JP5750240B2 - エチレン系ワックスの製造方法 - Google Patents
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Description
周期律表の第4族、第5族及び第6族よりなる群から選ばれた遷移金属の化合物、(B)
アルミノオキサンからなるメタロセン系触媒の存在下に、エチレンを重合させるかまた
はエチレンをα−オレフィンとを重合させるエチレン系ワックスの製造方法を提案している。この方法によると、分子量分布の狭いエチレン系ワックスを製造することが可能であるが、さらに生産性に優れたエチレン系ワックスの製造方法が望まれている。
(A)下記一般式(1)で表される第4族遷移金属化合物、
(B)前記第4族遷移金属化合物(A)と反応してイオン対を形成する化合物、および
(C)有機アルミニウム化合物
を含むオレフィン重合用触媒の存在下にエチレンを単独重合させるか、あるいはエチレンと炭素原子数が3以上のオレフィンとを共重合させて、極限粘度[η]が0.60dl/g以下であるエチレン(共)重合体を形成させることを特徴とするエチレン系ワックスの製造方法に関する。
、R1からR14までの隣接した置換基は互いに結合して環を形成してもよく、MはTi、
ZrまたはHfであり、Yは第14族原子であり、Qはハロゲン、炭素数が1〜10の炭化水素基、炭素数が10以下の中性、共役または非共役ジエン、アニオン配位子、および孤立電子対で配位可能な中性配位子からなる群から同一または異なる組合せで選ばれ、nは2〜4の整数、jは1〜4の整数である。)
本発明では、前記のエチレン単独重合体やエチレン共重合体を形成する際の重合または共重合における重合温度が100℃以上であることが好ましい。また、この重合または共重合における平均滞留時間は1時間以下であることが好ましい。本発明では、特に前記重合または共重合における重合温度が100℃以上であり、且つ平均滞留時間が1時間以下で
あることが好ましい。
本発明で用いられるオレフィン重合用触媒を形成する成分のうち、(A)第4族遷移金属化合物は下記一般式(1)で表される。
、R1からR14までの隣接した置換基は互いに結合して環を形成してもよく、MはTi、
ZrまたはHfであり、Yは第14族原子であり、Qはハロゲン、炭素数が1〜10の炭化水素基、炭素数が10以下の中性、共役または非共役ジエン、アニオン配位子、および孤立電子対で配位可能な中性配位子からなる群から同一または異なる組合せで選ばれ、nは2〜4の整数、jは1〜4の整数である。
エチル−1−メチルプロピル、1,1,2,2−テトラメチルプロピル、sec−ブチル、tert−ブチル、1,1−ジメチルブチル、1,1,3−トリメチルブチル、ネオペンチル、シクロヘキシルメチル、シクロヘキシル、1−メチル−1−シクロヘキシル、1−アダマンチル、2−アダマンチル、2−メチル−2−アダマンチル、メンチル、ノルボルニル、ベンジル、2−フェニルエチル、1−テトラヒドロナフチル、1−メチル−1−テトラヒドロナフチル、フェニル、ナフチル、トリル等が挙げられる。
本発明において、上記一般式(1)のR1からR14は水素、炭化水素基、ケイ素含有炭化
水素基から選ばれ、それぞれ同一でも異なっていてもよい。好ましい炭化水素基、ケイ素含有炭化水素基の具体例としては、上記と同様のものを挙げることができる。
上記一般式(1)のシクロペンタジエニル環上のR1からR14までの隣接した置換基は、
互いに結合して環を形成してもよい。
Yは第14族原子であり、好ましくは炭素原子または珪素原子である。nは2〜4の整数であり、好ましくは2または3、特に好ましくは2である。Qはハロゲン、炭素数が1〜10の炭化水素基、炭素数が10以下の中性、共役または非共役ジエン、アニオン配位子および孤立電子対で配位可能な中性配位子からなる群から同一または異なる組み合わせで選ばれる。ハロゲンの具体例としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素であり、炭化水素基の具体例としては、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、2−メチルプロピル、1,1−ジメチルプロピル、2,2−ジメチルプロピル、1,1−ジエチルプロピル、1−エチル−1−メチルプロピル、1,1,2,2−テトラメチルプロピル、sec−ブチル、tert−ブチル、1,1−ジメチルブチル、1,1,3−トリメチルブチル、ネオペンチル、シクロヘキシルメチル、シクロヘキシル、1−メチル−1−シクロヘキシル等が挙げられる。炭素数が10以下の中性、共役または非共役ジエンの具体例としては、s−シス−またはs−トランス−η4−1,3−ブタジエン、s−シス−またはs−トラ
ンス−η4−1,4−ジフェニル−1,3−ブタジエン、s−シス−またはs−トランス
−η4−3−メチル−1,3−ペンタジエン、s−シス−またはs−トランス−η4−1,4−ジベンジル−1,3−ブタジエン、s−シス−またはs−トランス−η4−2,4−
ヘキサジエン、s−シス−またはs−トランス−η4−1,3−ペンタジエン、s−シス
−またはs−トランス−η4−1,4−ジトリル−1,3−ブタジエン、s−シス−また
はs−トランス−η4−1,4−ビス(トリメチルシリル)−1,3−ブタジエン等が挙
げられる。アニオン配位子の具体例としては、メトキシ、tert−ブトキシ、フェノキシ等のアルコキシ基、アセテート、ベンゾエート等のカルボキシレート基、メシレート、トシレート等のスルホネート基等が挙げられる。孤立電子対で配位可能な中性配位子の具体例としては、トリメチルホスフィン、トリエチルホスフィン、トリフェニルホスフィン、ジフェニルメチルホスフィンなどの有機リン化合物、またはテトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジオキサン、1、2−ジメトキシエタン等のエーテル類が挙げられる。jが2以上の整数である場合は、複数のQは同一でも異なっていてもよい。
ニル環部分)、Bridge(架橋部分)、Flu(フルオレニル環部分)の3つに分け、それぞれの部分構造の具体例を、及びそれらの組み合わせによるリガンド構造の具体例
を以下に示す。尚、CpおよびBridgeの具体例において、黒丸(●)で示した点は、それぞれBridgeおよびCpとの結合点を表す。
、金属部分のMQjがZrCl2の場合は、下記メタロセン化合物(化12)を例示したことになる。
trans−η4−1,4−(p−tol)2−1,3−butadiene)、Zr(s−trans−η4−1,4−(SiMe3)2−1,3−butadiene)、Zr(
s−cis−η4−1,3−butadiene)、Zr(s−cis−η4−1,4−Ph2−1,3−butadiene)、Zr(s−cis−η4−3−Me−1,3−pentadiene)、Zr(s−cis−η4−1,4−(CH2Ph)2−1,3−bu
tadiene)、Zr(s−cis−η4−2,4−hexadiene)、Zr(s
−cis−η4−1,3−pentadiene)、Zr(s−cis−η4−1,4−(p−tol)2−1,3−butadiene)、Zr(s−cis−η4−1,4−(SiMe3)2−1,3−butadiene)、Zr(OTs)2、Zr(OMs)2、Zr(OTf)2など、およびこれら遷移金属を、ジルコニウムからチタンまたはハフニウム
に替えたものなどを挙げることができる。
前記した第4族遷移金属化合物(A)と反応してイオン対を形成する化合物(B)としては、特開平1−501950号公報、特開平1−502036号公報、特開平3−179005号公報、特開平3−179006号公報、特開平3−207703号公報、特開平3−207704号公報、USP−5321106号などに記載されたルイス酸、イオン性化合物、ボラン化合物およびカルボラン化合物などを挙げることができる。
オロフェニル)ボロン、トリス(3,5−ジフルオロフェニル)ボロン、トリス(4−フルオロメチルフェニル)ボロン、トリス(ペンタフルオロフェニル)ボロン、トリス(p−トリル)ボロン、トリス(o−トリル)ボロン、トリス(3,5−ジメチルフェニル)ボロン、トリメチルボロン、トリイソブチルボロンなどが挙げられる。
イオン性化合物としては、たとえば下記一般式(2)で表される化合物が挙げられる。
ウムカチオン、ホスホニウムカチオン、シクロヘプチルトリエニルカチオン、遷移金属を有するフェロセニウムカチオンなどが挙げられる。Rf〜Riは、互いに同一でも異なっていてもよく、有機基、好ましくはアリール基または置換アリール基である。
前記アンモニウムカチオンとして具体的には、トリメチルアンモニウムカチオン、トリエチルアンモニウムカチオン、トリ(n−プロピル)アンモニウムカチオン、トリイソプロピルアンモニウムカチオン、トリ(n−ブチル)アンモニウムカチオン、トリイソブチルアンモニウムカチオンなどのトリアルキルアンモニウムカチオン、N,N−ジメチルアニリニウムカチオン、N,N−ジエチルアニリニウムカチオン、N,N−2,4,6−ペンタメチルアニリニウムカチオンなどのN,N−ジアルキルアニリニウムカチオン、ジイソプロピルアンモニウムカチオン、ジシクロヘキシルアンモニウムカチオンなどのジアルキルアンモニウムカチオンなどが挙げられる。
上記のうち、Reとしては、カルベニウムカチオン、アンモニウムカチオンなどが好まし
く、特にトリフェニルカルベニウムカチオン、N,N−ジメチルアニリニウムカチオン、N,N−ジエチルアニリニウムカチオンが好ましい。
カルベニウム塩として具体的には、トリフェニルカルベニウムテトラフェニルボレート、トリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリフェニルカルベニウムテトラキス(3,5−ジトリフルオロメチルフェニル)ボレート、トリス(4−メチルフェニル)カルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリス(3,5−ジメチルフェニル)カルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートなどを挙げることができる。
トリアルキル置換アンモニウム塩として具体的には、たとえばトリエチルアンモニウムテトラフェニルボレート、トリプロピルアンモニウムテトラフェニルボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウムテトラフェニルボレート、トリメチルアンモニウムテトラキス(p−トリル)ボレート、トリメチルアンモニウムテトラキス(o−トリル)ボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリエチルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリプロピルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリプロピルアンモニウムテトラキス(2,4−ジメチルフェニル)ボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウムテトラキス(3,5−ジメチルフェニル)ボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウムテトラキス
(4−トリフルオロメチルフェニル)ボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウムテトラキス(3,5−ジトリフルオロメチルフェニル)ボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウムテトラキス(o−トリル)ボレート、ジオクタデシルメチルアンモニウムテトラフェニルボレート、ジオクタデシルメチルアンモニウムテトラキス(p−トリル)ボレート、ジオクタデシルメチルアンモニウムテトラキス(o−トリル)ボレート、ジオクタデシルメチルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、ジオクタデシルメチルアンモニウムテトラキス(2,4−ジメチルフェニル)ボレート、ジオクタデシルメチルアンモニウムテトラキス(3,5−ジメチルフェニル)ボレート、ジオクタデシルメチルアンモニウムテトラキス(4−トリフルオロメチルフェニル)ボレート、ジオクタデシルメチルアンモニウムテトラキス(3,5−ジトリフルオロメチルフェニル)ボレート、ジオクタデシルメチルアンモニウムなどが挙げられる。
フルオロフェニル)ボレート、 N,N−ジメチルアニリニウムテトラキス(3,5−ジ
トリフルオロメチルフェニル)ボレート、N,N−ジエチルアニリニウムテトラフェニルボレート、 N,N−ジエチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレ
ート、 N,N−ジエチルアニリニウムテトラキス(3,5−ジトリフルオロメチルフェ
ニル)ボレート、N,N−2,4,6−ペンタメチルアニリニウムテトラフェニルボレート、N,N−2,4,6−ペンタメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートなどが挙げられる。
ジアルキルアンモニウム塩として具体的には、たとえばジ(1−プロピル)アンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、ジシクロヘキシルアンモニウムテトラフェニルボレートなどが挙げられる。
[B− Qn(Gq(T−H)r)z]-A+ …(5)
ここで、Bはホウ素を表す。Gは多結合性ヒドロカーボンラジカルを表し、好ましい多結合性ヒドロカーボンとしては炭素数1〜20を含むアルキレン、アリレン、エチレン、アルカリレンラジカルであり、Gの好ましい例としては、フェニレン、ビスフェニレン、ナフタレン、メチレン、エチレン、プロピレン、1,4−ブタジエン、p−フェニレンメチレンがあげられる。多結合性ラジカルGはr+1の結合、すなわち一つの結合はボレートアニオンと結合し、Gのその他の結合rは(T−H)基と結合する。A+はカチオンであ
る。
カル、トリヒドロカルバニルシリルラジカル、トリヒドロカルバニルゲルマニウムラジカル、またはハイドライドを表す。qは1以上の整数で好ましくは1である。T−Hグループとしては、−OH、−SH、−NRH、または−PRjHが挙げられ、ここでRjは炭素数1〜18好ましくは炭素数1〜10のヒドロカルビニルラジカルまたは水素である。好ましいRjグループはアルキル、シクロアルキル、アリル、アリルアルキルまたは炭素数
1〜18を有するアルキルアリルである。−OH、−SH、−NRjHまたは−PRjHは、例えば、−C(O)−OH、−C(S)−SH−C(O)−NRjH、及びC(O)−
PRjHでもかまわない。最も好ましい活性水素を有する基は−OH基である。Qは、ハ
イドライド、ジヒドロカルビルアミド、好ましくはジアルキルアミド、ハライド、ヒドロカルビルオキシド、アルコキシド、アリルオキシド、ハイドロカルビル、置換ハイドロカルビルラジカルなどである。ここでn+zは4である。
ウムカチオン、アンモニウムカチオン、オキソニウムカチオン、スルホニウムカチオン、ホスホニウムカチオンなどが挙げられる。またそれ自信が還元されやすい金属の陽イオンや有機金属の陽イオンも挙げられる。これらカチオンの具体例としては、トリフェニルカルボニウムイオン、ジフェニルカルボニウムイオン、シクロヘプタトリニウム、インデニウム、トリエチルアンモニウム、トリプロピルアンモニウム、トリブチルアンモニウム、ジメチルアンモニウム、ジプロピルアンモニウム、ジシクロヘキシルアンモニウム、トリオクチルアンモニウム、N,N−ジメチルアンモニウム、ジエチルアンモニウム、2,4,6−ペンタメチルアンモニウム、N,N−ジメチルフェニルアンモニウム、ジ−(i−プロピル)アンモニウム、ジシクロヘキシルアンモニウム、トリフェニルホスホニウム、トリホスホニウム、トリジメチルフェニルホスホニウム、トリ(メチルフェニル)ホスホニウム、トリフェニルホスホニウムイオン、トリフェニルオキソニウムイオン、トリエチルオキソニウムイオン、ピリニウム、銀イオン、金イオン、白金イオン、銅イオン、パラ
ジュウムイオン、水銀イオン、フェロセニウムイオンなどが挙げられる。なかでも特にアンモニウムイオンが好ましい。
[B−Qn(Gq(SiRkRlRm)r)z]-A+ …(6)
ここで、Bはホウ素を表す。Gは多結合性ヒドロカーボンラジカルを表し、好ましい多結合性ヒドロカーボンとしては炭素数1〜20を含むアルキレン、アリレン、エチレン、アルカリレンラジカルであり、Gの好ましい例としては、フェニレン、ビスフェニレン、ナフタレン、メチレン、エチレン、プロピレン、1,4−ブタジエン、p−フェニレンメチレンがあげられる。多結合性ラジカルGはr+1の結合、すなわち一つの結合はボレートアニオンと結合し、Gのその他の結合rは(SiRkRlRm)基と結合する。A+はカチオンである。
リルラジカル、トリヒドロカルバニルゲルマニウムラジカル、水素ラジカル、アルコキシラジカル、ヒドロキシラジカルまたはハロゲン化合物ラジカル、を表す。Rk、Rl、Rm
は同一でも独立でも良い。Qは、ハイドライド、ジヒドロカルビルアミド、好ましくはジアルキルアミド、ハライド、ヒドロカルビルオキシド、アルコキシド、アリルオキシド、ハイドロカルビル、置換ハイドロカルビルラジカルなどであり、さらに好ましくはペンタフルオロベンジルラジカルである。ここでn+zは4である。
ボレート化合物の対カチオンであるA+は 上記式(5)中の A+と同じものが挙げられる。
n−ブチル)アンモニウム1−カルバデカボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウム1−カルバウンデカボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウム1−カルバドデカボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウム1−トリメチルシリル−1−カルバデカボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウムブロモ−1−カルバドデカボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウム6−カルバデカボレート(14)、トリ(n−ブチル)アンモニウム6−カルバデカボレート(12)、トリ(n−ブチル)アンモニウム7−カルバウンデカボレート(13)、トリ(n−ブチル)アンモニウム7,8−ジカルバウンデカボレート(12)、トリ(n−ブチル)アンモニウム2,9−ジカルバウンデカボレート(12)、トリ(n−ブチル)アンモニウムドデカハイドライド−8−メチル−7,9−ジカルバウンデカボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウムウンデカハイドライド−8−エチル−7,9−ジカルバウンデカボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウムウンデカハイドライド−8−ブチル−7,9−ジカルバウンデカボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウムウンデカハイドライド−8−アリル−7,9−ジカルバウンデカボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウムウンデカハイドライド−9−トリメチルシリル−7,8−ジカルバウンデカボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウムウンデカハイドライド−4,6−ジブロモ−7−カルバウンデカボレートなどのアニオンの塩;トリ(n−ブチル)アンモニウムビス(ノナハイドライド−1,3−ジカルバノナボレート)コバルト酸塩(III)、トリ(n−ブチル)アンモニウムビス(ウンデカハイドライド−7,8−ジカルバウンデカボレート)鉄酸塩(III)、トリ(n−ブチル)アンモニウムビス(ウンデカハイドライド−7,8−ジカルバウンデカボレート)コバルト酸塩(III)、トリ(n−ブチル)アンモニウムビス(ウンデカハイドライド−7,8−ジカルバウンデカボレート)ニッケル酸塩(III)、トリ(n−ブチル)アンモニウムビス(ウンデカハイドライド−7,8−ジカルバウンデカボレート)銅酸塩(III)、トリ(n−ブチル)アンモニウムビス(ウンデカハイドライド−7,8−ジカルバウンデカボレート)金酸塩(III)、トリ(n−ブチル)アンモニウムビス(ノナハイドライド−7,8−ジメチル−7,8−ジカルバウンデカボレート)鉄酸塩(III)、トリ(n−ブチル)アンモニウムビス(ノナハイドライド−7,8−ジメチル−7,8−ジカルバウンデカボレート)クロム酸塩(III)、トリ(n−ブチル)アンモニウムビス(トリブロモオクタハイドライド−7,8−ジカルバウンデカボレート)コバルト酸塩(III)、トリス〔トリ(n−ブチル)アンモニウム〕ビス(ウンデカハイドライド−7−カルバウンデカボレート)クロム酸塩(III)、ビス〔トリ(n−ブチル)アンモニウム〕ビス(ウンデカハイドライド−7−カルバウンデカボレート)マンガン酸塩(IV)、ビス〔トリ(n−ブチル)アンモニウム〕ビス(ウンデカハイドライド−7−カルバウンデカボレート)コバルト酸塩(III)、ビス〔トリ(n−ブチル)アンモニウム〕ビス(ウンデカハイドライド−7−カルバウンデカボレート)ニッケル酸塩(IV)などの金属カルボランアニオンの塩などが挙げられる。
オレフィン重合用触媒を形成する(C)有機アルミニウム化合物としては、例えば下記一般式(7)で表される有機アルミニウム化合物、下記一般式(8)で表される第1族金属とアルミニウムとの錯アルキル化物、または有機アルミニウムオキシ化合物などを挙げることができる。
Ra m Al(ORb)n Hp Xq …(7)
(式中、Ra およびRb は、互いに同一でも異なっていてもよく、炭素原子数が1〜15、好ましくは1〜4の炭化水素基を示し、Xはハロゲン原子を示し、mは0<m≦3、nは0≦n<3、pは0≦p<3、qは0≦q<3の数であり、かつm+n+p+q=3である。)
M2 AlRa 4 …(8)
(式中、M2 はLi、NaまたはKを示し、Ra は炭素原子数が1〜15、好ましくは1〜4の炭化水素基を示す。)
上記一般式(7)で表される有機アルミニウム化合物としては、例えば下記一般式(9)、(10)、(11)、または(12)で表される化合物などを例示できる。
Ra m Al(ORb)3-m …(9)
(式中、Ra およびRb は、互いに同一でも異なっていてもよく、炭素原子数が1〜15、好ましくは1〜4の炭化水素基を示し、mは好ましくは1.5≦m≦3の数である。)Ra m AlX3-m …(10)
(式中、Ra は炭素原子数が1〜15、好ましくは1〜4の炭化水素基を示し、Xはハロゲン原子を示し、mは好ましくは0<m<3である。)
Ra m AlH3-m …(11)
(式中、Ra は炭素原子数が1〜15、好ましくは1〜4の炭化水素基を示し、mは好ましくは2≦m<3である。)
Ra m Al(ORb)n Xq …(12)
(式中、Ra およびRb は、互いに同一でも異なっていてもよく、炭素原子数が1〜15、好ましくは1〜4の炭化水素基を示し、Xはハロゲン原子を示し、mは0<m≦3、nは0≦n<3、qは0≦q<3の数であり、かつm+n+q=3である。)
上記一般式(9)、(10)、(11)、または(12)で表されるアルミニウム化合物として、より具体的には、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリn−ブチルアルミニウム、トリプロピルアルミニウム、トリペンチルアルミニウム、トリヘキシルアルミニウム、トリオクチルアルミニウム、トリデシルアルミニウムなどのトリn−アルキルアルミニウム;トリイソプロピルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリsec−ブチルアルミニウム、トリ tert−ブチルアルミニウム、トリ2−メ
チルブチルアルミニウム、トリ3−メチルブチルアルミニウム、トリ2−メチルペンチルアルミニウム、トリ3−メチルペンチルアルミニウム、トリ4−メチルペンチルアルミニウム、トリ2−メチルヘキシルアルミニウム、トリ3−メチルヘキシルアルミニウム、トリ2−エチルヘキシルアルミニウムなどのトリ分岐鎖アルキルアルミニウム;トリシクロヘキシルアルミニウム、トリシクロオクチルアルミニウムなどのトリシクロアルキルアルミニウム;トリフェニルアルミニウム、トリトリルアルミニウムなどのトリアリールアルミニウム;ジイソプロピルアルミニウムハイドライド、ジイソブチルアルミニウムハイドライドなどのジアルキルアルミニウムハイドライド;一般式(i−C4 H9)x Aly(C5 H10)z (式中、x、y、zは正の数であり、z≧2xである。)などで表されるイソプレニルアルミニウムなどのアルケニルアルミニウム;イソブチルアルミニウムメトキシド、イソブチルアルミニウムエトキシド、イソブチルアルミニウムイソプロポキシドなどのアルキルアルミニウムアルコキシド;ジメチルアルミニウムメトキシド、ジエチルアルミニウムエトキシド、ジブチルアルミニウムブトキシドなどのジアルキルアルミニウムアルコキシド;エチルアルミニウムセスキエトキシド、ブチルアルミニウムセスキブトキシドなどのアルキルアルミニウムセスキアルコキシド;一般式Ra 2.5 Al(ORb)0.5 などで表される平均組成を有する部分的にアルコキシ化されたアルキルアルミニウム;ジエチルアルミニウムフェノキシド、ジエチルアルミニウム(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノキシド)、エチルアルミニウムビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノキシド)、ジイソブチルアルミニウム(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノキシド)、イソブチルアルミニウムビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノキシド)などのアルキルアルミニウムアリーロキシド;ジメチルアルミニウムクロリド、ジエチルアルミニウムクロリド、ジブチルアルミニウムクロリド、ジエチルアルミニウムブロミド、ジイソブチルアルミニウムクロリドなどのジアルキルアルミニウムハライド;エチルアルミニウムセスキクロリド、ブチルアルミニウムセスキクロリド、エチルアルミニウムセスキブロミドなどのアルキルアルミニウムセスキハライド;エチルアルミニウムジクロリド、プロピルアルミニウムジクロリド、ブチルアルミニウムジブロミドなどのア
ルキルアルミニウムジハライドなどの部分的にハロゲン化されたアルキルアルミニウム;ジエチルアルミニウムヒドリド、ジブチルアルミニウムヒドリドなどのジアルキルアルミニウムヒドリド;エチルアルミニウムジヒドリド、プロピルアルミニウムジヒドリドなどのアルキルアルミニウムジヒドリドなどその他の部分的に水素化されたアルキルアルミニウム;エチルアルミニウムエトキシクロリド、ブチルアルミニウムブトキシクロリド、エチルアルミニウムエトキシブロミドなどの部分的にアルコキシ化およびハロゲン化されたアルキルアルミニウムなどを挙げることができる。
(C2 H5 )2 AlN(C2 H5 )Al(C2 H5 )2
などを挙げることができる。
Al(C7 H15)4 などを挙げることができる。
これらのうち、有機アルミニウム化合物が好ましい。
従来公知のアルミノキサンは、たとえば下記のような方法によって製造することができ、通常、炭化水素溶媒の溶液として得られる。
(1)吸着水を含有する化合物または結晶水を含有する塩類、たとえば塩化マグネシウム水和物、硫酸銅水和物、硫酸アルミニウム水和物、硫酸ニッケル水和物、塩化第1セリウム水和物などの炭化水素媒体懸濁液に、トリアルキルアルミニウムなどの有機アルミニウム化合物を添加して、吸着水または結晶水と有機アルミニウム化合物とを反応させる方法。
(2)ベンゼン、トルエン、エチルエーテル、テトラヒドロフランなどの媒体中で、トリアルキルアルミニウムなどの有機アルミニウム化合物に直接水、氷または水蒸気を作用させる方法。
(3)デカン、ベンゼン、トルエンなどの媒体中でトリアルキルアルミニウムなどの有機アルミニウム化合物に、ジメチルスズオキシド、ジブチルスズオキシドなどの有機スズ酸化物を反応させる方法。
アルミノキサンを調製する際に用いられる有機アルミニウム化合物として具体的には、上記一般式(9)で表される有機アルミニウム化合物として例示したものと同様の有機アルミニウム化合物を挙げることができる。
上記一般式(13)で表されるボロンを含んだ有機アルミニウムオキシ化合物は、下記一般式(14)で表されるアルキルボロン酸と有機アルミニウム化合物とを、不活性ガス雰囲気下に不活性溶媒中で、−80℃〜室温の温度で1分〜24時間反応させることにより製造できる。
RcB(OH)2 …(14)
(式中、Rcは前記と同じ基を示す。)
上記一般式(14)で表されるアルキルボロン酸の具体的なものとしては、メチルボロン酸、エチルボロン酸、イソプロピルボロン酸、n−プロピルボロン酸、n−ブチルボロン酸、イソブチルボロン酸、n−ヘキシルボロン酸、シクロヘキシルボロン酸、フェニルボロン酸、3,5−ジフルオロフェニルボロン酸、ペンタフルオロフェニルボロン酸、3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニルボロン酸などが挙げられる。これらの中では、メチルボロン酸、n−ブチルボロン酸、イソブチルボロン酸、3,5−ジフルオロフェニルボロン酸、ペンタフルオロフェニルボロン酸が好ましい。これらは1種単独でまたは2種以上組み合わせて用いられる。
上記一般式(7)または(8)で表される有機アルミニウム化合物として例示したものと同様の有機アルミニウム化合物を挙げることができる。
本発明で用いられる有機アルミニウムオキシ化合物は、1種単独でまたは2種以上組み合わせて用いられる。
00モル、好ましくは約1〜300モルとなるような量で用いられる。
充分に窒素置換した内容積2リットルのステンレス製オートクレーブにヘキサン1リットルを装入し、系内の温度を145℃に昇温した後、水素を0.3MPa−Gとなるまで導入した。その後、エチレンのみを連続的に供給することにより全圧を3MPa−Gに保
ち、トリイソブチルアルミニウム0.3ミリモル、N,N−ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート0.04ミリモルおよびエチレン(1−シクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロライド0.00005ミリモルを窒素で圧入することにより重合を開始した。150℃で30分間重合を行った。少量のエタノールを系内に添加することにより重合を停止した後、未反応のエチレンをパージした。得られたポリマー溶液を、80℃で減圧下で一晩乾燥した。その結果、[η]が0.05dl/gのエチレン重合体20.0gを得た。結果を表1に示す。
充分に窒素置換した内容積2リットルのステンレス製オートクレーブにヘキサン1リットルを装入し、系内の温度を145℃に昇温した後、水素を0.2MPa−Gとなるまで導入した。その後、エチレンのみを連続的に供給することにより全圧を3MPa−Gに保ち、トリイソブチルアルミニウム0.3ミリモル、N,N−ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート0.04ミリモルおよびエチレン(1−シクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロライド0.00005ミリモルを窒素で圧入することにより重合を開始した。150℃で30分間重合を行った。少量のエタノールを系内に添加することにより重合を停止した後、未反応のエチレンをパージした。得られたポリマー溶液を、80℃で減圧下で一晩乾燥した。その結果、[η]が0.11dl/gのエチレン重合体32.0gを得た。結果を表1に示す。
充分に窒素置換した内容積2リットルのステンレス製オートクレーブにヘキサン1リットルを装入し、系内の温度を145℃に昇温した後、水素を1.0MPa−Gとなるまで導入した。その後、エチレンのみを連続的に供給することにより全圧を3MPa−Gに保ち、トリイソブチルアルミニウム0.3ミリモル、N,N−ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート0.04ミリモルおよびエチレン(1−シクロペンタジエニル)(3,6−t−ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロライド0.0001ミリモルを窒素で圧入することにより重合を開始した。150℃で30分間重合を行った。少量のエタノールを系内に添加することにより重合を停止した後、未反応のエチレンをパージした。得られたポリマー溶液を、80℃で減圧下で一晩乾燥した。その結果、[η]が0.04dl/gのエチレン重合体11.0gを得た。結果を表1に示す。
充分に窒素置換した内容積2リットルのステンレス製オートクレーブにヘキサン1リットルを装入し、系内の温度を145℃に昇温した後、水素を0.2MPa−Gとなるまで導入した。その後、エチレンのみを連続的に供給することにより全圧を3MPa−Gに保ち、トリイソブチルアルミニウム0.3ミリモル、N,N−ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート0.04ミリモルおよびエチレン(1−シクロペンタジエニル)(3,6−t−ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロライド0.00005ミリモルを窒素で圧入することにより重合を開始した。150℃で30分間重合を行った。少量のエタノールを系内に添加することにより重合を停止した後、未反応のエチレンをパージした。得られたポリマー溶液を、80℃で減圧下で一晩乾燥した。その結果、[η]が0.22dl/gのエチレン重合体16.1gを得た。結果を表1に示す。
充分に窒素置換した内容積2リットルのステンレス製オートクレーブにヘキサン1リットルを装入し、系内の温度を145℃に昇温した後、水素を1.3MPa−Gとなるまで導入した。その後、エチレンのみを連続的に供給することにより全圧を3MPa−Gに保ち、トリイソブチルアルミニウム0.3ミリモル、N,N−ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート0.04ミリモルおよびエチレンビス(インデ
ニル)ジルコニウムジクロライド0.0002ミリモルを窒素で圧入することにより重合を開始した。150℃で30分間重合を行った。少量のエタノールを系内に添加することにより重合を停止した後、未反応のエチレンをパージした。得られたポリマー溶液を、80℃で減圧下で一晩乾燥した。その結果、[η]が0.04dl/gのエチレン重合体12.7gを得た。結果を表1に示す。
充分に窒素置換した内容積2リットルのステンレス製オートクレーブにヘキサン1リットルを装入し、続けて、プロピレン100gを装入した。系内の温度を145℃に昇温した後、エチレンのみを連続的に供給することにより全圧を3MPa−Gに保ち、トリイソブチルアルミニウム0.3ミリモル、N,N−ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート0.04ミリモルおよびエチレン(1−シクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロライド0.0002ミリモルを窒素で圧入することにより重合を開始した。150℃で30分間重合を行った。少量のエタノールを系内に添加することにより重合を停止した後、未反応のエチレンをパージした。得られたポリマー溶液を、80℃で減圧下で一晩乾燥した。その結果、[η]が0.56dl/gのエチレン重合体23.6gを得た。結果を表2に示す。
充分に窒素置換した内容積2リットルのステンレス製オートクレーブにヘキサン1リットルを装入し、続けて、プロピレン80gを装入した。系内の温度を145℃に昇温した後、水素を0.1MPa−Gとなるまで導入した。その後、エチレンのみを連続的に供給することにより全圧を3MPa−Gに保ち、トリイソブチルアルミニウム0.3ミリモル、N,N−ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート0.04ミリモルおよびエチレン(1−シクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロライド0.0002ミリモルを窒素で圧入することにより重合を開始した。150℃で30分間重合を行った。少量のエタノールを系内に添加することにより重合を停止した後、未反応のエチレンをパージした。得られたポリマー溶液を、80℃で減圧下で一晩乾燥した。その結果、[η]が0.18dl/gのエチレン重合体28.8gを得た。結果を表2に示す。
Claims (3)
- (A)下記一般式(1)で表される第4族遷移金属化合物、
(B)前記第4族遷移金属化合物(A)と反応してイオン対を形成する化合物、および
(C)有機アルミニウム化合物
を含むオレフィン重合用触媒の存在下に、100〜250℃の重合温度で、エチレンを単独重合させるか、あるいはエチレンと炭素原子数が3以上のオレフィンとを共重合させて、極限粘度[η]が0.40dl/g以下であるエチレン(共)重合体を形成させることを特徴とするエチレン系ワックスの製造方法。
- エチレンに対してモル比が0.01〜2となるように水素を供給することを特徴とする請求項1に記載のエチレン系ワックスの製造方法。
- エチレンの単独重合、あるいはエチレンと炭素原子数が3以上のオレフィンとを共重合する際の平均滞留時間が1時間以下であることを特徴とする請求項1または2に記載のエチレン系ワックスの製造方法。
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