JP5601171B2 - ポリアリーレンスルフィド組成物 - Google Patents
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Description
ポリ(p−フェニレンスルフィド)(A−1)(以下、単にPPS(A−1)と記す。)
:溶融粘度110ポイズ。
ポリ(p−フェニレンスルフィド)(A−2)(以下、単にPPS(A−2)と記す。)
:溶融粘度300ポイズ。
ポリ(p−フェニレンスルフィド)(A−3)(以下、単にPPS(A−3)と記す。)
:溶融粘度350ポイズ。
エチレン−脂肪酸ビニルエステル−ビニルアルコール共重合体(B−1)(以下、単に共重合体(B−1)と記す。):東ソー(株)製、(商品名)メルセンH6820、x=0.817、y=0.021、z=0.162、Rがメチル基。
エチレン−脂肪酸ビニルエステル−ビニルアルコール共重合体(B−2)(以下、単に共重合体(B−2)と記す。):東ソー(株)製、(商品名)メルセンH6410、x=0.851、y=0.065、z=0.084、Rがメチル基。
エチレン−脂肪酸ビニルエステル共重合体(B−3)(以下、単に共重合体(B−3)と記す。):東ソー(株)製、(商品名)ウルトラセン710、x=0.888、y=0.112、z=0.000、Rがメチル基。
エチレン−ビニルアルコール共重合体(B−4)(以下、単に共重合体(B−4)と記す。):東ソー(株)製、(商品名)メルセンH6051、x=0.802、y=0.000、z=0.198。
ガラス繊維(C−1); エヌエスジー・ヴェトロテックス(株)製、(商品名)RES03−TP91;繊維径9μm、繊維長3mm。
炭酸カルシウム(D−1);白石カルシウム(株)製重質炭酸カルシウム、(商品名)ソフトン2200、平均粒子径1.0μm。
タルク(D−2);林化成(株)製、(商品名)ミクロンホワイト#5000A、平均粒子径4.1μm。
攪拌機を装備する15リットルオートクレーブに、Na2S・2.8H2O1866g及びN−メチル−2−ピロリドン(以下、NMPと記す。)5リットルを仕込み、窒素気流下攪拌しながら徐々に205℃まで昇温して、407gの水を溜出させた。この系を140℃まで冷却した後、p−ジクロロベンゼン2280gとNMP1500gを添加し、窒素気流下に系を封入した。この系を225℃に昇温し、225℃にて2時間重合を行った。重合終了後、室温まで冷却し、ポリマーを遠心分離器により単離した。温水でポリマーを繰り返し洗浄し、100℃で一昼夜乾燥し、ポリ(p−フェニレンスルフィド)を得た。
攪拌機を装備する15リットルチタン製オートクレーブにNMP3232g、47%硫化水素ナトリウム水溶液1682g及び48%水酸化ナトリウム水溶液1142gを仕込み、窒素気流下攪拌しながら徐々に200℃まで昇温して、1360gの水を溜出させた。この系を170℃まで冷却し、p−ジクロロベンゼン2118gとNMP1783gを添加し、窒素気流下に系を封入した。この系を225℃に昇温し、225℃にて1時間重合し、続けて250℃まで昇温し、250℃にて2時間重合した。更に、250℃で水451gを圧入し、再度255℃まで昇温し、225℃にて2時間重合を行った。重合終了後、室温まで冷却し、重合スラリーを固液分離した。ポリマーをNMP、アセトン及び水で順次洗浄し、100℃で一昼夜乾燥し、ポリ(p−フェニレンスルフィド)を得た。
射出成形により直径50mm、厚さ3mmの円盤状試験片を作製し、該試験片を用いて、ICE112に準じて比較トラッキング指数(以下、CTIと記す。)を測定した。CTIとして250(V)を超えるものを耐トラッキング性に優れると判断した。
射出成形により長さ127mm、幅12.7mm、厚み3.2mmの試験片を作製し、該試験片を用いて、ASTM D−790 Method−1(三点曲げ法)に準じ、曲げ強度を測定した。測定装置は(商品名)AG−5000B(島津製作所製)を用い、支点間距離50mm、測定速度1.5mm/分の試験条件で行った。曲げ強度として150MPaを超えるものを機械的強度に優れると判断した。
射出成形によりASTM D−638の1号試験片を作製し、該試験片を用いて、ASTM D−638に準じ、引張強度を測定した。測定装置(島津製作所製、(商品名)AG−5000B)を用い、チャック間距離110mm、測定速度5mm/分の試験条件で行った。引張強度として100MPaを超えるものを機械的強度に優れると判断した。
溶融流動性の指標としてバーフロー長さ(以下、BFLと記す。)を測定した。射出成形機(住友重機械工業製、(商品名)SE75)に、深さ1mm、幅10mmの溝がスパイラル状に掘られた金型を装着し、次いで、シリンダー温度を310℃、射出圧力を190MPa、射出速度を最大、射出時間を1.5秒、及び金型温度を135℃に設定した該射出成形機のホッパーにポリアリーレンスルフィド組成物を投入し、射出した。そして金型内のスパイラル状の溝を溶融流動した長さをBFLとして測定した。BFLとして100mmを超えるものを溶融流動性に優れると判断した。
耐トラッキング性の測定と同じ円盤状試験片を作成し、該試験片の表面状態を目視にて観察した。表面全体に艶のあるものを○、表面の一部に艶のあるものを△、表面にまったく艶のないものを×として判定した。成形品外観が○であるものを成形品外観に優れると判断した。
PPS(A−2)66.6重量%、共重合体(B−1)16.7重量%及び炭酸カルシウム(D−1)16.7重量%の割合で配合して、シリンダー温度310℃に加熱した二軸押出機(東芝機械製、(商品名)TEM−35−102B)のホッパーに投入した。一方、ガラス繊維(C−1)を該二軸押出機のサイドフィーダーのホッパーに投入し、スクリュー回転数200rpmにて溶融混練し、ダイより流出する溶融組成物を冷却後裁断し、ペレット状のポリアリーレンスルフィド組成物を作製した。その際のポリアリーレンスルフィド組成物の構成割合は、PPS(A−2)/共重合体(B−1)/ガラス繊維(C−1)/炭酸カルシウム(D−1)=40/10/40/10(重量%)であった。
PPS(A−1,2,3)、共重合体(B−1,2)、ガラス繊維(C−1)、炭酸カルシウム(D−1)、及びタルク(D−2)を表1に示す配合割合とした以外は、実施例1と同様の方法によりポリアリーレンスルフィド組成物を作製し、実施例1と同様の方法により評価した。評価結果を表1に示した。
PPS(A−2,3)、共重合体(B−1,3,4)、ガラス繊維(C−1)、炭酸カルシウム(D−1)及びタルク(D−2)を表2に示す配合割合とした以外は、実施例1と同様の方法によりポリアリーレンスルフィド組成物を作製し、実施例1と同様の方法により評価した。評価結果を表2に示した。
Claims (2)
- ポリアリーレンスルフィド(A)20〜60重量%、下記の一般式(1)で示されるエチレン−脂肪酸ビニルエステル−ビニルアルコール共重合体(B)5〜30重量%、繊維状充填剤(C)10〜50重量%及び非繊維状充填剤(D)10〜50重量%からなり、繊維状充填剤(C)がガラス繊維(C−1)、非繊維状充填剤(D)が炭酸カルシウム(D−1)、タルク(D−2)、ガラスフレーク(D−3)、マイカ(D−4)、クレー(D−5)及びガラスビーズ(D−6)からなる群より選択される1種以上の非繊維状充填剤、であることを特徴とするポリアリーレンスルフィド組成物。
- エチレン−脂肪酸ビニルエステル−ビニルアルコール共重合体(B)が、エチレン−酢酸ビニルエステル−ビニルアルコール共重合体であることを特徴とする請求項1に記載のポリアリーレンスルフィド組成物。
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