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JP5707869B2 - 放射線画像撮影システム - Google Patents

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Description

本発明は、放射線画像撮影システムに関する。
病気診断等を目的として、X線画像に代表される放射線を用いて撮影された放射線画像が広く用いられている。こうした医療用の放射線画像は、従来からスクリーンフィルムを用いて撮影されていたが、放射線画像のデジタル化を図るために輝尽性蛍光体シートを用いたCR(Computed Radiography)装置が開発され、最近では、照射された放射線を、2次元状に配置された放射線検出素子で検出して、デジタル画像データとして取得する放射線画像撮影装置が開発されている。
このタイプの放射線画像撮影装置はFPD(Flat Panel Detector)として知られており、従来は支持台と一体的に形成された、いわゆる専用機型の放射線画像撮影装置として形成されていた(例えば特許文献1参照)。しかし、近年、放射線検出素子等をハウジングに収納して可搬とされた可搬型の放射線画像撮影装置が開発され、実用化されている(例えば特許文献2、3参照)。また、このような可搬型の放射線画像撮影装置では、バッテリを内蔵し、信号やデータ等の送受信をアンテナ装置を介した電波のやりとりで行う放射線画像撮影装置が開発されている(例えば特許文献4等参照)。
また、放射線画像撮影装置としては、照射されたX線等の放射線の線量に応じて検出素子で電荷を発生させて電気信号に変換するいわゆる直接型の放射線画像撮影装置や、照射された放射線をシンチレータ等で可視光等の他の波長の電磁波に変換した後、変換され照射された電磁波のエネルギに応じてフォトダイオード等の光電変換素子で電荷を発生させて電気信号に変換するいわゆる間接型の放射線画像撮影装置が種々開発されている。なお、本発明では、直接型の放射線画像撮影装置における検出素子や、間接型の放射線画像撮影装置における光電変換素子を、あわせて放射線検出素子という。
ところで、特許文献5、6等に記載されているように、専用機型の放射線画像撮影装置では、放射線検出素子等に通電する時間が長いほど放射線検出素子等の寿命が短くなるため、各放射線検出素子や制御手段等の各機能部に対する電力供給モードとして、各機能部に電力を供給して放射線画像撮影を可能とする撮影可能モードと、電力消費を抑制するために必要な機能部にのみ電力を供給して少なくとも放射線検出素子には電力の供給を停止して放射線画像撮影ができないスリープモードとの間で切り替えることができるように構成されているものも多い。
そして、特許文献5では、撮影室内に複数の放射線画像撮影装置(同文献中ではセンサユニットと記載されている。)が存在する場合、1回の撮影に使用される放射線画像撮影装置は1つだけであるため、当該放射線画像撮影装置については電力供給モードを撮影可能モードにするが、他の放射線画像撮影装置については、電力供給モードをスリープモードに遷移させて、放射線検出素子等の寿命の延命を図る放射線画像撮影システムが記載されている。
また、特許文献6では、放射線画像撮影装置の電力供給モードを一旦スリープモードに遷移させると、当該放射線画像撮影装置を撮影に用いるためにスリープモードから撮影可能モードに遷移させた際に、当該放射線画像撮影装置が実際に撮影可能な状態になるまで時間がかかるため、撮影室内の複数の放射線画像撮影装置について、例えば非使用時間が所定時間を超えた場合にスリープモードに遷移させたり、或いは放射線画像撮影装置の使用頻度に応じてスリープモードに遷移させるまでの所定時間を長く設定したりすることで、放射線検出素子等の寿命の延命を図りながら、上記の問題が発生することを防止する放射線画像撮影システムが記載されている。
また、特にバッテリが内蔵された可搬型の放射線画像撮影装置では、バッテリの電力が無駄に消費されると、バッテリの充電が頻繁に必要になり、1回の充電あたりの撮影回数が少なくなり、1回の充電に対する使用効率が著しく低下してしまう。そこで、バッテリ内蔵型の可搬型放射線画像撮影装置においても、上記の専用機型の放射線画像撮影装置の場合と同様に、各機能部に対する電力供給モードを撮影可能モードとスリープモードとの間で切り替えることができるように構成されることが望ましい。
特許第3639750号公報 特開2006−058124号公報 特開平6−342099号公報 特開平7−140255号公報 特開2000−308630号公報 特開2002−272721号公報
しかしながら、専用機型の放射線画像撮影装置の場合も、バッテリ内蔵型の可搬型放射線画像撮影装置の場合も同様であるが、例えば、予めある決められた回数の撮影が行われることが分かっているような場合に、それらの全ての撮影が終了したにもかかわらず、上記の所定時間が経過していないために、放射線画像撮影装置の電力供給モードがスリープモードに遷移されずに撮影可能モードのままの状態が続くとすると、電力が無駄に消費されてしまうことになる。
すなわち、例えば、撮影室内の放射線画像撮影装置を用いて、4回の撮影が行われることが予め分かっている場合に、それらの4回の撮影が終了すれば、ひとまずそれ以後に撮影が行われない状態になる。
それにもかかわらず、例えば、最後の撮影に用いられた放射線画像撮影装置が、撮影可能モードのままで放置されてしまったり、或いはスリープモードに遷移させるまでの所定時間が経過していないために、所定時間が経過するまでの間、撮影可能モードのままであると、その分、電力が無駄に消費されてしまい、放射線検出素子等の寿命を短くしたりバッテリの電力が無駄に消費されてしまうことになる虞れがある。
本発明は、以上のような課題に鑑みてなされたものであり、撮影が行われたことを的確に検出して、放射線画像撮影装置の電力供給モードを的確にスリープモードに遷移させることが可能な放射線画像撮影システムを提供することを目的とする。
前記の問題を解決するために、本発明の放射線画像撮影システムは、
放射線の照射線量に応じて電荷を発生させる複数の放射線検出素子が二次元状に配列された検出部と、
前記各放射線検出素子から前記電荷を読み出し、前記各放射線検出素子ごとに前記電荷を画像データに変換して読み出す読み出し回路と、
外部装置との間で信号を送受信可能な通信手段と、
読み出された前記画像データを前記通信手段を介して送信するとともに、各機能部に対する電力供給モードを、前記放射線検出素子に電力を供給して放射線画像撮影を可能とする撮影可能モードと、前記通信手段を含む必要な機能部にのみ電力を供給して前記放射線検出素子には電力の供給を停止して放射線画像撮影ができないスリープモードとの間で切り替える制御手段と、
を備える複数の放射線画像撮影装置と、
撮影オーダ情報を取得するとともに、選択された前記撮影オーダ情報に基づく撮影が行われて前記放射線画像撮影装置から前記画像データが送信されてくると、前記画像データに基づいて生成して確定された放射線画像を前記撮影オーダ情報に対応付けるコンソールと、
を備え、
前記放射線画像撮影装置の前記制御手段は、前記各放射線検出素子から読み出した前記画像データから所定の割合でデータを間引いて間引きデータを作成して前記コンソールに送信し、
前記コンソールは、前記放射線画像撮影装置から送信されてきた前記間引きデータに基づいて表示したプレビュー画像が承認された時点で、選択された前記撮影オーダ情報の数と、前記承認されたプレビュー画像の数とが一致するか否かを判断し、一致した時点で、前記放射線画像撮影装置の電力供給モードをスリープモードに遷移させることを特徴とする。
本発明のような方式の放射線画像撮影システムによれば、プレビュー画像が承認された時点で、選択された撮影オーダ情報の数と、承認されたプレビュー画像の数とが一致するか否かを判断し、一致した時点で、コンソールで、強制的に放射線画像撮影装置の電力供給モードをスリープモードに遷移させるように構成する。そして、このように構成することで、プレビュー画像が承認されたことに基づいて撮影が行われたことを的確に検出して、放射線画像撮影装置の電力供給モードをスリープモードに的確に遷移させることが可能となる。
また、そのため、放射線画像撮影装置の電力供給モードが撮影可能モードのままになって通電状態が続き、放射線検出素子等の寿命を短くなったり、バッテリの電力が無駄に消費されてバッテリの使用効率が低下したり撮影の最中にバッテリ切れを起こしてしまう等の事態が生じることを的確に防止することが可能となる。
本実施形態に係る放射線画像撮影システムの全体構成を示す図である。 放射線画像撮影装置の外観斜視図である。 図2の放射線画像撮影装置を反対側から見た外観斜視図である。 図2におけるA−A線に沿う断面図である。 放射線画像撮影装置の基板の構成を示す平面図である。 図5の基板上の小領域に形成された放射線検出素子とTFT等の構成を示す拡大図である。 フレキシブル回路基板やPCB基板等が取り付けられた基板を説明する側面図である。 放射線画像撮影装置の等価回路を表すブロック図である。 放射線画像撮影装置のコネクタとブッキー装置のコネクタとが接続された状態を表す外観斜視図である。 カセッテ保持部の内部にコネクタが設けられたブッキー装置を説明する図である。 放射線画像撮影装置がクレードルに挿入され、コネクタ同士が接続された状態を表す断面図である。 タグリーダを備える構成を示す図である。 撮影オーダ情報の例を示す図である。 撮影オーダ情報を表示する選択画面の例を示す図である。 選択された各撮影オーダ情報に対応する各アイコン等が表示された画面の例を示す図である。 図15の画面上に拡大されて表示されたプレビュー画像の例を示す図である。 フォーカスされた元のアイコンの位置にプレビュー画像が表示された状態を示す図である。 次のアイコンがフォーカスされ、元のアイコンの位置に放射線画像が表示された状態を示す図である。 画面右側に表示される画質調整用の表示を示す図である。 各アイコンが表示されていた位置に各アイコンに対応する各放射線画像がそれぞれ表示された状態を示す図である。
以下、本発明に係る放射線画像撮影システムの実施の形態について、図面を参照して説明する。ただし、本発明は以下の図示例のものに限定されるものではない。
なお、本実施形態では、バッテリ内蔵型の可搬型の放射線画像撮影装置1を複数備え、可搬型の放射線画像撮影装置1がブッキー装置51(後述する図1等参照)に装填されたり、或いはブッキー装置51に装填されずに単独の状態で用いられて撮影が行われる場合について説明するが、前述したように、放射線画像撮影装置1が図示しない支持台と一体的に形成された、いわゆる専用機型の放射線画像撮影装置として形成されている場合についても本発明が適用される。
従って、複数の放射線画像撮影装置1の中に専用機型の放射線画像撮影装置が含まれていてもよく、また、全て放射線画像撮影装置が専用機型であってもよい。専用機型の放射線画像撮影装置に本発明が適用されれば、放射線検出素子等の寿命の延命を図ることが可能となる等の有益な効果が得られる。
また、放射線画像撮影装置1がバッテリ内蔵型の可搬型である場合には、上記のように、バッテリが浪費されると使用効率が低下したり、さらには撮影の最中にバッテリが切れてしまう事態が生じかねないため、バッテリ内蔵型の可搬型の放射線画像撮影装置に本発明が適用されれば、このような事態が発生する可能性を非常に低く抑えることが可能となる等の有益な効果が得られる。
図1は、以下で説明する本発明の第1の実施形態に係る放射線画像撮影システムの全体構成を示す図である。
撮影室Raは、患者の身体の一部である被写体(すなわち患者の撮影部位)に放射線を照射して放射線画像撮影を行う部屋であり、被写体に放射線を照射するための放射線照射装置の放射線発生装置57の放射線源52等が配置されている。なお、撮影室Raは、放射線が撮影室外に漏洩しないように鉛などでシールドされている。
本実施形態では、放射線画像撮影装置1として、以下で説明するような可搬型の放射線画像撮影装置が用いられるようになっており、撮影室Raには、放射線画像撮影装置1を装填可能なブッキー装置51が設けられている。なお、ブッキー装置51や放射線源52等については、後で説明する。また、放射線画像撮影装置1の一部或いは全てが図示しない支持台と一体的に形成された、いわゆる専用機型の放射線画像撮影装置であってもよいことは前述した通りである。
ここで、まず、放射線画像撮影システム50で放射線画像撮影に用いられる放射線画像撮影装置1について説明する。
なお、以下では、放射線画像撮影装置1として、シンチレータ等を備え、放射された放射線を可視光等の他の波長の電磁波に変換して電気信号を得るいわゆる間接型の放射線画像撮影装置について説明するが、本発明は、シンチレータ等を介さずに放射線を放射線検出素子で直接検出する、いわゆる直接型の放射線画像撮影装置に対しても適用することができる。
図2は、放射線画像撮影装置の外観斜視図であり、図3は、放射線画像撮影装置を反対側から見た外観斜視図である。また、図4は、図2のA−A線に沿う断面図である。放射線画像撮影装置1は、図2〜図4に示すように、筐体状のハウジング2内にシンチレータ3や基板4等で構成されるセンサパネルSPが収納されている。
図2や図3に示すように、放射線画像撮影装置1の筐体2のうち、放射線入射面Rを有する中空の角筒状のハウジング本体部2Aは、放射線を透過するカーボン板やプラスチック等の材料で形成されており、ハウジング本体部2Aの両側の開口部を蓋部材2B、2Cで閉塞することで筐体2が形成されている。なお、筐体2をこのようないわゆるモノコック型として形成する代わりに、例えば、フレーム板とバック板とで形成された、いわゆる弁当箱型とすることも可能である。
図2に示すように、筐体2の一方側の蓋部材2Bには、電源スイッチ37や選択スイッチ38、コネクタ39、バッテリ状態や放射線画像撮影装置1の稼働状態等を表示するLED等で構成されたインジケータ40等が配置されている。
また、図3に示すように、筐体2の反対側の蓋部材2Cには、画像データ等をコンソール58に無線で転送するための通信手段であるアンテナ装置41が埋め込まれている。なお、アンテナ装置41を設ける場合には、アンテナ装置41の筐体2上の配置場所や配置する個数は適宜決められる。また、画像データ等をコンソール58に有線方式で転送するように構成することも可能であり、その場合、例えば、前述したコネクタ39が通信手段として機能し、コネクタ39にケーブル等を接続して送受信するように構成される。
筐体2の内部には、図4に示すように、センサパネルSPの基板4の下方側に図示しない鉛の薄板等を介して基台31が配置され、基台31には、電子部品32等が配設されたPCB基板33や緩衝部材34等が取り付けられている。
なお、基板4やシンチレータ3の放射線入射面R側には、それらを保護するためのガラス基板35が配設されている。また、センサパネルSPと筐体2の側面との間に、それらがぶつかり合うことを防止するための緩衝材36が設けられている。
シンチレータ3は、基板4の後述する検出部Pに貼り合わされるようになっている。シンチレータ3は、例えば、蛍光体を主成分とし、放射線の入射を受けると300〜800nmの波長の電磁波、すなわち可視光を中心とした電磁波に変換して出力するものが用いられる。
基板4は、ガラス基板で構成されており、図5に示すように、基板4のシンチレータ3に対向する側の面4a上には、複数の走査線5と複数の信号線6とが互いに交差するように配設されている。基板4の面4a上の複数の走査線5と複数の信号線6により区画された各小領域rには、放射線検出素子7がそれぞれ設けられている。
このように、走査線5と信号線6で区画された各小領域rに二次元状(マトリクス状ともいう。)に配列された複数の放射線検出素子7が設けられた領域r全体、すなわち図5に一点鎖線で示される領域が検出部Pとされている。
放射線検出素子7としては、フォトダイオードが用いられているが、この他にも例えばフォトトランジスタ等を用いることも可能である。各放射線検出素子7は、図5の拡大図である図6に示すように、スイッチ手段であるTFT8のソース電極8sに接続されている。また、TFT8のドレイン電極8dは信号線6に接続されている。
そして、TFT8は、後述する走査駆動手段15から走査線5を介してゲート電極8gにオン電圧が印加されるとオン状態となり、ソース電極8sやドレイン電極8dを介して放射線検出素子7内に蓄積されている電荷を信号線6に放出させるようになっている。また、TFT8は、接続された走査線5を介してゲート電極8gにオフ電圧が印加されるとオフ状態となり、放射線検出素子7から信号線6への電荷の放出を停止して、放射線検出素子7内に電荷を保持するようになっている。
図6に示すように、列状に配置された複数の放射線検出素子7にそれぞれバイアス線9が接続されており、図5に示すように、各バイアス線9は、基板4の検出部Pの外側の位置で1本の結線10に結束されている。
また、各走査線5や各信号線6、バイアス線9の結線10は、それぞれ基板4の端縁部付近に設けられた入出力端子(パッドともいう)11に接続されている。各入出力端子11には、図7に示すように、IC12a等のチップがフィルム上に組み込まれたフレキシブル回路基板(Chip On Filmともいう。)12が異方性導電接着フィルム(Anisotropic Conductive Film)や異方性導電ペースト(Anisotropic Conductive Paste)等の異方性導電性接着材料13を介して接続されている。
また、フレキシブル回路基板12は、基板4の裏面4b側に引き回され、裏面4b側で前述したPCB基板33に接続されるようになっている。このようにして、放射線画像撮影装置1のセンサパネルSPの基板4部分が形成されている。なお、図7では、電子部品32等の図示が省略されている。
ここで、図8を用いて放射線画像撮影装置1の回路構成について説明する。
各放射線検出素子7の一方の電極にはそれぞれバイアス線9が接続されており、各バイアス線9は結線10に結束されてバイアス電源14に接続されている。バイアス電源14は、結線10および各バイアス線9を介して各放射線検出素子7の電極にそれぞれバイアス電圧(厳密に言えば逆バイアス電圧)を印加するようになっている。
また、各放射線検出素子7の他方の電極はTFT8のソース電極8s(図8中ではSと表記されている。)に接続されており、各TFT8のゲート電極8g(図8中ではGと表記されている。)は、走査駆動手段15のゲートドライバ15bから延びる走査線5の各ラインL1〜Lxにそれぞれ接続されている。また、各TFT8のドレイン電極8d(図8中ではDと表記されている。)は各信号線6にそれぞれ接続されている。
走査駆動手段15は、ゲートドライバ15bにオン電圧やオフ電圧を供給する電源回路15aと、走査線5の各ラインL1〜Lxに印加する電圧をオン電圧とオフ電圧の間で切り替えるゲートドライバ15bとを備えている。ゲートドライバ15bは、前述したように、走査線5の各ラインL1〜Lxを介してTFT8のゲート電極8gに印加する電圧をオン電圧とオフ電圧との間で切り替えて、各TFT8のオン状態とオフ状態とを制御するようになっている。
また、各信号線6は、読み出しIC16内に形成された各読み出し回路17にそれぞれ接続されている。読み出し回路17は、増幅回路18と、相関二重サンプリング(Correlated Double Sampling)回路19と、アナログマルチプレクサ21と、A/D変換器20とで構成されている。
例えば、放射線画像撮影の際に、被写体を介して放射線画像撮影装置1に放射線が照射されると、シンチレータ3で放射線が他の波長の電磁波に変換され、変換された電磁波がその直下の放射線検出素子7に照射される。そして、照射された放射線の線量(すなわち電磁波の光量)に応じて放射線検出素子7内で電荷が発生する。
各放射線検出素子7からの画像データDの読み出し処理においては、走査駆動手段15のゲートドライバ15bから走査線5の所定のラインLnにオン電圧が印加されると、走査線5の当該ラインLnを介してそれに接続されている各TFT8のゲート電極8gにオン電圧が印加されて各TFT8がオン状態となり、オン状態となった各TFT8と接続されている放射線検出素子7から各TFT8を介して信号線6に電荷が放出される。
そして、放射線検出素子7から放出された電荷量に応じて増幅回路18から電圧値が出力され、それを相関二重サンプリング回路19で相関二重サンプリングしてアナログ値の画像データDがマルチプレクサ21に出力される。マルチプレクサ21から順次出力された画像データDは、A/D変換器20で順次デジタル値の画像データDに変換され、記憶手段23に出力されて順次保存されるようになっている。
制御手段22は、CPU(Central Processing Unit)やROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、入出力インターフェース等がバスに接続されたコンピュータや、FPGA(Field Programmable Gate Array)等により構成されている。専用の制御回路で構成されていてもよい。
制御手段22は、放射線画像撮影装置1の走査駆動手段15や読み出し回路17等の各機能部の動作等を制御するようになっている。制御手段22には、DRAM(Dynamic RAM)等で構成される記憶手段23や、放射線画像撮影装置1の各機能部に電力を供給するバッテリ24が接続されている。また、制御手段22には、前述したアンテナ装置41やコネクタ39(図8では図示省略)が接続されている。
制御手段22は、走査駆動手段15や読み出し回路17等を制御して、各放射線検出素子7からの画像データDの読み出し処理や、各放射線検出素子7内に残存する電荷を除去する各放射線検出素子7のリセット処理を行わせたり、バイアス電源14を制御してバイアス電源14から各放射線検出素子7に印加するバイアス電圧を設定、可変させる等、放射線画像撮影装置1の各機能部に対して種々の制御を行うようになっている。
また、制御手段22は、上記のようにして各放射線検出素子7からの画像データDの読み出し処理を行うと、読み出した画像データD等を後述するコンソール58に送信するようになっている。
一方、後述するように、放射線画像撮影装置1が撮影室Raに持ち込まれると、後述するクレードル55に挿入されるようになっている。その際、制御手段22は、放射線画像撮影装置1がクレードル55に挿入された際に、コネクタ39(図2参照)がクレードル55のコネクタ55a(後述する図12参照)に接続されると、クレードル55を介して後述する中継器54(図1参照)に放射線画像撮影装置1の識別情報であるカセッテIDを通知するようになっている。
また、制御手段22は、放射線技師等の撮影者により選択手段である選択スイッチ38(図2参照)が押下されると、自らの識別情報であるカセッテIDと、自らが選択されたことを示す選択信号とを、アンテナ装置41を介してコンソール58に送信するようになっている。
また、制御手段22は、放射線技師等の撮影者により電源スイッチ37が押下されて電源がオンになると、自らの識別情報であるカセッテIDと、自らが起動したことを示す起動信号とを、アンテナ装置41を介してコンソール58に送信し、また、放射線技師等の撮影者により電源スイッチ37が押下されて電源をオフされた場合には、放射線画像撮影装置1の電源をオフする前に、自らの識別情報であるカセッテIDと、自らがオフ状態になることを示す停止信号とを、アンテナ装置41を介してコンソール58に送信するようになっている。
そして、放射線画像撮影や画像データDの読み出し処理等を行わない場合に、各機能部に電力を供給すると、バッテリ24が消耗してしまうため、制御手段22は、前述したように、各機能部に電力を供給して放射線画像撮影を行うことができる状態、すなわち撮影可能な状態とする撮影可能モードと、電力消費を抑制するために必要な機能部にのみ電力を供給して少なくとも放射線検出素子には電力の供給を停止して放射線画像撮影ができないスリープモードとの間で、各機能部に対する電力供給モードを切り替えることができるようになっている。
本実施形態では、スリープモードでは、コンソール58等からの信号を受信できるようにアンテナ装置41や制御手段22等の最小限起動していることが必要な機能部にのみ電力を供給し、バイアス電源14や走査駆動手段15、読み出し回路17(読み出しIC16)等には電力を供給しないようになっている。
電源スイッチ37(図2参照)が押下された場合に、放射線画像撮影装置1を撮影可能モードで立ち上げるかスリープモードで立ち上げるかは適宜設定されるとしても、制御手段22は、少なくとも、選択スイッチ38が押下された場合に、放射線画像撮影装置1がスリープモードになっている場合には、電力供給モードを撮影可能モードに切り替える。
また、制御手段22は、電力供給モードを撮影可能モードに切り替えて遷移させた後、所定時間が経過しても放射線画像撮影が行われない場合は、所定時間が経過した時点で、電力供給モードを自動的にスリープモードに切り替えて遷移させるようになっている。なお、その際、このスリープモードに遷移させるまでの所定時間を、放射線画像撮影装置1の使用頻度等に応じて可変させるように構成してもよいことは、前述した特許文献6等に記載されている通りである。
そして、制御手段22は、電力供給モードを切り替える際に、コンソール38に、撮影可能モードになったことを表す信号、或いはスリープモードになったことを表す信号を、それぞれ自らのカセッテIDとともに送信するようになっている。
なお、放射線画像撮影装置1は、後述するように、CRカセッテと互換サイズを有しており、施設に既存の後述するブッキー装置51に装填して使用することができるようになっている。
また、放射線画像撮影装置1は、ブッキー装置51に装填されている場合には、ブッキー装置51から電力の供給を受けるが、ブッキー装置51に装填されていない単独の状態では、バッテリ24(図8参照)から制御手段22やバイアス電源14、走査駆動手段15、読み出し回路17(読み出しIC16)等の各機能部に電力を供給するようになっている。なお、ブッキー装填時は、画像データDの送信や制御用通信等はブッキー装置51を介して有線方式で行われる。
さらに、放射線画像撮影装置1は、後述するように、ブッキー装置51に装填されている場合には、ブッキー装置51から電力の供給を受けるが、ブッキー装置51に装填されていない単独の状態では、バッテリ24(図8参照)から制御手段22やバイアス電源14、走査駆動手段15、読み出し回路17(読み出しIC16)等の各機能部に電力を供給するようになっている。
次に、放射線画像撮影システム50における他の各装置等について説明する。
図1に示すように、ブッキー装置51は、カセッテ保持部(カセッテホルダともいう。)51aに放射線画像撮影装置1を装填して用いることができるようになっている。なお、図1では、撮影室Raに、ブッキー装置51として立位撮影用のブッキー装置51Aと臥位撮影用のブッキー装置51Bが設置されている場合が示されているが、例えば、立位撮影用のブッキー装置51Aのみ、或いは臥位撮影用のブッキー装置51Bのみが設けられているような場合にも本発明は適用される。
ブッキー装置51は、カセッテ保持部51aに従来のCRカセッテを装填して用いることもできるように構成されており、撮影室RaにCRカセッテ用に設置されている既存のブッキー装置が用いられる。
そのため、上記の放射線画像撮影装置1は、CRカセッテと同様の寸法になるように形成されている。すなわち、CRカセッテは、従来のスクリーンフィルム用のカセッテにおけるJIS規格サイズ(対応する国際規格はIEC 60406)に準拠して、14インチ×17インチ(半切サイズ)等の寸法で形成される。また、放射線入射方向の厚さは15mm+1mm〜15mm−2mmの範囲内になるように形成される。
そして、このJIS規格サイズのCRカセッテを装填することができるブッキー装置51への装填使用を可能とするため、放射線画像撮影装置1も、CRカセッテが準拠するスクリーンフィルム用のカセッテにおけるJIS規格に準拠した寸法で形成されている。
なお、スクリーン/フィルムカセッテやCRカセッテ用の既存のブッキー装置を用いない場合には、放射線画像撮影装置1を上記の寸法で形成する必要はなく、放射線画像撮影装置1を任意の大きさや形状に形成することが可能である。しかし、その際には、ブッキー装置51として、任意に設定された形状の放射線画像撮影装置1を装填することができるブッキー装置を新たに撮影室Ra内に設置することが必要となる。
本実施形態では、図9に示すように、放射線画像撮影装置1をブッキー装置51に装填する前に、ブッキー装置51から延びるケーブルの先端に設けられたコネクタ51bを放射線画像撮影装置1のコネクタ39に接続し、その状態で放射線画像撮影装置1をブッキー装置51のカセッテ保持部51aに装填するようになっている。
なお、例えば図10に示すように、ブッキー装置51のカセッテ保持部51aの内部に、装填された放射線画像撮影装置1のコネクタ39(図2参照)と接続されるコネクタ51bを設けるように構成することも可能である。この場合、図10に示した立位撮影用のブッキー装置51Aの場合だけでなく、臥位撮影用のブッキー装置51Bにも同様にコネクタ51bが設けられる。
ブッキー装置51は、コネクタ51bと放射線画像撮影装置1のコネクタ39とが接続されると、放射線画像撮影装置1からその識別情報であるカセッテIDを読み出し、放射線画像撮影装置1のカセッテIDと自らの識別情報であるブッキーIDとを対応付けて、コンソール58に送信するようになっている。
前述したように、ブッキー装置51は、放射線画像撮影装置1がカセッテ保持部51aに装填されて用いられている場合には、放射線画像撮影装置1からコネクタ39を介して出力される画像データD等を、後述する中継器54に有線方式で伝送して、中継器54を介してコンソール58に送信するようになっている。
また、ブッキー装置51のコネクタ51bと放射線画像撮影装置1のコネクタ39とが接続されることにより、ブッキー装置51から放射線画像撮影装置1に電力を供給するようになっている。そのため、放射線画像撮影装置1の制御手段22は、コネクタ39、51b同士が接続されると、バッテリ24(図8参照)からの各機能部への電力の供給を停止し、コネクタ39を介してブッキー装置51から供給される電力を各機能部に供給するように切り替えるようになっている。
このように構成すれば、少なくとも可搬型の放射線画像撮影装置1をブッキー装置51に装填して用いる場合には、放射線画像撮影装置1に内蔵されたバッテリ24の電力が消費されないようになるため、バッテリ24が無駄に電力を消費することを的確に防止して、バッテリ24の使用効率を向上させることが可能となるとともに、撮影の最中にバッテリ切れを起こして撮影が行えなくなったり再撮影が必要となったりするような事態が生じることを的確に防止することが可能となる。
また、可搬型の放射線画像撮影装置1がブッキー装置51に装填されて用いられている際に、後述するように、コンソール58から放射線画像撮影装置1の電力供給モードをスリープモードに遷移させる旨の指示を受けた場合に、放射線画像撮影装置1で、ブッキー装置51から供給される電力をバッテリ24に供給して、バッテリ24の充電を行うように構成することも可能である。
このように構成すれば、撮影に使用せずスリープモードに遷移させられた可搬型の放射線画像撮影装置1で、自動的にバッテリ24の充電を行うことが可能となるため、撮影の最中にバッテリ切れを起こして撮影が行えなくなったり再撮影が必要となったりするような事態が生じることを確実に防止することが可能となる。
なお、本実施形態では、撮影室Ra内に、上記のようなブッキー装置51が1機のみ設けられていてもよいが、放射線画像撮影装置1は撮影室Ra内に少なくとも2機以上存在することが前提となっている。すなわち、放射線画像撮影装置1は、可搬型の放射線画像撮影装置1がブッキー装置51に装填されたり、可搬型の放射線画像撮影装置1がブッキー装置51に装填されずに単独の状態で用いられたり、或いは、専用機型の放射線画像撮影装置1の形で、少なくとも2機以上、撮影室Ra内に存在している。
図1に示すように、撮影室Raには、被写体に放射線を照射する放射線源52が少なくとも1つ設けられている。そして、放射線源52のうち、1つの放射線源52Aは、例えば撮影室Raの天井からつり下げられて配置されるようになっており、撮影時にはコンソール58からの指示に基づいて起動され、図示しない移動手段により所定の位置にまで移動されるようになっている。
そして、放射線の照射方向を変えることで、立位撮影用のブッキー装置51Aや臥位撮影用のブッキー装置51Bに装填された放射線画像撮影装置1に対して放射線を照射することができるようになっている。また、専用機型の放射線画像撮影装置1が存在する場合には、それに専用の放射線源52を設けてもよく、また、ブッキー装置51に用いる放射線源52を共用するように構成することも可能である。
また、撮影室Raには、立位撮影用や臥位撮影用のブッキー装置51A、51B等には対応付けられていないポータブルの放射線源52Bも設けられている。ポータブルの放射線源52Bは、撮影室Ra内のいかなる場所にも持ち運びでき、任意の方向に放射線を照射できるようになっている。
そして、放射線画像撮影装置1を単独の状態(すなわちブッキー装置51に装填しない状態)で被写体である患者の身体の部分にあてがったり、臥位撮影用のブッキー装置51Bのテーブルや図示しないベッドと患者の身体との間に差し込んだりした状態で、ポータブルの放射線源52Bから適切な距離や方向で放射線を照射することができるようになっている。
なお、放射線画像撮影装置1は、このように、ブッキー装置51に装填されない単独の状態で放射線画像撮影に用いることができるようになっている。
放射線源52は、X線管球を備えており、X線管球は、後述する放射線発生装置57から所定の管電圧や管電流が供給されると、指定された照射時間だけ管電圧等に応じた線量の放射線を照射するようになっている。
前述したように、撮影室Raは鉛などでシールドされているため、撮影室Ra内で放射線画像撮影装置1からアンテナ装置41を介して画像データD等の情報を送受信しようとしても、そのままでは送受信できない。そこで、図1に示すように、放射線画像撮影装置1とコンソール58とが無線通信する際に、これらの通信を中継する無線アンテナ53を備えた中継器(基地局や無線アクセスポイントともいう。)54が設けられている。
なお、前述したように、ブッキー装置51と中継器54とはケーブル等で接続されており、放射線画像撮影装置1をブッキー装置51に装填して用いる場合には、放射線画像撮影装置1から出力された画像データD等は、ブッキー装置51や中継器54等を介して有線方式でコンソール58に送信される。
中継器54には、クレードル55が接続されている。図11に示すように、撮影室Raに持ち込まれた放射線画像撮影装置1が挿入されて、放射線画像撮影装置1のコネクタ39とクレードル55のコネクタ55aとが接続されると、前述したように放射線画像撮影装置1からカセッテIDが、クレードル55を介して中継器54に通知されるようになっている。そして、中継器54は、クレードル55から放射線画像撮影装置1のカセッテIDが送信されてくると、そのカセッテIDをコンソール58に通知するようになっている。
なお、クレードル55は、通常、放射線画像撮影装置1等を保管したり充電するために用いられるものであり、以下の各実施形態においても、クレードル55が充電等の機能を有するように構成することも可能である。さらに、図11では、放射線画像撮影装置1を挿入する挿入口が2個設けられたクレードル55が示されているが、挿入口は1個でもよく、或いは3個以上設けられていてもよい。
また、クレードル55は撮影室Raと前室Rbのいずれに設置されてもよく、撮影室Raに設置される場合には、放射線源52から照射される放射線が到達しない位置、すなわち、例えば撮影室Raのコーナーの位置等に設置される。
一方、撮影室Raや前室Rbに持ち込まれた放射線画像撮影装置1を検知してコンソール58にカセッテIDを通知する手段としては、上記のようにクレードル55を用いる代わりに、或いはグレードル55と併用して、図12に示すように、例えば前室Rbの扉付近にタグリーダ60を設けるように構成することも可能である。
このように構成する場合、予め、放射線画像撮影装置1内に、いわゆるRFID(Radio Frequency IDentification)タグ等の図示しないタグを内蔵させておき、タグに放射線画像撮影装置1のカセッテID等の固有情報を記憶させておく。そして、放射線画像撮影装置1がタグリーダ60の近傍を通過して撮影室Raや前室Rbに持ち込まれる際に、タグリーダ60で放射線画像撮影装置1のタグからカセッテID等の情報を読み取り、そのカセッテIDをコンソール58に通知するように構成することが可能である。
このように、タグリーダ60を用いるように構成すれば、放射線画像撮影装置1の撮影室Ra内への持ち込みおよび当該撮影室Raからの持ち出しの両方を検知することが可能となり、好ましい。なお、この場合は、タグリーダ60とクレードル55とで少なくとも放射線画像撮影装置1の撮影室Ra内への持ち込みをダブルチェックするように構成することも可能である。また、タグリーダ60のみを用いる場合には、クレードル55は例えば単に放射線画像撮影装置1の充電用等として用いられる。
図1に示すように、前室(操作室等ともいう。)Rbには、放射線源52に対して放射線の照射開始等を指示するための曝射スイッチ56等を備えた放射線発生装置57が設けられている。
また、コンソール58は前室Rbに設けられており、図示しないCPUやROM、RAM、入出力インターフェース等がバスに接続されたコンピュータ等で構成されている。ROMには所定のプログラムが格納されており、コンソール58は、必要なプログラムを読み出してRAMの作業領域に展開してプログラムに従って各種処理を実行するようになっている。
コンソール58には、CRT(Cathode Ray Tube)やLCD(Liquid Crystal Display)等からなる表示部58aが設けられており、その他、キーボードやマウス等の図示しない入力手段等が接続されている。また、コンソール58には、ハードディスク等で構成された記憶手段59が接続されており、記憶手段59には、放射線画像撮影装置1から送信されてきた画像データD等が保存されるようになっている。
また、コンソール58には、ネットワークNを介して、HIS(Hospital Information System;病院情報システム)61やRIS(Radiology Information System;放射線科情報システム)62が接続されており、その他、図示を省略するが、他のコンピュータや、放射線画像をフィルム等の画像記録媒体に記録して出力するイメージャ等の外部機器が接続されている。なお、前述した図12では、HIS61やRIS62等の図示が省略されている。
コンソール58は、前述したように、撮影室Raに持ち込まれた放射線画像撮影装置1が挿入されて、放射線画像撮影装置1のカセッテID等がクレードル55や中継器54を介して送信されてくると、そのカセッテIDを記憶手段59に保存して、そのカセッテIDを有する放射線画像撮影装置1が撮影室Ra或いは前室Rb内に持ち込まれたことを認識して管理するようになっている。
また、コンソール58は、撮影室Ra内の放射線画像撮影装置1から前述した停止信号が送信されてくると、記憶手段59に保存されている当該カセッテIDに対応付けられて保存されている当該放射線画像撮影装置1の稼動状態を表す情報が、停止状態を表す情報である場合はそのままとし、起動状態を表す情報である場合は、カセッテIDに停止状態を表す情報を新たに対応付けて上書き保存する。
そして、コンソール58は、撮影室Ra内の放射線画像撮影装置1から前述した起動信号が送信されてくると、記憶手段59に保存されている当該カセッテIDに対応付けられて保存されている当該放射線画像撮影装置1の稼動状態を表す情報が、起動状態を表す情報である場合はそのままとし、停止状態を表す情報である場合は、カセッテIDに起動状態を表す情報を新たに対応付けて上書き保存する。
コンソール58は、このようにして、放射線画像撮影装置1の稼動状態が、現在、起動状態(すなわち電源がオンされている状態)と停止状態(すなわち電源がオフされている状態)のいずれの状態にあるかを認識して管理するようになっている。
なお、放射線画像撮影装置1からコンソール58に、放射線画像撮影装置1の稼動状態を表す信号、すなわち起動信号や停止信号を送信するように構成する代わりに、例えば、コンソール58が、定期的に或いは必要なタイミングで、中継器54の無線アンテナ53を介して撮影室Ra内をサーベイして、撮影室Ra内に存在する各放射線画像撮影装置1の稼動状態が起動状態であるか停止状態であるかを監視して管理するように構成することも可能である。
一方、コンソール58は、前述したように、放射線画像撮影装置1から撮影可能モードになったことを表す信号がカセッテIDとともに送信されてくると、記憶手段59に保存されている当該カセッテIDに対応付けられて保存されている当該放射線画像撮影装置1の電力供給モードを表す情報が、撮影可能モードを表す情報である場合はそのままとし、スリープモードを表す情報である場合は、カセッテIDに撮影可能モードを表す情報を新たに対応付けて上書き保存する。
また、放射線画像撮影装置1からスリープモードになったことを表す信号がカセッテIDとともに送信されてきた場合には、記憶手段59に保存されている当該カセッテIDに対応付けられて保存されている当該放射線画像撮影装置1の電力供給モードモードを表す情報が、スリープモードを表す情報である場合はそのままとし、保存されているモードを表す情報が撮影可能モードを表す情報である場合は、カセッテIDにスリープモードを表す情報を新たに対応付けて上書き保存する。
コンソール58は、このようにして、放射線画像撮影装置1が、現在、撮影可能モードとスリープモードとのいずれの電力供給モードにあるかを認識して管理するようになっている。少なくともこのコンソール58による電力供給モードの管理は、専用機型の放射線画像撮影装置1についても行われる。
なお、コンソール58は、前述したように、放射線画像撮影装置1がコネクタ51bと接続されたブッキー装置51から、放射線画像撮影装置1のカセッテIDとブッキーIDとが送信されてくると、記憶手段59に保存されている当該カセッテIDに、ブッキーIDを対応付けて保存するようになっている。
また、放射線画像撮影装置1とコネクタ51bとの接続が解除された場合には、記憶手段59に保存されている当該放射線画像撮影装置1のカセッテIDとブッキーIDとの対応付けを解除して、カセッテIDのみを保存するようになっている。
このようにして、本実施形態では、コンソール58は、放射線画像撮影装置1が、ブッキー装置51に装填されて用いられる場合には、どの放射線画像撮影装置1がどのブッキー装置51に装填されているか、或いは装填されていないかを認識して管理するようになっている。
また、HIS61やRIS62(図1参照)では、予め個々の患者に対して所定の放射線画像撮影を行うために必要な情報が設定された撮影オーダ情報を登録することができるようになっている。
撮影オーダ情報は、少なくとも撮影部位と撮影条件を指定して設定されるようになっている。具体的には、撮影オーダ情報は、図13に例示するように、患者情報としての「患者ID」P2、「患者氏名」P3、「性別」P4、「年齢」P5、「診療科」P6、および「撮影部位」P7、および撮影条件としての「撮影方向」P8等で構成されるようになっている。
本実施形態では、さらに撮影条件として、放射線画像撮影装置1をブッキー装置51に装填した状態で撮影を行うか否かの情報として「ブッキーID」P9の項目が設けられており、ブッキー装置51に装填する場合にはそのブッキーIDを記載するようになっている。図13に示した例で、ブッキーID「001」、「002」はそれぞれ立位撮影用のブッキー装置51Aおよび臥位撮影用のブッキー装置51Bを表し、ブッキーID「003」は、放射線画像撮影装置1をブッキー装置51に装填せずに単独の状態で用いることを表す。
そして、撮影オーダが登録された順に、各撮影オーダ情報に対して「撮影オーダID」P1が自動的に割り当てられるようになっている。なお、撮影オーダ情報に書き込む患者情報や撮影条件等の内容は、上記のものに限定されず、例えば、患者の生年月日、診察回数、放射線の線量、太っているか痩せているか等の情報を含むように構成することも可能である。
以下、コンソール58における処理の構成について説明するとともに、本実施形態に係る放射線画像撮影システム50の作用について説明する。
コンソール58は、放射線技師等の撮影者の操作により、各撮影オーダ情報が登録されているHIS61やRIS62から必要な各撮影オーダ情報を入手するようになっている。なお、各撮影オーダ情報がコンソール58自体に登録されている場合には、各撮影オーダ情報が記憶されている記憶手段59にアクセスして必要な各撮影オーダ情報を入手する。
この場合、例えば、撮影者がコンソール58にこれから撮影を行う患者の氏名や患者ID等を入力したり、患者が持参した撮影依頼書に記載されているバーコードを読取装置で読み取ってコンソール58に入力したり、或いは、撮影オーダ情報で撮影日が指定されている場合にはコンソール58に撮影日を入力するなど、適宜の方法で必要な撮影オーダ情報をHIS61やRIS62等から入手する。
そして、コンソール58は、撮影オーダ情報を入手すると、コンソール58の表示部58aに、図14に示すように、各撮影オーダ情報の一覧を選択画面H1として表示するようになっている。
本実施形態では、選択画面H1には、各撮影オーダ情報の一覧を表示するための撮影オーダ情報表示欄h11が設けられており、撮影オーダ情報表示欄h11の左側には、撮影する予定の撮影オーダ情報を選択するための選択ボタンh12が各撮影オーダ情報に対応して設けられている。また、撮影オーダ情報表示欄h11の下側には、決定ボタンh13及び戻るボタンh14が設けられている。
そして、例えば、撮影者が選択ボタンh12をクリックして、例えば患者「M」に関して表示されている4つの撮影オーダ情報を全て選択して、決定ボタンh13をクリックすると、本実施形態では、コンソール58は、選択された撮影オーダ情報の数(すなわちこの場合は4)の情報をCPUのメモリ等に保存したうえで、表示部58a上に、図15に示すような画面H2を表示するようになっている。
ここで、画面H2に表示される一般的な表示の仕方について説明すると、図15に示すように、本実施形態では、画面H2の上側に、患者の氏名「M」や患者ID、性別、生年月日、年齢等が表示されるようになっている。また、本実施形態では、画面H2の中央部分に、選択された各撮影オーダ情報に対応するアイコンI1〜I4が、撮影オーダ情報の撮影オーダID順(図14等のP1参照)すなわち登録順に、左上、右上、左下、右下の順に表示される。
なお、このように、各アイコンI1〜I4を登録順に並べて表示することも可能であるが、例えば、撮影者が各アイコンI1〜I4を表示する順番を変更することができるように構成することも可能である。
また、各アイコンIの下部には、後述するように、アイコンIの位置に表示された放射線画像pを放射線技師等の撮影者が見て、正常な画像pが得られており、当該アイコンIで指定された撮影が完了したと判断して当該撮影を確定させる際にクリックする「OK」ボタンと、撮影や画像処理等をやり直す必要がある等と判断した際にクリックする「NG」ボタンがそれぞれ表示されている。
図15に示すように、各アイコンI1〜I4では、対応する各撮影オーダ情報で指定された臥位撮影用のブッキー装置51Bを模した図柄と「臥位」の表示や、立位撮影用のブッキー装置51Aを模した図柄と「立位」の表示や、放射線画像撮影装置1を単独の状態で使用する場合には放射線画像撮影装置1を模した図柄が表示されるようになっており、放射線技師等の撮影者が、いずれの装置(モダリティ)を用いて撮影を行うかが一目で分かるようになっている。
また、各アイコンI1〜I4では、それらの図柄等の右側に、放射線発生装置57の放射線源52(図2参照)から放射線を照射する際の管電圧や管電流、照射時間等の照射条件が表示されるようになっている。図15では、デフォルトの状態では、それらの値として例えば100kV、200mA、300msが設定される場合が示されており、それらの照射条件は、画面H2の右側に表示されている照射条件の設定用の表示Ia上の各項目の「+」ボタンや「−」ボタンをクリックすることで変更して設定することができるようになっている。
また、各アイコンI1〜I4の下方には、各アイコンI1〜I4に対応する放射線画像撮影で用いられる放射線画像撮影装置1の種類や使用の向き等が表示されており、さらにその下方には、「腹部正面P→A」等の撮影部位(P7)や撮影方向(P8)が表示されるようになっている。
一方、本実施形態では、各アイコンI1〜I4のうち、いずれか1つのアイコンIがフォーカスされて表示されるようになっている。なお、図15では、アイコンI2がフォーカスされて表示されている場合が示されている。また、図15に示すように、アイコンIの枠線を太く強調して示すようにしてアイコンIをフォーカスするように構成してもよく、また、フォーカスされたアイコンIの色や明るさ等を他のアイコンIとは異なる態様で表示する等して、撮影者が当該アイコンIがフォーカスされていることを一目で分かるような態様で表示される。
本実施形態では、コンソール58が、アイコンIのフォーカスを自動的に遷移させるようになっている。
具体的には、コンソール58は、各放射線画像撮影装置1のブッキー装置51への装填状態(すなわち装填されているか否か)や、各放射線源52の起動および配置状態、放射線源52A(図2参照)の位置や向き等から判断して、それぞれの現在の状態を変えないで次の撮影を行うことができ、或いは、変更の程度が最も少ない状態で次の撮影を行うことができる撮影条件が指定された撮影オーダ情報に対応するアイコンIを自動的に選択して、当該アイコンIをフォーカスを遷移させて表示するようになっている。
なお、撮影オーダ情報の順に、左上→右上→左下→右下という順番にフォーカスを遷移させることも可能である。デフォルト設定では、上記の自動遷移モードに設定されている。
例えば、可搬型の放射線画像撮影装置1が立位撮影用のブッキー装置51Aに装填されていて、放射線源52Aが立位撮影用のブッキー装置51Aの方向を向いているような場合には、図15に示した各アイコンI1〜I4のうち、アイコンI2に対応する撮影オーダ情報で指定された撮影条件に合致するため、この状態を変更することなく、アイコンI2に対応する放射線画像撮影を行うことができる。
そのため、このような場合には、図15に示すように、アイコンI2が自動的に選択されて、フォーカスして表示される。撮影を行う放射線技師等の撮影者は、このフォーカスを視認することにより、撮影室Ra内で立位撮影用のブッキー装置51Aを用いた撮影から開始することを認識する。
また、例えば、アイコンI2に対応する撮影が行われると、その時点では、可搬型の放射線画像撮影装置1が立位撮影用のブッキー装置51Aに装填されていて、放射線源52Aが立位撮影用のブッキー装置51Aの方向を向いているため、コンソール58は、次の撮影の際には、上記の状態を変更することなく撮影を行うことができるアイコンI3にフォーカスを遷移させるようになっている。
しかし、コンソール58が、このように、あるアイコンIをフォーカスしたりフォーカスを遷移させて表示する理由は、撮影者にそのアイコンIを選択することを推薦するためであり、撮影者に、選択しフォーカスしたアイコンIに対応する撮影オーダ情報に基づく撮影を行うことを強制するものではない。
そのため、放射線技師等の撮影者が、フォーカスされたアイコンIに対応する撮影オーダ情報以外の撮影オーダ情報に基づいて撮影を行いたい場合には、撮影を行う撮影オーダ情報に対応する別のアイコンIをクリックすることができるようになっている。
そして、撮影者により、別のアイコンIがクリックされると、元のアイコンIのフォーカスは消え、クリックされた当該別のアイコンIがフォーカスして表示される。そして、例えば、臥位撮影用のブッキー装置51Bを使用するI1を選択すると、コンソール58は、当該ブッキー装置51Bに対応する条件(照射方向や絞り等)に合致するように放射線発生装置57に指示して放射線源52Aを制御させる。
画面H2の左側には、フォーカスして表示されているアイコンIに対応する撮影オーダ情報で指定された撮影部位を、撮影者が一目で分かるように表した人体モデルIbが表示されている。図15の場合は、胸部正面の撮影を指定するアイコンI2がフォーカスされているため、人体モデルIbの胸部の部分が他の部分とは別の態様で、すなわち例えば赤く着色されて表示されている。
コンソール58は、選択したアイコンI(図15の場合はアイコンI2)をフォーカスして表示すると、或いは、撮影者がクリックした別のアイコンIをフォーカスして表示すると、フォーカスされているアイコンIに対応する撮影オーダ情報に基づいて、その撮影に用いられる各装置を所定の状態に起動するようになっている。
すなわち、図15に示した場合には、コンソール58は、放射線発生装置57に指示して放射線源52Aが起動していなければ起動させ、立位撮影用のブッキー装置51Aに放射線を照射できる状態になっていなければ、放射線源52Aを所定の位置に移動させて照射方向を変えさせるように制御するようになっている。
一方、フォーカスした表示されたアイコンIに対応する撮影オーダ情報に基づく放射線画像撮影が行われると、前述したように、放射線画像撮影装置1の制御手段22は、各放射線検出素子7から画像データDを読み出して記憶手段23に保存する。そして、制御手段22は、アンテナ装置41やブッキー装置51を介して、画像データD等をコンソール58に送信する。
なお、放射線画像撮影装置1の制御手段22が、各放射線検出素子7から読み出した各画像データDから所定の割合でデータを間引いてデータ量を減少させた間引きデータDtを作成するように構成してもよい。間引きデータDtを作成するように構成する場合には、放射線画像撮影装置1から、間引きデータDtをコンソール58に送信した後、各画像データD等がコンソール58に自動的に送信される。
さらに、制御手段22は、各画像データDに重畳されている暗電荷に起因するオフセット分を取得するためのダーク読取処理を所定のタイミングで行うようになっており、ダーク読取処理で読み出したダーク読取値dに基づいて算出したオフセット補正値Oをコンソール58に自動的に送信する。
コンソール58は、放射線画像撮影装置1から間引きデータDt等が送信されてきた段階で、送信されてきた間引きデータDtに基づいてプレビュー画像を作成するようになっている。
そして、本実施形態では、コンソール58は、作成したプレビュー画像p_preを、例えば図16に示すように、所定時間、アイコンI1〜I4の表示領域全部を使って表示部58aの画面H2に大きく表示するようになっており、所定時間が経過すると、或いは、プレビュー画像p_preを見た放射線技師等の撮影者がプレビュー画像p_pre上でクリックすると、図17に示すように、画面H2は元の画面に戻るが、フォーカスされていた元のアイコンI2の位置にプレビュー画像p_preが表示された状態になる。
そして、プレビュー画像p_preを見た撮影者が、撮影ポジショニングが不正常であり再撮影が必要であると判断した場合には、プレビュー画像p_preの下方の「NG」ボタンをクリックすると、プレビュー画像p_preは破棄されて、画面H2が図15に示した元の表示に戻る。その際、放射線画像撮影装置1から送信されてきた当該撮影に関する画像データDや間引きデータDt等も破棄される。
また、撮影者が、プレビュー画像p_preを見て再撮影は不要であると判断して「OK」ボタンをクリックすると、コンソール58は、前述したように、次のアイコンI3をフォーカスして表示する(図18参照)。そして、アイコンI3に対応する撮影オーダ情報に指定された撮影が行われる。なお、例えば、プレビュー画像p_preを表示した後、一定時間内に「NG」ボタンが操作されない場合に、撮影者がプレビュー画像p_preを承認して「OK」ボタンを操作したものと見なすように構成して、「OK」ボタンの操作を不要とするように構成することも可能である。
一方、コンソール58では、アイコンI2に対応する撮影で得られた画像データD等に基づいて、オフセット補正処理や撮影部位に応じた諧調処理等の放射線画像pの生成処理が進められる。そして、診断用の放射線画像pが生成されると、アイコンI2の位置に表示されていたプレビュー画像p_preを、図18に示すように、自動的に診断用の放射線画像pに置き換えて表示するようになっている。なお、以下では、各アイコンI1〜I4に対応する撮影により取得、生成された放射線画像pをそれぞれ放射線画像p1〜p4という。
放射線技師等の撮影者は、この放射線画像p2を見て確認し、正常な放射線画像p2であれば下方の「OK」ボタンをクリックし、撮影や画像処理等のやり直しが必要がある等と判断した場合には「NG」ボタンをクリックするようになっている。「NG」ボタンがクリックされた場合には、撮影のやり直しや画像処理のやり直し等の必要な措置がとられる。
例えば、図18に示した画面H2で、撮影者が放射線画像p2を見て画像処理のやり直しや微調整が必要であると判断して「NG」ボタンをクリックすると、画面H2の右側に表示されていた照射条件の設定用の表示Iaが、図19に示すように、画質調整用の表示Iaに変わるように構成することが可能である。
なお、画面H2の右側の表示をIaから表示Iaに切り替える切り替え処理を、「NG」ボタンをクリックする代わりに、例えば、右側上方の「照射条件」や「画質調整」等のボタンをクリックすることによっても行うことができるように構成することも可能である。
画質調整用の表示Iaでは、各種ボタンをクリックしたり、レバー状の表示をスライドさせたりすることで、クリックした診断用の放射線画像pの濃度やコントラストの調整や、周波数強調、解像度やサイズの変更等を行うことができるようになっている。そして、新たに処理パラメータが入力されると、入力された処理パラメータに基づく放射線画像pが元の放射線画像pに上書き表示される。
そして、撮影者は、放射線画像p2に対して上記の調整や変更を行って、放射線画像p2が正常になったと判断すると、放射線画像p2の下方の「OK」ボタンをクリックする。また、調整や変更を行っても放射線画像p2が正常になっていないと判断した場合には、放射線画像p2の下方の「NG」ボタンをクリックする。「NG」ボタンがクリックされた場合には、放射線画像p2が破棄されて、アイコンI2に対応する撮影が再び行われる等の必要な措置がとられる。
本実施形態では、「OK」ボタンがクリックされ、放射線画像p2が確定されると、コンソール58は、確定された放射線画像p2を、アイコンI2に対応する撮影オーダ情報に対応付けるようになっている。
なお、表示されている画像が、プレビュー画像p_preではなく放射線画像pであることを放射線技師等の撮影者が視認可能に告知し、当該告知後の一定期間内に「NG」ボタンが操作されない場合は、「OK」ボタンが操作されたものと見なして、放射線画像pとして確定して撮影オーダ情報に対応付けるように構成することも可能であり、このように構成すれば、撮影者のボタン操作の負担を低減することが可能となる。
一方、コンソール58は、放射線画像p2が確定されると、確定された放射線画像pの数をカウントし、確定された放射線画像pの数が、前述した選択された撮影オーダ情報の数(この場合は4)に達したか否かを判断するようになっている。
図18に示した場合には、確定された放射線画像pは放射線画像p2のみであり、確定された放射線画像pの数は1であるため、コンソール58は、確定された放射線画像pの数は選択された撮影オーダ情報の数に達していないと判断して、上記の処理を続行する。
そして、以後、同様にして、撮影が行われて、アイコンIの位置に放射線画像pが表示され、撮影者が「OK」ボタンをクリックして放射線画像pが確定されるごとに、コンソール58は、確定された放射線画像pを対応する撮影オーダ情報に対応付けるとともに、確定された放射線画像pの数をカウントし、確定された放射線画像pの数が、選択された撮影オーダ情報の数に達したか否かを判断する。
この間、立位撮影用のブッキー装置51Aにおいては、一の撮影終了ごとにコンソール58から設定されたスリープ遷移タイマーに基づきスリープ遷移へのカウントダウンを開始するが、次の撮影オーダに基づく撮影が直ちに指示されるため、カウントダウンを中止する。立位撮影用のブッキー装置51Aを指定する2個目の撮影オーダに基づく撮影が終了すると、立位撮影用のブッキー装置51Aでは、再度スリープ遷移のためのカウントダウンが開始される。同様に、臥位撮影用のブッキー装置51Bを指定する撮影オーダに基づく撮影が終了すると、当該臥位撮影用のブッキー装置51Bは、スリープ遷移のためのカウントダウンを開始する。
そして、図20に示すように、例えばアイコンI4に対応する最後の撮影が行われて、アイコンI4の位置に放射線画像p4が表示され、撮影者が「OK」ボタンをクリックして放射線画像p4が確定されると、確定された放射線画像pの数が4になる。そこで、コンソール58は、その確定された放射線画像p4を、アイコンI4に対応する撮影オーダ情報に対応付けるとともに、確定された放射線画像pの数が、選択された撮影オーダ情報の数に達したと判断する。
本実施形態では、コンソール58は、確定された放射線画像pの数が選択された撮影オーダ情報の数に達したと判断すると、その時点で、中継器54(図1参照)を介して撮影室Ra内に存在する複数の放射線画像撮影装置1にただちに電力供給モードをスリープモードに遷移させることを指示する信号を送信し、撮影室Ra内の全ての放射線画像撮影装置1の電力供給モードを、ただちに、かつ、スリープ遷移へのカウントダウン中であっても強制的にスリープモードに遷移させるようになっている。
なお、前述したように、コンソール58が、撮影室Ra内に存在する放射線画像撮影装置1を管理し、それらの電力供給モードが撮影可能モードかスリープモードかを管理するように構成されている場合には、電力供給モードが撮影可能モードである放射線画像撮影装置1に対して上記の信号を送信するように構成することも可能である。
例えば、上記の例で言えば、少なくともアイコンI4に対応する最後の撮影が行われて、それに対応する放射線画像p4が確定した時点でも、当該撮影に用いられた放射線画像撮影装置1が、電力供給モードを撮影可能モードに遷移させてから所定の時間が経過していないために未だ電力供給モードをスリープモードに遷移させておらず、電力供給モードが撮影可能モードのままであるような場合がある。
また、それ以前の撮影に用いられた放射線画像撮影装置1も、未だ電力供給モードをスリープモードに遷移させておらず、電力供給モードが撮影可能モードのままである可能性もある。特に、撮影モードとして使用頻度の高い胸部正面を撮影する立位撮影用のブッキー装置51A等においては、放射線技師による撮影要求を阻害しないために(すなわち撮影チャンスを逃さないために)、比較的長時間のスリープ遷移時間設定を行うこととなる。本当に患者が途切れた場合にのみスリープ遷移させ、胸部正面や胸部側面のように連続撮影の場合にはスリープ遷移させないためである。
しかし、上記のように構成すれば、このように、撮影室Ra内に存在する各放射線画像撮影装置1のうちのいくつかの放射線画像撮影装置1の電力供給モードが撮影可能モードのままであるような場合でも、コンソール58が、確定された放射線画像pの数と選択された撮影オーダ情報の数とが一致したと判断して、上記の信号を送信することで、その時点で、それらの放射線画像撮影装置1の電力供給モードが強制的にスリープモードに遷移される。
そのため、放射線技師等の撮影者が選択した撮影オーダ情報に基づく全ての撮影が終了したにもかかわらず、撮影室Ra内の放射線画像撮影装置1の電力供給モードが撮影可能モードである状態が続いて電力が無駄に消費されてしまうことを的確に防止することが可能となる。
そして、個々の放射線画像撮影装置1は勿論、放射線画像撮影システム50全体として見た場合でも、電力の無駄な消費が防止され、放射線画像撮影システム50全体の運用に要する電力消費をより低減させることが可能となる。
以上のように、本実施形態に係る放射線画像撮影システム50によれば、コンソール58は、選択された撮影オーダ情報の数と、放射線画像撮影装置1から送信されてきた画像データDに基づいて生成して確定された放射線画像pの数とが一致するか否かを判断し、選択された撮影オーダ情報の数と確定された放射線画像pの数とが一致した時点で、ただちに撮影室Ra内の複数の放射線画像撮影装置1の電力供給モードを、スリープモードに遷移させる。
そのため、放射線技師等の撮影者が選択した撮影オーダ情報に基づく全ての撮影が終了したにもかかわらず、撮影室Ra内の放射線画像撮影装置1の電力供給モードが撮影可能モードである状態が続いて電力が無駄に消費されてしまうことを的確に防止することが可能となり、個々の放射線画像撮影装置1は勿論、放射線画像撮影システム50全体として見た場合でも、電力の無駄な消費が防止され、放射線画像撮影システム50全体の運用に要する電力消費をより低減させることが可能となる。
また、そのため、放射線画像撮影装置1の電力供給モードが撮影可能モードのままになって通電状態が続き、放射線検出素子7等の寿命を短くなったり、バッテリ24の電力が無駄に消費されてバッテリ24の使用効率が低下したり撮影の最中にバッテリ切れを起こしてしまう等の事態が生じることを的確に防止することが可能となる。
なお、上記の実施形態では、撮影室Ra内の放射線画像撮影装置1から送信されてきた画像データDに基づいてコンソール58が生成した放射線画像pが、放射線技師等の撮影者により確定された時点で、選択された撮影オーダ情報の数と確定された放射線画像pの数とが一致するか否かを判断し、一致した時点で、強制的に全ての放射線画像撮影装置1の電力供給モードをただちにスリープモードに遷移させるように構成した場合について説明した。
しかし、熟練した放射線技師等の撮影者は、放射線画像撮影装置1から送信されてきた画像データDや間引きデータDtに基づいてコンソール58の表示部58a上に表示されたプレビュー画像p_preを見た時点で、その後、画像データDに基づいて生成される放射線画像pが正常な画像になり、或いは、図19に示した画質調整用の表示Iaで放射線画像pの濃度やコントラストの調整や周波数強調、解像度やサイズの変更等を行えば正常な放射線画像pになると判断できる場合がある。
このような場合には、上記の実施形態のように、放射線画像pが確定されるまで待たず、プレビュー画像p_preが表示されて撮影者により「OK」ボタンがクリックされてプレビュー画像p_preが承認された時点で、コンソール58で、選択された撮影オーダ情報の数と、承認されたプレビュー画像p_preの数とが一致するか否かを判断し、一致した時点で、強制的に全ての放射線画像撮影装置1の電力供給モードをただちにスリープモードに遷移させるように構成することも可能である。
このように構成すれば、上記の実施形態の場合より早急に全ての放射線画像撮影装置1の電力供給モードをスリープモードに遷移させることが可能となり、個々の放射線画像撮影装置1だけでなく、放射線画像撮影システム50全体として見た場合でも、電力の消費量をより低減させることが可能となり、上記の実施形態と同様の有益な効果をより効果的に発揮させることが可能となる。
また、その他、本発明が上記の実施形態や変形例に限定されず、適宜変更可能であることはいうまでもない。
1 放射線画像撮影装置
7 放射線検出素子
17 読み出し回路
22 制御手段
24 バッテリ
39 コネクタ(通信手段)
41 アンテナ装置(通信手段)
50 放射線画像撮影システム
51 ブッキー装置
58 コンソール
D 画像データ
Dt 間引きデータ
P 検出部
p 放射線画像
p_pre プレビュー画像

Claims (1)

  1. 放射線の照射線量に応じて電荷を発生させる複数の放射線検出素子が二次元状に配列された検出部と、
    前記各放射線検出素子から前記電荷を読み出し、前記各放射線検出素子ごとに前記電荷を画像データに変換して読み出す読み出し回路と、
    外部装置との間で信号を送受信可能な通信手段と、
    読み出された前記画像データを前記通信手段を介して送信するとともに、各機能部に対する電力供給モードを、前記放射線検出素子に電力を供給して放射線画像撮影を可能とする撮影可能モードと、前記通信手段を含む必要な機能部にのみ電力を供給して前記放射線検出素子には電力の供給を停止して放射線画像撮影ができないスリープモードとの間で切り替える制御手段と、
    を備える複数の放射線画像撮影装置と、
    撮影オーダ情報を取得するとともに、選択された前記撮影オーダ情報に基づく撮影が行われて前記放射線画像撮影装置から前記画像データが送信されてくると、前記画像データに基づいて生成して確定された放射線画像を前記撮影オーダ情報に対応付けるコンソールと、
    を備え、
    前記放射線画像撮影装置の前記制御手段は、前記各放射線検出素子から読み出した前記画像データから所定の割合でデータを間引いて間引きデータを作成して前記コンソールに送信し、
    前記コンソールは、前記放射線画像撮影装置から送信されてきた前記間引きデータに基づいて表示したプレビュー画像が承認された時点で、選択された前記撮影オーダ情報の数と、前記承認されたプレビュー画像の数とが一致するか否かを判断し、一致した時点で、前記放射線画像撮影装置の電力供給モードをスリープモードに遷移させることを特徴とする放射線画像撮影システム。
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