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JP5632577B2 - 貼付剤 - Google Patents

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JP5632577B2 JP2007500459A JP2007500459A JP5632577B2 JP 5632577 B2 JP5632577 B2 JP 5632577B2 JP 2007500459 A JP2007500459 A JP 2007500459A JP 2007500459 A JP2007500459 A JP 2007500459A JP 5632577 B2 JP5632577 B2 JP 5632577B2
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Description

本発明はβ遮断薬であるビソプロロールを含む貼付剤に関する。
薬物の投与法として多くの薬剤で錠剤、カプセル剤、シロップ剤等を使用した経口投与が行われている。しかしながら、経口投与の場合、効果の持続性に欠けることや、投与後一時的に必要以上の血中濃度が認められ、副作用が起こり易い等の欠点があった。
ビソプロロールはβ1受容体選択性が高く、内因性交感神経刺激作用及び膜安定化作用を有さないβ遮断薬である。現在臨床の場において高血圧症、狭心症、心室性期外収縮などの治療薬として、主に経口剤として現在使用されているが、ビソプロロールは、高β1選択性のため気管支への影響が比較的少ないものの、徐脈、めまい、倦怠感等の症状を生ずる場合があり、血中濃度の安定化および効果の持続性の点でも問題があった。
一方、経皮吸収型製剤は、投与回数の減少、コンプライアンスの向上、投与及びその中止の容易さ等の利点が期待され、特に老人や小児の患者で有用であることが知られている。ビソプロロールを有効成分とする経皮製剤としては、(メタ)アクリル酸アルキルエステルと、これと重合可能でありカルボキシル基およびスルホ基のいずれも含有しない単量体とを重合せしめてなるアクリル系粘着剤と、ビソプロロールまたはその薬理学的に許容される塩とを含む粘着剤層を支持体の片面に設けた貼付剤が報告されている(特許文献1)。しかしながら、この貼付剤は、ビソプロロールのほぼ一定に安定した皮膚透過速度を達成してはいるものの(特許文献1の図1および図2)、治療に有効な血中濃度を得るのが困難であったり、繰り返し投与時の血中濃度が安定するまでに多大な時間を要する等の不都合があった。
特開2003-313122号公報
本発明は、繰り返し投与において、血中濃度の極大値と極小値間の変動幅が小さいため過度の降圧による重大な副作用が生じにくく、かつ短時間で血中濃度が安定するため薬効の発現が早い、ビソプロロールおよび/またはその薬学的に許容される塩を含有する貼付剤を提供することを目的とする。
本発明者らは、ビソプロロール及び/又はその薬学的に許容される塩を含有する貼付剤を、ビソプロロール皮膚透過速度の24時間値と最大値とが特定の比率である製剤にすると、繰り返し投与(好ましくは一日一回)において、薬効の発現が早く、また血中濃度の変動幅が少ないため、副作用が少なく安定した薬効が得られ、しかも皮膚刺激性も生じ難い、ビソプロロール貼付剤を提供できることを見い出した。
すなわち、本発明は、ビソプロロール皮膚透過速度の24時間値が、皮膚透過速度の最大値の15〜60%である、ビソプロロール貼付剤に関する。
また、本発明は、ビソプロロール皮膚透過速度の最大値が、投与期間中の12時間以内に得られる、前記ビソプロロール貼付剤に関する。
さらに、本発明は、ビソプロロールの皮膚拡散係数が2.5×10E-8〜6×10E-8 cm2/secである、前記ビソプロロール貼付剤に関する。
また、本発明は、ビソプロロール及び/又はその薬学的に許容される塩が、貼付剤基剤全体の1〜40質量%含まれることを特徴とする、前記ビソプロロール貼付剤に関する。
また、本発明は、貼付剤の基剤が、スチレン-イソプレン-スチレンブロック共重合体、ポリイソブチレン、アクリル系高分子およびシリコーン系高分子から選択される一種以上を配合してなることを特徴とする、前記ビソプロロール貼付剤に関する。
さらに、本発明は、貼付剤の基剤が、アクリル系高分子およびゴム系高分子を混合してなることを特徴とする、前記ビソプロロール貼付剤に関する。
本発明のビソプロロール貼付剤によれば、本態性高血圧症の治療に必要とされる長期間の繰り返し投与においても、血中濃度の極大値と極小値間の変動幅が小さいため副作用が生じにくく、かつ短時間で血中濃度が安定するため薬効の発現が早く、しかも皮膚刺激性も生じ難い、安全な製剤を提供することができる。
以下、本発明の貼付剤に関してさらに詳細に説明する。
本明細書でいう貼付剤とは、少なくとも支持体と粘着層組成物を含有する貼付剤をいい、一般にいわれるリザーバータイプの外用貼付剤およびマトリックスタイプの外用貼付剤を包含する。リザーバータイプの外用貼付剤とマトリックスタイプの外用貼付剤とを比較すると、一般的に自己粘着力を有する粘着層組成物が直接皮膚に接着するマトリックスタイプの外用貼付剤の方が接着性に優れ、薬物の皮膚への透過性も優れるため、以下主として本発明の貼付剤をマトリックスタイプの貼付剤を例として説明するが、これに限定されるものではない。
また、本明細書において疎水性高分子とは、貼付剤の粘着層製造時に、高分子の溶媒として有機溶媒または有機溶媒の混合物を用いる高分子をいう。
本発明の貼付剤は、典型的には、図6に示されるような薬物(ビソプロロールおよび/またはその薬学的に許容される塩)を含有する疎水性マトリックス(粘着層)とその背面の支持体からなる形態である。この粘着層は、少なくとも12時間以上皮膚表面に治療上問題の無い有効面積を維持できるだけの粘着力を有することが好ましいが、それが困難な場合には、薬物含有層より面積が大きく、かつ粘着力を有するシート状のカバーを用いて使用することも可能である。
本発明に用いることができるビソブロロールはフリー体であっても塩であってもよい。塩を用いる場合は、特に薬学的に許容される塩であれば特に限定されないが、フマル酸塩、塩酸塩、硫酸塩、メシル酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩、マレイン酸塩、酢酸塩が好ましい。なかでもフマル酸ビソプロロール(bisoprolol hemifumarate)であることがより好ましい。
本発明に用いることができるビソブロロールは、皮膚透過性及び製剤物性の観点から、貼付剤基剤全体に対して、1〜40質量%、好ましくは5〜30質量%、さらに好ましくは10〜15質量%含有される。
本発明の貼付剤のビソプロロール皮膚透過速度の最大値は、短時間で血中濃度を安定させるために、投与期間中の12時間以内、好ましくは10時間以内、さらに好ましくは8時間以内に得られる。
また、本発明の貼付剤のビソプロロール皮膚透過速度の24時間値は、血中濃度の極大値と極小値間の変動幅が小さく、短時間で血中濃度を安定させるという観点から、皮膚透過速度の最大値の15〜60%、好ましくは20〜40%、さらに好ましくは20〜30%である。
ここで、ビソプロロール皮膚透過速度(極大値)とは、ヒト皮膚透過試験により求められる。具体的な試験方法は、角質層側から約500μmの厚みに切断した試験用のヒト皮膚(腹部)を用い、角質層側に各製剤を貼付し、真皮側をレセプター層側にして、フロースルー型拡散セルに装着する。そして、レセプター層にはpH7.4のリン酸緩衝生理食塩水を用いて、皮膚表面温度が32±1℃となるように温水を外周部に循環させる。サンプリングは2時間ごとに行い、得られたレセプター溶液は、流量を正確に測り、高速液体クロマトグラフ法により薬物濃度を測定し、流量及び薬物濃度の測定値より1時間当たりの透過速度を算出し、最大皮膚透過速度を求めることができる。
本発明の貼付剤のビソプロロールの皮膚拡散係数は、投与開始後、比較的短時間で安定な血中濃度に達すると共に、血中濃度の極大値と極小値の変動幅が小さく、しかも皮膚刺激性も生じ難い安全な製剤を得られるという観点から、2.5×10E-8〜6×10E-8 cm2/sec、好ましくは3×10E-8〜6×10E-8 cm2/sec、さらに好ましくは3×10E-8〜5×10E-8 cm2/secである。
ここで、皮膚拡散係数Dは、下記式(1)により求めることができ、式中、Lは皮膚厚みを意味し、Tdはラグタイムを意味する。
D=L/Td 式(1)
また、ここで皮膚厚みLとは、試験に供したヒト皮膚(腹部)の厚みをマイクロメーター等を用いて、実際に測定した値をいう。
さらに、ラグタイムTdとは、累積透過量−時間曲線における直線部分(定常状態)を時間軸に外挿したときの交点をいう。
本発明の貼付剤のビソプロロールの基剤/皮膚間分配係数は、皮膚刺激を生じることなく、治療に有効なビソプロロールを皮膚を介して体内へ伝達するという観点から、0.8〜2.0、好ましくは1.0〜2.0、さらに好ましくは1.0〜1.5である。
ここで、基剤/皮膚間分配係数Kは、下記式(2)により求めることができ、式中、Dは皮膚拡散係数を意味し、Cvは基剤中薬物濃度を意味し、Lは皮膚厚みを意味し、Jは定常状態皮膚透過速度を意味する。
K=J×L/D/Cv 式(2)
また、ここで基剤中薬物濃度Cvとは、試験開始前に製剤中に含有される薬物濃度をあらかじめ実測した濃度をいう。
さらに、定常状態皮膚透過速度とは、累積透過量−時間曲線における直線部分(定常状態)の傾きをいう。
本発明のビソプロロールを含有する貼付剤は、ゴム系、アクリル系、シリコーン系高分子を粘着層組成物に使用することが可能であるが、疎水性の高分子が好ましく、さらには活性物質の溶解性向上のためアクリル系高分子および/またはゴム系高分子が好ましく用いられる。
アクリル系高分子としては、モノマー単位として、アクリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸メチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ヒドロキシエチル、メタクリル酸−2−エチルヘキシル等に代表される(メタ)アクリル酸エステルを少なくとも一種含有する重合体または共重合体であれば特にその限定は無いが、例えば、アクリル酸・アクリル酸オクチルエステル共重合体、アクリル酸−2−エチルヘキシル・N−ビニル−2−ピロリドン・ジメタクリル酸−1,6−ヘキサングリコール共重合体、アクリル酸−2−エチルヘキシル・酢酸ビニル共重合体、アクリル酸−2−エチルヘキシル・酢酸ビニル・アクリル酸共重合体、アクリル酸−2−エチルヘキシル・メタクリル酸−2−エチルヘキシル・メタクリル酸ドデシル共重合体、アクリル酸メチル・アクリル酸−2−エチルヘキシル共重合樹脂エマルジョン、アクリル樹脂アルカノールアミン液に含有するアクリル系高分子等の粘着剤、Duro-Takアクリル粘着剤シリーズ(ナショナルスターチアンドケミカル社製)、GELVAアクリル粘着剤シリーズ(モンサント社製)、SKダインマトリダーム(綜研化学)、オイドラギットシリーズ(樋口商会)等が使用出来る。
またアクリル系高分子が、モノマー単位としてアクリル酸−2−エチルヘキシルを含む共重合体が好ましい。前記共重合体は、分子中にカルボキシル基を含有するアクリル酸を含むものがさらに好ましく、活性物質のさらなる安定のためには分子中にアルコール性水酸基を実質的に含有しない共重合体が、本発明の貼付剤の粘着層基剤として最も好ましい。
分子中にカルボキシル基を含有するアクリル酸をさらに含む共重合体を用いると、粘着力を向上させることができ、あるいは必要に応じて架橋を行う場合、その反応点として使用できるので有利である。
さらに分子中にアルコール性水酸基を実質的に含有しないアクリル系高分子を用いることにより、ビソプロロール(またはその塩)の製剤安定性をさらに向上できるものであるが、その理由としては定かではないが、アルコール性水酸基が存在すると、アルコール性水酸基とビソプロロールの間で何らかの相互作用が生じるためであると予想される。
このようなアクリル系高分子としてはアルコール性水酸基を実質的に有さず、カルボキシル基を有すれば特に限定はないが例えば、アクリル酸−2−エチルヘキシル・酢酸ビニル・アクリル酸共重合体、Duro-Tak87-2852、Duro-Tak87-2194、Duro-Tak87-2196、Duro-Tak87-2353、Duro-Tak87-2051、Duro-Tak87-2052、Duro-Tak87-2054、Duro-Tak87-2825、Duro-Tak87-2677(ナショナルスターチ&ケミカル社製)などが挙げられる。
なお、上記のアクリル系高分子の製造工程において、原料モノマー中に水酸基を有するモノマーが不純物として微量存在したり、重合の際に熱劣化などの副反応が起きると、得られるアクリル系高分子中に不純物に由来する水酸基が導入される場合があるが、このようなアクリル系高分子中は、本発明の貼付剤が有する特性を損なわない限りにおいて、分子中に水酸基を実質的に有さず、カルボキシル基を有するアクリル系高分子に包含されることとする。
また本発明にかかる疎水性高分子として、さらにゴム系高分子を含むものが好ましい。ゴム系高分子を粘着層にさらに含むことにより、製剤の粘着性をコントロールできるからである。本発明のゴム系高分子は、天然または合成の弾性ポリマーの両者を含む。このようなゴム系高分子の好ましい例としては、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体、イソプレンゴム、ポリイソブチレン、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合、スチレン−ブタジエンゴム、ポリシロキサン等が挙げられる。中でもスチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体および/またはポリイソブチレンが、薬物の皮膚透過性の観点から、好適に用いられる。
このような疎水性高分子は1種であっても、また2種以上混合して使用しても良いが、アクリル系高分子とゴム系高分子を混合すると、薬物の皮膚透過性と製剤物性の双方が満足できる製剤となるのでより好ましい。これら高分子の組成全体の重量に基づく配合量は、粘着剤層の形成および充分な透過性を考慮して、5〜90質量%、好ましくは10〜70質量%、さらに好ましくは30〜70質量%の量であることができる。
本発明において、活性物質の形態が薬学的に許容される酸付加塩の場合は粘着層中にさらに有機酸を含有させることが望まれ、使用される有機酸としては、脂肪族(モノ、ジ、トリ)カルボン酸(例えば、酢酸、プロピオン酸、イソ酪酸、カプロン酸、カプリル酸、乳酸、マレイン酸、ピルビン酸、シュウ酸、コハク酸、酒石酸等)、芳香族カルボン酸(例えば、フタル酸、サリチル酸、安息香酸、アセチルサリチル酸等)、アルキルスルホン酸(例えば、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、プロピルスルホン酸、ブタンスルホン酸、ポリオキシエチレンアルキルエーテルスルホン酸等)、アルキルスルホン酸誘導体(例えば、N−2−ヒドロキシエチルピペリジン−N’−2−エタンスルホン酸(以下、「HEPES」と略記する)等)、コール酸誘導体(例えば、デヒドロコール酸等)を挙げることができる。
本発明の貼付剤の粘着層には吸収促進剤を含有させてもよく、使用され得る吸収促進剤としては、従来皮膚での吸収促進作用が認められている化合物のいずれでも良く、例えば炭素鎖数6〜20の脂肪酸、脂肪アルコール、脂肪酸エステル、アミド、またはエーテル類、芳香族系有機酸、芳香族系アルコール、芳香族系有機酸エステルまたはエーテル(以上は飽和、不飽和のいずれでもよく、また、環状、直鎖状分枝状のいずれでもよい)、さらに、乳酸エステル類、酢酸エステル類、モノテルペン系化合物、セスキテルペン系化合物、エイゾン(Azone)、エイゾン(Azone)誘導体、ピロチオデカン、グリセリン脂肪酸エステル類、プロピレングリコール脂肪酸エステル類、ソルビタン脂肪酸エステル類(Span系)ポリソルベート系(Tween系)、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油系(HCO系)、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ショ糖脂肪酸エステル類、植物油等が挙げられる。
具体的にはカプリル酸、カプリン酸、カプロン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、オレイルアルコール、イソステアリルアルコール、セチルアルコール、ラウリン酸メチル、ラウリン酸ヘキシル、セバシン酸ジエチル、ラウリン酸ジエタノールアミド、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸ミリスチル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸セチル、サリチル酸、サリチル酸メチル、サリチル酸エチレングリコール、ケイ皮酸、ケイ皮酸メチル、クレゾール、乳酸セチル、乳酸ラウリル、酢酸エチル、酢酸プロピル、ゲラニオール、チモール、オイゲノール、テルピネオール、l−メントール、ボルネオロール、d−リモネン、イソオイゲノール、イソボルネオール、ネロール、dl−カンフル、グリセリンモノカプリレート、グリセリンモノカプレート、グリセリンモノラウレート、グリセリンモノオレエート、ソルビタンモノラウレート、ショ糖モノラウレート、ポリソルベート20、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノラウレート、ポリエチレングリコールモノラウレート、ポリエチレングリコールモノステアレート、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、HCO−60、ピロチオデカン、オリーブ油が好ましく、特にラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、オレイルアルコール、イソステアリルアルコール、セバシン酸ジエチル、ラウリン酸ジエタノールアミド、ミリスチン酸イソプロピル、グリセリンモノカプレート、グリセリンモノラウレート、グリセリンモノオレエート、ソルビタンモノラウレート、プロピレングリコールモノラウレート、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ピロチオデカンが好ましい。
このような吸収促進剤は2種以上混合して使用しても良く、貼付剤としての充分な透過性および発赤・浮腫等の皮膚への刺激性等を考慮して、粘着層の組成全体の重量に基づいて、0.01〜40質量%であることが好ましく、さらに好ましくは、0.05〜30質量%、とくに好ましくは、0.1〜20質量%の量で配合されることができる。
本発明の貼付剤の粘着層には可塑剤を含有させてもよい。使用され得る可塑剤としては、石油系オイル(例えば、パラフィン系プロセスオイル、ナフテン系プロセスオイル、芳香族系プロセスオイル等)、スクワラン、スクワレン、植物系オイル(例えば、オリーブ油、ツバキ油、ひまし油、トール油、ラッカセイ油)、シリコンオイル、二塩基酸エステル(例えば、ジブチルフタレート、ジオクチルフタレート等)、液状ゴム(例えば、ポリブテン、液状イソプレンゴム)、液状脂肪酸エステル類(ミリスチン酸イソプロピル、ラウリン酸ヘキシル、セバシン酸ジエチル、セバシン酸ジイソプロピル)、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、サリチル酸グリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリアセチン、クエン酸トリエチル、クロタミトン等が挙げられる。特に流動パラフィン、液状ポリブテン、ミリスチン酸イソプロピル、セバシン酸ジエチル、ラウリン酸ヘキシルが好ましい。
これらの成分は2種以上混合して使用しても良く、このような可塑剤の粘着層の組成全体に基づく配合量は、貼付剤としての充分な透過性および充分な凝集力の維持を考慮して合計で、1〜70質量%、好ましくは3 〜50質量%、さらに好ましくは5〜40質量%であることができる。
本発明の粘着層には、少なくとも12時間適用可能な粘着力が不足している場合に粘着付与樹脂を含有することが望ましく、使用され得る粘着付与樹脂としては、ロジン誘導体(例えば、ロジン、ロジンのグリセリンエステル、水添ロジン、水添ロジンのグリセリンエステル、ロジンのペンタエリストールエステル等)、脂環族飽和炭化水素樹脂(例えばアルコンP−100、荒川化学工業)、脂肪族系炭化水素樹脂(例えばクイントンB170、日本ゼオン)、テルペン樹脂(例えばクリアロンP 125、ヤスハラケミカル)、マレイン酸レジン等が挙げられる。特に水添ロジンのグリセリンエステル、脂環族飽和炭化水素樹脂、テルペン樹脂が好ましい。
このような粘着付与樹脂の粘着層の組成全体に基づく配合量は、貼付剤としての充分な粘着力および剥離時の皮膚への刺激性を考慮して、1〜70質量%、好ましくは5〜60質量%、さらに好ましくは10〜50質量%であることができる。
また、必要に応じて、抗酸化剤、充填剤、架橋剤、防腐剤、紫外線吸収剤を用いることができ、抗酸化剤としては、トコフェロール及びこれらのエステル誘導体、アスコルビン酸、アスコルビン酸ステアリン酸エステル、ノルジヒドログアイアレチン酸、ジブチルヒドロキシトルエン(BHT)、ブチルヒドロキシアニソール等が望ましい。充填剤としては、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ケイ酸塩(例えば、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム等)、ケイ酸、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、亜鉛酸カルシウム、酸化亜鉛、酸化チタン等が望ましい。架橋剤としては、アミノ樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、アルキド樹脂、不飽和ポリエステル等の熱硬化性樹脂、イソシアネート化合物、ブロックイソシアネート化合物、有機系架橋剤、金属または金属化合物等の無機系架橋剤が望ましい。防腐剤としては、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸プロピル、パラオキシ安息香酸ブチル等が望ましい。紫外線吸収剤としては、p−アミノ安息香酸誘導体、アントラニル酸誘導体、サリチル酸誘導体、クマリン誘導体、アミノ酸系化合物、イミダゾリン誘導体、ピリミジン誘導体、ジオキサン誘導体等が望ましい。
このような抗酸化剤、充填剤、架橋剤、防腐剤、紫外線吸収剤は、合計で、貼付剤の粘着層の組成全体の重量に基づいて、好ましくは10質量%以下、さらに好ましくは5質量%以下、とくに好ましくは2質量%以下の量で配合されることができる。
上記したような組成を有する薬物含有粘着層は、いずれの方法によっても製造されることができる。例えば、薬物を含む基剤組成を熱融解させ、離型紙又は支持体に塗工後、支持体又は離型紙と張り合わせて本剤を得る。また、薬物を含む基剤成分をトルエン、ヘキサン、酢酸エチル等の溶媒に溶解させ、離型紙又は支持体上に伸展して溶剤を乾燥除去後、支持体あるいは離型紙と張り合わせ本剤を得る。また、本発明の粘着層の膏体厚さは、貼付剤としての充分な透過性および充分な粘着力を考慮して、10〜300μm、好ましくは25〜200μm、さらに好ましくは50〜150μmである。
本発明の貼付剤は、典型的には、図6に示されるような貼付剤であるが、支持体には、伸縮性または非伸縮性の支持体を用いることができる。例えば織布、編布、不織布、ポリウレタン、ポリエステル、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、アルミニウムシート等、又はそれらの複合素材から選択される。
またライナーは、貼付剤を皮膚に適用するまで、粘着層を保護し得るものであれば特に限定されないが、具体的には、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等のフィルム、上質紙とポリオレフィンとのラミネートフィルム等が挙げられる。これらのライナーにおいては、粘着層と接触する側の面にシリコーン処理を施すと、製剤からライナーを剥離する際の作業容易性が高められるので好ましい。なお、本発明の貼付剤における製剤面積は、薬物の吸収量を考慮して、1〜60cm、好ましくは1〜40cm、さらに好ましくは1〜20cmである。
以下に実施例を示し、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではなく、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。なお、実施例において「%」は、全て質量%を意味するものとする。
(実施例1)
アクリル酸−2−エチルヘキシル・酢酸ビニル・アクリル酸共重合体 18.5%
スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体 8.0%
脂環族飽和炭化水素樹脂 42.0%
流動パラフィン 10.0%
セバシン酸ジエチル 7.0%
酢酸ナトリウム 4.5%
フマル酸ビソプロロール 10.0%
(膏体厚み:100μm)

フマル酸ビソプロロール、酢酸ナトリウム、流動パラフィン及びセバシン酸ジエチルを乳鉢にとり、これらを十分に混合した。この混合物と、アクリル酸−2−エチルヘキシル・酢酸ビニル・アクリル酸共重合体、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体、脂環族飽和炭化水素樹脂(アルコンP−100、荒川化学工業製)をトルエンおよび酢酸エチルに溶解したものと混合して、塗工液を得た。なお、各成分の配合比は、前記処方の通りとした。
次に、得られた塗工液をポリエチレンテレフタレート製離型フィルム上に塗布した後、溶媒であるトルエン及び酢酸エチルを乾燥除去して、所定の膏体厚みを有する粘着層を形成させた。さらに、この粘着層をポリエチレンテレフタレート製支持体と張り合わせて、本発明の貼付剤を得た。
(実施例2)
アクリル酸−2−エチルヘキシル・酢酸ビニル・アクリル酸共重合体 68.6%
ミリスチン酸イソプロピル 10.0%
酢酸ナトリウム 6.4%
フマル酸ビソプロロール 15.0%
(膏体厚み:100μm)

フマル酸ビソプロロール、酢酸ナトリウム及びミリスチン酸イソプロピルを乳鉢にとり、これらを十分に混合した。この混合物と、アクリル酸−2−エチルヘキシル・酢酸ビニル・アクリル酸共重合体をヘプタンおよび酢酸エチルに溶解したものと混合して、塗工液を得た。なお、各成分の配合比は、前記処方の通りとした。
次に、得られた塗工液をポリエチレンテレフタレート製離型フィルム上に塗布した後、溶媒であるヘプタン及び酢酸エチルを乾燥除去して、所定の膏体厚みを有する粘着層を形成させた。さらに、この粘着層をポリエチレンテレフタレート製支持体と張り合わせて、本発明の貼付剤を得た。
(比較例1)
アクリル酸−2−エチルヘキシル・酢酸ビニル・アクリル酸共重合体 42.2%
モノラウリン酸プロピレングリコール 10%
酢酸ナトリウム 12.8%
フマル酸ビソプロロール 30%
(膏体厚み:120μm)

上記処方に従い、本発明の貼付剤を得た。
(比較例2)
アクリル酸−2−エチルヘキシル・酢酸ビニル・アクリル酸共重合体 52.2%
ミリスチン酸イソプロピル 3%
酢酸ナトリウム 12.8%
フマル酸ビソプロロール 30%
(膏体厚み:120μm)

上記処方に従い、貼付剤を得た。
(比較例3)
メタクリル酸-2-エチルヘキシル・メタクリル酸ドデシル・アクリル酸-2-エチルヘキシル共重合体
79.4%
パルミチン酸イソプロピル 10.0%
酢酸ナトリウム 2.6%
フマル酸ビソプロロール 8.0%
(膏体厚み:50μm)

上記処方に従い、貼付剤を得た。
試験1:ヒト皮膚透過試験
角質層側から約500μmの厚みに切断した試験用のヒト皮膚(腹部)を用い、角質層側に実施例または比較例において得られた製剤(5cm2)を貼付し、真皮側をレセプター層側にして、フロースルー型拡散セルに装着する。そして、レセプター層にはpH 7.4のリン酸緩衝生理食塩水を用いて、皮膚表面温度が32±1℃となるように温水を外周部に循環させる。流速は5mL/時間の速さとし、サンプリングは2時間ごとに行い、各時間で得られたレセプター溶液は、流量を正確に測り、高速液体クロマトグラフ法により薬物濃度を測定した(本発明の貼付剤を連続投与したときのビソプロロール累積透過・時間曲線を示した図5を参照)。流量及び薬物濃度の測定値より1時間当たりの透過速度を算出し、各実施例、比較例の最大皮膚透過速度を求めた。さらに、下記の式(1)及び式(2)により、拡散係数D、及び分配係数Kをそれぞれ算出した。
D=L/Td 式(1)

K=J×L/D/Cv 式(2)

ただし、記号は以下の意味を表す。
D:拡散係数
L:皮膚厚み
Td:ラグタイム
K:基剤/皮膚間分配係数
J:定常状態皮膚透過速度
Cv:基剤中薬物濃度
結果を表1及び図1に示す。
(結果)
Figure 0005632577
試験の結果、実施例1及び2の製剤は、6〜12時間で皮膚透過速度が最大となった後、緩やかに減少する挙動を示した。
比較例1及び2の製剤は、皮膚透過速度が最大を示した後、ほぼ定常状態を維持した。
比較例3の製剤は、皮膚透過速度が最大を示した後に急激に減衰し、薬物がほとんど透過しない状態となった。
試験2:ヒト血漿中濃度プロファイル算出
フマル酸ビソプロロールのヒト経口投与における薬物動態パラメーターを、公表されている経口剤(5mg)のデータを用いて、薬物動態解析ソフト、WinNonlin (Scientific Consulting Inc.)により求めた。それらパラメーターと実施例1および2で得られたのヒト皮膚透過試験結果(図1)を用いて、経皮吸収予測システム、SKIN-CADTM Proffesional Edition ver.3.0((株)イーハイブ・コミュニケーション)により、単回投与及び連続投与時でのヒト血漿中濃度を算出した。結果を図2〜4に示す。尚、製剤面積は、実施例1においては15cm、実施例2においては13cm、比較例1においては7cm、比較例2においては8cm、比較例3においては33cmと、それぞれした。また、比較のために5mg経口剤の血漿中濃度も同時に示した。
実施例1及び2の製剤は、繰り返し投与を行った場合にも、血漿中ビソプロロール濃度がより短期間で定常状態に達し、その極大、極小の幅も小さく、上下変動の少ない安定した製剤が得られた。すなわち、安定した薬効の発現が早く、副作用の少ないビソプロロール貼付剤とすることができる。
比較例1及び2の製剤は、血漿中ビソプロロール濃度の極大、極小の幅は小さいものの、定常状態に達するのに3〜4日程度の日数を要した。これらの製剤は、副作用の発生は少ないものの、安定した薬効を発現するまでに時間を要するビソプロロール貼付剤である。
比較例3の製剤及び比較例4(経口剤)では、血漿中ビソプロロール濃度の極大、極小の幅が大きく、安定な製剤が得られなかった。これらの製剤は、極小値周辺の時間帯においては薬効が発現されず、極大値周辺では過度の降圧により、徐脈、めまい等の副作用の発生が懸念される製剤である。
試験3:皮膚刺激性試験
本発明のビソプロロール貼付剤の安全性を評価する指標の1つとして、皮膚刺激性試験を行った。以下の試験方法で、皮膚pH値、および皮膚一次刺激指数を求めた。結果を以下に示す。
〔試験方法〕
上記の実施例1及び2と比較例1及び参考例1の製剤(3cm2)を試験に供した。すなわち、日本白色ウサギ(雌性、1群6匹)の背部皮膚に対し、製剤を24時間貼付した後に剥離し、下記のDraize法に従って、その1時間後及び48時間後における紅斑評点と浮腫評点を加えた平均値より皮膚一次刺激指数(Primary Irritation Index: P.I.I.)を算出した。
(評価基準と評点)
紅斑及び痂皮の形成
紅斑なし:0
非常に軽度な紅斑:1
はっきりした紅斑:2
中等度から強度な紅斑:3
強度な紅斑から軽度な痂皮形成まで:4

浮腫の形成
浮腫なし:0
非常に軽度な浮腫:1
軽度な浮腫:2
中等度名浮腫:3
強度な浮腫:4

P.I.I.値
0〜2.0:弱い刺激性
2.0〜6.0:中等度の刺激性
6.0〜8.0:強度の刺激性

さらに、製剤を貼付してない部位の皮膚及び製剤剥離直後の皮膚について、その表面pHを測定した。
(結果)
Figure 0005632577
表2の結果から、ビソプロロール化合物を含まないプラセボ製剤では、貼付部位の皮膚表面pHが製剤貼付前のpH値に比べてわずかに上昇したが、皮膚一次刺激性はほとんど認められなかった。
ビソプロロール化合物を含む比較例1の貼付剤が皮膚に投与された場合に、高い皮膚透過速度が長時間持続すると、薬物自身が塩基性であるために、皮膚表面pHの明らかな上昇が生じ、その結果として、皮膚一次刺激性を生じやすいことが認められた。一方、実施例1および2の貼付剤を皮膚に投与した場合には、pH値は、やや上昇するが、皮膚一次刺激性はほとんど認められなかった。
本発明の貼付剤の貼付時のヒト皮膚透過速度を示す図である。 本発明の貼付剤を連続投与したときのビソプロロール血漿中濃度推移の図である。 本発明の貼付剤を連続投与したときのビソプロロール血漿中濃度推移の図である。 本発明の貼付剤を連続投与したときのビソプロロール血漿中濃度推移の図である。 本発明の貼付剤を連続投与したときのビソプロロール累積透過・時間曲線を示す図である。 本発明の貼付剤の構造を示す図である。
符号の説明
1・・・支持体層
2・・・薬物含有層
3・・・ライナー

Claims (10)

  1. ビソプロロールおよび/またはその薬学的に許容される塩を含む貼付剤であって、該ビソプロロールのヒト皮膚(腹部)透過速度の24時間値が、ヒト皮膚(腹部)透過速度の最大値の15〜60%であり、該貼付剤の基剤が、分子中にカルボキシル基を含有するアクリル酸を含むアクリル系高分子を含み、一日一回の繰り返し投与用である、前記ビソプロロール貼付剤。
  2. ビソプロロールのヒト皮膚(腹部)透過速度の最大値が、投与期間中の12時間以内に得られる、請求項1に記載のビソプロロール貼付剤。
  3. ビソプロロールが、貼付剤基剤全体の1〜40質量%含まれることを特徴とする請求項1または2に記載のビソプロロール貼付剤。
  4. 貼付剤の基剤が、スチレン-イソプレン-スチレンブロック共重合体、ポリイソブチレン、アクリル系高分子およびシリコーン系高分子から選択される一種以上をさらに配合してなることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のビソプロロール貼付剤。
  5. 粘着層の膏体厚さが10〜300μmである、請求項4に記載のビソプロロール貼付剤。
  6. 貼付剤の基剤が、さらにゴム系高分子を混合してなることを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載のビソプロロール貼付剤。
  7. 貼付剤の基剤が、可塑剤をさらに含む、請求項4〜6のいずれかに記載のビソプロロール貼付剤。
  8. 可塑剤が、該粘着層の基剤全体の1〜70質量%含まれる、請求項7に記載のビソプロロール貼付剤。
  9. 貼付剤の基剤が、吸収促進剤をさらに含む、請求項4〜8のいずれかに記載のビソプロロール貼付剤。
  10. 吸収促進剤が、該粘着層の基剤全体の0.01〜40質量%含まれる、請求項9に記載のビソプロロール貼付剤。
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