JP2004010525A - 経皮吸収型製剤およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】支持体の片面に、粘着剤および塩基性薬物を含有する粘着剤層(A)、有機金属化合物、金属アルコラートおよび金属キレート化合物以外の架橋剤で架橋された粘着剤を含有する粘着剤層(B)がこの順に積層されてなる経皮吸収型製剤。
【選択図】 なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、塩基性薬物を経皮投与するための経皮吸収型製剤およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、薬物を皮膚面を通して生体内へ投与するための経皮吸収型製剤として、パップ剤やテープ剤等の皮膚面貼付型の外用剤が種々開発されており、これらの中で特に全身性の薬理作用を発揮する薬物を含有したテープ剤が注目されている。例えば、ニトログリセリンや硝酸イソソルビド、各種ステロイド薬、非ステロイド薬、麻酔薬、抗高血圧薬等を有効成分として粘着剤中に含有させたテープ状の経皮吸収型製剤が提案、開発され、一部は上市に至っている。これらの経皮吸収型製剤はアクリル系や合成ゴム系の粘着剤に各種経皮吸収性薬物を混合したものであって、皮膚面に貼付するだけで薬物が皮膚面を通して継続的に体内に吸収され、優れた薬理作用を発揮するものである。
【0003】
各種疾患の治療や予防を行うための薬物を連続的に経皮投与するための経皮吸収型製剤としては、皮膚面に対して十分な皮膚接着性を有すると共に貼付感に優れ、かつ製剤貼付後の皮膚面からの剥離時に、皮膚表面に粘着剤の一部が残るいわゆる糊残りが起こらない製剤が望まれる。しかし、従来の経皮吸収型製剤、特に塩基性薬物を経皮吸収させるための経皮吸収型製剤では、貼付中に粘着剤の物性が変化して、剥離除去する際に粘着剤層の凝集破壊傾向による糊残りが起こる問題があった。
【0004】
一方、経皮吸収型製剤は、皮膚面に貼付するため、貼付後皮膚の汗腺を密封し、その結果発汗が生じ、皮膚と経皮吸収型製剤の間に汗が滞留する等の現象が起きる。季節差によりのその発汗量は大きく異なる。ヒトの汗の成分は殆どが水分であり、極端に発汗が多い場合には経皮吸収型製剤が皮膚面から剥がれる等の影響が生じるが、汗中には水分の他乳酸、尿素、アンモニア、無機塩類等の各種成分が含有されている。
【0005】
しかしながら、従来は発汗による影響は個人差や季節差等でのばらつきの範囲内と考えられており、粘着剤の物性を改良したり、添加剤等を添加したりする微改良が実施されているのみで、汗成分、特に水分以外の汗成分との関係で経皮吸収型製剤の安定性を十分に検討したものはなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、塩基性薬物を経皮吸収させるための経皮吸収型製剤であって、貼付時の発汗による汗成分の存在下においても粘着剤層の凝集力の低下を生じることなく剥離除去の際の凝集破壊による糊残りの生じない安定な経皮吸収型製剤およびその製造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、塩基性薬物を含有する経皮吸収型製剤では、塩基性薬物の影響により汗中の乳酸が粘着剤層中に取り込まれ、この乳酸が特定の架橋剤、すなはち有機金属化合物、金属アルコラートまたは金属キレート化合物により形成された粘着剤の架橋結合に作用して粘着剤層の凝集力を低下させることを見出した。粘着剤層の凝集力の低下は、製剤を剥離除去する際、凝集破壊傾向による糊残り現象を生じさせる。一方、乳酸に影響されない架橋結合を形成する架橋剤、例えばポリイソシアネート化合物等を用いて粘着剤を架橋しようとすると、粘着剤に含まれる塩基性薬物の存在により架橋の形成が阻害されることがわかった。
そこで、本発明者らは、支持体の片面に塩基性薬物、および塩基性薬物の存在により架橋の形成が阻害されない架橋剤、例えば有機金属化合物、金属アルコラート、金属キレート化合物等の架橋剤により架橋された粘着剤、または非架橋の粘着剤を含有する粘着剤層を形成し、その上の皮膚貼付面側に、乳酸に影響されない架橋結合を形成する架橋剤、すなはち有機金属化合物、金属アルコラートおよび金属キレート化合物以外の架橋剤で架橋された粘着剤を含有する粘着剤層を形成することにより、汗中の乳酸を取り込んでも粘着剤層の凝集力の低下を生じることなく剥離除去の際の糊残りの生じない安定な製剤とすることができることを見出して本発明を完成するに至った。
【0008】
すなはち、本発明は以下の通りである。
[1]支持体の片面に、粘着剤および塩基性薬物を含有する粘着剤層(A)、有機金属化合物、金属アルコラートおよび金属キレート化合物以外の架橋剤で架橋された粘着剤を含有する粘着剤層(B)がこの順に積層されてなる経皮吸収型製剤。
[2]粘着剤層(B)の粘着剤が、ポリイソシアネート系化合物、有機過酸化物、メラミン誘導体、多官能性化合物、アミノ系樹脂、シラン系化合物、ジオール化合物、ポリオール化合物、ビスフェノール系化合物、硫化物からなる群より選ばれる1種または2種以上の架橋剤により架橋された粘着剤である上記[1]記載の経皮吸収型製剤。
[3]粘着剤層(A)および粘着剤層(B)が、液状可塑成分を含有する上記[1]または[2]に記載の経皮吸収型製剤。
[4]粘着剤層(A)の粘着剤と粘着剤層(B)の粘着剤とが、同一組成の粘着剤である上記[1]〜[3]のいずれか一項に記載の経皮吸収型製剤。
[5]粘着剤層(A)の粘着剤および粘着剤層(B)の粘着剤が、アクリル系共重合体粘着剤である上記[1]〜[4]のいずれか一項に記載の経皮吸収型製剤。
[6]粘着剤層(A)および粘着剤層(B)のアクリル系共重合体粘着剤が、アルキル基の炭素数が4〜12である(メタ)アクリル酸アルキルエステルを60〜98重量%、官能性単量体を2〜40重量%の割合で共重合してなる共重合体を含有する上記[5]記載の経皮吸収型製剤。
[7]官能性単量体が、カルボキシル基、ヒドロキシル基、スルホン酸基、アミノ基、アミド基、アルコキシル基、シアノ基およびアシルオキシ基からなる群より選ばれる1種または2種以上の置換基を有する単量体である上記[6]記載の経皮吸収型製剤。
[8]官能性単量体が、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチルエステル、スチレンスルホン酸、(メタ)アクリルアミド、ビニルピロリドン、(メタ)アクリル酸2−アミノエチルエステル、アクリロニトリル、(メタ)アクリル酸2−メトキシエチルエステルおよび酢酸ビニルからなる群より選ばれる1種または2種以上の単量体である上記[7]記載の経皮吸収型製剤。
[9](1)支持体の片面に粘着剤および塩基性薬物を含有する粘着剤層(A)を形成する工程、
(2)塩基性薬物の非存在下に、粘着剤を、有機金属化合物、金属アルコラートおよび金属キレート化合物以外の架橋剤で架橋して架橋粘着剤を得て、該架橋粘着剤を含有する粘着剤層(B)を粘着剤層(A)上に形成する工程、
を含む経皮吸収型製剤の製造方法。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下に本発明を詳細に説明する。
本発明の経皮吸収型製剤に用いられる支持体は、特に限定されないが、粘着剤層に含有される薬物、その他可塑剤、吸収促進剤等の添加剤が支持体中を通って背面から失われて含量低下を起こさないもの、すなはちこれら成分が不透過性の材質からなるものが好ましい。
支持体としては、具体的には、例えばポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、ナイロン等のポリアミド、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、可塑化ポリ塩化ビニル、可塑化酢酸ビニル−塩化ビニル共重合体、ポリ塩化ビニリデン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、酢酸セルロース、エチルセルロース、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、ポリテトラフルオロエチレン、ポリウレタン、アイオノマー樹脂、アルミニウム箔等の金属箔等の単独フィルムまたはこれらのラミネートフィルム等が挙げられる。
支持体の厚みは、特に限定されないが、経皮吸収型製剤のソフト感を損なわない点からは通常1〜25μm、好ましくは1〜15μmである。
【0010】
該支持体は、支持体と粘着剤層との間の投錨性(接着性)を向上させるため、前記支持体に多孔性フィルムをラミネートした構成とし、多孔性フィルム側に粘着剤層を形成する事が好ましい。
この多孔性フィルムとしては、具体的には、例えば紙、織布、不織布、機械的に穿孔処理したフィルム等が挙げられる。
【0011】
粘着剤層(A)に用いる粘着剤としては、常温で粘着性を有するものであれば特に限定されないが、皮膚接着性、薬物溶解性、薬物安定性等の点からアクリル系共重合体粘着剤が好ましい。粘着剤は1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。アクリル系共重合体粘着剤としては、特に限定されないが、例えば(メタ)アクリル酸アルキルエステルと、官能性単量体との共重合体が挙げられる。ここに、本明細書において、官能性単量体とは、不飽和二重結合を分子内に少なくとも1個有し、かつ官能基を側鎖に有する単量体をいう。(メタ)アクリル酸アルキルエステルと、官能性単量体との共重合体としては、(メタ)アクリル酸アルキルエステルを60〜98重量%、好ましくは65〜97重量%と、官能性単量体を2〜40重量%、好ましくは3〜35重量%の割合で共重合させた共重合体が好ましい(但し共重合体の合計が100重量%)。
【0012】
(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、アルキル基の炭素数が4〜12の直鎖または分岐鎖状の一級〜三級アルコールと、アクリル酸またはメタクリル酸とから得られるエステルが挙げられる。
(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、具体的には、例えば(メタ)アクリル酸ブチルエステル、(メタ)アクリル酸ペンチルエステル、(メタ)アクリル酸ヘキシルエステル、(メタ)アクリル酸ヘプチルエステル、(メタ)アクリル酸オクチルエステル、(メタ)アクリル酸ノニルエステル、(メタ)アクリル酸デシルエステル、(メタ)アクリル酸ウンデシルエステル、(メタ)アクリル酸ドデシルエステル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシルエステル等が挙げられる。
【0013】
官能性単量体としては、不飽和二重結合を分子内に少なくとも一個有すると共に、例えばカルボキシル基、ヒドロキシル基、スルホン酸基、アミノ基、アミド基、アルコキシル基、シアノ基およびアシルオキシ基からなる群より選ばれる1種または2種以上の官能基を側鎖に有する官能性単量体が挙げられる。官能性単量体としては、具体的には、例えば(メタ)アクリル酸アルキルエステルのアルキル基を炭素数1〜4の直鎖または分岐鎖状アルコキシル基(例えば、メトキシ基、エトキシ基等)で変性した(メタ)アクリル酸アルキルエステルのアルコキシル変性単量体(具体的には、例えば(メタ)アクリル酸2−メトキシエチルエステル、(メタ)アクリル酸2−エトキシエチルエステル等)、アクリロニトリル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ビニルピロリドン(例えば、N−ビニル−2−ピロリドン等)、ビニルカプロラクタム、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチルエステル、スチレンスルホン酸、(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリル酸2−アミノエチルエステル等が挙げられる。
【0014】
(メタ)アクリル酸アルキルエステル、官能性単量体はそれぞれ、1種もしくは2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0015】
アクリル系共重合体粘着剤としては、具体的には、例えばアクリル酸2−エチルヘキシルエステルとアクリル酸との共重合体、アクリル酸2−エチルヘキシルエステルとN−ビニル−2−ピロリドンとアクリル酸との共重合体、アクリル酸2−エチルヘキシルエステルとアクリル酸2−ヒドロキシエチルエステルと酢酸ビニルとの共重合体等が挙げられる。
【0016】
粘着剤層(A)には、液状可塑成分を含有させることができる。
液状可塑成分は、常温で液状を呈し、使用する粘着剤(例えば、アクリル系共重合体粘着剤)と相溶するものであれば特に限定されない。
粘着剤層に粘着剤(アクリル系共重合体粘着剤)と相溶する液状可塑成分を配合し、これが粘着剤(アクリル系共重合体粘着剤)と相溶することによって粘着剤層を可塑化する作用を呈する。また粘着剤中への薬物溶解性等をさらに高める目的でも配合することができる。
【0017】
液状可塑成分の配合量は、粘着剤100重量部に対して通常10〜200重量部、好ましくは25〜150重量部の割合である。液状可塑成分の配合量が粘着剤100重量部に対して10重量部以上好ましくは25重量部以上であることで、十分な可塑化または薬物溶解性等の効果が得られる。液状可塑成分の配合量が粘着剤100重量部に対して200重量部以下好ましくは150重量部以下であることで、粘着剤層の凝集力が必要以上に低下することを防止でき、それにより剥離時の皮膚面への糊残り等を防止できる。
【0018】
液状可塑成分としては、例えば炭素数12〜16の脂肪酸のエステル、炭素数8〜10の脂肪酸のモノグリセリド、炭素数6〜10の二塩基酸のエステル、非イオン界面活性剤等が挙げられる。液状可塑成分は1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0019】
粘着剤層(A)の粘着剤は、非架橋粘着剤であってもよいが、特に液状可塑成分を配合する場合等には、適当な架橋手段によって架橋処理を施すことが望ましい。架橋処理を施すことにより、粘着剤層に適度な凝集力を付与することができる。
【0020】
一般に、架橋反応には紫外線照射や電子線照射等による物理的架橋や、ポリイソシアネート化合物や有機過酸化物、有機金属化合物、金属アルコラート、金属キレート化合物、多官能性化合物等の架橋剤を用いた化学的架橋等がある。しかし、本発明においては、塩基性薬物を含有する粘着剤層(A)の粘着剤と後述の粘着剤層(B)の粘着剤では架橋処理方法が異なる。
塩基性薬物を含有する粘着剤層(A)の粘着剤においては、ポリイソシアネート化合物等の塩基性薬物と反応する架橋剤は、塩基性薬物により架橋の形成が阻害されるため用いることができない。従って、粘着剤層(A)の粘着剤の架橋処理は、塩基性薬物の存在下において架橋の形成が阻害されない架橋処理による必要がある。
【0021】
従って、粘着剤層(A)の粘着剤の架橋処理は、例えば塩基性薬物により架橋の形成が阻害されない架橋剤、例えば有機金属化合物(例えば、ジルコニウム及び亜鉛アラアリネート、酢酸亜鉛、グリシンアンモニウム亜鉛等が挙げられる)、金属アルコラート(例えば、テトラエチルチタネート、テトライソプロピルチタネート、アルミニウムイソプロピレート、アルミニウムブチレート等が挙げられる)または金属キレート化合物(例えば、ジ−i−プロポキシビス(アセチルアセトン)チタネート、テトラオクチレングリコールチタネート、アルミニウムイソプロピレート、エチルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)、アルミニウムトリス(アセチルアセトネート)等が挙げられる)等を用いた架橋処理、または紫外線照射や電子線照射等の物理的架橋処理等が用いられる。架橋処理方法は1種または2種以上を組み合わせて用いることもできる。
【0022】
粘着剤層(A)に含有される薬物は、塩基性の薬物であって、経皮吸収が可能な薬物であれば特に限定されない。薬物は、薬物の薬理学的に許容される塩ではなくフリーベースであり、薬物分子内にカルボン酸誘導体、アミノ酸誘導体、アミン誘導体、アミド酸誘導体、芳香族アミン誘導体、窒素原子から選ばれる少なくとも1個を有する物であり、これらを有する複素環誘導体等が挙げられる。
粘着剤層(A)に含有される薬物は、具体的には、例えばメトプロロール、プロプラノロール、アゼラスチン、ジアゼパム、クロニジン、ビソプロロール、ピンドロール、イフェンプロジル、メトクロプラミド等が挙げられる。
塩基性薬物は、粘着剤層(A)に溶解状態もしくは分散状態にて含有させることができる。
【0023】
また、粘着剤層(A)に含有される塩基性薬物は、全身性の薬物であっても局所性の薬物であってもよい。
全身性の薬物としては、例えばコルチコステロイド類、鎮痛消炎剤、催眠鎮静剤、精神安定剤、抗高血圧剤、降圧利尿剤、抗生物質、麻酔剤、抗菌剤、抗真菌剤、ビタミン剤、冠血管拡張剤、抗ヒスタミン剤、鎮咳剤、性ホルモン、抗鬱剤、脳循環改善剤、制吐剤、抗腫瘍剤、生体医薬等が挙げられる。局所性の薬物としては、例えば局所麻酔剤、歯科用抗生物質、殺菌消毒剤、感染予防治療剤、消炎剤、副腎皮質ホルモン等が挙げられる。
【0024】
粘着剤層(A)中の塩基性薬物の含有量は、粘着剤層(A)の総重量の通常0.2〜80重量%、好ましくは1〜60重量%の範囲である。
【0025】
粘着剤層(B)に用いる粘着剤としては、常温で粘着性を有するものであれば特に限定されないが、皮膚接着性、薬物溶解性、薬物安定性、架橋反応性の点からアクリル系共重合体粘着剤が好ましい。粘着剤は1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。粘着剤層(B)のアクリル系共重合体粘着剤としては、特に限定されないが、例えば(メタ)アクリル酸アルキルエステルと、官能性単量体との共重合体が挙げられる。(メタ)アクリル酸アルキルエステルと、官能性単量体との共重合体としては、アルキル基の(メタ)アクリル酸アルキルエステルを60〜98重量%、好ましくは65〜97重量%と、官能性単量体を2〜40重量%、好ましくは3〜35重量%の割合で共重合させた共重合体を用いるのが好ましい(但し共重合体の合計が100重量%)。
【0026】
(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、アルキル基の炭素数が4〜12の直鎖または分岐鎖状の一級〜三級アルコールと、アクリル酸またはメタクリル酸とから得られるエステルが挙げられる。
(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、具体的には、前記粘着剤層(A)について例示したものと同様のものが挙げられる。
【0027】
官能性単量体としては、不飽和二重結合を分子内に少なくとも一個有すると共に、例えばカルボキシル基、ヒドロキシル基、スルホン酸基、アミノ基、アミド基、アルコキシル基、シアノ基およびアシルオキシ基からなる群より選ばれる1種または2種以上の官能基を側鎖に有する官能性単量体が挙げられる。官能性単量体としては、具体的には、例えば(メタ)アクリル酸アルキルエステルのアルキル基を炭素数1〜4の直鎖または分岐鎖状アルコキシル基(例えば、メトキシ基、エトキシ基等)で変性した(メタ)アクリル酸アルキルエステルのアルコキシル変性単量体(具体的には、例えば(メタ)アクリル酸2−メトキシエチルエステル、(メタ)アクリル酸2−エトキシエチルエステル等)、アクリロニトリル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ビニルピロリドン(例えば、N−ビニル−2−ピロリドン等)、ビニルカプロラクタム、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチルエステル、スチレンスルホン酸、(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリル酸2−アミノエチルエステル等が挙げられる。
【0028】
(メタ)アクリル酸アルキルエステル、官能性単量体はそれぞれ、1種もしくは2種以上を組み合わせて用いることができる。
アクリル系共重合体粘着剤としては、具体的には、前記粘着剤層(A)について例示したものと同様のものが挙げられる。
【0029】
粘着剤層(B)の粘着剤の架橋処理は、有機金属化合物、金属アルコラート、金属キレート化合物以外の架橋剤を用いる。有機金属化合物、金属アルコラート、金属キレート化合物以外の架橋剤としては、例えばポリイソシアネート系化合物、有機過酸化物、メラミン誘導体、多官能性化合物、アミノ系樹脂、シラン系化合物、ジオール化合物、ポリオール化合物、ビスフェノール系化合物、硫化物等が挙げられる。これらの架橋剤は1種もしくは2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0030】
粘着剤層(B)は、製造時には塩基性薬物を含有していないが、その後粘着剤層(B)上に塩基性薬物を含有する粘着剤層(A)を積層することにより濃度勾配により薬物が積層間移動し、通常、一定濃度の均一な製剤となる。その結果、粘着剤層(B)に移動した塩基性薬物の影響により、貼付時の発汗による汗中の乳酸が粘着剤層中に取り込まれる。粘着剤層(B)の粘着剤を、有機金属化合物、金属アルコラートまたは金属キレート化合物の架橋剤を用いて架橋した場合には、粘着剤層中に取り込まれた乳酸が、粘着剤の架橋結合に作用して粘着剤層の凝集力を低下させ、製剤剥離時の凝集破壊を生じさせる。従って、皮膚貼付面となる粘着剤層(B)の粘着剤を、有機金属化合物、金属アルコラート、金属キレート化合物以外の架橋剤を用いて架橋することで、汗中の乳酸を取り込んでも粘着剤層の凝集力の低下を生じることなく剥離時の凝集破壊による糊残りの生じない安定な製剤とすることができるのである。
【0031】
架橋剤の配合量は、架橋剤や粘着剤の種類によって異なるが、架橋する粘着剤100重量部に対して、通常0.01〜2重量部、好ましくは0.03〜1.5重量部の範囲である。
【0032】
粘着剤層(B)には、液状可塑成分が含有されていてもよい。液状可塑成分は、常温で液状を呈し、使用する粘着剤(例えば、アクリル系共重合体粘着剤)と相溶するものであれば特に限定されない。
【0033】
粘着剤層(B)の液状可塑成分の配合量は、粘着剤100重量部に対して通常10〜200重量部、好ましくは25〜150重量部の割合である。液状可塑成分の配合量が粘着剤100重量部に対して10重量部以上好ましくは25重量部以上であることで、十分な可塑化または薬物溶解性等の効果が得られる。液状可塑成分の配合量が粘着剤100重量部に対して200重量部以下好ましくは150重量部以下であることで、粘着剤層の凝集力が必要以上に低下することを防止でき、それにより剥離時の皮膚面への糊残り等を防止できる。
【0034】
粘着剤層(A)の粘着剤と粘着剤層(B)の粘着剤とは、両粘着剤層の貼合せ後の両粘着剤層間の界面破壊の防止、両粘着剤層間の薬物の移動の促進、両粘着剤層の接着性の向上の観点から、同一組成の粘着剤であることが好ましい。同一組成とは粘着剤の種類が同一であることをいい、複数種の粘着剤を用いる場合には粘着剤の種類および配合割合が同一であることをいう。
【0035】
粘着剤層(A)および粘着剤層(B)の厚さは、皮膚面への貼付や剥離性の点から、粘着剤層(A)および粘着剤層(B)の積層体の厚さとして、通常20〜200μm、好ましくは40〜150μmである。粘着剤層(A)と粘着剤層(B)のそれぞれの厚さは任意に選択できるが、粘着剤層(A)と粘着剤層(B)の比は、通常1:1〜20:1、好ましくは2:1〜15:1である。
【0036】
粘着剤層(A)および粘着剤層(B)にはそれぞれ必要に応じて、抗酸化剤や各種顔料、各種充填剤、安定化剤、薬物溶解補助剤、薬物溶解抑制剤等の添加剤を配合することができる。
【0037】
本発明の経皮吸収型製剤は、例えば、以下の工程(1)、(2)を含む製造方法により製造することができる。
すなはち、工程(1):
支持体の片面に粘着剤および塩基性薬物を含有する粘着剤層(A)を形成する工程、
工程(2):
塩基性薬物の非存在下に、粘着剤を、有機金属化合物、金属アルコラートおよび金属キレート以外の架橋剤で架橋して架橋粘着剤を得て、該架橋粘着剤を含有する粘着剤層(B)を粘着剤層(A)上に形成する工程、
により製造することができる。
【0038】
工程(1)の粘着剤層(A)の形成は、例えば、粘着剤(例えばアクリル系共重合体粘着剤等)、塩基性薬物、および必要に応じて架橋剤、液状可塑成分、その他の添加剤等を溶媒または分散媒に溶解または分散させ、得られた溶液または分散液を支持体の片面に塗布し、乾燥して粘着剤層(A)を形成する方法、または、上記溶液または分散液をセパレータ(例えば、剥離処理したポリエステルフィルム等)上に塗布し、乾燥して粘着剤層を形成した後、当該粘着剤層を支持体の片面に転写して粘着剤層(A)を形成する方法等により行うことができる。
【0039】
工程(2)の粘着剤層(B)の形成は、例えば、粘着剤(例えばアクリル系共重合体粘着剤等)、有機金属化合物、金属アルコラートおよび金属キレート以外の架橋剤、および必要に応じて液状可塑成分やその他の添加剤等を溶媒または分散媒に溶解または分散させ、得られた溶液または分散液をセパレータ(例えば、剥離処理したポリエステルフィルム等)の片面に塗布し、乾燥して架橋粘着剤を含む粘着剤層を形成した後、当該粘着剤層と粘着剤層(A)との粘着面同士を既知の方法で貼り合わせることにより行うことができる。セパレータとしては、後述の剥離シートを用いてもよい。
【0040】
粘着剤層(A)の形成に用いる溶媒または分散媒は、特に限定されず、粘着剤の溶媒等として通常使用されるものを粘着剤の種類、薬物との反応性等を考慮して選択することができる。例えば、酢酸エチル、トルエン、ヘキサン、2−プロパノール、メタノール、エタノール等が挙げられる。
粘着剤層(B)の形成に用いる溶媒または分散媒は、特に限定されず、粘着剤の溶媒等として通常使用されるものを粘着剤の種類、架橋剤との反応性等を考慮して選択することができる。例えば、酢酸エチル、トルエン、ヘキサン、2−プロパノール、メタノール、エタノール等が挙げられる。
【0041】
工程(1)、(2)により得られる製剤は、製造時には薬物含有粘着剤層(粘着剤層(A))と薬物非含有粘着剤層(粘着剤層(B))の積層品であるが、製剤として使用するには最終的に均一な濃度となる安定な製剤とするのが望ましい。粘着剤層(A)と粘着剤層(B)を積層した後、ある一定の温度条件等で保存することで、薬物の積層間移動を促進させることも可能である。
【0042】
本発明の経皮吸収型製剤は、皮膚面への貼着の直前までは粘着剤層(B)の露出面を、剥離シートにて被覆、保護することが好ましい。剥離シートを使用時に剥離して、粘着剤層面を露出させ、皮膚に貼付して投与する。剥離シートとしては、使用時に粘着剤層から容易に剥離されるものであれば特に限定されず、例えば粘着剤層との接触面にシリコーン処理が施された、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレンテレフタレート等のフィルム、あるいは上質紙またはグラシン紙とポリオレフィンとのラミネートフィルム等が用いられる。該剥離シートの厚みは、通常1000μm以下、好ましくは30〜200μmである。
【0043】
本発明の経皮吸収型製剤の形状は限定されず、例えば、テープ状、シート状等を含む。
【0044】
本発明の経皮吸収型製剤の投与量は、使用する薬物の種類、患者の年齢、体重、症状などにより異なるが、通常、成人に対して一回当たり経皮吸収性薬物1〜500mgを含有した当該製剤を1〜100cm2に1日に1回〜7日に1回程度貼付する。
【0045】
【実施例】
以下に実施例、比較例および実験例により本発明を詳細に述べるが、本発明はこれらによって何ら限定されるものではない。なお、以下の記載において、部及び%はそれぞれ重量部及び重量%を意味する。
【0046】
[アクリル系共重合体粘着剤の調製]
不活性ガス雰囲気下で、アクリル酸2−エチルヘキシルエステル95部と、アクリル酸5部とを酢酸エチル中で共重合させてアクリル系共重合体粘着剤(以下、「アクリル系共重合体粘着剤(a)」という。)を調製した。
不活性ガス雰囲気下で、アクリル酸2−エチルヘキシルエステル72部と、N−ビニル−2−ピロリドン25部と、アクリル酸3部とを酢酸エチル中で共重合させてアクリル系共重合体粘着剤(以下、「アクリル系共重合体粘着剤(b)」という。)を調製した。
不活性ガス雰囲気下で、アクリル酸2−エチルヘキシルエステル60部と、アクリル酸2−ヒドロキシエチルエステル10部と、酢酸ビニル30部とを酢酸エチル中で共重合させてアクリル系共重合体粘着剤(以下、「アクリル系共重合体粘着剤(c)」という。)を調製した。
【0047】
実施例1
アクリル系共重合体粘着剤(a)46部、メトプロロール4部、ミリスチン酸イソプロピル(IPM)50部、およびエチルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート0.3部を配合した酢酸エチル溶液(粘着剤層(A)の粘着剤溶液)を、ポリエステル製不織布(目付量12g/m2)とポリエステルフィルム(2μm厚)との積層フィルムの不織布側に、乾燥後の厚みが40μmになるように塗布し、乾燥して、粘着剤層(A)を作製した。
アクリル系共重合体粘着剤(a)47.9部、IPM52.1部、およびポリイソシアネート(コロネートHL(C/HL)、日本ポリウレタン工業製)0.2部を配合した酢酸エチル溶液(粘着剤層(B)の粘着剤溶液)を、ポリエステル製剥離シート(75μm厚)上に、乾燥後の厚みが40μmとなるように塗布し、乾燥して粘着剤層(B)を作製した。
次いで、粘着剤層(A)と粘着剤層(B)とを粘着面同士貼り合わせることにより経皮吸収型製剤を作製した。該製剤は、架橋を促進するとともに、薬物の積層間移動を促進する目的で製剤作製後70℃で48時間加熱を施した。
【0048】
実施例2
粘着剤層(A)の粘着剤溶液に、エチルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレートを配合しなかった以外は実施例1と同様にして、経皮吸収型製剤を作製した。該製剤は、実施例1と同様に製剤作製後70℃で48時間加熱を施した。
【0049】
実施例3
粘着剤層(A)の乾燥後の厚みが60μm、粘着剤層(B)の乾燥後の厚みが20μmになるように各粘着剤溶液を塗布した以外は、実施例1と同様にして、経皮吸収型製剤を作製した。該製剤は、実施例1と同様に製剤作製後70℃で48時間加熱を施した。
【0050】
実施例4
アクリル系共重合体粘着剤(b)45部、プロプラノロール10部、IPM45部、およびエチルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート0.3部を配合した酢酸エチル溶液(粘着剤層(A)の粘着剤溶液)を、ポリエステル製不織布(目付量12g/m2)とポリエステルフィルム(2μm厚)との積層フィルムの不織布側に、乾燥後の厚みが40μmになるように塗布し、乾燥して、粘着剤層(A)を作製した。
アクリル系共重合体粘着剤(b)50部、IPM50部、およびポリイソシアネート(C/HL、日本ポリウレタン工業製)0.3部を配合した酢酸エチル溶液(粘着剤層(B)の粘着剤溶液)を、ポリエステル製剥離シート(75μm厚)上に、乾燥後の厚みが40μmとなるように塗布し、乾燥して粘着剤層(B)を作製した。
次いで、粘着剤層(A)と粘着剤層(B)とを粘着面同士貼り合わせることにより経皮吸収型製剤を作製した。該製剤は、架橋を促進するとともに、薬物の積層間移動を促進する目的で製剤作製後70℃で48時間加熱を施した。
【0051】
実施例5
粘着剤層(A)の粘着剤溶液に、エチルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレートを配合しなかった以外は実施例4と同様にして、経皮吸収型製剤を作製した。該製剤は、実施例4と同様に製剤作製後70℃で48時間加熱を施した。
【0052】
実施例6
アクリル系共重合体粘着剤(c)50部、アゼラスチン10部、IPM40部、およびエチルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート0.3部を配合した酢酸エチル溶液(粘着剤層(A)の粘着剤溶液)を、ポリエステル製不織布(目付量12g/m2)とポリエステルフィルム(2μm厚)との積層フィルムの不織布側に、乾燥後の厚みが60μmになるように塗布し、乾燥して、粘着剤層(A)を作製した。
アクリル系共重合体粘着剤(c)55.6部、IPM44.4部、およびポリエソシアネート(C/HL、日本ポリウレタン工業製)0.3部を配合した酢酸エチル溶液(粘着剤層(B)の粘着剤溶液)を、ポリエステル製剥離シート(75μm厚)上に、乾燥後の厚みが20μmとなるように塗布し、乾燥して粘着剤層(B)を作製した。
次いで、粘着剤層(A)と粘着剤層(B)とを粘着面同士貼り合わせることにより経皮吸収型製剤を作製した。該製剤は、架橋を促進するとともに、薬物の積層間移動を促進する目的で製剤作製後70℃で48時間加熱を施した。
【0053】
実施例7
粘着剤層(A)の粘着剤溶液に、エチルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレートを配合しなかった以外は実施例6と同様にして、経皮吸収型製剤を作製した。該製剤は、実施例6と同様に製剤作製後70℃で48時間加熱を施した。
【0054】
比較例1
アクリル系共重合体粘着剤(a)46部、メトプロロール4部、IPM50部、およびエチルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート0.3部を配合した酢酸エチル溶液を、ポリエステル製不織布(目付量12g/m2)とポリエステルフィルム(2μm厚)との積層フィルムの不織布側に、乾燥後の厚みが80μmになるように塗布し、乾燥して、経皮吸収型製剤を作製した。該製剤は、製剤作製後70℃で48時間加熱を施した。
【0055】
比較例2
アクリル系共重合体粘着剤(a)46部、メトプロロール4部およびIPM50部を配合した酢酸エチル溶液を、ポリエステル製不織布(目付量12g/m2)とポリエステルフィルム(2μm厚)との積層フィルムの不織布側に、乾燥後の厚みが40μmになるように塗布し、乾燥して、薬物を含有する粘着剤層を作製した。
アクリル系共重合体粘着剤(a)47.9部、IPM52.1部、およびエチルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート0.3部を配合した酢酸エチル溶液を、ポリエステル製剥離シート(75μm厚)上に、乾燥後の厚みが40μmとなるように塗布し、乾燥して、薬物を含有しない粘着剤層を作製した。
次いで、薬物を含有する粘着剤層と薬物を含有しない粘着剤層とを粘着面同士貼り合わせることにより経皮吸収型製剤を作製した。該製剤は、製剤作製後70℃で48時間加熱を施した。
【0056】
比較例3
アクリル系共重合体粘着剤(b)45部、プロプラノロール10部およびIPM45部を配合した酢酸エチル溶液を、ポリエステル製不織布(目付量12g/m2)とポリエステルフィルム(2μm厚)との積層フィルムの不織布側に、乾燥後の厚みが40μmになるように塗布し、乾燥して、薬物を含有する粘着剤層を作製した。
アクリル系共重合体粘着剤(b)50部、IPM50部、およびエチルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート0.3部を配合した酢酸エチル溶液を、ポリエステル製剥離シート(75μm厚)上に、乾燥後の厚みが40μmとなるように塗布し、乾燥して、薬物を含有しない粘着剤層を作製した。
次いで、薬物を含有する粘着剤層と薬物を含有しない粘着剤層とを粘着面同士貼り合わせることにより経皮吸収型製剤を作製した。該製剤は、製剤作製後70℃で48時間加熱を施した。
【0057】
比較例4
アクリル系共重合体粘着剤(c)50部、アゼラスチン10部およびIPM40部を配合した酢酸エチル溶液を、ポリエステル製不織布(目付量12g/m2)とポリエステルフィルム(2μm厚)との積層フィルムの不織布側に、乾燥後の厚みが60μmになるように塗布し、乾燥して、薬物を含有する粘着剤層を作製した。
アクリル系共重合体粘着剤(c)55.6部、IPM44.4部、およびエチルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート0.4部を配合した酢酸エチル溶液を、ポリエステル製剥離シート(75μm厚)上に、乾燥後の厚みが20μmとなるように塗布し、乾燥して、薬物を含有しない粘着剤層を作製した。
次いで、薬物を含有する粘着剤層と薬物を含有しない粘着剤層とを粘着面同士貼り合わせることにより経皮吸収型製剤を作製した。該製剤は、製剤作製後70℃で48時間加熱を施した。
【0058】
比較例5
アクリル系共重合体粘着剤(a)45部、硝酸イソソルビド15部、IPM40部、およびエチルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート0.3部を配合した酢酸エチル溶液を、ポリエステル製不織布(目付量12g/m2)とポリエステルフィルム(2μm厚)との積層フィルムの不織布側に、乾燥後の厚みが60μmになるように塗布し、乾燥して、経皮吸収型製剤を作製した。該製剤は、製剤作製後70℃で48時間加熱を施した。
【0059】
比較例6
アクリル系共重合体粘着剤(b)47部、エストラジオール3部、IPM50部、およびエチルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート0.4部を配合した酢酸エチル溶液を、ポリエステル製不織布(目付量12g/m2)とポリエステルフィルム(2μm厚)との積層フィルムの不織布側に、乾燥後の厚みが60μmになるように塗布し、乾燥して、経皮吸収型製剤を作製した。該製剤は、製剤作製後70℃で48時間加熱を施した。
【0060】
比較例7
アクリル系共重合体粘着剤(b)47部、エストラジオール3部およびIPM50部を配合した酢酸エチル溶液を、ポリエステル製不織布(目付量12g/m2)とポリエステルフィルム(2μm厚)との積層フィルムの不織布側に、乾燥後の厚みが40μmになるように塗布し、乾燥して、薬物を含有する粘着剤層を作製した。
アクリル系共重合体粘着剤(b)48.5部、IPM51.5部、およびエチルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート0.4部を配合した酢酸エチル溶液を、ポリエステル製剥離シート(75μm厚)上に、乾燥後の厚みが20μmとなるように塗布し、乾燥して、塩基性薬物を含有しない粘着剤層を作製した。
次いで、塩基性薬物を含有する粘着剤層と塩基性薬物を含有しない粘着剤層とを粘着面同士貼り合わせることにより経皮吸収型製剤を作製した。該製剤は、製剤作製後70℃で48時間加熱を施した。
実施例1〜7および比較例1〜7の各粘着剤層成分の組成および各粘着剤層の乾燥後の厚みを表1および表2に示す。
【0061】
【表1】
【0062】
【表2】
【0063】
実験例
上記各実施例および各比較例にて作製した経皮吸収型製剤について、以下に示す乳酸取り込み実験および粘着力測定を行った。
実験例1[乳酸取り込み実験]
製剤中への乳酸取り込み量を以下に示す方法により測定した。すなはち、シャーレに1%乳酸水溶液15mLを入れ、そこに30cm2に打ち抜いた製剤を10分間浸漬した後、余剰の乳酸を取り除いた(乳酸浸漬処理)。この製剤を細断し、15mLの蒸留水を入れたマイヤーに浸漬し内部標準溶液5mLを加え、40℃にて1時間振とう抽出した。抽出液を以下の条件でのHPLCにて測定し、製剤中の乳酸量を測定した。その結果を表3に示す。
HPLCの条件は以下の通りである。
(乳酸定量条件)
カラム:YMC−Pack PolymerC18(φ4.6 x 250mm)
移動層:0.1%リン酸 カラム温度:25℃ 流速:1.0mL/min
検出方法:UV210nmにおける吸光度測定
内部標準溶液:酢酸水溶液(0.5→1000)
【0064】
実験例2[粘着力測定]
作製した経皮吸収型製剤の粘着力(以下、粘着力1という。)、および上記乳酸取り込み実験と同様の条件で乳酸浸漬処理した製剤を剥離シート上に貼り付けて24時間放置した後の粘着力(以下、粘着力2という。)をそれぞれ次の方法により測定した。製剤を24mm幅の帯状に裁断し、裁断した製剤の粘着面をベークライト板に貼付し、荷重300gのローラーにて1往復して圧着した後、180度方向に300mm/分の速度で製剤を剥離し、その際の粘着力を測定した。その結果を表3に示す。
【0065】
【表3】
【0066】
表3により、実施例1〜7の塩基性薬物を含有する本発明の経皮吸収型製剤はいずれも製剤内に乳酸が取り込まれるものの、粘着力1と粘着力2でほとんど差がなく、乳酸の影響を受けない安定な製剤であった。
一方、比較例1〜4の塩基性薬物を含有する製剤はいずれも乳酸が製剤中に取り込まれ、それにより粘着力が大きく変化した不安定な製剤であった。
比較例5〜7の塩基性薬物を含有しない製剤については粘着力1と粘着力2で差はなかった。このことは塩基性薬物を含有しない製剤では、薬物の種類によっては製剤中に乳酸が取り込まれないことを示している。
【0067】
【発明の効果】
本発明の経皮吸収型製剤は、汗成分である乳酸の製剤への取り込みによる粘着剤層の凝集力の低下を防止することができる。従って、本発明によれば、塩基性薬物を経皮吸収させるための経皮吸収型製剤であって、貼付時の発汗による汗成分の存在下においても粘着剤層の凝集力の低下を生じることなく剥離除去の際の凝集破壊による糊残りの生じない安定な経皮吸収型製剤およびその製造方法を提供することができる。
Claims (9)
- 支持体の片面に、粘着剤および塩基性薬物を含有する粘着剤層(A)、有機金属化合物、金属アルコラートおよび金属キレート化合物以外の架橋剤で架橋された粘着剤を含有する粘着剤層(B)がこの順に積層されてなる経皮吸収型製剤。
- 粘着剤層(B)の粘着剤が、ポリイソシアネート系化合物、有機過酸化物、メラミン誘導体、多官能性化合物、アミノ系樹脂、シラン系化合物、ジオール化合物、ポリオール化合物、ビスフェノール系化合物、硫化物からなる群より選ばれる1種または2種以上の架橋剤により架橋された粘着剤である請求項1記載の経皮吸収型製剤。
- 粘着剤層(A)および粘着剤層(B)が、液状可塑成分を含有する請求項1または2に記載の経皮吸収型製剤。
- 粘着剤層(A)の粘着剤と粘着剤層(B)の粘着剤とが、同一組成の粘着剤である請求項1〜3のいずれか一項に記載の経皮吸収型製剤。
- 粘着剤層(A)の粘着剤および粘着剤層(B)の粘着剤が、アクリル系共重合体粘着剤である請求項1〜4のいずれか一項に記載の経皮吸収型製剤。
- 粘着剤層(A)および粘着剤層(B)のアクリル系共重合体粘着剤が、アルキル基の炭素数が4〜12である(メタ)アクリル酸アルキルエステルを60〜98重量%、官能性単量体を2〜40重量%の割合で共重合してなる共重合体を含有する請求項5記載の経皮吸収型製剤。
- 官能性単量体が、カルボキシル基、ヒドロキシル基、スルホン酸基、アミノ基、アミド基、アルコキシル基、シアノ基およびアシルオキシ基からなる群より選ばれる1種または2種以上の置換基を有する単量体である請求項6記載の経皮吸収型製剤。
- 官能性単量体が、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチルエステル、スチレンスルホン酸、(メタ)アクリルアミド、ビニルピロリドン、(メタ)アクリル酸2−アミノエチルエステル、アクリロニトリル、(メタ)アクリル酸2−メトキシエチルエステルおよび酢酸ビニルからなる群より選ばれる1種または2種以上の単量体である請求項7記載の経皮吸収型製剤。
- (1)支持体の片面に粘着剤および塩基性薬物を含有する粘着剤層(A)を形成する工程、
(2)塩基性薬物の非存在下に、粘着剤を、有機金属化合物、金属アルコラートおよび金属キレート化合物以外の架橋剤で架橋して架橋粘着剤を得て、該架橋粘着剤を含有する粘着剤層(B)を粘着剤層(A)上に形成する工程、
を含む経皮吸収型製剤の製造方法。
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