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JP5521790B2 - ハーフブリッジ形電力変換装置 - Google Patents

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Description

本発明は、ハーフブリッジ形電力変換装置に関し、特に2つのスイッチング素子を用いて直流電圧を所定の交流電圧に変換し、更にそれを所定の直流電圧に変換するハーフブリッジ形電力変換装置に関する。
図11は、従来のハーフブリッジ形DC/DCコンバータの代表的な主回路およびその制御ブロックを示す図である。
一般に、ハーフブリッジ形DC/DCコンバータは2つの直流電源を必要とする。図11に示した回路例では、直流電源1に等容量の第1分圧コンデンサ2と第2分圧コンデンサ3との直列接続回路を接続して、直流電源1の電圧(2Vdc)を2分の1に分圧して2つの電圧信号Vdcを形成するための直流電源として構成されている。この第1分圧コンデンサ2と第2分圧コンデンサ3との直列接続回路には、同じNチャネル半導体からなる第1スイッチング素子4と第2スイッチング素子5との直列接続アームが並列に接続されている。第1スイッチング素子4のゲートには、ゲート信号を生成するためのゲート駆動用増幅回路(GA:Gate Amplifier)6が接続され、第2スイッチング素子5のゲートには、ゲート駆動用増幅回路(GA)7が接続されている。これらのゲート駆動用増幅回路6およびゲート駆動用増幅回路7は、それぞれゲート駆動パルス信号G1,G2を受けている。
これらの第1分圧コンデンサ2と第2分圧コンデンサ3との接続点は、単相の絶縁トランス(MTR)8の1次巻線の一方に接続されている。第1スイッチング素子4のソースと第2スイッチング素子5とのドレインとの接続点は、絶縁トランス8の1次巻線の他方に接続されている。また、絶縁トランス8の2次巻線は、整流回路9の第1、第2の整流ダイオードDs1,Ds2の交流入力側とそれぞれ接続され、その直流出力がフィルタ回路10を構成するフィルタリアクトル11を通してフィルタコンデンサ12と接続されている。このフィルタコンデンサ12の両端には、所定の大きさの負荷回路13が接続され、この負荷回路13にハーフブリッジ形DC/DCコンバータの直流出力Io,Voが供給されている。
図11のハーフブリッジ形DC/DCコンバータでは、ゲート駆動パルス信号G1,G2のタイミングに従い生成されるゲート信号によって、第1スイッチング素子4と第2スイッチング素子5とが交互にオン/オフ駆動される。これにより、直流電源1からの電圧信号Vdcが矩形波形の交流電圧をもつ電圧信号Vt1に変換されて絶縁トランス8の1次巻線端子に給電される。絶縁トランス8の2次巻線はセンタタップ巻線構造を有しており、そのセンタ端子が負荷回路13のマイナス線となり、それぞれの2次巻線の両端子から変圧された電圧信号Vt2,Vt3が整流回路9に供給されている。これらの電圧信号Vt2,Vt3は、整流回路9を通して直流の整流電圧Vdに変換され、さらにフィルタリアクトル11およびフィルタコンデンサ12を通して平滑化され、直流の出力電圧Voとなって負荷回路13に給電される。
ハーフブリッジ形DC/DCコンバータの出力電圧Voは、出力電圧検出回路(VDET:Voltage Detector)14によって検出され、それが出力電圧帰還入力Vfbとして制御ブロックに帰還される。制御ブロックは、電圧調整回路(VREG:Voltage Regulator)15およびゲートパルス発生回路(GPG:Gate Pulse Generator)16を有している。
電圧調整回路15には、ハーフブリッジ形DC/DCコンバータの出力電圧を設定する出力電圧設定入力Vsetと、出力電圧検出回路14によって検出された出力電圧帰還入力Vfbとが入力され、出力電圧Voの設定電圧からの変動分を表す第1の制御信号S1が電圧調整回路15からゲートパルス発生回路16に出力されている。ゲートパルス発生回路16は、ゲート駆動用増幅回路6,7に対するゲート駆動パルス信号G1,G2を発生する回路であって、電圧制限回路(VL:Voltage Limiter)161とゲートパルス生成回路(PG:Pulse Generator)162とから構成されている。
つぎに、ゲートパルス生成回路162によるゲート駆動パルス信号G1,G2の生成ロジックについて説明する。
図12は、ゲートパルス生成回路によるゲート駆動パルス信号の生成ロジックを示す信号波形図である。
ゲートパルス発生回路16の電圧制限回路161は、第1スイッチング素子4および第2スイッチング素子5で確実にオン/オフ時間を確保するとともに、第1スイッチング素子4および第2スイッチング素子5の同時オンにより上下アームが短絡することを防止するための回路である。そのため、電圧制限回路161では、第1の制御信号S1に対してその電圧値が制限された第2の制御信号S2を出力して、ゲート駆動パルス信号G1,G2の最大オン時間幅を制限するようにしている。
図12に示す信号生成ロジックでは、最小電圧値としてΔVcw、最大電圧値として(Vcw−ΔVcw)がそれぞれ設定された電圧制限回路161によって、電圧調整回路15からの第1の制御信号S1に対する電圧制限が実行されている。これにより、第1の制御信号S1が0になったときでも、第2の制御信号S2を最小制限電圧値ΔVcwに保持できる。また、第1の制御信号S1が最大電圧値(Vcw−ΔVcw)より高くなったとき、同様に第2の制御信号S2を最大電圧値(Vcw−ΔVcw)に保持できる。ここで、電圧Vcwの大きさは、ゲート駆動パルス信号G1,G2を生成するための基準キャリヤー信号cw1,cw2によって規定される。また、最小電圧値ΔVcwは、第1スイッチング素子4および第2スイッチング素子5が同時にオンとなる重なり時間を無くすとともに、確実にオン/オフのスイッチング動作ができる範囲での最小時間に対応する大きさに制限される。
ゲートパルス生成回路162は、基準キャリヤー信号cw1,cw2を発生させる回路を内部に有している。基準キャリヤー信号cw1,cw2は、ハーフブリッジの第1スイッチング素子4および第2スイッチング素子5を、180度の位相差をもって、規定周波数(キャリヤー周波数Fc)で交互にスイッチングさせる信号である。図12では、基準キャリヤー信号cw1,cw2の信号波形は、それぞれ2Vcwのピーク電圧値を有し、互いに180度の位相差を有する二等辺三角波として示されている。なお、このようなキャリヤー信号によりゲート駆動パルス信号を生成するスイッチング装置としては、波形成形回路を使用するものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
ゲートパルス生成回路162に入力された第2の制御信号S2は、第1スイッチング素子4のゲート駆動パルス信号G1を発生させるための基準キャリヤー信号cw1、および第2スイッチング素子5のゲート駆動パルス信号G2を発生させるための基準キャリヤー信号cw2との間で、それぞれ電圧比較される。そのとき、ゲート駆動パルス信号G1は、S2>cw1の範囲にあるときオン信号として出力される。また、ゲート駆動パルス信号G2は、S2>cw2の範囲にあるときオン信号として出力される。
図13は、従来のハーフブリッジ形DC/DCコンバータの各部の信号波形を示す図である。
図11に示すハーフブリッジ形DC/DCコンバータには、図13(A),(B)に示すゲート駆動パルス信号G1,G2がゲート駆動用増幅回路6,7に入力され、第1スイッチング素子4および第2スイッチング素子5を交互にオン/オフするゲート信号を生成する。このとき、絶縁トランス8の1次巻線には、同図(C)に示すような矩形波交流電圧の電圧信号Vt1が印加され、その結果、同図(D)に示す1次電流It1が流れる。絶縁トランス8の2次巻線はセンタタップ巻線構造を有しており、そのセンタ端子が負荷回路13のマイナス線となり、その両端子からそれぞれ同図(E),(F)に示す電圧信号Vt2,Vt3が整流回路9に供給されている。
ここで、Tpw2は一方の2次巻線からの電圧信号Vt2の導通時間(電圧オン幅)、Tpo2はその非導通時間(電圧オフ幅)を示している。また、Tpw3は他方の2次巻線からの電圧信号Vt3の導通時間、Tpo3はその非導通時間を示している。これらの2次巻線の電圧信号Vt2,Vt3は、整流回路9により全波整流されて図13(G)に示すような矩形波形のパルス列をなす整流電圧Vdとなる。
図13(H)〜(J)には、絶縁トランス8の2次電流It2,It3および整流回路9の整流電流Idを示している。さらに、フィルタリアクトル11およびフィルタコンデンサ12を通ってこの整流電流Idが平滑される。これにより、フィルタ回路10では同図(K)に示す直流の出力電圧Voが得られる。この出力電圧Voは、制御ブロックの電圧調整回路15により、その出力電圧設定入力Vsetにて設定された電圧値に調整される。
一般に、この種のハーフブリッジ形DC/DCコンバータは、電圧変動の大きい未調整の高電圧直流入力を絶縁して、一定の低電圧の直流電圧に変換する制御電源装置として、種々の用途の定電圧電源に使用されている。このような制御電源装置では、その容量が最大でも数kW程度のものである。そこで、スイッチング素子に高速動作が可能なMOSFETやIGBT等を広く利用することによって、電力変換装置の小形化、軽量化、高効率化、および低価格化等を促進するようにしている。しかも、こうした制御電源装置の高速化、大容量化にともなって、スイッチング素子をできるだけ高周波で動作させることが望まれている。
つぎに、図11の直流電源1の電圧信号Vdcが150Vから350Vの範囲で変動するとき、回路常数の一例として、直流の出力電圧Voの大きさをDC50Vで一定(±1%)とし、出力電流Ioが最大20A(100%)として、その変動範囲を最大100%から最小1%までに設定されている場合について説明する。
第1、第2スイッチング素子4,5としてIGBTを適用する。この種の大容量スイッチング素子ではターンオン時間で0.3[μsec]、ターンオフ時間で0.6[μsec]程度のスイッチング速度を有する。そこで、これらの第1、第2スイッチング素子4,5が確実にオン/オフ動作を行うために必要な時間としては、およそ1[μsec]が想定される。
また、図13の信号波形図において、絶縁トランス8の1次巻線の電圧信号Vt1(同図(C))の導通時間をTpw1とし、非導通時間をTpo1とする。ここで、絶縁トランス8における各巻線の自己インダクタンスおよび励磁インダクタンスの影響が無視できるとすると、同図(E),(F)に示す電圧信号Vt2,Vt3との間には、次の関係が成り立つ。
Tpw1=Tpw2=Tpw3 …(1)
Tpo1=Tpo2=Tpo3 …(2)
通常では、第1、第2スイッチング素子4,5の確実なオン/オフ動作のためには、電圧オン時間、オフ時間に50%程度の余裕を持たせて設定される。そこで、各巻線の最小導通時間Tpw1m,Tpw2m,Tpw3m、および最小非導通時間Tpo1m,Tpo2m,Tpo3mのいずれも1.5[μsec]とする。また、絶縁トランス8の2次側で整流される整流電圧Vdのパルス幅Tpw(図13(G)参照)についても、以下の関係が成り立つ。
Tpw=Tpw1=Tpw2=Tpw3 …(3)
特開2003−088113号公報(段落番号[0038]および図5参照)
図14は、ハーフブリッジ形DC/DCコンバータの出力電流とフィルタリアクトルのインダクタンス値の関係を示す特性図である。
ここでは、図11に示すハーフブリッジ形DC/DCコンバータが上述した回路常数に設定されているとして、出力電圧Vo=50V(一定)に制御するために必要なフィルタリアクトル11のインダクタンス値Lfを縦軸に、出力電流Ioを横軸に示す。絶縁トランス8の1次側に電圧信号Vdc=350V(最大)を印加し、整流電圧Vdのパルス幅Tpwを1.5[μsec](最小値)とする制限をかけて、出力電流Ioを100%から1%まで減らした場合に必要なインダクタンス値Lfを示している。
この図14に示す特性によれば、出力電流Ioが100%から10%までの範囲(すなわち、20Aから2Aの範囲)では、フィルタリアクトル11のインダクタンス値Lfが20μHであっても、出力電圧Voを50V一定に制御可能である。また、出力電流Ioがその最大値(20A)の1%まで小さくなっても、フィルタリアクトル11のインダクタンス値Lfが500μHだけあれば、出力電圧Voにはリップルが生じないで、その大きさを50Vに保持できる。
ところが、直流電源1からの入力電圧(2Vdc)が高くなれば、負荷回路13への出力電流Ioがその最大値の10%以下の大きさに低減することもある。そのような場合、出力電流Ioの低減に応じてフィルタリアクトル11のインダクタンス値Lfを大きくしなければ、絶縁トランス8の巻線電圧のパルス幅が小さくなって、上述した整流電圧Vdのパルス幅制限(1.5[μsec])に抵触する。そのため、出力電圧Voが一定値に制御されず、大きなリップルが生じてしまう。
このように、従来のハーフブリッジ形DC/DCコンバータでは、直流電源1の電圧信号Vdcや出力電流Ioが大きく変動するとき、フィルタリアクトル11のインダクタンス値Lfによっては出力電圧Voを安定して一定値に制御することができない場合があった。しかも、フィルタリアクトル11は、そこに流れる電流Idの値に対応して大きくすれば、そこで消費されるエネルギーが大きくなるため、フィルタリアクトル11も大型のものを用いることが不可欠となる。
しかし、従来のハーフブリッジ形DC/DCコンバータでは、その小形、軽量化という要請と、安定した出力電圧の一定値制御とが互いに相反するという問題があった。
本発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、直流電源電圧が大きくなって整流電圧のパルス幅制限にかかるまでに出力電流値が小さくなる場合でも、安定して出力電圧の一定値制御が可能なハーフブリッジ形電力変換装置を提供することにある。
本発明では上記の課題を解決するために、第1分圧コンデンサと第2分圧コンデンサの直列接続回路および第1スイッチング素子と第2スイッチング素子の直列接続回路がそれぞれ直流電源に対して並列に接続され、かつ前記第1、第2分圧コンデンサの接続点と前記第1、第2スイッチング素子の接続点との間に絶縁トランスの1次巻線が接続され、前記第1、第2スイッチング素子を交互にオン/オフ駆動することによって前記絶縁トランスの前記1次巻線に交流電力を供給するとともに、前記絶縁トランスの2次巻線から変圧された交流電圧を出力するハーフブリッジ形電力変換装置が提供される。
このようなハーフブリッジ形DC/DCコンバータでは、前記交流電圧を直流の整流電圧に変換する整流回路と、前記整流電圧を平滑化して所定の出力電圧を所定の負荷回路に供給するフィルタ回路と、前記負荷回路への出力電流が所定の電流値以下になったことを検出して、前記絶縁トランスの前記1次巻線に対して直列に挿入されるリアクトル回路と、を備えたことを特徴とする。
上記構成のハーフブリッジ形電力変換装置によれば、絶縁トランスの1次側に適切なインダクタンス値を有するリアクトル回路を挿入することによって、1次側電圧を低下させることができ、出力電圧の一定値制御を容易に行える。
本発明のハーフブリッジ形DC/DCコンバータの原理を説明する主回路構成図である。 本発明のハーフブリッジ形DC/DCコンバータの原理を説明する等価回路図である。 出力電圧を一定値に制御するための出力電流と交流側リアクトルのインダクタンス値との関係を示す特性図である。 本発明の実施の形態に係るハーフブリッジ形DC/DCコンバータを示す主回路構成図である。 図4のハーフブリッジ形DC/DCコンバータの制御ブロックを示す図である。 図5の小出力電流検出回路の一例を示すブロック図である。 図5のゲート信号制御回路の一例を示すブロック図である。 図4のハーフブリッジ形DC/DCコンバータが最小パルス幅で整流電圧を生成して動作する際の信号波形を示す図である。 図4のハーフブリッジ形DC/DCコンバータが最大パルス幅で整流電圧を生成して動作する際の信号波形を示す図である。 図4のハーフブリッジ形DC/DCコンバータの出力電流と出力電圧との関係を示す特性図である。 従来のハーフブリッジ形DC/DCコンバータの代表的な主回路およびその制御ブロックを示す図である。 ゲートパルス生成回路によるゲート駆動パルス信号の生成ロジックを示す信号波形図である。 従来のハーフブリッジ形DC/DCコンバータの各部の信号波形を示す図である。 ハーフブリッジ形DC/DCコンバータの出力電流とフィルタリアクトルのインダクタンス値の関係を示す特性図である。
最初に、本発明のハーフブリッジ形DC/DCコンバータについて、その原理的な構成について説明する。図1は、本発明のハーフブリッジ形DC/DCコンバータの原理を説明する主回路構成図である。
図1に示す主回路の構成において、従来のハーフブリッジ形DC/DCコンバータ(図11)と異なる点は、絶縁トランス8の交流側に適切なインダクタンス値を有する挿入リアクトル21が設けられていることである。この挿入リアクトル21は、絶縁トランス8の1次巻線81に対して直列に挿入されている。
挿入リアクトル21は、上述した課題に対して、出力電圧Voを一定の設定値に制御することを可能にするものである。図1に示すハーフブリッジ形DC/DCコンバータにおいて、直流電源1の電圧信号(2Vdc)が高くなり、出力電流Ioが小さくなった時には、絶縁トランス(MTR)8の1次巻線81に挿入された挿入リアクトル21が、その1次巻線81の電圧信号Vt1を低下させるように機能するからである。
つぎに、図1に示すハーフブリッジ形DC/DCコンバータの動作原理について説明する。
図2は、本発明のハーフブリッジ形DC/DCコンバータの動作原理を説明する等価回路図である。ここでは、絶縁トランス8の2次巻線82,83と絶縁トランス8の2次側の回路成分とが、絶縁トランス8の1次側の換算値に置き換えられた等価回路を示している。
図1の絶縁トランス8は、そのインダクタンスの1次側換算値がLmgで示されており、1次側電流をIt1、2次側での整流電流Idの1次側等価換算値をIde、トランス励磁電流をImgとしている。このとき、絶縁トランス8の1次巻線81と各2次巻線82,83の巻線数比をn:1、挿入リアクトル21のインダクタンス値をLac、フィルタリアクトル11のインダクタンス値をLfとすれば、インダクタンス値Lfと出力電圧Voの1次側換算値Lfe,Voeは、それぞれ次式(4)および(5)によって求めることができる。
Lfe=n2・Lf …(4)
Voe=n・Vo …(5)
また、整流電流Idの1次側等価換算値Ideは、次式(6)のように計算される。
Figure 0005521790
これらの式(4)〜(6)において、出力電圧Voの1次側換算値Voe、インダクタンスLfの1次側換算値Lfe、角周波数ω、インダクタンスの1次側換算値Lmgおよび(Vac−Voe)はいずれも一定の値である。
ここから、式(6)の右辺に含まれる挿入リアクトル21のインダクタンス値Lacを変更することによって、整流電流Idの1次側等価換算値Ideを調整できることが分かる。したがって、出力電流Ioの大きさに応じて挿入リアクトル21のインダクタンス値Lacが変更されるようにハーフブリッジ形DC/DCコンバータを構成すれば、絶縁トランス8の2次側回路に流れる直流電流Idの制御範囲を調整できる。すなわち、直流電源1の電圧信号が高くなり、出力電流Ioが小さくなった時でも、最小出力電流値に対応するように絶縁トランス8の1次巻線81に挿入される挿入リアクトル21のインダクタンス値Lacを大きな値とすることで、パルス列の直流電圧Vdはパルス時間幅の制限とは関係なく、出力電圧Voの一定値制御が可能となる。
図3は、出力電圧を一定値に制御するための出力電流と交流側リアクトルのインダクタンス値との関係を示す特性図である。
ここでは、図14の特性図と同様、出力電圧Vo=50V一定に制御するために必要な挿入リアクトル21のインダクタンス値Lacを縦軸に、出力電流Ioを横軸に示している。そして、絶縁トランス8の1次側に電圧信号Vdc=350V(最大)を印加し、整流電圧Vdのパルス幅Tpwを1.5[μsec](最小値)とする制限をかけて、出力電流Ioを100%から1%まで減らした場合に、必要な挿入リアクトル21のインダクタンス値Lacを示している。
出力電流Ioが100%から10%までの範囲(Io=20A〜2.0A)では、挿入リアクトル21のインダクタンス値Lacが0であっても、出力電圧Vo(=50V)を一定値に制御できる。そして、出力電流Ioを更に小さい電流範囲で制御するためには、その最小電流値に対応して挿入リアクトル21のインダクタンス値Lacを適当に選定すれば、引き続いてVo一定値制御が可能となる。
つぎに、本発明のハーフブリッジ形DC/DCコンバータの実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
図4は、本発明の実施の形態に係るハーフブリッジ形DC/DCコンバータを示す主回路構成図、図5は、図4のハーフブリッジ形DC/DCコンバータの制御ブロックを示す図である。なお、図4、図5のそれぞれの構成要素について、図11と対応するものに同じ符号を付して、それらの詳細な説明は省略する。
図4において、交流側の挿入リアクトル21を含むリアクトル追加回路(SCA)20には、直流電源1に対して第3スイッチング素子4aと第4スイッチング素子5aの直列接続回路が、第1、第2スイッチング素子4,5の直列接続回路と並列に設けられている。また、絶縁トランス8の2次側には、フィルタ回路10から負荷回路13に出力される出力電流Ioを検出する変流器(CTo)22が設けられている。このリアクトル追加回路20と変流器22以外については、上述した図1の主回路の構成要素と同じである。
図5の制御ブロックでは、出力電圧検出回路(VDET)14によって検出された出力電圧Voが出力電圧帰還入力Vfbとして電圧調整回路(VREG)15に帰還されている。また、変流器22によって検出された出力電流検出信号Io1は、小出力電流検出回路(SCD)23に帰還されている。小出力電流検出回路23は、ゲート信号制御回路(GCN)24のコントロール回路24a,24bにそれぞれ切替え信号S30を出力している。
ゲートパルス発生回路16は、電圧制限回路161およびゲートパルス生成回路(PG)162から構成され、このゲートパルス発生回路16で生成されたゲート駆動パルス信号S31,S32(図11のG1,G2に対応する信号)がゲート信号制御回路24に供給されている。ゲート信号制御回路24では、負荷回路13への出力電流Ioの大きさに応じて、コントロール回路24a,24bが切替え動作を行う。ゲート駆動用増幅回路6,7とリアクトル追加回路20のゲート駆動用増幅回路6a,7aには、それぞれゲート駆動パルス信号G1,G2およびゲート駆動パルス信号G11,G21が切替えて出力されている。
これにより、図4のハーフブリッジ形DC/DCコンバータでは、第1、第2スイッチング素子4,5とともに、リアクトル追加回路20の第3、第4スイッチング素子4a,5aのスイッチング制御が実行される。すなわち、出力電流Ioが通常電流値であれば、第1スイッチング素子4と第2スイッチング素子5がスイッチング動作し、第3スイッチング素子4aと第4スイッチング素子5aはオフ状態に維持されている。しかし、出力電流Ioが小さくなって、それが定められた電流値以下になると、第1スイッチング素子4と第2スイッチング素子5がオフ状態となり、第3スイッチング素子4aと第4スイッチング素子5aがスイッチング動作して、挿入リアクトル21を直列に介して絶縁トランス8の1次巻線81に1次電流が流れるようになる。
リアクトル追加回路20では、出力電流Ioが小さくなった時、挿入リアクトル21が絶縁トランス8の1次巻線81と直列に挿入される。したがって、負荷回路13に対する出力電流Ioが小さくなって絶縁トランス8に印加されるパルス電圧Vt1の時間幅Tpwに制限がかかる以前に、その電流値を出力電流検出用の変流器22によって検出することで、絶縁トランス8の1次巻線81に挿入リアクトル21を直列に追加することができる。
図6は、図5の小出力電流検出回路の一例を示すブロック図である。
小出力電流検出回路23は、2つのコンパレータ231,232と論理否定ゲート233とJKフリップフロップ234から構成されている。ここで、コンパレータ231,232には、それぞれ異なる基準信号(Iom+ΔI),(Iom−ΔI)、および変流器22からの出力電流検出信号Io1が供給されている。一方のコンパレータ231は、その出力端子がJKフリップフロップ234のJ入力端子と接続されている。他方のコンパレータ232の出力端子は、論理否定ゲート233を介してJKフリップフロップ234のK入力端子と接続されている。
ここで、JKフリップフロップ234からは、検出電流値Iomを基準にしてプラス側とマイナス側にそれぞれ電流幅ΔIを有するヒステリシス特性をもって切替え信号S30が出力される。これらの電流幅ΔIは、負荷回路13に出力される出力電流Ioの変動に際して生じる電流リプル値を感知しない大きさに設定される。
例えば、検出電流値Iomを出力電流Ioの10%に設定し、電流幅ΔIを検出電流値Iomの5%に設定した場合には、それぞれ以下の数値となる。
Iom=0.1×20=2[A]
ΔI=0.05×2=0.1[A]
図7は、図5のゲート信号制御回路の一例を示すブロック図である。
ゲート信号制御回路24の2つのコントロール回路24a,24bは、4つのアンドゲート241〜244と論理否定ゲート245とから構成される。アンドゲート241,242には、それらの一方入力端子に切替え信号S30が供給され、アンドゲート241の他方入力端子およびアンドゲート243,244の一方入力端子には、それぞれゲート駆動パルス信号S31が供給されている。
アンドゲート242の他方入力端子には、ゲート駆動パルス信号S32が供給されている。また、論理否定ゲート245には切替え信号S30が供給され、ここで反転された信号がそれぞれアンドゲート243,244の他方入力端子に供給されている。
その結果、小出力電流検出回路23からの切替え信号S30が「1」のときには、ゲート信号制御回路24に入力されたゲート駆動パルス信号S31,S32が、アンドゲート241からゲート駆動パルス信号G1として出力されるとともに、アンドゲート242からゲート駆動パルス信号G2として出力される。このとき、アンドゲート243,244には論理否定ゲート245から反転した切替え信号S30(「0」)が供給されているため、ゲート駆動パルス信号G11,G21は出力されない。
切替え信号S30が「0」のときは、アンドゲート243からゲート駆動パルス信号S31がゲート駆動パルス信号G11として出力され、アンドゲート244からはゲート駆動パルス信号G21が出力されるように動作する。そして、アンドゲート241,242には論理否定ゲート245からの切替え信号S30が供給されているため、ゲート駆動パルス信号G1,G2は出力されない。
つぎに、キャリヤー周波数fcを40kHzとした場合における整流電圧Vdのパルス幅Tpwの調整可能範囲について考察する。
図8は、図4のハーフブリッジ形DC/DCコンバータが最小パルス幅で整流電圧を生成して動作する際の信号波形を示す図である。また、図9は、図4のハーフブリッジ形DC/DCコンバータが最大パルス幅で整流電圧を生成して動作する際の信号波形を示す図である。
前述した図13に示すように、キャリヤー周波数fcを40kHzとすると、整流電圧Vdのパルス幅Tpwの調整可能範囲は、最小時間幅1.5[μsec]から最大時間幅11.0[μsec](=12.5μsec−1.5μsec)となる。この調整可能範囲の割合は、(11.0−1.5)/12.5=0.76、すなわち76%となる。
図3において、一例として絶縁トランス8の巻線数比がn:1(1次:2次)であるとして、フィルタリアクトル11のインダクタンスLfおよびフィルタコンデンサ12のキャパシタンスCfを、以下のように設計する。ここでも、直流電源1の電圧を2Vdc、整流回路9の整流電圧をVd、整流電流を1d、出力電圧をVo、および出力電流をIoで表している。
直流電源1の電圧信号Vdcと出力電流Ioがそれぞれ変動する場合に、その変動範囲のうち最も厳しい条件下で出力電圧Voが確保されなければならない。そこで、電圧信号Vdcが最小であって、かつ出力電流Ioが最大の場合でも、絶縁トランス8の巻線電圧パルス幅Tpwが最大(11.0[μsec])となったときに、出力電圧Voが50[V]以上なければならない。すなわち、Vdc=50[V]、Io=20[A]のとき、Tpw=11.0[μsec]でVo>50[V]とするためには、絶縁トランス8の巻線数比nについて、以下の不等式が成立することが必要になる。
(150V×11.0μsec/12.5μsec)/n>50V …(7)
この(7)式よりn<2.64となるが、ここでは絶縁トランス8の巻線ドロップ、トランス損失等を考慮して、n=2.4とする。フィルタコンデンサ12のキャパシタンスCfの値は、Vdc=350[V]、Tpw=12.5/2(=6.25[μsec])、Io=20[A]の時、Voのリップル率が1%以下となるよう、フィルタコンデンサ12のキャパシタンスCfの値を設計する。
Figure 0005521790
式(8)の右辺を計算すると250[μF]となるが、ここではフィルタコンデンサ12の大きさに余裕を持たせて300[μF]とする。
さらに、Vdc=350V、Io=20Aのとき、整流電流Idの変化幅(ΔId)が20Aとなるようにフィルタリアクトル11のインダクタンス値Lfを設計する。
Figure 0005521790
式(9)の右辺を計算すると、4.28[μsec]となる。この値を次式(10)のTpwに代入する。
Figure 0005521790
式(10)の右辺を計算すると20.5[μH]となるが、ここではフィルタリアクトル11の大きさに余裕を持たせて、そのインダクタンス値Lfを20[μH]に設定する。
図10は、図4のハーフブリッジ形DC/DCコンバータの出力電流と出力電圧との関係を示す特性図である。
ここでは、Vo=50Vで一定制御をするに当たって、最も厳しい電源電圧条件となるVdc=350V(最大)の場合について、上述した回路常数を用いて出力電圧Voのパルス幅Tpwが1.5μsec(最小)、出力電圧Voが50V、負荷回路13を最大出力電流20A(100%)のときの抵抗値(=50V/20A=2.5Ω)より大きくして、出力電流Ioを100%から1%まで減らした場合の一定制御が可能となる範囲を示している。
出力電流Ioが100%から10%までの範囲(Io=20A〜2.0A)では、出力電圧Voを50Vとする一定制御が可能であるが、これより負荷回路13が大きくなると出力電圧Voは50Vより大きくなって制御が不能になる。これは、絶縁トランス8のパルス電圧時間幅Tpwが制限値1.5[μsec]に制限され、これ以上パルス幅が小さくならないためである。
図4に示すように、ハーフブリッジ形DC/DCコンバータにおいては、直流電源1の電圧信号および出力電流Ioが大きく変動する場合、直流電源の電圧2Vdが高くなり、出力電流Ioが小さくなったとき、絶縁トランス8の巻線電圧パルス幅Tpwが小さくなり、パルス幅制限にかかると出力電圧Voを一定値に制御することができなくなる。
そこで、出力電流Ioが10%より更に小さくなるときは、パルス幅Tpwが最小制限値にかかることなく制御できるための対策が必要となる。
すなわち、図10に示す特性であれば、出力電流Ioが100%から10%までの範囲(Io=20A−2.0A)で第1、第2スイッチング素子4,5がスイッチングし、出力電流Ioが10%以下で1%(Io=0.2A)まで変化する場合には、リアクトル追加回路20の第3スイッチング素子4aと第4スイッチング素子5aがスイッチングして絶縁トランス8の1次側に挿入リアクトル21が挿入される。
つぎに、交流側の挿入リアクトル21について、上述した数値を用いた場合の効果について、従来装置と比較して検討を行う。
第3スイッチング素子4aおよび第4スイッチング素子5aの最大電流は、出力電流Ioが10%であるので、Io=20A(100%)のときの第1スイッチング素子4および第2スイッチング素子5の電流より大幅に小さくなる。実際は、Io=20[A]とIo=2[A]の場合では、絶縁トランス8の電圧パルス幅が異なるため、実効値計算で第3スイッチング素子4aと第4スイッチング素子5aに流れる電流値は第1、第2スイッチング素子4,5の電流値の15%にすぎない。
同様に、挿入リアクトル21の電流値では、実効値計算でIo=2[A]の場合には、Io=20[A]の場合の17%になる。したがって、第3スイッチング素子4aと第4スイッチング素子5aでは、その最大発生損失はそれぞれ第1、第2スイッチング素子4,5の最大発生損失の1/5以下となって、1/5以下の電流容量の素子が適用可能となる。
図3の特性図に示すように、出力電流Ioが0.2A(1%)であれば、挿入リアクトル21のインダクタンス値Lacは190[μH]である。そして、挿入リアクトル21を流れる電流は、Io=2A(10%)のときの値に等しいから、実効値計算で0.96[Arpm]となる。この程度の大きさの挿入リアクトル21であれば、22mm(外径)×14mm(高さ)のトロイダルコア鉄心を用いて十分に実現することができる。したがって、リアクトル追加回路20は第3スイッチング素子4aと第4スイッチング素子5aと鉄心入りの挿入リアクトル21、および付随するゲート駆動用増幅回路6a,7aだけで構成することができ、小形でコンパクトなモジュール構造に纏めることが可能となる。
このように、出力電流Ioが10%以下と大幅に小さくなる場合でも、リアクトル追加回路20を付加することにより容易に出力電圧一定制御が可能となり、装置全体として小形、コンパクト化でき、モジュール構造として製作できるため、信頼性が高く、メンテナンスも容易となる。
こうしたリアクトル追加回路20を構成して実現される本実施の形態の利点についてさらに説明する。
図11の従来装置では、Vdc=350[V]、n:1=2.4:1、Cf=300[μF]として、出力電流Ioが100%から1%(Io=20A〜0.2A)の負荷変動がある場合に、Vo=50[V]に制御するためのフィルタリアクトル11の必要インダクタンス値Lfは、図14に示す特性図から500[μH]となる。
フィルタリアクトル11を、この仕様で鉄心入り直流リアクトルによって実現する場合の大きさを試算すると、鉄心外形200[mm]×150[mm]×50[mm]で、その断面積が2000[mm2]の鉄心と巻数10[T]の構成が必要になる。一方で、絶縁トランス8の1次側に追加される挿入リアクトル21のインダクタンス値Lacを190[μH]として、Io=2A(10%)のときの1次電流It1のピーク値It1pは励磁電流分を含めて4[A]と計算される。このインダクタンス値Lacが190[μH]、It1p=4[A]の条件に見合うように、鉄心とトロイダルコアを用いたフィルタリアクトル11では、その大きさが(外径38[mm]−内径22[mm])×14[mm]で巻数6[T]の構成となる。
両鉄心の大きさを単純に比較しても、
2π×192×14/200×150×50=0.021
即ち2%程度の大きさとなり、大幅に小さなリアクトルによって図4のハーフブリッジ形DC/DCコンバータが実現できることがわかる。
さらに、図4のハーフブリッジ形DC/DCコンバータにおいて、Vdc=350[V]、n:1=2.4:1、Cf=300[μF]の同じ条件で、挿入リアクトル21を含むリアクトル追加回路20の大きさについて検討する。
第3スイッチング素子4aおよび第4スイッチング素子5aが最大損失を発生するのは、出力電流Ioが10%(Io=2[A])のときである。このときの各素子の実効電流は0.71[Arms]と計算される。
また、出力電流Ioが100%(20A)のときの第1スイッチング素子4および第2スイッチング素子5の実効電流は、4.62[Arms]と計算される。実効電流でも0.71/4.62=0.153、すなわちリアクトル追加回路20のスイッチング素子4a,5aは、第1、第2スイッチング素子4,5と比較して15%程度まで小さくできる。したがって、リアクトル追加回路20には小電流容量のスイッチング素子を適用して、冷却フィンを省略することも可能となる。
このように、本発明のハーフブリッジ形電力変換装置では、装置を大形にすることなく、絶縁トランス8の1次巻線側にリアクトル回路を挿入するようにしたので、絶縁トランス8の電圧時間幅Tpwが制限値にかかるまでに出力電流Ioが小さくなる場合でも、安定して出力電圧の一定値制御ができる。
また、リアクトル追加回路20のスイッチング素子に小電流素子を適用することができるから、それらのゲート駆動用増幅回路6a,7aについても小電流化が図られ、その規模をミニチュア化できる。
さらに、ゲート信号制御回路24を設けることにより、第3スイッチング素子4aおよび第4スイッチング素子5aには、第1、第2スイッチング素子4,5の電圧調整回路15およびゲートパルス発生回路16を共用することができるので、制御ブロックを構成する回路が複雑化することもない。
以上、一実施の形態として説明したハーフブリッジ形電力変換装置は、リアクトル追加回路20のスイッチング素子4aおよび5a、その駆動回路61および71は、いずれも第1、第2スイッチング素子4および5とその駆動回路6および7と比較して、格段に小さい容量で実現可能となる。また、追加される挿入リアクトル21も、小形のトロイダルコアにより構成されるため、リアクトル追加回路20は小形・コンパクトな構造で実現可能である。したがって、電源電圧の大幅な変動、並びに負荷変動幅が非常に大きい場合であっても、電力変換装置としては簡単な回路の追加だけで対処することができる。
1 直流電源
2 第1分圧コンデンサ
3 第2分圧コンデンサ
4 第1スイッチング素子
4a 第3スイッチング素子
5 第2スイッチング素子
5a 第4スイッチング素子
6 第1スイッチング素子のゲート駆動用増幅回路
6a 第3スイッチング素子のゲート駆動用増幅回路
7 第2スイッチング素子のゲート駆動用増幅回路
7a 第4スイッチング素子のゲート駆動用増幅回路
8 絶縁トランス
9 整流回路
10 フィルタ回路
11 フィルタリアクトル
12 フィルタコンデンサ
13 負荷回路
14 出力電圧検出回路
15 電圧調整回路
16 ゲートパルス発生回路
20 リアクトル追加回路
21 挿入リアクトル
22 出力電流検出用の変流器
23 小出力電流検出回路
24 ゲート信号制御回路
24a,24b コントロール回路
61 第3スイッチング素子のゲート駆動用増幅回路
71 第4スイッチング素子のゲート駆動用増幅回路
161 電圧制限回路
162 ゲートパルス生成回路

Claims (4)

  1. 第1分圧コンデンサと第2分圧コンデンサの直列接続回路および第1スイッチング素子と第2スイッチング素子の直列接続回路がそれぞれ直流電源に対して並列に接続され、かつ前記第1、第2分圧コンデンサの接続点と前記第1、第2スイッチング素子の接続点との間に絶縁トランスの1次巻線が接続され、前記第1、第2スイッチング素子を交互にオン/オフ駆動することによって前記絶縁トランスの前記1次巻線に交流電力を供給するとともに、前記絶縁トランスの2次巻線から変圧された交流電圧を出力するハーフブリッジ形電力変換装置において、
    前記交流電圧を直流の整流電圧に変換する整流回路と、
    前記整流電圧を平滑化して所定の出力電圧を所定の負荷回路に供給するフィルタ回路と、
    前記負荷回路への出力電流が所定の電流値以下になったことを検出して、前記絶縁トランスの前記1次巻線に対して直列に挿入されるリアクトル回路と、
    を備えたことを特徴とするハーフブリッジ形電力変換装置。
  2. 前記直流電源に対して前記第1、第2スイッチング素子の直列接続回路と並列に第3スイッチング素子と第4スイッチング素子の直列接続回路が接続され、前記リアクトル回路によって前記第1、第2スイッチング素子の接続点と前記第3、第4スイッチング素子の接続点との間を接続してなるリアクトル追加回路と、
    前記第1スイッチング素子および前記第3スイッチング素子のいずれかを選択して第1のゲート駆動信号を出力する第1のゲート駆動信号発生回路と、
    前記第2スイッチング素子および前記第4スイッチング素子のいずれかを選択して第2のゲート駆動信号を出力する第2のゲート駆動信号発生回路と、
    を備え、
    前記負荷回路への出力電流が所定の電流値以下になったとき、前記第1、第2のゲート駆動信号発生回路を切替えて前記第3、第4スイッチング素子にそれぞれ前記第1、第2のゲート駆動信号を出力することを特徴とする請求項1記載のハーフブリッジ形電力変換装置。
  3. さらに、前記第1のゲート駆動信号発生回路および第2のゲート駆動信号発生回路の出力側にそれぞれ信号切替え手段を設け、
    前記負荷回路への出力電流が所定の電流値以上では、前記第1、第2スイッチング素子にそれぞれ前記第1、第2のゲート駆動信号を出力し、かつ前記負荷回路への出力電流が所定の電流値以下では、前記第3、第4スイッチング素子にそれぞれ前記第1、第2のゲート駆動信号を出力することを特徴とする請求項2記載のハーフブリッジ形電力変換装置。
  4. 前記信号切替え手段は、前記第1、第2のゲート駆動信号の出力方向を切替える場合に、前記負荷回路への出力電流が減少する際の基準電流値と増加する際の基準電流値との間に所定の大きさの電流幅でヒステリシス特性を有することを特徴とする請求項3記載のハーフブリッジ形電力変換装置。
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