JP5534387B2 - 電子写真用ブラックトナー、2成分現像剤及び画像形成方法 - Google Patents
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Description
上記問題点に対処するためには、二次転写の転写電界をさらに強くすることが考えられるが、転写電界を強くしすぎると却って転写効率が低下してしまい限界がある。また、二次転写のニップ部の幅を広くすることでトナー粒子が転写電界を受ける時間を長くすることが考えられるが、バイアスローラ等による接触式の電圧印加方式の場合は、ニップ幅を広くするにはバイアスローラの当接圧力を高くするか、あるいは、バイアスローラのローラ径を大きくするかの何れかの方法しかない。当接圧力を高くするのは画像品質との関係から、ローラ径を大きくするのは装置の小型化との関係から、それぞれ限界がある。また、チャージャ等による非接触式の電圧印加方式の場合は、チャージャの数を増やすなどして二次転写のニップ幅を稼がなければならないため、やはり限界がある。そのため、特に高速機では、これ以上の転写効率を得るまでニップ幅を拡げることは実質的には不可能であると言える。
(1)トナー母体粒子に外添剤を添加した電子写真用ブラックトナーであって、トナーの平均粒子径D4が3.0μmから5.0μmで、比誘電率が3.5から5.0であり、トナー付着量0.3mg/cm2での転写媒体上の画像濃度が1.48以上であり、前記トナー母体粒子のBET表面積が1.5〜4.0m2/gであり、前記トナー母体粒子表面にはトナー内部の樹脂よりもガラス転移点の高い部分的に架橋された樹脂粒子の集合体形態からなる層が存在する
ことを特徴とする電子写真用ブラックトナー。
(2)前記樹脂粒子の粒子径が20nmから200nmであることを特徴とする前記(1)に記載の電子写真用ブラックトナー。
(3)前記樹脂粒子のガラス転移点が50℃から120℃であることを特徴とする前記(1)又は(2)に記載の電子写真用ブラックトナー。
(4)前記樹脂微粒子の層がアニオン性ではない樹脂微粒子からなる層であり、該層の内側に、アニオン性の樹脂微粒子が存在することを特徴とする前記(1)〜(3)のいずれかに記載の電子写真用ブラックトナー。
(5)トナー材料を有機溶媒に溶解または分散し、このトナー材料の溶解または分散液をアニオン性界面活性剤とアニオン性の樹脂微粒子が含まれる水系媒体中で乳化乃至分散した後に有機溶媒を除去してトナーを製造する際に、有機溶媒を除去する前に水系媒体中へ前記アニオン性の樹脂微粒子の平均粒子径よりも大きな平均粒子径を有するアニオン性ではない樹脂微粒子を添加してなる前記(4)に記載の電子写真用ブラックトナー。
(6)キャリアと前記(1)〜(5)のいずれかに記載の電子写真用ブラックトナーとを含むことを特徴とする2成分現像剤。
(7)電子写真感光体を帯電手段により帯電させる帯電工程と、前記帯電された電子写真感光体上に露光手段により静電潜像を形成する露光工程と、前記静電潜像を形成された電子写真感光体上に前記(1)〜(5)のいずれかに記載の電子写真用ブラックトナーを含む現像手段によりトナー像を形成する現像工程と、前記電子写真感光体上に形成されたトナー像を記録材上に転写する転写工程と、前記記録材上に転写されたトナー像を熱及び圧力定着部材を含む定着手段により記録材上に定着させる定着工程とを少なくとも含むことを特徴とする画像形成方法。
(8)転写線速が300〜1000mm/secであることを特徴とする前記(7)に記載の画像形成方法。
(9)二次ニップ部での転写時間が0.5〜20msecであることを特徴とする前記(7)又は(8)に記載の画像形成方法。
本発明のブラックトナーは、トナー表面にはトナー内部の樹脂よりもガラス転移点の高い部分的に架橋された樹脂からなる層が存在し、トナーの平均粒子径D4が3.0μmから5.0μmで比誘電率が3.0から5.0であり、トナー付着量0.3mg/cm2での転写媒体上の画像濃度が1.4以上である。
すなわちトナー表面にトナー内部の樹脂よりも高いガラス転移点(Tg)、架橋度の樹脂層を設けることによってトナー低抵抗成分を表面から隔離し、かつ離型剤の融解、トナー表面への移動、溶け出しによる定着部材への接着も防止できる。
内部の低抵抗成分が表面層によって隔離され、またトナー粒子表面が同一の組成の表面性となるために、帯電性、流動性、付着性の均一化(トナー粒子間でのばらつきが少ない)にとって有利である。
しかもトナー表面上で粒子の集合体の形態で層を作ることによって、通常のコアシェル構造と異なり、離型剤のトナー表面の浸出が促され、定着時に内部の樹脂が表面に突出しやすくなって定着媒体への接着性も高まることが判明した。
高着色のブラックトナーを得るためには着色剤を従来のトナーよりも多量に配合する必要がある。通常ブラックトナーの着色剤として、カーボンブラック、磁性体など抵抗が低く誘電率の高い材料が用いられるのでこれらを大量に用いると比誘電率が上昇するが、これらを大量に用いてもトナーの比誘電率を制御するためには着色剤のトナー中での分散を良くすることと、以下に述べる着色剤が表面に露出して、導通経路を形成しないようにトナー表面に高抵抗、低誘電率の保護層を設けることである。本発明において、トナー表面に樹脂からなる高抵抗、低誘電率の層を設けることにより、比誘電率を下げることができる。トナーの比誘電率は3.0から5.0であり、3.5〜4.5が好ましい。
特に水中でトナー粒子を造粒する場合には、微粒子表面の電荷がトナー表面の電荷と符号が異なるか電荷の大きさが異なる場合、静電引力によるいわゆるヘテロ凝集が起こりやすくトナーの表面に微粒子が均一に集合、付着しやすくなる。
トナー表面に微粒子が付着するだけでなく、本発明の構成すなわちトナー表面で最外層を形成し、物理的力によっても剥がれなくするためにはトナー表層の樹脂層にもぐりこむ必要がある。その時に水中で有機溶剤や重合性モノマー、トナー構成樹脂からなるトナー前駆体の油滴との親和性が重要なファクターとなる。水系への親和性が強い場合にはトナー表面にとどまり内部に固定されず、逆に油滴への親和性が強すぎる場合には内部に侵入するが、表面近傍にとどまらない。この性質を調整するためには微粒子と樹脂の極性、微粒子の表面の極性を中間的なものに調整する必要がある。樹脂を構成する官能基、微粒子を製造する際の界面活性剤などの選択に影響を受ける。
但しトナー表層に固定化されたときに有機溶剤や重合性モノマー、トナー構成樹脂からなるトナー前駆体に微粒子が溶解してしまわないように、後に述べる微粒子を架橋することによってトナー表層で粒子の形態で存在させることができる。
表面層の樹脂の架橋の程度はその架橋度が10%から80%が好ましい。架橋度は樹脂に溶剤が膨潤、溶解するのに必要な十分な時間樹脂を溶剤に浸し樹脂を取り出してその重量を測定して乾燥後残存する重量によって求めることができる。
しかし、以下に述べる抽出法が正確に定量できる点で優れている。
ソックスレー抽出装置の円筒ろ紙内部に3gの樹脂微粒子の乾燥物を入れ、酢酸エチルを用いて12時間沸騰、還流抽出することにより可溶分を抽出する。残存した不溶物を乾燥精秤することによって残存量を架橋度(%)で計算する。
本測定によって得られた表面層の樹脂の架橋度は10%から80%が好ましい、さらに好ましくは30%から60%であることがトナー粒子表面で粒子の形態で残ることができ、またトナーを構成する樹脂の中で適度の融合する形態を作ることができる。
本発明においてトナー母体粒子のBET表面積が1.5〜4.0m2/gが好ましい。BET表面積を所望の値に制御するには表面の微小な凹凸を減らし滑らかにする必要がある。本発明ではトナーの母体粒子を樹脂のTg付近の温度で加熱することによって調整できる。加熱温度、時間を選択することによってBET表面積は制御可能である。
本形態を実現するには先に述べた樹脂粒子の適度な架橋度と粒子径に応じた添加量が必要である。
樹脂粒子は粒子径が20nmから200nmでガラス転移点が50℃から120℃であることが好ましい。好ましいTgの範囲としては60℃から100℃である。この範囲が定着性の阻害と表面の保護を両立できる。
好ましい粒子径は40nmから100nmである。粒子径が小さければ少量で表面を覆うことができるが形成される層厚が小さくなりすぎ、また粒子径が大きければ必要量は多量になるばかりでなく、定着阻害効果が大きくなる。
トナー表面にトナー内部の樹脂よりもガラス転移点の高い部分的に架橋された樹脂からなる層を設けるには、製造方法における樹脂微粒子の添加タイミングが重要である。
少なくとも黒色着色剤、結着樹脂又は結着樹脂前駆体を含むトナー材料を有機溶媒に溶解又は分散してトナー材料の溶解又は分散液を作製する工程と、これを水系媒体中に添加して乳化乃至分散させて乳化乃至分散液を作製する工程と、前記乳化乃至分散液から有機溶媒を除去する工程を含むトナーの製造方法において、樹脂微粒子は、トナー材料の溶解又は分散液を水系媒体中に添加して乳化乃至分散させて乳化乃至分散液を作製する工程の前または後にもしくは有機溶媒を除去する工程中に添加することにより、トナー表面にトナー内部の樹脂よりもガラス転移点の高い部分的に架橋された樹脂からなる層を設けることができる。好ましくは乳化、分散前がトナー表面の層形成に良好である。また乳化分散後に添加しても乳化、分散を阻害せず生成するトナー粒子径、形状に影響が少なくより好ましい。有機溶剤が除去された後に加えてもトナー表面での接着性に乏しく、粒子が脱離しやすく好ましくない。さらにその後の工程で得られた微粒子の付着したトナー粒子分散液を加熱することが微粒子層を強固に形成させる点で好ましい。
トナーの重量平均粒径D4は、粒度測定器(「マルチサイザーIII」、ベックマンコールター社製)を用い、アパーチャー径100μmで測定し、解析ソフト(Beckman Coulter Multisizer 3 Version3.51)にて解析を行なった。具体的にはガラス製100mlビーカーに10wt%界面活性剤(アルキルベンゼンスフォン酸塩ネオゲンSC−A;第一工業製薬製)を0.5ml添加し、各トナー0.5g添加しミクロスパーテルでかき混ぜ、次いでイオン交換水80mlを添加した。得られた分散液を超音波分散器(W−113MK−II本多電子社製)で10分間分散処理した。前記分散液を前記マルチサイザーIIIを用いて、測定用溶液としてアイソトンIII(ベックマンコールター製)を用いて測定を行なった。測定は装置が示す濃度が8±2%に成るように前記トナーサンプル分散液を滴下した。本測定法は粒径の測定再現性の点から前記濃度を8±2%にすることが重要である。この濃度範囲であれば粒径に誤差は生じない。
トナーを成型器によって、厚さ2.0±0.1mmになるように6MPaの圧力で直径40mmの円形のペレットを作製した。得られたペレットを、TR−10C型誘電体損測定器(安藤電気社製)の不導体の円筒の上下に良好な導電性の金属電極を有する内径約2cmの測定セル内に密着させ充填した。交流ブリッジ法により25℃、大気中、室内において測定し、1KHzの測定周波数で比誘電率を求めた。
電子写真装置プロセス(株式会社リコー製、imagio Neo450)を改良し、転写媒体上に未定着画像を作成し、得られた画像の面積とエアーによってトナーを吹き飛ばして得られる重量減少から重量減少分を面積で除して単位面積あたりの付着量を求めることが出来る。
画像形成装置(株式会社リコー製、imagio Neo450)を用いて、転写紙(株式会社リコー製タイプ6200)にベタ画像で、0.3mg/cm2の各トナーが現像される様に先の付着量で測定した調整を行い、定着ベルトの温度(160℃)で定着して、ベタ画像出力した。得られたベタ画像について、X−Rite(X−Rite社製)により反射濃度(ID)を測定した。
本発明に使用する黒色トナー用の着色剤としては、特に制限はなく、公知の染料及び顔料の中から目的に応じて適宜選択することができ、例えば、カーボンブラック、ニグロシン染料、鉄黒、酸化鉄、その他金属酸化物などが挙げられる。特にカーボンブラックは黒色度が高く、ストラクチャおよび吸油量が高い物が好ましい。中性カーボンブラックよりも酸性カーボンブラックのほうが好ましい。
その他補助色として、ナフトールイエローS、ハンザイエロー(10G、5G、G)、カドミュウムイエロー、黄色酸化鉄、黄土、黄鉛、チタン黄、ポリアゾイエロー、オイルイエロー、ハンザイエロー(GR、A、RN、R)、ピグメントイエローL、ベンジジンイエロー(G、GR)、パーマネントイエロー(NCG)、バルカンファストイエロー(5G、R)、タートラジンレーキ、キノリンイエローレーキ、アンスラザンイエローBGL、イソインドリノンイエロー、ベンガラ、鉛丹、鉛朱、カドミュウムレッド、カドミュウムマーキュリレッド、アンチモン朱、パーマネントレッド4R、パラレッド、ファイセーレッド、パラクロルオルトニトロアニリンレッド、リソールファストスカーレットG、ブリリアントファストスカーレット、ブリリアントカーンミンBS、パーマネントレッド(F2R、F4R、FRL、FRLL、F4RH)、ファストスカーレットVD、ベルカンファストルビンB、ブリリアントスカーレットG、リソールルビンGX、パーマネントレッドF5R、ブリリアントカーミン6B、ポグメントスカーレット3B、ボルドー5B、トルイジンマルーン、パーマネントボルドーF2K、ヘリオボルドーBL、ボルドー10B、ボンマルーンライト、ボンマルーンメジアム、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、ローダミンレーキY、アリザリンレーキ、チオインジゴレッドB、チオインジゴマルーン、オイルレッド、キナクリドンレッド、ピラゾロンレッド、ポリアゾレッド、クロームバーミリオン、ベンジジンオレンジ、ペリノンオレンジ、オイルオレンジ、コバルトブルー、セルリアンブルー、アルカリブルーレーキ、ピーコックブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー、ファストスカイブルー、インダンスレンブルー(RS、BC)、インジゴ、群青、紺青、アントラキノンブルー、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、コバルト紫、マンガン紫、ジオキサンバイオレット、アントラキノンバイオレット、クロムグリーン、ジンクグリーン、酸化クロム、ピリジアン、エメラルドグリーン、ピグメントグリーンB、ナフトールグリーンB、グリーンゴールド、アシッドグリーンレーキ、マラカイトグリーンレーキ、フタロシアニングリーン、アントラキノングリーン、酸化チタン、亜鉛華、リトボン、等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
トナーの内部を構成する樹脂および外部に設ける樹脂微粒子のガラス転移温度は、例えばDSCシステム(示差走査熱量計)(「DSC−60」、島津製作所製)を用いて測定することができる。
まず、サンプル約5.0mgをアルミニウム製の試料容器に入れ、試料容器をホルダーユニットに載せ、電気炉中にセットする。次いで、窒素雰囲気下、20℃から昇温速度10℃/minにて150℃まで加熱した。その後、150℃から降温速度10℃/minにて0℃まで冷却させ、更に昇温速度10℃/minにて150℃まで加熱し、示差走査熱量計(「DSC−60」、島津製作所製)により、DSC曲線を計測した。得られたDSC曲線から、DSC−60システム中の解析プログラムを用いて、2回目の昇温時におけるDSC曲線のショルダーを選択し、ポリエステル樹脂のガラス転移温度(Tg)を算出できる。
トナーのBET比表面積は、自動比表面積/細孔分布測定装置TriStar3000(島津製作所製)を用いて測定した。トナー1gを専用セルに入れ、TriStar用脱ガス専用ユニット、バキュプレップ061(島津製作所製)を用いて、前記専用セル内の脱気処理を行った。脱気処理は室温下で行い、少なくとも100mtorr以下の減圧条件下で20時間行った。脱気処理を行った専用セルは、TriStar3000を用いて自動でBET比表面積を得ることが出来る。なお、吸着ガスとしてはチッソガスを用いて行った。
<トナー製法および樹脂微粒子>
本発明のトナーの製造方法は、少なくとも黒色着色剤、結着樹脂又は結着樹脂前駆体を含むトナー材料を有機溶媒に溶解又は分散してトナー材料の溶解又は分散液を作製する工程と、これを水系媒体中に添加して乳化乃至分散させて乳化乃至分散液を作製する工程と、前記乳化乃至分散液から有機溶媒を除去する工程を含むトナーの製造方法において樹脂微粒子を乳化乃至分散液を作製する工程前または後にもしくは有機溶媒を除去する工程中に添加し、好ましくは、樹脂微粒子を添加した後に加熱することを特徴とするトナーの製造方法である。
本発明における樹脂微粒子は以下では樹脂微粒子Bと定義している。
本発明は、少なくとも黒色着色剤、結着樹脂又は結着樹脂前駆体を含むトナー材料を有機溶媒に溶解又は分散してトナー材料の溶解又は分散液を作製する工程と、前記トナー材料の溶解又は分散液を平均粒子径が5〜50nmのアニオン性の樹脂微粒子Aとアニオン性界面活性剤とを含む水系媒体中に添加して乳化乃至分散させて乳化乃至分散液を作製する工程と、前記乳化乃至分散液から有機溶媒を除去する工程が好ましい。
また、前記乳化乃至分散液を作製する工程において、水系媒体中に平均粒子径50〜200nmの樹脂微粒子Bを添加する工程を含んでいる。樹脂微粒子Bの添加は、アニオン性の樹脂微粒子Aやアニオン性界面活性剤を添加する前又は後の水系媒体でもよいし、この水系媒体にさらにトナー材料の溶解又は分散液を添加した後、又はさらにこの水系媒体を攪拌等により乳化しながら若しくは乳化後でもよい。すなわち、次の有機溶媒を除去する工程で、トナー材料を核としたトナー粒子本体の表面に樹脂微粒子Bが付着するように添加すればよい。
しかし、本発明の製造方法によるトナーは、樹脂微粒子Bが比較的大きくトナー粒子本体に埋没しにくい。特に、樹脂微粒子Bがスチレン重合体、アクリル酸エステル重合体、又はメタクリル酸エステル重合体を含む架橋樹脂の微粒子であることが好ましい。このような樹脂微粒子Bは、架橋されていて比較的硬いため、現像器内での機械的ストレスによってトナー粒子表面で変形することなく、スペーサ効果も保つため外添剤の埋没も防止し、上述の付着力維持にはさらに適している。
なお、本発明は、ここに例示されるトナーの製造方法に限定されるものではない。
トナー本体表面に樹脂微粒子Bが付着固定化した構造を取るには、トナー材料を有機溶媒に溶解または分散し、このトナー材料の溶解または分散液をアニオン性界面活性剤とアニオン性の粒子径が5〜50nmの粒子径の樹脂微粒子Aが含まれる水系媒体中で乳化乃至分散した後に有機溶媒を除去してトナーを製造する際に、有機溶媒を除去前に水系媒体中へ粒子径が20〜200nmの樹脂微粒子Bを添加する。乳化ないし分散においては、必要に応じて、油滴を安定化させ、所望の形状を得つつ粒度分布をシャープにする観点から、分散剤を用いることが好ましい。分散剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、界面活性剤、難水溶性の無機化合物分散剤、高分子系保護コロイド、等を用いることができる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、界面活性剤が好ましい。
(樹脂微粒子A)
本発明で用いられる樹脂微粒子A用の樹脂としては、水系媒体中で水性分散液を形成しうる樹脂であれば特に制限はなく、公知の樹脂の中から目的に応じて適宜選択することができる。樹脂微粒子A用の樹脂としては、熱可塑性樹脂であっても熱硬化性樹脂でもよく、例えば、ビニル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ケイ素樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、アニリン樹脂、アイオノマー樹脂、ポリカーボネート樹脂、などを用いることができる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、微細な球状の樹脂微粒子の水性分散液が得られ易い点で、ビニル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂及びポリエステル樹脂から選択される少なくとも1種で形成されるのが好ましい。なお、ビニル樹脂は、ビニルモノマーを単独重合又は共重合したポリマーであり、例えば、スチレン−(メタ)アクリル酸エステル樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、(メタ)アクリル酸−アクリル酸エステル重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、などが挙げられる。
(2)ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂等の重付加ないし縮合系樹脂の場合、前駆体(モノマー、オリゴマー等)又はその溶剤溶液を適当な分散剤の存在下、水性媒体中に分散させた後、加熱、又は硬化剤を添加して硬化させて、樹脂微粒子Aの水性分散液を製造する方法
(3)ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂等の重付加ないし縮合系樹脂の場合、前駆体(モノマー、オリゴマー等)又はその溶剤溶液(液体であることが好ましい。加熱により液状化してもよい)中に適当な乳化剤を溶解させた後、水を加えて転相乳化する方法
(4)予め重合反応(付加重合、開環重合、重付加、付加縮合、縮合重合等いずれの重合反応様式であってもよい)により調製した樹脂を機械回転式又はジェット式等の微粉砕機を用いて粉砕し、次いで、分級することによって樹脂微粒子Aを得た後、適当な分散剤の存在下、水中に分散させる方法
(5)予め重合反応(付加重合、開環重合、重付加、付加縮合、縮合重合等いずれの重合反応様式であってもよい)により調製した樹脂を溶剤に溶解した樹脂溶液を霧状に噴霧することにより樹脂微粒子Aを得た後、該樹脂微粒子を適当な分散剤の存在下、水中に分散させる方法
(6)予め重合反応(付加重合、開環重合、重付加、付加縮合、縮合重合等いずれの重合反応様式であってもよい)により調製した樹脂を溶剤に溶解した樹脂溶液に貧溶剤を添加するか、又は予め溶剤に加熱溶解した樹脂溶液を冷却することにより樹脂微粒子Aを析出させ、次に溶剤を除去して樹脂微粒子を得た後、樹脂微粒子Aを適当な分散剤存在下、水中に分散させる方法
(7)予め重合反応(付加重合、開環重合、重付加、付加縮合、縮合重合等いずれの重合反応様式であってもよい)により調製した樹脂を溶剤に溶解した樹脂溶液を、適当な分散剤存在下、水性媒体中に分散させた後、加熱又は減圧等によって溶剤を除去する方法
(8)予め重合反応(付加重合、開環重合、重付加、付加縮合、縮合重合等いずれの重合反応様式であってもよい)により調製した樹脂を溶剤に溶解した樹脂溶液中に適当な乳化剤を溶解させた後、水を加えて転相乳化する方法
等がある。
樹脂微粒子Bは樹脂微粒子Aと同様な方法で作製できる。粒子径としては一次粒子の平均粒子径として20〜200nmが乳化粒子の粒子径と粒子径分布を制御するのに重要であり、さらに好ましくは40〜100nmの粒子径である。なお、樹脂微粒子Bの粒子径と粒子径分布は樹脂微粒子Aと同様な方法で測定できる。先にあげたアニオン性界面活性剤溶液と混合されたときに不安定で凝集する性質を持つものの方が、トナー材料の液滴表面に付着しやすくなる。そのためには先に述べた製法でノニオン界面活性剤や両性界面活性剤、カチオン界面活性剤を用いたり、樹脂中にアミン基、アンモニウム塩基などのカチオン性基を導入することによっても作製できる。
両性界面活性剤としては、例えば、アラニン、ドデシルジ(アミノエチル)グリシン、ジ(オクチルアミノエチル)グリシン、N−アルキル−N,N−ジメチルアンモニウムべタイン等が挙げられる。
本発明の製造方法で用いられるアニオン性界面活性剤としては、例えば、アルキルベンゼンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、リン酸エステル等が挙げられ、フルオロアルキル基を有するアニオン性界面活性剤が好適に挙げられる。例えばドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムが挙げられる。フルオロアルキル基を有するアニオン性界面活性剤としては、例えば、炭素数2〜10のフルオロアルキルカルボン酸又はその金属塩、パーフルオロオクタンスルホニルグルタミン酸ジナトリウム、3−[ω−フルオロアルキル(炭素数6〜11)オキシ]−1−アルキル(炭素数3〜4)スルホン酸ナトリウム、3−[ω−フルオロアルカノイル(炭素数6〜8)−N−エチルアミノ]−1−プロパンスルホン酸ナトリウム、フルオロアルキル(炭素数11〜20)カルボン酸又はその金属塩、パーフルオロアルキルカルボン酸(炭素数7〜13)又はその金属塩、パーフルオロアルキル(炭素数4〜12)スルホン酸又はその金属塩、パーフルオロオクタンスルホン酸ジエタノールアミド、N−プロピル−N−(2−ヒドロキシエチル)パーフルオロオクタンスルホンアミド、パーフルオロアルキル(炭素数6〜10)スルホンアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩、パーフルオロアルキル(炭素数6〜10)−N−エチルスルホニルグリシン塩、モノパーフルオロアルキル(炭素数6〜16)エチルリン酸エステル等が挙げられる。
本発明のトナーの製造方法に用いる結着樹脂としては、特に制限はなく、少なくとも2種類以上の樹脂を含むことが好ましく、ポリエステル系樹脂、シリコーン樹脂、スチレン・アクリル樹脂、スチレン樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ジエン系樹脂、フェノール樹脂、テルペン樹脂、クマリン樹脂、アミドイミド樹脂、ブチラール樹脂、ウレタン樹脂、エチレン・酢酸ビニル樹脂等、公知の結着樹脂を用いることができる。
A−(OH)m ・・・ (1)
[式中、Aは炭素数1〜20のアルキル基、アルキレン基、置換基を有していてもよい芳香族基若しくはヘテロ環芳香族基を表す。mは2〜4の整数を表す。]
下記一般式(2)で表される1種若しくは2種以上のポリカルボン酸とをポリエステル化したものである。
B−(COOH)n ・・・(2)
[式中、Bは炭素数1〜20のアルキル基、アルキレン基、置換基を有していてもよい芳香族基若しくはヘテロ環芳香族基を表す。nは2〜4の整数を表す。]
本発明のトナー材料中に活性水素基含有化合物及び該化合物と反応可能な重合体が含まれることにより、得られるトナーの機械的強度が高まり、樹脂微粒子Bや外添剤の埋没を抑制することが出来る。活性水素基含有化合物がカチオン性の極性を有す場合には、樹脂微粒子Bを静電的に引き寄せることもできる。また、トナーの加熱定着時の流動性を調節でき定着温度幅を広げることも出来る。なお、活性水素基含有化合物及び該化合物と反応可能な重合体は、結着樹脂前駆体であるとも言える。
ジアミン(B1)としては、例えば、芳香族ジアミン、脂環式ジアミン、脂肪族ジアミン、等が挙げられる。該芳香族ジアミンとしては、例えば、フェニレンジアミン、ジエチルトルエンジアミン、4,4'ジアミノジフェニルメタン等が挙げられる。該脂環式ジアミンとしては、例えば、4,4'−ジアミノ−3,3'ジメチルジシクロヘキシルメタン、ジアミンシクロヘキサン、イソホロンジアミン等が挙げられる。該脂肪族ジアミンとしては、例えば、エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン等が挙げられる。
B1〜B5のアミノ基をブロックしたもの(B6)としては、例えば、B1からB5のいずれかのアミン類とケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等)から得られるケチミン化合物、オキサゾリゾン化合物、等が挙げられる。
活性水素基含有化合物と反応可能な重合体(以下「プレポリマー」)としては、活性水素基含有化合物と反応可能な部位を少なくとも有しているものであれば特に制限はなく、公知の樹脂等の中から適宜選択することができ、例えば、ポリオール樹脂、ポリアクリル樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、これらの誘導体樹脂、等を用いることができる。これらの中でも、溶融時の高流動性、透明性の点で、ポリエステル樹脂が特に好ましい。なお、これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
ジオール(DIO)と3価以上のポリオール(TO)との混合物におけるジオール(DIO)と3価以上のポリオール(TO)との混合質量比(DIO:TO)としては、100:0.01〜10が好ましく、100:0.01〜1がより好ましい。
3価以上のポリカルボン酸(TC)としては、3〜8価又はそれ以上のものが好ましく、例えば、芳香族ポリカルボン酸、等が挙げられる。また、芳香族ポリカルボン酸としては、炭素数9〜20のものが好ましく、例えば、トリメリット酸、ピロメリット酸等が挙げられる。
ジカルボン酸(DIC)と3価以上のポリカルボン酸(TC)との混合物におけるジカルボン酸(DIC)と3価以上のポリカルボン酸(TC)との混合質量比(DIC:TC)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、100:0.01〜10が好ましく、100:0.01〜1がより好ましい。
ポリオール(PO)のイソシアネート基含有ポリエステルプレポリマー(A)における含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、0.5〜40質量%が好ましく、1〜30質量%がより好ましく、2〜20質量%が特に好ましい。何故なら、含有量が、0.5質量%未満であると、耐ホットオフセット性が悪化し、トナーの耐熱保存性と低温定着性とを両立させることが困難になることがあり、40質量%を超えると、低温定着性が悪化することがあるからである。
脂肪族ポリイソシアネートとしては、例えば、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,6−ジイソシアナトメチルカプロエート、オクタメチレンジイソシアネート、デカメチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、テトラデカメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサンジイソシアネート、テトラメチルヘキサンジイソシアネート等が挙げられる。また、脂環式ポリイソシアネートとしては、例えば、イソホロンジイソシアネート、シクロヘキシルメタンジイソシアネート等が挙げられる。また、芳香族ジイソシアネートとしては、例えば、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、1,5−ナフチレンジイソシアネート、ジフェニレン−4,4'−ジイソシアネート、4,4'−ジイソシアナト−3,3'−ジメチルジフェニル、3−メチルジフェニルメタン−4,4'−ジイソシアネート、ジフェニルエーテル−4,4'−ジイソシアネート等が挙げられる。また、芳香脂肪族ジイソシアネートとしては、例えば、α,α,α',α'−テトラメチルキシリレンジイソシアネート等が挙げられる。また、イソシアヌレート類としては、例えば、トリス−イソシアナトアルキル−イソシアヌレート、トリイソシアナトシクロアルキル−イソシアヌレート等が挙げられる。これらは、1種単独でも使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記その他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、離型剤、帯電制御剤、無機微粒子、流動性向上剤、クリーニング性向上剤、磁性材料、金属石鹸、等が挙げられる。
離型剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、融点が50〜120℃の低融点の離型剤が好ましい。低融点の離型剤は、前記樹脂と分散されることにより、離型剤として効果的に定着ローラとトナー界面との間で働き、これによりオイルレス(定着ローラにオイルの如き離型剤を塗布しない)でもホットオフセット性が良好である。
離型剤としては、例えば、ロウ類、ワックス類、等が好適に挙げられる。ロウ類及びワックス類としては、例えば、カルナウバワックス、綿ロウ、木ロウ、ライスワックス等の植物系ワックス;ミツロウ、ラノリン等の動物系ワックス;オゾケライト、セルシン等の鉱物系ワックス;パラフィン、マイクロクリスタリン、ペトロラタム等の石油ワックス;などの天然ワックスが挙げられる。また、これら天然ワックスのほか、フィッシャー・トロプシュワックス、ポリエチレンワックス等の合成炭化水素ワックス;エステル、ケトン、エーテル等の合成ワックス;などが挙げられる。更に、12−ヒドロキシステアリン酸アミド、ステアリン酸アミド、無水フタル酸イミド、塩素化炭化水素等の脂肪酸アミド;低分子量の結晶性高分子樹脂である、ポリ−n−ステアリルメタクリレート、ポリ−n−ラウリルメタクリレート等のポリアクリレートのホモ重合体あるいは共重合体(例えば、n−ステアリルアクリレート−エチルメタクリレートの共重合体等);側鎖に長いアルキル基を有する結晶性高分子、などを用いてもよい。これらは1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
帯電制御剤としては、特に制限はなく、公知のもの中から目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ニグロシン系染料、トリフェニルメタン系染料、クロム含有金属錯体染料、モリブデン酸キレート顔料、ローダミン系染料、アルコキシ系アミン、4級アンモニウム塩(フッ素変性4級アンモニウム塩を含む)、アルキルアミド、燐の単体又はその化合物、タングステンの単体又はその化合物、フッ素系活性剤、サリチル酸の金属塩、サリチル酸誘導体の金属塩、等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
無機微粒子は、トナー粒子に流動性、現像性、帯電性等を付与するための外添剤として使用する。この無機微粒子としては、特に制限はなく、目的に応じて公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、シリカ、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、酸化スズ、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、酸化クロム、酸化セリウム、ペンガラ、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素、等を用いることができる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
流動性向上剤とは、表面処理を行って疎水性を上げ、高湿度下においても流動特性や帯電特性の悪化を防止する剤のことであり、例えば、シランカップリング剤、シリル化剤、フッ化アルキル基を有するシランカップリング剤、有機チタネート系カップリング剤、アルミニウム系のカップリング剤、シリコーンオイル、変性シリコーンオイル、等が挙げられる。シリカ、酸化チタンは、このような流動性向上剤により表面処理行い、疎水性シリカ、疎水性酸化チタンとして使用するのが特に好ましい。
クリーニング性向上剤は、感光体や一次転写媒体に残存する転写後の現像剤を除去するためにトナーに添加される剤のことであり、例えば、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸等の脂肪酸金属塩、ポリメチルメタクリレート微粒子、ポリスチレン微粒子等のソープフリー乳化重合により製造されたポリマー微粒子、などが挙げられる。ポリマー微粒子は、比較的粒度分布が狭いものが好ましく、体積平均粒径が0.01〜1μmのものが好適である。
磁性材料としては、特に制限はなく、目的に応じて公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、鉄粉、マグネタイト、フェライト、等を用いることができる。これらの中でも、色調の点で白色のものが好ましい。
本発明のトナーの製造方法においては、結着樹脂又は結着樹脂前駆体と黒色着色剤とを主成分としたトナー材料を有機溶媒中に溶解又は分散させて形成した溶解物又は分散物を、水系媒体中で乳化乃至分散させて乳化乃至分散液を調製し、造粒した樹脂微粒子Bを乳化乃至分散したトナー材料を含むトナー前駆体に付着させることにより所望のトナーを製造する。好ましくは、活性水素基含有化合物と、該活性水素基含有化合物と反応可能な重合体とを少なくとも含むトナー材料の溶解ないし分散液を、水系媒体中に乳化ないし分散させ、水系媒体中で活性水素基含有化合物と、活性水素基含有化合物と反応可能な重合体とを反応させて得られる接着性ポリマーを少なくとも含むトナー前駆体粒子を生成させて、造粒した樹脂微粒子Bを付着させることにより所望のトナーを製造する。
トナー材料の溶解ないし分散液は、トナー材料を溶媒に溶解ないし分散させて調製する。トナー材料としては、トナーを形成可能である限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、活性水素基含有化合物、該活性水素基含有化合物と反応可能な重合体(プレポリマー)のいずれかを含み、さらに必要に応じて、未変性ポリエステル樹脂や、離型剤、着色剤、帯電制御剤等の上記その他の成分を含んでいてもよい。トナー材料の溶解ないし分散液は、トナー材料を有機溶媒に溶解ないし分散させて調製することが好ましい。なお、有機溶媒は、トナーの造粒時ないし造粒後に除去することが好ましい。
トナー材料を溶解ないし分散する有機溶媒としては、トナー材料を溶解ないし分散可能な溶媒であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、トナーの造粒時ないし造粒後の除去の容易性の点で沸点が150℃未満のものが好ましく、例えば、トルエン、キシレン、ベンゼン、四塩化炭素、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、トリクロロエチレン、クロロホルム、モノクロロベンゼン、ジクロロエチリデン、酢酸メチル、酢酸エチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等を用いることができる。また、エステル系溶剤が好ましく、酢酸エチルが特に好ましい。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。有機溶媒の使用量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、トナー材料100質量部に対し40〜300質量部が好ましく、60〜140質量部がより好ましく、80〜120質量部がさらに好ましい。なお、トナー材料の溶解ないし分散液の調製は、有機溶媒中に、活性水素基含有化合物、活性水素基含有化合物と反応可能な重合体、未変性ポリエステル樹脂、離型剤、着色剤、帯電制御剤、等のトナー材料を、溶解ないし分散させることにより行うことができる。また、トナー材料の中で、活性水素基含有化合物と反応可能な重合体(プレポリマー)以外の成分は、後述する水系媒体の調製において、水系媒体中に添加混合してもよいし、あるいは、トナー材料の溶解ないし分散液を水系媒体に添加する際に、溶解ないし分散液と共に水系媒体に添加してもよい。
水系媒体としては、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、水、水と混和可能な溶剤、これらの混合物、などを用いることができるが、これらの中でも、水が特に好ましい。水と混和可能な溶剤としては、水と混和可能であれば特に制限はなく、例えば、アルコール、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、セルソルブ類、低級ケトン類、などを用いることができる。アルコールとしては、例えば、メタノール、イソプロパノール、エチレングリコール等が挙げられる。また、低級ケトン類としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
トナー材料の溶解ないし分散液の水系媒体中への乳化ないし分散は、トナー材料の溶解ないし分散液を水系媒体中で攪拌しながら分散させることが好ましい。分散の方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、公知の分散機などを用いて行うことができる。分散機としては、低速せん断式分散機、高速せん断式分散機などが挙げられる。このトナーの製造方法においては、乳化ないし分散の際、活性水素基含有化合物と、活性水素基含有化合物と反応可能な重合体と、を伸長反応ないし架橋反応させると、接着性ポリマーが生成する。樹脂微粒子Bは乳化中または乳化後に水系媒体に加えても良い。高速せん断分散機にて分散させながら行うか乳化後低速攪拌に切り替えて添加するか適宜トナーへの樹脂微粒子Bの付着性、固定化状況を見ながら行われる。
接着性基材は、紙等の記録材に対し接着性を示し、活性水素基含有化合物と、活性水素基含有化合物と反応可能な重合体と、を水系媒体中で反応させてなる接着性ポリマーを含むことが好ましい。なお、公知の結着樹脂から適宜選択した結着樹脂を含んでいてもよい。接着性基材の重量平均分子量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、3,000以上が好ましく、5,000〜1,000,000がより好ましく、7,000〜500,000が特に好ましい。何故なら、重量平均分子量が、3,000未満であると、耐ホットオフセット性が悪化することがあるからである。
(1)ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物及びイソフタル酸の重縮合物をイソホロンジイソシアネートと反応させたポリエステルプレポリマーをイソホロンジアミンでウレア化したものと、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物及びイソフタル酸の重縮合物との混合物
(2)ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物及びイソフタル酸の重縮合物をイソホロンジイソシアネートと反応させたポリエステルプレポリマーをイソホロンジアミンでウレア化したものと、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物及びテレフタル酸の重縮合物との混合物
(3)ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物/ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物及びテレフタル酸の重縮合物をイソホロンジイソシアネートと反応させたポリエステルプレポリマーをイソホロンジアミンでウレア化したものと、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物/ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物及びテレフタル酸の重縮合物との混合物
(4)ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物/ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物及びテレフタル酸の重縮合物をイソホロンジイソシアネートと反応させたポリエステルプレポリマーをイソホロンジアミンでウレア化したものと、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物及びテレフタル酸の重縮合物との混合物
(5)ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物及びテレフタル酸の重縮合物をイソホロンジイソシアネートと反応させたポリエステルプレポリマーを、ヘキサメチレンジアミンでウレア化したものと、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物及びテレフタル酸の重縮合物との混合物
(7)ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物及びテレフタル酸の重縮合物をイソホロンジイソシアネートと反応させたポリエステルプレポリマーをエチレンジアミンでウレア化したものと、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物及びテレフタル酸の重縮合物との混合物
(8)ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物及びイソフタル酸の重縮合物をジフェニルメタンジイソシアネートと反応させたポリエステルプレポリマーをヘキサメチレンジアミンでウレア化したものと、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物及びイソフタル酸の重縮合物との混合物
(9)ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物/ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物及びテレフタル酸/ドデセニルコハク酸無水物の重縮合物をジフェニルメタンジイソシアネートと反応させたポリエステルプレポリマーをヘキサメチレンジアミンでウレア化したものと、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物/ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物及びテレフタル酸の重縮合物との混合物
(10)ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物及びイソフタル酸の重縮合物をトルエンジイソシアネートと反応させたポリエステルプレポリマーをヘキサメチレンジアミンでウレア化したものと、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物及びイソフタル酸の重縮合物との混合物
ポリオキシエチレン系としては、例えば、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシプロピレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミド、ポリオキシプロピレンアルキルアミド、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルフェニルエステル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエステル等が挙げられる。また、セルロース類としては、例えば、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等が挙げられる。
リン酸カルシウム塩等の酸、アルカリに溶解可能な分散安定剤を用いた場合は、塩酸等の酸によりリン酸カルシウム塩を溶解した後、水洗する方法、酵素により分解する方法等によって、微粒子からリン酸カルシウム塩を除去することが可能となる。
乳化ないし分散により得られた乳化スラリーから、有機溶媒を除去する。有機溶媒の除去は、(1)反応系全体を徐々に昇温させて、油滴中の有機溶媒を完全に蒸発除去する方法、(2)乳化分散体を乾燥雰囲気中に噴霧して、油滴中の非水溶性有機溶媒を完全に除去してトナー微粒子を形成し、併せて水系分散剤を蒸発除去する方法、等が挙げられる。有機溶媒の除去が行われるとトナー粒子が形成される。形成されたトナー粒子に対し、洗浄、乾燥等を行い、さらにその後、所望により分級等を行う。該分級は、例えば、液中でサイクロン、デカンター、遠心分離等により、微粒子部分を取り除くことにより行う。なお、乾燥後に粉体として取得した後に分級操作を行ってもよい。
本発明の画像形成方法は、電子写真感光体を帯電手段により帯電させる帯電工程と、前記帯電された電子写真感光体上に露光手段により静電潜像を形成する露光工程と、前記静電潜像を形成された電子写真感光体上にトナーを含む現像手段によりトナー像を形成する現像工程と、前記電子写真感光体上に形成されたトナー像を一次転写手段により中間転写体上に転写する一次転写工程と、前記中間転写体上に転写されたトナー像を二次転写手段により記録材上に転写する二次転写工程と、前記記録材上に転写されたトナー像を熱及び圧力定着部材を含む定着手段により記録材上に定着させる定着工程と、前記一次転写手段によりトナー像を中間転写体上に転写した電子写真感光体の表面に付着している転写残トナーをクリーニング手段によりクリーニングするクリーニング工程とを備えていることが好ましい。そして、現像工程において使用するブラックトナーが、上述の本発明のトナーである。本発明の画像形成方法は、二次転写工程において、トナー像の記録材への転写の線速度は300〜1000mm/secであり、二次転写手段のニップ部での転写時間は0.5〜20msecとすることが好ましい。
帯電手段は、少なくとも交番電圧を重畳した直流電圧を印加するのが好ましい。交番電圧を重畳した直流電圧を印加することにより、直流電圧のみを印加する場合に比べて電子写真感光体の表面電圧を所望の値に安定化させることができるため、より均一帯電させることが可能となる。さらに、帯電手段は、電子写真感光体に帯電部材を接触させ、帯電部材に電圧を印加することによって帯電を行なうのが好ましい。電子写真感光体に帯電部材を接触させ、帯電部材に電圧を印加して帯電を行なうことによって、特に交番電圧を重畳した直流電圧を印加することで得られる均一帯電性の効果をさらに向上させることが可能となる。
本発明の画像形成方法において使用される帯電装置としては、例えば図2及び図3に示した接触式の帯電装置を用いることができる。
図2に接触式帯電装置の一種であるローラ式帯電装置(500)の一例の概略構成を示した。被帯電体である像担持体としての感光体(505)は矢印の方向に所定の速度(プロセススピード)で回転駆動される。この感光体(505)に接触させた帯電部材である帯電ローラ(501)は芯金(502)とこの芯金(502)の外周に同心一体にローラ上に形成した導電ゴム層(503)を基本構成とし、芯金の両端を不図示の軸受け部材などで回転自由に保持させるとともに、不図示の加圧手段によって感光ドラムに所定の加圧力で押圧させており、本図の場合はこの帯電ローラ(501)は感光体(505)の回転駆動に従動して回転する。帯電ローラ(501)は、直径9mmの芯金上に100,000Ω・cm程度の中抵抗の導電ゴム層(503)を被膜して直径16mmに形成されている。帯電ローラ(501)の芯金(502)と図示の電源(504)とは電気的に接続されており、電源(504)により帯電ローラ(501)に対して所定のバイアスが印加される。これにより感光体(605)の周面が所定の極性、電位に一様に帯電処理される。
本発明で使われる帯電装置の形状としてはローラ式帯電装置の他にも、磁気ブラシ式帯電装置、ファーブラシ式帯電装置など、どのような形態をとってもよく、電子写真装置の仕様や形態にあわせて選択可能である。磁気ブラシ式帯電装置を用いる場合、磁気ブラシは例えばZn−Cuフェライト等、各種フェライト粒子を帯電部材として用い、これを支持させるための非磁性の導電スリーブ、これに内包されるマグネットロールによって構成される。また、ファーブラシ式帯電装置を用いる場合、例えばファーブラシの材質としては、カーボン、硫化銅、金属、および金属酸化物により導電処理されたファーを用い、これを金属や他の導電処理された芯金に巻き付けたり張り付けたりすることで帯電装置とする。
本例では該ファーブラシローラ(511)による感光体(515)の接触帯電は直接注入帯電が支配的となって行なわれ、回転感光体表面はファーブラシローラ(511)に対する印加帯電電圧とほぼ等しい電位に帯電される。
図3は、磁気ブラシ式帯電装置の例の概略構成を示した図でもある。被帯電体、像担持体としての感光体(515)は矢印の方向に所定の速度(プロセススピード)で回転駆動される。この感光体(515)に対して、磁気ブラシによって構成されるブラシローラ(511)が、ブラシ部(513)の弾性に抗して所定の押圧力をもって所定のニップ幅で接触させてある。
本発明において感光体の潜像を現像するに際しては、交互電界を印加することが好ましい。図4に示した現像器(600)において、現像時、現像スリーブ(601)には、電源(602)により現像バイアスとして、直流電圧に交流電圧を重畳した振動バイアス電圧が印加される。背景部電位と画像部電位は、上記振動バイアス電位の最大値と最小値の間に位置している。これによって現像部(603)に向きが交互に変化する交互電界が形成される。この交互電界中で現像剤のトナーとキャリアが激しく振動し、トナー(605)が現像スリーブ(601)およびキャリアへの静電的拘束力を振り切って感光体(604)に飛翔し、感光体の潜像に対応して付着する。なお、ブラックトナー(605)は、上述の本発明のトナーである。
定着手段は、磁性金属から構成されて電磁誘導により加熱される加熱ローラと、加熱ローラと平行に配置された定着ローラと、加熱ローラと定着ローラとに張り渡され、加熱ローラにより加熱されるとともにこれらのローラによって回転される無端帯状のトナー加熱媒体(加熱ベルト)と、加熱ベルトを介して定着ローラに圧接されるとともに、加熱ベルトに対して順方向に回転して定着ニップ部を形成する加圧ローラとを有することにより、定着ベルトの温度が短時間で上昇し、かつ安定した温度制御が可能となる。また、表面の粗い記録材を使用した場合にも、定着時にある程度転写紙の表面に応じた状態で定着ベルトが作用するため、十分な定着性が得られるようになる。
定着ローラ(720)(対向回転体)は、例えばステンレススチール等の金属製の芯金(721)と、耐熱性を有するシリコーンゴムをソリッド状または発泡状にして芯金(721)を被覆した弾性部材(722)とからなる。そして、加圧ローラ(740)からの押圧力でこの加圧ローラ(740)と定着ローラ(720)との間に所定幅の接触部を形成するために外形を20〜40mm程度として加熱ローラ(710)より大きくしている。弾性部材(722)は、その肉厚を4〜6mm程度としている。この構成により、加熱ローラ(710)の熱容量は定着ローラ(720)の熱容量より小さくなるので、加熱ローラ(710)が急激に加熱されてウォームアップ時間が短縮される。
・基体(731):ポリイミド(PI)樹脂などの樹脂層
・発熱層(732):Ni,Ag,SUS等の導電材料層
・中間層(733):均一定着のための弾性層
・離型層(734):離型効果とオイルレス化のための弗素樹脂材料等の樹脂層
本発明のプロセスカートリッジは、電子写真感光体と、前記電子写真感光体を帯電させる帯電手段と、前記帯電された電子写真感光体上に静電潜像を形成する露光手段と、前記電子写真感光体上に形成された静電潜像をトナーによりトナー像とする現像手段と、前記電子写真感光体上に形成されたトナー像を中間転写体を介して又は介さずに記録材上に転写する転写手段と、前記記録材上に転写されたトナー像を熱及び圧力定着部材により記録材上に定着させる定着手段定着工程と、前記転写手段によりトナー像を中間転写体又は記録材上に転写した後の電子写真感光体表面に付着している転写残トナーをクリーニングするクリーニング手段とを備えた画像形成装置における各手段のうち、少なくとも電子写真感光体、及び現像手段を含む上記手段を一体に支持して画像形成装置本体に着脱自在としたものである。そして、現像手段には、上述の本発明のブラックトナーを備えている。現像手段及び帯電手段としては、上述の現像装置及び帯電装置が好適に使用できる。
本発明のフルカラー画像形成方法において使用されるフルカラー画像形成装置としては、例えば図8、図9に示したタンデム方式の画像形成装置(100)を用いることができる。図8において、画像形成装置(100)は電子写真方式によるカラー画像形成を行なうための画像書込部(120Bk,120C,120M,120Y)、画像形成部(130Bk,130C,130M,130Y)、給紙部(140)から主に構成されている。画像信号を元に、画像処理部(図示せず)で画像処理を行ない、画像形成用の黒(Bk),シアン(C),マゼンタ(M),イエロー(Y)の各色信号に変換し、画像書込部(120Bk,120C,120M,120Y)に送信する。画像書込部(120Bk,120C,120M,120Y)は、例えば、レーザ光源、回転多面鏡等の偏向器、走査結像光学系及びミラー群(いずれも図示せず)からなるレーザ走査光学系であり、上記の各色信号に対応した4つの書込光路を有し、画像形成部(130Bk,130C,130M,130Y)に各色信号に応じた画像書込を行なう。
これに対して、このフルカラー画像形成装置では、中間転写ベルト(220)を使用するので紙粉の混入が少なく、かつ、紙転写時の中間転写ベルト(220)への紙粉の付着も防止される。各感光体(210Bk,210C,210M,210Y)が独立した色のトナーを使用するので各感光体クリーニング装置(300Bk,300C,300M,300Y)を接離する必要もなく、確実にトナーのみを回収することができる。
なお、実施例1〜3、5、6は欠番である。
評価に用いたトナーの具体的な作製例について説明する。本発明で用いるトナーは、これらの例に限定されるものではない。
〜未変性ポリエステル(低分子量ポリエステル)の合成〜
冷却管、攪拌機及び窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物67質量部、ビスフェノールAプロピオンオキサイド3モル付加物84質量部、テレフタル酸274質量部、及びジブチルチンオキサイド2質量部を投入し、常圧下、230℃にて8時間反応させた。次いで、該反応液を10〜15mmHgの減圧下にて5時間反応させて、未変性ポリエステルを合成した。
得られた未変性ポリエステルは、数平均分子量(Mn)が2,100、重量平均分子量(Mw)が5,600、ガラス転移温度(Tg)が55℃であった。
水1000質量部、及びカーボンブラック(「MA#100」;三菱化学社製)600質量部、及び前記未変性ポリエステル1200質量部を、ヘンシェルミキサー(三井鉱山社製)を用いて混合した。該混合物を二本ロールで150℃にて30分混練した後、圧延冷却し、パルペライザー(ホソカワミクロン社製)で粉砕して、マスターバッチを調製した。
ビーカー内に前記未変性ポリエステル100質量部、酢酸エチル130質量部を、攪拌し溶解させた。次いで、カルナウバワックス(分子量=1,800、酸価=2.5、針入度=1.5mm(40℃))10質量部、及び前記マスターバッチ45質量部を仕込み、ビーズミル(「ウルトラビスコミル」;アイメックス社製)を用いて、送液速度1kg/hr、ディスク周速度6m/s、及び0.5mmジルコニアビーズを80体積%充填した条件で3パスして原料溶解液を調製し、トナー材料の溶解乃至分散液を調製した。
撹拌棒および温度計をセットした反応容器に、水683部、メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩(エレミノールRS−30、三洋化成工業製)16部、スチレン83部、メタクリル酸83部、アクリル酸ブチル110部、過硫酸アンモニウム1部を仕込み、400回転/分で15分間撹拌したところ、白色の乳濁液が得られた。加熱して、系内温度75℃まで昇温し5時間反応させた。さらに、1%過硫酸アンモニウム水溶液30部加え、75℃で5時間熟成してビニル系樹脂(スチレン−メタクリル酸−アクリル酸ブチル−メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩の共重合体)の水性分散液[樹脂微粒子分散液A1]を得た。[樹脂微粒子分散液A1]の体積平均粒径(堀場製作所製 LA−920で測定)は、15nmであった。
撹拌棒および温度計をセットした反応容器に、水683部、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム(カチオンDS、花王製)10部、スチレン136部、メタクリル酸メチル136部、エチレングリコールジメタクリレート2部、過硫酸アンモニウム1部を仕込み、400回転/分で15分間撹拌したところ、白色の乳濁液が得られた。加熱して、系内温度65℃まで昇温し10時間反応させた。さらに、1%過硫酸アンモニウム水溶液30部加え、75℃で5時間熟成してビニル系樹脂(スチレン−メタクリル酸メチル)の水性分散液[樹脂微粒子分散液B3]を得た。[樹脂微粒子分散液B3]の体積平均粒径(堀場製作所製 LA−920で測定)は、80nmであった。
樹脂微粒子B7;n−ブチルアクリレート68部、スチレン68部
樹脂微粒子B8;n−ブチルアクリレート34部、スチレン102部
樹脂微粒子B9;スチレン68部、アクリル酸メチル68部
それぞれ樹脂微粒子B7,B8、B9のTgは45℃、60℃、125℃であった。
(トナーa1の製造)
〜水系媒体相の調製〜
水660質量部、前記微粒子分散液A1、25質量部、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムの48.5質量%の水溶液(「エレミノールMON−7」;三洋化成工業製)25質量部、及び酢酸エチル60質量部を混合撹拌し、乳白色の液体(水相)を得た。さらに樹脂微粒子B1を50質量部加えた。光学顕微鏡で観察すると数百μmの凝集体が見られた。本水系媒体相をTK式ホモミキサー(特殊機化工業社製)を用い、回転数8000rpmで攪拌すると該凝集体がほぐれ、数μmの小凝集体に分散できることを光学顕微鏡によって確認した。したがってこの後行われるトナー材料の乳化工程においても樹脂微粒子B1は分散してトナー材料成分の液滴に付着することが期待できた。このように樹脂微粒子B1は凝集を生じるがせん断によってほぐれることがトナー表面に均一に付着させる上で重要である。
前記水系媒体相150質量部を容器に入れ、TK式ホモミキサー(特殊機化工業社製)を用い、回転数12,000rpmで攪拌し、これに前記トナー材料の溶解乃至分散液100質量部を添加し、10分間混合して乳化乃至分散液(乳化スラリー)を調製した。
脱気用配管、攪拌機及び温度計をセットしたフラスコに、前記乳化スラリー100質量部を仕込み、攪拌周速20m/分で攪拌しながら30℃にて12時間減圧下、脱溶剤し脱溶剤スラリーとした。その後分散液を60℃まで加熱してトナー表面に付着した微粒子B1を固定化処理した。
前記脱溶剤スラリー全量を減圧濾過した後、濾過ケーキにイオン交換水300質量部を添加し、TK式ホモミキサーで混合、再分散(回転数12,000rpmにて10分間)した後濾過した。得られた濾過ケーキにイオン交換水300質量部を添加し、TK式ホモミキサーで混合(回転数12,000rpmにて10分間)した後濾過する操作を3回行った。得られた濾過ケーキを順風乾燥機にて45℃で48時間乾燥し、目開き75μmメッシュで篩い、トナー母体粒子a1を得た。
トナー母体粒子a1を100質量部に対して、平均粒径100nmの疎水性シリカ0.6質量部と、平均粒径20nmの酸化チタン1.0質量部と、平均粒径15nmの疎水性シリカ微粉体を0.8部とをヘンシェルミキサーにて混合し、トナーa1を得た。
(トナーa2〜トナーa9の製造)
トナーa1の製造において、樹脂微粒子B1の代わりに樹脂微粒子B2からB9を用いた以外は、同様の製造方法にてトナーa2からa9を製造した。
(トナーa2γの製造)
有機溶媒の除去工程まではトナーa2と同様に作製した。その後以下の工程を行った。
〜洗浄・乾燥〜
前記脱溶剤スラリー全量を減圧濾過した後、濾過ケーキにイオン交換水300質量部を添加し、TK式ホモミキサーで混合、再分散(回転数12,000rpmにて10分間)した後濾過した。得られた濾過ケーキにイオン交換水300質量部を添加し、TK式ホモミキサーで混合(回転数12,000rpmにて10分間)した後濾過する操作を3回行った。得られた濾過ケーキをさらにイオン交換水300質量部に最分散した後に分散液を攪拌下で55℃に加温し、そのまま3時間維持した。その後分散液を室温まで冷却し、ろ過した。得られたケーキを順風乾燥機にて45℃で48時間乾燥し、目開き75μmメッシュで篩い、トナー母体粒子a2γを得た。
〜外添処理〜
トナー母体粒子a2γを100質量部に対して、平均粒径100nmの疎水性シリカ0.6質量部と、平均粒径20nmの酸化チタン1.0質量部と、平均粒径15nmの疎水性シリカ微粉体を0.8部とをヘンシェルミキサーにて混合し、トナーa2γを得た。
実施例7のトナーa2γの樹脂微粒子B2の代わりに樹脂微粒子B3、B4を用いた以外は、実施例7と同様の製造方法にてトナーa3γ、a4γを製造した。
(トナーbの製造)
トナーbは活性水素化合物、反応性樹脂を用いて作製した。
〜プレポリマーの合成〜
冷却管、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応容器中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物682質量部、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物81質量部、テレフタル酸283質量部、無水トリメリット酸22質量部、及びジブチルチンオキサイド2質量部を仕込み、常圧下で、230℃にて8時間反応させた。次いで、10〜15mHgの減圧下で、5時間反応させて、中間体ポリエステルを合成した。得られた中間体ポリエステルは、数平均分子量(Mn)が2,100、重量平均分子量(Mw)が9,600、ガラス転移温度(Tg)が55℃、酸価が0.5、水酸基価が49であった。
次に、冷却管、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応容器中に、前記中間体ポリエステル411質量部、イソホロンジイソシアネート89質量部、及び酢酸エチル500質量部を仕込み、100℃にて5時間反応させて、プレポリマー(前記活性水素基含有化合物と反応可能な重合体)を合成した。得られたプレポリマーの遊離イソシアネート含有量は、1.60質量%であり、プレポリマーの固形分濃度(150℃、45分間放置後)は50質量%であった。
撹拌棒及び温度計をセットした反応容器中に、イソホロンジアミン30質量部及びメチルエチルケトン70質量部を仕込み、50℃にて5時間反応を行い、ケチミン化合物(前記活性水素基含有化合物)を合成した。得られたケチミン化合物(前記活性水素機含有化合物)のアミン価は423であった。
トナーa3で構成される樹脂をトナー作製と同組成のプレポリマー、未変性ポリエステル、酢酸エチル、ケチミン化合物を用いて樹脂を合成し、トナーと同等の減圧脱溶剤、加熱処理を行い樹脂を合成した。得られた樹脂のTgは58℃であった。
(トナーbγの製造)
トナーbと同様のトナー材料の溶解乃至分散液を用いた以外は、トナーa3γと同様の製造方法にてトナーbγを製造した。
[実施例12]
(トナーcの製造)
トナーcは、トナーbと同様に製造した。ただし樹脂微粒子B3を水系媒体相の調製時に投入せず、乳化液の調製後、有機溶媒の除去の前に投入した。
[比較例4]
(トナーdの製造)
トナーdは樹脂微粒子B3を用いないでトナーbと同様に乳化し、製造した。
製造したトナーa〜トナーdの樹脂微粒子Bの組み合わせ等を、実施例4、7〜12、参考例1〜5、比較例1〜4として表1に示した。
次に、トナーの実機評価に用いたキャリアの具体的な作製例について説明する。本発明で用いるキャリアは、これらの例に限定されるものではない。
〜キャリア〜
アクリル樹脂溶液(固形分50wt%) 21.0部
グアナミン溶液(固形分70wt%) 6.4部
アルミナ粒子[0.3μm、固有抵抗1014(Ω・cm)] 7.6部
シリコーン樹脂溶液 65.0部
[固形分23wt%(SR2410:東レ・ダウコーニング・シリコーン社製)]
アミノシラン 1.0部
[固形分100wt%(SH6020:東レ・ダウコーニング・シリコーン社製)]
トルエン 60部
ブチルセロソルブ 60部。
上記キャリア原料をホモミキサーで10分間分散し、アルミナ粒子を含むアクリル樹脂及びシリコーン樹脂の被覆膜形成溶液を得た。芯材として焼成フェライト粉[(MgO)1.8(MnO)49.5(Fe2O3)48.0:平均粒径;25μm]に上記被覆膜形成溶液を芯材表面に膜厚0.15μmになるようにスピラコーター(岡田精工社製)により塗布し乾燥し被覆フェライト粉を得た。得られた被覆フェライト粉を電気炉中にて150℃で1時間放置して焼成した。冷却後フェライト粉バルクを目開き106μmの篩を用いて解砕し、キャリアを得た。結着樹脂膜厚測定は、透過型電子顕微鏡にてキャリア断面を観察することにより、キャリア表面を覆う被覆膜を観察することができるため、その膜厚の平均値をもって膜厚とした。こうして、重量平均粒径35μmのキャリアAを得た。
上記トナーa〜dと上記キャリアAを用い、キャリア100質量部に対しトナー7質量部を容器が転動して攪拌される型式のターブラミキサーを用いて均一混合し帯電させて2成分系現像剤a〜dを作製した。
(転写効率(%))
富士ゼロックス社製のDocuColor 8000 Digital Pressを改造して、線速及び転写時間を調整可能にチューニングした評価機を用い、各現像剤について、A4サイズ、トナー付着量0.6mg/cm2のベタパターンをテスト画像として出力するランニング試験を行った。テスト画像10万枚、100万枚出力後、一次転写における転写効率を下記式(3)により、二次転写における転写効率を下記式(4)により、それぞれ求めた。 なお、評価基準は下記のとおりである。
一次転写効率(%)=(中間転写体上に転写されたトナー量/電子写真感光体上に現像されたトナー量)×100 ・・・ (3)
二次転写効率(%)=(中間転写体上に転写されたトナー量−中間転写体上の転写残トナー量/中間転写体上に転写されたトナー量)×100 ・・・ (4)
評価基準は、
◎・・・90%以上
○・・・85%以上90%未満
△・・・80%以上85%未満
×・・・80%未満
とした。
リコー製フルカラー複合機Imagio NeoC600Proの定着部を改造し、温度及び線速を調整可能にした定着装置を用いて、普通紙及び厚紙の転写紙(株式会社リコー製のタイプ6000<70W>及び複写印刷用紙<135>)にベタ画像で、0.85±0.1mg/cm2のトナー付着量で定着評価した。定着画像をパットで擦った後の画像濃度の残存率が70%以上となる定着ロール温度をもって定着下限温度とした。
評価基準は、
◎:120℃未満
○:140℃未満120℃以上
△:160℃未満140℃以上
×:160℃以上
とした。
リコー製フルカラー複合機Imagio NeoC600Proの定着部を改造し、温度及び線速を調整可能にした定着装置を用いて、前記普通紙にブラックのベタ画像を、0.85±0.3mg/cm2のトナーが現像されるように調整した。得られた画像を加熱ローラの温度を変えて定着し、ホットオフセットの発生する定着温度(オフセット発生温度)を測定した。
評価基準は、
◎:210℃以上
○:210℃未満190℃以上
△:190℃未満170℃以上
×:170℃未満
とした。
1 樹脂微粒子B
(図2の符号)
500 ローラ式帯電装置
501 帯電ローラ
502 芯金
503 導電ゴム層
504 電源
505 感光体
(図3の符号)
510 ブラシ式帯電装置
511 ブラシローラ(ファーブラシローラ又は磁気ブラシローラ)
512 芯金
513 ブラシ部
514 電源
515 感光体
(図4の符号)
600 現像装置
601 現像スリーブ
602 電源
603 現像部
604 感光体
605 トナー
(図5、6の符号)
710 加熱ローラ
710 定着ローラ(対向回転体)
721 芯金
722 弾性部材
730 定着ベルト(耐熱性ベルト、トナー加熱媒体)
731 基体
732 発熱層
733 中間層
734 離型層
740 加圧ローラ(加圧回転体)
741 芯金
742 弾性部材
750 温度検知部材
760 誘導加熱手段
761 励磁コイル
762 コイルガイド板
763 励磁コイルコア
764 励磁コイルコア支持部材
770 記録媒体
A ベルトの回転方向
N 定着ニップ部
W1 接触部位
T トナー像
800 プロセスカートリッジ
801 感光体
802 帯電手段
803 現像手段
804 トナー
805 現像ローラ
806 クリーニング手段
(図8の符号)
100 画像形成装置
120Bk 画像書込部(黒)
120C 画像書込部(シアン)
120M 画像書込部(マゼンダ)
120Y 画像書込部(イエロー)
130Bk 画像形成部(黒)
130C 画像形成部(シアン)
130M 画像形成部(マゼンダ)
130Y 画像形成部(イエロー)
140 給紙部
150 定着装置
160 レジストローラ対
170 2次転写ローラ
180 転写ベルト
200Bk 現像装置(黒)
200C 現像装置(シアン)
200M 現像装置(マゼンダ)
200Y 現像装置(イエロー)
210Bk 感光体(黒)
210C 感光体(シアン)
210M 感光体(マゼンダ)
210Y 感光体(イエロー)
215Bk 帯電装置(黒)
215C 帯電装置(シアン)
215M 帯電装置(マゼンダ)
215Y 帯電装置(イエロー)
220 中間転写ベルト
230Bk 1次転写装置(黒)
230C 1次転写装置(シアン)
230M 1次転写装置(マゼンダ)
230Y 1次転写装置(イエロー)
241 導電性ローラ
242 導電性ローラ
243 導電性ローラ
250Bk トナー移送管(黒)
250C トナー移送管(シアン)
250M トナー移送管(マゼンダ)
250Y トナー移送管(イエロー)
260 中間転写ベルトクリーニング装置
261 導電性ファーブラシ
262 導電性ファーブラシ
300Bk クリーニング装置(黒)
300C クリーニング装置(シアン)
300M クリーニング装置(マゼンダ)
300Y クリーニング装置(イエロー)
10Y、10C、10M、10K 感光体
14 第1の支持ローラ
15 第2の支持ローラ
16 第3の支持ローラ
17 中間転写体クリーニング装置
18 画像形成手段
21 露光手段
22 2次転写手段
23 ローラ
24 2次転写ベルト
25 定着装置
26 定着ベルト
27 加圧ローラ
28 シート反転装置
32 コンタクトガラス
33 第1走行体
34 第2走行体
35 結像レンズ
36 読取りセンサ
49 レジストローラ
50 中間転写体
51 手差しトレイ
53 給紙路
55 切換爪
56 排出ローラ
57 排紙トレイ
58 分離ローラ
62 1次転写装置
100 画像形成装置
110 画像形成装置本体
120 タンデム画像形成装置
130 原稿台
142 給紙ローラ
143 ペーパーバンク
144 給紙カセット
145 分離ローラ
146 給紙路
147 搬送ローラ
148 給紙路
200 給紙テーブル
300 スキャナ
400 原稿自動搬送装置(ADF)
Claims (9)
- トナー母体粒子に外添剤を添加した電子写真用ブラックトナーであって、
トナーの平均粒子径D4が3.0μmから5.0μmで、比誘電率が3.5から5.0であり、トナー付着量0.3mg/cm2での転写媒体上の画像濃度が1.48以上であり、
前記トナー母体粒子のBET表面積が1.5〜4.0m2/gであり、
前記トナー母体粒子表面には、トナー内部の樹脂よりもガラス転移点の高い部分的に架橋された樹脂粒子の集合体形態からなる層が存在する
ことを特徴とする電子写真用ブラックトナー。 - 前記樹脂粒子の粒子径が20nmから200nmであることを特徴とする請求項1に記載の電子写真用ブラックトナー。
- 前記樹脂粒子のガラス転移点が50℃から120℃であることを特徴とする請求項1又は2に記載の電子写真用ブラックトナー。
- 前記樹脂微粒子の層がアニオン性ではない樹脂微粒子からなる層であり、該層の内側に、アニオン性の樹脂微粒子が存在することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の電子写真用ブラックトナー。
- トナー材料を有機溶媒に溶解または分散し、このトナー材料の溶解または分散液をアニオン性界面活性剤とアニオン性の樹脂微粒子が含まれる水系媒体中で乳化乃至分散した後に有機溶媒を除去してトナーを製造する際に、有機溶媒を除去する前に水系媒体中へ前記アニオン性の樹脂微粒子の平均粒子径よりも大きな平均粒子径を有するアニオン性ではない樹脂微粒子を添加してなる請求項4に記載の電子写真用ブラックトナー。
- キャリアと請求項1〜5のいずれかに記載の電子写真用ブラックトナーとを含むことを特徴とする2成分現像剤。
- 電子写真感光体を帯電手段により帯電させる帯電工程と、前記帯電された電子写真感光体上に露光手段により静電潜像を形成する露光工程と、前記静電潜像を形成された電子写真感光体上に請求項1〜5のいずれかに記載の電子写真用ブラックトナーを含む現像手段によりトナー像を形成する現像工程と、前記電子写真感光体上に形成されたトナー像を記録材上に転写する転写工程と、前記記録材上に転写されたトナー像を熱及び圧力定着部材を含む定着手段により記録材上に定着させる定着工程とを少なくとも含むことを特徴とする画像形成方法。
- 転写線速が300〜1000mm/secであることを特徴とする請求項7に記載の画像形成方法。
- 二次ニップ部での転写時間が0.5〜20msecであることを特徴とする請求項7又は8に記載の画像形成方法。
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