Nothing Special   »   [go: up one dir, main page]

JP5662184B2 - 半導体素子用のエピタキシャル基板、および半導体素子用エピタキシャル基板の製造方法 - Google Patents

半導体素子用のエピタキシャル基板、および半導体素子用エピタキシャル基板の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5662184B2
JP5662184B2 JP2011019699A JP2011019699A JP5662184B2 JP 5662184 B2 JP5662184 B2 JP 5662184B2 JP 2011019699 A JP2011019699 A JP 2011019699A JP 2011019699 A JP2011019699 A JP 2011019699A JP 5662184 B2 JP5662184 B2 JP 5662184B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
epitaxial substrate
unit
semiconductor device
iii nitride
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2011019699A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2012160608A (ja
Inventor
角谷 茂明
茂明 角谷
幹也 市村
幹也 市村
実人 三好
実人 三好
田中 光浩
光浩 田中
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NGK Insulators Ltd
Original Assignee
NGK Insulators Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NGK Insulators Ltd filed Critical NGK Insulators Ltd
Priority to JP2011019699A priority Critical patent/JP5662184B2/ja
Publication of JP2012160608A publication Critical patent/JP2012160608A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5662184B2 publication Critical patent/JP5662184B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Junction Field-Effect Transistors (AREA)

Description

本発明は、半導体素子用のエピタキシャル基板に関し、特にIII族窒化物を用いて構成されるエピタキシャル基板に関する。
窒化物半導体は、直接遷移型の広いバンドギャップを有し、高い絶縁破壊電界および高い飽和電子速度を有することから、LEDやLDなどの発光デバイスや、HEMTなど高周波/ハイパワーの電子デバイス用半導体材料として注目されている。例えば、AlGaNからなる障壁層とGaNからなるチャネル層とを積層してなるHEMT(高電子移動度トランジスタ)素子は、窒化物材料特有の大きな分極効果(自発分極効果とピエゾ分極効果)により積層界面(ヘテロ界面)に高濃度の二次元電子ガス(2DEG)が生成するという特徴を活かしたものである(例えば、非特許文献1参照)。
HEMT素子用エピタキシャル基板に用いる下地基板として、シリコンカーバイド(SiC)のような、III族窒化物とは異なる組成の単結晶(異種単結晶)を用いる場合がある(例えば、特許文献1参照)。この場合、歪み超格子層や低温成長緩衝層などの緩衝層が、初期成長層として下地基板の上に形成されるのが一般的である。よって、下地基板の上に障壁層、チャネル層、および緩衝層をエピタキシャル形成してなるのが、異種単結晶からなる下地基板を用いたHEMT素子用基板の最も基本的な構成態様となる。これに加えて、障壁層とチャネル層の間に、二次元電子ガスの空間的な閉じ込めを促進することを目的として、厚さ1nm前後のスペーサ層が設けられることもある。スペーサ層は、例えばAlNなどで構成される。さらには、HEMT素子用基板の最表面におけるエネルギー準位の制御や、電極とのコンタクト特性の改善を目的として、例えばn型GaN層や超格子層からなるキャップ層が、障壁層の上に形成される場合もある。
HEMT素子およびHEMT素子用の基板に対しては、電力密度の増大、高効率化などの性能向上に関する課題、ノーマリーオフ動作化などの機能性向上に関する課題、高信頼性や低コスト化などの基本的な課題など、様々な課題があり、各々について活発な取り組みが行われている。
一方、エピタキシャル基板の低コスト化、さらにはシリコン系回路デバイスとの集積化などを目的として、上記のような窒化物デバイスを作製するにあたって単結晶シリコン(Si)を下地基板として用いる研究・開発が行われている(例えば、非特許文献2参照)。HEMT素子用エピタキシャル基板の下地基板にシリコンのような導電性の材料を選んだ場合には、下地基板の裏面からフィールドプレート効果が付与されるので、高耐電圧や高速スイッチングが可能なHEMT素子の設計が可能となる。
また、緩衝層の抵抗が低くなると、素子の耐電圧性の向上や高速動作性の向上を阻害する場合があることが知られている。緩衝層にMgなどのp型不純物を導入することで素子の耐電圧を向上させる手法がすでに公知である(例えば特許文献2および特許文献3参照)。
特許文献2に開示されているのは、下地基板上にMgなどのp型不純物を導入しつつ低温成長のGaNからなる緩衝層を形成した後、その直上にGaNからなる半導体層(チャネル層)を形成する際に緩衝層から該p型不純物を拡散させるようにすることで、半導体層にp型不純物が適度な濃度で分布する状態を実現し、これによって素子におけるリーク電流の低減と耐電圧の向上とを図る手法である。
係る手法の場合、下地基板の上に形成された結晶性の良くない緩衝層へのp型不純物の導入を前提としているので、構造上の制約が大きいという問題がある。特に、半導体層の厚みが大きくなるほど、効果を得るのが難しくなる。すなわち、半導体層の上方にまでp型不純物を拡散させようとすると、緩衝層に多量のp型不純物を導入する必要が生じるが、これは緩衝層の近傍における半導体層の結晶性の劣化を引き起こし、結果として耐電圧を向上させることが難しくなる。
一方、特許文献3に開示されているのは、多層膜緩衝層にMgなどのp型不純物を導入することで該緩衝層中のAlN/GaN界面における二次元電子ガスの発生を抑制して、素子の耐電圧を向上させる手法である。
しかしながら特許文献3に開示された手法を用いた場合、緩衝層中におけるMg濃度が高くなり過ぎることによって緩衝層の結晶性が悪化し、リーク電流が増加してしまうという問題がある。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、高耐電圧性を有するとともにp型不純物の拡散による結晶品質の劣化が好適に抑制された、半導体素子用のエピタキシャル基板を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、請求項1の発明は、(111)方位の単結晶シリコンである下地基板の上に、前記下地基板の基板面に対し(0001)結晶面が略平行となるようにIII族窒化物層群を形成してなる半導体素子用のエピタキシャル基板であって、第1の積層単位と第2の積層単位とを交互に積層してなり、かつ、最上部と最下部がいずれも前記第1の積層単位にて構成されてなるバッファ層と、前記バッファ層の直上に形成されたチャネル層と、前記チャネル層の上に形成されたバリア層と、を備え、前記第1の積層単位が、組成の相異なるIII族窒化物からなる第1単位層と第2単位層とを前記下地基板の側からこの順に繰り返し交互に積層してなる組成変調層と、前記組成変調層の上に形成され、Alを含むIII族窒化物からなる第1中間層と、を含み、前記第1単位層を構成する第1のIII族窒化物よりも前記第2単位層を構成する第2のIII族窒化物の方が無歪状態における面内格子定数が大きく、それぞれの前記第2単位層は前記第1単位層に対してコヒーレントな状態に形成されてなり、前記バッファ層に含まれる複数の前記第1中間層のうちの少なくとも1つがAlを含むIII族窒化物からなる第1の層であり、前記第1の層のみにp型不純物が意図的に導入されてなり、前記バッファ層に含まれる層および前記チャネル層のうち、前記第1の層に隣接する層である第2の層に前記第1の層から拡散したp型不純物が存在する、ことを特徴とする。
請求項の発明は、請求項に記載のエピタキシャル基板であって、前記複数の前記第1中間層のうち、少なくとも前記チャネル層に隣接する前記第1中間層が前記第1の層である、ことを特徴とする。
請求項の発明は、請求項に記載のエピタキシャル基板であって、前記複数の前記第1中間層の全てが前記第1の層である、ことを特徴とする。
請求項の発明は、請求項ないし請求項のいずれかに記載のエピタキシャル基板であって、前記第1中間層がAlGa1−yN(0<y≦0.25)なる組成のIII族窒化物からなり、前記チャネル層がGaNからなる、ことを特徴とする。
請求項の発明は、請求項ないし請求項のいずれかに記載のエピタキシャル基板であって、前記第1の層における前記p型不純物の濃度が1×10 17 cm −3 〜2×10 18 cm −3 である、ことを特徴とする。
請求項の発明は、請求項1ないし請求項のいずれかに記載のエピタキシャル基板であって、前記第1中間層が、前記組成変調層に対してコヒーレントな状態に形成されてなることを特徴とする。
請求項の発明は、請求項1ないし請求項のいずれかに記載のエピタキシャル基板であって、前記第1単位層がAlNからなり、前記第2単位層がAlGa1−xN(0≦x≦0.25)なる組成のIII族窒化物からなることを特徴とする。
請求項の発明は、請求項1ないし請求項のいずれかに記載のエピタキシャル基板であって、前記組成変調層の最上部に前記第1単位層と同じ組成を有する終端層が設けられてなることを特徴とする。
請求項の発明は、請求項1ないし請求項のいずれかに記載のエピタキシャル基板であって、前記第2の積層単位が、前記第1中間層を構成するIII族窒化物よりも無歪状態における面内格子定数が小さいIII族窒化物からなる第2中間層である、ことを特徴とする。
請求項10の発明は、請求項に記載のエピタキシャル基板であって、前記第2中間層がAlNにて15nm以上150nm以下の厚みに形成されてなることを特徴とする。
請求項11の発明は、請求項または請求項10に記載のエピタキシャル基板であって、前記第1単位層の組成と前記第2中間層の組成が実質的に同じであることを特徴とする。
請求項12の発明は、請求項1ないし請求項11のいずれかに記載のエピタキシャル基板であって、前記下地基板の上に形成された、AlNからなる第1の下地層と、前記第1の下地層の上に形成され、AlGa1−pN(0≦p<1)からなる第2の下地層と、をさらに備え、前記第1の下地層が、柱状あるいは粒状の結晶もしくはドメインの少なくとも一種から構成される多結晶欠陥含有性層であり、前記第1の下地層と前記第2の下地層との界面が3次元的凹凸面であり、前記第2の下地層の直上に前記バッファ層が形成されてなる、ことを特徴とする。
請求項13の発明は、請求項1ないし請求項12のいずれかに記載のエピタキシャル基板であって、前記p型不純物がMgである、ことを特徴とする。
請求項14の発明は、(111)方位の単結晶シリコンである下地基板の上に、前記下地基板の基板面に対し(0001)結晶面が略平行なIII族窒化物層群を形成してなる半導体素子用エピタキシャル基板の製造方法であって、第1の積層単位と第2の積層単位とを最上部と最下部がいずれも前記第1の積層単位となるように交互に積層することによってバッファ層を形成するバッファ層形成工程と、前記バッファ層の直上にチャネル層をエピタキシャル形成するチャネル層形成工程と、前記チャネル層の上にバリア層をエピタキシャル形成するバリア層形成工程と、を備え、前記バッファ層形成工程が、前記第1の積層単位を形成する工程として、組成の相異なるIII族窒化物からなる第1単位層と第2単位層とを前記下地基板の側からこの順に繰り返し交互に積層することにより組成変調層をエピタキシャル形成する組成変調層形成工程と、前記組成変調層の上に第1中間層をエピタキシャル形成する第1中間層形成工程と、を含み、前記組成変調層形成工程においては、前記第1単位層を構成するIII族窒化物よりも前記第2単位層を構成するIII族窒化物の方が無歪状態における面内格子定数が大きくなるように、かつ、それぞれの前記第2単位層は前記第1単位層に対してコヒーレントな状態になるように、前記組成変調層を形成し、前記バッファ層に含まれる複数の前記第1中間層のうちの少なくとも1つをエピタキシャル形成する際にのみ、p型不純物を導入する、ことを特徴とする。
請求項15の発明は、請求項14に記載のエピタキシャル基板の製造方法であって、前記複数の前記第1中間層のうち、少なくとも前記チャネル層に隣接する前記第1中間層に、前記p型不純物を導入する、ことを特徴とする。
請求項16の発明は、請求項14に記載のエピタキシャル基板の製造方法であって、前記複数の前記第1中間層の全てに前記p型不純物を導入する、ことを特徴とする。
請求項17の発明は、請求項14ないし請求項16のいずれかに記載のエピタキシャル基板の製造方法であって、前記第1中間層をAlGa1−yN(0<y≦0.25)なる組成のIII族窒化物にて形成し、前記チャネル層をGaNにて形成する、ことを特徴とする。
請求項18の発明は、請求項14ないし請求項17のいずれかに記載のエピタキシャル基板の製造方法であって、前記p型不純物の濃度が1×1017cm−3〜2×1018cm−3となるように前記p型不純物を導入する、ことを特徴とする。
請求項19の発明は、請求項14ないし請求項18のいずれかに記載のエピタキシャル基板の製造方法であって、前記第1中間層形成工程においては、前記組成変調層に対してコヒーレントな状態になるように前記第1中間層を形成する、ことを特徴とする。
請求項20の発明は、請求項14ないし請求項19のいずれかに記載のエピタキシャル基板の製造方法であって、前記組成変調層形成工程においては、前記第1単位層をAlNにて形成し、前記第2単位層をAlGa1−xN(0≦x≦0.25)なる組成のIII族窒化物にて形成する、ことを特徴とする。
請求項21の発明は、請求項14ないし請求項20のいずれかに記載のエピタキシャル基板の製造方法であって、前記組成変調層の最上部に前記第1単位層と同じ組成を有する終端層を設ける終端層形成工程、をさらに備えることを特徴とする。
請求項22の発明は、請求項14ないし請求項21のいずれかに記載のエピタキシャル基板の製造方法であって、前記第2の積層単位を形成する工程として、前記第1中間層を構成するIII族窒化物よりも無歪状態における面内格子定数が小さいIII族窒化物からなる第2中間層を形成する第2中間層形成工程、を備えることを特徴とする。
請求項23の発明は、請求項22に記載のエピタキシャル基板の製造方法であって、前記第2中間層をAlNにて15nm以上150nm以下の厚みに形成することを特徴とする。
請求項24の発明は、請求項14ないし請求項23のいずれかに記載のエピタキシャル基板の製造方法であって、前記下地基板の上に、AlNからなる第1の下地層を形成する第1下地層形成工程と、前記第1の下地層の上に、AlGa1−pN(0≦p<1)からなる第2の下地層を形成する第2下地層形成工程と、をさらに備え、前記第1下地層形成工程においては、前記第1の下地層を、柱状あるいは粒状の結晶もしくはドメインの少なくとも一種から構成され、表面が三次元的凹凸面である多結晶欠陥含有性層として形成し、前記バッファ層形成工程においては、前記第2の下地層の直上に前記バッファ層を形成する、ことを特徴とする。
請求項25の発明は、請求項14ないし請求項24のいずれかに記載のエピタキシャル基板の製造方法であって、前記p型不純物がMgである、ことを特徴とする。
請求項1ないし請求項25の発明によれば、安価で大口径のものを入手容易なシリコン基板を下地基板とし、かつ、クラックフリーで結晶品質が優れ、しかも耐電圧の高いエピタキシャル基板を、得ることができる。
本発明の実施の形態に係るエピタキシャル基板10の構成を概略的に示す模式断面図である。 組成変調層3において第1単位層31の上に第2単位層32が形成されるときの結晶格子の様子を示すモデル図である。 第1中間層5の形成までを行ったエピタキシャル基板の反り量と、第1中間層5の厚みとの関係を示す図である。 チャネル隣接中間層とチャネル層9aとにおけるp型不純物の濃度プロファイルをSIMSにより測定した結果を例示する図である。
<エピタキシャル基板の概略構成>
図1は、本発明の実施の形態に係るエピタキシャル基板10の構成を概略的に示す模式断面図である。
エピタキシャル基板10は、下地基板1と、下地層2と、それぞれ複数の組成変調層3と、終端層4と、第1中間層5と、第2中間層7とを備えるバッファ層8と、機能層9とを主として備える。なお、以降においては、下地基板1の上に形成した各層を、エピタキシャル膜と総称することがある。また、III族元素中のAlの存在比率のことを、便宜上、Alモル分率とも称する場合がある。
下地基板1は、(111)面の単結晶シリコンウェハーである。下地基板1の厚みに特段の制限はないが、取り扱いの便宜上、数百μmから数mmの厚みを有する下地基板1を用いるのが好ましい。また下地基板1の導電型に関しても特に制限はなく、p型及びn型等を適宜選択が可能である。
下地層2と、組成変調層3と、終端層4と、第1中間層5と、第2中間層7と、機能層9とは、それぞれ、ウルツ鉱型のIII族窒化物を(0001)結晶面が下地基板1の基板面に対し略平行となるように、エピタキシャル成長手法によって形成した層である。これらの層の形成は、有機金属化学気相成長法(MOCVD法)により行うのが好適な一例である。
下地層2は、その上に上述の各層を良好な結晶品質で形成することを可能とするべく設けられる層である。具体的には、下地層2は、少なくともその表面近傍において(組成変調層3との界面近傍において)、転位密度が好適に低減されてなるとともに良好な結晶品質を有するように設けられる。これにより、組成変調層3さらにはその上に形成される各層においても、良好な結晶品質が得られる。
本実施の形態においては、係る目的をみたすべく、以下に示すように、下地層2が、第1下地層2aと第2下地層2bとからなるものとする。
第1下地層2aは、AlNからなる層である。第1下地層2aは、下地基板1の基板面に略垂直な方向(成膜方向)に成長した多数の微細な柱状結晶等(柱状結晶、粒状結晶、柱状ドメインあるいは粒状ドメインの少なくとも一種)から構成される層である。換言すれば、第1下地層2aは、エピタキシャル基板10の積層方向への一軸配向はしてなるものの、積層方向に沿った多数の結晶粒界もしくは転位を含有する、結晶性の劣った多欠陥含有性層である。なお、本実施の形態においては、便宜上、ドメイン粒界あるいは転位も含めて、結晶粒界と称することがある。第1下地層2aにおける結晶粒界の間隔は大きくても数十nm程度である。
係る構成を有する第1下地層2aは、c軸傾き成分についてのモザイク性の大小もしくはらせん転位の多少の指標となる(0002)面のX線ロッキングカーブ半値幅が、0.5度以上1.1度以下となるように、かつ、c軸を回転軸とした結晶の回転成分についてのモザイク性の大小もしくは刃状転位の多少の指標となる(10−10)面のX線ロッキングカーブ半値幅が0.8度以上1.1度以下となるように、形成される。
一方、第2下地層2bは、第1下地層2aの上に形成された、AlpGa1-pN(0≦p<1)なる組成のIII族窒化物からなる層である。
また、第1下地層2aと第2下地層2bとの界面I1(第1下地層2aの表面)は、第1下地層2aを構成する柱状結晶等の外形形状を反映した三次元的凹凸面となっている。界面I1がこのような形状を有することは、例えば、エピタキシャル基板10のHAADF(高角散乱電子)像において、明瞭に確認される。なお、HAADF像とは、走査透過電子顕微鏡(STEM)によって得られる、高角度に非弾性散乱された電子の積分強度のマッピング像である。HAADF像においては、像強度は原子番号の二乗に比例し、原子番号が大きい原子が存在する箇所ほど明るく(白く)観察されるので、Gaを含む第2下地層2bが相対的に明るく、Gaを含まない第1下地層2aが相対的に暗く観察される。これにより、両者の界面I1が、三次元的凹凸面となっていることが容易に認識される。
なお、図1の模式断面においては、第1下地層2aの凸部2cが略等間隔に位置するように示されているが、これは図示の都合にすぎず、実際には必ずしも等間隔に凸部2cが位置するわけではない。好ましくは、第1下地層2aは、凸部2cの密度が5×109/cm2以上5×1010/cm2以下であり、凸部2cの平均間隔が45nm以上140nm以下であるように形成される。これらの範囲をみたす場合、特に結晶品質の優れた機能層9の形成が可能となる。なお、本実施の形態において、第1下地層2aの凸部2cとは、表面(界面I1)において上に凸の箇所の略頂点位置のことを指し示すものとする。なお、本発明の発明者の実験および観察の結果、凸部2cの側壁を形成しているのは、AlNの(10−11)面もしくは(10−12)面であることが確認されている。
第1下地層2aの表面に上記の密度および平均間隔を満たす凸部2cが形成されるには、平均膜厚が40nm以上200nm以下となるように第1下地層2aを形成することが好ましい。平均膜厚が40nmより小さい場合には、上述のような凸部2cを形成しつつAlNが基板表面を覆い尽くす状態を実現することが難しくなる。一方、平均膜厚を200nmより大きくしようとすると、AlN表面の平坦化が進行し始めるために上述のような凸部2cを形成することが難しくなる。
なお、第1下地層2aの形成は、所定のエピタキシャル成長条件のもとで実現されるが、第1下地層2aをAlNにて形成することは、シリコンと液相化合物を形成するGaを含まないという点、および、横方向成長が比較的進みにくいので界面I1が三次元的凹凸面として形成されやすいという点において好適である。
エピタキシャル基板10においては、下地基板1と第2下地層2bとの間に、上述のような態様にて結晶粒界を内在する多欠陥含有性層である第1下地層2aを介在させることにより、下地基板1と第2下地層2bとの間の格子ミスフィットが緩和され、係る格子ミスフィットに起因する歪みエネルギーの蓄積が抑制されている。上述した第1下地層2aについての(0002)面および(10−10)面のX線ロッキングカーブ半値幅の範囲は、この結晶粒界による歪みエネルギーの蓄積が好適に抑制される範囲として定まるものである。
ただし、係る第1下地層2aが介在することで、第2下地層2bには、第1下地層2aの柱状結晶等の結晶粒界が起点となった非常に多数の転位が伝播する。本実施の形態においては、第1下地層2aと第2下地層2bとの界面I1を上述のように三次元的凹凸面とすることで、係る転位を効果的に低減させてなる。
第1下地層2aと第2下地層2bとの界面I1が三次元的凹凸面として形成されていることにより、第1下地層2aで発生した転位のほとんどは、第1下地層2aから第2下地層2bへと伝播する(貫通する)際に、界面I1で屈曲され、第2下地層2bの内部において合体消失する。結果として、第1下地層2aを起点とする転位のうち、第2下地層2bを貫通する転位はごく一部となる。
また、第2下地層2bは、好ましくは、その成長初期こそ第1下地層2aの表面形状(界面I1の形状)に沿って形成されるものの、成長が進むにつれて徐々にその表面が平坦化されていき、最終的には、10nm以下の表面粗さを有するように形成される。なお、本実施の形態において、表面粗さは、AFM(原子間力顕微鏡)により計測した5μm×5μm領域についての平均粗さraで表すものとする。ちなみに、第2下地層2bが、横方向成長が比較的進みやすい、少なくともGaを含む組成のIII族窒化物にて形成されることは、第2下地層2bの表面平坦性を良好なものとするうえで好適である。
また、第2下地層2bの平均厚みは、40nm以上とするのが好適である。これは、40nmより薄く形成した場合には、第1下地層2aに由来する凹凸が十分に平坦化しきれないことや、第2下地層2bに伝播した転位の相互合体による消失が十分に起こらない、などの問題が生じるからである。尚、平均厚みが40nm以上となるように形成した場合には、転位密度の低減や表面の平坦化が効果的になされるので、第2下地層2bの厚みの上限については特に技術上の制限はないが、生産性の観点からは数μm以下程度の厚みに形成するのが好ましい。
以上のように、第2下地層2bの表面は、低転位でかつ優れた平坦性を有するものとなっているので、その上に形成される各層は、良好な結晶品質を有するものとなる。
バッファ層8は、それぞれが組成変調層3と終端層4と第1中間層5をこの順に積層してなる複数の単位構造体6の間に、第2中間層7を介在させた構成を有する。換言すれば、第2中間層7は個々の単位構造体6の間に境界層として設けられているともいえる。あるいはまた、バッファ層8は、最下部と最上部を単位構造体6とする態様にて、第1の積層単位である単位構造体6と第2の積層単位である第2中間層7とが繰り返し交互に積層された構成を有するともいえる。図1においては、4つの単位構造体6(6a、6b、6c、6d)と3つの第2中間層7(7a、7b、7c)を備える場合を例示しているが、単位構造体6と第2中間層7の数はこれに限られない。
組成変調層3は、それぞれが相異なる組成の2種類のIII族窒化物層である第1単位層31と第2単位層32とを繰り返し交互に積層することにより形成されてなる、超格子構造を有する部位である。なお、1つの第1単位層31と1つの第2単位層32との組をペア層と称する。
第1単位層31と第2単位層32とは、前者を構成するIII族窒化物よりも後者を構成するIII族窒化物の方が無歪の状態(バルク状態)における面内格子定数(格子長)が大きい、という関係をみたすように形成されてなる。
また、組成変調層3においては、第2単位層32が、第1単位層31に対してコヒーレントな状態に形成されてなる。また、第1単位層31の厚みよりも第2単位層32の厚みの方が大きくなっている。
第1単位層31は、3nm〜20nm程度の厚みに形成されるのが好ましい。典型的には5nm〜10nmの厚みに形成される。一方、第2単位層32は、10nm〜25nm程度であるのが好適である。また、ペア層の繰り返し数は、5〜数十程度である。
好ましくは、第1単位層31はAlNにて構成され、第2単位層32はAlxGa1-xN(0≦x≦0.25)なる組成のIII族窒化物にて構成される。
終端層4は、組成変調層3の最上部に(終端部に)、第1単位層31と同じ組成及び厚みでIII族窒化物にて形成される層である。ペア層こそ構成はしないが、終端層4は、実質的には超格子層3の一部であるともいえる。以降においては、特に断らない限り、組成変調層3は終端層4を含むものとする。
第1中間層5はIII族窒化物からなる層である。第1中間層5は、第1単位層31を構成するIII族窒化物よりも無歪の状態における面内格子定数が大きいIII族窒化物にて構成される。例えば、第1中間層5は、AlyGa1-yN(0≦y≦0.25)なる組成のIII族窒化物にて構成される。第1中間層5は、終端層4に対してコヒーレントな状態に形成されてなる。第1中間層5は、概ね100nm以上500nm以下の厚みを有するのが好適である。なお、それぞれの単位構造体6に備わる第1中間層5の組成は同じである必要はない。
なお、バッファ層8に備わる複数の第1中間層5のうちの少なくとも1つには、p型不純物が意図的に導入されてなる。これは、エピタキシャル基板10の耐電圧性を高める目的で行われている。このように第1中間層5がp型不純物を含むことの詳細については後述する。
第2中間層7は、第1中間層5を構成するIII族窒化物よりも無歪の状態における面内格子定数が小さいIII族窒化物にて構成される層である。第2中間層7は、概ね15nm以上150nm以下の厚みに形成されるのが好適である。好ましくは、第2中間層7は、組成変調層3の第1単位層31と同じ組成を有するIII族窒化物にて構成される。より好ましくは、第2中間層7は、AlNからなる。
単位構造体6を構成する組成変調層3におけるペア層の数や、第1中間層5の実際の組成および厚みなどは、バッファ層8全体の形成態様に応じて定められる。
機能層9は、バッファ層8の上に形成された、III族窒化物により形成される層であり、エピタキシャル基板10の上にさらに所定の半導体層や電極などを形成することで半導体素子を構成する場合において、所定の機能を発現する層である。それゆえ、機能層9は、当該機能に応じた組成および厚みを有する1または複数の層にて形成される。図1においては、機能層9がチャネル層9aとバリア層9bからなる場合を例示しているが、機能層9の構成はこれに限られるものではない。
チャネル層9aとバリア層9bとは、エピタキシャル基板10をHEMT素子用の基板とするべく設けられる機能層である。チャネル層9aは、高抵抗のGaNからなり、数十nmから数μm程度の厚みを有する。また、バリア層9bは、AlGaNやInAlNなどからなり、数十nm程度の厚みを有する。バリア層9bの上に、図示を省略するゲート電極、ソース電極、およびドレイン電極を形成することで、HEMT素子が得られる。これらの電極形成には、フォトリソグラフィープロセスなどの公知の技術を適用可能である。また、係る場合において、チャネル層9aとバリア層9bとの間にAlNからなる1nm程度の厚みのスペーサ層を設ける態様であってもよい。
<エピタキシャル基板の製造方法>
次に、MOCVD法を用いる場合を例として、エピタキシャル基板10を製造する方法について概説する。
まず、下地基板1として(111)面の単結晶シリコンウェハーを用意し、希フッ酸洗浄により自然酸化膜を除去し、さらにその後、SPM洗浄を施してウェハー表面に厚さ数Å程度の酸化膜が形成された状態とする。これをMOCVD装置のリアクタ内にセットする。
そして所定の加熱条件とガス雰囲気のもとで各層を形成する。まず、AlNからなる第1下地層2aは、基板温度を800℃以上、1200℃以下の所定の初期層形成温度に保ち、リアクタ内圧力を0.1kPa〜30kPa程度とした状態で、アルミニウム原料であるTMA(トリメチルアルミニウム)バブリングガスとNH3ガスとを適宜のモル流量比にてリアクタ内に導入し、成膜速度を20nm/min以上、目標膜厚を200nm以下、とすることによって、形成させることができる。
第2下地層2bの形成は、第1下地層2aの形成後、基板温度を800℃以上1200℃以下の所定の第2下地層形成温度に保ち、リアクタ内圧力を0.1kPa〜100kPaとした状態で、ガリウム原料であるTMG(トリメチルガリウム)バブリングガスとTMAバブリングガスとNH3ガスとを、作製しようとする第2下地層2bの組成に応じた所定の流量比にてリアクタ内に導入し、NH3とTMAおよびTMGとを反応させることにより実現される。
バッファ層8を構成する各層、すなわち、組成変調層3を構成する第1単位層31および第2単位層32、終端層4、第1中間層5、第2中間層7の形成は、第2下地層2bの形成に続いて、基板温度を800℃以上1200℃以下の各層に応じた所定の形成温度に保ち、リアクタ内圧力を0.1kPa〜100kPaの各層に応じた所定の値に保った状態で、NH3ガスとIII族窒化物原料ガス(TMA、TMGのバブリングガス)とを、各層において実現しようとする組成に応じた流量比でリアクタ内に導入することによって実現される。その際、設定膜厚に応じたタイミングで流量比を切り替えることで、それぞれの層が連続的にかつ所望の膜厚で形成される。また、第1中間層5を形成するに際してp型不純物を導入するには、上述の原料ガスに加えて、p型不純物用の原料ガスを、第1中間層5において実現しようとするp型不純物濃度に応じた流量でリアクタに供給すればよい。例えばMgを第1中間層5に導入する場合であれば、Cp2Mg(シクロペンタジエニルマグネシウム;Mg(C552)を原料ガスとして用いればよい。
機能層9の形成は、バッファ層8の形成後、基板温度を800℃以上1200℃以下の所定の機能層形成温度に保ち、リアクタ内圧力を0.1kPa〜100kPaとした状態で、TMIバブリングガス、TMAバブリングガス、あるいはTMGバブリングガスの少なくとも1つとNH3ガスとを、作製しようとする機能層9の組成に応じた流量比にてリアクタ内に導入し、NH3とTMI、TMA、およびTMGの少なくとも1つとを反応させることにより実現される。
機能層9が形成された後、エピタキシャル基板10は、リアクタ内で常温まで降温される。その後、リアクタから取り出されたエピタキシャル基板10は、適宜、後段の処理(電極層のパターニングなど)に供される。
<バッファ層の作用効果>
本実施の形態もそうであるように、一般に、単結晶シリコンウェハーの上にIII族窒化物からなる結晶層を所定の形成温度でエピタキシャル成長させてエピタキシャル基板を得ようとする場合、III族窒化物の方がシリコンよりも熱膨張係数が大きい(例えば、シリコン:3.4×10-6/K、GaN:5.5×10-6/K)ことから、結晶成長後、常温にまで降温される過程において、結晶層には面内方向に引張応力が生じる。この引張応力は、エピタキシャル基板におけるクラック発生や、反りの要因となる。本実施の形態においては、係る引張応力を低減させ、クラック発生や反りを抑制する目的で、エピタキシャル基板10にバッファ層8が設けられている。より具体的には、バッファ層8を構成する各層がそれぞれに奏する作用効果によって、エピタキシャル基板10におけるクラックの発生と反りとが抑制されてなる。以下、詳細に説明する。
(組成変調層)
図2は、組成変調層3において第1単位層31の上に第2単位層32が形成されるときの結晶格子の様子を示すモデル図である。いま、第2単位層32を構成するIII族窒化物の無歪状態における面内方向の格子長をa0、実際の格子長をaとする。本実施の形態においては、図2(a)、(b)に示すように、第2単位層32は第1単位層31の結晶格子に対して整合を保ちつつ結晶成長していく。このことは、結晶成長時に、第2単位層32の面内方向にs=a0−aだけの圧縮歪が生じることを意味している。すなわち、第2単位層32の結晶成長は歪みエネルギーを保持した状態で進行する。
ただし、成長が進むにつれて、エネルギー的な不安定さが増していくため、第2単位層32には歪みエネルギーを解放するべく徐々にミスフィット転位が導入されていく。やがて、ある臨界状態に達すると、第2単位層32に保持されていた歪みエネルギーは全て解放されてしまうことになる。このとき、図2(c)に示すようにa=a0となる。
ところが、この図2(c)に示す状態に達するまでの、図2(b)に示すようなa0>aの状態で第2単位層32の形成を終了させてしまえば、第2単位層32は歪みエネルギーを保持したまま(圧縮歪を含んだまま)となる。本実施の形態においては、このような歪みエネルギーを含んだままの結晶成長を、コヒーレントな状態での結晶成長と称する。換言すれば、歪みエネルギーが完全に解放されてしまう臨界膜厚よりも小さい厚みに第2単位層32を形成する限りにおいては、第2単位層32は第1単位層31に対してコヒーレントな状態にあるといえる。あるいは、第2単位層32の最上面(直上の第1単位層31と接する面)の格子長aについてa0>aが成り立つ限りにおいては、第2単位層32は第1単位層31に対してコヒーレントな状態にあるということもできる。なお、第2単位層32が上述した態様にて歪みエネルギーを含んでいる限りにおいては、第2単位層32において部分的にa0=aになっていたとしても、第2単位層32は第1単位層31に対してコヒーレントな状態にあるといえる。
第1単位層31を構成するIII族窒化物の面内格子定数は第2単位層32を構成するIII族窒化物の面内格子定数よりも小さいので、この歪みエネルギーを保持したままの第2単位層32の上に第1単位層31を形成させたとしても、コヒーレントな状態は保たれ、直下の第2単位層32に保持された歪みエネルギーが解放されることもない。そして、この第1単位層31の上に再び、第2単位層32をコヒーレントな状態に成長させれば、係る第2単位層32においても、上述と同様の圧縮歪が生じることとなる。
以降、同様に、コヒーレントな状態での成長を維持したままで第1単位層31と第2単位層32の形成(ペア層の形成)を繰り返すと、それぞれのペア層の第2単位層32に歪みエネルギーが保持されるので、組成変調層3は全体として、圧縮歪を含んだ部位として形成されることになる。
組成変調層3に導入された圧縮歪は、熱膨張係数差に起因して生じる引張応力とは正反対の向きに作用するので、降温時において、該引張応力を相殺する作用がある。概略的にいえば、1つのペア層における圧縮歪の大きさと、組成変調層3におけるペア層の繰り返し数との積に比例する力で、引張応力が相殺されることになる。すなわち、組成変調層3は、エピタキシャル基板10に圧縮歪を導入してなる部位であるともいえる。
なお、第1単位層31は、2つの第2単位層32の間に介在することになるが、その厚みが小さすぎる場合は、第2単位層32に生じる圧縮歪が小さくなって逆に第1単位層31自体に引張応力を内在しやすくなり好ましくない。一方、厚みが大きすぎる場合は、第2単位層32自体が引張方向の力を受けやすくなってやはり好ましくない。上述した、3nm〜20nm程度の厚みという要件は、このような不具合が生じないという点から好適なものである。
また、上述した、第1単位層31がAlNにて構成され、第2単位層32がAlxGa1-xN(0≦x≦0.25)なる組成のIII族窒化物にて構成されるという要件は、個々のペア層において十分な大きさの圧縮歪を得ることができるという点で好適なものである。
(終端層)
終端層4は、組成変調層3の最上部に、第1単位層31と同じ組成のIII族窒化物にて、つまりは、第2単位層32を形成するIII族窒化物よりも面内格子定数が小さいIII族窒化物にて、第1単位層31と同じ厚みで形成されてなる。係る態様にて終端層4が存在することで、組成変調層3に導入された圧縮歪は、後述する態様にて第1中間層5を設ける場合においても好適に維持される。
(第1中間層)
図3は、第1中間層5の形成までを行ったエピタキシャル基板の反り量と、第1中間層5の厚みとの関係を示す図である。なお、図3は、エピタキシャル膜の総膜厚を横軸として表している。また、本実施の形態において、エピタキシャル基板の反り量は、レーザー変位計によって測定するものとする。
図3に示した5つの例において、第1中間層5の厚み以外の条件は全て同じである。下地基板1としては、p型の導電型を有する直径4インチの(111)単結晶シリコンウェハー(525μm厚)を用いている。その上に、AlNからなり平均膜厚100nmの第1下地層2aと、Al0.1Ga0.9Nからなり平均膜厚40nmの第2下地層2bと、5nm厚のAlNからなる第1単位層31と15nm厚のAl0.1Ga0.9Nからなる第2単位層32とのペア層が20回繰り返し積層された組成変調層3と図示しない終端層4と、GaNからなる第1中間層5とが積層されてなる。
図3においては、第1中間層5の厚みが200nmのときに、エピタキシャル基板の反り量が極小となっている。上述のように、第1中間層5は、終端層4に対してコヒーレントな状態に形成されるので、図3に示す結果は、200nm程度の厚みに形成された第1中間層5が、バッファ層8によってエピタキシャル基板10に導入された圧縮歪をより強める作用効果を奏することを示唆している。係る結果を踏まえ、本実施形態においては、第1中間層5を100nm以上500nm以下程度の厚みに設け、組成変調層3において導入された圧縮歪を強めるようにしている。これにより、エピタキシャル基板10においては、引張応力がより効果的に相殺されるようになっている。すなわち、エピタキシャル基板10において、第1中間層5は、歪強化層として機能する。
なお、図3に示すように、第1中間層5の厚みが大きくなりすぎると、エピタキシャル基板10の反り量は増大する。これは、結晶が成長するにつれて歪みエネルギーの蓄積に限界が生じて圧縮歪が弱まってくとともに、格子がコヒーレントな状態を保って成長するのが困難となっていき、やがては臨界膜厚を越えて歪みエネルギーが開放されてしまうためである。係る反り量の増加はクラック発生の要因となる。ちなみに、図3においては第1中間層5の厚みが500nmのときの反り量は第1中間層5を設けない場合よりも大きいが、単位構造体6が複数積層される実際のエピタキシャル基板10において、第1中間層5の厚みが500nm以下の範囲であればバッファ層8における圧縮歪が好適に強められることは、本発明の発明者によって確認されている。
(第2中間層)
組成変調層3と第1中間層5とが上述した態様にて形成されることで、単位構造体6は全体として圧縮歪を内在することになる。それゆえ、複数の単位構造体6を積層すれば、クラック発生防止に十分な、大きな圧縮歪が得られることになるはずである。しかしながら、実際には、ある単位構造体6の直上に別の単位構造体6を形成したとしても、上側の単位構造体6においては十分な圧縮歪が得られない。これは、下側の単位構造体6の最上層である第1中間層5を構成するIII族窒化物の方が、上側の単位構造体6の最下層である第1単位層31を構成するIII族窒化物よりも無歪の状態における面内格子定数が大きく、かつ、第1単位層31がせいぜい3nm〜20nm程度の厚みに形成されるに過ぎないために、第1中間層5の上に直接、第1単位層31を形成すると、第1単位層31が引張歪を内在してしまい、組成変調層3に十分な圧縮歪が導入されなくなるためである。
そこで、本実施の形態においては、単位構造体6の間に第2中間層7を設けることによって、上述のような引張歪の導入に伴う不具合を生じさせないようにするとともに、個々の単位構造体6に十分な圧縮歪が内在されるようにしている。
具体的には、単位構造体6の最上層である第1中間層5の上に、該第1中間層5を構成するIII族窒化物よりも無歪の状態における面内格子定数が小さいIII族窒化物にて、第2中間層7が形成されてなる。係る態様にて設けられる第2中間層7は、第1中間層5との界面近傍に第1中間層5との格子定数差に起因したミスフィット転位を内在するが、少なくともその表面近傍においては、格子緩和して、引張応力が作用することのない実質的に無歪状態が実現されてなる。ここで、実質的に無歪であるとは、少なくとも直下の第1中間層5との界面近傍以外のところにおいてはバルク状態における格子定数と実質的に同一の格子定数を有することを意味している。
このような実質的に無歪の第2中間層7の上に形成した単位構造体6においては、その最下層となる第1単位層31に引張応力が作用することはないので、該単位構造体6も、第2中間層7の直下の単位構造体6と同様に、圧縮歪を好適に内在する態様にて形成されてなる。
好ましくは、第1単位層31と第2中間層7とがともにAlNにて形成される。係る場合、第2中間層7と第1単位層31とを連続的に形成することで、両者が実質的に1つの層を構成することになるので、第1単位層31に引張応力が作用することがより確実に防止される。
ただし、第2中間層7の厚みが小さすぎる場合、第1中間層5の上に直接に第1単位層31を形成する場合と同様に、第2中間層7に引張応力が作用してしまい、その影響のもとで組成変調層3を形成することになるため、組成変調層3に好適に圧縮歪が内在されなくなり好ましくない。一方、第2中間層7の厚みが大きすぎる場合、第2中間層7自体の、下地基板1であるシリコンとの間の熱膨張係数差の影響を無視できなくなって、第2中間層7に係る熱膨張係数差に起因した引張応力が作用してしまうことになり、好ましくない。上述したように、第2中間層7が概ね15nm以上150nm以下の厚みに形成されることは、第2中間層7が実質的に無歪の状態で形成され、その直上の第1単位層31に引張応力が作用しない要件として好適なものである。
さらに多くの単位構造体6を設ける場合も、上述と同様の態様にてそれぞれの単位構造体6の間に第2中間層7を介在させることで、全ての単位構造体6に圧縮歪が好適に内在された状態が実現されてなる。なお、単位構造体6の構成が同じであれば、単位構造体6の繰り返し積層数が多いほど、バッファ層8に内在される圧縮歪は大きくなる。
以上のような態様にて構成されたバッファ層8を備えるエピタキシャル基板10においては、該バッファ層8が大きな圧縮歪を内在していることで、シリコンとIII族窒化物との熱膨張係数差に起因して生じる引張応力が、好適に相殺された状態が実現されている。これにより、エピタキシャル基板10においては、クラックフリーが実現されてなる。また、このような態様にて引張応力が相殺されてなることで、エピタキシャル基板10は、反りが100μm以下にまで抑制されたものとなっている。
すなわち、本実施の形態に係るエピタキシャル基板10においては、歪導入層である組成変調層3の上に終端層4と歪強化層としての第1中間層5を形成した単位構造体6と、実質的に無歪の第2中間層7とを交互に積層する態様にてバッファ層8を設けることで、バッファ層8に大きな圧縮歪を内在させ、シリコンとIII族窒化物との熱膨張係数差に起因してエピタキシャル基板10に生じる引張応力を、好適に低減させてなる。これにより、エピタキシャル基板10においては、クラックフリーが実現され、反りも低減されてなる。
なお、バッファ層8は、上述したように歪みエネルギーの蓄積が抑制された状態の第2下地層2bの上に形成されることから、引張応力の相殺効果が、第2下地層2bに蓄積された歪みエネルギーを原因として阻害されることはない。
また、単位構造体6と第2中間層7とを繰り返し積層することは、エピタキシャル膜自体の総膜厚を増大させることになる。一般に、エピタキシャル基板10を用いてHEMT素子を作製する場合、その総膜厚が大きいほど該HEMT素子の絶縁破壊電圧が大きくなるので、本実施の形態に係るエピタキシャル基板10の構成は、係る絶縁破壊電圧の増大にも資するものである。
<第1中間層へのp型不純物の導入>
次に、第1中間層5にp型不純物を意図的に導入することに関する詳細を説明する。
上述したように、本実施の形態に係るエピタキシャル基板10においては、積層された複数の単位構造体6のそれぞれに、AlyGa1-yN(0<y≦0.25)なる組成のIII族窒化物にて構成される第1中間層5が設けられている。そして、エピタキシャル基板10の耐電圧性を高める目的で、係る第1中間層5のうちの少なくとも1つにp型不純物が意図的に導入されてなる。なお、本実施の形態において、意図的に導入されているとは、人為的な導入を行っていないにも関わらずp型不純物が混入した場合を除外することの意である。p型不純物は、例えばMg、Znなどである。好ましくは、p型不純物はMgである。なお、以降においては、チャネル層9aに隣接する第1中間層5(以下、チャネル隣接中間層)のみにp型不純物が導入されてなる場合を(p型不純物の導入の)第1の態様と称し、全ての第1中間層5にp型不純物が導入されてなる場合を(p型不純物の導入の)第2の態様と称することとする。
第1中間層5におけるp型不純物の濃度は、1×1017/cm3〜2×1018/cm3程度であるのが好ましい。係る濃度範囲をみたすことで、エピタキシャル基板10においては、p型不純物を含まない以外は同じ組成からなるエピタキシャル基板に比して、高い耐電圧が実現される。例えば、p型不純物が第1の態様にて導入されてなるエピタキシャル基板10の場合で、耐電圧の値は2割〜3割程度大きくなる。なお、本実施の形態において、耐電圧とは、エピタキシャル基板10に対し、0Vから値を増大させつつ電圧を印加したときに、1mA/cm2の漏れ電流が生じた電圧値であるとする。また、p型不純物を導入する第1中間層5の数が多いほど、耐電圧の値も大きくなる。例えば、p型不純物が第2の態様にて導入されてなるエピタキシャル基板10の耐電圧の値は、p型不純物が導入されていないエピタキシャル基板の耐電圧よりも5割程度大きくなる。
なお、厳密にいえば、上述のようなプロセスによってエピタキシャル基板10を作製する過程において、特に、作製途中のエピタキシャル基板10が加熱を受ける際に、第1中間層5に導入されたp型不純物はその隣接層へと拡散する。従って、p型不純物層は当該隣接層にも微量存在する。
第1の態様の場合であれば、チャネル層9aにも微量のp型不純物が存在することになるので、これによってチャネル層9aが高抵抗化されることが、エピタキシャル基板10の耐電圧の向上に寄与するものと考えられる。
ただし、その一方で、チャネル層9aへのp型不純物の拡散が過剰になると、チャネル層9aの結晶性は劣化してしまい、結果として、十分な耐電圧は得られなくなる。よって、チャネル層9aへのp型不純物の拡散は、耐電圧性を向上させるに十分な程度であればよいことになる。
本実施の形態においては、係る点を鑑み、上述のように、p型不純物を導入するマトリックス層をAlyGa1-yN(0<y≦0.25)なる組成のAlを含むIII族窒化物からなる第1中間層5のみとすることによって、チャネル層9aをはじめとする、第1中間層5の隣接層への拡散を好適に抑制しつつ、高い耐電圧が実現されてなる。
図4は、第1の態様にて構成したエピタキシャル基板10と、第1中間層5をGaNにて構成し、第1の態様と同様にチャネル隣接中間層のみにp型不純物を導入したエピタキシャル基板10とについて、チャネル隣接中間層とチャネル層9aとにおけるp型不純物の濃度プロファイルをSIMS(二次イオン質量分析法)により測定した結果を例示する図である(詳細は実施例参照)。図中、符号Aを付しているのが前者のプロファイルであり、符号Bを付しているのが後者のプロファイルである。p型不純物としてはMgを用い、第1中間層5におけるMg元素の濃度を2×1018/cm3と設定している。
図4に示された2つのプロファイルを比較すると、第1中間層5においてはA、Bのプロファイルともに濃度は2×1018/cm3で略一定となっている。しかしながら、チャネル層9aにおいては、Aのプロファイルではチャネル隣接中間層との界面からおよそ0.2μmのところでMg元素の濃度が検出限界以下である1×1016/cm3以下にまで減少しているのに対して、Bのプロファイルでは、チャネル隣接中間層との界面からおよそ0.3μmのところまでMg元素の濃度が1×1016/cm3以上となっている。係るプロファイルの差異は、本実施の形態のようにAlを含むIII族窒化物からなる第1中間層5をマトリックス層としてp型不純物を導入する方が、p型不純物の拡散が起こりにくいことを示している。
しかも、Aのプロファイルを得たエピタキシャル基板の耐電圧が800V弱程度であるのに対して、Bのプロファイルを得たエピタキシャル基板の耐電圧は500V弱程度である。このことは、前者のエピタキシャル基板のように、p型不純物の拡散を限定的なものとする方が、高い耐電圧が得られることを示している。さらにいえば、このことは、チャネル層9aへのp型不純物の拡散を促進させるべく、第1中間層5に対しp型不純物を過剰に導入する必要がないことをも意味している。
一方、第2の態様の場合、チャネル隣接中間層だけではなく、組成変調層3の間に位置する第1中間層5にもp型不純物が導入される。これにより、バッファ層8全体のエネルギーポテンシャルが高められ、個々の組成変調層3の第1単位層31と第2単位層32との界面における二次元電子ガスの発生が抑制されることで、エピタキシャル基板10の耐電圧がさらに向上するものと考えられる。
もちろん、この第2の態様の場合も、第1中間層5に対する必要以上のp型不純物の導入、および、第1中間層5から隣接層へのp型不純物層の過剰な拡散は、耐電圧の向上には寄与せず、エピタキシャル膜の結晶性の劣化を引き起こすため、必要がない。極端な例として、バッファ層8の全体に均一にp型不純物を導入したとした場合、エピタキシャル基板10の耐電圧は、p型不純物を導入しない場合よりもむしろ低下する。
なお、バッファ層8にAlを含む層が多いほど、エピタキシャル基板10の耐電圧は高くなる。特に、第2単位層32をAlxGa1-xN(0.1≦x≦0.25)なる組成のIII族窒化物にて形成し、かつ第1中間層をAlyGa1-yN(0.1≦y≦0.25)なる組成のIII族窒化物にて形成することが好適である。本実施の形態のようにp型不純物を導入することは、係る耐電圧をより高める効果を有しているともいえる。
以上、説明したように、本実施の形態によれば、下地基板と機能層との間に、組成変調層と終端層と第1中間層とからなり圧縮歪を内在する単位構造体を複数積層してなるバッファ層を設けるようにし、かつ、第1中間層をAlを含むIII族窒化物にて構成するとともに該第1中間層の少なくとも1つにp型不純物を導入することで、安価で大口径のものを入手容易なシリコン基板を下地基板とし、かつ、クラックフリーで結晶品質が優れ、しかも耐電圧の高いたエピタキシャル基板を、得ることができる。
特に、低結晶性層にp型不純物を導入せずとも、耐電圧が高く、かつ結晶品質が保たれたエピタキシャル基板を得ることができる。また、チャネル層に隣接する第1中間層にp型不純物を導入した場合であっても、耐電圧が高く、かつ結晶品質が保たれたエピタキシャル基板を得ることができる。
また、エピタキシャル基板10は、下地基板1と第1下地層2aの間に図示しない界面層を備える態様であってもよい。界面層は、数nm程度の厚みを有し、アモルファスのSiAluvwからなるのが好適な一例である。
下地基板1と第1下地層2aとの間に界面層を備える場合、下地基板1と第2下地層2bなどとの格子ミスフィットがより効果的に緩和され、その上に形成される各層の結晶品質がさらに向上する。すなわち、界面層を備える場合には、第1下地層2aであるAlN層が、界面層を備えない場合と同様の凹凸形状を有しかつ界面層を備えない場合よりも内在する結晶粒界が少なくなるように形成される。特に(0002)面でのX線ロッキングカーブ半値幅の値が改善された第1下地層2aが得られる。これは、下地基板1の上に直接に第1下地層2aを形成する場合に比して、界面層の上に第1下地層2aを形成する場合の方が第1下地層2aとなるAlNの核形成が進みにくく、結果的に、界面層が無い場合に比べて横方向成長が促進されることによる。なお、界面層の膜厚は5nmを超えない程度で形成される。このような界面層を備えた場合、第1下地層2aを、(0002)面のX線ロッキングカーブ半値幅が、0.5度以上0.8度以下の範囲となるように形成することができる。この場合、(0002)面のX線ロッキングカーブ半値幅が800sec以下であり、らせん転位密度が1×109/cm2以下であるという、さらに結晶品質の優れた機能層を形成することができる。
なお、界面層の形成は、シリコンウェハーが第1下地層形成温度に達した後、第1下地層2aの形成に先立って、TMAバブリングガスのみをリアクタ内に導入し、ウェハーをTMAバブリングガス雰囲気に晒すようすることによって実現される。
また、第1下地層2aの形成時に、Si原子とO原子の少なくとも一方が第1下地層2aに拡散固溶してなる態様や、N原子とO原子の少なくとも一方が下地基板1に拡散固溶してなる態様であってもよい。
実施例として、バッファ層8の層構成が異なる複数種のエピタキシャル基板10を作製した。実施例に係るエピタキシャル基板10の基本構成を、表1に示している。
Figure 0005662184
以下の実施例においては、表1に示すように、3つの単位構造体6が積層された複数種類のエピタキシャル基板10を作製した。ただし、チャネル層9aに隣接する第1中間層5の組成と、p型不純物としてのMgの導入態様(作製時の設定濃度)とを除いては、全てのエピタキシャル基板10について同じとした。
チャネル層9aに隣接する第1中間層5の組成と、Mg濃度と、耐電圧とを、表2に示している。
Figure 0005662184
なお、表1および表2においては、チャネル層9aに隣接する第1中間層5におけるMg濃度をα(/cm3)、それ以外の第1中間層5におけるMg濃度をβ(/cm3)、単位構造体6の第1中間層5以外の層におけるMg濃度をγと示している。
(実施例1)
本実施例では、チャネル隣接中間層の組成(具体的には、AlyGa1-yNのyの値)と、そのMg濃度αとを種々に違える他は、同じ条件で、11種のエピタキシャル基板10(試料a−1〜a−11)を作製し、耐電圧を測定した。なお、いずれの試料においても、β=γ=0とした。すなわち、Mgを導入するのはチャネル隣接中間層のみとした。なお、試料a−5〜a−7、a−9〜a−11が、上述の第1の態様に相当する。
まず、下地基板1として基板厚みが525μmのp型の導電型を有する4インチ(111)面単結晶シリコンウェハー(以下、シリコンウェハー)を用意した。用意したシリコンウェハーに、フッ化水素酸/純水=1/10(体積比)なる組成の希フッ酸による希フッ酸洗浄と硫酸/過酸化水素水=1/1(体積比)なる組成の洗浄液によるSPM洗浄とを施して、ウェハー表面に厚さ数Åの酸化膜が形成された状態とし、これをMOCVD装置のリアクタ内にセットした。次いで、リアクタ内を水素・窒素混合雰囲気とし、リアクタ内圧力を15kPaとして、基板温度が第1下地層形成温度である1100℃となるまで加熱した。
基板温度が1100℃に達すると、リアクタ内にNH3ガスを導入し、1分間、基板表面をNH3ガス雰囲気に晒した。
その後、TMAバブリングガスを所定の流量比にてリアクタ内に導入し、NH3とTMAを反応させることによって表面が三次元的凹凸形状を有する第1下地層2aを形成した。その際、第1下地層2aの成長速度(成膜速度)は20nm/minとし、第1下地層2aの目標平均膜厚は100nmとした。
第1下地層2aが形成されると、続いて、基板温度を1100℃とし、リアクタ内圧力を15kPaとして、TMGバブリングガスをリアクタ内にさらに導入し、NH3とTMAならびにTMGとの反応により、第1下地層2bとしてのAl0.1Ga0.9N層を平均膜厚が40nm程度となるように形成した。
第2下地層2bの形成に続いて、バッファ層8を形成した。本実施例では、表1に示したように、いずれの試料も、第1単位層31と終端層4と第2中間層7とは全てAlNにて形成した。また、第2単位層32は全てAl0.15Ga0.85Nにて形成した。また、チャネル層9aに隣接しない第1中間層5は、全て、Al0.2Ga0.8Nにて形成した。そして、チャネル隣接中間層のみ、表1に示した組成にて形成するとともに、表2に示したMg濃度でp型不純物としてのMgを導入した。具体的には、チャネル隣接中間層について、yの値を、0、0.1、0.15、0.2の4水準に違えた。また、Mg濃度αは、1.0×1017/cm3、5.0×1017/cm3、2.0×1018/cm3、2.0×1019/cm3の4水準に違えた。なお、基板温度は1100℃とし、リアクタ内圧力を15kPaとした。また、Mgの導入に用いたCp2Mg以外の原料ガスは、下地層2の形成に用いたものと同じである。
いずれの試料においても、バッファ層8の形成後、GaNからなるチャネル層9aを700nmの厚みに形成し、続いて、Al0.2Ga0.8Nからなるバリア層9bを25nmの厚みに形成した。チャネル層9aおよびバリア層9bの形成においては、基板温度を1100℃とし、リアクタ内圧力を15kPaとした。いずれも、用いた原料ガスは下地層2の形成に用いたものと同じである。
以上により、エピタキシャル基板10が得られた。いずれのエピタキシャル基板10においても、クラックは確認されなかった。得られたエピタキシャル基板10について、0Vから値を増大させつつ電圧を印加し、1mA/cm2の漏れ電流が生じた電圧値を耐電圧として特定した。
表2に示したように、まず、チャネル隣接中間層をAlを含まないGaNにて構成してなる試料a−1〜a−3の耐電圧はいずれも500V以下であり、Mg濃度が高くなるほど耐電圧が低下する傾向があった。係る結果より、チャネル隣接中間層がAlを含まない場合、チャネル隣接中間層に対しMgを導入したとしても耐電圧向上の効果が得られないことが、確認される。
一方、試料a−4、a−8の耐電圧はいずれも580V強であった。係る結果より、チャネル隣接中間層をAlを含むIII族窒化物にて構成することで、Alを含まない上述のa−1〜a−3の場合よりも耐電圧が高くなることが確認される。
そして、a−5〜a−7、a−9〜a−11の耐電圧は762V〜806Vの範囲となった。係る結果より、Alを含むIII族窒化物から構成されるチャネル隣接中間層にp型不純物としてMgを導入することで、さらに耐電圧が高くなることが確認される。
以上の結果は、Alを含むIII族窒化物にて第1中間層5を形成し、かつ、上述した第1の態様にてエピタキシャル基板10を構成することが、高耐電圧化にとって有効であることを示している。
(実施例2)
本実施例では、全ての第1中間層5についてその組成(具体的にはyの値)とMg濃度とを同じとする一方、単位構造体6の第1中間層5以外の層におけるMg濃度を違えた2種のエピタキシャル基板10(試料b−1〜b−2)を実施例1と同様の手順で作製し、耐電圧の測定を行った。なお、いずれの試料においても、y=0.2、α=2.0×1018/cm3とした。そして、試料b−1においては、β=2.0×1018/cm3(=α)、γ=0とした。また、試料b−2においては、β=γ=2.0×1018/cm3(=α)とした。すなわち、試料b−1は上述の第2の態様に相当する。また、試料b−2においては、バッファ層8全体に均一にMgが導入されていることになる。
得られたいずれのエピタキシャル基板10においても、クラックは確認されなかった。
表2に示した耐電圧の評価結果をみると、試料b−1では、βの値のみが異なる試料a−11の806Vという値に比してさらに高い、905Vという耐電圧が得られていることが確認される。係る結果は、p型不純物を導入する第1中間層5が多いほど耐電圧が高くなることを示している。一方で、試料b−2では、Mgを導入していないa−8よりも低い558Vという耐電圧しか得られていない。係る結果は、バッファ層8全体に均一にp型不純物を導入しても、耐電圧向上の効果が得られないことを示している。すなわち、試料b−1、b−2の結果を併せ考えると、第1中間層5にのみp型不純物を導入することによって隣接層にp型不純物が微量拡散した状態を実現することがエピタキシャル基板10の耐電圧向上に有効であると判断される。なお、バッファ層8全体に均一にp型不純物を導入した場合に、p型不純物を導入しない場合よりもさらに低い耐電圧しか得られないのは、p型不純物が過剰に存在することで結晶性の劣化が生じたためであると考えられる。
1 下地基板
2 下地層
2a 第1下地層
2b 第2下地層
3 組成変調層
4 終端層
5 第1中間層
6 単位構造体
7 第2中間層
8 バッファ層
9a チャネル層
9b バリア層
10 エピタキシャル基板
31 第1単位層
32 第2単位層

Claims (25)

  1. (111)方位の単結晶シリコンである下地基板の上に、前記下地基板の基板面に対し(0001)結晶面が略平行となるようにIII族窒化物層群を形成してなる半導体素子用のエピタキシャル基板であって、
    第1の積層単位と第2の積層単位とを交互に積層してなり、かつ、最上部と最下部がいずれも前記第1の積層単位にて構成されてなるバッファ層と、
    前記バッファ層の直上に形成されたチャネル層と、
    前記チャネル層の上に形成されたバリア層と、
    を備え、
    前記第1の積層単位が、
    組成の相異なるIII族窒化物からなる第1単位層と第2単位層とを前記下地基板の側からこの順に繰り返し交互に積層してなる組成変調層と、
    前記組成変調層の上に形成され、Alを含むIII族窒化物からなる第1中間層と、
    を含み、
    前記第1単位層を構成する第1のIII族窒化物よりも前記第2単位層を構成する第2のIII族窒化物の方が無歪状態における面内格子定数が大きく、
    それぞれの前記第2単位層は前記第1単位層に対してコヒーレントな状態に形成されてなり、
    前記バッファ層に含まれる複数の前記第1中間層のうちの少なくとも1つがAlを含むIII族窒化物からなる第1の層であり、
    前記第1の層のみにp型不純物が意図的に導入されてなり、前記バッファ層に含まれる層および前記チャネル層のうち、前記第1の層に隣接する層である第2の層に前記第1の層から拡散したp型不純物が存在する、
    ことを特徴とする半導体素子用のエピタキシャル基板。
  2. 請求項1に記載のエピタキシャル基板であって、
    前記複数の前記第1中間層のうち、少なくとも前記チャネル層に隣接する前記第1中間層が前記第1の層である、
    ことを特徴とする半導体素子用のエピタキシャル基板。
  3. 請求項1に記載のエピタキシャル基板であって、
    前記複数の前記第1中間層の全てが前記第1の層である、
    ことを特徴とする半導体素子用のエピタキシャル基板。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のエピタキシャル基板であって、
    前記第1中間層がAlGa1−yN(0<y≦0.25)なる組成のIII族窒化物からなり、
    前記チャネル層がGaNからなる、
    ことを特徴とする半導体素子用のエピタキシャル基板。
  5. 請求項1ないし請求項4のいずれかに記載のエピタキシャル基板であって、
    前記第1の層における前記p型不純物の濃度が1×1017cm−3〜2×1018cm−3である、
    ことを特徴とする半導体素子用のエピタキシャル基板。
  6. 請求項1ないし請求項5のいずれかに記載のエピタキシャル基板であって、
    前記第1中間層が、前記組成変調層に対してコヒーレントな状態に形成されてなることを特徴とする半導体素子用のエピタキシャル基板。
  7. 請求項1ないし請求項6のいずれかに記載のエピタキシャル基板であって、
    前記第1単位層がAlNからなり、前記第2単位層がAl Ga 1−x N(0≦x≦0.25)なる組成のIII族窒化物からなることを特徴とする半導体素子用のエピタキシャル基板。
  8. 請求項1ないし請求項7のいずれかに記載のエピタキシャル基板であって、
    前記組成変調層の最上部に前記第1単位層と同じ組成を有する終端層が設けられてなることを特徴とする半導体素子用のエピタキシャル基板。
  9. 請求項1ないし請求項8のいずれかに記載のエピタキシャル基板であって、
    前記第2の積層単位が、前記第1中間層を構成するIII族窒化物よりも無歪状態における面内格子定数が小さいIII族窒化物からなる第2中間層である、
    ことを特徴とする半導体素子用のエピタキシャル基板。
  10. 請求項に記載のエピタキシャル基板であって、
    前記第2中間層がAlNにて15nm以上150nm以下の厚みに形成されてなることを特徴とする半導体素子用のエピタキシャル基板。
  11. 請求項9または請求項10に記載のエピタキシャル基板であって、
    前記第1単位層の組成と前記第2中間層の組成が実質的に同じであることを特徴とする半導体素子用のエピタキシャル基板。
  12. 請求項1ないし請求項11のいずれかに記載のエピタキシャル基板であって、
    前記下地基板の上に形成された、AlNからなる第1の下地層と、
    前記第1の下地層の上に形成され、Al Ga 1−p N(0≦p<1)からなる第2の下地層と、
    をさらに備え、
    前記第1の下地層が、柱状あるいは粒状の結晶もしくはドメインの少なくとも一種から構成される多結晶欠陥含有性層であり、
    前記第1の下地層と前記第2の下地層との界面が3次元的凹凸面であり、
    前記第2の下地層の直上に前記バッファ層が形成されてなる、
    ことを特徴とする半導体素子用のエピタキシャル基板。
  13. 請求項1ないし請求項12のいずれかに記載のエピタキシャル基板であって、
    前記p型不純物がMgである、
    ことを特徴とする半導体素子用のエピタキシャル基板。
  14. (111)方位の単結晶シリコンである下地基板の上に、前記下地基板の基板面に対し(0001)結晶面が略平行なIII族窒化物層群を形成してなる半導体素子用エピタキシャル基板の製造方法であって、
    第1の積層単位と第2の積層単位とを最上部と最下部がいずれも前記第1の積層単位となるように交互に積層することによってバッファ層を形成するバッファ層形成工程と、
    前記バッファ層の直上にチャネル層をエピタキシャル形成するチャネル層形成工程と、
    前記チャネル層の上にバリア層をエピタキシャル形成するバリア層形成工程と、
    を備え、
    前記バッファ層形成工程が、前記第1の積層単位を形成する工程として、
    組成の相異なるIII族窒化物からなる第1単位層と第2単位層とを前記下地基板の側からこの順に繰り返し交互に積層することにより組成変調層をエピタキシャル形成する組成変調層形成工程と、
    前記組成変調層の上に第1中間層をエピタキシャル形成する第1中間層形成工程と、
    を含み、
    前記組成変調層形成工程においては、前記第1単位層を構成するIII族窒化物よりも前記第2単位層を構成するIII族窒化物の方が無歪状態における面内格子定数が大きくなるように、かつ、それぞれの前記第2単位層は前記第1単位層に対してコヒーレントな状態になるように、前記組成変調層を形成し、
    前記バッファ層に含まれる複数の前記第1中間層のうちの少なくとも1つをエピタキシャル形成する際にのみ、p型不純物を導入する、
    ことを特徴とする半導体素子用エピタキシャル基板の製造方法
  15. 請求項14に記載のエピタキシャル基板の製造方法であって、
    前記複数の前記第1中間層のうち、少なくとも前記チャネル層に隣接する前記第1中間層に、前記p型不純物を導入する、
    ことを特徴とする半導体素子用エピタキシャル基板の製造方法。
  16. 請求項14に記載のエピタキシャル基板の製造方法であって、
    前記複数の前記第1中間層の全てに前記p型不純物を導入する、
    ことを特徴とする半導体素子用エピタキシャル基板の製造方法。
  17. 請求項14ないし請求項16のいずれかに記載のエピタキシャル基板の製造方法であって、
    前記第1中間層をAl Ga 1−y N(0<y≦0.25)なる組成のIII族窒化物にて形成し、
    前記チャネル層をGaNにて形成する、
    ことを特徴とする半導体素子用エピタキシャル基板の製造方法。
  18. 請求項14ないし請求項17のいずれかに記載のエピタキシャル基板の製造方法であって、
    前記p型不純物の濃度が1×10 17 cm −3 〜2×10 18 cm −3 となるように前記p型不純物を導入する、
    ことを特徴とする半導体素子用エピタキシャル基板の製造方法。
  19. 請求項14ないし請求項18のいずれかに記載のエピタキシャル基板の製造方法であって、
    前記第1中間層形成工程においては、前記組成変調層に対してコヒーレントな状態になるように前記第1中間層を形成する、
    ことを特徴とする半導体素子用エピタキシャル基板の製造方法。
  20. 請求項14ないし請求項19のいずれかに記載のエピタキシャル基板の製造方法であって、
    前記組成変調層形成工程においては、前記第1単位層をAlNにて形成し、前記第2単位層をAl Ga 1−x N(0≦x≦0.25)なる組成のIII族窒化物にて形成する、
    ことを特徴とする半導体素子用エピタキシャル基板の製造方法。
  21. 請求項14ないし請求項20のいずれかに記載のエピタキシャル基板の製造方法であって、
    前記組成変調層の最上部に前記第1単位層と同じ組成を有する終端層を設ける終端層形成工程、
    をさらに備えることを特徴とする半導体素子用エピタキシャル基板の製造方法。
  22. 請求項14ないし請求項21のいずれかに記載のエピタキシャル基板の製造方法であって、
    前記第2の積層単位を形成する工程として、
    前記第1中間層を構成するIII族窒化物よりも無歪状態における面内格子定数が小さいIII族窒化物からなる第2中間層を形成する第2中間層形成工程、
    を備えることを特徴とする半導体素子用エピタキシャル基板の製造方法。
  23. 請求項22に記載のエピタキシャル基板の製造方法であって、
    前記第2中間層をAlNにて15nm以上150nm以下の厚みに形成することを特徴とする半導体素子用エピタキシャル基板の製造方法。
  24. 請求項14ないし請求項23のいずれかに記載のエピタキシャル基板の製造方法であって、
    前記下地基板の上に、AlNからなる第1の下地層を形成する第1下地層形成工程と、
    前記第1の下地層の上に、Al Ga 1−p N(0≦p<1)からなる第2の下地層を形成する第2下地層形成工程と、
    をさらに備え、
    前記第1下地層形成工程においては、前記第1の下地層を、柱状あるいは粒状の結晶もしくはドメインの少なくとも一種から構成され、表面が三次元的凹凸面である多結晶欠陥含有性層として形成し、
    前記バッファ層形成工程においては、前記第2の下地層の直上に前記バッファ層を形成する、
    ことを特徴とする半導体素子用エピタキシャル基板の製造方法。
  25. 請求項14ないし請求項24のいずれかに記載のエピタキシャル基板の製造方法であって、
    前記p型不純物がMgである、
    ことを特徴とする半導体素子用エピタキシャル基板の製造方法。
JP2011019699A 2011-02-01 2011-02-01 半導体素子用のエピタキシャル基板、および半導体素子用エピタキシャル基板の製造方法 Expired - Fee Related JP5662184B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011019699A JP5662184B2 (ja) 2011-02-01 2011-02-01 半導体素子用のエピタキシャル基板、および半導体素子用エピタキシャル基板の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011019699A JP5662184B2 (ja) 2011-02-01 2011-02-01 半導体素子用のエピタキシャル基板、および半導体素子用エピタキシャル基板の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2012160608A JP2012160608A (ja) 2012-08-23
JP5662184B2 true JP5662184B2 (ja) 2015-01-28

Family

ID=46840891

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2011019699A Expired - Fee Related JP5662184B2 (ja) 2011-02-01 2011-02-01 半導体素子用のエピタキシャル基板、および半導体素子用エピタキシャル基板の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5662184B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR102077674B1 (ko) * 2013-07-24 2020-02-14 엘지전자 주식회사 질화물 반도체 소자 및 그 제조 방법
KR102347387B1 (ko) 2015-03-31 2022-01-06 서울바이오시스 주식회사 자외선 발광 소자
EP3451364B1 (en) * 2017-08-28 2020-02-26 Siltronic AG Heteroepitaxial wafer and method for producing a heteroepitaxial wafer
CN113097057A (zh) * 2021-03-31 2021-07-09 中国科学院苏州纳米技术与纳米仿生研究所 外延生长方法、外延结构及光电器件

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4530171B2 (ja) * 2003-08-08 2010-08-25 サンケン電気株式会社 半導体装置
JP5465469B2 (ja) * 2008-09-04 2014-04-09 日本碍子株式会社 エピタキシャル基板、半導体デバイス基板、およびhemt素子
JP5546301B2 (ja) * 2008-11-27 2014-07-09 Dowaエレクトロニクス株式会社 電子デバイス用エピタキシャル基板およびその製造方法
JP2010251414A (ja) * 2009-04-13 2010-11-04 Oki Electric Ind Co Ltd 半導体装置及びその製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2012160608A (ja) 2012-08-23

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5554826B2 (ja) エピタキシャル基板およびエピタキシャル基板の製造方法
JP5492984B2 (ja) エピタキシャル基板およびエピタキシャル基板の製造方法
JP5596783B2 (ja) エピタキシャル基板およびエピタキシャル基板の製造方法
JP5545781B2 (ja) エピタキシャル基板およびエピタキシャル基板の製造方法
JP5671127B2 (ja) 半導体素子用エピタキシャル基板、半導体素子、および半導体素子用エピタキシャル基板の製造方法
JP5616443B2 (ja) エピタキシャル基板およびエピタキシャル基板の製造方法
WO2011135963A1 (ja) エピタキシャル基板およびエピタキシャル基板の製造方法
JP5456783B2 (ja) 半導体素子用エピタキシャル基板、半導体素子用エピタキシャル基板の製造方法、および半導体素子
WO2011122322A1 (ja) エピタキシャル基板およびエピタキシャル基板の製造方法
WO2013125126A1 (ja) 半導体素子および半導体素子の製造方法
JP5937513B2 (ja) 半導体素子用エピタキシャル基板および半導体素子用エピタキシャル基板の製造方法
JP5662184B2 (ja) 半導体素子用のエピタキシャル基板、および半導体素子用エピタキシャル基板の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20121119

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20140116

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20140121

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20140305

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20140715

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20140905

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20141202

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20141204

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5662184

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees