなる空間周波数処理が行われないように、イメージのオブジェクトに従って描画した領域については当該領域である旨を示す付加情報を付して出力画像処理部14へ出力画像を渡す。もちろん、出力画像処理部14で空間周波数処理を行わない場合には付加情報を付さなくてもよい。
出力画像処理部14は、描画部13から渡される出力画像全体に対して空間周波数処理や階調補正処理などの各種の画像処理を行い、例えば画像形成装置を含む種々の出力装置へ渡す。空間周波数処理を行う場合には、描画部13から出力画像とともに渡された付加情報により、イメージのオブジェクトに従って描画した領域である旨が示されている部分については、すでに空間周波数処理が施されているので、この出力画像処理部14では空間周波数処理を行わない。この出力画像処理部14で空間周波数処理を行う場合の手法については、従来から行われている手法でよい。
第1解像度変換部15と第2解像度変換部17は、オブジェクトの種類がイメージと判定されたオブジェクトの解像度を出力画像の解像度に変換する。このうち第1解像度変換部15では、描画命令解釈部11でオブジェクトの種類がイメージと判定されたオブジェクトの解像度が出力画像の解像度よりも高い場合に、オブジェクトの解像度を出力画像の解像度に変換する。この解像度変換は縮小する変換であり、色補正部16の処理対象となる情報量を削減している。また、第2解像度変換部17では、イメージと判定されたオブジェクトの解像度が出力画像の解像度よりも低い場合に、オブジェクトの解像度を出力画像の解像度に変換する。この解像度変換は拡大する変換であり、拡大後に比べて情報量が少ないうちに色補正部16の処理を行っている。なお、この第1解像度変換部15と第2解像度変換部17により解像度変換手段を構成している。もちろん、いずれか一方において縮小および拡大の変換を行ってもよい。また、色補正部16を設けない場合には、第1解像度変換部15と第2解像度変換部17を一体として構成してもよい。解像度変換の方式は限定されないが、例えばバイ・キュービック法など、画質が保存される方法であるとよい。また拡大率によっては(例えば拡大率が後述する第2の値以上の場合には)、拡大処理としていわゆる超拡大法を用いて画質を維持してもよい。出力画像の解像度については、予め決められていてもよいし、描画命令により指示されてもよいし、外部から指定されてもよいし、利用者が図示しない操作手段から指示するなど、種々の方法により指定されてよい。
色補正部16は、イメージのオブジェクトについて色補正処理を行う。例えば白点調整、コントラスト補正、色温度変換、肌や空などの記憶色の調整など、種々の色に関する処理を行ってよい。それぞれの処理については従来から行われている手法を利用すればよく、ここでは説明を省略する。
空間周波数処理部18は、第1解像度変換部15または第2解像度変換部17により出力画像の解像度に変換されたイメージのオブジェクトに対して、そのオブジェクトの解像度変換前の解像度と出力画像の解像度の比、例えばイメージのオブジェクトの解像度変換前の解像度により出力画像の解像度を除算した値((出力画像の解像度)/(オブジェクトの解像度変換前の解像度)=拡大率)に応じた空間周波数処理を行う。例えば、拡大率が1より小さい予め決められた第1の値以下の場合、および、拡大率が1より大きい予め決められた第2の値以上の場合には、当該オブジェクトに対しては空間周波数処理を行わない。また、拡大率が第1の値より大きく第2の値よりも小さい場合には、一律の空間周波数処理を行うか、あるいは、拡大率に応じて周波数帯域を変更して空間周波数処理を行うとよい。
拡大率が第1の値以下の場合には、縮小処理により解像度変換前と比べて鮮鋭感が増していることから、空間周波数処理を行わなくてもかまわない。また、拡大率が第2の値以上の場合には、拡大処理によって解像度変換前と比べて高周波成分が減少しており、空間周波数処理による強調処理を行っても出力画像に反映されない場合があることから、空間周波数処理を行わなくてもよい。さらに、拡大率が第1の値より大きく第2の値よりも小さい場合に周波数帯域を変更する例としては、拡大率が大きいほど低い周波数帯域から強調するなどの方法がある。
色空間変換部19は、オブジェクトの色を表現する色空間を、出力画像の色空間へ変換する。色空間変換の手法としては、従来より用いられている手法でよい。なお、この色空間変換部19による色空間変換の際に色補正処理も行ってもよい。また、描画部13における描画処理の際に色空間変換を行ったり、色変換部12で行う色空間変換処理を共用してもよく、このような場合には、この色空間変換部19を設けずに構成してもよい。
図2は、本発明の実施の一形態における動作の一例を示す流れ図である。S21において、描画命令解釈部11は描画命令を解釈し、描画するオブジェクトの種類を判定する。この例では、オブジェクトの種類がイメージ以外の場合には、S22において色変換部12でオブジェクトに対して色修正や色空間変換などの各種の処理を行い、S33の描画処理へ進む。
一方、オブジェクトの種類がイメージであると判定された場合には、S23において、オブジェクトの解像度が出力画像の解像度よりも高いか否かを判定する。オブジェクトの解像度が出力画像の解像度よりも高い場合に、S24において、第1解像度変換部15でオブジェクトの解像度を出力画像の解像度に変換してS25へ進む。この解像度変換は縮小処理である。なお、オブジェクトの解像度が出力画像の解像度以下の場合には、第1解像度変換部15での解像度変換を行わずにS25へ進む。以降、オブジェクトの解像度は出力画像の解像度以下となっている。
S25において、色補正部16は、イメージのオブジェクトについて色補正処理を行う。例えば白点調整、コントラスト補正、色温度変換、肌や空などの記憶色の調整など、種々の色に関する処理を行う。
S26において、拡大率が1より大きい予め決められた第2の値以上であるか否かを判定する。拡大率は、ここではオブジェクトの解像度変換前の解像度により出力画像の解像度を除算した値であり、1より大きい場合に拡大することを示し、1より小さい場合に縮小することを示す。S26では、拡大率が第2の値以上となる拡大処理であるか否かを判定している。この判定で拡大率が第2の値以上であると判定された場合には、解像度変換(拡大処理)は行うが、この解像度変換処理によって解像度変換前と比べて高周波成分が減少し、空間周波数処理による強調処理を行っても出力画像に反映されない場合があることから、空間周波数処理を行わない。また、拡大率が1以上の場合にはS24における解像度変換の処理は行っていない。従って、S27において第2解像度変換部17でオブジェクトの解像度を出力画像の解像度に変換(拡大変換)し、空間周波数処理部18による空間周波数処理を行わずにS32へ進む。
拡大率が第2の値より小さい場合には、S28において、さらに拡大率が1より小さい予め決められた第1の値以下であるか否かを判定する。拡大率が第1の値以下である場合には、解像度変換(縮小処理)は行うが、その縮小処理により解像度変換前と比べて鮮鋭感が増していることから、空間周波数処理を行わない。また、拡大率が1より小さい場合の縮小処理は、すでにS24で行っている。従って、拡大率が第2の値より小さいと判定された場合には、そのままS32へ進む。
S28で拡大率が第1の値より大きいと判定された場合、すなわち拡大率が第2の値よりも小さく、第1の値よりも大きい場合には、S29において、オブジェクトの解像度が出力画像の解像度よりも低いか否か、すなわち拡大率が1より大きいか否かを判定する。オブジェクトの解像度が出力画像の解像度よりも高い場合については、すでにS24において解像度変換(縮小処理)を行っているので、そのままS31へ進む。オブジェクトの解像度が出力画像の解像度よりも低い場合には、S30において、第2解像度変換部17でオブジェクトの解像度を出力画像の解像度に変換(拡大処理)してS31へ進む。S24およびS30の解像度変換により、オブジェクトの解像度は出力画像の解像度に揃えられる。
S31において、空間周波数処理部18は拡大率に応じた空間周波数処理を行う。このS31で空間周波数処理を行うのは、拡大率が第1の値より大きく、第2の値よりも小さい場合である。この拡大率の範囲であれば、一律に空間周波数処理を行ってもよいし、拡大率に応じて周波数帯域を変更して空間周波数処理を行ってもよい。
S32において、色空間変換部19は、オブジェクトの色を表現する色空間を、出力画像の色空間へ変換する。
オブジェクトの種類がイメージ以外の場合にはS22の処理が行われ、またオブジェクトの種類がイメージの場合にはS32までの処理が行われたオブジェクトについて、S33において、描画部13は描画処理を行って出力画像を生成する。その際に、種類がイメージのオブジェクトを描画した出力画像の領域については、その旨を示す付加情報を付加しておく。
S34において、イメージのオブジェクトを描画した領域か否かを付加情報から判定し、イメージのオブジェクトを描画した領域以外については、S35において、出力画像処理部14は空間周波数処理を行い、S36へ進む。この場合の空間周波数処理は、オブジェクトの種類によらず、共通した処理を出力画像に対して行う。ただし、イメージのオブジェクトを描画した領域については、S35における空間周波数処理を行わずにS36へ進み、重複した空間周波数処理を防ぐ。S36では、出力画像処理部14は空間周波数処理以外の種々の画像処理を行い、出力画像を出力する。
S31において空間周波数処理部18で行う拡大率に応じた空間周波数処理についてさらに説明する。図3は、空間周波数処理部で行う空間周波数処理の一例の説明図である。ここでは、空間周波数処理の一例として高周波強調フィルタを用いた場合の周波数特性を示している。図中、aは拡大率が1の場合、bは拡大率が2の場合、cは拡大率が3の場合、dは拡大率が0.75の場合の周波数特性の一例をそれぞれ示している。
解像度変換により拡大する場合、拡大処理によって拡大率が高くなるほど高周波成分は減少し、高周波成分に対する強調の効果は少なくなってしまう。そのため、例えば図3に拡大率が1の場合に周波数特性aにより空間周波数処理を行うとすると、拡大率が高くなるにつれて、周波数特性b、cとして示すように、より低周波領域から強調を行うような周波数特性の高周波強調フィルタを用いて空間周波数処理を行えばよい。
逆に、解像度変換により縮小する場合には、縮小処理によって拡大率が小さくなるほど高周波成分は増加し、高周波成分に対する強調の効果は大きくなる。そのため、例えば図3に拡大率が1の場合に周波数特性aにより空間周波数処理を行うとすると、拡大率が小さくなるにつれて、周波数特性dとして示すように、より高周波領域で強調を行うような周波数特性の高周波強調フィルタを用いて空間周波数処理を行えばよい。
図3に示した例では強度(ゲイン)については変更していないが、拡大、縮小のいずれの場合についても、拡大率に従って強度を変更するように構成してもかまわない。
図4は、空間周波数処理部で行う空間周波数処理の別の例の説明図である。ここでは、空間周波数処理の一例として中周波強調/高周波抑制フィルタを用いた場合の周波数特性を示している。この空間周波数処理では、中周波を強調して鮮鋭度および立体感を出すとともに、高周波を抑制して雑音成分を強調することを防いでいる。図中、aは拡大率が1の場合を、bは拡大率が2の場合を、cは拡大率が3の場合の周波数特性の一例をそれぞれ示している。
解像度変換により拡大する場合、拡大処理による拡大率が高くなるほど高周波成分は減少し、雑音成分が抑制される。従って、拡大率が高くなるほど高周波成分の抑制は行わなくてもよくなる。そのため、例えば図4に拡大率が1の場合に周波数特性aにより空間周波数処理を行うとすると、拡大率が高くなるにつれて、周波数特性b、cとして示すように、高周波の抑制を緩めた周波数特性の中周波強調/高周波抑制フィルタを用いて空間周波数処理を行えばよい。
逆に、解像度変換により縮小する場合には、縮小処理によって拡大率が小さくなるほど高周波成分は増加するが、雑音成分の強調防止という意味では増加した高周波成分も抑制の対象とするとよい。そのため、縮小の場合には、例えば図3に拡大率が1の場合に周波数特性aにより空間周波数処理を行えばよい。もちろん、縮小する場合についても別の周波数特性を設定してもよく、例えば拡大率が小さくなるほど抑制する周波数を高くする、などの設定を行ってもよい。
図4に示した例では強調する中周波成分については変更していないが、拡大率が高くなるに従って強調する中周波成分の周波数を低くし、拡大率が低くなるに従って強調する中周波成分の周波数を高くしてもよい。また、図4に示した例では強度(ゲイン)については変更していないが、拡大、縮小のいずれの場合についても、拡大率に従って中周波成分に対する強度を変更するように構成してもかまわない。
図3に示した高周波強調フィルタ、図4に示した中周波強調/高周波抑制フィルタは、いくつか用意しておいて拡大率により選択するか、あるいは、拡大率に応じて強調を開始する周波数を変更し、その周波数特性となるフィルタの係数を算出して使用してもよい。
このような拡大率に対応した空間周波数処理を、オブジェクトの種類がイメージのそれぞれのオブジェクトに対して行う。従って、それぞれのオブジェクトの解像度が異なっている場合でも、各オブジェクトの解像度に応じた空間周波数処理が施されることになる。
図5は、本発明の実施の一形態で説明した機能をコンピュータプログラムで実現した場合におけるコンピュータプログラム及びそのコンピュータプログラムを格納した記憶媒体とコンピュータの一例の説明図である。図中、41はプログラム、42はコンピュータ、51は光磁気ディスク、52は光ディスク、53は磁気ディスク、54はメモリ、61はCPU、62は内部メモリ、63は読取部、64はハードディスク、65はインタフェース、66は通信部である。
上述の本発明の実施の一形態で説明した各部の機能を全部あるいは部分的に、コンピュータに実行させるプログラム41によって実現してもよい。その場合、そのプログラム41およびそのプログラムが用いるデータなどは、コンピュータが読み取る記憶媒体に記憶させておけばよい。記憶媒体とは、コンピュータのハードウェア資源に備えられている読取部63に対して、プログラムの記述内容に応じて、磁気、光、電気等のエネルギーの変化状態を引き起こして、それに対応する信号の形式で、読取部63にプログラムの記述内容を伝達するものである。例えば、光磁気ディスク51,光ディスク52(CD、DVDなどを含む)、磁気ディスク53,メモリ54(ICカード、メモリカード、フラッシュメモリなどを含む)等である。もちろんこれらの記憶媒体は、可搬型に限られるものではない。
これらの記憶媒体にプログラム41を格納しておき、例えばコンピュータ42の読取部63あるいはインタフェース65にこれらの記憶媒体を装着してコンピュータからプログラム41を読み出し、内部メモリ62またはハードディスク64(磁気ディスクやシリコンディスクなどを含む)に記憶し、CPU61によってプログラム41を実行することによって、上述の本発明の実施の一形態で説明した機能が全部あるいは部分的に実現される。あるいは、通信路を介してプログラム41をコンピュータ42に転送し、コンピュータ42では通信部66でプログラム41を受信して内部メモリ62またはハードディスク64に記憶し、CPU61によってプログラム41を実行することによって実現してもよい。
コンピュータ42には、このほかインタフェース65を介して様々な装置と接続してもよい。例えば出力画像処理部14から出力される出力画像を形成する画像形成手段がインタフェース65を介して接続されていてよい。もちろん、部分的にハードウェアによって構成してもよいし、全部をハードウェアで構成してもよい。あるいは、他の構成とともに本発明の実施の一形態で説明した機能の全部あるいは部分的に含めたプログラムとして構成してもよい。他の用途に適用する場合についても、その用途におけるプログラムと一体化してもよい。
11…描画命令解釈部、12…色変換部、13…描画部、14…出力画像処理部、15…第1解像度変換部、16…色補正部、17…第2解像度変換部、18…空間周波数処理部、19…色空間変換部、41…プログラム、42…コンピュータ、51…光磁気ディスク、52…光ディスク、53…磁気ディスク、54…メモリ、61…CPU、62…内部メモリ、63…読取部、64…ハードディスク、65…インタフェース、66…通信部。

Claims (7)

  1. 与えられたオブジェクトの種類を判定する判定手段と、前記判定手段でイメージと判定されたオブジェクトについて該オブジェクトの解像度を出力画像の解像度に変換する解像度変換手段と、前記解像度変換手段による解像度変換後のオブジェクトに対してオブジェクトの解像度変換前の解像度と出力画像の解像度の比に応じた空間周波数処理を行うオブジェクト処理手段と、前記オブジェクト処理手段により空間周波数処理が行われたオブジェクトに従って前記出力画像を生成する生成手段を有することを特徴とする画像処理装置。
  2. 前記オブジェクト処理手段は、前記解像度変換後のオブジェクトの解像度変換前の解像度と出力画像の解像度の比に応じて空間周波数処理の周波数帯域を変更することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  3. 前記オブジェクト処理手段は、前記解像度変換後のオブジェクトの解像度変換前の解像度と出力画像の解像度の比に応じて、空間周波数処理の強度を変更することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の画像処理装置。
  4. 前記オブジェクト処理手段は、解像度変換されたオブジェクトの解像度変換前の解像度により出力画像の解像度を除算した値が予め決められた第1の値以下の場合には、当該オブジェクトに対しては空間周波数処理を行わないことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の画像処理装置。
  5. 前記オブジェクト処理手段は、解像度変換されたオブジェクトの解像度変換前の解像度により出力画像の解像度を除算した値が予め決められた第2の値以上の場合には、当該オブジェクトに対しては空間周波数処理を行わないことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の画像処理装置。
  6. さらに、前記生成手段で生成された出力画像に対して空間周波数処理を行う出力画像処理手段を有しており、前記生成手段は、前記オブジェクト処理手段から受け取ったイメージのオブジェクトに従って描画した領域について当該領域である旨を示す付加情報を付して前記出力画像処理手段へ前記出力画像を渡し、前記出力画像処理手段は、前記付加情報が前記領域である旨を示している部分について空間周波数処理を行わないことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の画像処理装置。
  7. コンピュータに、請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の画像処理装置の機能を実行させるものであることを特徴とする画像処理プログラム。
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