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JP5659946B2 - 半導体封止用接着剤及びその製造方法、並びに半導体装置 - Google Patents

半導体封止用接着剤及びその製造方法、並びに半導体装置 Download PDF

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Description

本発明は、半導体封止用接着剤及びその製造方法、並びに半導体装置に関する。
従来、半導体チップと基板とを接続するためには、金ワイヤ等の金属細線を用いるワイヤーボンディング方式が広く適用されてきた。しかし近年、半導体装置に対する高機能化・高集積化・高速化等の要求に対応するため、半導体チップ又は基板にバンプと呼ばれる導電性突起を形成して、半導体チップと基板とを直接接続するフリップチップ接続方式(FC接続方式)が広まりつつある。
FC接続方式において、バンプ等の接続部に用いられる主な金属としては、はんだ、錫、金、銀、銅、ニッケル等が挙げられるが、このような接続部の表面には、金属の酸化等が原因で、酸化物や不純物が生じる場合がある。そして、このような酸化物や不純物を除去せずにFC接続を行うと、接続性や信頼性が低下するおそれがある。
そこで、近年、このような酸化物や不純物を除去するため、半導体チップと基板との間を封止する半導体封止材料にフラックス剤を含有させて、接続部の表面状態を改善する方法(例えば、Pre−applied方式)が提案されている(例えば、特許文献1〜4)。
特開2001−223227号公報 特開2002−283098号公報 特開2005−272547号公報 特開2006−169407号公報
しかしながら、従来の半導体封止材料では、フラックス剤のフラックス活性が十分に得られず、十分な接続性が得られない場合がある。
ところで、FC接続方式では、接続部の信頼性の観点から金属接合による接続が多く行われるが、金属接合に際しては接続温度が高温(例えば、200℃以上)となる。このような接続条件では、場合により半導体封止材料の発泡が生じ、接続性・信頼性が低下してしまう。ここで、半導体封止材料の発泡(ボイドの発生)は、主に残存溶媒によって生じると考えられるため、従来の半導体封止材料は、溶媒が出来る限り残存しないようにして製造されることが通常である。
本発明は、高温接続時においてもボイドの発生が十分に抑制され、且つ、フラックス剤のフラックス活性が有効に得られる、半導体封止用接着剤及びその製造方法を提供することを目的とする。また本発明は、該半導体封止用接着剤を用いて製造された半導体装置を提供することを目的とする。
すなわち本発明は、(a)エポキシ樹脂、(b)エポキシ樹脂硬化剤、(c)フラックス剤及び(d)有機溶媒を含有する接着剤ワニスから、下記式(I)及び(II)を満たすように有機溶媒の少なくとも一部を除去して得られる、半導体封止用接着剤を提供する。
半導体封止用接着剤の反応開始温度≧(d)有機溶媒の沸点 (I)
0.5≦半導体封止用接着剤中の(d)有機溶媒の含有量(質量%)≦1.5 (II)
上述したように、従来は、ボイドの発生を抑えるために、残存溶媒を出来る限り残存しないように乾燥処理等を行うことが通常である。しかしながら、本発明者らの知見によれば、過剰な乾燥処理を行うと、フラックス剤のフラックス活性が低下してしまう。そのため、従来では、十分なボイド発生の抑制と十分なフラックス活性を得ることとを両立することが困難であったと考えられる。
本発明によれば、敢えて式(I)及び(II)を満たすように接着剤ワニスから(d)有機溶媒を除去することで、フラックス剤のフラックス活性を十分に維持しつつ、ボイドの発生を十分に抑制することができる。そのため、本発明の半導体封止用接着剤によれば、接続性及び信頼性に優れる半導体装置を製造することができる。
本発明の半導体封止用接着剤は、上記接着剤ワニスが、(e)分子量10000以上の高分子成分をさらに含有することが好ましい。このような接着剤ワニスから得られる半導体封止用接着剤は、膜形成性に優れる。
上記高分子成分の重量平均分子量は、30000以上であることが好ましい。また、上記高分子成分のガラス転移温度は、100℃以下であることが好ましい。さらに、上記高分子成分としては、ポリイミド樹脂が好ましい。
本発明の半導体封止用接着剤において、上記接着剤ワニスは、上記(c)フラックス剤として、上記(a)エポキシ樹脂と反応し得る化合物を含有していてもよい。
また本発明の半導体封止用接着剤において、上記接着剤ワニスは、上記(c)フラックス剤として、カルボン酸類を含有していてもよい。
本発明の半導体封止用接着剤は、例えば、フィルム状とすることができる。
本発明はまた、(a)エポキシ樹脂、(b)エポキシ樹脂硬化剤、(c)フラックス剤及び(d)有機溶媒を含有する接着剤ワニスから、下記式(I)及び(II)を満たすように有機溶媒の少なくとも一部を除去する、半導体封止用接着剤の製造方法を提供する。
半導体封止用接着剤の反応開始温度≧(d)有機溶媒の沸点 (I)
0.5≦半導体封止用接着剤中の(d)有機溶媒の含有量(質量%)≦1.5 (II)
このような製造方法によれば、高温接続時においてもボイドの発生が十分に抑制され、且つ、フラックス剤のフラックス活性が有効に得られる半導体封止用接着剤を製造することができる。
本発明はさらに、上記本発明の半導体封止用接着剤を用いて製造された半導体装置を提供する。本発明の半導体装置は、上記半導体封止用接着剤を用いて封止することで、接続性及び信頼性に優れたものとなる。
本発明によれば、高温接続時においてもボイドの発生が十分に抑制され、且つ、フラックス剤のフラックス活性が有効に得られる半導体封止用接着剤及びその製造方法が提供される。また本発明によれば、該半導体封止用接着剤を用いて製造された半導体装置が提供される。
本発明の半導体装置の第一の実施形態を示す模式断面図である。 本発明の半導体装置の第二の実施形態を示す模式断面図である。 本発明の半導体装置の第三の実施形態を示す模式断面図である。 本発明の半導体装置の第四の実施形態を示す模式断面図である。
本発明の半導体封止用接着剤及び半導体装置の好適な実施形態について以下に説明する。
(半導体封止用接着剤)
本実施形態に係る半導体封止用接着剤は、
(a)エポキシ樹脂(以下、場合により「(a)成分」と称する。)、
(b)エポキシ樹脂硬化剤(以下、場合により「(b)成分」と称する。)、
(c)フラックス剤(以下、場合により「(c)成分」と称する。)、及び
(d)有機溶媒(以下、場合により(d)成分と称する。)
を含有する接着剤ワニスから、下記式(I)及び(II)を満たすように、(d)有機溶媒の少なくとも一部を除去して得られる接着剤である。
半導体封止用接着剤の反応開始温度≧(d)有機溶媒の沸点 (I)
0.5≦半導体封止用接着剤中の(d)有機溶媒の含有量(質量%)≦1.5 (II)
FC接続方式では、接続部の信頼性の観点から金属接合による接続が多く行われるが、金属接合に際しては接続温度が高温(例えば、200℃以上)となる。このような接続条件では、場合により半導体封止材料の発泡が生じ、接続性・信頼性が低下してしまう。ここで、半導体封止材料の発泡(ボイドの発生)は、主に残存溶媒によって生じると考えられるため、従来の半導体封止材料は、溶媒が出来る限り残存しないようにして製造されることが通常である。
しかし、本発明者らの知見によれば、過剰な乾燥処理を行うと、フラックス剤のフラックス活性が低下してしまう。そのため、従来では、十分なボイド発生の抑制と十分なフラックス活性を得ることとを両立することが困難であったと考えられる。
本実施形態に係る半導体封止用接着剤においては、敢えて式(I)及び(II)を満たすように接着剤ワニスから(d)有機溶媒を除去することで、フラックス剤のフラックス活性を十分に維持しつつ、ボイドの発生を十分に抑制することができる。
なお、「半導体封止用接着剤の反応開始温度」は、DSC(例えば、パーキンエルマー社製DSC−7型)を用いて、サンプル量20mg、昇温速度10℃/minで、30〜300℃まで測定したときの、平均場近似一次転移温度(onset温度)を示す。なお、平均場近似一次温度は、縦軸に熱量(W/g)、横軸に温度(℃)をとったときの、最低温度の発熱ピークの立上がり曲線において最もピークの勾配が急になった部分の接線と、温度軸と、の交点の温度を示す。
また、接着剤ワニスが(d)成分を2種以上含有するとき、式(I)を満たすためには、(d)成分のうち最も含有割合(質量比)が多い有機溶媒の沸点が、半導体封止用接着剤の反応開始温度以下であればよい。
(a)成分は、分子内に2つ以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂であることが好ましい。(a)成分としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、フェノールアラルキル型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、トリフェニルメタン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂等の多官能エポキシ樹脂が挙げられる。これらのエポキシ樹脂は単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
(a)成分としては、1%熱重量減少温度が200℃以上のエポキシ樹脂が好ましい。半導体装置の製造時の加熱によって(a)成分が分解して揮発成分が発生すると、ボイドが生じる一因となるが、上記のエポキシ樹脂によればこのようなボイドの発生が抑制される。
また、後述する半導体装置の製造方法において、接続部を250℃で接続する場合には、(a)成分として250℃の熱重量減少量率が5%以下であるエポキシ樹脂を用いることが好ましく、接続部を300℃で接続する場合には、(a)成分として300℃の熱重量減少量率が5%以下であるエポキシ樹脂を用いることが好ましい。すなわち、(a)成分としては、半導体装置の製造方法で接続部を接続する温度での、熱重量減少量率が、5%以下であるエポキシ樹脂を用いることが好ましい。
(b)成分としては、例えば、(b−1)フェノール樹脂、(b−2)酸無水物系硬化剤、(b−3)アミン系硬化剤、(b−4)イミダゾール類、(b−5)ホスフィン類、が挙げられる。これらのエポキシ樹脂硬化剤は単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
(b−1)フェノール樹脂としては、分子内に2つ以上のフェノール性水酸基を有するフェノール樹脂であればよく、例えば、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、フェノールアラルキル樹脂、クレゾールナフトールホルムアルデヒド重縮合物、トリフェニルメタン型多官能フェノール樹脂等の多官能フェノール樹脂が挙げられる。
フェノール樹脂は、(a)成分のエポキシ当量Cに対するフェノール樹脂のフェノール性水酸基当量Cの比C/Cが、0.3〜1.5となるように配合することが好ましく、0.4〜1.0となるように配合することがより好ましく、0.5〜1.0となるように配合することがさらに好ましい。比C/Cが0.3以上であると、半導体封止用接着剤の接着力が一層良好となる。また、比C/Cが1.5以下であると、フェノール性水酸基が十分に消費されるため、半導体封止用接着剤の硬化物の吸水性を十分に低く抑えることができ、絶縁信頼性が一層向上する。
また、フェノール樹脂を含有する半導体封止用接着剤によれば、フェノール性水酸基がフラックス活性を示すため、一層接続性及び信頼性に優れる半導体装置が得られる。
(b−2)酸無水物系硬化剤としては、例えば、メチルシクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、エチレングリコールビスアンヒドロトリメリテートが挙げられる。
酸無水物系硬化剤は、(a)成分のエポキシ当量Cに対する酸無水物系硬化剤の酸無水物当量Cの比C/Cが、0.3〜1.5となるように配合することが好ましく、0.4〜1.0となるように配合することがより好ましく、0.5〜1.0となるように配合することがさらに好ましい。比C/Cが0.3以上であると、半導体封止用接着剤の接着力が一層良好となる。また、比C/Cが1.5以下であると、酸無水物が十分に消費されるため、半導体封止用接着剤の硬化物の吸水性を十分に低く抑えることができ、接続信頼性が一層向上する。
また、酸無水物系硬化剤を含有する半導体封止用接着剤によれば、酸無水物がフラックス活性を示すため、一層接続性及び信頼性に優れる半導体装置が得られる。
(b−3)アミン系硬化剤としては、例えば、ジシアンジアミド、脂環式ポリアミン、脂肪族ポリアミン、アニリンホルムアルデヒド縮合物、等が挙げられる。
アミン系硬化剤は、(a)成分のエポキシ当量Cに対するアミン系硬化剤のアミン当量Cの比C/Cが、0.3〜1.5となるように配合することが好ましく、0.4〜1.0となるように配合することがより好ましく、0.5〜1.0となるように配合することがさらに好ましい。比C/Cが0.3以上であると、半導体封止用接着剤の接着力が一層良好となる。また、比C/Cが1.5以下であると、アミンが十分に消費されるため、半導体封止用接着剤の硬化物の吸水性を十分に低く抑えることができ、接続信頼性が一層向上する。
また、アミン系硬化剤を含有する半導体封止用接着剤によれば、アミンがフラックス活性を示すため、一層接続性及び信頼性に優れる半導体装置が得られる。
(b−4)イミダゾール類としては、例えば、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾール、1−シアノ−2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾールトリメリテイト、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾリウムトリメリテイト、2,4−ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−ウンデシルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−エチル−4’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジンイソシアヌル酸付加体、2−フェニルイミダゾールイソシアヌル酸付加体、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール、エポキシ樹脂とイミダゾール類の付加体などが挙げられる。
中でも、硬化性、保存安定性及び接続信頼性に優れる観点から、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾール、1−シアノ−2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾールトリメリテイト、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾリウムトリメリテイト、2,4−ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−エチル−4’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジンイソシアヌル酸付加体、2−フェニルイミダゾールイソシアヌル酸付加体、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾールが好ましい。また、イミダゾール類としては、上記のイミダゾール類をマイクロカプセル化して潜在性を高めたものを用いてもよい。
イミダゾール類の配合量は、(a)エポキシ樹脂100質量部に対して、0.1〜20質量部であることが好ましく、0.1〜10質量部であることがより好ましい。配合量が0.1質量部以上であると、半導体封止用接着剤の接着力が一層良好となる。また、配合量が20質量部を超えると、金属接合が十分に形成される前に半導体封止用接着剤が硬化して、接続不良が生じるおそれがある。
イミダゾール類は、単独でエポキシ樹脂硬化剤として用いてもよいし、上記(b−1)〜(b−3)のエポキシ樹脂硬化剤と共に配合して、硬化促進剤として使用することもできる。
(b−5)ホスフィン類としては、例えば、トリフェニルホスフィン、テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート、テトラフェニルホスホニウムテトラ(4−メチルフェニル)ボレート、テトラフェニルホスホニウム(4−フルオロフェニル)ボレートなどが挙げられる。
ホスホニウム類の配合量は、(a)エポキシ樹脂100質量部に対して、0.1〜10質量部であることが好ましく、0.1〜5質量部であることがより好ましい。配合量が0.1質量部以上であると、半導体封止用接着剤の接着力が一層良好となる。また、配合量が10質量部を超えると、金属接合が十分に形成される前に半導体封止用接着剤が硬化して、接続不良が生じるおそれがある。
(c)成分としては、公知のフラックス剤を特に制限無く用いることができる。(c)成分としては、例えば、カルボン酸類;イミダゾール類やアミン類等の、非共有電子対を有する窒素原子を含む化合物;フェノール性水酸基を有する化合物;アルコール類;などが挙げられ、これらのうち、カルボン酸類が好ましい。
カルボン酸類は、フラックス活性に優れるため、カルボン酸類を含有する半導体封止用接着剤によれば、一層接続性及び信頼性に優れる半導体装置が得られる。また、硬化後の半導体封止用接着剤中にフラックス剤が遊離した状態で存在していると、絶縁信頼性が低下するおそれがあるが、カルボン酸類は(a)成分のエポキシ基と容易に反応して(a)成分と結合するため、絶縁信頼性の低下の要因となり難い。
カルボン酸類としては、例えば、エタン酸、プロパン酸、ブタン酸、ペンタン酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、ノナン酸、デカン酸、ドデカン酸、テトラデカン酸、テトラデカン酸、ヘキサデカン酸、ヘプタデカン酸、オクタデカン酸等の脂式飽和カルボン酸;オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸、ドコサヘキサエン酸、エイコサペンタエン酸等の脂式不飽和カルボン酸;シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸等の脂式ジカルボン酸;安息香酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸、トリメシン酸、ヘミメリット酸、ピロメリット酸、ペンタンカルボン酸、メシン酸等の芳香族カルボン酸;乳酸、りんご酸、クエン酸、サリチル酸等のヒドロキシル基を有するカルボン酸;マレイン酸、フマル酸等の脂式不飽和ジカルボン酸;が挙げられる。
また、カルボン酸類としては、芳香環上に電子求引性又は電子供与性の置換基を有する芳香族カルボン酸を用いることもできる。電子求引性の置換基によれば、芳香族カルボン酸の酸性度が高くなり、電子供与性の置換基によれば、芳香族カルボン酸の酸性度が低くなる。芳香族カルボン酸の酸性度が高いと、フラックス活性が一層向上する傾向にあるが、酸性度が高すぎると、絶縁信頼性が低下する場合がある。
電子求引性の置換基としては、ニトロ基、シアノ基、トリフルオロメチル基、ハロゲン原子、フェニル基等が挙げられる。また、電子供与性の置換基としては、メチル基、エチル基、イソプロピル基、tert−ブチル基、ジメチルアミノ基、トリメチルアミノ基等が挙げられる。これらの置換基の数や位置は、フラックス活性や絶縁信頼性が極端に低下しない限り、特に制限されない。
(c)成分の配合量は、(a)エポキシ樹脂100質量部に対して、1〜25質量部であることが好ましく、5〜20質量部であることがより好ましい。(c)成分の配合量を1質量部以上とすることでフラックス活性が一層顕著に発現される。また、(c)成分の配合量を25質量部以下とすることで、絶縁信頼性等の信頼性が一層向上する。
(d)成分としては、接着剤ワニスに配合する各成分を均一に溶解又は分解(好ましくは、溶解)し得る有機溶媒が好ましい。(d)成分としては、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルスルホキシド、ジエチレングリコールジメチルエーテル、トルエン、ベンゼン、キシレン、メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン、エチルセロソルブ、エチルセロソルブアセテート、ブチルセロソルブ、ジオキサン、シクロヘキサノン、酢酸エチル等が挙げられる。これらの有機溶媒は、単独で又は2種類以上を組み合わせて使用することができ、上記式(I)及び(II)を満たすように適宜選択することができる。
また、接着剤ワニスにおける溶媒量((d)成分の含有量)は、(d)成分を除去して得られる半導体封止用接着剤の形成性等に応じて適宜設定することができる。
(d)成分の沸点は、上記(I)及び(II)を満たす限りにおいて特に制限はないが、沸点が低い(例えば80℃以下)溶媒や揮発しやすい溶媒を用いると、乾燥除去の際に、表面部分のみ瞬時に乾燥して薄膜が形成され、薄膜下の接着剤ワニスから(d)成分を十分に除去することが難しくなるおそれがある。そのため、(d)成分は、80℃以上の沸点を有する有機溶媒を少なくとも一種含むことが好ましい。
接着剤ワニスは、上記(a)〜(d)成分以外の成分を含有していてもよい。例えば、接着剤ワニスは、(e)分子量10000以上の高分子成分(以下、場合により「(e)成分」と称する。)をさらに含有することが好ましい。このような接着剤ワニスから得られる半導体封止用接着剤は、フィルム形成性及び膜形成性に優れたものとなる。
(e)成分としては、例えば、フェノキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリカルボジイミド樹脂、シアネートエステル樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ウレタン樹脂、アクリルゴム等が挙げられる。
(e)成分としては、耐熱性及びフィルム形成性に一層優れるため、フェノキシ樹脂、ポリイミド樹脂、アクリルゴム、シアネートエステル樹脂、ポリカルボジイミド樹脂等が好ましく、フェノキシ樹脂、ポリイミド樹脂、アクリルゴムがより好ましい。これらの高分子成分は単独または2種以上の混合体や共重合体として使用することもできる。
ポリイミド樹脂は、例えば、テトラカルボン酸二無水物とジアミンとを公知の方法で縮合重合させて得ることができる。すなわち、例えば、有機溶媒中で、テトラカルボン酸二無水物とジアミンとを等モル(又は約等モル)用い、反応温度80℃以下(好ましくは0〜60℃)で反応させる。反応が進行するにつれ、反応液の粘度が徐々に上昇し、ポリイミド樹脂の前駆体であるポリアミド酸が生成する。なお、半導体封止用接着剤の諸特性の低下を抑えるため、テトラカルボン酸二無水物は、無水酢酸で再結晶精製処理されたものを用いることが好ましい。上記ポリアミド酸は、50〜80℃の温度で加熱して解重合させることによって、その分子量を調整することもできる。
そして、上記ポリアミド酸を、脱水閉環させることにより、ポリアミド樹脂が得られる。脱水閉環は、加熱処理による熱閉環法、脱水剤を使用する化学閉環法等の方法で行うことができる。
ポリイミド樹脂を得るためのテトラカルボン酸二無水物としては、例えば、ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、2,2−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、1,1−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、1,1−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホン二無水物、3,4,9,10−ペリレンテトラカルボン酸二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、ベンゼン−1,2,3,4−テトラカルボン酸二無水物、3,4,3’,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,3,2’,3’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3,3’,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,2,4,5−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,6−ジクロロナフタレン−1,4,5,8−テトラカルボン酸二無水物、2,7−ジクロロナフタレン−1,4,5,8−テトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−テトラクロロナフタレン−1,4,5,8−テトラカルボン酸二無水物、フェナンスレン−1,8,9,10−テトラカルボン酸二無水物、ピラジン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、チオフェン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,4,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,2’,3’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ジメチルシラン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)メチルフェニルシラン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ジフェニルシラン二無水物、1,4−ビス(3,4−ジカルボキシフェニルジメチルシリル)ベンゼン二無水物、1,3−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)−1,1,3,3−テトラメチルジシクロヘキサン二無水物、p−フェニレンビス(トリメリテート無水物)、エチレンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸二無水物、デカヒドロナフタレン−1,4,5,8−テトラカルボン酸二無水物、4,8−ジメチル−1,2,3,5,6,7−ヘキサヒドロナフタレン−1,2,5,6−テトラカルボン酸二無水物、シクロペンタン−1,2,3,4−テトラカルボン酸二無水物、ピロリジン−2,3,4,5−テトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、ビス(エキソ−ビシクロ〔2,2,1〕ヘプタン−2,3−ジカルボン酸二無水物、ビシクロ−〔2,2,2〕−オクト−7−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、2,2、−ビス〔4−(3,4−ジカルボキシフェニル)フェニル〕プロパン二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン二無水物、2,2、−ビス〔4−(3,4−ジカルボキシフェニル)フェニル〕ヘキサフルオロプロパン二無水物、4,4’−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルスルフィド二無水物、1,4−ビス(2−ヒドロキシヘキサフルオロイソプロピル)ベンゼンビス(トリメリット酸無水物)、1,3−ビス(2−ヒドロキシヘキサフルオロイソプロピル)ベンゼンビス(トリメリット酸無水物)、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロフリル)−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸二無水物、テトラヒドロフラン−2,3,4,5−テトラカルボン酸二無水物、下記式(e−1)で表されるテトラカルボン酸二無水物(式中、nは2〜20の整数を示す。)、下記式(e−2)で表されるテトラカルボン酸二無水物等が挙げられる。これらのテトラカルボン酸二無水物は、単独で又は二種類以上を組み合わせて使用することができる。
Figure 0005659946
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式(e−1)で表されるテトラカルボン酸二無水物としては、例えば、無水トリメリット酸モノクロライドと、式(e−1)中のnに応じたジオールから合成することができる。式(e−1)で表されるテトラカルボン酸二無水物としては、1,2−(エチレン)ビス(トリメリテート無水物)、1,3−(トリメチレン)ビス(トリメリテート無水物)、1,4−(テトラメチレン)ビス(トリメリテート無水物)、1,5−(ペンタメチレン)ビス(トリメリテート無水物)、1,6−(ヘキサメチレン)ビス(トリメリテート無水物)、1,7−(ヘプタメチレン)ビス(トリメリテート無水物)、1,8−(オクタメチレン)ビス(トリメリテート無水物)、1,9−(ノナメチレン)ビス(トリメリテート無水物)、1,10−(デカメチレン)ビス(トリメリテート無水物)、1,12−(ドデカメチレン)ビス(トリメリテート無水物)、1,16−(ヘキサデカメチレン)ビス(トリメリテート無水物)、1,18−(オクタデカメチレン)ビス(トリメリテート無水物)等が挙げられる。
テトラカルボン酸二無水物のうち、優れた耐湿信頼性を付与できる観点から、式(e−2)で表されるテトラカルボン酸二無水物を用いることが好ましい。また、縮合重合における式(e−2)で表されるテトラカルボン酸二無水物の使用量は、テトラカルボン酸二無水物の合計量を基準として、40モル%以上が好ましく、50モル%以上がより好ましく、70モル%以上がさらに好ましい。40モル%以上であると、式(e−2)で表されるテトラカルボン酸二無水物を使用したことによる耐湿信頼性の効果をより有効に得ることができる。
ポリイミド樹脂を得るためのジアミンとしては、例えば、o−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、3,3’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノジフェニルメタン、3,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、ビス(4−アミノ−3,5−ジメチルフェニル)メタン、ビス(4−アミノ−3,5−ジイソプロピルフェニル)メタン、3,3’−ジアミノジフェニルジフルオロメタン、3,4’−ジアミノジフェニルジフルオロメタン、4,4’−ジアミノジフェニルジフルオロメタン、3,3’−ジアミノジフェニルスルフォン、3,4’−ジアミノジフェニルスルフォン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフォン、3,3’−ジアミノジフェニルスルフィド、3,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、3,3’−ジアミノジフェニルケトン、3,4’−ジアミノジフェニルケトン、4,4’−ジアミノジフェニルケトン、2,2−ビス(3−アミノフェニル)プロパン、2,2’−(3,4’−ジアミノジフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−(3,4’−ジアミノジフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、3,3’−(1,4−フェニレンビス(1−メチルエチリデン))ビスアニリン、3,4’−(1,4−フェニレンビス(1−メチルエチリデン))ビスアニリン、4,4’−(1,4−フェニレンビス(1−メチルエチリデン))ビスアニリン、2,2−ビス(4−(3−アミノフェノキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(3−アミノフェノキシ)フェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−(4−アミノフェノキシ)フェニル)ヘキサフルオロプロパン、ビス(4−(3−アミノエノキシ)フェニル)スルフィド、ビス(4−(4−アミノエノキシ)フェニル)スルフィド、ビス(4−(3−アミノエノキシ)フェニル)スルフォン、ビス(4−(4−アミノエノキシ)フェニル)スルフォン、3,5−ジアミノ安息香酸等の芳香族ジアミン、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、2,2−ビス(4−アミノフェノキシフェニル)プロパン、下記式(e−3)で表される脂肪族エーテルジアミン(式中、R、R及びRはそれぞれ独立に、炭素数1〜10のアルキレン基を示し、mは2〜80の整数を示す。)、下記式(e−4)で表される脂肪族ジアミン(式中、aは5〜20の整数を示す。)、下記式(e−5)で表されるシロキサンジアミン(式中、R及びRはそれぞれ独立に、炭素数1〜5のアルキレン基又は置換基を有していてもよいフェニレン基を示し、R、R、R及びRはそれぞれ独立に、炭素数1〜5のアルキル基、フェニル基又はフェノキシ基を示し、bは1〜5の整数を示す。)等が挙げられる。これらのジアミンは、単独で又は二種類以上を組み合わせて使用することができる。
Figure 0005659946
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ジアミンのうち、低応力性、低温ラミネート性、低温接着性を付与できる観点からは、式(e−3)で表される脂肪族エーテルジアミン、式(e−4)で表される脂肪族ジアミンが好ましい。また、低吸水性、低吸湿性を付与できる観点からは、式(e−5)で表されるシロキサンジアミンが好ましい。
縮合重合において式(e−3)、(e−4)及び(e−5)で表されるジアミンを組み合わせて用いるとき、各ジアミンの使用量は、ジアミンの合計量を基準として式(e−3)で表される脂肪族エーテルジアミンが1〜50モル%、式(e−4)で表される脂肪族ジアミンが19〜80モル%、式(e−5)で表されるシロキサンジアミンが19〜80モル%であることが好ましい。このような使用量であると、低温ラミネート性及び低吸水性の効果をより有効に得ることができる。
式(e−3)で表される脂肪族エーテルジアミンとしては、具体的には、下記式で表される脂肪族エーテルジアミンが挙げられる。
Figure 0005659946
Figure 0005659946
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これらの中でも、低温ラミネート性及び有機レジスト付き基板に対する良好な接着性を付与できる観点からは、下記式(e−6)で表される脂肪族エーテルジアミンが好ましい。
Figure 0005659946
脂肪族エーテルジアミンとしては、例えば、ジェファーミン D−230,D−400,D−2000,D−4000,ED−600,ED−900,ED−2001,EDR−148(いずれもサン テクノケミカル(株)社製)、ポリエーテルアミン D−230,D−400,D−2000(いずれもBASF(株)社製)を用いることができる。
式(e−4)で表される脂肪族ジアミンとしては、例えば、1,2−ジアミノエタン、1,3−ジアミノプロパン、1,4−ジアミノブタン、1,5−ジアミノペンタン、1,6−ジアミノヘキサン、1,7−ジアミノヘプタン、1,8−ジアミノオクタン、1,9−ジアミノノナン、1,10−ジアミノデカン、1,11−ジアミノウンデカン、1,12−ジアミノドデカン、1,2−ジアミノシクロヘキサン等が挙げられ、中でも1,9−ジアミノノナン、1,10−ジアミノデカン、1,11−ジアミノウンデカン、1,12−ジアミノドデカンが好ましい。
式(e−5)で表されるシロキサンジアミンのうち、式中のbが1のシロキサンジアミンとしては、1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ビス(4−アミノフェニル)ジシロキサン、1,1,3,3−テトラフェノキシ−1,3−ビス(4−アミノエチル)ジシロキサン、1,1,3,3−テトラフェニル−1,3−ビス(2−アミノエチル)ジシロキサン、1,1,3,3−テトラフェニル−1,3−ビス(3−アミノプロピル)ジシロキサン、1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ビス(2−アミノエチル)ジシロキサン、1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ビス(3−アミノプロピル)ジシロキサン、1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ビス(3−アミノブチル)ジシロキサン、1,3−ジメチル−1,3−ジメトキシ−1,3−ビス(4−アミノブチル)ジシロキサン等が挙げられる。
また、式(e−5)で表されるシロキサンジアミンのうち、式中のbが2のシロキサンジアミンとしては、1,1,3,3,5,5−ヘキサメチル−1,5−ビス(4−アミノフェニル)トリシロキサン、1,1,5,5−テトラフェニル−3,3−ジメチル−1,5−ビス(3−アミノプロピル)トリシロキサン、1,1,5,5−テトラフェニル−3,3−ジメトキシ−1,5−ビス(4−アミノブチル)トリシロキサン、1,1,5,5−テトラフェニル−3,3−ジメトキシ−1,5−ビス(5−アミノペンチル)トリシロキサン、1,1,5,5−テトラメチル−3,3−ジメトキシ−1,5−ビス(2−アミノエチル)トリシロキサン、1,1,5,5−テトラメチル−3,3−ジメトキシ−1,5−ビス(4−アミノブチル)トリシロキサン、1,1,5,5−テトラメチル−3,3−ジメトキシ−1,5−ビス(5−アミノペンチル)トリシロキサン、1,1,3,3,5,5−ヘキサメチル−1,5−ビス(3−アミノプロピル)トリシロキサン、1,1,3,3,5,5−ヘキサエチル−1,5−ビス(3−アミノプロピル)トリシロキサン、1,1,3,3,5,5−ヘキサプロピル−1,5−ビス(3−アミノプロピル)トリシロキサン等が挙げられる。
ポリアミド樹脂のガラス転移温度Tgは、半導体封止用接着剤の基板やチップに対する貼付性が一層良好になる観点から、100℃以下であることが好ましく、75℃以下であることがより好ましい。ポリアミド樹脂のガラス転移温度が100℃以下であると、半導体チップに形成されたバンプや基板に形成された電極・配線パターン等の凹凸を容易に埋め込むことができ、気泡の残存によるボイドの発生を一層抑制することができる。なお、ここでガラス転移温度Tgは、DSC(パーキンエルマー社製DSC−7型)を用いて、サンプル量:10mg、昇温速度:5℃/min、測定雰囲気:空気、の条件で測定したときのガラス転移温度である。
ポリイミド樹脂の重量平均分子量は、半導体封止用接着剤のフィルム形成性が一層良好になる観点から、30000以上であることが好ましく、40000以上であることがさらに好ましく、50000以上であることがさらに好ましい。ここで重量平均分子量とは、高速液体クロマトグラフィー(島津製作所製C−R4A)を用いて、ポリスチレン換算で測定したときの重量平均分子量である。
(e)成分の配合量と(a)成分の配合量の比(質量比)は特に制限されないが、半導体封止用接着剤のフィルム形成性及び接着性の双方を良好にする観点から、(e)成分の配合量100質量部に対して、(a)成分の配合量が1〜500質量部であることが好ましく、5〜300質量部であることがより好ましく、10〜200質量部であることがさらに好ましい。
接着剤ワニスはまた、上記成分以外にフィラを含有していてもよい。フィラを配合することで、半導体封止用接着剤の粘度や、半導体封止用接着剤の硬化物の物性を制御することができる。
フィラとしては、絶縁性無機フィラ、ウィスカー、樹脂フィラ等が挙げられる。絶縁性無機フィラとしては、例えば、ガラス、シリカ、アルミナ、酸化チタン、カーボンブラック、マイカ、窒化ホウ素が挙げられる。また、ウィスカーとしては、例えば、ホウ酸アルミニウム、チタン酸アルミニウム、酸化亜鉛、珪酸カルシウム、硫酸マグネシウム、窒化ホウ素が挙げられる。また、樹脂フィラとしては、例えば、ポリウレタン、ポリイミドが挙げられる。これらのフィラは、単独又は2種以上を混合して用いることができる。フィラの形状、粒径、配合量は特に制限されず、目的とする半導体封止用接着剤の特性に応じて適宜選択することができる。
さらに、接着剤ワニスには、酸化防止剤、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、レベリング剤、イオントラップ剤等を配合してもよい。これらは単独で又は2種以上を混合して用いることもできる。これらの配合量は各成分の効果が発現されるように適宜調整することができる。
接着剤ワニスは、上記の各成分を(d)成分である有機溶媒中に加え、撹拌混合、混練などによって溶解又は分散させて、調製することができる。また、接着剤ワニスが(e)成分を含有する場合には、(e)成分を合成した反応溶液に上記の各成分を加えることで、接着剤ワニスを調製してもよい。
本実施形態に係る半導体封止用接着剤は、例えば、接着剤ワニスを、ナイフコーター、ロールコーター、アプリケーター等を用いて基材フィルム上に塗布した後、加熱により(d)成分を除去することで製造することができる。このような製造方法によれば、フィルム状の半導体封止用接着剤が得られる。
基材フィルムとしては、(d)成分を揮発させる際の加熱条件に耐え得る耐熱性を有するものであればよく、例えば、ポリエステルフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリイミドフィルム、ポリエーテルイミドフィルム、ポリエーテルナフタレートフィルム、メチルペンテンフィルム等が例示できる。基材フィルムは、これらのフィルムからなる単層のものに限られず、2種以上の材料からなる多層フィルムであってもよい。
(d)成分を除去する際の条件は、式(I)及び(II)を満たすように(d)成分を除去する条件であればよく、例えば50〜200℃、0.1〜90分間の加熱条件とすることができる。
半導体封止用接着剤の反応開始温度は、(d)成分の含有量が少ないほど低くなる傾向にある。そのため(d)成分の除去は、半導体封止用接着剤の反応開始温度が(d)成分の沸点より低くならないように、且つ半導体封止用接着剤中の含有量が0.5未満にならないように行う必要がある。
また、半導体封止用接着剤の反応開始温度は、接着剤ワニスが含有する各成分を適宜選択することで調整することができる。そのため、半導体封止用接着剤の反応開始温度に応じて、該反応開始温度以下の沸点を有する(d)成分を選択してもよいし、(d)成分の沸点に応じて、該沸点以上の反応開始温度となるように、(a)成分、(b)成分及び(c)成分を選択してもよい。
例えば、(a)成分は、同程度の重量平均分子量であれば官能基数(エポキシ基の数)が多いほうが反応開始温度が低くなり、同程度の官能基数であれば重量平均分子量が低いほうが反応開始温度が低くなる傾向がある。
また、(b)成分に関しては、(b−4)イミダゾール類を単独で用いた場合の反応開始温度を基準として、(b−1)フェノール樹脂及び(b−4)イミダゾール類を併用した場合には、反応開始温度がより低くなる傾向がある。また、(b−5)ホスフィン類を単独で用いた場合には、反応開始温度が高くなる傾向がある。
また、(b−4)イミダゾール類を用いたときの反応開始温度は、イミダゾール類の構造(置換基)によって、約70〜170℃の範囲で調整することができる。例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂とイミダゾールの反応の場合、イミダゾールが2MZ(四国化成製、1位の3級窒素にH基があるイミダゾール)の時、80℃付近から反応が始まるが、イミダゾールが2MZA(四国化成製、1位の3級窒素にエチルトリアジン基があるイミダゾール)の時は110〜120℃付近から反応が始まる。
さらに、(b−3)アミン系硬化剤又は(b−4)イミダゾール類として、酸付加物を用いると、反応開始温度が高くなる傾向がある。また、(b)成分の含有量を増やすと反応開始温度が低くなる傾向がある。
また、(c)成分に関しては、(c)成分の含有量を増やすと反応開始温度が低くなる傾向がある。
(半導体装置)
本実施形態に係る半導体装置は、上記半導体封止用接着剤を用いて封止しているため、接続性及び信頼性に優れる。
図1は、本発明の半導体装置の第一の実施形態を示す模式断面図である。図1(a)に示すように、半導体装置100は、バンプ4を有する半導体チップ2と、配線5を有する基板3と、半導体チップ2及び基板3の間を封止する半導体封止用接着剤の硬化物1と、を備え、半導体チップ2及び基板3は、バンプ4と配線5とが接合して電気的に接続されている。
半導体チップ2としては、シリコン、ゲルマニウム等の元素半導体;ガリウムヒ素、インジウムリン等の化合物半導体;などの各種半導体を用いたものを用いることができる。
半導体チップ2に設けられているバンプ4は、導電性の突起であり、バンプ4の材質としては、金、銀、銅、はんだ(例えば、スズ−銀、スズ−鉛、スズ−ビスマス、スズ−銅)、スズ、ニッケル等が挙げられる。バンプ4は、これらのうち単一の成分のみで構成されていても、複数の成分から構成されていてもよい。また、バンプ4は、これらの金属が積層された構造であってもよい。バンプ4の材質としては、安価であることから銅やはんだが一般的に使用されているが、銅やはんだは酸化物を形成しやすいため、バンプ4の材質が銅又ははんだであると、フラックス剤によるフラックス活性が特に必要となる。そのため、バンプ4の材質が銅又ははんだである場合には本発明の半導体封止用接着剤の効果が一層顕著に奏される。
また、半導体チップ2には、図2(b)に示すように、銅ピラー6及び該銅ピラー6上に設けられたはんだ7からなるはんだバンプが形成されていてもよい。
基板3としては、通常の回路基板であれば特に制限はなく、例えば、ガラスエポキシ、ポリイミド、ポリエステル、セラミック、エポキシ、ビスマレイミドトリアジン等を主な成分として含む絶縁基板の、表面に形成された金属層の不要な箇所をエッチング除去して配線パターンを形成したものを用いることができる。また、絶縁基板の表面に導電性物質を印刷して配線パターンを形成したもの等を用いることもできる。
配線5は、表面に金、銀、銅、はんだ(例えば、スズ−銀、スズ−鉛、スズ−ビスマス、スズ−銅)、スズ、ニッケル等を主成分とする金属層が形成されていてもよい。金属層は、これらのうち単一の成分のみで構成されていても、複数の成分から構成されていてもよい。また、配線5は、複数の金属層が積層された構造を有していてもよい。金属層の材質としては、安価であることから銅やはんだが一般的に使用されているが、銅やはんだは酸化物を形成しやすいため、金属層の材質が銅又ははんだであると、フラックス剤によるフラックス活性が特に必要となる。そのため、金属層の材質が銅又ははんだである場合には本発明の半導体封止用接着剤の効果が一層顕著に奏される。
図2は、本発明の半導体装置の第二の実施形態を示す模式断面図である。図2(a)に示すように、半導体装置110は、バンプ4aを有する第一の半導体チップ2aと、バンプ4bを有する第二の半導体チップ2bと、第一の半導体チップ2a及び第二の半導体チップ2bの間を封止する半導体封止用接着剤の硬化物1と、を備え、半導体チップ2a及び半導体チップ2bは、バンプ4aとバンプ4bとが接合して電気的に接合されている。
なお、半導体チップ2a及び2bのいずれか一方に、図2(b)に示すように、銅ピラー6及び該銅ピラー6上に設けられたはんだ7からなるはんだバンプが形成されていてもよく、半導体2a及び2bの双方にはんだバンプが形成されていてもよい。
図3は、本発明の半導体装置の第三の実施形態を示す模式断面図である。図3に示すように、半導体装置120は、インタポーザー9上の一面上に複数の半導体チップ2が積層された構造を有している。半導体チップ2は、一方面側にバンプ4a、他方面側にバンプ4bを有しており、バンプ4aとバンプ4bは半導体チップ2を貫通する導電路8により電気的に接続されている。
インターポーザー9上には配線10が設けられており、インターポーザー9は、インターポーザー9上に配置された複数の半導体チップ2と、配線10、バンプ4a、バンプ4b及び導電路8を介して電気的に接続されている。
そして、インターポーザー9及び半導体チップ2の間、並びに、半導体チップ2同士の間は、上記半導体封止用接着剤の硬化物1で封止されている。
なお、半導体装置120では、インターポーザー9及び半導体チップ2の間、並びに、半導体チップ2同士の間がすべて半導体封止用接着剤の硬化物1で封止されているが、本発明の半導体装置においては、必ずしもすべての間隙が半導体封止用接着剤の硬化物で封止されている必要はない。例えば、半導体チップ2同士の間のみ、半導体封止用接着剤の硬化物1で封止され、インターポーザー9と半導体チップ2との間は他の材料によって封止されていてもよい。
半導体装置120のようなTSV(Through−Silicon Via)技術では、通常は使用しない半導体チップ2の裏面からも信号がやり取りできるため、チップ間やチップとインタポーザーとの間を、最短に、且つ柔軟に接続できる。
なお、本発明の半導体装置は、エリアバンプチップ技術等で知られている自由度の向上したバンプ形成方法によって、インタポーザーを介さないでそのまま半導体チップをマザーボードにダイレクトに実装したものであってもい。このとき、半導体チップとマザーボードとは上記半導体封止用接着剤により接続され、得られた半導体装置においては、半導体チップとマザーボードとの間が半導体封止用接着剤の硬化物で封止されている。
図4は、本発明の半導体装置の第四の実施形態を示す模式断面図である。図4に示すように、半導体装置130は、銅ピラー6及び銅ピラー6上に設けられたはんだ7からなるはんだバンプを有する半導体チップ2と、配線5を有する基板3と、半導体チップ2及び基板3の間を封止する半導体封止用接着剤の硬化物1と、を備え、半導体チップ2及び基板3は、はんだバンプと配線5とが接合して電気的に接続されている。基板3には、配線5が設けられた面上に、配線5の少なくとも一部が露出するようにソルダーレジスト11が形成されている。
以下、図1(a)に示す半導体装置100を例にとり、半導体装置の製造方法について説明する。
半導体装置100は、例えば、以下の方法で製造することができる。すなわち、半導体チップ2、基板3及びフィルム状半導体封止用接着剤を、フィルム状半導体封止用接着剤を介してバンプ4及び配線5が対向するように配置し、加熱加圧して、バンプ4及び配線5を接続するとともに半導体封止用接着剤を硬化させることにより、半導体装置100が得られる。
加熱加圧前の配置は、例えば、基板3上にフィルム状半導体封止用接着剤を貼付して、そこにフリップチップボンダーなどの接続装置を用いて位置合わせをして半導体チップ2を配置して行うことができる。
基板3上へのフィルム状半導体封止用接着剤の貼付は、加熱プレス、ロールラミネート、真空ラミネート等の方法によって行うことができる。
なお、フィルム状半導体封止用接着剤の供給面積や厚みは、半導体チップ2や基板3のサイズやバンプ高さなどに応じて適宜設定される。
また、フィルム状半導体封止用接着剤が貼付された半導体チップ2を準備し、それを基板3上に配置することもできる。この場合、例えば、半導体ウェハにフィルム状半導体封止用接着剤を貼付した後、ダイシングして、半導体ウェハをフィルム状半導体封止用接着剤と共に個片化することで、フィルム状半導体封止用接着剤が貼付された半導体チップ2を作製することができる。
バンプ4及び配線5を接続する際の接続温度は、金属接合が可能な温度(例えば、バンプ4を構成する金属の融点以上の温度)であることが好ましい。例えばバンプ4が、はんだバンプであるときは、240℃以上の温度に加熱することが好ましい。
接続荷重は、バンプ数、バンプの高さばらつき吸収、バンプ変形量の制御等を考慮して、適宜設定することができる。
接続時間は、生産性向上の観点から短時間であるほど好ましい。ハンダを溶融させ、酸化膜や表面の不純物を除去し、金属接合を形成することができる範囲において、接続温度は20秒以下であることが好ましく、10秒以下であることがより好ましく、5秒以下であることがさらに好ましい。
また、半導体装置100は、半導体チップ2と基板3との位置合わせを行った後、仮固定して、リフロー炉で加熱処理することによってバンプ4(例えば、はんだバンプ)を溶融させて半導体チップ2と基板3とを接続することによっても、製造することができる。
仮固定では、必ずしも金属接合が形成されなくてもよいため、上述の加熱加圧に比べて低荷重、短時間、低温度で行うことができ、生産性向上、接続部の劣化防止等のメリットが生じる。
なお、半導体チップ2と基板3とを接続した後、オーブン等で加熱処理を行って、半導体封止用接着剤を硬化させてもよい。ここで加熱処理は、半導体封止用接着剤の硬化が十分に進行する加熱温度、加熱時間を適宜設定することができる。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
実施例及び比較例で使用した化合物を以下に示す。
(a)エポキシ樹脂
・トリフェノールメタン骨格含有多官能固形エポキシ(ジャパンエポキシレジン株式会社、EP1032H60、以下「EP1032」と称する。)
(b)エポキシ樹脂硬化剤
・2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール(四国化成株式会社製、2PHZ−PW、以下「2PHZ」と称する。)
(c)フラックス剤
・ジフェノール酸(東京化成株式会社製)
(d)有機溶媒
・酢酸エチル(関東化学製)、沸点77.1℃
・メチルエチルケトン(関東化学製、以下「MEK」と称する。)、沸点79.5℃
・トルエン(関東化学製)、沸点110.6℃
・シクロヘキサノン(関東化学製)、沸点155.65℃
・ジメチルアセトアミド(関東化学製、以下「DMA」と称する。)沸点165℃
・N−メチル−2−ピロリドン(関東化学製、以下「NMP」と称する。)沸点202℃
なお、酢酸エチル及びトルエンは、重量比1:1で混合して用いた。以下、この混合溶媒を「T/E」と称する。
(e)高分子成分
・下記合成例1で得られたポリイミド樹脂
(合成例1:ポリイミド樹脂の合成)
温度計、攪拌機及び塩化カルシウム管を備えた300mlフラスコに、1,12−ジアミノドデカン2.10g(0.035モル)、ポリエーテルジアミン(BASF製、ED2000〈分子量:1923〉)17.31g(0.03モル)、1,3−ビス(3−アミノプロピル)テトラメチルジシロキサン(信越化学製、LP−7100)2.61g(0.035モル)及びN−メチル−2−ピロリドン(関東化学製)150gを仕込み攪拌した。ジアミンの溶解後、フラスコを氷浴中で冷却しながら、無水酢酸で再結晶精製した4,4’−(4,4’−イソプロピリデンジフェノキシ)ビス(フタル酸二無水物)(ALDRICH製、BPADA)15.62g(0.10モル)を少量ずつ添加した。室温で8時間反応させたのち、キシレン100gを加え、窒素ガスを吹き込みながら180℃で加熱し、水と共にキシレンを共沸除去し、ポリイミド溶液を得た。このポリイミド溶液から溶媒(N−メチル−2−ピロリドン)を除去し、ポリイミド樹脂を得た。得られたポリイミド樹脂について、Tg及び重量平均分子量を測定したところ、Tgは30℃、ポリスチレン換算の重量平均分子量は50000であった。
(実施例1〜6、比較例1〜9)
合成例1で得られたポリイミド樹脂2g、「EP1032」2g、「2PHZ」0.15g及びジフェノール酸0.5gを、固形分濃度が60質量%になるように有機溶媒に添加した。その後、Φ0.8mm、Φ2.0mmのビーズを固形分と同重量加え、ビーズミル(フリッチュ・ジャパン株式会社、遊星型微粉砕機P−7)で30分撹拌した。次いで、ポリイミド樹脂を2g加え再度、ビーズミルで30分撹拌した。そして撹拌に用いたビーズをろ過によって除去して、接着剤ワニスを得た。作製した接着剤ワニスを小型精密塗工装置(廉井精機)で塗工し、有機溶媒の残存量が表1〜3に示す量になるように、クリーンオーブン(ESPEC製)で乾燥し、フィルム状の半導体封止用接着剤を得た。
各実施例及び比較例で使用した有機溶媒及び溶媒乾燥条件を、表1に示す。また、各実施例及び比較例で得られた半導体封止用接着剤について、以下の方法で、反応開始温度の測定、酸ピーク熱量の測定、残存有機溶媒量の測定を行った。さらに、以下の方法で半導体装置サンプルを製造し、ボイド発生率の評価及び接続評価を行った。結果は表1〜3に示すとおりであった。
(反応開始温度(℃)の測定)
DSC(パーキンエルマー社製DSC−7型)を用いて、サンプル量20mg、昇温速度10℃/min、30℃〜300℃までを測定して、反応開始温度(onset温度:平均場近似一次転移温度)を観測した。なお、反応開始温度は、縦軸に熱量(W/g)、横軸に温度(℃)をとったときの、最低温度の発熱ピークの立上り曲線において最もピークの勾配が急になった部分の接線と、温度軸と、の交点の温度を示す。
(酸ピーク熱量(W/g)の測定)
DSC(パーキンエルマー社製DSC−7型)を用いて、サンプル量20mg、昇温速度10℃/min、30℃〜300℃までを測定して、フラックス剤であるジフェノール酸に由来する反応ピークが観測される熱容量を求めた。なお、ジフェノール酸に由来する反応ピークは、DSC曲線により確認することができるピークである。
(残存有機溶媒量の測定)
半導体封止用接着剤を3枚切り抜き(1枚の大きさ:10mm×10mm×0.025mm)、200℃/3hで完全乾燥し、その質量を測定した。半導体封止用接着剤に残存する有機溶媒量(有機溶媒の含有量(質量%))を、下記式で求めた。
有機溶媒の含有量(質量%)=[半導体封止用接着剤の質量(g)−完全乾燥後の質量(g)]/半導体封止用接着剤の質量(g)×100
(ボイド発生率の評価)
半導体封止用接着剤を切り抜き(8mm×8mm×0.025mm)、ガラスチップ(15mm×15mm×0.7mm)上に貼付し、はんだバンプ付き半導体チップ(チップサイズ:7mm×7mm×0.15mm、バンプ高さ:銅ピラー+はんだ計約40μm、バンプ数328)を被せ、245℃ホットプレート上に10秒放置して、半導体装置サンプルを作製した。
作製した半導体装置サンプルについて、超音波探査映像装置(HITACHI製)により、外観画像を撮り、スキャナGT−9300UF(EPSON社製)でチップ上の半導体封止用接着剤の画像を取り込み、画像処理ソフトAdobe Photoshopを用いて、色調補正、二階調化によりボイド部分を識別し、ヒストグラムによりボイド部分の占める割合を算出した。チップ上のフィルム部分の面積を100%として、ボイド発生率が20%以下である場合をA、20〜50%である場合をB、50%より多い場合をCとして評価した。
(接続評価)
半導体封止用接着剤を切り抜き(8mm×8mm×0.025mm)、ガラスエポキシ基板(ガラスエポキシ基材:420μm厚、銅配線:9μm厚)上に貼付し、はんだバンプ付き半導体チップ(チップサイズ:7mm×7mm×0.15mm、バンプ高さ:銅ピラー+はんだ計約40μm、バンプ数328)をFCB3(パナソニック製)で実装して、半導体装置サンプルを得た。(実装条件:半導体接着剤到達温度180℃/10s/0.5MPa+半導体接着剤到達温度245℃/10s/0.5MPa)
得られた半導体装置サンプルの断面は、図4に示すようになった。上記ガラスエポキシ基板とはんだバンプ付き半導体チップ(デイジーチェーン接続)をFCB3で実装後にマルチメータ(ADVANTEST製、R6871E)を用いて初期導通の可否及び初期接続抵抗値を測定した。次いで、180℃/3hでアフターキュアを行い、再度接続抵抗値を測定した。
初期接続抵抗値が12〜14Ω(接続良好)且つアフターキュア後の接続抵抗値の変動が±0.5Ωより小さいサンプルをA、初期接続抵抗値が12〜14Ω且つアフターキュア後の接続抵抗値の変動多±0.5Ωより大きいサンプルをB、初期抵抗値が12〜14Ω以外のサンプルをCとして、評価した。
なお、初期段階で良好に接続が取れていない場合(はんだの濡れ不足、接触による導通確保が不十分である場合、等)は、アフターキュア後に半導体封止用接着剤の硬化物等の熱膨張や、半導体チップと半導体基板(有機基板等)の熱膨張率差によって接続不良が生じる場合がある。
Figure 0005659946
Figure 0005659946
Figure 0005659946
これらの実施例及び比較例から明らかなように、上記(I)及び(II)を満たすように有機溶媒を除去することで、良好な接続性が得られるとともに、ボイドの発生を抑制できる。
1…半導体封止用接着剤の硬化物、2,2a,2b…半導体チップ、3…基板、4,4a,4b…バンプ、5…配線、6…銅ピラー、7…はんだ、8…導電路、9…インターポーザー、10…配線、11…ソルダーレジスト、100,110,120,130…半導体装置。

Claims (9)

  1. (a)エポキシ樹脂、(b)エポキシ樹脂硬化剤、(c)フラックス剤及び(d)有機溶媒を含有する接着剤ワニスから、下記式(I)及び(II)を満たすように前記有機溶媒の少なくとも一部を除去して得られる、半導体封止用接着剤。
    半導体封止用接着剤の反応開始温度≧(d)有機溶媒の沸点 (I)
    0.5≦半導体封止用接着剤中の(d)有機溶媒の含有量(質量%)≦1.5 (II)
  2. 前記接着剤ワニスが、(e)分子量10000以上の高分子成分をさらに含有する、請求項1に記載の半導体封止用接着剤。
  3. 前記高分子成分の重量平均分子量が30000以上であり、前記高分子成分のガラス転移温度が100℃以下である、請求項2に記載の半導体封止用接着剤。
  4. 前記高分子成分が、ポリイミド樹脂である、請求項2又は3に記載の半導体封止用接着剤。
  5. 前記接着剤ワニスが、前記(c)フラックス剤として、前記(a)エポキシ樹脂と反応し得る化合物を含有する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の半導体封止用接着剤。
  6. 前記接着剤ワニスが、前記(c)フラックス剤として、カルボン酸類を含有する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の半導体封止用接着剤。
  7. フィルム状である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の半導体封止用接着剤。
  8. (a)エポキシ樹脂、(b)エポキシ樹脂硬化剤、(c)フラックス剤及び(d)有機溶媒を含有する接着剤ワニスから、下記式(I)及び(II)を満たすように前記有機溶媒の少なくとも一部を除去する、半導体封止用接着剤の製造方法。
    半導体封止用接着剤の反応開始温度≧(d)有機溶媒の沸点 (I)
    0.5≦半導体封止用接着剤中の(d)有機溶媒の含有量(質量%)≦1.5 (II)
  9. 請求項1〜7のいずれか一項に記載の半導体封止用接着剤を用いて製造された、半導体装置。
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