JP5504961B2 - 搬送台車、搬送ライン及び搬送方法 - Google Patents
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Description
また、例えば、特許文献2の車体位置補正搬送システムにおいては、搬送台車に載置した車体を複数の工程へ搬送する際に、搬送台車にリフト機構を搭載しておき、リフト機構によって搬送台車上の車体の高さを変更できるようにしている。
また、特許文献2等の搬送台車においては、搬送台車にリフト機構を搭載しているため、搬送台車自体の構造が複雑になる。
作業者が上記ベース部品の上方、側方に作業を行う場合には、上記ベース台車部が床下ピットとの間で転がり接触すると共に上記作業台車部が床面又は床面直下との間で転がり接触して両台車部を一体的に移動させる第1移動状態を形成し、
作業者がベース部品の下方に作業を行う場合には、上記ベース台車部に対する上記作業台車部の相対的高さが上記第1移動状態を形成する場合から変更され、上記作業台車部を上側に載置した状態で上記ベース台車部が床面又は床面直下との間で転がり接触して両台車部を一体的に移動させる第2移動状態を形成し、
上記複数のポストに上記ベース部品を位置決めを行って載置した状態を維持して、上記第1移動状態と上記第2移動状態とを切り替えて形成して移動させるよう構成したことを特徴とする搬送台車にある(請求項1)。
該搬送ラインには、上記第1移動状態を形成して上記搬送台車を移動させるピットラインと、上記第2移動状態を形成して上記搬送台車を移動させる床面ラインとがあり、
上記搬送台車を移載装置によって持ち上げて上記ピットラインと上記床面ラインとの間を移動させることにより、上記複数のポストに上記メインボディを位置決めを行って載置した状態を維持して、上記搬送台車を上記ピットライン、上記床面ライン及びこれらの間を連続して移動させるよう構成したことを特徴とする搬送ラインにある(請求項6)。
上記第1移動状態を形成して上記搬送台車を移動させるピットラインと、上記第2移動状態を形成して上記搬送台車を移動させる床面ラインとを形成しておき、
上記搬送台車を移載装置によって持ち上げて上記ピットラインと上記床面ラインとの間を移動させることにより、上記複数のポストに上記メインボディを位置決めを行って載置した状態を維持して、上記搬送台車を上記ピットライン、上記床面ライン及びこれらの間を連続して移動させることを特徴とする搬送方法にある(請求項7)。
具体的には、本発明の搬送台車は、複数のポストを立設してなるベース台車部と、複数のポストに対して昇降可能に支持される作業台車部とを備えている。そして、作業者がベース部品の上方、側方から作業する工程においては、搬送台車は、第1移動状態を形成し、ベース台車部を床下ピットとの間で転がり接触させると共に作業台車部を床面又は床面直下との間で転がり接触させて、両台車部を一体的に移動させる。これにより、複数のポスト以外に作業者の足場に障害物を存在させることなく、かつ工場の床面との間に大きな段差を形成することなく、作業台車部によって作業者の足場を適切に確保することができる。そして、作業者は、作業台車部を足場としてベース部品の上方、側方から組付部品の組付等の作業を行うことができる。
また、ベース台車部を床下ピットとの間で転がり接触させる状態は、ベース台車部又は床下ピットのいずれかにコロを設けて形成することができる。これと同様に、作業台車部を床面又は床面直下との間で転がり接触させる状態は、作業台車部と、床面又は床面直下とのいずれかにコロを設けて形成することができる。
また、ベース台車部を床面又は床面直下との間で転がり接触させる状態は、ベース台車部と、床面又は床面直下とのいずれかにコロを設けて形成することができる。
さらに、搬送台車には、作業台車部を昇降させるための機構は設けていない。これにより、搬送台車の構造を極めて簡単にすることができる。また、複数の組付作業工程において、同じ搬送台車を使用することができ、搬送台車を移動させる搬送ライン全体の構造を極めて簡単にすることができる。
それ故、第2の発明の搬送ラインによれば、複数のポストに対してベース部品を位置決めを行って載置したまま、搬送台車を複数の組付作業工程の間を連続して移動させることができ、搬送台車自体及び搬送台車を使用する搬送ラインの構造を極めて簡単にすることができる。
それ故、第3の発明の搬送方法によれば、複数のポストに対してベース部品を位置決めを行って載置したまま、搬送台車を複数の組付作業工程の間を連続して移動させることができ、搬送台車自体及び搬送台車を使用する搬送ラインの構造を極めて簡単にすることができる。
上記第1〜第3の発明において、上記第1移動状態と上記第2移動状態とのいずれの移動状態を形成する際にも、上記作業台車部の作業床面を工場の床面又は該床面に設けたデッキの上面と略同一面にして、上記搬送台車を移動させるよう構成することが好ましい(請求項2)。
この場合には、作業台車部の作業床面と、工場の床面又はデッキとの間に段差が形成されず、作業者がこれらの間を円滑に歩くことができる。そのため、作業者による作業性を向上させることができる。
この場合には、4本のポストのうちの前側2本のポストと後側2本のポストとのいずれか2本のポストがベース台車部に対して前後方向にスライドすることにより、前後方向への長さが異なる複数種類のメインボディを、4本のポストに対して位置決めを行って載置した状態を安定して維持することができる。
この場合には、ベース台車部に対して作業台車部を容易に昇降させることができ、複数のコロによって、ベース台車部及び作業台車部を安定して転がり接触させることができる。上記コロは、車輪、ローラ、ボール等の転がり部材によって構成することができる。
この場合には、簡単な方法により、搬送ラインにおいて複数の搬送台車を同時に連続して移動させることができる。
本例の搬送台車3は、図1に示すごとく、ベース部品8を位置決めを行って載置するための複数のポスト44を立設してなるベース台車部4と、複数のポスト44に対して昇降可能に支持されると共にベース台車部4の上側において作業者の足場を形成する作業台車部5とを備えている。
搬送台車3は、図2、図3に示すごとく、ベース台車部4が床下ピット21との間で転がり接触すると共に作業台車部5が床面2又は床面直下22との間で転がり接触して両台車部4、5を一体的に移動させる第1移動状態301と、図4、図5に示すごとく、作業台車部5を上側に載置した状態でベース台車部4が床面2又は床面直下22との間で転がり接触して両台車部4、5を一体的に移動させる第2移動状態302とのいずれかを形成する。搬送台車3は、複数のポスト44にベース部品8を位置決めを行って載置した状態を維持して、第1移動状態301と第2移動状態302とを切り替えて形成し、いずれの移動状態301、302を形成する際にも、ベース台車部4及び作業台車部5を床面2内に収容して移動させるよう構成してある。
本例のベース部品8は、自動車のメインボディ8であり、本例の搬送台車3は、自動車生産ラインに用いるものである。搬送台車3が搬送するメインボディ8には、前後方向の長さが異なる種々の車種のものがある。
図6、図9、図11に示すごとく、本例のベース台車部4からは、前後左右に2本ずつ並んで上方へ向けて4本のポスト44が立設してある。4本のポスト44のうちの前側2本のポスト44Aは、ベース台車部4に固定してあり、4本のポスト44のうちの後側2本のポスト44Bは、ベース台車部4に対して前後方向Lにスライドするよう構成してある。後側2本のポスト44Bは、それぞれ左右に配置したスライド機構42によって前後方向Lへスライド可能である。本例のスライド機構42は、前後方向Lに配設した2本のリニヤガイドを用いて構成されており、リニヤガイドは、ベース台車部4に取り付けたレールと、レールに対して転がり接触するスライダーとからなる。
作業台車部5には、4本のポスト44を挿通配置する貫通穴52が形成されている。前後方向Lにスライドする後側2本のポスト44Bを挿通配置する貫通穴52は、前後方向Lに長く形成されている(図6参照)。
後側2本のポスト44Bは、載置するメインボディ8の車種に応じて、スライド機構42によって前後方向Lのスライド位置を変更し、ロック機構43によってスライド位置が固定される。
図12に示すごとく、この自動車生産ラインは、メインボディ8に対して種々の内装部品の組付を行うトリム工程101と、メインボディ8に対して種々の足回り部品、エンジン、燃料タンク、タイヤ等の主要部品の組付を行うシャシー工程102と、メインボディ8に対して種々の電装部品の組付、オイル・ガスの注入等を行うファイナル工程103とを有している。搬送台車3は、メインボディ8を保持してすべての工程に一巡して移動し、組付が終わったメインボディ8である完成車を送り出した後、再び始めのトリム工程101に循環して移動するよう構成されている。
図12に示すごとく、トリム工程101及びファイナル工程103は、ピットライン11によって形成してあり、シャシー工程102は、床面ライン12によって形成してある。搬送台車3は、トリム工程101及びファイナル工程103においては、ピットライン11を第1進行方向D1に移動し、シャシー工程102においては、床面ライン12を第2進行方向D2に移動する。
搬送台車3は、ピットライン11、床面ライン12のいずれにおいても、第1進行方向D1、第2進行方向D2のいずれの方向に移動することもできる。
また、図2〜図5に示すごとく、搬送台車3は、第1移動状態301と第2移動状態302とのいずれの移動状態301、302を形成する際にも、作業台車部5の作業床面50を工場の床面2と略同一面にして移動する。
本例の搬送ライン1は、トリム工程101、シャシー工程102、ファイナル工程103の各工程において搬送台車3を往復移動させるよう構成されている。
その後、複数の搬送台車3は、何度もトリム工程101、シャシー工程102及びファイナル工程103を循環させることができる。
作業者がメインボディ8の上方、側方から作業するトリム工程101及びファイナル工程103においては、搬送台車3は、図2、図3に示したように、第1移動状態301を形成し、ベース台車部4における複数のローラ41を、工場の床面2から掘り下げた床下ピット21のレール211上を転がり接触させると共に、作業台車部5における複数のローラ51を、床面直下22に設けたレール221上を転がり接触させて、両台車部4、5を一体的に移動させる。
このとき、ベース台車部4及び作業台車部5は、いずれも床面2内に収容して移動させることができる。また、本例の搬送台車3は、作業台車部5の作業床面50を床面2と略同一面にして、複数のポスト44のほとんどの部分を床面2内に収容して移動することができる。これにより、作業者の足場にほとんど障害物が存在せず、かつ床面2との間にほとんど段差を形成することなく、作業台車部5によって作業者の足場を適切に確保することができる。そして、作業者は、作業台車部5を足場としてメインボディ8の下方から組付部品の組付等の作業を行うことができる。
さらに、搬送台車3には、作業台車部5を昇降させるための機構は設けていない。これにより、搬送台車3の構造を極めて簡単にすることができる。また、複数の組付作業工程において、同じ搬送台車3を使用することができ、搬送台車3を移動させる搬送ライン1の全体の構造を極めて簡単にすることができる。
また、図示は省略するが、搬送台車3の第1移動状態301を形成する際には、作業台車部5が、床面2に設けたレール221上を複数のローラ51によって転がり接触して移動するよう構成することもできる。この場合には、作業台車部5の作業床面50を工場の床面2に設けたデッキの上面と略同一面にして移動させることができる。
また、これと同様に、床面直下22にレール221を設ける以外にも、電磁センサ等のセンサを作業台車部5に設けると共に、床面2又は床面直下22にセンサ検知ラインを設け、センサによって搬送経路を検知しながら搬送台車3を移動させることもできる。
101 トリム工程
102 シャシー工程
103 ファイナル工程
11 ピットライン
12 床面ライン
2 床面
21 床下ピット
211 レール
22 床面直下
221 レール
23 ドライブローラ
3 搬送台車
301 第1移動状態
302 第2移動状態
4 ベース台車部
41 ローラ
44 ポスト
5 作業台車部
50 作業床面
51 ローラ
8 ベース部品(メインボディ)
L 前後方向
W 左右方向
Claims (7)
- ベース部品を位置決めを行って載置するための複数のポストを立設してなるベース台車部と、上記複数のポストに対して昇降可能に支持されると共に上記ベース台車部の上側において作業者の足場を形成する作業台車部とを備えており、
作業者が上記ベース部品の上方、側方に作業を行う場合には、上記ベース台車部が床下ピットとの間で転がり接触すると共に上記作業台車部が床面又は床面直下との間で転がり接触して両台車部を一体的に移動させる第1移動状態を形成し、
作業者がベース部品の下方に作業を行う場合には、上記ベース台車部に対する上記作業台車部の相対的高さが上記第1移動状態を形成する場合から変更され、上記作業台車部を上側に載置した状態で上記ベース台車部が床面又は床面直下との間で転がり接触して両台車部を一体的に移動させる第2移動状態を形成し、
上記複数のポストに上記ベース部品を位置決めを行って載置した状態を維持して、上記第1移動状態と上記第2移動状態とを切り替えて形成して移動させるよう構成したことを特徴とする搬送台車。 - 請求項1に記載の搬送台車において、上記第1移動状態と上記第2移動状態とのいずれの移動状態を形成する際にも、上記作業台車部の作業床面を工場の床面又は該床面に設けたデッキの上面と略同一面にして移動させるよう構成したことを特徴とする搬送台車。
- 請求項1又は2に記載の搬送台車において、上記ベース部品は、自動車のメインボディであり、
上記複数のポストは、上記メインボディを位置決めを行って載置するよう上記ベース台車部から上方へ4本立設されており、
該4本のポストのうちの前側2本のポストと後側2本のポストとは、上記ベース台車部に対していずれか2本が前後方向にスライドして、前後方向への長さが異なる複数種類の上記メインボディを位置決めを行って載置するよう構成してあることを特徴とする搬送台車。 - 請求項1〜3のいずれか一項に記載の搬送台車において、上記作業台車部は、上記複数のポストに対して転がり接触して昇降可能であり、
上記ベース台車部が上記床下ピットとの間で転がり接触する状態は、該ベース台車部又は該床下ピットのいずれかに複数のコロを設けて形成し、
上記作業台車部が上記床面又は上記床面直下との間で転がり接触する状態は、該作業台車部と該床面又は該床面直下とのいずれかに複数のコロを設けて形成し、
上記ベース台車部が上記床面又は上記床面直下との間で転がり接触する状態は、該ベース台車部と該床面又は該床面直下とのいずれかに複数のコロを設けて形成したことを特徴とする搬送台車。 - 請求項1〜4のいずれか一項に記載の搬送台車において、該搬送台車は、上記ベース台車部の左右に回転接触して該ベース台車部を挟み込んで送り出すドライブローラによって駆動されて、複数台が連なって移動するよう構成したことを特徴とする搬送台車。
- 請求項1〜5のいずれか一項に記載の搬送台車を用い、上記ベース部品としての自動車のメインボディに対して種々の組付部品の組付を行う自動車生産ライン用の搬送ラインであって、
該搬送ラインには、上記第1移動状態を形成して上記搬送台車を移動させるピットラインと、上記第2移動状態を形成して上記搬送台車を移動させる床面ラインとがあり、
上記搬送台車を移載装置によって持ち上げて上記ピットラインと上記床面ラインとの間を移動させることにより、上記複数のポストに上記メインボディを位置決めを行って載置した状態を維持して、上記搬送台車を上記ピットライン、上記床面ライン及びこれらの間を連続して移動させるよう構成したことを特徴とする搬送ライン。 - 請求項1〜5のいずれか一項に記載の搬送台車を用い、上記ベース部品としての自動車のメインボディに対して種々の組付部品の組付を行う自動車生産ライン用の搬送方法であって、
上記第1移動状態を形成して上記搬送台車を移動させるピットラインと、上記第2移動状態を形成して上記搬送台車を移動させる床面ラインとを形成しておき、
上記搬送台車を移載装置によって持ち上げて上記ピットラインと上記床面ラインとの間を移動させることにより、上記複数のポストに上記メインボディを位置決めを行って載置した状態を維持して、上記搬送台車を上記ピットライン、上記床面ライン及びこれらの間を連続して移動させることを特徴とする搬送方法。
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