JP5696643B2 - 歪測定装置、線膨張係数測定方法、及び、サーモビュアの補正係数測定方法 - Google Patents
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Description
まず、図1、図2を参照して、本発明に係る歪測定装置の構成について説明する。図1は、本発明に係る歪測定装置100の一例を示す構成図である。図2は、図1に示す歪測定装置100の平面図及び側面図である。図2(a)は、図1に示す歪測定装置100の平面図であり、図2(b)は、図1に示す歪測定装置100の側面図である。
次に、図4を参照してコンピュータ1の構成について説明する。図4は、図1にコンピュータの機能構成の一例を示す機能構成図である。コンピュータ1は、ROM等に記憶された制御プログラムを読み出して実行することによって、画像取得部11、実歪算出部12、温度取得部13、補正係数記憶部14、温度補正部15、膨張係数記憶部16、熱自由歪算出部17、及び、拘束歪算出部18等の機能部として機能する。ここで、実歪算出部12、補正係数記憶部14、温度補正部15、膨張係数記憶部16、熱自由歪算出部17、及び、拘束歪算出部18は、本発明に係る歪測定装置100の一部に相当する。
ΔLx(i,j)=L2x(i,j)−L1x(i,j) (2)
L1x(i,j)=((x1ij−x1(i−1)j)2+
(y1ij−y1(i−1)j)2)1/2 (3)
L2x(i,j)=((x2ij−x2(i−1)j)2+
(y2ij−y2(i−1)j)2)1/2 (4)
また、高さ方向の実歪εcy(i,j)は、例えば、次の(5)〜(8)式によって求められる。
ΔLy(i,j)=L2y(i,j)−L1y(i,j) (6)
L1y(i,j)=((x1ij−x1i(j−1))2+
(y1ij−y1i(j−1))2)1/2 (7)
L2y(i,j)=((x2ij−x2i(j−1))2+
(y2ij−y2i(j−1))2)1/2 (8)
すなわち、実歪εc(i,j)は、第1温度T1から第2温度T2に変化した場合の、各格子点(i,j)の中心位置から隣接する格子点の中心位置との距離の変化(L1→L2)に基づいて求められる。
ここで、β(i,j)は、各格子点(i,j)の傾斜角に対応する補正係数である。ただし、上述のように、本実施形態では、便宜上、測定対象物5のz軸方向の変形は考えない(測定対象としない)ため、傾斜角θは「0」として補正が行われる。
εty(i,j)=(α(T(i,j))−α0)×L1y(i,j) (11)
ここで、α0は、測定対象物5の初期温度である第1温度T1における線膨張係数αの値である。また、(10)式のL1x(i,j)、及び、(11)式のL1y(i,j)は、それぞれ、上記(3)式、及び、上記(7)式で与えられる第1温度T1における測定対象物5の幅方向の格子間距離及び高さ方向の格子間距離である。なお、以下の説明においては、幅方向の熱自由歪εtx(i,j)及び高さ方向のεty(i,j)を、便宜上、熱自由歪εt(i,j)と総称する。
εr(i,j)=εc(i,j)−εt(i,j) (12)
ここで、図5を参照して、拘束歪εrについて説明する。図5は、本発明に係る「拘束歪」の考え方を示す概念図である。円板状の測定対象物5Aは、左右両端が壁WAに移動を拘束された状態で、第1温度T1(例えば、20℃)から第2温度T2(例えば、900℃)まで加熱されて熱膨張する。この場合に、温度上昇に伴って、測定対象物5Aは熱膨張するが、左右両端が壁WAに移動を拘束されているため、右側の図で示すように、第2温度T2まで加熱された状態では、縦方向に長い長円(又は、楕円)状の形状となる。
次に、図6を参照して、本発明に係る歪測定装置100(主に、コンピュータ1)の動作を説明する。図6は、図4に示す歪測定装置100の動作の一例を示すフローチャートである。まず、画像取得部11によって、第1ステレオカメラ2及び第2ステレオカメラ3から、それぞれ、第1ステレオ画像PS1、及び、第2ステレオ画像PS2が取得される(ステップS101)。そして、実歪算出部12によって、ステップS101で取得された第1ステレオ画像PS1、及び、第2ステレオ画像PS2に基づいて、測定対象物5の正面51における実歪εc(i,j)が求められる(ステップS103)。
次に、図7〜図9を参照して、本発明に係る線膨張係数測定方法について説明する。図7は、本発明に係る線膨張係数測定方法の一例を示す構成図である。図7に示すように、本発明に係る線膨張係数測定方法は、上述の歪測定装置100を用いて温度Tと線膨張係数α(T)との関係を求めるものである。図1に示す測定対象物5に換えて、図7に示すように、テストピース6を、図1に示す測定対象物5と略同一の位置に配置される。
次に、図8を参照して本発明に係る線膨張係数測定方法の手順を説明する。図8は、本発明に係る線膨張係数測定方法の処理手順の一例を示すフローチャートである。まず、テストピース6を加熱する温度TPが設定される(ステップS201)。そして、テストピース6がステップS201で設定された温度TPに均一に加熱される(ステップS203)。
次に、図10〜図12を参照して、本発明に係るサーモビュア4の補正係数β(θ)の測定方法について説明する。図10は、本発明に係るサーモビュア4の補正係数β(θ)の測定方法の一例を示す構成図である。図10に示すように、本発明に係るサーモビュア4の補正係数β(θ)の測定方法は、上述の歪測定装置100を用いて、サーモビュア4から測定対象物5に向かう視線方向と直交する面と測定対象物5の表面とのなす角である傾斜角θと補正係数β(θ)との関係を求めるものである。図1に示す測定対象物5に換えて、図10に示すように、テストピース7を、図1に示す測定対象物5と略同一の位置に配置される。
次に、図11を参照して本発明に係るサーモビュア4の補正係数β(θ)の測定方法の手順を説明する。図11は、本発明に係るサーモビュア4の補正係数β(θ)の測定方法における処理手順の一例を示すフローチャートである。まず、テストピース7が温度TQに均一に加熱される(ステップS301)。
本実施形態では、歪測定装置100がコンピュータ1において実歪算出部12、補正係数記憶部14、温度補正部15、膨張係数記憶部16、熱自由歪算出部17、及び、拘束歪算出部18の機能部として構成されている場合について説明したが、実歪算出部12、補正係数記憶部14、温度補正部15、膨張係数記憶部16、熱自由歪算出部17、及び、拘束歪算出部18の機能部のうち、少なくとも1つの機能部が、電子回路等のハードウェアで構成されている形態でもよい。
1 コンピュータ
11 画像取得部
12 実歪算出部(実歪算出手段)
13 温度取得部
14 補正係数記憶部(補正係数記憶手段)
15 温度補正部(温度補正手段)
16 膨張係数記憶部(膨張係数記憶手段)
17 熱自由歪算出部(熱自由歪算出手段)
18 拘束歪算出部(拘束歪算出手段)
2 第1ステレオカメラ
3 第2ステレオカメラ
4 サーモビュア
5 測定対象物
6 テストピース
7 テストピース
Claims (6)
- 測定対象物の熱歪を測定する歪測定装置であって、
前記測定対象物の第1ステレオ画像を生成する第1ステレオカメラと、
前記第1ステレオカメラと離間した位置に配設され、前記測定対象物の第2ステレオ画像を生成する第2ステレオカメラと、
前記第1ステレオ画像及び前記第2ステレオ画像から前記測定対象物の三次元形状を求めて、実歪を求める実歪算出手段と、
前記測定対象物の温度分布を検出するサーモビュアと、
前記サーモビュアによって検出された温度分布から熱自由歪を求める熱自由歪算出手段と、
前記実歪算出手段によって求められた前記実歪から、前記熱自由歪算出手段によって求められた前記熱自由歪を減じた差を、拘束歪として求める拘束歪算出手段と、を備えることを特徴とする歪測定装置。 - 請求項1に記載の歪測定装置において、
前記サーモビュアは、前記第1ステレオカメラ又は前記第2ステレオカメラと近接して配置されていることを特徴とする歪測定装置。 - 請求項1又は請求項2に記載の歪測定装置において、
前記測定対象物の線膨張係数と前記測定対象物の温度とを対応付けて記憶する膨張係数記憶手段を更に備え、
前記熱自由歪算出手段は、前記サーモビュアによって検出された温度分布に含まれる各温度に対応する線膨張係数を、前記膨張係数記憶手段から読み出して、前記熱自由歪を求めることを特徴とする歪測定装置。 - 請求項1から請求項3のいずれか1つに記載の歪測定装置において、
前記サーモビュアから前記測定対象物に向かう視線方向と直交する面と前記測定対象物の表面とのなす角である傾斜角に対応付けて、前記サーモビュアによって検出された温度分布に含まれる各温度を補正する補正係数を記憶する補正係数記憶手段と、
前記実歪算出手段によって求められた前記測定対象物の三次元形状から前記傾斜角を求め、求められた傾斜角に対応する補正係数を前記補正係数記憶手段から読み出して、読み出された補正係数を用いて、前記サーモビュアによって検出された温度分布を補正する温度補正手段と、を備え、
前記熱自由歪算出手段は、前記温度補正手段によって補正された温度分布から前記熱自由歪を求めることを特徴とする歪測定装置。 - 請求項1から請求項4のいずれか1つに記載の歪測定装置を用いて、前記測定対象物の温度と線膨張係数との関係を求める線膨張係数測定方法であって、
前記測定対象物と同一の材料からなり、少なくとも2つの位置にマークが描かれたテストピースを、予め設定された温度に均一に加熱して、前記測定対象物と略同一の位置に配置する均一加熱工程と、
前記テストピースに描かれた2つのマーク間の距離を前記第1ステレオカメラ及び前記第2ステレオカメラの少なくとも一方を用いて求める測定工程と、
前記測定工程において求められた2つのマーク間の距離から線膨張係数を求める係数算出工程と、を繰り返し実行することによって、前記測定対象物の温度と線膨張係数との関係を求めることを特徴とする線膨張係数測定方法。 - 請求項1から請求項4のいずれか1つに記載の歪測定装置を用いて、前記サーモビュアから前記測定対象物に向かう視線方向と直交する面と前記測定対象物の表面とのなす角である傾斜角と前記サーモビュアの補正係数との関係を求めるサーモビュアの補正係数測定方法であって、
前記測定対象物と同一の材料からなり、円柱形のテストピースを、予め設定された温度に均一に加熱して、前記測定対象物と略同一の位置に配置する均一加熱工程と、
前記サーモビュアによって前記テストピースの表面の温度分布を検出する検出工程と、
前記検出工程において検出された前記テストピースの表面の温度分布から補正係数を求める係数算出工程と、を実行することによって、前記測定対象物の傾斜角と補正係数との関係を求めることを特徴とするサーモビュアの補正係数測定方法。
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