JP5627080B2 - 通信システム、送信装置、送信制御方法、送信制御プログラム、及びプロセッサ - Google Patents
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Description
つまり、順序が後の受信装置では誤りが増加し、通信システムの伝送効率が劣化する場合あるという問題があった。
以下、図面を参照しながら本発明の第1の実施形態について詳しく説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る通信システムの一例を示す概略図である。この図において、通信システムは、基地局装置a1と複数の端末装置B1〜BNを具備する。なお、図1ではN=3であり、本実施形態ではN=3とするが、本発明はこれに限らず、N=2であってもN>3であってもよい。
基地局装置a1は、K本の送信アンテナa161〜a16Kを備える。なお、図1ではK=4であり、本実施形態ではK=4とするが、本発明はこれに限らず、1<K<4であってもK>4であってもよい。基地局装置a1は、同一時刻で同一周波数を用いて複数の端末装置宛の信号を空間多重して送信する。
端末装置Bn(n=1〜N;端末装置Bn各々を端末装置b1ともいう)は、Jn本の受信アンテナBn1〜BnJnを備え、基地局装置a1から送信された信号を受信する。なお、図1ではJ1、J2、J3=2であり、本実施形態ではJ1、J2、J3=2とするが、本発明はこれに限らず、J1、J2、J3>2であってもよい。また、J1=J2=J3でなくてもよく、この場合、J1、J2、J3のいずれかが1であってもよい。
図2は、本実施形態に係る基地局装置a1の構成を示す概略ブロック図である。この図において、基地局装置a1は、受信アンテナa111、無線部a112、上位層部a12、符号化部a131−1〜a131−K、変調部a132−1〜a132−K、多重信号生成部a14、第2の参照信号生成部a151、第1の参照信号生成部a152、フィルタ乗算部a153、信号多重部a154、無線部a155−1〜a155−K、送信アンテナa161〜a16Kを含んで構成される。上位層部a12は、ストリーム数取得部a121、順序決定部a122、アプリケーション部a123、及び順序変更部a124を含んで構成される。多重信号生成部a14は、フィルタ算出部a141、干渉算出部a142、減算部a143−3〜a143−K、Modulo演算部a144−3〜a144−K、フィルタ乗算部a145を含んで構成される。
基地局装置a1は、BT(Block Trianglization)−THPを用いて、信号を空間多重して送信する。
無線部a112は、入力された信号をダウンコンバートしてベースバンド信号を生成し、A/D(Analog to Digital)変換する。無線部a112は、A/D変換した信号を復調し、復調後の情報を上位層部a12に出力する。ここで、無線部a112は、復調後の情報のうち、各端末装置Bnの受信品質情報(CQI;Channel Quality Information)を受信品質取得部a123に出力し、伝搬路情報(CSI;Channel State Information)をフィルタ算出部a141に出力する。なお、各端末装置Bnの受信品質情報は、基地局装置a1からの信号の各端末装置での受信品質を示す情報であり、例えば、基地局装置a1から各端末装置Bnへの距離や基地局と端末の間の障害物の有無、端末が屋内、屋外のいずれに位置するか等に依存する。具体的には、受信品質情報が各端末装置Bnにおける受信SNR(Signal−to−Noise Ratio;信号対雑音比)を表すものである場合には、基地局装置a1近傍に位置する端末装置Bnでは高いSNRで信号が受信されるため、受信品質情報が示す受信品質も高い値となる。逆に、基地局装置a1から離れた場所に位置する端末装置Bnでは、受信品質情報が示す受信品質が低い値となる。
また、無線部a112は、復調後の情報のうち、端末装置Bn各々のストリーム数tnを示すストリーム数情報、及び受信アンテナ数Jnを示す受信アンテナ数情報をストリーム数取得部a121に出力する。
順序決定部a122は、無線部a112から各端末装置Bnの受信品質情報を入力され、ストリーム数取得部a121からストリーム数情報及び受信アンテナ数情報を入力される。順序決定部a122は、入力された情報に基づいて、空間多重する端末装置Bnと、それらの端末装置Bnの信号生成順序cを決定する(順序決定処理という)。
ここで、順序決定部a122は、ストリーム数tnが同じである端末装置Bnが複数ある場合、それらの端末装置Bnについて、受信アンテナ数情報が示す受信アンテナ数Jnが少ない端末装置Bnの信号生成順序cが、受信アンテナ数Jnが多い端末装置Bnの信号生成順序cより、先になるように信号生成順序cを決定する。
また、順序決定部a122は、ストリーム数tnも受信アンテナ数Jnも同じである端末装置Bnが複数ある場合、それらの端末装置Bnについて、受信品質情報が示す受信品質が低い端末装置Bnの信号生成順序cが、受信品質が高い端末装置Bnの信号生成順序cより、先になるように信号生成順序cを決定する。
なお、順序決定処理において、受信アンテナ数Jn及び受信品質に基づく信号生成順序cは、上記の処理に限られない。例えば、順序決定部a122は、受信品質高い端末装置Bnの信号生成順序cが、受信品質が低い端末装置Bnの信号生成順序cより、先になるように信号生成順序cを決定してもよい。また、順序決定部a122は、受信アンテナ数Jn又は受信品質情報以外の情報に基づいて信号生成順序cを決定してもよく、例えば、ストリーム数tnが同じである端末装置Bnをランダムに選択し、選択した順序を信号生成順序cとして決定してもよい。
順序決定部a122は、信号生成順序cを決定した端末装置Bnの識別情報、及び信号生成順序cを示す信号生成順序情報を順序変換部a124及びフィルタ算出部に出力する。
順序変換部a124は、順序決定部a122から入力された識別情報と識別情報が一致する端末装置Bn宛の情報を選択する。順序変換部a124は、選択した端末装置Bn宛の情報を、順序決定部a122から入力された信号生成順序cに基づいて並び替える。以下、信号生成順序cがm番目の端末装置Bnの情報であって、端末装置Bnのj番目の受信アンテナ宛の情報を、情報Di(i=j+Σs≦m−1Js)と表す。順序変換部a124は、情報Diを符号化部a131−iに出力する。
ここで、順序変換部a124は、端末装置Bnのストリーム数tnが受信アンテナ数Jnより小さい場合、情報Di(i=1〜Jn−tn)を複製し、それぞれ、情報Di+1〜DJnとする。これにより、情報Di(i=1〜Jn−tn)の信号が多重されることとなる。
変調部a132−iは、符号化部a131−iから入力された情報diを、基地局装置a1が決定した符号化率であって端末装置Bn宛の情報の変調方式で変調する。変調方式には、例えば、QPSK(Quadrature Phase Shift Keying)や16QAM(Quadrature Amplitude Modulation)がある。変調部a132−iは、変調後の信号siを、多重信号生成部a14に出力する。
フィルタ算出部a141、生成した伝搬行列Hに乗算した場合に、その行列が下方にブロック三角化される行列Mを算出する。ここで、ブロック三角化とは、行列成分を端末装置b1毎の要素(ブロック)とした場合に、ブロックでの非対角成分(非対角ブロックという)の一方の行列が0であることをいう(式(23)参照)。フィルタ算出部a141は、算出した行列Mをフィルタ係数としてフィルタ乗算部a145及びフィルタ乗算部a153に出力する。
フィルタ算出部a141は、伝搬行列Hに行列Mを乗算した結果の行列Aを示す情報を、干渉算出部a142に出力する。
干渉算出部a142は、干渉係数行列Cにベクトルsi’を乗算することで、干渉信号fiを生成する。具体的には、干渉算出部a142は、干渉信号f3は、干渉係数行列Cに(s1,s2,0,0)Tを乗算した行列のうち第3成分、干渉信号f4は、干渉係数行列Cに(s1,s2,0,0)Tを乗算した行列のうち第4成分を生成する。
なお、図2の一例では、干渉算出部a142は、信号siを成分とするベクトルsI’のみ生成することとなるが、端末装置がN個以上ある場合には、Modulo演算部a144−(J1+1)〜a144−(I―JN)から信号sJ1+1〜sI―JNを入力されてもよい。この場合、干渉算出部a24−23は、信号si及び信号sJ1+1〜sI―JNを成分とするベクトルsI’を逐次生成する。
干渉算出部a142は、生成した干渉信号fiを、それぞれ、減算部a143−iに出力する。
Modulo演算部a144−iは、減算部a143−iから入力された信号si−fiに対して、基地局装置a1が決定した各端末装置Bmの変調方式に基づくModulo演算(非線形演算)を行う。Modulo演算部a144−iは、Modulo演算後の信号si’を干渉算出部a142及びフィルタ乗算部a145に出力する。
フィルタ乗算部a153は、フィルタ算出部a141から入力された情報が示すフィルタ係数に、第1の参照信号生成部a152から入力されたパイロット信号を乗算する。フィルタ乗算部a153は、乗算後の信号を信号多重部a154に出力する。
このような信号多重を行った後、信号多重部a154は、信号si’から生成されて出力された信号を、送信アンテナa16iで送信する帯域に配置する。
無線部a155−kは、信号多重部a154から入力された信号をD/A(Digital to Analog)変換する。無線部a155−kは、変換後の信号を、無線周波数にアップコンバートし、送信アンテナa16kを介して、端末装置Bnに送信する。
以下、順序決定部a122が行う順序決定処理について詳細を説明する。
図3は、本実施形態に係る順序決定処理の動作の一例を示すフォローチャートである。なお、順序決定部a122は、端末装置Bnの識別情報毎に、端末装置情報(端末識別情報、ストリーム数情報、受信アンテナ数情報、及び受信品質情報)を記憶する。
(ステップS102)順序決定部a122は、ストリーム数tnの同じ端末装置情報があるか否かを判定する。ストリーム数tnの同じ端末装置情報があると判定した場合(YES)、ステップS103に進む。一方、ストリーム数tnの同じ端末装置情報がないと判定した場合(NO)、ステップS108に進む。
(ステップS104)順序決定部a122は、ステップS103で抽出した端末装置情報を、ストリーム数tn毎に、受信アンテナ数情報が示す受信アンテナ数Jnの少ない順序に並び替える。その後、ステップS105に進む。
(ステップS105)順序決定部a122は、受信アンテナ数Jnの同じ端末装置情報が複数あるか否かを判定する。受信アンテナ数Jnの同じ端末装置情報があると判定した場合(YES)、ステップS106に進む。一方、受信アンテナ数Jnの同じ端末装置情報がないと判定した場合(NO)、ステップS108に進む。
(ステップS107)順序決定部a122は、ステップS106で抽出した端末装置情報を、ストリーム数tn及び受信アンテナ数Jnに、受信品質が低い順序に並び替える。その後、ステップS108に進む。
(ステップS109)順序決定部a122は、選択数xにx+1を代入する。その後、ステップS110に進む。
(ステップS110)順序決定部a122は、選択数xが奇数である(x=2y−1;yは自然数)か否かを判定する。選択数xが奇数であると判定した場合(YES)、ステップS111に進む。一方、選択数xが奇数でない(x=2y)と判定した場合(NO)、ステップS112に進む。
(ステップS112)順序決定部a122は、ステップS101、S104、及びS107で並び替えた順序が、y番目に小さい端末装置情報に、信号生成順序c=yを割り当てる。つまり、順序決定部a122は、y番目にストリーム数tnが小さい端末装置Bnに、信号生成順序c=yを割り当てる。その後、ステップS113に進む。
(ステップS114)順序決定部a122は、最後に選択した端末装置情報(ステップS111又はステップS112のいずれかで選択した端末装置情報)に割り当てた信号生成順序cを削除することで、この端末装置情報への割り当てをキャンセルする。その後、ステップS115に進む。
(ステップS115)順序決定部a122は、信号生成順序cを割り当てた端末装置情報の数を計数する。順序決定部a122は、計数結果をCに代入する。これにより、順序決定部a122がCを確定し、端末装置情報に対して信号生成順序cの値が割り当てられる。つまり、順序決定部a122は、端末装置情報の識別情報が示す端末装置Bnに対して、信号生成順序cを決定する。その後、動作を終了する。
図1の通信システムにおいて、端末装置B1、B3のストリーム数がt1、t3=2であり、端末装置B2のストリーム数がt2=1である場合には、順序決定部a122は、次のように、空間多重する端末装置Bn、及び、それらの端末装置Bnの信号生成順序cを決定することとなる。ただし、端末装置B1の受信品質は、端末装置B3の受信品質より高いものとする。
図3において、順序決定部a122は、ステップS101で、端末装置B1、B3、B2の順序、又は、端末装置B3、B1、B2の順序に端末装置情報を並び替える。順序決定部a122は、ステップS103で、端末装置B1、B3の端末装置情報を抽出する。その後、これらの端末装置情報の順序は決まらず、順序決定部a122は、ステップS106で、端末装置B1、B3の端末装置情報を抽出する。順序決定部a122は、ステップS107で、端末装置B3、B1の順序に端末装置情報を並び替える。つまり、順序決定部a122は、端末装置B3、B1、B2の順序に端末装置情報を並び替えることとなる。
図1の通信システム(K=4、N=3、J1、J2、J3=2)では、図2の構成により、多重信号生成部a14での処理は、以下の処理となる。
フィルタ算出部a141は、次式(1)の伝搬行列Hを生成する。
フィルタ算出部a141は、伝搬行列Hを端末装置n毎に抽出する(伝搬行列Hnという)。具体的には、フィルタ算出部a141は、次式(2)、(3)を抽出する。
式(7)の行列Mに伝搬路行列Hを乗算する。基地局装置a1において送信信号に式(7)のプレコーディングを行って送信され、伝搬路を介して受信された信号は、端末装置側では、式(7)の行列Mに伝搬路行列Hを乗算された伝搬路と等価な伝搬路を介したものと同じになる。この等価な伝搬路は、次式(8)となる。
基地局装置a1は、Modulo演算を行うことにより、干渉減算後の信号の振幅が所定の幅に収めるように送信信号の振幅を制限することができ、送信電力の増大を抑えることができる。
図4は、本実施形態に係る端末装置b1の構成を示す概略ブロック図である。この図において、端末装置b1は、受信アンテナb111−1(Bn1)、b111−2(Bn2)、無線部b112−1、b112−2、信号分離部b113−1、b113−2、制御信号処理部b114−1、b114−2、伝搬路推定部b115、係数推定部b116、MIMO多重分離部b117、剰余判定部b118−1、b118−2、Modulo演算部b119−1、b119−2、復調部b120−1、b120−2、復号部b121−1、b121−2、上位層部b122、無線部b123、及び、送信アンテナb124を含んで構成される。
制御信号処理部b114−jは、信号分離部b113−jから入力された制御情報の信号を復調及び復号する。制御信号処理部b114−jは、復号した制御情報のうち、剰余演算情報及び変調方式を、それぞれ、剰余判定部b118−j及びModulo演算部b119−jに出力する。なお、制御信号処理部b114−jは、復号した制御情報のうち、符号化率及び変調方式の情報を、それぞれ復調部b120−j及び復号部b121−jに出力する(図示せず)。
MIMO多重分離部b117は、伝搬路推定部b115から入力された伝搬路情報に基づいて、伝搬行列Hnを生成する。MIMO多重分離部b117は、生成した伝搬行列Hn及び係数推定部b116から入力されたフィルタ係数に基づいて、信号を抽出する。
具体的には、MIMO多重分離部b117は、式(4)の行列U1’、又は、式(6)の行列U2’を算出する。なお、基地局装置b3は、各端末装置が端末装置B1であるか又はB2であるかを示す情報を、各端末装置に対して予め送信し、MIMO多重分離部b117は、この情報に基づいて行列U1又はU2’を算出してもよい。
MIMO多重分離部b117は、算出した行列Un,n、行列U1’又は行列U2’を信号分離部b113−1、b113−2から入力された信号に乗算する。例えば、式(8)の行列の積HMにU2’を乗算した行列は、D2’(対角行列)となるので、MIMO多重分離部b117は、D2’を除算することで信号を抽出する。以上のように、MIMO多重分離部b117は、各ストリームの信号を抽出する。MIMO多重分離部b117は、抽出した信号を、受信アンテナb111−1、b111−2毎にそれぞれ剰余判定部b118−1、b118−2に出力する。
なお、本実施形態では、剰余演算情報は、Modulo演算を行ったことを示す情報である場合について説明をした。しかし、本発明はこれに限らず、剰余演算情報は、Modulo演算を行わないことを示す情報であってもよい。この場合、剰余判定部b118−jは、剰余演算情報が入力されない場合には、信号をModulo演算部b119−jに出力し、剰余演算情報が入力された場合には、信号を復調部b120−jに出力する。
復号部b121−jは、復調部b120−jから入力された情報を、制御信号処理部b114−jから入力された情報が示す符号化率に基づいて、復号する。復調部b120−jは、復号した情報を上位層部b122に出力する。
無線部b123は、上位層部b122から入力された情報を変調し、変調した信号をD/A変換する。無線部b123は、変換後の信号を、無線周波数にアップコンバートし、送信アンテナb124を介して、基地局装置a1に送信する。
以下、図面を参照しながら本発明の第2の実施形態について詳しく説明する。
本実施形態では、同じストリーム数tnの端末装置がある場合に、基地局装置が、それらの端末装置に割り当てる信号生成順序cを時間に応じて切り替える場合について説明をする。
端末装置Bnは、Jn本の受信アンテナBn1〜BnJn(図4ではJ1〜J5=2)を備え、基地局装置a1から送信された信号を受信する。
なお、基地局装置a2では、送信アンテナ数がK=6本であるため、それに対応して、符号化部a131−5、a131−6、変調部a132−5、a132−6、無線部a155−5、a155−6、及び送信アンテナa165、a165を備える点が第1の実施形態とは異なる。これらの構成は、符号化部a131−i、変調部a132−i、無線部a155−i、送信アンテナa16kとして、第1の実施形態で説明したので、説明は省略する。
図8に示すように、時刻1では端末装置B2、B3の端末装置情報には、それぞれ、信号生成順序2、3が割り当てられている。また、時刻2では端末装置B2、B3の端末装置情報には、それぞれ、信号生成順序3、2が割り当てられている。時刻3では端末装置B2、B3の端末装置情報には、それぞれ、信号生成順序2、3が割り当てられている。なお、順序決定部a222は、以後の時刻2d+1、2d+2(dは自然数)では、それぞれ、時刻1、2と同じ割り当てをする。
図9に示すように、時刻1では端末装置B3、B4、B5の端末装置情報には、それぞれ、信号生成順序2、3、4が割り当てられている。また、時刻2では端末装置B3、B4、B5の端末装置情報には、それぞれ、信号生成順序3、4、2が割り当てられている。時刻3では端末装置B3、B4、B5の端末装置情報には、それぞれ、信号生成順序4、3、2が割り当てられている。なお、順序決定部a222は、以後の時刻3d+1、3d+2、3d+3(dは自然数)では、それぞれ、時刻1、2、3と同じ割り当てをする。
以下、図面を参照しながら本発明の第3の実施形態について詳しく説明する。
本実施形態では、プレコーディングとして、QR−THP(QR−Tomlinson−Harashima Precoding)を用いる場合について説明をする。
上記各実施形態では、プレコーディングによって得られる等価的な伝搬路がユーザごとにブロック対角化された伝搬路行列であった。本実施形態に係るプレコーディングでは、QR分解を用いることにより、1ストリームごとに対角化された伝搬路行列となる。これにより、端末装置の各受信アンテナにおける受信信号は、1つの希望信号成分のみとなり、上記各実施形態のように、各端末装置においてMIMO多重分離の処理をする必要がなくなる。
なお、本実施形態に係る通信システムの一例を示す概略図は、第1の実施形態のもの(図1)と同じであるので、説明は省略する。以下、本実施形態に係る基地局装置を基地局装置a3といい、端末装置を端末装置b3という。
なお、基地局装置a3は、減算部a143−2、及びModulo演算部a144−2を備える点が異なる。これらの構成は、第1の実施形態での減算部a143−i、及びModulo演算部a144−iと同じ機能を持つので、説明は省略する。
フィルタ算出部a341は、生成した伝搬行列Hの複素共役転置(エルミート共役)行列HHをQR分解して、行列R及び行列Qを算出する。QR分解とは、行列をユニタリ行列Qと上三角行列Rに分解することである。フィルタ算出部a341は、算出した行列Rを示す情報を干渉算出部a342に出力する。
干渉算出部a342は、順序変換部a124から入力された信号s1、及びModulo演算部a143−2〜a143−(i−1)から入力された信号s2’〜si−1’を成分とするベクトルsi’を逐次生成する。干渉算出部a342は、干渉係数行列Cにベクトルsi’を乗算することで、干渉信号fiを生成する。
干渉算出部a342は、生成した干渉信号fiを、それぞれ、減算部a143−iに出力する。
上記の構成により、多重信号生成部a34での処理は、以下の処理となる。
フィルタ算出部a341は、上記の式(1)の伝搬行列Hを生成する。
フィルタ算出部a341は、伝搬路行列Hを三角化するためのフィルタ係数Qを算出する。具体的には、フィルタ算出部a341は、次式(12)に示すように、伝搬行列Hの複素共役転置行列HHをQR分解して、行列R及びフィルタ係数(行列Q)を算出する。
基地局装置a3は、Modulo演算を行うことにより、干渉減算後の信号の振幅が所定の幅に収めるように送信信号の振幅を制限することができ、送信電力の増大を抑えることができる。
Modulo演算部a145−iが出力する信号は、例えば、信号s2’が次式(15)で表される。
図12は、本実施形態に係る信号生成順序cの割り当ての一例を示す概略図である。この図は、信号生成順序cの先頭(信号生成順序「1」)を固定し、それ以外の信号生成順序cを受信アンテナ毎に入れ替えた2つのパターンを示す図である。
図12に示すように、「パターン1」では、端末装置B1の受信アンテナB11、端末装置B1の受信アンテナB12、端末装置B2の受信アンテナB11の順序で、それぞれ、信号生成順序1、2、3が割り当てられている。
「パターン2」では、端末装置B1の受信アンテナB11、端末装置B2の受信アンテナB11、端末装置B1の受信アンテナB12の順序で、それぞれ、信号生成順序1、2、3が割り当てられている。
このように、順序決定部a122は、ストリーム数が多い端末装置Bn宛の信号の少なくとも1つを、それより、ストリーム数が少ない端末装置Bn宛の信号よりも、先の順序に決定すればよい。
順序決定部a122は、端末装置Bnの伝送速度の小さい順序、データ量の多い順序に選択する。データ量の少ない順序、符号化率、変調多値数が小さい順序、再送回数が多い順序に、信号生成順序cを決定してもよい。
また、上述した実施形態における基地局装置a1、a2及び端末装置b1、b2の一部、または全部を、LSI(Large Scale Integration)等の集積回路として実現しても良い。基地局装置a1、a2及び端末装置b1、b2の各機能ブロックは個別にプロセッサ化してもよいし、一部、または全部を集積してプロセッサ化しても良い。また、集積回路化の手法はLSIに限らず専用回路、または汎用プロセッサで実現しても良い。また、半導体技術の進歩によりLSIに代替する集積回路化の技術が出現した場合、当該技術による集積回路を用いても良い。
Claims (6)
- 複数の受信装置と、前記複数の受信装置宛の信号を空間多重して送信する送信装置と、を具備する通信システムであって、
前記送信装置は、前記空間多重にTHPに基づくプレコーディングを用い、各受信装置宛の信号の信号系列の数に関する情報に基づいて、前記THPにおける信号生成順序を決定し、
前記信号生成順序は、前記信号系列の数が多い受信装置宛の信号の少なくとも1つを、前記信号系列の数が少ない受信装置宛の信号よりも先の順序とすることを特徴とする通信システム。 - 前記信号の信号系列の数に関する情報は、前記受信装置が前記送信装置に通知した、信号の信号系列の数を示す情報であることを特徴とする請求項1に記載の通信システム。
- 複数の受信装置宛の信号を空間多重して送信する送信装置であって、
前記空間多重にTHPに基づくプレコーディングを用い、各受信装置宛の信号の信号系列の数に関する情報に基づいて、前記THPにおける信号生成順序を決定し、
前記信号生成順序は、前記信号系列の数が多い受信装置宛の信号の少なくとも1つを、前記信号系列の数が少ない受信装置宛の信号よりも先の順序とすることを特徴とする送信装置。 - 複数の受信装置宛の信号を空間多重して送信する送信装置における送信制御方法であって、
送信装置が、各受信装置宛の信号の信号系列の数に関する情報に基づいて、前記空間多重に用いるTHPにおける信号生成順序を決定する過程を有し、
前記信号生成順序は、前記信号系列の数が多い受信装置宛の信号の少なくとも1つを、前記信号系列の数が少ない受信装置宛の信号よりも先の順序とすることを特徴とする送信制御方法。 - 複数の受信装置宛の信号を空間多重して送信する送信装置のコンピュータに、
各受信装置宛の信号の信号系列の数に関する情報に基づいて、前記空間多重に用いるTHPにおける信号生成順序を決定する手段を実行させ、
前記信号生成順序は、前記信号系列の数が多い受信装置宛の信号の少なくとも1つを、前記信号系列の数が少ない受信装置宛の信号よりも先の順序とするための送信制御プログラム。 - 複数の受信装置宛の信号を空間多重して送信する送信装置におけるプロセッサであって、
各受信装置宛の信号系列の数に関する情報に基づいて、前記空間多重に用いるTHPにおける信号生成順序を決定し、
前記信号生成順序は、前記信号系列の数が多い受信装置宛の信号の少なくとも1つを、前記信号系列の数が少ない受信装置宛の信号よりも先の順序とすることを特徴とするプロセッサ。
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