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JP5673558B2 - 放射線画像撮影装置 - Google Patents

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Description

本発明は、放射線画像撮影装置に係り、特に、放射線の照射の開始等を検出することが可能な放射線画像撮影装置に関する。
照射されたX線等の放射線の線量に応じて検出素子で電荷を発生させて電気信号に変換するいわゆる直接型の放射線画像撮影装置や、照射された放射線をシンチレータ等で可視光等の他の波長の電磁波に変換した後、変換され照射された電磁波のエネルギに応じてフォトダイオード等の光電変換素子で電荷を発生させて電気信号に変換するいわゆる間接型の放射線画像撮影装置が種々開発されている。なお、本発明では、直接型の放射線画像撮影装置における検出素子や、間接型の放射線画像撮影装置における光電変換素子を、あわせて放射線検出素子という。
このタイプの放射線画像撮影装置はFPD(Flat Panel Detector)として知られており、従来は支持台(或いはブッキー装置)と一体的に形成されていたが(例えば特許文献1参照)、近年、放射線検出素子等をハウジングに収納した可搬型の放射線画像撮影装置が開発され、実用化されている(例えば特許文献2、3参照)。
ところで、これらの放射線画像撮影装置、特に可搬型の放射線画像撮影装置では、放射線照射装置やシステムを管理するコンピュータ等の外部装置から放射線画像撮影装置に放射線の照射の開始や終了の情報を送信し、それに応じて放射線画像撮影装置で放射線の照射終了後に各放射線検出素子からの画像データの読み出しを行うように構成される場合がある。
しかし、そのためには、放射線照射装置やコンピュータ等と放射線画像撮影装置とのインターフェースをとり、放射線照射装置やコンピュータ等を含むシステム全体で制御構成を構築しなければならず、放射線画像撮影装置が放射線の照射の開始や終了を認識するための構成が大掛かりになる。そのため、放射線の照射の開始や終了を放射線画像撮影装置自体で検出できるように構成することが望ましい。
その際、放射線画像撮影装置にセンサ等を配設して、センサで放射線の照射の開始や終了を検出するように構成することも可能であるが、放射線画像撮影装置内にセンサを配設するためのスペースが必要になり、装置が大型化してしまう。また、センサを設けると、センサを駆動する分だけ多くの電力を消費し、特に可搬型の放射線画像撮影装置では内蔵されたバッテリの消費を招いてしまう等の問題があった。
そこで、各放射線検出素子にバイアス電圧を印加するためのバイアス線を流れる電流を検出し、放射線の照射によって放射線検出素子内に電荷が発生するとバイアス線を流れる電流が増加することを利用して、その電流値の増減に基づいて放射線の照射の開始や終了を検出することが提案されている(特許文献4参照)。このように構成すれば、既存の配線等に電流検出手段を設けることで電力消費を抑制した状態で、かつ容易に放射線の照射の開始や終了を検出することが可能となる。
特開平9−73144号公報 特開2006−58124号公報 特開平6−342099号公報 米国特許第7211803号明細書
しかしながら、上記のようにバイアス線に電流検出手段を設けて、バイアス線を流れる電流値の増減に基づいて放射線の照射の開始等を検出するように構成すると、バイアス線を介して放射線検出素子に印加されるバイアス電圧に、電流検出手段で発生したノイズが重畳されて印加されるようになる。
そして、電流検出手段で発生した電圧のノイズが、コンデンサ状の構造を有する放射線検出素子の寄生容量CによりQ=CVの関係に従ってノイズ電荷に変換されて、放射線の照射により放射線検出素子内で発生した電荷すなわち画像データに重畳されてしまうため、ノイズ電荷の影響で、最終的に得られる放射線画像の画質、特にその粒状性が悪化してしまう等の問題が生じる虞れがある。
また、上記のような放射線画像撮影装置では、放射線画像の解像度を高くするために各放射線検出素子自体は小さく形成されるが、個々の放射線検出素子について見た場合、集光率をできるだけ高めるために、限られたスペースの中でフォトダイオード等の集光面の面積ができるだけ広くなるように設計される。そのため、放射線検出素子の寄生容量Cは比較的大きくなり、バイアス電圧のノイズが比較的大きなノイズ電荷に変換されて放射線検出素子内で発生した電荷(画像データ)に重畳されるため、最終的に得られる放射線画像の画質の低下がさらに増大する虞れがある。
放射線画像の画質が低下し、特にその粒状性が悪化すると、例えば、このような放射線画像を用いて診断を行うような場合に、病変を見落としたり、正常な部分を病変と見誤ったりして誤診を生じる等の不都合を生じる虞れがある。そのため、放射線画像撮影装置には、ノイズの影響ができるだけ排除された適切な画質の放射線画像が得られることが望まれる。
本発明は、上記の問題点を鑑みてなされたものであり、放射線の照射開始等を検出するための電流を検出する電流検出手段により発生するノイズの画像データに対する影響を低減させ、より適切な放射線画像を得ることが可能な放射線画像撮影装置を提供することを目的とする。
前記の問題を解決するために、本発明の放射線画像撮影装置は、
互いに交差するように配設された複数の走査線および複数の信号線と、前記複数の走査線および複数の信号線により区画された各領域に二次元状に配列された複数の放射線検出素子と、
前記放射線検出素子ごとに配置され、接続された前記走査線を介してオン電圧が印加されるとオン状態となって前記放射線検出素子内に蓄積された電荷を前記信号線に放出させ、接続された前記走査線を介してオフ電圧が印加されるとオフ状態となって前記放射線検出素子から前記信号線への電荷の放出を停止させるスイッチ手段と、
前記走査線を介して前記スイッチ手段にオン電圧およびオフ電圧を印加するゲートドライバと、前記ゲートドライバにオン電圧およびオフ電圧を供給する電源回路とを備える走査駆動手段と、
所定本数の前記走査線に接続され、前記各走査線を流れる電流を検出する電流検出手段と、
前記電流検出手段が検出した電流の値に基づいて少なくとも放射線の照射の開始を検出する制御手段と、
を備え、
前記制御手段は、前記走査駆動手段の前記ゲートドライバから印加する電圧をオン電圧とオフ電圧との間で切り替える前記走査線を順次切り替えさせながら行う、前記各放射線検出素子から残存する電荷を放出させるリセット処理の際に、前記電流検出手段が検出した電流の値に基づいて放射線の照射の開始を検出すると、前記ゲートドライバから全ての前記走査線にオフ電圧を印加させて前記各スイッチ手段をオフ状態とさせ、放射線の照射により前記各放射線検出素子内で発生した電荷を前記各放射線検出素子内に蓄積させることを特徴とする。
本発明のような方式の放射線画像撮影装置によれば、前述した従来の放射線画像撮影装置のようにバイアス線に電流検出手段を設けるのではなく、各走査線やそれらを結束した結束線に電流検出手段を設け、各走査線や結束線を流れる電流を検出するように構成した。
そのため、従来の放射線画像撮影装置のように各放射線検出素子に直接接続されたバイアス線に電流検出手段を設けた場合には、放射線画像撮影において放射線の照射により各放射線検出素子内で発生し蓄積される電荷(すなわち画像データ)に対して、電流検出手段で発生したノイズがノイズ電荷として重畳されてしまうが、本発明のような方式の放射線画像撮影装置では、各走査線や結束線に電流検出手段を設けたため、電流検出手段でノイズが発生するとしても、そのノイズは結束線や各走査線を介し、さらに各スイッチ手段を介して各放射線検出素子に到達する。
そして、各スイッチ手段の寄生容量は、各放射線検出素子自体の寄生容量に比べて相対的に非常に小さいため、放射線の照射により各放射線検出素子内で発生し蓄積される電荷すなわち画像データに対して電流検出手段で発生したノイズが仮にノイズ電荷として重畳されるとしても、そのノイズ電荷は非常に小さいものとなる。
そのため、本発明のような方式の放射線画像撮影装置によれば、電流検出手段により発生するノイズの画像データに対する影響を的確に低減させることが可能となり、検出された画像データに基づいて適切な放射線画像を生成することが可能となる。そして、このように放射線画像の画質の低下が的確に防止され、特にその粒状性の悪化が的確に防止されるため、例えば、このような放射線画像を用いて診断を行うような場合に、病変を見落としたり正常な部分を病変と見誤ったりして誤診を生じる等の不都合が生じることを的確に防止することが可能となる。
各実施形態に係る放射線画像撮影装置を示す斜視図である。 図1におけるX−X線に沿う断面図である。 本実施形態に係る基板の構成を示す平面図である。 図3の基板上の小領域に形成された放射線検出素子とTFT等の構成を示す拡大図である。 図4におけるY−Y線に沿う断面図である。 COFやPCB基板等が取り付けられた基板を説明する側面図である。 本実施形態に係る放射線画像撮影装置の等価回路を表すブロック図である。 検出部を構成する1画素分についての等価回路を表すブロック図である。 画像データの読み出し処理において走査線の各ラインに印加する電圧をオン電圧とオフ電圧との間で切り替えるタイミングを示すタイミングチャートである。 電流検出手段の構成を表す等価回路図である。 電流検出手段で検出される電流に相当する電圧値の一例を表すグラフである。 各放射線検出素子のリセット処理において走査線の各ラインに印加する電圧をオン電圧とオフ電圧との間で切り替えるタイミングを示すタイミングチャートである。 (A)リセット処理において走査線の1ラインに印加する電圧をオン電圧とオフ電圧との間で切り替えるタイミングを示すタイミングチャートであり、(B)電圧の切り替えの際に走査線の当該ラインに流れる電流を示すグラフである。 放射線画像撮影装置の変形例の等価回路を表すブロック図である。 リセット処理において走査線の1ラインおよび当該ラインに対応するスイッチ素子にそれぞれ印加する電圧をオン電圧とオフ電圧との間で切り替えるタイミングを示すタイミングチャートである。 リセット処理において走査線の各ラインおよび各ラインに対応する各スイッチ素子にそれぞれ印加する電圧をオン電圧とオフ電圧との間で切り替えるタイミングを示すタイミングチャートである。 図14の放射線画像撮影装置の変形例において電流検出手段で検出される電流に相当する電圧値、ノイズ電流に相当する電圧値および設定される閾値の例を表すグラフである。 図7の本実施形態に係る放射線画像撮影装置において電流検出手段で検出される電流に相当する電圧値および設定される閾値の例を表すグラフである。 走査線にオン電圧が印加されている最中に放射線の照射が開始された状態を説明するタイミングチャートである。 放射線検出素子のリセット処理と画像データの読み出し処理において走査線の各ラインにそれぞれ印加する電圧をオン電圧とオフ電圧との間で切り替えるタイミングの例を示すタイミングチャートである。 走査線の各ラインに接続された各放射線検出素子からの画像データの各ラインごとの最大値を表すグラフと、各最大値に基づいて変更された再度のリセット処理時のオン時間の例を示すタイミングチャートである。
以下、本発明に係る放射線画像撮影装置の実施の形態について、図面を参照して説明する。
なお、以下では、放射線画像撮影装置が、シンチレータ等を備え、照射された放射線を可視光等の他の波長の電磁波に変換して電気信号を得るいわゆる間接型の放射線画像撮影装置である場合について説明するが、本発明は、直接型の放射線画像撮影装置に対しても適用することが可能である。また、放射線画像撮影装置が可搬型である場合について説明するが、支持台等と一体的に形成された放射線画像撮影装置に対しても適用される。
図1は、本実施形態に係る放射線画像撮影装置の外観斜視図であり、図2は、図1のX−X線に沿う断面図である。本実施形態に係る放射線画像撮影装置1は、図1や図2に示すように、筐体2内にシンチレータ3や基板4等が収納された可搬型(すなわちいわゆるカセッテ型)の装置として構成されている。
筐体2は、少なくとも放射線の照射を受ける側の面R(以下、放射線入射面Rという。)が放射線を透過するカーボン板やプラスチック等の材料で形成されている。なお、図1や図2では、筐体2がフレーム板2Aとバック板2Bとで形成された、いわゆる弁当箱型である場合が示されているが、筐体2を一体的に角筒状に形成した、いわゆるモノコック型とすることも可能である。
また、図1に示すように、筐体2の側面部分には、電源スイッチ36や、LED等で構成されたインジケータ37、図示しないバッテリ40(後述する図7参照)の交換等のために開閉可能とされた蓋部材38等が配置されている。また、本実施形態では、蓋部材38の側面部には、外部装置と無線で通信するための通信手段であるアンテナ装置39が埋め込まれている。
なお、アンテナ装置39の設置位置は蓋部材38の側面部に限らず、放射線画像撮影装置1の任意の位置にアンテナ装置39を設置することが可能である。また、設置するアンテナ装置39は1個に限らず、複数設けることも可能である。さらに、画像データ等を外部装置に有線方式で送受信するように構成することも可能であり、その場合は、例えば、通信手段として、ケーブル等を差し込むなどして接続するための接続端子等が放射線画像撮影装置1の側面部等に設けられる。
また、図2に示すように、筐体2の内部には、基板4の下方側に図示しない鉛の薄板等を介して基台31が配置され、基台31には、電子部品32等が配設されたPCB基板33や緩衝部材34等が取り付けられている。なお、本実施形態では、基板4やシンチレータ3の放射線入射面Rには、それらを保護するためのガラス基板35が配設されている。
シンチレータ3は、基板4の後述する検出部Pに貼り合わされるようになっている。シンチレータ3は、例えば、蛍光体を主成分とし、放射線の入射を受けると300〜800nmの波長の電磁波、すなわち可視光を中心とした電磁波に変換して出力するものが用いられる。
基板4は、本実施形態では、ガラス基板で構成されており、図3に示すように、基板4のシンチレータ3に対向する側の面4a上には、複数の走査線5と複数の信号線6とが互いに交差するように配設されている。基板4の面4a上の複数の走査線5と複数の信号線6により区画された各小領域rには、それぞれ放射線検出素子7がそれぞれ設けられている。
このように、走査線5と信号線6で区画された各小領域rに二次元状に配列された複数の放射線検出素子7が設けられた領域r全体、すなわち図3に一点鎖線で示される領域が検出部Pとされている。
本実施形態では、放射線検出素子7としてフォトダイオードが用いられているが、この他にも例えばフォトトランジスタ等を用いることも可能である。各放射線検出素子7は、図3や図4の拡大図に示すように、スイッチ手段であるTFT8のソース電極8sに接続されている。また、TFT8のドレイン電極8dは信号線6に接続されている。
そして、TFT8は、後述する走査駆動手段15により、接続された走査線5にオン電圧が印加され、ゲート電極8gにオン電圧が印加されるとオン状態となり、放射線検出素子7内で発生し蓄積されている電荷を信号線6に放出させるようになっている。また、TFT8は、接続された走査線5にオフ電圧が印加され、ゲート電極8gにオフ電圧が印加されるとオフ状態となり、放射線検出素子7から信号線6への電荷の放出を停止し、放射線検出素子7内で発生した電荷を保持して、放射線検出素子7内に蓄積させるようになっている。
ここで、本実施形態における放射線検出素子7やTFT8の構造について、図5に示す断面図を用いて簡単に説明する。図5は、図4におけるY−Y線に沿う断面図である。
基板4の面4a上に、AlやCr等からなるTFT8のゲート電極8gが走査線5と一体的に積層されて形成されており、ゲート電極8g上および面4a上に積層された窒化シリコン(SiN)等からなるゲート絶縁層81上のゲート電極8gの上方部分に、水素化アモルファスシリコン(a−Si)等からなる半導体層82を介して、放射線検出素子7の第1電極74と接続されたソース電極8sと、信号線6と一体的に形成されるドレイン電極8dとが積層されて形成されている。
ソース電極8sとドレイン電極8dとは、窒化シリコン(SiN)等からなる第1パッシベーション層83によって分割されており、さらに第1パッシベーション層83は両電極8s、8dを上側から被覆している。また、半導体層82とソース電極8sやドレイン電極8dとの間には、水素化アモルファスシリコンにVI族元素をドープしてn型に形成されたオーミックコンタクト層84a、84bがそれぞれ積層されている。以上のようにしてTFT8が形成されている。
また、放射線検出素子7の部分では、基板4の面4a上にゲート絶縁層81と一体的に形成される絶縁層71の上にAlやCr等が積層されて補助電極72が形成されており、補助電極72上に第1パッシベーション層83と一体的に形成される絶縁層73を挟んでAlやCr、Mo等からなる第1電極74が積層されている。第1電極74は、第1パッシベーション層83に形成されたホールHを介してTFT8のソース電極8sに接続されている。
第1電極74の上には、水素化アモルファスシリコンにVI族元素をドープしてn型に形成されたn層75、水素化アモルファスシリコンで形成された変換層であるi層76、水素化アモルファスシリコンにIII族元素をドープしてp型に形成されたp層77が下方から順に積層されて形成されている。
放射線画像撮影装置1の筐体2の放射線入射面Rから放射線が入射し、シンチレータ3で可視光等の電磁波に変換され、変換された電磁波が図中上方から照射されると、電磁波は放射線検出素子7のi層76に到達して、i層76内で電子正孔対が発生する。放射線検出素子7は、このようにして、シンチレータ3から照射された電磁波を電荷に変換するようになっている。
また、p層77の上には、ITO等の透明電極とされた第2電極78が積層されて形成されており、照射された電磁波がi層76等に到達するように構成されている。本実施形態では、以上のようにして放射線検出素子7が形成されている。なお、p層77、i層76、n層75の積層の順番は上下逆であってもよい。また、本実施形態では、放射線検出素子7として、上記のようにp層77、i層76、n層75の順に積層されて形成されたいわゆるpin型の放射線検出素子を用いる場合が説明されているが、これに限定されない。
放射線検出素子7の第2電極78の上面には、第2電極78を介して放射線検出素子7にバイアス電圧を印加するバイアス線9が接続されている。なお、放射線検出素子7の第2電極78やバイアス線9、TFT8側に延出された第1電極74、TFT8の第1パッシベーション層83等、すなわち放射線検出素子7とTFT8の上面部分は、その上方側から窒化シリコン(SiN)等からなる第2パッシベーション層79で被覆されている。
図3や図4に示すように、本実施形態では、それぞれ列状に配置された複数の放射線検出素子7に1本のバイアス線9が接続されており、各バイアス線9はそれぞれ信号線6に平行に配設されている。また、各バイアス線9は、基板4の検出部Pの外側の位置で1本の結線10に結束されている。
本実施形態では、図3に示すように、各走査線5や各信号線6、バイアス線9の結線10の一端側は、それぞれ基板4の端縁部付近に設けられた入出力端子(パッドともいう)11に接続されている。また、本実施形態では、各走査線5の他端側は、それぞれTFTで構成されたスイッチ素子23のソース電極23sに接続されている。
また、本実施形態では、各スイッチ素子23のドレイン電極23dは、1本の結束線24に結束されており、結束線24の一端側は、入出力端子11に接続されている。また、各スイッチ素子23のゲート電極23gも、それぞれ入出力端子11に接続されている。
各入出力端子11には、図6に示すように、後述する走査駆動手段15のゲートドライバ15bとして機能するゲートIC12a等のチップが組み込まれたCOF(Chip On Film)12が異方性導電接着フィルム(Anisotropic Conductive Film)や異方性導電ペースト(Anisotropic Conductive Paste)等の異方性導電性接着材料13を介して接続されている。
また、COF12は、基板4の裏面4b側に引き回され、裏面4b側で前述したPCB基板33に接続されるようになっている。このようにして、放射線画像撮影装置1の基板4部分が形成されている。なお、図6では、電子部品32等の図示が省略されている。
ここで、放射線画像撮影装置1の回路構成について説明する。図7は本実施形態に係る放射線画像撮影装置1の等価回路を表すブロック図であり、図8は検出部Pを構成する1画素分についての等価回路を表すブロック図である。
前述したように、基板4の検出部Pの各放射線検出素子7は、その第2電極78にそれぞれバイアス線9が接続されており、各バイアス線9は結線10に結束されてバイアス電源14に接続されている。バイアス電源14は、結線10および各バイアス線9を介して各放射線検出素子7の第2電極78にそれぞれバイアス電圧を印加するようになっている。
また、本実施形態では、放射線検出素子7のp層77側(図5参照)に第2電極78を介してバイアス線9が接続されていることからも分かるように、バイアス電源14からは、放射線検出素子7の第2電極78にバイアス線9を介してバイアス電圧として放射線検出素子7の第1電極74側にかかる電圧以下の電圧(すなわちいわゆる逆バイアス電圧)が印加されるようになっている。
本実施形態では、バイアス電源14は、後述する制御手段22に接続されており、制御手段22は、バイアス電源14から各放射線検出素子7に印加するバイアス電圧を必要に応じて可変させるようになっている。
各放射線検出素子7の第1電極74はTFT8のソース電極8s(図7、図8中ではSと表記されている。)に接続されており、各TFT8のゲート電極8g(図7、図8中ではGと表記されている。)は、後述する走査駆動手段15のゲートドライバ15bに一端側が接続された各走査線5の各ラインL1〜Lxにそれぞれ接続されている。また、各TFT8のドレイン電極8d(図7、図8中ではDと表記されている。)は各信号線6にそれぞれ接続されている。
走査駆動手段15は、図7に示すように、電源回路15aとゲートドライバ15bとを備えており、ゲートドライバ15bに接続されている各走査線5を介してTFT8のゲート電極8gに印加するオン電圧およびオフ電圧を制御するようになっている。本実施形態では、電源回路15aは、ゲートドライバ15bに対して各走査線5を介してTFT8のゲート電極8gに印加するオン電圧およびオフ電圧を供給するようになっている。また、ゲートドライバ15bは、前述したゲートIC12aが複数並設されて形成されており、パルス幅変調(Pulse Width Modulation:PWM)等により各走査線5に印加するオン電圧のパルス幅等を変調できるようになっている。
また、走査線5の各ラインL1〜Lxの他端側には、前述したスイッチ素子23のソース電極23sやスイッチ制御手段44、電流検出手段43等が設けられているが、これらの構成等については後で説明する。
各信号線6は、読み出しIC16内に形成された各読み出し回路17にそれぞれ接続されている。なお、読み出しIC16には所定個数の読み出し回路17が設けられており、読み出しIC16が複数設けられることにより、信号線6の本数分の読み出し回路17が設けられるようになっている。
読み出し回路17は、増幅回路18と、相関二重サンプリング(Correlated Double Sampling)回路19と、アナログマルチプレクサ21と、A/D変換器20とで構成されている。なお、図7、図8中では、相関二重サンプリング回路19はCDSと表記されている。また、図8中では、アナログマルチプレクサ21は省略されている。
本実施形態では、増幅回路18はチャージアンプ回路で構成されており、オペアンプ18aと、オペアンプ18aにそれぞれ並列にコンデンサ18bおよび電荷リセット用スイッチ18cが接続されて構成されている。また、増幅回路18のオペアンプ18aの入力側の反転入力端子には信号線6が接続されており、増幅回路18の入力側の非反転入力端子には基準電位Vが印加されるようになっている。なお、基準電位Vは適宜の値に設定され、本実施形態では、例えば0[V]が印加されるようになっている。
また、増幅回路18の電荷リセット用スイッチ18cは、後述する制御手段22に接続されており、制御手段22によりオン/オフが制御されるようになっている。電荷リセット用スイッチ18cがオフの状態で、放射線検出素子7のTFT8がオン状態とされると(すなわち、TFT8のゲート電極8gに走査線5を介してオン電圧が印加されると)、放射線検出素子7から放出された電荷がコンデンサ18bに流入して蓄積され、蓄積された電荷量に応じた電圧値がオペアンプ18aの出力端子から出力されるようになっている。増幅回路18は、このようにして、各放射線検出素子7から出力された電荷量に応じて電圧を出力して電荷電圧変換して増幅するようになっている。
また、電荷リセット用スイッチ18cをオン状態とすることにより、増幅回路18の入力側と出力側とが短絡されてコンデンサ18bに蓄積された電荷が放電されて増幅回路18をリセットすることができるようになっている。なお、増幅回路18を、放射線検出素子7から出力された電荷に応じて電流を出力するように構成することも可能である。また、増幅回路18には、バッテリ41に接続された電源供給部18dから増幅回路18を駆動するための電力が供給されるようになっている。
また、増幅回路18の出力側には、相関二重サンプリング回路(CDS)19が接続されている。相関二重サンプリング回路19は、本実施形態では、サンプルホールド機能を有しており、制御手段22からの1回目および2回目のパルス信号を受信した時点でそれぞれ増幅回路18が出力している電圧値をサンプルホールドして、それらの電圧値の差分値を下流側に出力するようになっている。
例えば、相関二重サンプリング回路19は、各放射線検出素子7からの画像データの読み出し時には、読み出し開始前に制御手段22から1回目のパルス信号を受信すると、その時点で増幅回路18から出力されている電圧値を保持し、放射線の照射により各放射線検出素子7内で発生し蓄積された電荷が各放射線検出素子7から信号線6に放出され、その電荷がコンデンサに流入して蓄積された時点で制御手段22から2回目のパルス信号を受信すると、その時点で再び増幅回路18から出力されている電圧値を保持して、それらの電圧値の差分値を下流側に画像データとして出力するようになっている。
相関二重サンプリング回路19から出力された各放射線検出素子7の画像データは、アナログマルチプレクサ21に送信され、アナログマルチプレクサ21から順次A/D変換器20に送信される。そして、A/D変換器20で順次デジタル値の画像データに変換されて記憶手段43に出力されて順次保存されるようになっている。
制御手段22は、図9に示すように、このようにして走査駆動手段15のゲートドライバ15bから1ライン目の走査線5にオン電圧を印加させ、その走査線5に接続されているTFT8をオン状態としてTFT8を介して各放射線検出素子7から電荷を各信号線6に放出させて各放射線検出素子7からの画像データの読み出しを行う。そして、走査線5の当該ラインに印加されている電圧をオフ電圧に切り替えさせ、続いて、次のラインの走査線5にオン電圧を印加させて、同様にして次の走査線5にTFT8を介して接続されている各放射線検出素子7からの画像データの読み出しを行う。
制御手段22は、このようにして、走査駆動手段15のゲートドライバ15bからオン電圧を印加する走査線5のラインLを順次切り替えさせ、オン状態とするTFT8を順次切り替えながら、各放射線検出素子7からの画像データの読み出し処理を行うようになっている。
制御手段22は、図示しないCPU(Central Processing Unit)やROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、入出力インターフェース等がバスに接続されたマイクロコンピュータやFPGA(Field Programmable Gate Array)等により構成されている。専用の制御回路で構成されていてもよい。そして、制御手段22は、放射線画像撮影装置1の各部材の動作等を制御するようになっている。また、制御手段22には、DRAM(Dynamic RAM)等で構成される記憶手段40が接続されている。
また、本実施形態では、制御手段22には、前述したアンテナ装置39が接続されており、さらに、検出部Pやバイアス電源14、走査駆動手段15、読み出し回路17、電源供給部41、記憶手段40等の各部材に電力を供給するためのバッテリ41が接続されている。このように、バッテリ41は、放射線画像撮影装置1のハウジング2内に内蔵されており、バッテリ41には、外部装置からバッテリ41に電力を供給してバッテリ41を充電する際の接続端子42が取り付けられている。
前述したように、制御手段22は、バイアス電源14を制御してバイアス電源14から各放射線検出素子7に印加するバイアス電圧を設定したり、読み出し回路17の増幅回路18の電荷リセット用スイッチ18cのオン/オフを制御したり、相関二重サンプリング回路19にパルス信号を送信して、そのサンプルホールド機能のオン/オフを制御する等の各種の処理を実行するようになっている。
また、制御手段22は、各放射線検出素子7のリセット処理時や放射線画像撮影後の各放射線検出素子7からの画像データDの読み出し時に、走査駆動手段15に対して、走査駆動手段15のゲートドライバ15bから各走査線5を介して各TFT8のゲート電極8gに印加する電圧をオン電圧とオフ電圧との間で切り替えさせるためのパルス信号を送信するようになっている。
一方、本実施形態では、走査線5の各ラインL1〜Lxのゲートドライバ15bが接続された端部とは反対側の端部には、前述したスイッチ素子23のソース電極23sがそれぞれ接続されており、各スイッチ素子23のドレイン電極23dは、1本の結束線24に結束されていて、結束線24の一端側には電流検出手段43が接続されている。すなわち、本実施形態では、走査線5の各ラインL1〜Lxは、各スイッチ素子23を介して結束線24に結束されて電流検出手段43に接続されている。
なお、スイッチ素子23等は、必ずしも走査線5の各ラインL1〜Lxのゲートドライバ15bが接続された端部とは反対側の端部に形成される必要はなく、例えば、走査線5の各ラインL1〜Lxのゲートドライバ15bが接続された端部側からそれぞれ配線を引き出して各配線にスイッチ素子23を設けて、それらを結束線24で結束するように構成することも可能であり、スイッチ素子23等を走査線5の各ラインL1〜Lxの任意の位置に設けることが可能である。
電流検出手段43は、各放射線検出素子7のリセット処理の際に、各走査線5すなわちそれらの結束線24を流れる電流を検出するようになっている。
本実施形態では、電流検出手段43は、例えば図10に示すように、各走査線5の結束線24に直列に接続され所定の抵抗値を有する抵抗器43aと、各入力側端子が抵抗器43aの両端子にそれぞれ接続された差動アンプ43b等を備えて構成されている。差動アンプ43bには、電源供給手段43cから電力が供給されるようになっている。なお、電流検出手段43に備えられる抵抗器43aとしては、結束線24中を流れる電流を適切な電圧値Vに変換可能な抵抗値を有する抵抗器が用いられる。また、例えば、抵抗器43aに並列に図示しないダイオード等を接続するように構成することも可能である。
また、抵抗器43aには、それと並列に、電流検出手段43による電流検出が不要の際に抵抗器43aの両端子間を必要に応じて短絡するためのスイッチ43dが設けられている。さらに、抵抗器43aの結束線24が接続された側の端部とは反対側の端部には、一定電圧を供給する電源43eが接続されている。なお、この電源43eは、電源供給手段43cと同じ電源回路を用いたり、走査駆動手段15の電源回路15aを用いるように構成することも可能であり、また、電源43eの代わりにアースとすることも可能であり、適宜設計可能である。
このように構成された電流検出手段43では、スイッチ43dがオフの状態で、結束線24中を流れる電流により抵抗器43bの両端子間に発生した電圧Vを差動アンプ43bで測定し、結束線24中を流れる電流を電圧値Vに変換して検出して制御手段22に出力するようになっている。
放射線画像撮影装置1に対する放射線の照射が開始されると走査線5や結束線24を流れる電流が増加し、電流検出手段43で検出される結束線24中を流れる電流に相当する電圧値Vが上昇するため、電流検出手段43が検出した走査線5や結束線24中を流れる電流に相当する電圧値Vが上昇したことに基づいて少なくとも放射線の照射開始を検出することができる。
そこで、本実施形態では、制御手段22は、各放射線検出素子7のリセット処理の際に、電流検出手段43が検出した電流の値、すなわちそれに相当する電圧値Vを監視し、電圧値Vに基づいて少なくとも放射線の照射の開始を検出するようになっている。
ここで、放射線画像撮影装置1に対して放射線が照射されると、走査線5や結束線24を流れる電流が増加する理由について説明する。
前述したように、放射線画像撮影装置1に放射線の照射が開始されると、放射線画像撮影装置1に入射した放射線がシンチレータ3で可視光等の電磁波に変換され、変換された電磁波が直下の放射線検出素子7のi層76(図5参照)に到達して、放射線検出素子7のi層76内で電子正孔対が発生する。そのため、放射線検出素子7内では、第2電極78に対する第1電極74の電位が変化する。
本実施形態では、第2電極78にはバイアス電源14からバイアス線9を介して所定の負の値のバイアス電圧Vbiasが印加されていて電位が固定されており、i層76内で発生した電子正孔対のうち、正孔が第2電極78側に移動し、電子が第1電極74側に移動するため、第1電極74側の電位が下がる。そして、放射線検出素子7の第1電極74側の電位が下がると、図8に示したTFT8のソース電極8s(図8中ではSと表記されている。)側の電位がそれに伴って下がる。
また、TFT8では、ゲート電極8gとソース電極8sとそれらの間の絶縁層71(図5参照)とで一種のコンデンサが形成されており、ゲート電極8gとソース電極8sとの間に寄生容量が存在している。そして、所定のオフ電圧が印加されており電位が変わらないTFT8のゲート電極8gに対して、TFT8のソース電極8s側の電位が下がると、TFT8のゲート電極8gとソース電極8sとの電位差が変化する。
そのため、変化した電位差に対応する電荷が走査線5を通ってTFT8のゲート電極8gに供給される。すなわち、走査線5の各ラインL1〜Lx中を電流が流れる。そして、この走査線5の各ラインL1〜Lx中を流れる電流が結束線24に集まって結束線24中を流れるのである。
実際、放射線画像撮影装置1に対する放射線の照射が開始されると、図11に示すように、放射線の照射が開始された時刻tbで、電流検出手段43の差動アンプ43bから出力される、結束線24中を流れる電流に相当する電圧値Vが急激に増加する。そのため、本実施形態では、制御手段22は、電流検出手段43から出力される電圧値Vが増加し、例えば、予め設定された閾値Vthを越えた場合(図11の時刻tc参照)や、電圧値Vの増加率が予め設定された閾値を越えた場合(時刻td参照)等に、放射線の照射の開始を検出するようになっている。
なお、放射線画像撮影装置1に放射線が照射されない状態でも、放射線検出素子7の熱による熱励起等により各放射線検出素子7内で暗電荷が発生するため、図11における時刻taに示されるように、放射線画像撮影装置1に放射線が照射される以前においても、電流検出手段43から微量ではあるが0[V]でない電圧値Vaが出力される場合がある。
また、放射線の照射が終了すると、放射線検出素子7内での電子正孔対の発生が止まるため、各走査線5中を電流が流れなくなる。そのため、後述するように、スイッチ素子23(図7参照)を放射線の照射開始後もオン状態のまま維持するように構成する場合には、図11に示すように、例えば時刻teで放射線の照射が終了したとすると、電流検出手段43で検出される結束線24中を流れる電流に相当する電圧値Vが、時刻te以後、急激に減少することが観察される。
そこで、上記のように、放射線の照射開始後もスイッチ素子23をオン状態のまま維持するように構成し、制御手段22で、電流検出手段41から出力された電流に相当する電圧値Vが減少して予め設定された閾値Vthを下回った場合(時刻tf参照)や、電圧値Vの減少率が予め設定された閾値を下回った場合(時刻tg参照)等に、放射線の照射が終了したことを検出するように構成することも可能である。
制御手段22は、放射線画像撮影において、放射線画像撮影装置1に放射線が照射されて各放射線検出素子7内で発生して蓄積された電荷すなわち画像データをできるだけ正確に取得するために、放射線画像撮影の前に、各放射線検出素子7内に残存している余分な電荷を各放射線検出素子7から放出させるリセット処理を行わせるようになっている。
具体的には、制御手段22は、図12に示すように、各放射線検出素子7のリセット処理では、図9に示した各放射線検出素子7からの画像データの読み出し処理時と同様に、各TFT8のオン/オフのタイミング、すなわち走査駆動手段15のゲートドライバ15bから走査線5の各ラインL1〜Lxごとにオン電圧を印加するタイミングを順次切り替えながら、各放射線検出素子7のリセット処理を行い、各放射線検出素子7内に残存している電荷を順次信号線6およびその下流側に放出させるようになっている。
なお、図12では、走査線5の最終ラインLxに印加する電圧をオン電圧からオフ電圧に切り替えて1画面分の各放射線検出素子7のリセット処理のシーケンスを終了すると、続いて、すぐに次のシーケンスに移って走査線5の1番目のラインL1へのオン電圧の印加が行われる場合が示されているが、走査線5の最終ラインLxへのオン電圧の印加が終了した後、所定時間のインターバルをおいた後で次のシーケンスに移り、走査線5の1番目のラインL1から順にオン電圧の印加を再開するように構成することも可能である。
また、図12では、各放射線検出素子7のリセット処理時に走査線5の各ラインL1〜Lxにオン電圧を印加する時間間隔が、各放射線検出素子7からの画像データの読み出し処理時と同じ時間間隔とされている場合が示されているが、必ずしも同じ時間間隔とする必要はなく、適宜の時間間隔に設定される。
本発明では、各放射線検出素子7のリセット処理を行いながら、上記のように走査線5の各ラインL1〜Lxを流れ、結束線24を流れる電流に相当する電圧値Vを電流検出手段43で検出し、制御手段22は、電流検出手段43が検出した電流に相当する電圧値Vを監視し、電圧値Vに基づいて少なくとも放射線の照射の開始を検出するようになっている。
ところで、本発明者らの研究では、各放射線検出素子7のリセット処理の際に、走査駆動手段15のゲートドライバ15bから走査線5の各ラインLnに印加する電圧を図13(A)に示すようにオン電圧とオフ電圧との間で切り替えると、同図にAで示すように電圧をオフ電圧からオン電圧に切り替えた瞬間や、同図にBで示すように電圧をオン電圧からオフ電圧に切り替えた瞬間に、図13(B)に示すように走査線5のラインLnに瞬間的に電流Iが流れることが分かっている。
このように、走査駆動手段15のゲートドライバ15bから走査線5の各ラインLnに印加する電圧を切り替える際に走査線5のラインLnに瞬間的に電流Iが流れる理由は、以下のように考えられている。
すなわち、走査線5の1本のラインLnは、図3や図7に示したように、複数の信号線6と図示を省略した絶縁層を介して交差している。そのため、走査線5と信号線6との交差部分には、走査線5と信号線6とそれらの間に介在する絶縁層とで一種のコンデンサ状の構造が形成されており、走査線5と信号線6との交差部分には寄生容量が生じている。そして、それが走査線5の1本のラインLnと交差する信号線6の本数分生じる。
ここで、上記のコンデンサ状の構造の部分の寄生容量をcとすると、例えば、走査線5のラインLnにオフ電圧Voffが印加されており、信号線6に初期電圧V(例えば0[V])が印加されている状態では、コンデンサ状の構造の走査線5や信号線6の部分には、絶対値が、
q=c×|V−Voff| …(1)
の電荷がそれぞれ既に蓄積されている。
そして、走査線5のラインLnにオフ電圧Voffが印加されており、信号線6に電圧Vが印加されている状態が維持されていれば、それぞれのコンデンサ状の構造部分に蓄積される電荷qは変動しないため、走査線5のラインLnには電流Iは流れない。すなわち、図13(B)に示したように、電流I=0[A]の状態が続く。
しかし、走査線5のラインLnに印加される電圧がオフ電圧Voffからオン電圧Vonに変化すると、コンデンサ状の構造の部分の走査線5や信号線6にそれぞれ蓄積される電荷が、電荷qから、絶対値が
=c×|Von−V| …(2)
の電荷に変化する。
そのため、コンデンサ状の構造の部分の走査線5や信号線6には、1個のコンデンサ状の構造あたり、それぞれ、
Δq=q−q
=c×|Von−Voff| …(3)
の電荷Δqが流入し或いは流出する。そして、走査線5のラインLn上では、走査線5のラインLnと交差する信号線6の本数分(以下m本とする。)だけ上記の電荷Δqが流入、流出するため、走査線5のラインLnに印加する電圧をオフ電圧Voffからオン電圧Vonに切り替えた瞬間(図13(A)のA参照)に、走査線5のラインLnにm×Δqの電荷に相当する電流Iが流れる。
寄生容量cは、通常、非常に小さいため、この電荷Δqの流入、流出は早急に完了し、そのため、電流Iが流れる期間は非常に短くなり、電流Iが瞬間的に流れる状態となる。これは、走査線5のラインLnに印加する電圧をオン電圧Vonからオフ電圧Voffに切り替えた瞬間(図13(A)のB参照)も同様であり、切り替えた瞬間に、走査線5のラインLnにm×(−Δq)の電荷に相当する電流Iが瞬間的に流れる。
このように、走査線5の各ラインLnに印加する電圧をオフ電圧Voffからオン電圧Vonに切り替えた瞬間(図13(A)のA参照)やオン電圧Vonからオフ電圧Voffに切り替えた瞬間(B参照)に、走査線5の各ラインLnにそれぞれ図13(B)に示したような電流Iが生じる。そして、これは、上記のように、主に走査線5と信号線6との交差部分に形成されるコンデンサ状の構造部分の寄生容量cが原因と考えられている。以下、走査線5の各ラインLnに印加する電圧の切り替えに伴って瞬間的に流れる電流Iを、ノイズ電流Iという。
図3や図7に示した本実施形態のようにスイッチ素子23を設けず、走査線5の各ラインL1〜Lxが結束線24に直接結束されているとすると、各放射線検出素子7のリセット時のノイズ電流Iは、結束線24にも流れ込む。
そして、上記のように、本実施形態では、各放射線検出素子7のリセット処理を行いながら電流検出手段43で結束線24を流れる電流に相当する電圧値Vを検出するため、ノイズ電流Iも電流検出手段43でそれに相当する電圧値Vに変換されて検出される。そのため、制御手段22が、放射線画像撮影装置1に対して放射線の照射が開始されたと誤検出してしまう可能性がある。
しかし、本実施形態では、図12に示したように、走査駆動手段15のゲートドライバ15bから走査線5の各ラインL1〜Lxごとにオン電圧を印加するタイミングを順次切り替えながら各放射線検出素子7のリセット処理を行うため、電流検出手段43には、走査線5の1ラインLn分のノイズ電流Iしか流れない。
つまり、走査線5のラインLnに印加する電圧がオン電圧とオフ電圧との間で切り替えられる間は、走査線5の他のラインLに印加される電圧はオフ電圧に維持されているため、走査線5のラインLnでは上記のノイズ電流Iが発生するが、走査線5の他のラインLではその瞬間にはノイズ電流Iは発生しない。そのため、走査線5の複数のラインLのノイズ電流Iが合わさって結束線24を流れることはなく、電流検出手段43には走査線5の1ラインLn分のノイズ電流Iしか流れない。
従って、走査線5の1ラインLn分のノイズ電流Iが、放射線画像撮影装置1に対する放射線の照射により結束線24中を流れる電流(すなわちそれに相当する電圧値V(図11参照))に比べて十分に小さい場合には、例えば、前述した電流検出手段43から出力される電圧値Vに対して予め設定される閾値Vthを、例えば後述する図17に示すように、走査線5の1ライン分のノイズ電流Iに相当する電圧値Vよりも大きな値に予め設定すればよい。
そして、このように構成すれば、本実施形態のようにスイッチ素子23を設けなくてもよく、例えば図14に示すように、走査線5の各ラインL1〜Lxを結束線24に直接結束するように構成することが可能となる。そして、制御手段22が、ノイズ電流Iに相当する電圧値Vに基づいて放射線画像撮影装置1に対する放射線の照射開始を誤検出することを確実に防止することが可能となる。
また、走査線5の各ラインL1〜Lxを結束線24に直接結束されているため、放射線画像撮影装置1に対する放射線の照射に伴って走査線5の各ラインL1〜Lxを流れる電流が確実に結束線24に集まって流れるため、結束線24を流れる電流が大きくなる。そのため、制御手段22は、結束線24中を流れる電流に相当する電圧値Vが予め設定された閾値Vthを越えたことをもって放射線画像撮影装置1に対する放射線の照射開始を的確に検出することが可能となる。
一方、放射線画像撮影装置1に対する放射線の照射により結束線24中を流れる電流に比べて、走査線5の1ラインLn分のノイズ電流Iが相対的に大きく、閾値Vthによってノイズ電流Iに相当する電圧値Vと、放射線画像撮影装置1に対する放射線の照射により生じる電流に相当する電圧値Vとを必ずしも明確に切り分けることができない場合や、或いは、電流検出手段43が検出した結束線24中を流れる電流に相当する電圧値Vの増加率が予め設定された閾値を越えた場合に放射線の照射の開始を検出するように構成されている場合には、制御手段22がノイズ電流Iに基づいて放射線画像撮影装置1に対する放射線の照射開始を誤検出することを防止するための新たな機構が必要になる。
本実施形態では、このような誤検出を防止するために、図7に示したように、走査線5の各ラインL1〜Lxのゲートドライバ15bが接続された端部と結束線24との間に、それぞれスイッチ素子23が設けられている。すなわち、前述したように、走査線5の各ラインL1〜Lxのゲートドライバ15bが接続された端部とは反対側の端部は、スイッチ素子23のソース電極23sがそれぞれ接続されており、各スイッチ素子23のドレイン電極23dが結束線24に結束されている。
そして、各スイッチ素子23のゲート電極23gには、スイッチ制御手段44の各端子がそれぞれ接続されている。本実施形態では、スイッチ制御手段44は、前述した走査駆動手段15のゲートドライバ15bと同様のゲートドライバで構成されており、前述したゲートIC12a(図6参照)で構成されている。また、本実施形態では、スイッチ制御手段44には、走査駆動手段15の電源回路15aからオン電圧およびオフ電圧が供給されるようになっている。なお、スイッチ制御手段44の電源を、走査駆動手段15の電源回路15aとは別体の電源とすることも可能である。
スイッチ制御手段44は、制御手段22からの指示に基づいて、各走査線5と電流検出手段43との間にそれぞれ設けられたスイッチ素子23のゲート電極23gにオン電圧やオフ電圧を印加して各スイッチ素子23のオン/オフ動作を制御するようになっている。そして、スイッチ素子23は、オン状態とされると対応する走査線5と電流検出手段43とを結束線24を介して接続させ、オフ状態とされると両者の接続を解除するようになっている。
なお、以下では、走査線5のラインLnに対応する各スイッチ素子23、すなわち、走査線5のラインLnのゲートドライバ15bが接続された端部とは反対側の端部に接続されたスイッチ素子23を、スイッチ素子23(n)と表す。
以下、本実施形態における制御手段22による各放射線検出素子7のリセット処理や各スイッチ素子23のオン/オフ制御、および放射線の照射開始を検出した場合の処理等について説明する。
本実施形態では、制御手段22は、前述したように(図12参照)、走査駆動手段15のゲートドライバ15bから走査線5の各ラインL1〜Lxごとにオン電圧を印加するタイミングを順次切り替えながら各放射線検出素子7のリセット処理を行いながら、電流検出手段43が検出した結束線24中を流れる電流に相当する電圧値Vを監視し、電圧値Vに基づいて放射線の照射の開始を検出する。
そして、走査線5の各ラインL1〜Lxに印加する電圧をオン電圧とオフ電圧との間で切り替えるごとに発生する図13(B)に示したノイズ電流Iが結束線24に流れ込まないようにするために、制御手段22は、リセット処理の際に、走査駆動手段15のゲートドライバ15bからオン電圧が印加されている走査線5のラインLnに対応するスイッチ素子23(n)をオフ状態とし、オフ電圧が印加されている走査線5のラインLnに対応するスイッチ素子23(n)をオン状態とするようにスイッチ制御手段44を制御するようになっている。
具体的には、制御手段22の制御により、スイッチ制御手段44は、図15および図16に示すように、走査駆動手段15のゲートドライバ15bから走査線5のラインLnにオン電圧が印加されてからオフ電圧が印加されるまでの期間を含む期間、走査線5のラインLnに対応するスイッチ素子23(n)のゲート電極にオフ電圧を印加し、その他の期間はスイッチ素子23(n)のゲート電極にオン電圧を印加するようになっている。
そして、各放射線検出素子7のリセット処理の際には、走査駆動手段15のゲートドライバ15bからオン電圧を印加する走査線5のラインLnが順次切り替えられるごとに、走査線のラインLnに対応するスイッチ素子23(n)を順次オフ状態とするようになっている。
また、走査駆動手段15のゲートドライバ15bからオン電圧を印加される走査線5のラインLnに対応するスイッチ素子23(n)は、スイッチ制御手段44により必ずオフ状態とされるため、電流検出手段43を、結束線24を介して、ゲートドライバ15bからオフ電圧が印加されている走査線の各ラインLのみと接続させた状態とすることが可能となる。
制御手段22は、図12や図16に示したように、走査駆動手段15のゲートドライバ15bからオン電圧を印加する走査線5のラインL1〜Lxを順次切り替えさせ、オン状態とするTFT8を順次切り替えながら各放射線検出素子7のリセット処理を行わせるが、上記のように、リセット処理の際に、電流検出手段43が検出した電流に相当する電圧値Vに基づいて放射線の照射の開始を検出すると、ゲートドライバ15bから走査線5の全てのラインL1〜Lxに印加する電圧をオフ電圧に切り替えて各TFT8をオフ状態とさせ、放射線の照射により各放射線検出素子7内で発生した電荷を各放射線検出素子7内に蓄積させる電荷蓄積モードに移行させるようになっている。
その際、図14に示したように、スイッチ素子23を設けずに走査線5の各ラインL1〜Lxが結束線24に直接結束されるように構成されている場合には、図11に示したように、電流検出手段43から出力される結束線24を流れる電流に相当する電圧値Vは、放射線画像撮影装置1に対する放射線の照射開始時に急激に増加した後、放射線の照射が終了すると急激に減少する。
そのため、この電圧値Vの減少を検出して、放射線画像撮影装置1に対する放射線の照射が終了したことを検出するように構成することが可能であることは前述したとおりである。
また、図7に示した本実施形態の場合のように、走査線5の各ラインL1〜Lxと結束線24との間にそれぞれスイッチ素子23が設けられている場合には、制御手段22は、放射線の照射開始を検出し、走査駆動手段15のゲートドライバ15bから走査線5の全てのラインL1〜Lxに印加する電圧をオフ電圧に切り替えて電荷蓄積モードに移行させた後もスイッチ素子23をオン状態のまま維持し、上記と同様にして、電流検出手段43から出力される電圧値Vが急激に減少したことをもって、放射線画像撮影装置1に対する放射線の照射の終了を検出するように構成することも可能である。
このように、放射線画像撮影装置1に対する放射線の照射の開始のみならず照射の終了まで検出するように構成する場合には、制御手段22は、放射線の照射の終了を検出した段階で、全てのスイッチ素子23をオフ状態とするようにスイッチ制御手段44を制御するように構成される。もはや電流検出手段43で放射線の照射の開始や終了を検出する必要がないためであり、その後の各放射線検出素子7からの画像データの読み出し処理の際などに各スイッチ素子23をオン状態としておくことで悪影響が生じることを防止するためである。
一方、上記のように電荷蓄積モードに移行させた後もスイッチ素子23をオン状態のまま維持すると、電流検出手段43等で発生したノイズが結束線24や走査線5の各ラインL1〜Lxを介し、各TFT8を介して各放射線検出素子7内に蓄積される電荷にノイズ電荷として重畳されてしまう場合もある。
そのような場合には、制御手段22が、リセット処理の際に電流検出手段43が検出した電流に相当する電圧値Vに基づいて放射線の照射の開始を検出し、ゲートドライバ15bから走査線5の全てのラインL1〜Lxに印加する電圧をオフ電圧に切り替えて電荷蓄積モードに移行させるとともに、全てのスイッチ素子23をオフ状態に切り替えさせるように構成することも可能である。
そして、このように構成すれば、少なくとも電流検出手段43等で発生したノイズが結束線24から走査線5の各ラインL1〜Lxを介し、各TFT8を介して各放射線検出素子7内に蓄積される電荷にノイズ電荷として重畳されることを的確に防止することが可能となる。
このように、図7に示した本実施形態の場合のように、走査線5の各ラインL1〜Lxと結束線24との間にそれぞれスイッチ素子23が設けられている場合にも、制御手段22は、電流検出手段43が検出した電流に相当する電圧値Vに基づいて放射線の照射の開始を検出すると、ゲートドライバ15bから走査線5の全てのラインL1〜Lxに印加する電圧をオフ電圧に切り替えて電荷蓄積モードに移行させるが、電荷蓄積モードに移行させた後もスイッチ素子23をオン状態のまま維持するように構成するか、或いは、電荷蓄積モードに移行させた後はスイッチ素子23をオフ状態に切り替えるように構成するかは、適宜決められる。
図7に示した本実施形態の場合も、図14に示した場合も、放射線の照射の開始を検出した後、例えば、電流検出手段43のスイッチ43d(図10参照)をオン状態として抵抗器43aの両端子間を短絡させ、差動アンプ43bへの電源供給手段43cからの電力の供給を停止させれば、少なくとも差動アンプ43b等で発生するノイズが、結束線24や走査線5の各ラインL1〜Lx等を介して各放射線検出素子7内に蓄積される電荷に重畳されることを防止することができる。
次に、本実施形態に係る放射線画像撮影装置1の作用について説明する。
図14に示したように、各スイッチ素子23を設けず、走査線5の各ラインL1〜Lxを結束線24に直接結束するように構成する場合には、前述したように、電流検出手段43から出力される電圧値Vに対して予め設定される閾値Vthを、例えば図17に示すように、走査線5の1ライン分のノイズ電流I(図13(B)参照)に相当する電圧値Vよりも大きな値に予め設定する。
そして、制御手段22は、図12に示したように走査駆動手段15のゲートドライバ15bから走査線5の各ラインL1〜Lxごとにオン電圧を印加するタイミングを順次切り替えながら各放射線検出素子7のリセット処理を行うが、その際、図13(B)に示したように、走査線5の各ラインL1〜Lxに印加される電圧がオン電圧とオフ電圧との間で切り替えられるごとにノイズ電流Iが結束線24に流れ込む。
しかし、上記のように電流検出手段43から出力される電圧値Vに対して予め設定される閾値Vthが、走査線5の1ライン分のノイズ電流Iに相当する電圧値Vよりも大きな値に設定されているため、図17に示すように、ノイズ電流Iに相当する電圧値Vが閾値Vthを越えることがない。そのため、ノイズ電流Iに相当する電圧値Vが生じても、制御手段22が、それを誤認して放射線画像撮影装置1に対する放射線の照射が開始されたと判断することはない。
そして、リセット処理の際に、放射線画像撮影装置1に対する放射線の照射が開始されると、前述したように、各放射線検出素子7のi層76(図5参照)内で電子正孔対が発生し、放射線検出素子7内の第2電極78に対する第1電極74の電位が変化するため、TFT8のゲート電極8gとソース電極8sとの電位差が変化する。そして、変化した電位差に対応する電荷が走査線5の各ラインL1〜Lxを通ってTFT8のゲート電極8gに供給されるため、走査線5の各ラインL1〜Lx中を電流が流れる。そして、この走査線5の各ラインL1〜Lx中を流れる電流が結束線24に集まって結束線24中を流れる。
制御手段22は、図17に示したように電流検出手段43から出力される結束線24中を流れる電流に相当する電圧値Vが閾値Vthを越えた場合に(図17中では時刻tc参照。なお、この時刻tcは図11の時刻tcに相当する。)、放射線画像撮影装置1に対する放射線の照射の開始を検出する。
一方、図7に示した本実施形態の場合のように、走査線5の各ラインL1〜Lxと結束線24との間にそれぞれスイッチ素子23が設けられている場合には、前述したように、走査駆動手段15のゲートドライバ15bから走査線5のラインLnに印加する電圧をオン電圧とオフ電圧との間で切り替える際には、走査線5のラインLnに対応するスイッチ素子23(n)はオフ状態とされるため、ノイズ電流I(図13(B)参照)は結束線24には流れ込まない。
このように、本実施形態では、オン電圧が印加されている走査線5のラインLnはそれに対応するスイッチ素子23(n)により結束線24から切り離され、それ以外のオフ電圧が印加されている走査線5の各ラインLのみが結束線24に接続される。
そのため、電流検出手段43から出力される結束線24中を流れる電流に相当する電圧値Vには、図18に示すように、走査線5の各ラインLnで発生するノイズ電流Iに相当する電圧値Vは検出されない。そして、この場合も、制御手段22は、各放射線検出素子7のリセット処理時に、電圧値Vが閾値Vthを越える等した場合に、放射線画像撮影装置1に対する放射線の照射の開始を検出する。
このようにして、図7に示したように走査線5の各ラインL1〜Lxと結束線24との間にそれぞれスイッチ素子23を設ける場合でも、或いは、図14に示したように各スイッチ素子23を設けない場合でも、いずれの場合でも、制御手段22は、電流検出手段43が出力した結束線24中を流れる電流に相当する電圧値Vに基づいて放射線画像撮影装置1に対する放射線の照射の開始を的確に検出することが可能となる。
なお、図18では、閾値Vthとして、図17に示した閾値Vthと同じ閾値を設定した場合が示されているが、上記のように、図18に示した場合には走査線5の各ラインLnで発生するノイズ電流Iに相当する電圧値Vは検出されないため、閾値Vthをより小さな値に設定することが可能である。
図17に示した場合でも、図18に示した場合でも、制御手段22は、放射線の照射の開始を検出すると、即座にゲートドライバ15bから走査線5の全てのラインL1〜Lxに印加する電圧をオフ電圧に切り替えて各TFT8をオフ状態とさせ、放射線の照射により各放射線検出素子7内で発生した電荷を各放射線検出素子7内に蓄積させる電荷蓄積モードに移行させる。
そして、スイッチ素子23が設けられている場合(図7参照)には、放射線の照射開始を検出した後もスイッチ素子23をオン状態のまま維持し、かつ、電流検出手段43のスイッチ43d(図10参照)をオフ状態のままとし、或いは、スイッチ素子23が設けられていない場合(図14参照)には、電流検出手段43のスイッチ43d(図10参照)をオフ状態のままとすれば、図11に示したように、制御手段22は、電流検出手段43から出力される電圧値Vが急激に減少したことをもって、放射線画像撮影装置1に対する放射線の照射の終了を的確に検出することができる。
また、電流検出手段43で発生するノイズが比較的大きいような場合には、放射線の照射開始を検出した後、スイッチ素子23が設けられている場合(図7参照)にはスイッチ素子23をオフ状態に切り替え、或いは、スイッチ素子23が設けられていない場合(図14参照)には、電流検出手段43のスイッチ43dをオン状態として抵抗器43aの両端子間を短絡させ、差動アンプ43bへの電源供給手段43cからの電力の供給を停止させれば、差動アンプ43b等で発生するノイズが結束線24や走査線5の各ラインL1〜Lx等を介して各放射線検出素子7内に蓄積される電荷に重畳されることを的確に防止することが可能となる。
以上のように、本実施形態に係る放射線画像撮影装置1によれば、前述した従来の放射線画像撮影装置のようにバイアス線9やそれらの結線10に電流検出手段を設けるのではなく、各走査線5やそれらの結束線24に電流検出手段43を設け、各走査線5や結束線24を流れる電流或いはそれに相当する電圧値Vを検出するように構成した。
そのため、従来の放射線画像撮影装置のように各放射線検出素子7に直接接続されたバイアス線9等に電流検出手段を設けた場合には、前述したように、放射線画像撮影において、各TFT8がオフ状態とされて電荷蓄積モードになった後も、放射線の照射により各放射線検出素子7内で発生し蓄積される電荷(すなわち画像データ)に対して、電流検出手段で発生したノイズがノイズ電荷として重畳されてしまう。
しかし、本実施形態の放射線画像撮影装置1では、上記のように、各走査線5やそれらの結束線24に電流検出手段43を設けたため、電流検出手段43でノイズが発生するとしても、そのノイズは結束線24や各走査線5を介し、さらに各TFT8を介して各放射線検出素子7に到達する。
そして、各TFT8の寄生容量は、各放射線検出素子7自体の寄生容量に比べて相対的に非常に小さいため、放射線の照射により各放射線検出素子7内で発生し蓄積される電荷すなわち画像データに対して電流検出手段43で発生したノイズがノイズ電荷として重畳されるとしても、ノイズ電荷は非常に小さいものとなる。
そのため、本実施形態に係る放射線画像撮影装置1によれば、電流検出手段43により発生するノイズの画像データに対する影響を的確に低減させることが可能となり、検出された画像データに基づいて適切な放射線画像を生成することが可能となる。
そして、このように放射線画像の画質の低下が的確に防止され、特にその粒状性の悪化が的確に防止されるため、例えば、このような放射線画像を用いて診断を行うような場合に、病変を見落としたり正常な部分を病変と見誤ったりして誤診を生じる等の不都合が生じることを的確に防止することが可能となる。
なお、上記の実施形態では、図3に示したように、各スイッチ素子23を、基板4の検出部Pが設けられた面4a上に形成する場合について説明したが、例えば、走査線5の各ラインL1〜Lxを各入出力端子11を介して基板4の裏面4b側に引き回し、裏面4b側に各スイッチ素子23を設けるように構成することも可能である。
このように、本発明に係る放射線画像撮影装置1では、各スイッチ素子23の形成場所は基板4の検出部Pが設けられた面4a上に限定されず、任意の場所に形成することが可能である。そのため、例えば基板4を各スイッチ素子23の分だけ大きく形成する必要はなく、放射線画像撮影装置1をコンパクトに形成することが可能となるとともに、放射線画像撮影装置1の設計の自由度を確保することが可能となるといった効果も有している。
また、上記の実施形態では、図3や図7に示したように、スイッチ素子23を走査線5の全てのラインL1〜Lxに設ける場合について説明したが、スイッチ素子23は、必ずしも走査線5の全てのラインL1〜Lxに設けられる必要はない。
スイッチ素子23は、上記のように、走査線5の各ラインLnにオン電圧を印加する際に発生するノイズ電流Iが結束線24に流れ込むことを防止しつつ、オフ電圧が印加されている走査線5の各ラインLのみを結束線24や電流検出手段43と接続して、放射線の照射により走査線5の各ラインLや結束線24中を流れる電流に相当する電圧値Vを電流検出手段43で検出することを可能とするものであればよい。
そのため、スイッチ素子23を、例えば、通常の放射線画像撮影において、放射線が確実に照射される検出部P(図3参照)の中央部分の、例えば128本や256本等の所定本数の走査線5の各ラインLにのみ設けるように構成することも可能である。
また、仮にスイッチ素子23を走査線5の1本のラインLにのみ設けたとすると、走査線5のラインLにオン電圧が印加された際にはスイッチ素子23がオフ状態となり、電流検出手段43で放射線の照射による電流に相当する電圧値Vを検出することができなくなる。そのため、スイッチ素子23が設けられる走査線5の本数は、少なくとも2本以上とされる。
さらに、上記の実施形態では、各スイッチ素子23をTFTで構成する場合について説明したが、これに限定されず、他の部材を用いてスイッチ素子23を構成することも可能である。例えば、各スイッチ素子23として、通常の状態では通電せず、放射線が入射すると、或いは、入射した放射線がシンチレータ3で変換された電磁波を受光すると、通電状態となる光センサのような部材を用いることも可能である。このように構成する場合、スイッチ制御手段44は不要となり、或いは、各スイッチ素子23に電力を供給するのみとなる。
一方、本実施形態では、前述したように、制御手段22は、各放射線検出素子7のリセット処理の際に、電流検出手段43が検出した電流に相当する電圧値Vに基づいて放射線の照射の開始を検出すると、ゲートドライバ15bから走査線5の全てのラインL1〜Lxに印加する電圧をオフ電圧に切り替えて各TFT8をオフ状態とさせ、放射線の照射により各放射線検出素子7内で発生した電荷を各放射線検出素子7内に蓄積させる電荷蓄積モードに移行させる。
例えば、図12に示した例では、走査線5の最終ラインLxに印加する電圧をオフ電圧からオン電圧に切り替えて、走査線5のラインLxに各TFT8を介して接続された各放射線検出素子7から余分な電荷を放出させてリセット処理を行い、走査線5のラインLxに印加する電圧をオン電圧からオフ電圧に切り替えた後に、放射線の照射の開始が検出され、走査線5の全てのラインL1〜Lxに印加する電圧がオフ電圧に切り替えられて電荷蓄積モードに移行させた場合が示されている。
しかし、このように走査線5の所定のラインLnに印加する電圧をオフ電圧からオン電圧に切り替えて各放射線検出素子7のリセット処理を行い、走査線5の所定のラインLnに印加する電圧をオン電圧からオフ電圧に切り替えてリセット処理が完了した後に、放射線の照射の開始が検出されるとは限らない。
すなわち、例えば図19に示すように、走査線5の所定のラインLnにオン電圧が印加されている最中に放射線の照射(図中の斜線部分参照)が開始されると、その後、走査線5のラインLnに印加される電圧がオフ電圧に切り替えられるまでに放射線検出素子7内で発生した電荷がTFT8を介して流出してしまい、その後の各放射線検出素子7からの画像データの読み出し処理において走査線5のラインLnに接続された放射線検出素子7から読み出される画像データDnの値が、流出した電荷分だけ減少してしまい、画像データDnを正確に検出できなくなるといった問題が生じ得る。
そこで、このような問題に対しては、例えば、放射線の照射の開始を検出した際に走査駆動手段15のゲートドライバ15bからオン電圧が印加されていた走査線5のラインLn、或いは、電荷蓄積モードに移行したため次のタイミングでオン電圧が印加される予定であったがオン電圧が印加されなくなった走査線5のラインLn+1の直前のラインLnに、各TFT8を介して接続されている放射線検出素子7から読み出された画像データDnを、走査線5のラインLnに隣り合う2本のラインLn-1、Ln+1に接続されている放射線検出素子7から読み出された画像データDn-1、Dn+1を用いて補正するように構成することが可能である。
具体的には、例えば、走査線5のラインLnに接続されている各放射線検出素子7から読み出された画像データDnを破棄してしまい、走査線5のラインLnに隣接するラインLn-1、Ln+1に接続されている各放射線検出素子7から読み出された画像データDn-1、Dn+1で例えば下記(4)式に従って線形補間する等して、走査線5のラインLnに接続されている各放射線検出素子7からの画像データDnとするように構成することが可能である。
Dn=(Dn-1+Dn+1)/2 …(4)
この場合、走査線5のラインLnに印加されたオン電圧がオフ電圧に切り替えられた後に放射線画像撮影装置1への放射線の照射が開始された場合には、放射線検出素子7内で発生した電荷は全て放射線検出素子7内に保持され、画像データDnの欠損の問題は生じない。そのため、走査線5のラインLnに印加された電圧がオフ電圧に切り替えられたタイミングと放射線の照射が開始されたタイミングのいずれが先かを判断して上記の補正を行うか否かを判断するように構成することが可能である。
また、上記のような判断を行うことなく、走査線5のラインLnに接続された放射線検出素子7に対して一律に上記の補正を行うように構成することも可能である。このように構成すれば、画像データDnの補正処理の制御構成を容易に構築することが可能となる。
上記の問題の別の解決法としては、画像データDnを破棄する代わりに、画像データDn-1、Dn+1を用いて、残存している画像データDnに基づいて本来読み出されるべき画像データDnを復元するように構成することも可能である。
例えば、放射線の照射の開始を検出した際に走査駆動手段15のゲートドライバ15bからオン電圧が印加されていた走査線5のラインLnに接続されている各放射線検出素子7から読み出された各画像データDnの平均値Dnaveを算出する。また、走査線5のラインLnに隣り合う2本のラインLn-1、Ln+1にそれぞれ接続されている各放射線検出素子7から読み出された各画像データDn-1、Dn+1の走査線5の各ラインLn-1、Ln+1ごとの平均値Dn-1ave、Dn+1aveをそれぞれ算出する。
ここで、平均値Dn-1ave、Dn+1aveを線形補間した値、すなわち例えば平均値(Dn-1ave+Dn+1ave)/2が、走査線5のラインLnに接続されている各放射線検出素子7から読み出された各画像データDnの本来の平均値であると仮定して、実際の平均値Dnaveとの差分ΔDを算出する。すなわち、
ΔD=(Dn-1ave+Dn+1ave)/2−Dnave …(5)
そして、この差分ΔDを、走査線5のラインLnに接続されている各放射線検出素子7から実際に読み出された各画像データDnに加算することで、本来の画像データDnを復元するように構成することが可能である。
また、下記(6)式に従って、係数aを算出し、この係数aを、走査線5のラインLnに接続されている各放射線検出素子7から実際に読み出された各画像データDnに乗算することで、本来の画像データDnを復元するように構成することも可能である。
a={(Dn-1ave+Dn+1ave)/2}/Dnave …(6)
このように、上記(5)式で算出される差分ΔDを各画像データDnに加算したり、或いは上記(6)式で算出される係数aを各画像データDnに乗算するように構成すれば、画像データDnの補正処理の制御構成を容易に構築することが可能となる。なお、これらの補正処理は、放射線画像撮影装置1自体が行うように構成することも可能であり、また、放射線画像撮影装置1から画像データを受信した外部装置で行うように構成することも可能である。
ところで、例えば図20に示すように、放射線の照射の開始が検出され、各放射線検出素子7のリセット処理で最後にオン電圧を印加した走査線5のラインが例えばラインL3であった場合には、その後の各放射線検出素子7からの画像データの読み出し処理では、走査線5のラインL3の次のラインL4から順にオン電圧を印加する走査線5のラインL4〜Lx、L1〜L3を順次切り替えながら画像データの読み出しを行うように構成することが可能である。
このように構成すると、図20に示すように、走査線5の全てのラインL1〜Lxにおいて、リセット処理の際にオン電圧が印加されてから読み出し処理においてオン電圧が印加されるまでの時間間隔Δt、或いはリセット処理の際にオフ電圧が印加されてから読み出し処理においてオフ電圧が印加されるまでの時間間隔Δtが同じ時間間隔になる。そのため、画像データの読み出し処理の制御構成を容易に構築することが可能となるとともに、オフセット補正値の算出処理等の各種の処理を容易に行うことが可能となる。
なお、図20に示したように、各放射線検出素子7のリセット処理で最後にオン電圧を印加した走査線5のラインがラインL3等の途中のライン、すなわち走査線5の最終ラインLx以外のラインであった場合でも、各放射線検出素子7からの画像データの読み出し処理は、走査線5の最初のラインL1から順次オン電圧を印加する走査線5のラインLを切り替えて行うように構成することも可能である。
また、図20に示した各放射線検出素子7からの画像データの読み出し処理の後、次の放射線画像撮影や、オフセット補正値を取得するためのいわゆるダーク読取処理を行う前に、読み出し処理で各放射線検出素子7から読み出し切れなかった電荷等の各放射線検出素子7内に残存している余分な電荷を各放射線検出素子7から放出させるリセット処理が再び行われる。
通常の場合、このリセット処理は、図20等に示した放射線の照射前のリセット処理と同様に、すなわち走査駆動手段15のゲートドライバ15bから走査線5の各ラインL1〜Lxに順次印加するオン電圧の印加時間(すなわち電圧をオフ電圧からオン電圧に切り替えた後再度オフ電圧に切り替えるまでの時間。以下、オン時間という。)と同じオン時間だけ走査線5の各ラインL1〜Lxにオン電圧を順次印加するように構成される。また、この走査線5の各ラインL1〜Lxに対する順次のオン電圧の印加が予め設定された回数繰り返される。
このように構成すると、比較的低線量の放射線、或いは入射した低線量の放射線がシンチレータ3で変換された低光量の電磁波を受光した放射線検出素子7では、比較的少ない電荷しか発生せず、それらが画像データとして読み出された後に各放射線検出素子7に残存する余分な電荷も小さくなるため、オン時間が短くても残存電荷が有効に各放射線検出素子7から放出され、効率良くリセットされる。
しかし、比較的高線量の放射線、或いは入射した高線量の放射線がシンチレータ3で変換された高光量の電磁波を受光した放射線検出素子7では、比較的多くの電荷が発生し、画像データが読み出された後に各放射線検出素子7に残存する余分な電荷も大きくなる。そのため、再度のリセット処理で残存電荷を有効に放出し切れず、放射線検出素子7のリセット効率が低下するという問題が生じ得る。
そこで、例えば、図21に示すように、制御手段22で、走査線5の各ラインL1〜Lxに接続された各放射線検出素子7から読み出した画像データの、走査線5の各ラインL1〜Lxごとの各画像データD1〜Dxの最大値D1max〜Dxmaxをそれぞれ抽出し、各最大値D1max〜Dxmaxに基づいて再度のリセット処理における走査線5の各ラインL1〜Lxに印加するオン電圧のオン時間を変更するように構成することが可能である。
図21では、再度のリセット処理における走査線5の各ラインL1〜Lxに印加するオン電圧のオン時間を、各最大値D1max〜Dxmaxに比例するようにそれぞれ変更する場合が示されている。なお、図21では、図20に示した各放射線検出素子7からの画像データの読み出し処理に続けて再度のリセット処理を行う場合が示されているが、上記のように、各放射線検出素子7からの画像データの読み出し処理を走査線5の最初のラインL1から順次オン電圧を印加する走査線5のラインLを切り替えて行うように構成する場合には、再度のリセット処理も走査線5の最初のラインL1から順に各ラインL1〜Lxに変更されたオン時間だけオン電圧を順次印加して行われる。
このように構成すれば、より高線量の放射線が入射し、残存する電荷が多い放射線検出素子7が接続されている走査線5のラインLほど再度のリセット処理で長いオン時間だけオン電圧を印加するように構成することが可能となり、放射線検出素子7内に残存する電荷も大きい場合でも再度のリセット処理で残存電荷を放射線検出素子7から有効に放出して、放射線検出素子7のリセット効率を向上させることが可能となる。
なお、この場合も、通常の場合と同様に、再度のリセット処理を予め設定された回数繰り返すように構成することも可能である。また、その際、2回目以降のリセット処理を、1回目と同様にオン時間を変更して行うように構成することも可能であり、2回目以降は通常のオン時間でリセット処理を行うように構成することも可能である。
また、上記のように、走査線5の各ラインL1〜Lxごとに抽出した各画像データD1〜Dxの最大値D1max〜Dxmaxに基づいて再度のリセット処理における走査線5の各ラインL1〜Lxに印加するオン電圧のオン時間を変更するだけでなく、それとともに、或いはそれに代えて、再度のリセット処理において走査線5の各ラインL1〜Lxに印加するオン電圧の電圧値を変更したり、或いはリセット回数を変更するように構成することも可能である。
1 放射線画像撮影装置
5、L1〜Lx 走査線
6 信号線
7 放射線検出素子
8 TFT(スイッチ手段)
15 走査駆動手段
15a 電源回路
15b ゲートドライバ
22 制御手段
23 スイッチ素子
43 電流検出手段
44 スイッチ制御手段
r 領域
V 電流に相当する電圧値(電流の値)
Von オン電圧
Voff オフ電圧

Claims (6)

  1. 互いに交差するように配設された複数の走査線および複数の信号線と、前記複数の走査線および複数の信号線により区画された各領域に二次元状に配列された複数の放射線検出素子と、
    前記放射線検出素子ごとに配置され、接続された前記走査線を介してオン電圧が印加されるとオン状態となって前記放射線検出素子内に蓄積された電荷を前記信号線に放出させ、接続された前記走査線を介してオフ電圧が印加されるとオフ状態となって前記放射線検出素子から前記信号線への電荷の放出を停止させるスイッチ手段と、
    前記走査線を介して前記スイッチ手段にオン電圧およびオフ電圧を印加するゲートドライバと、前記ゲートドライバにオン電圧およびオフ電圧を供給する電源回路とを備える走査駆動手段と、
    所定本数の前記走査線に接続され、前記各走査線を流れる電流を検出する電流検出手段と、
    前記電流検出手段が検出した電流の値に基づいて少なくとも放射線の照射の開始を検出する制御手段と、
    を備え、
    前記制御手段は、前記走査駆動手段の前記ゲートドライバから印加する電圧をオン電圧とオフ電圧との間で切り替える前記走査線を順次切り替えさせながら行う、前記各放射線検出素子から残存する電荷を放出させるリセット処理の際に、前記電流検出手段が検出した電流の値に基づいて放射線の照射の開始を検出すると、前記ゲートドライバから全ての前記走査線にオフ電圧を印加させて前記各スイッチ手段をオフ状態とさせ、放射線の照射により前記各放射線検出素子内で発生した電荷を前記各放射線検出素子内に蓄積させることを特徴とする放射線画像撮影装置。
  2. 前記制御手段は、前記電流検出手段が検出した電流の値が増加した場合に放射線の照射の開始を検出することを特徴とする請求項1に記載の放射線画像撮影装置。
  3. 前記制御手段は、前記電流検出手段が検出した電流の値が減少した場合に放射線の照射の終了を検出することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の放射線画像撮影装置。
  4. 前記所定本数の走査線と前記電流検出手段との間にそれぞれ設けられ、オン状態では対応する前記走査線と前記電流検出手段とを接続させ、オフ状態では対応する前記走査線と前記電流検出手段との接続を解除するスイッチ素子と、
    前記スイッチ素子のオン/オフ動作を制御するスイッチ制御手段と、
    を備え、
    前記制御手段は、前記リセット処理の際に、前記走査駆動手段の前記ゲートドライバから、前記走査線にオフ電圧が印加されている場合には当該走査線に対応する前記スイッチ素子をオン状態とし、前記走査線にオン電圧が印加されている場合には当該走査線に対応する前記スイッチ素子をオフ状態とするように前記スイッチ制御手段を制御することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の放射線画像撮影装置。
  5. 前記スイッチ素子を介して前記電流検出手段が接続される前記走査線の所定本数は、2本以上であることを特徴とする請求項4に記載の放射線画像撮影装置。
  6. 前記制御手段は、放射線の照射の開始または終了を検出すると、前記スイッチ制御手段を、全ての前記スイッチ素子をオフ状態とさせるように制御することを特徴とする請求項4または請求項5に記載の放射線画像撮影装置。
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