JP5842602B2 - 曲面ディスプレイ - Google Patents
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Description
このようなフラットディスプレイは一般に、画像を表示するために素子をガラスなどの基板上に形成することによって作製されている。そして、このディスプレイに、走査信号、映像信号、電源等を供給するプリント配線基板が、フレキシブル配線板を介して接続されて、表示装置が構成されている。ここで、複数のプリント配線基板は、パネルの縁から、複数のフレキシブル配線板を介して、延出されている。
このような曲面ディスプレイは、湾曲したパネルが、湾曲したバックプレートやフェースプレートによって保持された構造であって、いろいろな設置場所において省スペースに設置することができる。例えば、表示面が凸状の曲面ディスプレイの場合、円柱の凸面(外周面)に巻きつけたり(図11(a)参照)、表示面が凹状の曲面ディスプレイの場合は、車内のコーナー部分に沿って設置するのに適している(図11(b),(c)参照)。
例えば、湾曲したパネルの湾曲する辺の横に、プリント配線基板を一平面上に配列し、パネルの湾曲する辺からフレキシブル配線板を介してそのプリント配線基板に接続した場合、フレキシブル配線板でつながれるパネルとプリント配線基板との間隔が、パネル中央部と端部とで異なる。その上、フレキシブル配線板が平面状のプリント配線基板と湾曲したパネルとを接続することになるので、フレキシブル配線板がねじれてパネルに部分的に歪力がかかりやすい。
この構成によれば、プリント配線基板を湾曲せず設置できるため、パネルが割れるリスクも低減できるが、プリント配線基板を、パネルに対して垂直な方向に設置しているため、ディスプレイの厚みはプリント配線基板の幅(例えば約30mm)以上となり、厚みの薄い曲面ディスプレイとすることはできない。またコーナー部に設置するのにも不向きである。
本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであって、曲面ディスプレイにおいて、凸面やコーナー部に配置するのに適し、且つ、プリント配線基板にかかる応力やパネルにかかる歪を低減でき、パネルの端部と中央部とで輝度のばらつきが生じにくいものを提供することを目的とする。
従って、プリント配線基板にかかる応力を低減することができ、パネル部の端部と中央部とでの輝度のばらつきも生じにくい。
上記曲面ディスプレイにおいて、保持部は、パネル貼付面が形成されている部分を、湾曲した板体で形成し、基板貼付面が形成されている部分を、多角形状に折れ曲がった板体で形成すれば、容易に形成できる。
これによって、複数の各プリント配線基板は、パネル部の背面側に配置されるので、曲面ディスプレイの全体面積の中でプリント配線基板の占める面積を小さくすることができ、表示面の占める割合を大きくできる。
あるいは、上記曲面ディスプレイにおいて、保持部は、湾曲した板状部材で形成し、基板貼付面は、パネル貼付面の背面側に形成し、複数の各フレキシブル配線板は、パネル部から延出し、支持台の縁を取り囲むように曲げて、複数の各プリント配線基板に接続してもよい。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明するが、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではない。
(曲面ディスプレイ1の全体構成)
図1は、実施の形態1にかかる曲面ディスプレイ1の本体主要部を示す斜視図である。各図において、矢印Xはディスプレイの横方向、矢印Yは縦方向、矢印Zは前方を示す。図2は、曲面ディスプレイ1の主要部を縦方向(Y方向)から見た図である。
図2に示すように、曲面ディスプレイ1の本体は、保持部40の横に、電源並びに信号の供給源である電源回路部26を備え、これらの保持部40と電源回路部26とはケース50の中に収納されている。このケース50は、曲面ディスプレイ1の本体の表面において、パネル10の表示領域を除いた非表示領域全体を被覆している。
パネル10は、湾曲した素子基板15の上に、有機発光層及び素子電極を含む発光層16が形成され、その上を封止層17が覆って構成されている(図2参照)。
素子基板15は、横450mm縦270mm
のガラス板からなり、発光層16が形成されることによって、複数の画素がマトリックス状に配設されている。
封止層17は、光透過性を有する素材からなり、有機ELの劣化を促進する水分や酸素の浸入を防止する基板であって、例えばガラス基板(横445mm、縦265mm、厚み0.7mm)を用いて形成する。このガラス基板は、プラスチック基板と比べてガスバリア性が高い。
また、パネル10を湾曲加工しやすくするために、封止後、パネル10の厚みが0.1mm〜0.5mmになるようにエッチングして薄くする。エッチング液はふっ酸を希釈した水溶液を用い、エッチング液が循環した槽内に一定時間浸漬することにより作製できる。パネル10を薄くする方法として、機械的研磨や化学的研磨を適用しても良い。
ただし、厚み0.1mmでは薄すぎて、保持しないと、ひねりが生じるときに割れが発生しやすくなるので、今回はパネルの厚みは0.2mmとする。
図3は、パネル10及びプリント配線基板21〜25における配線の接続形態を示す図である。
パネル10には、横方向(X方向)に複数の走査線11が配置され、縦方向(Y方向)には、複数のデータ線12及び電源線13が配置され、マトリックス状に配線がなされている。
また各プリント配線基板21〜25は、ケーブル線群91〜95を介して電源回路部26に接続されている。
このような構成の曲面ディスプレイ1において、電源回路部26から供給される走査信号は、ケーブル線群95、プリント配線基板25、フレキシブル配線板35〜38を介してパネル10の走査線11に印加され、電源回路部26から供給されるデータ信号及び電力は、ケーブル線群91〜94、プリント配線基板21〜24、フレキシブル配線板31〜34を介して、パネル10のデータ線12、電源線13に供給される。
走査線11に接続されたスイッチング用TFTがオンになると、データ線12を介して印加される画像信号に相当する電荷が保持容量に保持され、保持容量の状態に応じて駆動用TFTのオン、オフ状態が決まる。そして、駆動用TFTを介して電源線13に電気的に接続した時、電源線13から陽極に駆動電流が流れ、さらに有機発光層を通じて陰極に電流が流れる。有機発光層では陽極と陰極の間に流れる電流量に応じて、正孔と電子が再結合して励起して発光する。
曲面ディスプレイ1において、パネル10を湾曲形状で保持し、且つプリント配線基板21〜25を保持する保持部40を備えている。
図4は、保持部40の斜視図である。
パネル保持板41は、パネル10と同等の曲率で湾曲する板状であって、その外周面がパネル貼付面410となっている。
また、パネル保持板41の端部には、パネル貼付面410に隣接してプリント配線基板25を貼付する基板貼付面43が設けられている。この基板貼付面43は、パネル10の縦辺10cに隣接する位置となる。
また、ここでは、プリント配線基板25を貼付する基板貼付面43を、パネル保持板41の端部に設けたが、パネル保持板41に端部に別体の板部材を取り付けてそれに基板貼付面43を設けてもよい。
(パネル貼付面410へのパネル10の固定)
パネル10の辺10a,10bは、帯状の押え板51a,51bによって上から押さえられている。押え板51a,51bは、アルミばね板からなり、押え板51a,51bの端部には、ネジ52が貫通する孔53が開口され、パネル保持板41にはネジ52が螺合するネジ孔54が刻設されている。このように、ばね板を用いることによりパネル10の側部を均等な力で固定することができる。
基板保持板42は、40mm×460mmmmの大きさで、厚み2mmのアルミニウム板を、折り曲げて作製する。各基板貼付部421〜424の長さは、プリント配線基板21〜24の横長よりも長い105mmとし、隣接する基板貼付部421〜424同士の折り曲げ角度は160°とする。
パネル10を湾曲したパネル貼付面410上に固定する方法としては、パネル10とフレキシブル配線板31〜36プリント配線基板21〜25を接続後、パネル保持板41のパネル貼付面410上にパネル10を沿って湾曲された後、押え板51a,51bをネジ52で締め付けることによって、パネル10は、パネル貼付面410上に湾曲した状態で固定される。
パネル10をパネル貼付面410に固定した後、プリント配線基板21〜24を各1枚ずつ基板貼付部421〜424上に接着剤で固定する。また、プリント配線基板25を接着剤によって基板貼付面43上に固定する。
ただし、パネル10を湾曲させるときに、パネル10の4隅がひずみやすいので、パネル10の4隅をパネル保持板41の4隅に軽く合わせて、ネジなどで仮止めして調整しながら湾曲させれば、位置ずれを防ぐのに効果的である。
まず、曲面ディスプレイ1の使用例について説明する。
図11(a)は、円柱状の柱100の周囲に、曲面ディスプレイ1を設置し、凸状の表示面に画像表示している例を示す。
図2並びに図11(a)に示すように、ケース50も保持部40に沿って湾曲した形状であるので、曲面ディスプレイ1は、全体が薄型で湾曲した板状である。従って、曲面ディスプレイ1は、円柱状の柱100の外周面に取り付けられて、柱100の外周面に沿って表示面を形成できる。特に、パネル10及び保持部40の湾曲する曲率を、柱100の曲率に合わせることによって、省スペースの画像表示装置が実現できる。
また、水平方向に動きのある映像を表示すると、人から離れた位置から近づいた位置を映像が動いて表示され、迫力のある、奥行きを感じさせる効果的な表示も可能となる。
また、曲面ディスプレイ1をサイネージに使用すると、平面状のディスプレイと比べてより人の目を引き付け、広告効果を大きくすることもできる。
プリント配線基板21〜24を、仮に、パネル貼付面410と同様の曲率で湾曲した湾曲面(R300mm)に貼付けたとすると、プリント配線基板21〜24と貼付面との間に隙間が生じて、車のような振動の大きい場所では、安定に保持することが困難である。
また、プリント配線基板21〜24にはコネクタ90が取り付けられているが、コネクタ90として一番大きいサイズは5mm×40mm(高さ4mm)で、金属ケースに入っているため、これを大きく湾曲させることは困難である。従って、プリント配線基板21〜24を無理に湾曲させようとすると、コネクタ90がプリント配線基板21〜24から剥がれたり、ケーブルとの接触不良も発生しやすい。
さらに、基板貼付部421〜424同士は、パネル10の湾曲に沿って屈曲しており、パネル10とプリント配線基板21〜24との間は、フレキシブル配線板31〜34によって接続されているので、各フレキシブル配線板31〜34にかかるねじれは少なくなる。従って、各フレキシブル配線板31〜34からパネル10に局所的にかかる力も小さくなる。
保持部40を金属で形成しているので、パネル10やプリント配線基板21〜25がパネル点灯時に発生する熱を、効率よく放熱することができる。
各ケーブル線群91〜94は、一つのコネクタ90に接続され、最大30本のケーブル線が群になっている。このようなケーブル線の群をパネル10の横に広げて引き回すと非表示領域の面積が大きくなる可能性もあるが、各ケーブル線群91〜94をパネル10の裏側に回しているので、非表示領域の幅を少なくできる。例えば、ケーブル線の径が1mmの場合、コネクタ90に接続した後、直角にケーブル線群91〜94を曲げることによって、基板保持板42(幅40mm)の縁から横に拡がる幅を2mmに抑えることができる。
本実施の形態では、表示面が凹状の曲面ディスプレイ2,3について示す。
(曲面ディスプレイ2の構成)
図5に示す曲面ディスプレイ2は、上記曲面ディスプレイ1と同様の構成であるが、パネル10は表示面が凹形状となるように湾曲し、それに伴って、パネル貼付面410も凹形状となるように湾曲している。また、基板貼付部421〜424も、その上面である基板貼付面421a〜424aが、パネル貼付面410の凹形状に沿って折れ曲がっている。
このような曲面ディスプレイ2においても、ケース50は保持部40に沿って湾曲した形状であって、全体が薄型で表示面が凹状に湾曲した板状である。
(曲面ディスプレイ2の効果)
図11(b)は、壁のコーナー部に、曲面ディスプレイ2を設置し、凹状の表示面に画像表示している例を示す。
曲面ディスプレイ2は、薄型形状で且つ凹状に湾曲しているので、コーナー部200に設置すると、平面ディスプレイと比べると、よりコーナー部200の内面に沿った状態で設置できるので、曲面ディスプレイ2の前方に空間を広く確保することができる。
この場合も、天井面301に近いつなぎ曲面303に沿った状態で曲面ディスプレイ2を設置できるので、曲面ディスプレイ2の前方に空間を広く確保することができる。
曲面ディスプレイ2においても、曲面ディスプレイ1と同様、基板貼付部421〜424は平面状であるので、プリント配線基板21〜24を湾曲させることなくその上で固定できる。従って、プリント配線基板21〜24を基板貼付部421〜424上に密着性よく固定でき、振動に対しても安定に固定を維持できる。また、プリント配線基板21〜24が基板貼付部421〜424からはがれるなどの現象が生じにくく、電気的な接続も確実にすることができる。
また、基板貼付部421〜424は、パネル10の湾曲に沿って折れ曲がっており、パネル10とプリント配線基板21〜24との間は、フレキシブル配線板31〜34によって接続されているので、プリント配線基板21〜24を基板貼付部421〜424上に取り付ける時に発生する応力も緩和され、パネル10に対して大きな応力が及ぶこともない。
図6は、曲面ディスプレイ3の本体を示す斜視図である。
この曲面ディスプレイ3も、パネル10の表示面が凹形状となるように湾曲している。
曲面ディスプレイ3においても、パネル10としては、曲面ディスプレイ1と同様に、横450mm縦270mm厚み0.2mmの有機ELパネルを用いればよい。
パネル保持板61は、パネル保持板41と同様のものであって、パネル貼付面が凹形状となるように湾曲している。
保持台60において、傾斜面60aは、パネル保持板61を埋め込むことができるように、パネル保持板61の形状に合わせた凹部が形成されている。
傾斜面60aの側部には、プリント配線基板21〜24を貼り付ける基板貼付面621〜624が形成されている。
基板貼付面621〜624は、1辺が幅120mmで、水平面に対して50度、60度、70度、80度に傾斜させた4面である。
プリント配線基板21〜24はこの基板貼付面621〜624に貼付けられている。
なお、図6に示す曲面ディスプレイ3の本体は、パネル10の表示領域を除いた非表示領域、すなわち、保持台60の傾斜面60aから側面にかけて存在する押え板51a,51b、プリント配線基板21〜24、フレキシブル配線板31〜34、ケーブル線群91〜94の表面、並びに保持台60の上面に存在するプリント配線基板25、フレキシブル配線板35〜38、ケーブル線群95の表面は、ケース(不図示)で被覆している。
(曲面ディスプレイ3の効果)
曲面ディスプレイ3も、表示面が凹面であって、車の運転席付近のコーナー部に組み込むのに適している。すなわち、曲面ディスプレイ3を、車内の運転手や助手席付近のコーナー部に設置すると、表示面が凹状に湾曲している分、曲面ディスプレイ3の前方に空間を広く確保できるので、運転手や助手席と間に空間を広く取ることができる。
なお、この曲面ディスプレイ3において、表示面をタッチして入力操作できるように、パネル10の上にタッチパネルを設けてもよい。その場合、凹状の表示面であるため、平面状の表示面と比べて手を載せやすくなり、画面を見ながらの操作がしやすくなる効果も得られる。
(曲面ディスプレイ3に製造に関して)
パネル10及びプリント配線基板21〜25の接続及び設置の順序は、以下のようにすることが好ましい。
パネル10を傾斜面60aに埋め込んだ後、パネル10に接続されたプリント配線基板21〜24を、基板貼付面621〜624の4隅にネジ留めすることによって固定する。
プリント配線基板21〜24をすべて固定した後、押え板51a,51bで、パネル10の側部を押さえる。押え板51a,51bは、厚み0.5mm、幅10mmのアルミばね板であって、ネジ52で、各押え板51a,51bの端部2点と中央部の計3点をネジ52で固定することによって、パネル10を傾斜面60a上に固定する。
次に、各プリント配線基板21〜25にコネクタ90を介して接続されたケーブル線群91〜95を保持台60の側面を這わせて、保持台60の内部において、パネル10の背面側に集結させ、保持台60の内部に設置している電源や信号処理回路に接続する。
図7(a),(b)は、実施の形態3にかかる曲面ディスプレイ4,5の主要部を縦方向から見た図であって、図7(a)に示す曲面ディスプレイ4は表示面が凸状であり、図7(b)に示す曲面ディスプレイ5は表示面が凹状である。
(曲面ディスプレイ4の構成)
図7(a)に示す曲面ディスプレイ4におけるパネル保持板41は、実施の形態1で説明した曲面ディスプレイ1のパネル保持板41と同様のものである。
ただし、基板保持板42の上面(基板貼付面420)は湾曲が緩やかであって、その曲率半径R2は、パネル貼付面410の曲率半径R1よりも大きく設定されている。たとえば、曲率半径R1は300mm、曲率半径R2は700mmである。
図7(a)では省略されているが、曲面ディスプレイ4は、図2に示す曲面ディスプレイ1と同様に、保持部40の横に、電源並びに信号の供給源である電源回路部26を備え、これらの保持部40と電源回路部26とが共にケース50の中に収納されている。
曲面ディスプレイ4も、曲面ディスプレイ1と同様に、全体が薄型で湾曲した板状であるため、実施の形態1で図11(a)を参照して説明したように、円柱状の柱100の外周面に取り付けられて、柱100の外周面に沿って表示面を形成でき、柱100の周囲に凸状の画像表示をするのに適している。
従って、図7(a)に示すように、プリント配線基板21〜24を、基板貼付面420上に並べて接着剤で貼り付けると、各プリント配線基板21〜24は平板状のままであっても、各プリント配線基板21〜24と基板貼付面420との隙間は小さいので、プリント配線基板21〜24に生じる応力を小さく抑えながら、しっかりと接着することができる。
なお、プリント配線基板の厚さは通常0.7mm程度であるが、プリント配線基板21〜24として厚さ0.4mm程度の薄いものを用いれば、基板貼付面420の湾曲に沿ってプリント配線基板21〜24を湾曲させた状態で、基板貼付面420にプリント配線基板21〜24を貼り付けることもできる。
その分、フレキシブル配線板31〜34の長さを、短く設定することができるので、フレキシブル配線板31〜34の配線抵抗を低くし且つばらつきを少なくする効果が得られる。
図7(b)に示す曲面ディスプレイ5におけるパネル保持板41は、実施の形態2で説明した曲面ディスプレイ2のパネル保持板41と同様のものであるが、曲面ディスプレイ5の基板保持板42は、湾曲した板状であって、その上面(基板貼付面420)も凹上に湾曲している。
このように緩やかに湾曲した基板貼付面420に、4枚のプリント配線基板21〜24が並べて接着剤で貼り付けられている。
(曲面ディスプレイ5の効果)
このような曲面ディスプレイ5も、曲面ディスプレイ2と同様に、全体が薄型で表示面が凹状に湾曲した板状であるため、実施の形態2で図11(b),(c)を参照しながら説明したように、コーナー部200の内面に取り付けられて、その内面に沿って凹状の表示面を形成したり、天井面301に近いつなぎ曲面303に沿った状態で曲面ディスプレイ5を設置できる。
すなわち、曲面ディスプレイ5におけるパネル保持板41も、基板貼付面420が曲面ではあるが、パネル貼付面410よりもその曲率が小さいので、略平面状ということができ、従って、図7(b)に示すように、プリント配線基板21〜24を、基板貼付面420上に並べて接着剤で貼り付けると、各プリント配線基板21〜24は平板状のままであっても、各プリント配線基板21〜24と基板貼付面420との隙間は小さいので、プリント配線基板21〜24に生じる応力を小さく抑えながら、しっかりと接着することができる。
また、プリント配線基板21〜24として厚さ0.4mm程度の薄いものを用いれば、基板貼付面420の湾曲に沿ってプリント配線基板21〜24を湾曲させた状態で、基板貼付面420にプリント配線基板21〜24を貼り付けることもでき、各プリント配線基板21〜24が、パネル10の湾曲と同方向に湾曲した状態で固定されるので、各フレキシブル配線板31〜34にかかるねじれはより小さくなり、パネル10に局所的にかかる力も小さくなり、その分、フレキシブル配線板31〜34のY方向長さを短く設定することができるので、フレキシブル配線板31〜34の配線抵抗を低くし且つ抵抗のばらつきを少なくする効果が得られる。
本実施形態で示す曲面ディスプレイ6,7では、保持部70において、パネル10を貼り付けるパネル貼付面とは反対側に基板貼付面が設けられている。
(曲面ディスプレイ6の構成)
図8(a),(b)は、曲面ディスプレイ6の主要部を示す斜視図であって、(a)は表面側、(b)は裏側から見た図である。
曲面ディスプレイ1の保持部40においては、パネル保持板41から下方に突出するように基板保持板42が設けられ、プリント配線基板21〜24もパネル10の下方に配置されていたが、曲面ディスプレイ6の保持部70においては、図8(a),(b)に示すように、湾曲した板状の保持部70において、凸状に湾曲した表面がパネル貼付面710となっており、このパネル貼付面710の背面、すなわち凹状に湾曲する面に、湾曲する辺に沿って複数の基板貼付面721〜724が形成されている。そして、プリント配線基板21〜24はこの基板貼付面721〜724に貼り付けられている。
各基板貼付面721〜724は、曲面ディスプレイ1の基板貼付面421a〜424aと同様に平面状であって、互いに隣接する基板貼付面(基板貼付面721と基板貼付面722、基板貼付面722と基板貼付面723、基板貼付面723と基板貼付面724)は、パネル10の湾曲に沿って屈曲し、多角形状となっている。
そして、パネル10とプリント配線基板21〜24とは、フレキシブル配線板31〜34によって接続されているが、フレキシブル配線板31〜34は、保持部70における湾曲する縁70aの周りを取り囲むように、180°屈曲させて設けられている。
プリント配線基板21〜24には、コネクタ90を介してケーブル線群91〜94が接続され、ケーブル線群91〜94は、保持部70の背面に沿って伸び、電源回路部(不図示)に接続されている。
曲面ディスプレイ6は、曲面ディスプレイ1と同様に薄型で表示面が凸状なので、実施の形態1で図11(a)を参照して説明したように、円柱状の柱100の外周面に取り付けられて、柱100の外周面に沿って表示面を形成でき、柱100の周囲に凸状の画像表示をするのに適している。
従って、基板保持板42を設けないので部品点数を減すことができる。また、基板保持板42の幅(40mm)に相当する分だけ、装置の縦長さを短くできる。すなわち、その分だけ非表示部の面積を狭くできるため、表示面積は同じでも、額縁が狭く、小サイズの表示装置を実現できる。
また、額縁を狭くできることは、同じ装置サイズでも、より画面サイズを大きくして、視野角を広げ視認性も上げることができる。
また、非表示部による額縁が狭いことで曲面ディスプレイの湾曲表示による効果やサイネージ使用では人の目を引き付ける効果をより強調できる。
図9は、曲面ディスプレイ7の主要部を示す斜視図であって、背面側から見た図である。
この曲面ディスプレイ7は、上記曲面ディスプレイ6と同様に、保持部70において、パネル貼付面710の背面側に基板貼付面721〜724が形成されているが、曲面ディスプレイ7は、実施の形態2にかかる曲面ディスプレイ2と同様に、表示面が凹状である。
従って、プリント配線基板21〜24はパネル10の湾曲する辺に沿って、パネル10の背面側に配列されることになる。
そして、パネル10とプリント配線基板21〜24とは、フレキシブル配線板31〜34によって接続されているが、フレキシブル配線板31〜34は、保持部70における湾曲する縁70aの周りを取り囲むように、180°屈曲させて設けられている。
(曲面ディスプレイ7の効果)
曲面ディスプレイ7は、曲面ディスプレイ2と同様に薄型で表示面が凹状なので、実施の形態2で図11(b),(c)を参照しながら説明したように、コーナー部200の内面に取り付けられて、その内面に沿って凹状の表示面を形成したり、天井面301に近いつなぎ曲面303に沿った状態で曲面ディスプレイ7を設置できる。
額縁を狭くできることは、同じ装置サイズでも、より画面サイズを大きくして、視野角を広げ視認性も上げることができる。また、非表示部による額縁が狭いことで曲面ディスプレイの湾曲表示による効果やサイネージ使用では人の目を引き付ける効果をより強調できる。
図10(a),(b)は、実施形態4にかかる曲面ディスプレイ8,9の主要部を示す斜視図である。この曲面ディスプレイ8,9も、実施の形態4と同様に、保持部70において、パネル10を貼り付けるパネル貼付面710とは反対側に基板貼付面720が設けられているが、基板貼付面720は、実施の形態3の曲面ディスプレイ4,5と同様に緩やかに湾曲する面である。
図10(a)に示すように曲面ディスプレイ8は表示面が凸状である。
この曲面ディスプレイ8における保持部70は、上記曲面ディスプレイ6の保持部70と同様であるが、パネル貼付面710の背面側には、複数の平面状の基板貼付面721〜724の代わりに、湾曲状の基板貼付面720が形成されている。
このように緩やかに湾曲した基板貼付面720に、4枚のプリント配線基板21〜24が並べて接着剤で貼り付けられている。そして、パネル10とプリント配線基板21〜24とは、フレキシブル配線板31〜34によって接続されているが、フレキシブル配線板31〜34は、保持部70における湾曲する縁70aの周りを取り囲むように、180°屈曲させて設けられている。プリント配線基板21〜24には、コネクタ90を介してケーブル線群91〜94が接続され、ケーブル線群91〜94は、保持部70の背面に沿って伸び、電源回路部(不図示)に接続されている。
曲面ディスプレイ8によれば、実施形態4の曲面ディスプレイ6とほぼ同様の効果を奏する。
すなわち、曲面ディスプレイ8は、曲面ディスプレイ1と同様に薄型で表示面が凸状なので、実施の形態1で図11(a)を参照して説明したように、円柱状の柱100の外周面に取り付けられて、柱100の外周面に沿って表示面を形成でき、柱100の周囲に凸状の画像表示をするのに適している。
(曲面ディスプレイ9の構成)
図10(b)に示す曲面ディスプレイ9は表示面が凹状である。
この基板貼付面720の曲率半径R4(700mm)は、パネル貼付面710の曲率半径R3(R300mm)よりも大きく設定されている。
曲面ディスプレイ9によれば、実施形態4の曲面ディスプレイ7とほぼ同様の効果を奏する。
すなわち、曲面ディスプレイ9は、曲面ディスプレイ2と同様に薄型で表示面が凹状なので、実施の形態2で図11(b),(c)を参照しながら説明したように、コーナー部200の内面に取り付けられて、その内面に沿って凹状の表示面を形成したり、天井面301に近いつなぎ曲面303に沿った状態で曲面ディスプレイ9を設置できる。
さらに、プリント配線基板21〜24は、パネル10の湾曲と同方向に屈曲して配置され、パネル10とプリント配線基板21〜24との間は、フレキシブル配線板31〜34によって接続されているので、各フレキシブル配線板31〜34にかかるねじれは少なく、従って、各フレキシブル配線板31〜34からパネル10に局所的にかかる力も小さくなる。
[変形例など]
上記実施の形態では、パネル10が有機ELパネルである例を示したが、液晶パネルなど、湾曲加工が可能なパネルであれば同様に実施することができる。
10 パネル
10a,10b 横辺
10c,10d 縦辺
11 走査線
12 データ線
13 電源線
15 素子基板
16 発光層
17 封止層
21〜25 プリント配線基板
26 電源回路部
31〜38 フレキシブル配線板
40 保持部
41 パネル保持板
42 基板保持板
43 基板貼付面
50 ケース
51a,51b 押え板
60 保持台
60a 傾斜面
61 パネル保持板
70 保持部
70a 縁
90 コネクタ
91〜95 ケーブル線群
100 柱
200 コーナー部
301 天井面
302 壁面
303 曲面
410 パネル貼付面
420 基板貼付面
421〜424 基板貼付部
421a〜424a 基板貼付面
621〜624 基板貼付面
720 基板貼付面
721〜724 基板貼付面
Claims (6)
- 湾曲した基板の上に、2次元状に配列された複数の画素と、前記複数の画素の電極につながる複数の配線が配設されたパネル部と、
前記パネル部における湾曲した辺側に配列され、前記複数の配線に、信号及び電力の少なくともいずれかを供給する複数のプリント配線基板と、
前記複数の配線と前記プリント配線基板とを接続する複数のフレキシブル配線板と、
前記パネル部及び前記プリント配線基板を保持する保持部とを備える曲面ディスプレイにおいて、
前記保持部は、
前記パネル部の湾曲に合わせて湾曲するパネル貼付面と、
前記複数のプリント配線基板が貼付される複数の基板貼付面とを有し、
前記複数の基板貼付面は、前記パネル貼付面の湾曲する方向に沿って連なって配されており、前記複数の基板貼付面のそれぞれは平面状であって、互いに隣接する前記基板貼付面は、前記パネル貼付面が湾曲する方向に沿うように、互いに角度を有して連なっている曲面ディスプレイ。 - 前記保持部において、
前記パネル貼付面が形成されている部分は、湾曲した板体からなり、
前記基板貼付面が形成されている部分は、多角形状に折れ曲がった板体からなる
請求項1記載の曲面ディスプレイ。 - 前記保持部は、湾曲した板状部材からなり、
前記複数の基板貼付面は、前記パネル貼付面の背面側に形成され、
前記複数の各フレキシブル配線板は、
前記パネル部から延出され、前記保持部の縁を取り囲むよう曲げられて、前記複数の各プリント配線基板に接続されている
請求項1記載の曲面ディスプレイ。 - 湾曲した基板の上に、2次元状に配列された複数の画素と、前記複数の画素の電極につながる複数の配線が配設されたパネル部と、
前記パネル部における湾曲した辺側に配列され、前記複数の配線に、信号及び電力の少なくともいずれかを供給する複数のプリント配線基板と、
前記複数の配線と前記プリント配線基板とを接続する複数のフレキシブル配線板と、
前記パネル部及び前記プリント配線基板を保持する保持部とを備える曲面ディスプレイにおいて、
前記保持部は、
前記パネル部の湾曲に合わせて湾曲するパネル貼付面と、
前記複数のプリント配線基板が貼付される基板貼付面とを有し、
当該基板貼付面は、前記パネル貼付面が湾曲する方向に沿って、前記パネル貼付面よりも小さい曲率で湾曲している曲面ディスプレイ。 - 前記保持部において、
前記パネル貼付面が形成されている部分及び前記基板貼付面が形成されている部分は、
各々湾曲した板体で形成されている請求項4記載の曲面ディスプレイ。 - 前記保持部は、湾曲した板状部材からなり、
前記基板貼付面は、前記パネル貼付面の背面側に形成され、
前記複数の各フレキシブル配線板は、
前記パネル部から延出され、前記保持部の縁を取り囲むよう曲げられて、前記複数の各プリント配線基板に接続されている請求項4記載の曲面ディスプレイ。
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