JP5634931B2 - 地下構造物の構築方法 - Google Patents
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Description
を図ることを可能とした地下構造物の構築方法を提供する
ことを課題とする。本発明は、地下構造物の構築方法に関する。
また、仮設中間杭が内部に配設されていることで、中壁の耐力の増加を見込むことができる。
さらに、仮設中間杭から中壁への上載荷重の盛り替えも簡易に行うことができる。
第一躯体Aは、土水圧や上載荷重に耐え得るように設計された本設躯体であるが、第二躯体Bとの接合部以外は、第二躯体Bおよび中壁Cに先立って構築され、山留壁W,W間を掘り下げる際には山留め支保工として機能する。本実施形態の第一躯体Aは、頂版部A1と、山留壁Wに沿う側壁部A2とを備えている。
頂版部A1には、図2に示すように、仮設中間杭Mの上端およびジャッキ20と接続するためのアンカーボルト31,32が埋設されている。
第二躯体Bは、土水圧や上載荷重に耐え得るように設計された本設躯体である。第二躯体Bは、図1に示すように、床付面T2に沿う床版部B1と、山留壁Wに沿う左右の側壁部B2,B2とを有し、横断面視U字状を呈している。
既設杭である仮設中間杭M,Mは、第二躯体B(床版部B1)を貫通している。
なお、第二躯体Bの構成は限定されるものではなく、例えばプレキャスト部材(セグメント等)を組み合わせることにより形成してもよいし、鉄骨鉄筋コンクリート構造としてもよい。
中壁Cは、図1に示すように、第一躯体Aと第二躯体Bとの間に形成された壁部材であって、仮設中間杭Mを巻き込んだ状態で形成されている。
中壁Cの上端は、第一躯体Aの頂版部A1に接続されている。
仮設中間杭Mは、第二躯体Bの構築時に第一躯体Aを支持し、第二躯体Bの構築後は、図1に示すように中壁Cの内部に残置し、中壁Cの鉄骨部材として本体利用する。
仮設中間杭Mの構成は限定されるものではないが、本実施形態ではH形鋼により構成している。
杭頭部構造M1は、仮設中間杭Mの杭頭部を挟んで両側に配置された一対のブラケット10,10と、それぞれのブラケット10,10の上面に設置されたジャッキ20,20とを備えている。ブラケット10は、仮設中間杭Mの側方に張り出しており、ジャッキ20は杭頭部の並設されている。
天板12には、複数(本実施形態では4箇所)のボルト孔12a,12a,…が貫通しており、ジャッキ20の固定が可能に構成されている。
側リブ13には、複数のボルト孔13a,13a,…が形成されており、このボルト孔13a,13a,…を利用して仮設中間杭Mのフランジに側リブ13を締着することでブラケット10が固定される。
なお、中リブ14は必要に応じて配置すればよく、省略してもよい。
斜材40,40を構成する材料は限定されるものではないが、例えばL形鋼により構成する。また、斜材40は、必要に応じて設置すればよく、省略してもよい。
なお、間詰め材50を構成する材料は限定されるものではないが、本実施形態では、第一躯体Aと仮設中間杭Mとの隙間にグラウトを充填することにより構成する。
本実施形態に係る地下構造物の構築方法は、一次掘削工程と、杭配置工程と、第一の躯体構築工程と、二次掘削工程と、第二の躯体構築工程と、第三の躯体構築工程とを含むものである。
仮設中間杭M,Mは、地盤を床付面T1まで掘り下げた後、山留壁W,Wの間に形成される。本実施形態では、H形鋼を芯材とするソイルセメント杭により仮設中間杭Mを構成する。
仮設中間杭Mを配置したら、図6の(b)に示すように、仮設中間杭Mの頭部にブラケット10,10およびジャッキ20,20を設置する。
第一の躯体構築工程では、まず、図示しないスラブ型枠を設置し、その上に配筋や鉄骨の架設を行う。その後、コンクリートを打設し、所定強度に達するまで養生する。スラブ型枠は、仮設中間杭Mに設置されたジャッキ20や図示しない仮設支保材等により支持する。
また、仮設中間杭Mの上端にも、予めアンカーボルト32,32,…が設置されており、第一躯体Aのコンクリートは、これらのアンカーボルト32,32,…も巻き込んだ状態で打設する。
二次掘削工程では、第一躯体Aを山留め支保工として利用する。このとき、第一躯体Aは、図8の(a)に示すように、仮設中間杭Mにより支持されている。
床付面T2まで掘削したら、図示は省略するが、床付面T2および山留壁Wの内壁面に沿って防水シートを敷設し、防水シート上に保護モルタルおよび基礎コンクリートを打設する。
第二の躯体構築工程には、床版部構築工程と側壁部構築工程とが含まれている。
仮設中間杭M,Mに対応する箇所では、仮設中間杭Mの周囲に補強鉄筋を配筋しておく。補強鉄筋の配筋に伴ない、中壁Cと第二躯体Bとの接続部における中壁Cの中壁主筋やハンチ筋等の配筋もしておく。
また、床版部B1の両端部の側壁部B2との接続部では、側壁部B2の主筋やハンチ筋等の配筋もしておく。
側壁部B2の施工は、山留壁Wに沿って鉄筋等の補強部材の配置や型枠の設置を行った後、コンクリートを打設し所定強度に達するまで養生することにより行う。
次に、側壁部B2の上面と第一躯体Aの下面との間に形成された隙間に、無収縮モルタルを充填する。このように第一躯体Aと第二躯体Bとが接合されことで、矩形枠状の構造体が形成される。
このようにして、ブラケット10,10に作用する軸力を仮設中間杭Mの上端面に受け替えたら、図8の(b)に示すように、ジャッキ20およびブラケット10を撤去する。
その後、仮設中間杭Mを巻き込んだ状態でコンクリートを打設し、所定強度に達するまで養生する。
その後、コンクリートの強度が所定強度に達した後、第一躯体Aの上側の空間に地盤材料を埋め戻すと、図1の状態となる。
10 ブラケット
20 ジャッキ
50 間詰め材
A 第一躯体
B 第二躯体
C 中壁
M 仮設中間杭
M1 杭頭部構造
Claims (4)
- 仮設中間杭を地盤に配置する杭配置工程と、
前記仮設中間杭の上方に第一躯体を形成する第一の躯体構築工程と、
前記第一躯体の下側の地盤を掘り下げる掘削工程と、
前記第一躯体の下側に第二躯体を形成する第二の躯体構築工程と、
前記第一躯体と前記第二躯体の間に中壁を形成する第三の躯体構築工程と、
を含む地下構造物の構築方法であって、
前記第一の躯体構築工程において、前記中間杭の頭部側面にブラケットを設置するとともに、当該ブラケットの上面にジャッキを配置する作業と、
前記ジャッキの上面を前記第一躯体の下面に当接させるとともに、該第一躯体の仮設支保材を撤去する作業とを行うこと、
及び前記第三の躯体構築工程において、前記仮設中間杭を巻き込んだ状態で前記中壁を形成することを特徴とする、地下構造物の構築方法。 - 前記ブラケットを前記中壁の向きに沿って設置することを特徴とする、請求項1に記載の地下構造物の構築方法。
- 前記仮設中間杭を前記中壁の補強鋼材の一部として本体利用することを特徴とする、請
求項1又は請求項2に記載の地下構造物の補強方法。 - 前記第三の躯体構築工程において、前記ジャッキを介して前記第一躯体を押し上げる作
業と、
押し上げられた前記第一躯体の下面と前記仮設中間杭の上端面との間に間詰め材を配置
する作業と、
前記ジャッキおよび前記ブラケットを撤去する作業と、
を行うことを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載の地下構造物の構築方法。
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