以下、本発明の一実施の形態に係るゲーム管理装置、ゲームシステム、ゲーム管理方法及びプログラムについて、図面を参照しながら説明する。
〔ゲームシステムの概要〕
本発明の一実施の形態に係るゲーム管理装置が組み込まれたゲームシステムの構成例を、図1に示している。同図に示すように、このゲームシステムは、インターネットなどのネットワーク4上に設置されたゲームサーバ1と、当該ゲームサーバ1と通信可能に接続されたデータベースサーバ2と、ネットワーク4を介してゲームサーバ1と通信可能に接続できる各ユーザの端末装置3とによって構成される。
本実施の形態のネットワーク4は、インターネットに限定されるものではなく、ゲームサーバ1と各ユーザの端末装置3との間を通信可能に相互に接続できるものであれば、例えば、専用回線、公衆回線(電話回線、移動体通信回線等)、有線LAN(Local Area Network)、無線LAN等であってもよく、或いはインターネットとこれらを組み合わせたものであってもよい。
このゲームシステムの例において、本発明の一実施の形態に係るゲーム管理装置は、ゲームサーバ1およびデータベースサーバ2から構成することができる。ゲームサーバ1は、ゲームサービスを受ける各ユーザの端末装置3からのネットワーク4を介したアクセスを受け付けて、各ユーザのゲーム情報をデータベースサーバ2(記憶装置)に蓄積して管理し、各ユーザにネットワーク4を介したゲームサービスを提供する。
ゲームサーバ1によるゲームサービスの提供の形態としては、ゲーム用のプログラム(アプリケーションソフトウェア)がゲームサーバ1に実装されており、端末装置3でゲームを実行するのではなく、端末装置3でのゲーム操作入力に応じてゲームサーバ1でゲームを実行し、その実行結果を各ユーザの端末装置3に送信する形態がある。例えば、各ユーザの端末装置3に搭載されたウェブブラウザによってゲームがプレイできる、いわゆるブラウザゲームをゲームサーバ1が提供する。あるいは、ゲームサーバ1でゲームを実行した結果のゲーム映像を、例えばストリーミング形式で端末装置3に送信する、いわゆるクラウドゲーミングのサービスをゲームサーバ1が提供する。
あるいは、後述するように、ゲーム実行プログラムの一部または全部をユーザの端末装置3側にインストールし、端末装置3においてもゲーム実行処理が行われるようなゲームシステムとすることもできる。
本実施の形態では、ゲームサーバ1によるゲームサービスの提供の一形態として、ブラウザゲームを提供する例について説明する。このブラウザゲームを提供するサービス形態では、ユーザの端末装置3にゲーム専用のソフトウェアをダウンロード又はインストールする必要がなく、端末装置3をネットワーク4に接続できる環境であれば、ユーザはどこでも気軽にゲームサーバ1から提供されるゲームサービスを楽しむことができる。
このゲームシステムでは、ゲームサーバ1が、各ユーザの端末装置3における入力操作に応じてゲーム進行のための演算処理やデータ処理を実行する。そして、ゲームサーバ1は、演算処理等の実行結果に基づいてデータベースサーバ2内の各ユーザのゲーム情報を更新するとともに、当該実行結果をユーザの端末装置3の画面に表示させるためのウェブページ情報(ゲーム画面データ)を各ユーザの端末装置3に送信する。
各ユーザの端末装置3には、ユーザーエージェントとしてウェブサイト閲覧機能を有するウェブブラウザが搭載されており、ゲームサーバ1から送信されたウェブページ情報を端末装置3の画面に表示することができるようになっている。この端末装置3としては、例えば、携帯電話端末、PHS(Personal Handy-phone System)端末、携帯情報端末(PDA:Personal Digital Assistant)、携帯電話と携帯情報端末とを融合させた携帯端末であるスマートフォン、パーソナルコンピュータ(以下「PC」と呼称する)、タブレット型コンピュータ、通信機能を有するゲーム装置など、ネットワーク4経由でゲームサーバ1に接続してゲームサービスの提供を受けることができる様々な端末が適用できる。
また、本実施の形態で提供されるゲームは、ユーザが、ゲームサービスを受けている他のユーザと交流を行いながらプレイすることができる、いわゆるソーシャルゲームの要素を有するものとすることができる。例えば、本実施の形態のゲームサーバ1およびデータベースサーバ2をソーシャルネットワーキングサービス(SNS)のシステムに組み込むことによって、SNSのサービスの一つとしてソーシャルゲームサービスを提供するゲームシステムとすることができる。このようにSNSのプラットフォーム上で動作するゲームシステムによりゲームサービスをユーザに提供することもできるが、ゲームサーバ1およびデータベースサーバ2をSNSのシステムに組み込まずに、独立したゲームシステムとして構築してもよい。
本ゲーム管理装置によって提供されるゲームの例としては、野球、サッカー、テニス、アメリカンフットボール、バスケットボール、バレーボール、ゴルフ、ボクシング、競馬、カーレースなどを題材としたスポーツ・レースゲーム、シミュレーションゲーム、育成ゲーム、ロールプレイングゲーム、さらにはクイズゲームといったように、ゲーム形式・ジャンルを問わず様々なゲームを挙げることができる。その一例として、本実施の形態では、主に、ゲームサーバ1が野球ゲームを管理する例について、以下に説明する。
本実施の形態のゲーム管理装置は、携帯型の端末装置3でプレイするゲームを対象とし、現実世界におけるユーザの移動に基づいて入手されたアイテムにより、ゲーム内容やゲーム性を変動させる機能を有する。例えば、各ユーザは、ゲーム開始時等に基準エリアを登録(例えば、ホームの住所を都道府県単位で登録)しており、当該基準エリアからユーザが移動したことを、ユーザの端末装置3のGPS機能等を利用して検出する。そして、ユーザが基準エリア外(ホームの都道府県以外)に移動した場合に、その移動先の地域ならではのご当地アイテム(エリア限定アイテム)を、ゲーム内通貨等を消費して購入できるようにする、又はご当地アイテムをユーザが自動取得するものとする。そして、ご当地アイテムを取得しているユーザが、当該ご当地アイテムに対応するエリアをホームとする他のユーザと交流を行う場合に、ご当地アイテムを取得していない場合とは異なる効果を発生させる。例えば、対戦時の試合相手が、ユーザが所有しているご当地アイテムの地域をホームとする相手であった場合に、「ご当地攻略ボーナス」が発動し、対戦時のユーザのキャラクタの能力が向上する。以下に、これを実現する本実施の形態に係るゲーム管理装置(ゲームサーバ1等)の構成の詳細を説明する。
〔ゲーム管理装置の構成〕
上述のように本実施の形態では、ゲーム管理装置は、ゲームサーバ1およびデータベースサーバ2から構成される。図2にゲームサーバ1のハード構成の一例を示している。同図に示すように、ゲームサーバ1は、主に、CPU(Central Processing Unit)11と、主記憶装置としてのROM(Read Only Memory)12及びRAM(Random Access Memory)13と、補助記憶装置14と、通信制御部15と、入出力制御部16とを備えており、これらはアドレスバス、データバス及びコントロールバス等を含むバスライン17を介して相互に接続されている。なお、バスライン17と各構成要素との間には必要に応じてインタフェース回路が介在しているが、ここではインタフェース回路の図示を省略している。
CPU11は、システムソフトウェアやゲームプログラム等のアプリケーションソフトウェアの命令を解釈して実行し、ゲームサーバ1全体の制御を行う。ROM12は、ゲーム管理装置1の基本的な動作制御に必要なプログラム等を記憶している。RAM13は、各種プログラム及びデータを記憶し、CPU11に対する作業領域を確保する。
補助記憶装置14は、ゲームプログラム等のアプリケーションソフトウェアや各種データ等を格納する記憶装置である。補助記憶装置14としては、例えばハードディスクドライブなどを用いることができる。ゲームサーバ1(コンピュータ)をゲーム管理装置として動作させるための本実施の形態のプログラムも、この補助記憶装置14に記憶されており、当該プログラムはゲームサーバ1の起動時に補助記憶装置14からバスライン17を介してRAM13へとロードされ、当該CPU11によって実行される。
通信制御部15は、ネットワーク4と接続される通信インタフェース15aを備え、ネットワーク4を介した各ユーザの端末装置3との間の通信を制御する。また、通信制御部15は、ネットワーク4に接続されている図示しないサーバとの通信も制御するようになっている。例えば、ゲームサーバ1をSNSに組み込んだシステム構成とした場合、ゲームサーバ1の通信制御部15は、SNSサーバとの間の通信を制御する。
入出力制御部16は、データベースサーバ2と通信可能に接続されており、CPU11がデータベースサーバ2に対してデータ(レコード)の読み書きを実行するときの入出力制御を行うデータベースインタフェースである。
データベースサーバ2は、ゲームサーバ1が管理する各ユーザのゲーム情報を記憶する領域を有する記憶装置として、例えばRAID(Redundant Arrays of Inexpensive Disks)構成の大容量ハードディスク装置を具備する。このデータベースサーバ2は、例えば、各ユーザを一意に識別する識別情報(ユーザID)と対応付けて、各ユーザの各種ゲーム情報(ユーザ名、レベル、ゲーム内ポイント、所持アイテムなど)を記憶するリレーショナルデータベース、オブジェクトデータベース又はオブジェクト関係データベース等として構築することができる。
本実施の形態では、ゲーム管理装置がゲームサーバ1およびデータベースサーバ2から構成される例を示すが、これに限定されるものではない。例えば、ゲームサーバ1にデータベースサーバ2の機能を持たせて、ゲーム管理装置をゲームサーバ1のみで構成することもできる。また、ゲームサーバ1の有する各機能を複数のサーバに分散して持たせて、ゲームサーバ1を複数台のサーバとして構成することもできる。例えば、ユーザが端末装置3を操作してゲームサーバ1へアクセスした場合に、当該ユーザが正規のユーザかどうかを判別する認証機能を有する認証サーバを、ゲームサーバ1のメインサーバとは別に設け、メインサーバと認証サーバとでゲームサーバ1を構成してもよい。他の構成例としては、ユーザが課金対象のアイテムをゲーム内で購入した場合に課金管理を行う課金管理サーバを、ゲームサーバ1のメインサーバ等とは別に設け、メインサーバ、認証サーバおよび課金管理サーバによりゲームサーバ1を構成してもよい。
また、本ゲームサービスを利用するユーザ数が数十万人、数百万人、あるいはそれ以上となると、多数のユーザの端末装置3からの巨大なアクセスにも耐え得るサーバシステムの構築が求められるため、ネットワーク4上に複数のゲームサーバ1を設けて冗長化(多重化)を図ることにより、負荷分散型のシステム構成としてもよい。この場合、複数のゲームサーバ1間の負荷を調整するためのロードバランサを設けることが望ましい。
次に、本実施の形態に係るゲームサーバ1にアクセスしてゲームサービスの提供を受けるユーザの端末装置3の構成を説明する。
〔端末装置の構成〕
ユーザが操作する端末装置3としては、上述のようにウェブサイト閲覧機能を有する様々な端末を適用できるが、本実施の形態では、携帯端末を例示してその構成を説明する。なお、携帯端末以外の端末装置3についても、ウェブサイト閲覧機能を用いてゲーム画面を表示したり、ゲームを実行するための入力操作を行うといった、ゲームをプレイする上で必要となる基本的な構成は、携帯端末と同様である。
ウェブサイト閲覧機能等を有する携帯端末は、フィーチャーフォン(Feature phone)やスマートフォン(Smartphone)等とも呼称され、図3にその構成例を示している。同図に示すように、端末装置3は、主に、CPU31と、主記憶装置としてのROM32及びRAM33と、画像処理部34と、表示部35と、サウンド処理部36と、音声入力部37と、音声出力部38と、補助記憶装置39と、操作入力部40と、通信制御部41と、GPS測位部42とを備えており、構成要素31〜34、36および39〜42はバスライン43を介して相互に接続されている。なお、バスライン43と各構成要素との間には必要に応じてインタフェース回路が介在しているが、ここではインタフェース回路の図示を省略している。
CPU31は、ウェブブラウザを含む各種プログラムの命令を解釈して実行し、端末装置3全体の制御を行う。ROM32には、端末装置3の基本的な動作制御に必要なプログラム等が記憶されている。また、RAM33には、ROM32または補助記憶装置39からロードされた各種プログラムやデータが記憶され、CPU31に対する作業領域を確保する。HTML等で記述されたゲーム画面データを表示するウェブブラウザは、ROM32または補助記憶装置39に記憶されており、RAM33にロードされてCPU31によって実行される。また、ウェブブラウザのブラウザ機能を拡張するための様々なプラグインソフトウェアを、ウェブブラウザと共にROM32または補助記憶装置39に記憶していてもよい。
画像処理部34は、CPU31からの画像表示命令に基づいて表示部35を駆動し、当該表示部35の画面に画像を表示させる。表示部35には、液晶ディスプレイまたは有機LE(Electro-Luminescence)ディスプレイ等の既知の種々の表示装置が適用できる。
サウンド処理部36は、音声入力部37から音声が入力されたときにアナログ音声信号をデジタル音声信号に変換するとともに、CPU31からの発音指示に基づいてアナログ音声信号を生成して音声出力部38に出力する。音声入力部37は、端末装置3に内蔵されたマイクロフォンからなり、電話通信する場合や録音を行う場合などに用いられる。音声出力部38は、電話通信時の受話スピーカおよび電話着信音やゲーム実行時の効果音などを出力するスピーカからなる。
補助記憶装置39は、各種プログラムやデータ等を格納する記憶装置である。補助記憶装置39としては、携帯電話端末の内部メモリとして、例えばフラッシュメモリドライブ等を用いることができ、また、携帯電話端末の外部メモリとして、例えばメモリカードリーダライタ等を用いることができる。
操作入力部40は、ユーザの操作入力を受け入れて当該操作入力に対応した入力信号を、バスライン43を介してCPU31に出力するものである。操作入力部40の例としては、端末装置3の本体に設けられた方向指示ボタン、決定ボタン、英数文字等入力ボタンなどの物理的ボタンがある。また、表示部35の画面にタッチパネル(接触入力式のインタフェース)を搭載することによって表示部35をいわゆるタッチスクリーンとして構成している端末装置3の場合、当該タッチパネルも操作入力部40となる。
通信制御部41は、通信インタフェース41aを備え、ゲーム操作時等にデータ通信するための通信制御機能および携帯電話端末として音声データを送受信するための通信制御機能等を有している。ここで、データ通信用の通信制御機能には、例えば、無線LAN接続機能、無線LANや携帯電話回線網を介したインターネット接続機能、所定の周波数帯(例えば2.4GHzの周波数帯)を用いた近距離無線通信機能などが含まれる。通信制御部41は、CPU31からの命令に基づいて端末装置3を無線LANやインターネット等に接続するための接続信号を発信するとともに、通信相手側から送信されてきた情報を受信してCPU31へ供給する。
GPS測位部42は、GPS信号受信回路を備え、GPS衛星からの測位用電波信号を受信して現在位置の緯度および経度を測位する。なお、GPS測位部42は必須の構成要素ではないが、GPS測位部42を備えている端末装置3の場合、後述のようにその機能を利用してユーザの現在位置情報を取得することができる。
上記構成の端末装置3において、ゲームサービスを受けようとするユーザは、ウェブブラウザを立ち上げてゲームサーバ1が管理するゲームサイトにアクセスする操作を行う。このアクセスがゲームサーバ1に認証された場合、端末装置3の通信制御部41がゲームサーバ1から送信されてくるHTML等で記述されたゲーム画面データを受信し、CPU31がウェブブラウザを実行してゲーム画面を表示部35に表示させる。ここでユーザは、ゲーム画面に表示されている選択可能なボタンオブジェクトやハイパーリンクを、操作入力部40を操作して選択入力する。この選択入力に応じてゲームサーバ1がゲームを進行させ、新たなゲーム画面データを端末装置3に送信する。そして、この新たなゲーム画面が端末装置3の表示部35に表示され、以下、同様に、ユーザは、表示部35に表示されているゲーム画面で選択可能なボタンオブジェクト等を選択する操作により、ゲームサーバ1が提供するゲームをプレイすることができるようになっている。
〔ゲームの説明〕
次に、本実施の形態の野球ゲームの一例について説明する。本野球ゲームでは、ユーザがゲーム内において選手キャラクタを保有し、保有する選手キャラクタの中から一軍選手を登録して自分だけのオリジナルチームを結成する。そして、ユーザが監督として自分のチームを率いて他のユーザのチームと対戦してランキング等を競うことができる。ユーザが保有する選手キャラクタは、当該選手キャラクタの形態を端末装置3の画面上で視認可能としたカード形式とすることができる。すなわち、選手キャラクタは、デジタル選手カードとしてゲームサーバ1およびデータベースサーバ2で管理されるとともに、ユーザの端末装置3の画面に表示される。また、選手キャラクタは、ゲーム内での試合等において、3次元コンピュータグラフィックスにより描写してもよい。また、ストリーミング形式等により、選手キャラクタやボールオブジェクト等を動画表示してもよい。
ゲームスタート時には、ユーザが、ユーザ名、チーム、基準エリアとしてのホームの住所(都道府県)などを登録する。ホームの住所として登録した都道府県の情報は、後述する遠征発生の判断に使用される。なお、以下には、「都道府県」を単に「県」と称するものとする。
また、野球ゲーム内には、任意試合(練習試合/遠征試合)、自動試合(公式試合)、特訓、選手スカウト、抽選などの様々なゲームが設けられている。
任意試合は、ユーザが他のユーザのチームを選択して、任意のタイミングで任意の相手と対戦することができるゲームである。本実施の形態では、1日1回以上ゲームにアクセスした各ユーザには、1日に所定枚数(例えば6枚)の「試合チケット」というアイテムがゲームサーバ1から配布される。この「試合チケット」を所有していれば、1枚につき任意試合を1回実行することができる。本実施の形態では、その日に実行された各ユーザの任意試合の結果に基づいて、ゲーム内のランキングを集計する(例えば毎日、午前0時に前日のランキング集計を実行する)。そして、ランキング上位者には特典を付与してもよい。
任意試合には、ゲーム内容が異なっている、練習試合モード(第1ゲームモード)と遠征試合モード(第2ゲームモード)とがある。原則、ユーザがホームの県(基準エリア)に存在している間は、任意試合において練習試合モードが適用される一方、ユーザがホームの県以外に移動すれば、任意試合において練習試合モードが適用される。本実施の形態では、現実世界においてユーザが自分の端末装置3を持って移動した結果、ホームとして登録した県以外で日付が変わると、遠征が発生したものとして、翌日は通常の「練習試合モード」が「遠征試合モード」に変化する。
練習試合モードでは、対戦相手候補のリストから任意の相手を選んでユーザが試合を実行することにより、その試合に出場したユーザのチームの選手キャラクタの経験値が所定値(例えば1ポイント)ずつ向上する一方、選手キャラクタの体力が所定値(例えば1ポイント)ずつ低下する。
選手キャラクタは、蓄積された経験値が基準値に達する毎に、能力レベルが1段階ずつ向上するようになっている。よって、ユーザが任意試合を行うことにより、選手キャラクタを成長させることができる。
また、各選手キャラクタは0〜6(最大)の体力のパラメータを有し、試合に出場して選手キャラクタの体力が0になると、その選手キャラクタは試合に出場することができなくなる。なお、1軍登録されていても試合に出場しなければ体力は減少しないようにしてもよい。選手キャラクタの減少した体力を回復させるためには、例えば、選手キャラクタの1軍登録を外して控え枠に移し、任意試合を行う。控え枠にいる選手キャラクタについては任意試合が1度行われるごとに体力が1ポイントずつ回復する。あるいは、選手キャラクタの減少した体力は、時間経過により回復するようにしてもよい(例えば、体力は2時間毎に1ポイントずつ回復する)。あるいは、選手キャラクタの体力は、ユーザが所有する回復アイテムを消費することにより、最大値まで全回復するようにしてもよい。
前記の練習試合モードでは、図11に例示するように、対戦相手候補のリストには様々な県をホームとする対戦相手候補のチームがランダムに表示され、ユーザは任意の県のユーザと対戦できる。
一方、ホームの県以外のエリアに移動して遠征試合モードになれば、優先的に移動先のエリア(県)をホームとしている他のユーザと対戦する。すなわち、遠征試合モードでは、図12に例示するように、ゲームサーバ1によって、ユーザの移動先エリアをホームとする他のユーザが、対戦相手候補リストとして優先的に(例えば表示順の上位に)リストアップされる。なお、遠征試合モードでは、ユーザの移動先のエリアをホームとしている他のユーザとのみ対戦できるようにしてもよい。そして、遠征試合モードでは、ユーザが試合を実行することにより、その試合に出場した選手キャラクタに蓄積される経験値が、練習試合モードの場合と比較してn倍(例えば2倍)に向上する。具体例を挙げると、選手キャラクタに蓄積される1試合あたりの経験値は、練習試合モードの場合の1ポイントに対して、遠征試合モードでは2ポイントになる。よって、遠征試合モードでは、通常の(練習試合モードの)倍のスピートでキャラクタの能力アップを図ることができるようになる。
その一方、遠征試合モードでは、選手キャラクタの体力消費も練習試合モードのm倍(例えば2倍)になる。具体例を挙げると、選手キャラクタの1試合あたりの体力消費は、練習試合モードの場合の1ポイントに対して、遠征試合モードでは2ポイントになる。なお、遠征試合モードにおける選手キャラクタの体力消費を、練習試合モードの場合と同じとしてもよい。
また、ユーザは、任意試合(練習試合モード又は遠征試合モード)を行うことにより、その勝敗、相手の強さ等に応じたゲーム内通貨(コイン)を獲得できる。ここで、同じ条件で勝利(または敗北)した場合でも、練習試合モードと遠征試合モードとでは、獲得できるコインが異なるようにすることができる。例えば、同じレベルの相手との試合に勝利した場合、練習試合モードでは100コインが獲得できる一方、遠征試合モードではその2倍の200コインが獲得できる。
上記のように、同じ任意試合でも、練習試合モードの場合と遠征試合モードの場合とでは、ゲーム内容が異なっており、ユーザは現実世界で自分のホームのエリア(県)から移動して遠征すれば、通常と異なる特別なゲーム内容で任意試合を楽しむことができる。
さらに、本実施の形態のゲームでは、ユーザの端末装置3の位置情報がユーザのホームの県Aとは別の県Bに変わった際に、その県Bならではのご当地アイテムを、ゲーム内通貨を消費して取得できる。例えば、東京都がホームのユーザが、青森県へ移動した場合、青森県のご当地アイテム「りんご」を、ユーザが保持しているゲーム内通貨を所定量(例えば1000コイン)消費することにより購入できる。
なお、バリエーションとしては、ユーザの端末装置3の位置情報がユーザのホームの県Aとは別の県Bに変わった際に、ゲームサーバ1がご当地アイテムをユーザに付与する(ゲーム内通貨等を消費することなく、ユーザがご当地アイテムを自動取得する)ようにしてもよい。
また、同じご当地アイテムの取得は、対応エリアに複数回移動すれば複数回取得できるようにしてもよいし、対応エリアに複数回移動しても1度だけしか取得できないようにしてもよい。例えば、青森県のご当地アイテム「りんご」の取得は、対応エリアである青森県を訪問する毎に何度でも取得できるようにしてもよいし、ご当地アイテム「りんご」を1度取得すれば、その後に対応エリアの青森県を訪問しても、同じアイテム「りんご」の取得はできないようにしてもよい。
その代わりに、別のご当地アイテム「ホタテ」を取得できるようにしてもよい。すなわち、青森県を訪問して取得可能なご当地アイテムとしては、「りんご」、「ホタテ」、「ねぶた」、…があり、最初に取得できるのは「りんご」、その次に取得できるのは「ホタテ」、さらに次は「ねぶた」…というように、青森県を訪問する毎に、異なるご当地アイテムが、順次、端末装置3の画面に提示され、ユーザがゲーム内通貨を消費して購入できるようにする(またはゲーム内通貨の消費なしに自動取得できるようにする)。その場合、取得したご当地アイテムが異なると、それによって発生する効果(後記する)も異なるようにしてもよい。また、上記のように「りんご」を取得しないと「ホタテ」は取得できず、「ホタテ」を取得しないと「ねぶた」は取得できないという関係にある場合、ご当地アイテムの効果の大きさは、「りんご」<「ホタテ」<「ねぶた」としてもよい。
また、上記のように、取得可能なご当地アイテムが順次、提示される以外に、互いに効果の異なる複数のご当地アイテムの選択肢が予め設けられており、ユーザの任意によって所望のアイテムを選択できるようにしてもよい。例えば、ユーザが青森県へ移動した場合に、端末装置3の画面には、「りんご」、「ホタテ」、「ねぶた」、…が選択可能なアイテムとして表示され、その中からユーザが欲しいアイテムを任意に選択して購入できるようにする。このようにユーザが任意に選択可能な構成とする場合には、そのアイテムに設定されている効果に応じて、購入に必要なゲーム内通貨の大きさを変えるようにしてもよい。例えば、効果が大きなご当地アイテムほど、ゲーム内通貨を大きくしてもよい。
そして、ユーザがご当地アイテムを所有していると、他のユーザとの対戦(交流)の際に、次のように有利になる。すなわち、前述の任意試合での対戦時の相手が、ユーザが所有しているご当地アイテムの地域の出身者(ご当地アイテムに対応する県をホームとする他のユーザ)であった場合に、「ご当地攻略ボーナス」が発動する。「ご当地攻略ボーナス」が発動すると、ご当地アイテムを所有しているユーザのチームの選手キャラクタの能力が、ご当地アイテムを所有していない場合よりも向上し、対戦が有利になる。例えば、選手キャラクタには、ミート、パワー、走力、捕球、送球、全守備適正などの能力のパラメータが設けられている。そして、「ご当地攻略ボーナス」の発動により、例えばミート+2、パワー+2、走力+2、捕球+2、送球+2、全守備適正+2という能力値の向上効果が生じる。
従って、対戦相手を選択する際に、対戦相手候補リストの中から、自分が所有しているご当地アイテムに対応する県をホームにしている相手を選んで対戦するといった戦略性が生まれる。
但し、対戦するユーザ同士が、互いに相手の県のご当地アイテムを保有している場合は、両者ともに「ご当地攻略ボーナス」が発動されることにより、実質的にご当地アイテムによる効果は相殺される。あるいは、対戦するユーザ同士が、互いに相手の県のご当地アイテムを保有している場合は、両者の効果が相殺されることより、両者とも「ご当地攻略ボーナス」の発動が行われないようにしてもよい。
ここで、ホームがA県のユーザが大きな距離を移動してB県のご当地アイテムを取得した場合、B県のユーザが逆にA県まで移動する可能性は低いので、対戦時にはなるべく、自分のホームの県から離れた相手を選択すると対戦が有利になり易いという戦略性が生まれる。
また、ゲーム内の自動試合(公式試合)とは、ユーザのチームが、ゲームサーバ1がマッチングした他のユーザのチームと自動的に試合を行い(例えば1日に6試合実行)、ランキングやレベルを上げていくモードである。
また、ゲーム内の特訓とは、1回につき所定のゲーム内通貨(例えば300コイン)と、選手キャラクタの体力1ポイントとを消費することで、選手キャラクタを特訓させることが可能なモードである。特訓によって選手キャラクタの経験値を向上させることができる。例えば、ユーザがホームの県内に存在する通常モードにおいては、一操作あたり又は一処理あたりの特訓によって蓄積される選手キャラクタの経験値は1ポイントであるが、ユーザがホームの県以外に移動して遠征モードになった場合には、一操作あたり又は一処理あたりの特訓によって蓄積される選手キャラクタの経験値は2ポイントに向上する。すなわち、ユーザの現実世界での移動によって、ゲーム内容が変動する。
また、ゲーム内の選手スカウトとは、通常モードにおいて、一行動あたり(一操作あたり又は一処理あたり)に所定量のゲーム内通貨(例えば1000コイン)を消費することにより、仮想的に日本全国より選手キャラクタをスカウトにより獲得できるゲームである。例えば、ユーザがホームの県内に存在する通常モードにおいては、ゲーム内のスカウト対象エリアが日本全国であるが、ユーザがホームの県以外に移動して遠征モードになった場合には、ゲーム内のスカウト対象エリアがその移動先エリア(移動先の県)またはその移動先エリアを含む特定エリアに限定される。すなわち、ユーザの現実世界での移動によって、ゲーム内容が変動する。例えば、ホームが東京都のユーザが京都府に移動して遠征モードになった場合、ゲーム内のスカウト対象エリアが京都府、または近畿エリアに限定される。このように、遠征モードでは、ゲーム内のスカウト対象エリアが日本全国から京都府(または近畿エリア)等に限定されることにより、一行動あたりのゲーム内通貨の消費量も通常モード時よりも小さくなる。例えば、通常モードでは、一行動あたりのゲーム内通貨の消費量は1000コインであるが、遠征モードでは、一行動あたりのゲーム内通貨の消費量は500コインと半減する。すなわち、同じ量のゲーム内通貨を消費すれば、通常モードよりも遠征モードの方が、より多くのスカウト処理を実行できる(多くの選手キャラクタを獲得できる)。
また、ゲーム内の抽選とは、通常モードにおいて、一操作あたり又は一処理あたりに所定量のゲーム内ポイント(後述する交流ポイント200P)を消費することにより、抽選で1人の選手キャラクタを獲得できるゲームである。なお、選手キャラクタには例えば1〜5の5段階のレア度(希少度)の何れかが設定されており、レア度が高いほど抽選確率が低くなっている。例えば、ユーザがホームの県内に存在する通常モードにおいては、レア度3以上の選手キャラクタの抽選確率は5%であるが、ユーザがホームの県以外に移動して遠征モードになった場合には、レア度3以上の選手キャラクタの抽選確率は10%に上昇する。すなわち、ユーザの現実世界での移動によって、ゲーム内容が変動する。
〔ゲーム管理装置の機能的構成〕
次に、上記の野球ゲームを実現するゲーム管理装置の機能的構成の一例について説明する。図4は、端末装置3と通信するゲーム管理装置(ゲームサーバ1およびデータベースサーバ2)の基本的な構成を示す機能ブロック図である。
本実施の形態に係るゲーム管理装置は、ユーザ情報記憶制御手段60、受信手段61、ゲーム実行手段62、画面生成手段63、送信手段64およびアクセス管理手段65等を備えている。これらの各手段は、ゲームサーバ1のCPU11が本実施の形態に係るプログラムを実行することにより実現されるものである。
ユーザ情報記憶制御手段60は、各ユーザのゲームに関する情報をデータベースサーバ2に記憶して管理する。ユーザ情報記憶制御手段60がデータベースサーバ2に記憶している、ユーザのゲームに関する情報の一例(この例ではユーザID=000001の1人分の情報)を、図5に示す。
ユーザ情報記憶制御手段60は、各ユーザを一意に識別するユーザIDと対応付けて、ログインID、パスワード、ユーザ名(ゲーム内で使用するニックネーム等)、チーム等の各ユーザに関する基本情報を、データベースサーバ2の所定の記憶領域に記憶する。ここで、ログインIDおよびパスワードは、各ユーザが端末装置3を操作してゲームサーバ1にアクセスしたときのログイン認証に用いられる。ユーザ名およびチームは、ユーザがゲームサービスを受けるための利用登録をした際や、ゲームを初めて実行した際に、ユーザが自ら設定した任意の情報である。ユーザ名およびチームは、必要に応じてゲーム画面に表示される。また、ユーザ情報記憶制御手段60は、ユーザIDと対応付けて、ユーザのホームの住所(基準エリア)を、データベースサーバ2の所定の記憶領域に記憶する。
また、ユーザ情報記憶制御手段60は、ユーザIDと対応付けて、ユーザのゲームレベル(本実施の形態のゲームではユーザが監督となるので、ユーザの監督レベル)の情報を、データベースサーバ2の所定の記憶領域に記憶する。本野球ゲームでは、ユーザが任意試合または自動試合で勝利した回数が基準回数に達する毎にゲームレベルが向上するようになっている。
また、ユーザ情報記憶制御手段60は、ユーザIDと対応付けて、ゲーム内でユーザが入手して保持している選手キャラクタの情報(選手キャラクタを一意に識別するための選手ID)を、データベースサーバ2の所定の記憶領域に記憶する。また、ユーザが保持する各選手キャラクタには、個別能力、体力、経験値、選手レベル等のパラメータ(属性)が設けられており、これらのパラメータも、ユーザIDおよび選手IDと対応付けてデータベースサーバ2に記憶されている。選手キャラクタの個別能力としては、上述のように、ミート、パワー、走力、捕球、送球、全守備適正などがある。
さらに、データベースサーバ2には、選手IDと対応付けられて、選手キャラクタの画像データ、選手名、ポジション、所属球団、能力値(強化されていない初期値)などが記憶された選手データベース(選手DB)が存在し、ゲームサーバ1は、ユーザ情報記憶制御手段60によって記憶されている選手IDに基づいて、当該選手IDに対応する選手キャラクタの画像データ等を取得できるようになっている。
また、ユーザ情報記憶制御手段60は、ユーザIDと対応付けて、ゲーム内でユーザが所有している各種ポイント(ポイントに準ずる値などを含む)を、ユーザID毎にデータベースサーバ2の所定の記憶領域に記憶する。本ゲームにおいては、上述のゲーム内通貨(コイン)の他に、ユーザが他のユーザ(ユーザの仲間等)と挨拶、メッセージ送信、プレゼント、対戦協力、チャット等の交流を行うことにより獲得できる交流ポイントがある。
また、ユーザ情報記憶制御手段60は、ユーザIDと対応付けて、ゲーム内でユーザが取得したアイテムを、ユーザID毎にデータベースサーバ2の所定の記憶領域に記憶する。図5に示すように、アイテムの例としては、前述のご当地アイテム、回復アイテム、試合チケットなどがある。アイテムの他の例としては、選手キャラクタに装着することにより能力向上が図れる特殊なバット、スパイク、グローブ等がある。
各県に対応するご当地アイテムには、それらを一意に識別するためのアイテムIDが設定され、ゲームシステム内ではアイテムIDによって管理されている。また、図6に例示するように、データベースサーバ2には、アイテムIDと対応付けられて、ご当地アイテムのエリア、アイテム名、画像データ等が記憶されたアイテムデータベースが存在する。ゲームサーバ1は、ユーザ情報記憶制御手段60によって記憶されている、ユーザが所有しているアイテムIDに基づいて、当該アイテムIDに対応するご当地アイテムの画像データ等を取得できるようになっている。
また、ユーザ情報記憶制御手段60は、後述する仲間情報記憶制御手段81の機能を有し、ユーザIDと対応付けて、仲間のユーザIDをデータベースサーバ2の所定領域に記憶する。
次に、図4に示す受信手段61、ゲーム実行手段62、画面生成手段63、送信手段64について説明する。受信手段61および送信手段64は、ゲームサーバ1のCPU11および通信制御部15により実現される機能である。
ユーザの端末装置3のウェブブラウザによってゲーム画面が表示されているとき、ユーザがゲーム画面上の選択可能なボタンオブジェクトやハイパーリンクが設定された文字列等を選択する入力の操作を行った場合、当該入力に関する情報(ゲーム画面のリクエスト等)が端末装置3のウェブブラウザによってゲームサーバ1へ送信される。ゲームサーバ1では、前記入力に関する情報を受信手段61が受信したとき、ゲーム実行手段62が、当該情報に応じてユーザのゲームに関する情報を読み出して演算やデータ処理を行うことによってゲームを実行する。
例えば、任意試合で他のユーザのチームと対戦するという入力操作がユーザによって行われた場合を例に挙げると、ゲーム実行手段62は、対戦を行う両ユーザのユーザIDに対応した両チームの選手キャラクタ(試合に出場するキャラクタ)の情報をデータベースサーバ2から読み出す。そして、ゲーム実行手段62は、AI(Artificial Intelligence)プログラム等により、両チームの選手キャラクタの能力等のパラメータに基づいて、野球の試合のシミュレーションを実行し、試合の勝敗を決定する。
次に、画面生成手段63について説明する。画面生成手段63は、ゲーム実行手段62による実行結果に応じて、例えばHTMLデータからなるゲーム画面データを生成する。HTMLデータには、データベースサーバ2から読み出されたキャラクタ等の画像データを含めてもよい。また、HTMLデータには、端末装置3のウェブブラウザのプラグインによって動作するスクリプト(プログラム)が埋め込まれていてもよい。ゲームサーバ1から提供されたスクリプトが端末装置3で実行される場合は、端末装置3で表示されるゲーム画面を動画とすることも可能である。あるいは、画面生成手段63は、ストリーミング形式の映像を生成してもよい。
また、送信手段64は、画面生成手段63により生成された画面データ(HTMLデータ、ストリーミング形式の映像データ等)を、ゲーム画面のリクエストに対するレスポンスとして、またはゲーム実行手段62による実行結果として、ユーザの端末装置3へ送信する。このゲーム画面データを受信したユーザの端末装置3では、ウェブブラウザおよびそのプラグイン等によって表示部35にゲーム画面が表示される。
次に、アクセス管理手段65について説明する。アクセス管理手段65は、ゲームサービスを受けようとするユーザが端末装置3を操作してゲームサーバ1にアクセス(ログイン)しようとした際、当該ユーザのゲーム参加資格の有無を判断してログイン認証を行う。この認証の例としては、ユーザIDと対応付けられたログインIDおよびパスワードに基づく認証がある。また、ユーザがゲームサーバ1にアクセスする度にログインIDおよびパスワードを入力する手間を省略できるように、端末装置3である携帯電話やスマートフォンの個体識別番号(電話番号とは別の端末を一意に識別するための情報)、または契約者固有ID(端末の契約者を一意に識別するための情報であって、機種変更を行っても契約者が同一である限りは変更されないID)を利用した認証を行ってもよい。
次に、図7の機能ブロック図を参照して、ゲーム管理装置(ゲームサーバ1およびデータベースサーバ2)の主要な機能的構成について説明する。ゲーム管理装置としてのゲームサーバ1は、主に、基準エリア記憶制御手段71、位置取得手段72、移動検出手段73、アイテム管理手段74、効果変動手段75を備えている。これらの各手段は、ゲームサーバ1のCPU11が本実施の形態に係るプログラムを実行することにより実現されるものである。
基準エリア記憶制御手段71は、ユーザの基準エリアを記憶装置(データベースサーバ2等)に記憶する機能を有する。この基準エリア記憶制御手段71は、前述のユーザ情報記憶制御手段60が具備する機能の一つであり、本実施の形態では図5に例示するように、ユーザのホームの県をデータベースサーバ2に記憶する記憶制御を実行する。
本実施の形態では、基準エリアを都道府県単位とする例を示すが、それ以外の行政区画(州、郡、市、町、村など)を単位とするエリアであってもよい。また、行政区画によらないエリアを基準エリアとすることもできる。例えば、ユーザの自宅を含む所定エリア(自宅を中心とする半径1Kmのエリア等)を基準エリアとしてもよい。
位置取得手段72は、ユーザの現実世界の位置情報を取得する機能を有する。ここで、位置情報の例としては、ユーザの端末装置3のGPS機能を利用したGPS測位情報とすることができる。位置取得手段72は、ユーザの端末装置3と通信し、端末装置3のGPS測位部42(図3参照)によって測位された位置情報(現在位置の緯度および経度情報等)を取得する。ユーザは端末装置3を操作してゲームサーバ1にアクセスしてゲームをプレイするので、ユーザの端末装置3から取得したGPS測位情報は、ユーザの現実世界における現在位置情報と考えられる。
位置情報の他の例としては、移動体通信(携帯電話、PHS等)の無線基地局から送られる電波に含まれる位置情報を利用することができる。すなわち、携帯電話やPHSの各基地局は、所定の通信エリアを有してセル状に配置されており、各基地局から受信した電波に含まれる位置情報(基地局識別情報等を含む)をもって当該基地局の通信エリア内に端末装置3が存在することが分る。よって、GPS測位による緯度および経度情報に較べると位置情報としての精度は落ちるものの、無線基地局から取得できる位置情報を、端末装置3を携帯しているユーザの位置情報として利用することも可能である。この場合、位置取得手段72は、ユーザの端末装置3と通信し、端末装置3が無線基地局の電波から得た位置情報を取得する。
位置情報のさらに他の例を次に説明する。例えば、端末装置3にWi−Fi(wireless fidelity、Wi-Fi Allianceの登録商標)等の無線LAN通信機能を持たせた場合には、無線通信親機(無線LANアクセスポイント又はルータ等)の識別情報(例えばMAC(Media Access Control)アドレスまたはIP(Internet Protocol)アドレス)を位置情報として用いることもできる。すなわち、現実世界の駅や商業施設などに、無線LAN接続サービス用の無線通信親機(一つまたは複数の無線LANアクセスポイント又はルータ等)が設置されている場合がある。そして、ユーザが端末装置3を無線LANアクセスポイント等の無線通信親機にアクセスしたときに、端末装置3が無線通信親機の識別情報を位置情報として取得する。例えば、ある駅に設置されている無線通信親機の識別情報は、ユーザの端末装置3がその駅付近の無線通信エリアに存在することを示す位置情報として利用することが可能である。この場合、位置取得手段72は、ユーザの端末装置3と通信し、端末装置3が無線通信親機の電波から得た位置情報(無線通信親機の識別情報)を取得する。
ゲームサーバ1は、位置取得手段72によって取得されたユーザの位置情報の履歴をデータベースサーバ2等の記憶装置に記憶する。例えば、図8に例示するように、ユーザIDと対応付けて、ユーザの位置情報(県)およびその位置情報が取得された時間情報がデータベースサーバ2に記憶される。例えば、ユーザの端末装置3がゲームにアクセス(ゲームサーバ1にログイン)したときに、ゲームサーバ1がユーザの端末装置3から位置情報を取得し、ユーザのアクセスログに位置情報を付加することにより、ユーザの位置情報の履歴を記録することができる。
なお、ゲームサーバ1がユーザの位置情報をデータベースサーバ2に記憶する場合、GPS測位情報(緯度および経度情報)等をそのまま記憶してもよいが、本実施の形態では位置情報がホームの県以外に移動したか否かの判断に使用されるので、GPS測位情報等を県の情報に変換して記憶している。
また、ユーザが端末装置3をゲームサーバ1に常時接続しているような場合は、ユーザの位置情報が所定のエリア単位で変化(本実施の形態では県が変化)した場合に、その都度、位置情報の変化の履歴をデータベースサーバ2に記憶すればよい。
次に、移動検出手段73について説明する。移動検出手段73は、前記位置取得手段72によって取得されたユーザの位置情報に基づいて、ユーザのホームの県(基準エリア)からのユーザの移動を検出する機能を有する。すなわち、移動検出手段73は、位置取得手段72によって取得されたユーザの位置情報(県)が、基準エリア記憶制御手段71によって記憶されているユーザのホームの県と異なっている場合に、ユーザがホームエリアから移動したと判断する。
また、アイテム管理手段74は、移動検出手段73によってユーザがホームの県とは異なる県へ移動したことが検出された場合に、ユーザの移動先の県に対応するご当地アイテムの取得を可能とする機能を有する。例えば、アイテム管理手段74は、ユーザがホームの県(例えば東京都)から青森県へ移動した場合、青森県のご当地アイテム「りんご」を、ユーザが保持しているゲーム内通貨を消費することにより購入できるようにする。
移動検出手段73によってユーザがホームの県とは異なる県へ移動したことが検出された場合、図9に例示するゲームのメイン画面には、ご当地アイテムを購入可能である旨の報知が行われる。例えば、メイン画面のテキスト表示領域154には、「ホームから移動して青森県に遠征中!強化費ボタンを押せば青森県のご当地アイテムを購入できます!」というメッセージが表示される。ここでユーザが端末装置3を操作してメイン画面の強化費ボタン161を押せば、図示しないゲーム内の仮想ショップに入り、青森県のご当地アイテム「りんご」を、ユーザが所有しているゲーム内通貨から、例えば1000コイン消費することにより購入できるようになる。この場合、ご当地アイテムを購入するか否かはユーザの意思による。また、ユーザがご当地アイテムを購入したくても、ゲーム内通貨が不足しているならば購入はできない。ただし、ゲーム内通貨が不足している場合であっても、課金によりご当地アイテムを入手できるようにしてもよい。
また、前述のように、青森県のご当地アイテム「りんご」は、青森県以外の県をホームとするユーザが青森県に移動する毎に、何度でも購入できるようにしてもよいし、1度だけしか購入できないようにしてもよい。
バリエーションとして、アイテム管理手段74は、移動検出手段73によってユーザがホームの県とは異なる県へ移動したことが検出された場合に、ユーザの移動先の県に対応するご当地アイテムをユーザが自動取得するようにしてもよい。この場合、図10に例示するように、メイン画面のテキスト表示領域154には、ご当地アイテムをユーザが獲得した旨の報知が行われる。例えば、メイン画面のテキスト表示領域154には、「ホームから移動して青森県に遠征中!青森県のご当地アイテム「りんご」を獲得しました!」というメッセージが表示される。この場合も、例えば、青森県のご当地アイテム「りんご」は、青森県以外の県をホームとするユーザが青森県に移動する毎に、何度でも獲得できるようにしてもよいし、1度だけしか獲得できないようにしてもよい。
他のバリエーションとして、アイテム管理手段74は、移動検出手段73によってユーザがホームの県Aとは異なる県Bへ移動したことが検出された場合に、県Bへの最初の移動時にはゲーム内通貨の消費なしにユーザがご当地アイテムBを自動取得するようにし、2回目以降の県Bへの移動時には、ゲーム内通貨を消費してユーザがご当地アイテムBを任意に購入できるようにしてもよい。逆に、最初からn回目までの県Bへの移動時には、ゲーム内通貨を消費してユーザがご当地アイテムBを任意に購入できるようにし、n+1回目以降の県Bへの移動時には、ゲーム内通貨の消費なしにユーザがご当地アイテムBを自動取得するようにしてもよい。
次に、効果変動手段75について説明する。この効果変動手段75は、ご当地アイテムを取得しているユーザが、当該ご当地アイテムに対応するエリア(県)をホームとする他のユーザと交流を行う場合に、当該ご当地アイテムを取得していない場合とは異なる効果を発生させる機能を有する。
ここで、「他のユーザとの交流」の例としては、ゲーム内の対戦(前述の任意試合)がある。例えば、対戦時の相手(他のユーザ)が、ユーザが取得しているご当地アイテムの県をホーム基準エリアとしている場合に、前述の「ご当地攻略ボーナス」という効果が発動し、ユーザのキャラクタの能力が向上する。一方、ユーザが対戦相手のホームの県に対応するご当地アイテムを取得していない場合は、「ご当地攻略ボーナス」は発動されない。
「他のユーザとの交流」の他の例としては、ユーザが他のユーザと仲間関係を構築する場合がある。新しい仲間を探しているユーザは、自分の端末装置3で仲間候補リストを表示させるための入力を行う。ゲームサーバ1は、ユーザによる前記入力に関する情報に応じて、仲間候補のユーザを抽出する処理を実行し、図13に例示する仲間候補リストをユーザの端末装置3の画面へ表示させる。この仲間候補リスト画面には、所定数(図13では3つ)の仲間候補表示領域181が設けられている。そして、各仲間候補表示領域181には、仲間候補のユーザのアバター(または写真)、名前、ゲームレベル、ホームの県、一軍のチーム戦力、チーム名等が表示される。ユーザは、仲間候補リスト内に表示されている仲間候補のホームの県等を見て、仲間の申請をする相手を探す。もしもユーザが仲間になりたいと思える相手が仲間候補リストに含まれていなければ、更新ボタン183を押せばよい。これにより、ゲームサーバ1が、改めて仲間候補を抽出し、仲間候補リストを更新する。
ここで、ユーザが、仲間候補リストの中から、自分が取得しているご当地アイテムの県をホームとする他のユーザを選んで仲間になった場合には、その相手との親密度が当該ご当地アイテムを取得していない場合よりも高く設定される、あるいは仲間となったときに獲得できるポイントが当該ご当地アイテムを取得していない場合よりも高くなるという効果を生じる。その詳細は後述する。
なお、ユーザが所有しているご当地アイテムの県をホームにしている相手を見つけて仲間申請を円滑に行うことができるように、図13に例示するように、対戦相手候補リスト画面に「ご当地アイテム取得エリア限定」ボタン184を設けてもよい。ユーザがこの「ご当地アイテム取得エリア限定」ボタン184を押せば、ゲームサーバ1が、ユーザが取得しているご当地アイテムの県をホームとする他のユーザのみを対象として仲間候補を抽出し、仲間候補リスト画面に表示させる。例えば、ユーザが青森県、千葉県、神奈川県の3つの県のご当地アイテムを取得している場合、これら3つの県をホームとする他のユーザのみが仲間候補リスト画面に表示される。
「他のユーザとの交流」は上記の例に限定されるものではなく、その他の種々の交流(挨拶、メッセージ送信、プレゼント、チャット等)が適用できる。例えば、ユーザがご当地アイテムを取得した場合、当該ご当地アイテムの県をホームとする他のユーザと交流すれば、当該ご当地アイテムを持っていない場合よりも、交流により獲得できるポイントやアイテムが多くなるという効果を生じる。
〔ゲームシステムの動作〕
上記の構成において、本発明の実施の形態に係るゲームシステムの基本的な動作例を、図14のフローチャートを参照しながら以下に説明する。図14は、ユーザが端末装置3を操作してゲームサーバ1にアクセスしてゲームサービスを受けるときの、端末装置3およびゲームサーバ1の処理の流れを示すものである。
ユーザがゲームサービスを受ける場合、先ず、端末装置3の操作入力部40を操作してウェブブラウザを起動する(S11)。その後、ユーザは、ゲームサーバ1が管理するゲームサイトにアクセスする操作を行い、これにより、端末装置3からゲームサーバ1へアクセスリクエストが送信される(S12)。このとき、ゲームサーバ1は、端末装置3からのアクセスに対するログイン認証を行い(S21)、ゲームサービスの利用登録がなされているユーザからのアクセスであることを確認する。また、このとき、端末装置3からはGPS測位情報等の位置情報がゲームサーバ1に送信され、ゲームサーバ1はアクセスログと共にユーザの位置情報をデータベースサーバ2に記憶する。
その後、ゲームサーバ1は、HTML等で記述されたメイン画面等の画面データを端末装置3に送信する(S22)。なお、メイン画面とは別のゲームのトップ画面がある場合は、まずトップ画面を送信してもよい。また、メイン画面を介さずに直接、所定のゲームモードの画面を送信してもよい。そして、画面データを受信した端末装置3では、ウェブブラウザまたはそのプラグインが当該データを解釈し、画面を表示部35に表示させる(S13)。
本実施の形態のゲームのメイン画面(ユーザのマイページ)の一例を図9に示す。このメイン画面には、ユーザのゲーム情報151(ユーザの写真またはアバター、ユーザのレベルなど)、各種ゲームモードを選択するためのボタン群152、ユーザがチームオーダとして設定している選手キャラクタ153、現在実行中の操作の説明や各種お知らせを表示するテキスト表示領域154などが表示される。
ここでユーザが、メイン画面またはその他の画面に表示されている選択可能なボタン等のオブジェクトやハイパーリンクを選択する操作を行うと、当該操作に応じた画面のリクエストが端末装置3からゲームサーバ1へ送信される(S14)。このリクエストを受信したゲームサーバ1は、ユーザの操作に応じた演算処理やデータ処理を行ってゲームを実行する(S23)。また、ゲームサーバ1は、ゲームの実行結果を反映させた画面データを端末装置3へ送信する(S24)。そして、画面データを受信した端末装置3では、ウェブブラウザが当該データを解釈し、ゲーム画面を表示部35に表示(更新)させる(S15)。
以降は、ユーザの端末装置3においては前記のS14およびS15が繰り返されるとともに、ゲームサーバ1においては前記のS23〜S24が繰り返され、これにより、端末装置3の画面に表示されている選択可能なボタン等をユーザが選択する度に、端末装置3のゲーム画面が次々と切り替わり、ゲームを進行させることができる。
その後、ユーザが端末装置3を操作してゲーム画面を閉じた場合(S16)、ゲームサーバ1はログアウト処理を行う(S25)。例えば、ユーザがウェブブラウザを閉じた場合、ゲームサーバ1はセッションタイムアウト後にログアウト処理を行う。
〔ゲーム管理装置の動作〕
次に、本発明の実施の形態に係るゲーム管理装置の動作例を、図15等のフローチャートを参照しながら説明する。図15は、ユーザがホームの県以外の県へ移動した場合に、1度だけ移動先のご当地アイテムを取得可能とするゲームサーバ1の処理例を示すものである。この処理例は、1人のユーザを対象とした処理フローであり、ゲームサーバ1は、ゲームサービスに登録している各ユーザに対して同じ処理を実行する。
ゲームサーバ1は、ユーザの端末装置3からアクセス(ログイン)があったときに(S51でYE)、端末装置3と通信してユーザの位置情報を取得する(S52)。例えば、ゲームサーバ1は、端末装置3のGPS測位部42によって得られたGPSの位置情報を受信する。この場合、端末装置3がゲームサーバ1にアクセスするときには、端末装置3が位置情報をゲームサーバ1に送信するように予め設定していてもよいし、ゲームサーバ1がアクセスをしてきた端末装置3に対して位置情報のリクエストを送信し、そのリクエストに対して端末装置3が位置情報のレスポンスをゲームサーバ1に返すようにしてもよい。
その後、ゲームサーバ1は、取得した位置情報に基づいて、ユーザがホームの県以外に移動しているか否かを判断する(S53)。ここで、ユーザがホームの県内に存在していると判断された場合(S53でNO)、ご当地アイテムは購入できないので処理を終える。一方、ユーザがホームの県以外に移動している場合(S53でYES)、ゲームサーバ1は、ユーザが移動先のご当地アイテムを既に取得しているか否かを判断する(S54)。ここで、ユーザが移動先のご当地アイテムを過去に取得済みであれば(S54でYES)、再度、同じご当地アイテムは購入できないので処理を終える。一方、ユーザが移動先のご当地アイテムを未だ取得していない場合は(S54でNO)、当該ご当地アイテムをユーザが所有するゲーム内通貨で購入可能とするご当地アイテム購入可能モードに移行する。このモードは、所定期間継続され、その間にユーザがゲーム内通貨を消費して、移動先のご当地アイテムを購入すれば(S56でYES)、当該ご当地アイテムのアイテムIDがユーザIDと対応づけられてデータベースサーバ2に記憶される(S57)。これにより、ユーザは移動先のご当地アイテムを取得できる。
例えば、ご当地アイテム購入可能モードは、当該モードに移行した後、ユーザがゲームからログアウトするまで継続されるようにすることができる。あるいは、ご当地アイテム購入可能モードは、移動先に移動した当日中(翌午前0時になるまで)継続されるようにすることができる。あるいは、ご当地アイテム購入可能モードは、移動先に移動した後、一定時間(例えば1時間)継続されるようにしてもよい。あるいは、ご当地アイテム購入可能モードは、ユーザが対象となる移動先の県から出るまで継続されるようにしてもよい。この場合、ゲームサーバ1は、アクセス中の端末装置3と定期的に(例えば5分毎に)通信してユーザの現在位置情報を取得し、ユーザの位置情報が移動先の県から他県へ変化する状態を監視する。ただし、何れの場合も、ご当地アイテム購入可能モード中にご当地アイテムが購入された場合は、その時点で当該モードは終了となる。
ユーザが取得したご当地アイテムは、いつでもゲーム画面で確認することができる。例えば、ゲームのメイン画面には、仮想的なユーザの暮らしぶりが表示され、ゲーム内のマイルーム内に、取得したご当地アイテムが飾られるようにしてもよい。
あるいは、ユーザが取得したご当地アイテムは、アイテムホルダーという仮想的な保管庫に入れられ、アイテムホルダーの画面を呼び出すことにより、取得済みの全てのご当地アイテムを確認できるようにしてもよい。
次に、図16のフローチャートを参照して、ユーザが他のユーザと対戦を行う場合のゲームサーバ1の処理例を示す。
ユーザが図9に例示するメイン画面の任意試合ボタン162を押せば、ゲームサーバ1が、ユーザのゲームレベル等に基づいて対戦相手候補を抽出し、図11に例示するように、ゲーム画面に対戦相手候補リストを表示させる(S61)。対戦相手候補リスト画面には、所定数(図11では3つ)の相手候補表示領域171が設けられている。そして、各相手候補表示領域171には、相手ユーザのアバター(または写真)、名前、ゲームレベル、ホームの県、一軍のチーム戦力、チーム名等が表示される。また、各相手候補表示領域171には、対戦ボタン172が設けられ、ユーザが対戦したい相手の対戦ボタン172を選択すれば、その相手と対戦を行うことができる。
もしもユーザが対戦したい思える相手が対戦相手候補リストに含まれていなければ、更新ボタン173を押せばよい。これにより、ゲームサーバ1が、改めて対戦相手候補を抽出し、対戦相手候補リストを更新する。
ここで、ユーザが任意の対戦相手を選択すれば(S62でYES)、ゲームサーバ1は、対戦相手のホームの県のご当地アイテムをユーザが所持しているか否かを判断する(S63)。ここで、ユーザが対戦相手のホームの県のご当地アイテムを所持している場合(S63でYES)、ゲームサーバ1は、ユーザに対してご当地攻略ボーナスを発動する(S64)。これにより、ユーザのチーム内の全ての選手キャラクタの能力が向上する(例えば、ミート+2、パワー+2、走力+2、捕球+2、送球+2、全守備適正+2)という効果を生じる。その後、ステップS65へ移行する。
一方、ステップS63において、ユーザが対戦相手のホームの県のご当地アイテムを所持していない場合(S63でYES)、ユーザに対するご当地攻略ボーナスは発動されることなく、ステップS65へ移行する。
ステップS65において、ゲームサーバ1は、ユーザのホームの県のご当地アイテムを対戦相手が所持しているか否かを判断する(S65)。ここで、対戦相手がユーザのホームの県のご当地アイテムを所持している場合(S65でYES)、ゲームサーバ1は、対戦相手に対してご当地攻略ボーナスを発動する(S66)。これにより、対戦相手のチーム内の全ての選手キャラクタの能力が向上する(例えば、ミート+2、パワー+2、走力+2、捕球+2、送球+2、全守備適正+2)という効果を生じる。
一方、ステップS65において、対戦相手がユーザのホームの県のご当地アイテムを所持していない場合(S65でYES)、対戦相手に対するご当地攻略ボーナスは発動されることはない。
なお、ステップS64およびS66において、ご当地攻略ボーナスの発動により能力が向上する対象は、チーム内の全ての選手キャラクタとするのではなく、チーム内の一部(例えば、4番打者キャラクタと先発投手キャラクタのみ)としてもよい。また、ご当地攻略ボーナスが発動された場合、例えば対戦開始時において、ボーナス発動チームの選手キャラクタを発光させたり、選手キャラクタの色や表情を変化させたりして、当地攻略ボーナスが発動されたことをユーザに報知してもよい。
その後、ゲームサーバ1は対戦を実行し(S67)、その実行結果としてのゲーム画面がユーザの端末装置3に表示される。
この構成によれば、ステップS62においてユーザが対戦相手を選択する際に、対戦相手候補リストの中から、自分が所有しているご当地アイテムに対応する県をホームにしている相手を選べば、ご当地攻略ボーナスが発動されて有利になるといった戦略性が生まれる。但し、対戦相手もユーザのホームの県のご当地アイテムを所有している場合、対戦相手にもご当地攻略ボーナスが発動される。よって、対戦する両者が互いに相手の県のご当地アイテムを保有している場合は、ご当地攻略ボーナスの効果は実質的に相殺される。ここで、ユーザが大きな距離を移動して取得したご当地アイテムの県の相手と対戦する場合、相手がユーザのホームの県まで移動する可能性は低いので、対戦時にはなるべく、自分のホームの県から離れた相手を選択すると対戦が有利になり易いという戦略性が生まれる。
上記では、「他のユーザとの交流」を「対戦」とする例を中心に説明したこれに限定されない。前述のように、「他のユーザとの交流」の他の例としては、ユーザが他のユーザと仲間関係を構築すること(そのために他のユーザに仲間の申請をすること、または他のユーザからの仲間申請を了承すること)が挙げられる。ユーザが新しい仲間を探すときに、図13に例示する仲間候補リストの中から、自分が取得しているご当地アイテムの県をホームとする相手(他のユーザ)を選んで仲間申請を行うことができる。その結果、ユーザがその相手と仲間になった場合には、その相手との親密度が、その相手のご当地アイテムを取得していない場合よりも高く設定される。
ここで、親密度について説明する。親密度とは、2人のユーザの親密さを示すものであり、2人の友好度合い、友情の深さ、絆の深さ等として表現することもできる。例えば親密度には、ランク1=知り合い、ランク2=友人、ランク3=親友、ランク4=相棒、ランク5=盟友という5段階のランクがある。親密度が高いほど、両者間で行われる挨拶、プレゼント等の交流により獲得できるゲーム内ポイント(前記交流ポイント)がより多くなるというメリットを生じる。
原則的に、仲間になった当初の2人には、ランク1=知り合いの親密度が設定される。そして、仲間になってからの2人の交流(挨拶、メッセージ送信、プレゼント、対戦協力、チャット等)の回数や頻度に応じて、2人の親密度は変動する。例えば、仲間関係にある2人のユーザ間で交流処理が実行される毎に、所定値(例えば1ポイント)の親密ポイントを付与するようになっている。上記挨拶とは、例えば挨拶ボタンを押すだけのような、ゲーム内で仮想的に行うことができる簡易的な交流の総称であり、エール(応援)を送る、ガッツ(やる気)を送る、ウインクする、微笑む、手を振る等、別の表現を用いた簡易的な交流も含まれる。なお、仲間同士で行われる交流の内容により、2人に付与する親密ポイントの値を変えてもよい。例えば、挨拶は1ポイント、メッセージ送信は2ポイント、プレゼント、対戦協力およびチャットは3ポイント等としてもよい。そして、例えば、2人に蓄積された親密ポイントが、0〜24ポイントでランク1=知り合い、25〜49ポイントでランク2=友人、50〜74ポイントでランク3=親友、75〜99ポイントでランク4=相棒、100ポイント以上でランク5=盟友となる。なお、親密ポイントは、仲間関係にある2人に対して与えられ、当該2人の親密度のランクを決定するためのポイントであり、上述の交流ポイント(個々のユーザに付与されるポイント)とは異なるものである。
そして、ユーザが仲間申請した相手のご当地アイテムを所有していなかった場合、その相手と仲間になった当初の2人の親密度は、原則どおりランク1=知り合いに設定される。すなわち、親密ポイント=0からのスタートとなる。一方、ユーザが仲間申請した相手のご当地アイテムを所有していた場合、その相手と仲間になった当初の2人の親密度が、いきなりランク2=友人に設定される。すなわち、親密ポイント=25からのスタートとなる。この相手のご当地アイテムの有無による効果変動は、効果変動手段75の機能による。
さらに、ユーザが仲間申請した相手のご当地アイテムを所有し、且つ、相手もユーザのご当地アイテムを所有していた場合においては、その相手と仲間になった当初の2人の親密度が、いきなりランク3=親友に設定されるようにしてもよい。
また、2人のユーザが仲間になったとき、ボーナスとしてゲーム内ポイントやアイテムが2人に付与される。ここで、ユーザが仲間申請した相手のご当地アイテムを所有していなかった場合、その相手と仲間になった場合にユーザに付与されるボーナスポイントはP1(例えば1000ポイント)であるが、ユーザが仲間申請した相手のご当地アイテムを所有していた場合、その相手と仲間になった場合にユーザに付与されるボーナスポイントは、前記P1より大きいP2(例えば2000ポイント)となるようにしてもよい。
さらに、「他のユーザとの交流」は、挨拶、メッセージ送信、プレゼント、チャット等の各種交流であってもよい。ユーザがご当地アイテムを取得した場合、当該ご当地アイテムの県をホームとする他のユーザと交流すれば、当該ご当地アイテムを持っていない場合よりも、交流により獲得できるポイントやアイテムが多くなる。例えば、相手(他のユーザ)のご当地アイテムを持っていないユーザが当該相手と挨拶をした場合、獲得できる交流ポイントは「1ポイント」であるが、ユーザが相手のご当地アイテムを持っている場合は、「2ポイント」の交流ポイントを獲得できる。
以上のように、本実施の形態のゲーム管理装置は、図7に示すように、主に基準エリア記憶制御手段71、位置取得手段72、移動検出手段73、アイテム管理手段74、効果変動手段75を備え、ユーザの移動に応じて移動先のご当地アイテムの取得を可能とし、そのご当地アイテムの県をホームとする他のユーザとの交流(対戦等)の効果を変動させることにより、興趣性の高いゲームを実現できる。
ところで、ユーザがホームの県から移動せずに練習試合モードが適用されている場合には、図11のステップS61において、対戦相手候補のリストには、様々な県をホームとする相手候補のチームがランダムに表示されることになる(図11参照)。ここで、画面スペースの制約等により、画面上に表示される対戦相手候補の人数としては、3人〜10人程度である(図11の例では3人)。よって、練習試合モードでは、ユーザが所有しているご当地アイテムの県をホームにしている相手候補が、対戦相手候補リストには含まれていないこともある。よって、ユーザが所有しているご当地アイテムの県をホームにしている相手候補が表示されるまで、ユーザが何度も図11の更新ボタン173を押して、対戦相手候補リストの更新を繰り返すことが必要となることもある。
一方、ユーザがホームの県から移動して遠征試合モードになった場合は、図12に例示するように、ゲームサーバ1によって、ユーザの移動先エリアをホームとする他のユーザが、対戦相手候補リストとして優先的にリストアップされる。図12は、ユーザが青森県へ移動して遠征試合モードになったときの対戦相手候補リスト画面の一例を示している。遠征試合モードの適用中は、遠征先表示領域174に、例えば「青森県に遠征中」という表示が行われる。この場合、対戦相手候補リストには、青森県をホームとする相手候補がその他の県をホームとする者よりも優先的にリストアップされる。
図17に示すように、ゲームサーバ1は、移動検出手段73による検出結果に基づいて、ゲーム内容を変動させるゲーム内容変動手段76をさらに備えている。このゲーム内容変動手段76は、ユーザがホームの県以外の県に移動したことが移動検出手段73によって検出された場合に、ゲーム内の対戦モードを、「練習試合モード」から「遠征試合モード」へと変化させ、対戦時には優先的に移動先のエリア(県)をホームとしている他のユーザを対戦相手候補として提示する機能を有する。
よって、例えばユーザがホームの県から青森県に移動した場合、青森県のご当地アイテムを先ず取得し、さらに青森県への移動により遠征試合モードになっている間に、対戦(任意試合)を行えば、青森県をホームとする相手候補が優先的に対戦相手候補リストに表示されるので、ユーザが所有しているご当地アイテムの県をホームにしている相手との対戦を円滑に行うことができる。さらに、遠征試合モードでは、試合に出場した選手キャラクタに蓄積される経験値が、練習試合モードの場合と比較して、例えば2倍に向上する等のメリットも発生する。すなわち、ユーザは、ご当地攻略ボーナスによるメリットと遠征試合モードによるメリットをと併せて享受できる。これにより、ユーザに対して、ホームの県とは異なる県へ移動したとき、移動先のご当地アイテムの取得と対戦プレイとを積極的に行おうとする動機付けを与えることができる。
ゲーム内容変動手段76によるゲーム内容の変動は、ゲームの仕様、ルール、表示の態様等が変更されるものであればよく、上記した内容に限定されるものではない。ゲーム内容の変動の他の例としては、一操作あたり又は一処理あたり等に獲得できるポイントが所定期間向上する、レアアイテムの抽選確率が所定期間向上する、一操作あたり又は一処理あたり等のポイント消費量が所定期間低減する等、様々なものが考えられる。ゲーム内容の変動はそれ以外にも、キャラクタの能力、形態、年齢、学年、役職、装備品等を変更することであってもよい。すなわち、ユーザが基準エリア外へ移動した後には、仮想的にキャラクタの経験や体験が増えるものとして能力を向上するようにしてもよいし、キャラクタの形態を大きくしたり、年齢、学年、役職を高めたり、装備や武器、道具を多く備えるようにしたりしてもよい。さらに、ゲーム内容の変動は、一旦低下した、あるいはゼロになったキャラクタの体力やチームの戦力等が時間経過に伴って復活する場合に、その復活の速度を、移動後には速くなるようにしてもよい。
なお、練習試合モードにおいても、ユーザが所有しているご当地アイテムの県をホームにしている相手との対戦を円滑に行うことができるようにするために、図18に例示するように、対戦相手候補リスト画面に「ご当地アイテム取得エリア限定」ボタン175を設けてもよい。ユーザがこの「ご当地アイテム取得エリア限定」ボタン175を押せば、ゲームサーバ1が、ユーザが取得しているご当地アイテムの県をホームとする他のユーザのみを対象として対戦相手候補を抽出し、対戦相手候補リスト画面に表示させる。例えば、ユーザが青森県、千葉県、神奈川県の3つの県のご当地アイテムを取得している場合、これら3つの県をホームとする他のユーザのみが対戦相手候補リスト画面に表示される。あるいは、対戦相手候補リスト画面に、図示しない「ご当地アイテム取得エリア優先」ボタンを設け、ユーザがこのボタンを押せば、ゲームサーバ1が、ユーザが取得しているご当地アイテムの県をホームとする他のユーザを優先的に対戦相手候補として抽出するようにしてもよい。ここで優先的とは、ユーザが取得しているご当地アイテムの県をホームとする他のユーザが存在すれば、当該他のユーザを抽出して対戦相手候補リスト画面に表示させるが、そのような対象者がいない場合には、その他の県をホームとする者を抽出して対戦相手候補リスト画面に表示させることをいう。
ところで、前述のように、同じ県を何度訪問しても、その県のご当地アイテムを取得できるのは1度だけとしてもよいし、同じ県を複数回訪問すれば、その県のご当地アイテムを複数回取得できるようにしてもよい。以下には、同じご当地アイテムを複数回取得できる場合における好ましい構成例について説明する。
本実施の形態に係るゲーム管理装置の効果変動手段75は、同一のエリア(県)に対応するご当地アイテムの取得回数が増えるほど、ご当地アイテムを取得した場合の前記効果(ご当地攻略ボーナスによる効果等)を大きくする機能を有する。
ユーザが、ホームの県とは異なる同一県を複数回訪問したことにより、その県のご当地アイテムを複数取得した場合、ユーザが所有するご当地アイテムの個数が増えるようにしてもよいし、ご当地アイテムの個数は増えないがそのご当地アイテムのレベルが向上するようにしてもよい。例えば、ユーザが青森県を2回訪問してご当地アイテム「りんご」を2回取得すれば、「りんご」アイテムが2個になる、又は「りんご」アイテムのレベルがLv2になる。以降は、便宜上、ご当地アイテムの取得回数が、当該ご当地アイテムの取得個数として反映されるものとして説明を続ける。
効果変動手段75は、同じご当地アイテムの取得回数が増えるほど、当該ご当地アイテムによる前記効果をより大きくする。例えば、対戦時の相手が、ユーザが取得しているご当地アイテムの県Bをホームとしている場合に、ご当地攻略ボーナスが発動するが、この際、ユーザが取得した当該県Bのご当地アイテムの個数が多いほど、ユーザのチームの選手キャラクタの能力がより向上する。
例えば、ご当地アイテム「りんご」の個数が1つの場合、ご当地攻略ボーナスの発動により、ミート+2、パワー+2、走力+2、捕球+2、送球+2、全守備適正+2という選手キャラクタの能力向上効果が生じる。そして、ご当地アイテム「りんご」の個数が2つになれば、ミート+3、パワー+3、走力+3、捕球+3、送球+3、全守備適正+3というように、選手キャラクタの各個別能力が、「りんご」1つの場合よりも+1ずつ向上する。同様に、ご当地アイテム「りんご」の個数がn個になれば、ミート+(2+n)、パワー+(2+n)、走力+(2+n)、捕球+(2+n)、送球+(2+n)、全守備適正+(2+n)になる。
次に、図19のフローチャートを参照して、本実施の形態のゲームサーバ1の動作例を説明する。なお、図16のフローチャートと同様の処理には同一のステップ番号を付記し、その説明を省略する。
ステップS61〜S63までの処理は図16の処理フローと共通である。ステップS63において、ユーザが対戦相手のホームの県のご当地アイテムを所持している場合(S63でYES)、ゲームサーバ1は、ユーザの当該ご当地アイテムの所持数に応じて、ユーザに対するご当地攻略ボーナス発動時の効果を決定する(S71)。その後、ゲームサーバ1は、ユーザに対してご当地攻略ボーナスを発動する(S64)。
その後のステップS64およびS65の処理も図16の処理フローと共通である。ステップS65において、対戦相手がユーザのホームの県のご当地アイテムを所持している場合(S65でYES)、ゲームサーバ1は、対戦相手の当該ご当地アイテムの所持数に応じて、対戦相手に対するご当地攻略ボーナス発動時の効果を決定する(S72)。その後、ゲームサーバ1は、対戦相手に対してご当地攻略ボーナスを発動する(S66)。
この構成では、対戦するユーザ同士が、互いに相手のホームの県のご当地アイテムを保有している場合であっても、両者における相手のご当地アイテムの取得個数に違いがあれば効果が相殺されるのではなく、相手のご当地アイテムの取得個数が多い側のユーザの方が有利になる。
また、ユーザが新しい仲間を探すときに、仲間候補リストの中から、自分が取得しているご当地アイテムの県をホームとする他のユーザを選んで仲間になった場合には、当該ご当地アイテムの取得個数が多いほど、その相手との親密度が高く設定されるようにしてもよい。
あるいは、ユーザが取得したご当地アイテムの県をホームとする他のユーザと挨拶等の交流をすれば、当該ご当地アイテムの取得個数が多いほど、交流により獲得できるポイントやアイテムが多くなるようにしてもよい。
以上のように、本構成では、同一のエリアに対応するご当地アイテムの取得回数に応じて効果を変動させることにより、ゲームの興趣性をより高めることができる。
次に、バリエーションとして、前記効果変動手段75が、各エリアに対応するご当地アイテム毎に、その効果を異ならせる構成について説明する。
図20に示すように、データベースサーバ2のアイテムデータベースには、アイテムIDと対応付けられて、ご当地攻略ボーナスが発動された場合におけるご当地アイテム毎の効果(属性)が記憶されている。その効果は、次に例示するように対応エリアによって異なる。
北海道:守備適正+4(他の能力は+2)
東北各県:走力+5(他の能力は+2)
関東各県:ミート+3(他の能力は+2)
中部各県:捕球+3、送球+3(他の能力は+2)
関西各県:パワー+3(他の能力は+2)
中国四国各県:走力+3、捕球+3(他の能力は+2)
九州各県:パワー+5ポイント(他の能力は+2)
沖縄県:ミート+3、パワー+3、走力+3(他の能力は+2)
効果変動手段75は、ユーザが所有しているご当地アイテムの県をホームとする他のユーザと対戦する場合に、アイテムデータベースに記憶されている当該ご当地アイテムの効果に基づいて、ご当地攻略ボーナスを発動させる。
次に、図21のフローチャートを参照して、本実施の形態のゲームサーバ1の動作例を説明する。なお、図16のフローチャートと同様の処理には同一のステップ番号を付記し、その説明を省略する。
ステップS61〜S63までの処理は図16の処理フローと共通である。ステップS63において、ユーザが対戦相手のホームの県のご当地アイテムを所持している場合(S63でYES)、ゲームサーバ1は、図20に例示するアイテムデータベースを参照し、当該ご当地アイテムの効果を決定する(S81)。その後、ゲームサーバ1は、ユーザに対してご当地攻略ボーナスを発動する(S64)。
その後のステップS64およびS65の処理も図16の処理フローと共通である。ステップS65において、対戦相手がユーザのホームの県のご当地アイテムを所持している場合(S65でYES)、ゲームサーバ1は、アイテムデータベースを参照し、当該ご当地アイテムの効果を決定する(S82)。その後、ゲームサーバ1は、対戦相手に対してご当地攻略ボーナスを発動する(S66)。
この場合、例えばユーザが北海道および関東各県のご当地アイテムを取得しており、ユーザのチームが守備面で弱点がある(チーム内の選手キャラクタの守備能力が打撃能力等と比較して低い)のであれば、北海道をホームとする他のユーザを対戦相手に選べば、ユーザのチームの弱点をうまくカバーできるという戦略性が生まれる。
本構成により、様々なエリアへ移動すれば、効果の異なる様々なご当地アイテムを取得することができるようになり、ゲームの興趣性をより高めることができる。
次に、バリエーションとして、ユーザのホームの県と移動先の県との関係によって、移動先で取得したご当地アイテムの効果(ご当地アイテムの属性等)を変動させる構成について説明する。
本実施の形態に係るゲーム管理装置の効果変動手段75は、ご当地アイテムの県とユーザのホームの県との距離に応じて、ご当地アイテムによる前記効果(ご当地攻略ボーナスによる効果等)を変動させる。すなわち、効果変動手段75は、ご当地アイテムに対応するエリア(県)の基準エリアからの距離が離れているほど、ご当地アイテムによる前記効果を大きくする機能を有する。
例えば、ご当地アイテムの県とユーザのホームの県との距離が、100km未満、100km以上且つ1000km未満、1000km以上の場合、ご当地攻略ボーナスによる選手キャラクタの能力向上量を、それぞれ+1、+2、+3とする。ここで、+1とは、選手キャラクタの各個別能力(パワー、走力、捕球、送球、全守備適正)が全て+1になることを示す。
次に、図22のフローチャートを参照して、本実施の形態のゲームサーバ1の動作例を説明する。なお、図16のフローチャートと同様の処理には同一のステップ番号を付記し、その説明を省略する。
ステップS61〜S63までの処理は図16の処理フローと共通である。ステップS63において、ユーザが対戦相手のホームの県のご当地アイテムを所持している場合(S63でYES)、ゲームサーバ1は、当該ご当地アイテムの県とユーザのホームの県との距離に応じて、当該ご当地アイテムの効果を決定する(S91)。その後、ゲームサーバ1は、ユーザに対してご当地攻略ボーナスを発動する(S64)。
その後のステップS64およびS65の処理も図16の処理フローと共通である。ステップS65において、対戦相手がユーザのホームの県のご当地アイテムを所持している場合(S65でYES)、ゲームサーバ1は、当該ご当地アイテムの県と対戦相手のホームの県との距離に応じて、当該ご当地アイテムの効果を決定する(S92)。その後、ゲームサーバ1は、対戦相手に対してご当地攻略ボーナスを発動する(S66)。
本構成では、県Aがホームのユーザが県Bへ移動してご当地アイテムBを取得した場合、県Aと県Bの距離が離れているほど、県Bをホームとする他のユーザとの対戦時に、ユーザの選手キャラクタの能力がより向上する。具体的には、東京都がホームのユーザが大阪へ移動して大阪のご当地アイテムを取得した場合よりも、沖縄県へ移動して沖縄県のご当地アイテムを取得した場合の方が、ご当地アイテムによる効果(対戦時のキャラクタの能力向上効果等)が大きくなる。これにより、ユーザは自分のホームの県からより離れた県に移動してご当地アイテムを取得し、その県の相手を選択して対戦すれば、対戦がより有利になるという戦略性が生まれる。
また、他の例としては、ユーザが新しい仲間を探すときに、自分が取得しているご当地アイテムの県の中でも、自分のホームの県からより離れた県の他のユーザを選んで仲間になった場合には、その相手との親密度がより高く設定される、あるいは、仲間となったときに獲得できるポイントがより高くなる。
あるいは、ユーザが取得したご当地アイテムの県をホームとする他のユーザと挨拶等の交流をすれば、自分のホームの県とご当地アイテムの県とがより離れているほど、交流により獲得できるポイントやアイテムが多くなるようにしてもよい。
以上のように、本構成では、ホームの県(基準エリア)と移動先エリアとの関係によって、移動先エリアに対応するご当地アイテムの効果を変動させる(ホームの県とご当地アイテムの県との距離が離れているほどその効果を大きくする)。これにより、ゲームの興趣性をより高めることができる。
次に、バリエーションとして、ご当地アイテムに有効期限を設ける構成について説明する。この構成のゲームサーバ1は、図23に示すように、有効期限設定手段77を備えている。この有効期限設定手段77は、ユーザが取得したエリア限定アイテムに、前記効果(ご当地攻略ボーナス)を発生させることが可能な有効期限を設定する機能を有する。
ユーザがご当地アイテムを取得した場合、ユーザIDと対応づけて当該ご当地アイテムのアイテムIDがデータベースサーバ2に記憶される。このとき、アイテムIDとともに取得時間情報(ご当地アイテムを取得した日付等)も併せて記憶され、例えば取得から6か月といった有効期限が設けられる。これにより、ご当地アイテムを取得したメリットを享受するため、ユーザは、有効期限内に、当該ご当地アイテムの県をホームとする他のユーザと積極的に交流(対戦等)を行おうとする動機付けを与えられる。
また、ゲームサーバ1は、ユーザが取得したご当地アイテムに設定された有効期限が切れる所定期間前(例えば10日前)になれば、その旨をユーザの端末装置3に報知し、ゲームへの関心を喚起する。
次に、バリエーションとして、アイテム管理手段74が、ご当地アイテムを取得可能な期間を限定する構成について説明する。
例えば、青森県へ移動した場合に取得できるご当地アイテムとしては4月〜9月「ねぶた」、10月〜3月は「りんご」とする。また、今年の「りんご」と来年の「りんご」は異なるもの(効果が違うもの)としてもよい。
ゲーム内のイベントとして、特定のエリアを、所定期間、ボーナス地域として指定し(例えば祇園祭りのある月は京都を指定)、そのボーナス地域に移動したユーザには、特別なご当地アイテム(通常よりも効果の高いご当地アイテム)を入手できるようにしてもよい。
このように、ご当地アイテムを取得可能な期間を限定し、その期間内にそのエリアに行かないと目的のご当地アイテムを取得できないようにすることにより、ご当地アイテムの価値が高まる。そして、ユーザがそのご当地アイテムを取得した場合には、それを有効利用すべく、そのご当地アイテムの県をホームとするユーザと積極的に交流を行おうとすることが期待される。
ところで、例えば自宅と通勤先(又は通学先)とが異なる県のユーザにおいては、出勤前の朝と帰宅後の夜は自宅のA県、昼間は通勤先のB県に存在することになる。よって、例えば、A県またはB県の何れか一方をホームの県として登録し、他方をホームではない県にした場合、日々の通勤だけで、何度でもホームの県以外に移動することができるようになる。
同じご当地アイテムの取得は、対応エリアに複数回移動しても1度だけしか取得できないようにする場合は問題ないが、対応エリアに移動する毎に何度でも同じご当地アイテムを取得できる場合は、自宅と通勤先とが異なる特定のユーザのみが特定の県のご当地アイテムを多数取得できるようになる。
そこで、本構成では、アイテム管理手段74が、ホームの県A以外の同一県B内にユーザが移動したことによってユーザが当該県Bのご当地アイテムを取得可能な回数を、所定期間内に所定回数以内に限定する。例えば、同一の県Bへの移動によるその県Bのご当地アイテムの取得は、1か月間に1回だけに限定する。これにより、日常的な移動(自宅と通勤先との間の移動等)により特定のエリアのエリア限定アイテムを何度でも取得できてしまうような事態を効果的に回避することができる。
なお、上記限定は当然ながら、ゲーム性によって任意に設定することができる。例えば、自宅と勤務地との往復をゲームに利用しようとするユーザに対しても、ある程度の許容を認め、例えば1週間に2回まで同一エリアのエリア限定アイテムを取得することを認めるとしてもよい。
〔ゲーム管理装置の他の構成例〕
ゲーム管理装置の他の構成例を、図24の機能ブロック図等を参照しながら説明する。なお、既出の図面において示した構成と同様の構成については同一の部材番号を付し、適宜その説明を省略する。
本実施の形態のゲーム管理装置としてのゲームサーバ1は、主に、基準エリア記憶制御手段71、位置取得手段72、移動検出手段73、アイテム管理手段74、仲間情報記憶制御手段81、仲間関係変動手段82を備えている。これらの各手段は、ゲームサーバ1のCPU11が本実施の形態に係るプログラムを実行することにより実現されるものである。
ここで、基準エリア記憶制御手段71、位置取得手段72、移動検出手段73、アイテム管理手段74の各手段は、前述の実施の形態において既に説明済みである。よって、以下では、仲間情報記憶制御手段81および仲間関係変動手段82を主に説明する。
上述のようにゲーム内では、ユーザ同士が仮想的に仲間関係を構築することができる。あるユーザが他のユーザと仲間関係を構築するための一形態としては、2人のユーザの何れか一方が、他方のユーザに対してゲームサーバ1を介して仲間申請を行い、当該申請を受けたユーザがゲームサーバ1を介して仲間になることを承認するという、両ユーザ間においてなされる申請とその承認の操作が挙げられる。その他の形態としては、既にゲームに登録済みのユーザが、未登録のユーザをゲームに招待し、招待を受けたユーザが当該ゲームに登録した場合に、招待した側とされた側との2人のユーザを仲間とする形態もある。
仲間情報記憶制御手段81は、ユーザの仲間の情報を記憶装置としてのデータベースサーバ2に記憶する機能を有する。ここで、仲間関係とは、ゲーム内で構築されるユーザ同士の仮想的な関係の総称であり、応援団、後援会、知人、友人、友達、クラスメイト、相棒、親類、家族、兄弟、姉妹、会社や組織の同僚などの、様々なゲーム内の関係を含む。仲間情報記憶制御手段81は、図5に例示するように、ユーザIDと対応づけて、仲間のユーザIDをデータベースサーバ2の所定領域に記憶する。
仲間関係変動手段82は、ユーザがご当地アイテムを取得している場合に、当該ご当地アイテムに対応するエリア(県)をホームとする仲間との関係または当該仲間との関係により生じる効果を、当該ご当地アイテムを取得していない場合とは異ならせる機能を有する。
仲間関係変動手段82がユーザとその仲間との関係を変動させる例としては、ユーザが自分の仲間のホームの県、例えば青森県のご当地アイテム「りんご」を取得した場合、その仲間との親密度を、当該ご当地アイテム「りんご」を持っていない場合よりも高くなるように変動させることが挙げられる。具体例を以下に示す。
例えば東京都がホームのユーザAには青森県がホームの仲間Bがいるものとする。また、前述のように、親密度には、ランク1=知り合い、ランク2=友人、ランク3=親友、ランク4=相棒、ランク5=盟友という5段階のランクがあり、ユーザAと仲間Bとの現在の親密度は、ランク2=友人であるものとする。また、この時点では、ユーザAは青森県のご当地アイテム「りんご」を取得していないものとする。そして、ユーザAが青森県へ移動してご当地アイテム「りんご」を取得した場合、ユーザAと青森県の仲間Bとの親密度は、ユーザAがご当地アイテム「りんご」を取得する前のランク2=友人から、ランク3=親友へと向上する。この親密度の変動処理を仲間関係変動手段82が実行する。
なお、前述の実施の形態の効果変動手段75も親密度を変動させる機能を有するものとすることができるが、本実施の形態の仲間関係変動手段82とは、次の点で相違する。すなわち、本実施の形態の仲間関係変動手段82は、既に仲間関係が構築されている場合を対象とするものであるが、前述の実施の形態の効果変動手段75は、その前段階(ユーザが新しい仲間をつくる場合)におけるものである。
仲間関係変動手段82がユーザとその仲間との関係により生じる効果を変動させる例としては、ユーザAが自分の仲間Bのホームの県、例えば青森県のご当地アイテム「りんご」を持っている場合、対戦時にその仲間Bを「助っ人」として依頼することによって、当該ご当地アイテム「りんご」を持っていない場合よりも、対戦時戦力を高くなるように変動させることが挙げられる。すなわち、「助っ人」として依頼した仲間Bのホームの県のご当地アイテムをユーザが所有している場合は、当該ご当地アイテムを持っていない場合よりも「助っ人効果」が高くなる。
これは、ご当地アイテムの所有によって、仲間との関係が変動し(上述のように親密度が向上し)、その結果として、対戦等が有利になる構成とすることができる。すなわち、仲間との関係で対戦能力が向上する。
具体例を次に示す。図11または図12に例示する対戦相手候補リスト画面において、ユーザが対戦を希望する相手を選んで対戦ボタン172を押せば、図25に例示する対戦開始画面に遷移する。この対戦開始画面には、相手チーム情報表示領域185および自チーム情報表示領域186が設けられている。相手チーム情報表示領域185には、例えば、対戦相手ユーザのアバター、名前、ゲームレベル、ホームの県、一軍のチーム戦力、チーム名等が表示される。また、自チーム情報表示領域186には、ユーザ自身のアバター、名前、ゲームレベル、ホームの県、一軍のチーム戦力、チーム名等が表示される。
また、対戦開始画面には、助っ人を呼ぶボタン187が表示され、任意の仲間(または仲間のキャラクタ)を助っ人として要請できるようになっている。ユーザが助っ人を呼ぶボタン187を選択することにより、図26に例示する助っ人選択画面に遷移する。この助っ人選択画面には、複数の仲間情報表示領域191が設けられており、ユーザと仲間関係にある仲間がリストアップされて表示される。各仲間情報表示領域191には、仲間のアバター、名前、ゲームレベル、ホームの県、一軍のチーム戦力、チーム名等が表示される。なお、画面に表示しきれない仲間の情報については、画面をスクロールするまたは助っ人選択画面の2ページ目以降をゲームサーバ1にリクエストして別画面として表示することができる。
また、各仲間情報表示領域191には、「ご当地アイテム取得エリア限定」ボタン192を設けてもよい。ユーザがこのボタン192を押せば、ゲームサーバ1が、ユーザが取得しているご当地アイテムの県をホームとする仲間のみを、助っ人選択画面に表示させる。これにより、ユーザは、自分が所有しているご当地アイテムの県をホームとする仲間を助っ人として選択し易くなる。
また、各仲間情報表示領域191には、決定ボタン193が設けられている。ユーザは、リストアップされた仲間のホームの県等を参考にしながら、助っ人として要請する仲間を選び、その仲間の決定ボタン193を押す。これにより、図27に例示する対戦開始画面に遷移し、助っ人設定領域189には、ユーザが選択した仲間が助っ人として設定される。なお、図示しない助っ人変更ボタンを設け、当該ボタンを押すことにより、図26の画面に戻り、改めて助っ人として要請する仲間を選択し直すことができるようにしてもよい。
図25または図27の対戦開始画面において、ユーザが対戦開始ボタンを押すことにより、ユーザの端末装置3からは対戦コマンドがゲームサーバ1へ送信され、ゲームサーバ1において対戦処理が実行される。ここで、図27の画面のように、ユーザの仲間が助っ人として設定されている場合、助っ人効果により、当該仲間の選手キャラクタの能力等に応じて、ユーザのチームの戦力が、助っ人が設定されていない場合よりも向上する。さらに、ユーザが助っ人として設定した仲間のホームの県が、ユーザが所有するご当地アイテムの県と一致する場合、助っ人効果はさらに高くなり、ユーザのチーム戦力がより向上する。
ここで、ユーザのチームの本来の戦力値(助っ人がない戦力値)をP0、助っ人効果により向上するチームの戦力値をPeffect、助っ人を含めたユーザのチームの戦力値をPuserとする。そして、ユーザが助っ人として設定した仲間のホームの県のご当地アイテムをユーザが持っていなかった場合、助っ人を含めたユーザのチームの戦力値Puserは、下式(1)のようになる。
Puser=P0+Peffect ・・・(1)
これに対して、ユーザが助っ人として設定した仲間のホームの県のご当地アイテムをユーザが持っていた場合には、助っ人を含めたユーザのチームの戦力値Puserは、下式(2)のようになる。
Puser=P0+a×Peffect ・・・(2)
ここで上式(2)中の変数aは、1<aである。例えばa=1.5であり、ユーザが助っ人を選ぶ際に、自分の持っているご当地アイテムの県をホームにしている仲間を選べは、助っ人による能力向上分が通常よりも1.5倍に向上するというメリットがある。
上記のご当地アイテムによる助っ人効果の向上は、ご当地アイテムの取得によりユーザとご当地アイテムの県をホームとする仲間との関係(親密度)が向上することにより、その結果として発生するものとしてもよい。
仲間関係変動手段82がユーザとその仲間との関係により生じる効果を変動させるその他の例としては、ユーザが仲間と交流(挨拶、メッセージ送信、プレゼント、対戦協力、チャット等)した場合の効果の変動が挙げられる。例えば、ユーザがご当地アイテムを取得した場合、当該ご当地アイテムの県をホームとする仲間と挨拶等の交流をすれば、当該ご当地アイテムを持っていない場合よりも、2人の親密ポイントが高くなったり、交流により獲得できるポイントやアイテムが多くなったりする。これも、ご当地アイテムの取得によりユーザとご当地アイテムの県をホームとする仲間との関係(親密度)が向上することにより、その結果として発生するものとしてもよい。
次に、図24に示すゲーム管理装置の動作例を、図28等のフローチャートを参照しながら説明する。図28は、ユーザが取得したご当地アイテムによって仲間との関係を変動させるゲームサーバ1の動作例を示すものである。この処理例は、1人のユーザを対象とした処理フローであり、ゲームサーバ1は、ゲームサービスに登録している各ユーザに対して同じ処理を実行する。
ユーザがホームの県から異なる県へ移動してご当地アイテムを取得するときの動作は、図15のフローチャート等で既に説明済みであり、ここではその詳細な説明は省略する。図28に示すように、ユーザがホームの県から異なる県へ移動し(S101でYES)、移動先の県のご当地アイテムを取得した場合(S102でYES)、ゲームサーバ1は、当該ご当地アイテムの県をホームとする仲間が存在するか否かを判断する(S103)。ここで、ユーザが取得したご当地アイテムの県をホームとする仲間が存在する場合(S103でYES)、ゲームサーバ1の仲間関係変動手段82は、ユーザと当該仲間との親密度という関係を1ランク向上させる。例えば、ユーザが前記ご当地アイテムを取得する前の、ユーザとその仲間の2人の親密度が「ランク2=友人」であった場合、前記ご当地アイテムの取得により、2人の親密度は「ランク3=親友」に向上する。
このように2人の親密度が向上するのは、あくまで、ユーザが取得したご当地アイテムの県をホームとする仲間だけであり、そのような仲間がいなければ(S103でNO)、ご当地アイテムを取得してもその他の仲間(例えばとの親密度は向上しない。例えば、ユーザが青森県へ移動してご当地アイテム「りんご」を取得した場合、青森県をホームとする仲間との親密度は向上するが、例えば千葉県をホームとする仲間との親密度は向上しない。
なお、ご当地アイテムによって変動する仲間との関係は、前記親密度に限らず、友好度、信頼度、愛情度、絆の深さ等の関係としてもよい。例えば、ユーザとその仲間が、ゲーム内で仮想的な家族関係をなしている場合であれば、2人の愛情度または絆の深さが変動するようにしてもよい。また、ユーザとその仲間が、ゲーム内で仮想的に会社の同僚(または上司と部下)の関係をなしている場合であれば、2人の信頼度が変動するようにしてもよい。
次に、ユーザが取得したご当地アイテムによって、仲間との関係により生じる効果を変動させるゲームサーバ1の動作例を、図29を参照して説明する。図29は、ユーザが仲間に助っ人を依頼して対戦を行う場合のゲームサーバ1の動作例を示すフローチャートである。
ユーザが対戦時に助っ人を呼ぶ操作を行えば(S111でYES)、ゲームサーバ1は助っ人選択用の仲間リストを端末装置3の画面に表示させる(S112)。例えば、図26に例示する助っ人選択画面に、ユーザの仲間がリスト表示される。この仲間リストには、各仲間のホームの県の情報も表示されるので、当該情報等を参考にして、どの仲間を助っ人とするのかを検討できる。その後、ユーザが助っ人にしたい仲間を選択すれば(S113でYES)、図27の画面例に示すように選択された仲間(または仲間のキャラクタ)が助っ人として設定される(S114)。
なお、助っ人を設定することなく(S111でNO)、対戦を開始することもできる。ユーザが対戦開始の操作(図25または図27の対戦開始ボタン188を押す操作等)を行えば(S115でYES)、ゲームサーバ1は、助っ人が設定されているか否かを判断する(S116)。助っ人が設定されている場合(S116でYES)、ゲームサーバ1は、助っ人である仲間のホームの県のご当地アイテムを、ユーザが所持しているかを判断する(S117)。例えば、助っ人である仲間のホームの県が青森県の場合、ユーザが青森県のご当地アイテムを所持していなければ(S117でNO)、通常の助っ人効果を適用する(S118)。この場合、例えば前記の式(1)が適用されて助っ人を含むユーザのチームの戦力が決定される。一方、助っ人である仲間のホームの県「青森県」のご当地アイテムをユーザが所持していれば(S117でYES)、ステップS118の場合よりも助っ人効果を向上させる(S119)。この場合、例えば前記の式(2)が適用され、ステップS118の場合よりも助っ人を含むユーザのチームの戦力が向上する。
その後、ゲームサーバ1は対戦を実行し(S120)、その実行結果としてのゲーム画面をユーザの端末装置3に表示される。
以上のように、本実施の形態のゲーム管理装置は、図24に示すように、主に基準エリア記憶制御手段71、位置取得手段72、移動検出手段73、アイテム管理手段74、仲間情報記憶制御手段81、仲間関係変動手段82を備え、ユーザの移動に応じて移動先のご当地アイテムの取得を可能とし、そのご当地アイテムの県をホームとする仲間との関係または仲間との関係により生じる効果を変動させることにより、興趣性の高いゲームを実現できる。
ところで、本実施の形態においても、同じ県を何度訪問しても、その県のご当地アイテムを取得できるのは1度だけとしてもよいし、同じ県を複数回訪問すれば、その県のご当地アイテムを複数回取得できるようにしてもよいが、以下には、同じご当地アイテムを複数回取得できる場合における好ましい構成例について説明する。
本実施の形態に係るゲーム管理装置の仲間関係変動手段82は、同一のエリア(県)に対応するご当地アイテムの取得回数が増えるほど、仲間との関係により生じる効果(助っ人効果等)を大きくする機能を有する。なお、前述のように、ある県のご当地アイテムを複数取得した場合、その県のご当地アイテムの個数が増えるようにしてもよいし、その県のご当地アイテムのレベルが向上するようにしてもよい。
例えば、対戦時に助っ人を依頼した仲間が、ユーザが取得しているご当地アイテムの県をホームにしている場合に、当該ご当地アイテムの取得回数が多いほど、助っ人効果がより大きくなる(すなわち、対戦時戦力がより向上する)。具体的には、前記の式(2)を適用して、助っ人を含めたユーザのチームの戦力値Puserを求める場合、対象となるご当地アイテムの取得回数が多いほど、式(2)中の変数aを大きくする。一例を挙げると、対象となるご当地アイテムの取得回数をn回とした場合、変数a=1.5+0.1×nとする。よって、助っ人を含めたユーザのチームの戦力値Puserは、下式(3)に示すように、対象となるご当地アイテムの取得回数nの関数として算出できる。
Puser=P0+(1.5+0.1×n)×Peffect ・・・(3)
上式(3)を適用すれば、ユーザの仲間のご当地アイテムの保有数(取得回数)に応じて、その仲間を助っ人とする協力対戦時の戦力(キャラクタの能力)を連続的に向上させることができる。なお、ユーザの仲間のご当地アイテムの保有数に応じて、その仲間を助っ人とする協力対戦時の戦力を段階的に向上させてもよい。例えば、対象となるご当地アイテムの保有数が1〜5、6〜10、11以上の場合、前記の式(2)中の変数aを、それぞれ1.5、2.0、2.5に設定する。
また、ユーザの仲間のご当地アイテムの保有数(取得回数)に応じて、その仲間との親密度の向上の程度が変化するようにしてもよい。例えば、ある県Bのご当地アイテムの保有数が1〜5、6〜10、11以上の場合、その県Bをホームとする仲間との親密度は、それぞれ1ランク向上、2ランク向上、3ランク向上となる。そして、このご当地アイテムの保有数(取得回数)に応じた親密度の向上の結果として、協力対戦時の戦力が段階的に向上するものとしてもよい。
また、バリエーションとして、ユーザが取得したご当地アイテムの県をホームとする仲間と挨拶等の交流をすれば、当該ご当地アイテムの取得個数が多いほど、交流により獲得できるポイントやアイテムが多くなるようにしてもよい。
以上のように、本構成では、同一のエリアに対応するエリア限定アイテムの取得回数に応じて、ご当地アイテムを取得した場合の助っ人効果等を変動させることにより、ゲームの興趣性をより高めることができる。
次に、バリエーションとして、ご当地アイテムに有効期限を設ける構成について説明する。この構成のゲームサーバ1は、図30に示すように、有効期限設定手段83を備えている。この有効期限設定手段83は、ユーザが取得したエリア限定アイテムに、所定の有効期限を設定する機能を有する。
ユーザがご当地アイテムを取得した場合、ユーザIDと対応づけて当該ご当地アイテムのアイテムIDがデータベースサーバ2に記憶される。このとき、アイテムIDとともに取得時間情報(ご当地アイテムを取得した日付等)も併せて記憶され、例えば取得から6か月といった有効期限が設けられる。これにより、ご当地アイテムを取得したメリットを享受するため、ユーザは、有効期限内に、当該ご当地アイテムの県をホームとする仲間と積極的に交流(対戦時の助っ人依頼等)を行おうとする動機付けを与えられる。
また、ゲームサーバ1は、ユーザが取得したご当地アイテムに設定された有効期限が切れる所定期間前(例えば10日前)になれば、その旨をユーザの端末装置3に報知し、ゲームへの関心を喚起する。
次に、ユーザがご当地アイテムを取得した場合のゲームサーバ1による報知について説明する。
図31に示すように、本実施の形態のゲームサーバ1は、図24に示す各手段の他に、第1報知手段84をさらに備えていることが好ましい。この第1報知手段84は、ユーザがご当地アイテムを取得した場合に、当該ご当地アイテムの県をホームとする仲間の情報を、当該ユーザに報知する機能を有する。
例えば、ユーザAが青森県のご当地アイテム「りんご」を取得した場合、青森県をホームとする仲間B(C、D…)がいることを、ユーザAの端末装置3の画面に表示させて、ユーザAに報知する。
ユーザAは自分の仲間のホームの県を把握しているとは限らない。そこで、ユーザAがご当地アイテムを取得したときに、そのご当地アイテムの県をホームとする仲間B(C、D…)がいることを報知することにより、ユーザAはその仲間Bに関心を持ち、対戦時にその仲間Bを助っ人に呼んだり、その仲間Bと挨拶等の交流をしたりすることが期待される。
また、図32に示すように、本実施の形態のゲームサーバ1は、図24に示す各手段の他に、第2報知手段85をさらに備えていることが好ましい。この第2報知手段85は、ユーザがご当地アイテムを取得したことを、当該ご当地アイテムの県をホームとする仲間に報知する機能を有する。
例えば、東京都がホームのユーザAが仲間B(C、D…)のホームの県「青森県」のご当地アイテム「りんご」を取得した場合、第2報知手段85は、その旨を仲間B(C、D…)の端末装置3の画面に表示させて、仲間B(C、D…)に報知する。その報知を受けて、仲間B(C、D…)が、ユーザAに関心を持つことが期待される。
また、前記第2報知手段85による報知を受けて(あるいはそれによらなくても)、仲間BがユーザAに関心を持ち、ユーザAのホームの東京都を訪れて東京都のご当地アイテムを取得することもある。この例のように、仲間関係にあるユーザAおよびユーザBが、互いに相手のホームの県のご当地アイテムを取得した場合、ユーザAまたはユーザBの一方のみが相手のホームの県のご当地アイテムを取得している場合よりも、ご当地アイテムによる効果が大きくなる(例えば、両者の親密度が向上したり、対戦時の助っ人効果が向上したりする)ようにすることが好ましい。
すなわち、仲間関係変動手段82は、ユーザおよびその仲間が互いに相手のホームの県のご当地アイテムを取得している場合に、ユーザのみが仲間のホームの県のご当地アイテムを取得している場合よりも、ご当地アイテムによる効果を大きくする機能を有する。
例えば、東京都がホームのユーザAと青森県がホームの仲間Bとの現在の親密度は、ランク2=友人であるものとする。また、この時点では、ユーザAおよび仲間Bは、何れも相手のホームの県のご当地アイテムを取得していないものとする。そして、ユーザAが青森県へ移動してご当地アイテム「りんご」を取得した場合、ユーザAと青森県の仲間Bとの親密度は、ユーザAがご当地アイテム「りんご」を取得する前のランク2=友人から、ランク3=親友へと向上する。さらにその後、仲間Bが東京都へ移動してご当地アイテム「スカイツリー」を取得した場合、ユーザAと仲間Bとの親密度は、ランク3=親友からランク4=相棒へと向上する。
また、ユーザおよびその仲間が互いに相手のホームの県のご当地アイテムを取得している場合に、対戦時にその仲間を助っ人に呼べば、ユーザのみが仲間のホームの県のご当地アイテムを取得している場合と比較して、助っ人効果が向上し、対戦時の戦力(キャラクタの能力)が高まるようにしてもよい。
これにより、仲間関係にある2人のユーザは、互いに相手のホームの県のご当地アイテムを取得するように動機付けられる。そして、互いに相手のホームの県のご当地アイテムを取得した仲間関係にある2人は、共に大きなメリットが生じるので、お互いに積極的に対戦協力の助っ人依頼等をして交流を深め、仲間どうしのつながりをより強くすることが期待できる。
また、本実施の形態においても、日常的な移動(自宅と通勤先との間の移動等)により特定のエリアのエリア限定アイテムを何度でも取得できてしまうような事態を効果的に回避するため、アイテム管理手段74が、ホームの県A以外の同一県B内にユーザが移動したことによってユーザが当該県Bのご当地アイテムを取得可能な回数を、所定期間内に所定回数以内に限定してもよい。但し、自宅と勤務地との往復をゲームに利用しようとするユーザに対しても、ある程度の許容を認め、例えば1週間に2回まで同一エリアのエリア限定アイテムを取得することを認めるとしてもよい。
ところで、ゲーム開始時に基準エリア(ホームの県)を登録する際に、ユーザが意図的に又は誤って、現実世界の自分の住所とは異なる県を登録することもあり得る。例えば、ゲーム開始時に、東京都在住のユーザが、意図的に、自分のホームの住所として北海道を登録することもあり得る。この対策としては、ユーザがホームの県を登録する際には、端末装置3のGPS機能等を利用し、位置取得手段72がユーザの現実世界の位置情報を取得する。そして、位置取得手段72が取得した位置情報に基づいて、基準エリア記憶制御手段71が、ユーザのホームの県を自動的に登録する構成が考えられる。この構成により、ユーザが、自分の現在位置とは関係のない任意の県を、自分のホームの住所として登録することを防止できる。
なお、ユーザがゲーム開始時に登録したホームの県から、別の県へ引っ越しすることもあり得る。そこで、ユーザは、端末装置3を操作して、自分のホームの県を修正することができるようにすることが好ましい。このホームの県の修正の際にも、位置取得手段72がユーザの現実世界の位置情報を取得するとともに、取得された位置情報に基づいて、基準エリア記憶制御手段71がユーザのホームの県を修正する構成が考えられる。
ただし、引っ越しをしたユーザの中には、ホームの県を修正する操作を行わないユーザもいると考えられる。また、端末装置3のGPS機能等を利用してユーザのホームの県を登録する構成を採用した場合にも、次のようなことが考えられる。すなわち、ユーザの現実の住所(例えば東京都)とは異なる場所、例えば「北海道」への旅行中に、ゲーム開始時のホームの登録(またはホーム修正)が行われる場合、端末装置3のGPS機能等を利用して取得された「北海道」を、ユーザのホームの県として登録してしまうこともあり得る。
そこで、以下には、位置取得手段72によって取得されたユーザの日々の現実世界の位置情報に基づいて、ユーザの基準エリアを自動修正する機能を備えたゲーム管理装置について説明する。
図33に示すように、本実施の形態のゲーム管理装置は、図24に示す各手段の他に、基準エリア修正手段91をさらに備えている。この基準エリア修正手段91は、図7のゲーム管理装置等に設けてもよい。この基準エリア修正手段91は、位置取得手段72によって取得されたユーザの位置情報に基づいて、基準エリア記憶制御手段71がデータベースサーバ2に記憶しているユーザの基準エリア(ホームの県)を自動修正する機能を有する。基準エリア修正手段91による基準エリアの自動修正の例を、以下に示す。
所定期間、例えば1か月間のユーザの位置情報(GPS位置情報等)の履歴に基づいて、1か月間のうちの所定日数以上(例えば1か月間のうちの以半分以上)が、登録されている基準エリア「北海道」と異なる同一のエリア「東京都」であった場合、基準エリア修正手段91が自動的に、当該ユーザの基準エリアを「東京都」に修正する。基準エリア修正手段91は、この自動修正処理を、所定期間毎、例えば1か月毎に、定期的に実行する。これにより、例えユーザが基準エリアとして登録しているホームの県に誤りがあったとしても、1か月以内には、ユーザの現実の位置情報に基づいて、正確に基準エリアが自動修正される。
自動修正の他の例としては、所定期間中(例えば1か月)のユーザの位置情報の履歴に基づいて、ユーザが最も多く滞在したエリア(県)を基準エリアとして認定し、必要に応じて基準エリアを自動修正する。
図8に例示するように、ユーザの現実世界の位置情報の履歴は、ユーザの端末装置3がゲームにアクセス(ゲームサーバ1にログイン)する毎に、データベースサーバ2に記憶されている。このユーザの位置情報の履歴を分析すれば、ユーザが日常的にどのエリア(県)を中心に滞在している(活動している)のかが認定できる。そして、ユーザの日常的な滞在の中心エリアと、現在設定されているユーザの基準エリアとが相違している場合に、基準エリア修正手段91が、ユーザの日常的な滞在の中心と認定したエリアを、基準エリアとして自動修正するのである。
本構成により、誤った基準エリアが登録されていても、ユーザの現実世界の位置情報に基づいて、正確に基準エリアが自動修正されるので、誤った基準エリアに基づいてご当地アイテムを取得可能としてしまうといった事態を効果的に回避できる。
〔ゲームシステムの他の構成例〕
前述の各実施の形態では、ゲーム実行プログラムがゲームサーバ1側に実装されており、各ユーザの端末装置3における入力操作に応じて、ゲームサーバ1がゲーム進行のための演算処理やデータ処理を実行し、その実行結果を反映させた画面データを端末装置3へ送信することによって、ゲームが進行するゲームシステムへの適用例について説明した。これはいわゆるクライアントサーバ型のゲームシステムであり、サーバ(ゲームサーバ1およびデータベースサーバ2)によってゲーム管理装置を構成する例である。この構成は、前述のように、ブラウザゲーム、ソーシャルゲーム、クラウドゲーミング等のサービスをユーザに提供するのに適した構成であるが、ゲーム管理装置の構成はこれに限定されない。
例えば、ゲームサーバ1が、各ユーザのゲーム情報を管理し、ゲーム内でのユーザ間の交流やオンライン対戦時のマッチング(対戦相手決定処理)等のゲームサービスをユーザに提供する一方、ゲームを進行させるゲーム実行処理については、基本的にはユーザの端末装置側にて行われるゲームシステムにも適用できる。
すなわち、ゲーム実行プログラムの一部または全部をユーザの端末装置側にダウンロードまたはインストールし、端末装置においてもゲーム実行処理が行われるようなゲームシステムにも適用できる。例えば、ユーザの端末装置が、インターネット通信、無線LAN通信、所定の周波数帯(例えば2.4GHzの周波数帯)を用いた近距離無線通信、または有線LAN通信などにより他のユーザの端末装置とピア・ツー・ピア接続し、ピア・ツー・ピア型のゲームを実行することも可能である。
そして、サーバと端末装置とは互いに通信して各種データの送受が可能であり、共にCPU、ROM、RAM、補助記憶装置、通信制御部等を備えた情報処理装置(コンピュータ)であって、同様のハード構成を有する。よって、サーバと端末装置とを含むゲームシステムにおいて、上述の各実施の形態で説明したゲーム管理装置が具備する各手段は、サーバ又は端末装置のいずれか一方が備えていればよい。すなわち、ゲーム管理装置は、互いに通信して各種データの送受を行うサーバおよび端末装置に設けられる構成とすることができ、前述の実施の形態と同様の作用効果を奏する。
例えば、図7ではゲームサーバ1が、基準エリア記憶制御手段71、位置取得手段72、移動検出手段73、アイテム管理手段74および効果変動手段75を備えていたが、図34、図35に例示するように、各手段の機能をサーバおよび端末装置の何れかに持たせることが可能である。ここで、図34、図35に示すサーバのハード構成は、図2に示したゲームサーバ1と同様であり、端末装置のハード構成は、図3に示した端末装置3と同様である。
図34には、サーバ101に基準エリア記憶制御手段71、位置取得手段72および移動検出手段73を設けるとともに、端末装置301にアイテム管理手段74および効果変動手段75を設ける構成例を示している。図35には、サーバ102に基準エリア記憶制御手段71および位置取得手段72を設けるとともに、端末装置302に移動検出手段73、アイテム管理手段74および効果変動手段75を設ける構成例を示している。なお、図34、図35はゲームシステムの構成の一例であり、他の構成も可能である。
また、図36に示すように、ゲーム端末(端末装置)303が、基準エリア記憶制御手段71、位置取得手段72、移動検出手段73、アイテム管理手段74および効果変動手段75を全て備えている構成とすることができる。すなわち、ゲーム管理装置をゲーム端末303それ自体に実装することができ、この場合も前述の実施の形態と同様の作用効果を奏する。この場合、サーバ103が、各ユーザのゲーム情報を管理し、対戦(任意試合)のマッチング等のゲームサービスをユーザに提供するが、その他の処理は全てゲーム端末303側で実行されるようにすることができる。あるいは、各ユーザのゲーム情報の管理も、各ユーザのゲーム端末303側で行い、サーバ103は対戦のマッチング等のゲームサービスをユーザに提供するだけとすることもできる。また、ゲーム端末303が、基準エリア記憶制御手段71、位置取得手段72、移動検出手段73、アイテム管理手段74および効果変動手段75を全て備えている構成では、スタンドアローンのゲーム端末303とすることもできるので、サーバ103は必須ではない。
また、同様に、図24ではゲームサーバ1が、基準エリア記憶制御手段71、位置取得手段72、移動検出手段73、アイテム管理手段74、仲間情報記憶制御手段81および仲間関係変動手段82を備えていたが、図37に例示するように、各手段の機能をサーバおよび端末装置の何れかに持たせることが可能である。図37では、サーバ104に仲間情報記憶制御手段81および仲間関係変動手段82を設けるとともに、端末装置304に基準エリア記憶制御手段71、位置取得手段72、移動検出手段73を設ける構成例を示している。なお、図37はゲームシステムの構成の一例であり、他の構成も可能である。
また、図38に示すように、ゲーム端末(端末装置)305が、基準エリア記憶制御手段71、位置取得手段72、移動検出手段73、アイテム管理手段74、仲間情報記憶制御手段81および仲間関係変動手段82を全て備えている構成とすることもできる。この場合、前述のとおり、スタンドアローンのゲーム端末305とすることもできるので、サーバ105は必須ではない。
また、前述のゲーム内容変動手段76、有効期限設定手段77・83、基準エリア修正手段91についても、サーバ側だけではなく、端末装置(ゲーム端末)側に設けることもできる。
〔その他の実施の形態〕
前述の実施の形態においては、ユーザが基準エリア外に移動してご当地アイテムを取得した場合、ユーザにとって(またはユーザとその仲間にとって)メリットが生じる例について説明したが、ご当地アイテムを取得したことによりデメリットが生じるようにしてもよい。
例えば、ユーザが基準エリア外に移動してご当地アイテムを取得する際に抽選が実行され、その抽選に当たればメリットが生じるご当地アイテムが取得できるが、その抽選に外れればデメリットが生じるご当地アイテムを取得してしまうようにすることもできる。この場合、メリットが発生するご当地アイテムの取得確率を、デメリットが発生するご当地アイテムの取得確率よりも高くする(例えば、メリットが発生する確率を90%、デメリットが発生する確率を10%とする)ことにより、ユーザが基準エリア外に移動することによりメリットが発生する可能性が高いとの期待感を持たせれば、ユーザが積極的に基準エリア外に移動してゲームを行うように仕向けることができる。
図7に示すゲーム管理装置の構成において、デメリットが生じるご当地アイテムをユーザが取得した場合、例えば、対戦時の相手(他のユーザ)が、当該ご当地アイテムの県をホームとしている場合に、ユーザのチームのキャラクタの能力が低下して対戦が不利になってしまうようにする。この場合、ユーザが対戦相手を選択する際に、対戦リストの中から、自分が所有しているご当地アイテム(デメリットを生じるもの)の県をホームとしない他のユーザを選んで対戦することによりデメリットを回避するといった戦略性が生まれる。
また、図24に示すゲーム管理装置の構成において、デメリットが生じるご当地アイテムをユーザが取得した場合、例えば、当該ご当地アイテムを持っていない場合よりも助っ人による戦力アップの効果が小さくなるというデメリットが発生するものとする。この場合、ユーザが対戦時に仲間の中から助っ人を選択する場合、自分が所有しているご当地アイテム(デメリットを生じるもの)の県をホームとしない仲間を選ぶことによりデメリットを回避するといった戦略性が生まれる。
ところで、各種情報を記憶装置に記憶する記憶制御機能を有する構成(基準エリア記憶制御手段71、仲間情報記憶制御手段81など)に関し、記憶装置そのものについては当該構成に含まれないので、ゲーム管理装置(またはゲームシステム)の内外を問わず、どこに設置されていてもよい。例えば、記憶装置は、ゲームサーバ1が有するRAM13や補助記憶装置14、データベースサーバ2、端末装置3が有するRAM33や補助記憶装置39、あるいはゲーム管理装置や端末装置とは別構成のファイルサーバ(オンラインストレージ)等であってもよい。
また、前述の各実施の形態で説明した各構成は、適宜組み合わせて適用することができる。
また、本実施の形態に係るコンピュータ読み取り可能なプログラムは、ハードディスク、光ディスク(CD−ROM、DVD−ROM等)、フレキシブルディスク、半導体メモリ等のコンピュータ読み取り可能な各種記録媒体に記録され、当該記録媒体から読み出されてサーバ、端末装置(ゲーム端末)のCPUにより実行される。また、プログラムをサーバ等に提供する手段は、前述した記録媒体に限定されるものではなく、インターネット等の通信ネットワークを介して行うこともできる。