JP5851687B2 - エクオールの製造方法、エクオール産生組成物、食品、食品添加物及び医薬品 - Google Patents
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Description
本実施の形態におけるエクオールの製造方法は、イソフラボン類を含む培地に、β−シクロデキストリンまたはβ−シクロデキストリン誘導体またはγ−シクロデキストリンと曇り点が50℃以上、好ましくは60℃以上100℃以下、更に好ましくは70℃以上100℃以下の界面活性剤とを添加し、エクオール生産能を有する偏性嫌気性微生物の一種を作用させる製造方法である。
受託番号は、当該嫌気性微生物が、それぞれ次の寄託機関に寄託されていることを示す。
FERM:特許生物寄託センター;International Patent Organism Depositary (IPOD)(http://unit.aist.go.jp/pod/ci/index.htmL)
ATCC:American Type Culture Collection
DSM:Deutsche SammLung von Mikroorganismen und Zellkulturen GmbH
本実施の形態におけるエクオール産生組成物は、と、エクオール生産能を有する偏性嫌気性微生物の一種と、β−シクロデキストリンまたはβ−シクロデキストリン誘導体またはγ−シクロデキストリンと、エクオール生産能を有する偏性嫌気性微生物の一種と、曇り点が50℃以上、好ましくは60℃以上100℃以下、更に好ましくは70℃以上100℃以下の界面活性剤と、を含む。
本実施の形態における食品、食品添加物または医薬品は、上述したエクオール産生組成物と、エクオールとを含む。
培養液0.5mLに対し、酢酸エチル1.5mLを加えて、激しく攪拌した後、3000rpmで10秒遠心し、酢酸エチル層をパスツールピペットで可能な限り取り出した。同培養液に同様の操作をあと2回行い、それら酢酸エチル層を合わせてエクオール抽出液を得た。この抽出液をエバポレーターで減圧下に濃縮、乾固し、1.0mLのメタノールに溶解させた。これを0.45μmのポリテトラフルオロエチレン(PTFE)膜で濾過し、不溶物を除去したものを高速液体クロマトグラフィー測定サンプルとした。
カラム:Phenomenox Luna 5uC18,2.0mm×150mm(島津ジーエルシー)
移動相:水/メタノール[55:45,v/v]
流速:0.2mL/min
カラム温度:40℃
検出:UV280nm
保持時間:ジヒドロダイゼインが13.8分、ダイゼインが19.6分、グリシテインが22.5分、エクオールが25.6分、ゲニステインが35.0分である。
GAMブイヨン培地(日水製薬製)5.9gとL−アルギニン塩酸塩1.21g(培地に対してアルギニンで1%)を純水100mLに溶かし、炭酸ガスを通じながら10.0 mLずつ嫌気性菌培養用100mLバイヤルビン(株式会社エルエム製)に分注し、ブチルゴム栓、アルミキャップをして115℃、15分間滅菌した。この培地に−80℃凍結保存していたアサッカロバクター・セラツス(Asaccharobacter celatus)DSM 18785株を0.2mL植菌し、無菌フィルターを通した水素/炭酸ガス(4:1,vol/vol)で気相を3分間以上置換した後、37℃、200spmで16時間振とう培養を行った。
GAMブイヨン+1%アルギニン培地に表3に示す組成になるようにAglyMax−30、シクロデキストリン、Tween 20を加えた培地を調製し(ダイゼインとシクロデキストリンは等モルになるよう添加した)115℃、15分間滅菌した。実施例1と同様にして培養した種培養液をそれぞれ0.1mLずつ植菌し、水素/炭酸ガス(4:1,vol/vol)で無菌的に3分間以上置換した後、37℃、200spmの条件で振とう培養を行った。21,50時間後、培養液を取り出し、高速液体クロマトグラフィーにより生成したEQLを定量した。結果を表4に示す。
GAMブイヨン+1%アルギニン培地に表5に示す組成になるようにAglyMax−30、β−シクロデキストリン、グルコシル−β−シクロデキストリン、マルトシル−β−シクロデキストリン、Tween 20を加えた培地を調製し(ダイゼインとシクロデキストリン類は等モルになるよう添加した)115℃、15分間滅菌した。実施例1と同様にして培養した種培養液をそれぞれ0.1mLずつ植菌し、水素/炭酸ガス(4:1,vol/vol)で無菌的に3分間以上置換した後、37℃、200spmの条件で振とう培養を行った。50時間後、培養液を取り出し、高速液体クロマトグラフィーにより生成したEQLを定量した。結果を表6に示す。
予め115℃、15分間滅菌したイソフラボンアグリコン35g/L、β−シクロデキストリン 32.9g/L、Tween 20 1g/Lを含むGAMブイヨン+1%アルギニン培地に、実施例1と同様にして培養したこの種培養液を0.1mL植菌し、水素/炭酸ガス(4:1,vol/vol)で無菌的に3分間以上置換した後、37℃、200spmの条件で振とう培養を行った。76時間後、培養液を取り出し、高速液体クロマトグラフィーにより生成したエクオールを定量した。その結果、5.83g/LのEQLが生成していた。なお、実施例6〜9と同様にイソフラボンアグリコンはニチモウバイオテックス社製Aglymax−30を用いた。
β−シクロデキストリン、Tween 20同時添加によるDAI溶解度の変化:
特開2010−187647号公報には、Tween添加によってDAI溶解量が増加し、それゆえEQL生成量も増加した旨が記載されている。このことを確かめるため、本培地におけるDAI溶解度を測定した。Tween 20 1g/L添加あるいは無添加の試薬DAI 7.4 g/Lまたはイソフラボンアグリコン Aglymax−30 25g/L、b−シクロデキストリン 22.7g/L、を含む10mLのGAMブイヨン+1%アルギニン培地をそれぞれ調製し、115℃、15分間滅菌した。室温に冷却後、培地を取り出し、遠心分離にて上清を分離し、上清中のDAIを高速液体クロマトグラフィーにより定量した。
Claims (7)
- イソフラボン類を含む培地に、β−シクロデキストリンまたはβ−シクロデキストリン誘導体またはγ−シクロデキストリンと、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウラート、ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミタート、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアラートおよびポリオキシエチレンソルビタンモノオレアートからなる群のエステルエーテル型非イオン界面活性剤から選択される少なくとも一種である界面活性剤とを添加し、エクオール生産能を有する偏性嫌気性微生物の単一種を作用させることを特徴とするエクオールの製造方法であって、
前記偏性嫌気性微生物はアサッカロバクター(Asaccharobacter)属である、製造方法。 - 前記界面活性剤の添加量が0.01〜1.0質量/容量%である請求項1に記載のエクオールの製造方法。
- 前記イソフラボン類は、イソフラボン、イソフラボンアグリコン、ダイゼイン配糖体、ダイゼイン、ジヒドロダイゼインからなる群から選択される少なくとも一種であることを特徴とする請求項1または2に記載のエクオールの製造方法。
- イソフラボン類と、エクオール生産能を有する偏性嫌気性微生物の単一種と、β−シクロデキストリンまたはβ−シクロデキストリン誘導体またはγ−シクロデキストリンと、エクオール生産能を有する偏性嫌気性微生物の一種と、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウラート、ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミタート、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアラートおよびポリオキシエチレンソルビタンモノオレアートからなる群のエステルエーテル型非イオン界面活性剤から選択される少なくとも一種である界面活性剤と、を含み、
前記偏性嫌気性微生物はアサッカロバクター(Asaccharobacter)属であることを特徴とするエクオール産生組成物。 - 前記イソフラボン類は、イソフラボン、イソフラボンアグリコン、ダイゼイン配糖体、ダイゼイン、ジヒドロダイゼインからなる群から選択される少なくとも一種であることを特徴とする請求項4に記載のエクオール産生組成物。
- 請求項4または請求項5に記載のエクオール産生組成物と、エクオールとを含む食品、食品添加物。
- 請求項4または請求項5に記載のエクオール産生組成物と、エクオールとを含む医薬品。
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