以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
なお、説明は以下の順序で行うものとする。
1.システム全体構成例[図1,図2]
2.テレビジョン受像機の構成例[図3,図4]
3.AVアンプの構成例[図5]
4.アプリケーションサーバの構成例[図6]
5.HDMI規格の伝送構成及び処理例[図7〜図9]
6.テレビジョン受像機及びAVアンプの動作例[図10〜図35]
7.まとめ
1.システム全体構成例[図1,図2]
以下、本発明の一実施の形態の例について説明する。
図1は、本実施の形態としてのAVシステム100の構成例を示している。
このAVシステム100は、テレビジョン受像機200と、AVアンプ300と、ビデオレコーダ400と、ビデオプレーヤ500と、ビデオレコーダ600とを有している。ビデオレコーダ400と、ビデオプレーヤ500およびビデオレコーダ600は、HDMIのソース機器を構成している。AVアンプ300はHDMIのリピータ機器を構成している。テレビジョン受像機200は、HDMIのシンク機器を構成している。ビデオレコーダ400とビデオプレーヤ500とビデオレコーダ600は、それぞれDVDなどのビデオディスクやハードディスクなどを記録媒体として使って、ビデオデータ(AVコンテンツ)の記録や再生を行う機器である。
テレビジョン受像機200は、CEC対応機器であり、HDMI端子201,202と、光出力端子203と、ネットワーク端子236と、を備えている。テレビジョン受像機200は、リモートコントローラ800により遠隔制御可能な構成としてある。テレビジョン受像機200は、ネットワーク11を介して、アプリケーションサーバ12で管理されているアプリケーションを適宜取得し、そのアプリケーションに基づく処理を実行し、所定の情報を表示したり、テレビジョン受像機200にHDMI端子201,202で接続される機器を制御したりする機能を有する。
アプリケーションサーバ12から提供されるアプリケーションは、テレビジョン受像機200に映像を表示させた状態で実行可能であるように作られたものであり、テレビジョン受像機200のユーザは、テレビジョン受像機200が受信する放送や、ビデオプレーヤ500が再生するコンテンツを試聴しながらアプリケーションサーバ12から提供されるアプリケーションをテレビジョン受像機200に実行させて、アプリケーションが提供するコンテンツを利用することができる。
ビデオレコーダ400はHDMI端子401を、ビデオプレーヤ500はHDMI端子501を、ビデオレコーダ600はHDMI端子601を備え、いずれの機器もCEC対応機器である。
AVアンプ300は、CEC対応機器であり、HDMI端子301,302,303,304と、光入力端子305とを備えている。このAVアンプ300には、複数のスピーカで構成されているスピーカ群350が接続されており、AVアンプ300で再生処理したオーディオ信号をスピーカ群350から出力させる構成としてある。このスピーカ群350は、例えば、5.1チャンネルのサラウンドを実現する、聴取者の正面、右前方、左前方、右後方、左後方に位置するスピーカ、および低音出力用サブウーファスピーカで構成されている。AVアンプ300と各スピーカとは別体で構成させてもよいが、例えばテレビジョン受像機を載置するラック内に、AVアンプと各スピーカ(少なくともフロント側のスピーカ)を収納させた構成でもよい。
テレビジョン受像機200およびAVアンプ300は、HDMIケーブル701および光ケーブル702を介して接続されている。すなわち、HDMIケーブル701の一端はテレビジョン受像機200のHDMI端子201に接続され、その他端はAVアンプ300のHDMI端子304に接続されている。また、光ケーブル702の一端はテレビジョン受像機200の光出力端子203に接続され、その他端はAVアンプ300の光入力端子305に接続されている。
また、AVアンプ300およびビデオレコーダ400は、HDMIケーブル703を介して接続されている。すなわち、HDMIケーブル703の一端はAVアンプ300のHDMI端子301に接続され、その他端はビデオレコーダ400のHDMI端子401に接続されている。
また、AVアンプ300およびビデオプレーヤ500は、HDMIケーブル704を介して接続されている。すなわち、HDMIケーブル704の一端はAVアンプ300のHDMI端子302に接続され、その他端はビデオプレーヤ500のHDMI端子501に接続されている。
さらに、AVアンプ300およびビデオレコーダ600は、HDMIケーブル705を介して接続されている。すなわち、HDMIケーブル705の一端はAVアンプ300のHDMI端子303に接続され、その他端はビデオレコーダ600のHDMI端子601に接続されている。
図1に示すAVシステム100において、各機器の物理アドレス(Physical Address)およびCEC論理アドレス(Logical Address)の取得は、例えば、以下のように行われる。
すなわち、テレビジョン受像機200(物理アドレスは[0000]、CEC論理アドレスは{0})にHDMIケーブル701を介してAVアンプ300が接続されるとき、AVアンプ300はHDMI制御プロトコルを使用して、テレビジョン受像機200から物理アドレス[1000]を取得する。
CEC対応機器は、HDMI接続時に、論理アドレスを取得するように規定されている。CEC対応機器は、この論理アドレスを用いて、メッセージの送受信を行う。図2は、デバイスとCEC論理アドレスの対応関係を表すテーブルを示している。デバイスの「TV」はテレビジョン受像機、プロジェクタ等の映像を表示する機器である。デバイスの「Recording Device」は、ハードディスクレコーダやDVDレコーダ等の録画機器である。デバイスの「Tuner」は、ケーブルテレビの受信などを行うSTB(Set Top Box)等のAVコンテンツを受信する機器である。デバイスの「Playback Device」はビデオプレーヤ、カムコーダ等の再生機器である。デバイスの「Audio System」はAVアンプ等のオーディオ処理装置である。
AVアンプ300は、上述したように、CEC対応機器である。AVアンプ300は、図2のテーブルに基づいて、「Audio System」として論理アドレス{5}を決定する。この場合、AVアンプ300は、CEC制御プロトコルのPolling Messageで他の機器に、この論理アドレス{5}を持つ機器が存在しないことを認識した後に、当該論理アドレス{5}を自身の論理アドレスとして決定する。そして、AVアンプ300は、CEC制御プロトコルのReport Physical Addressにより、物理アドレス[1000]は、CEC対応機器{5}であることを、テレビジョン受像機200に通知する。
また、AVアンプ300にHDMIケーブル703を介してビデオレコーダ400が接続されるとき、ビデオレコーダ400は、HDMI制御プロトコルを使用して、AVアンプ300から物理アドレス[1100]を取得する。
ビデオレコーダ400は、上述したように、CEC対応機器である。ビデオレコーダ400は、図2のテーブルに基づいて、「Recording Device」として論理アドレス{1}を決定する。この場合、ビデオレコーダ400は、CEC制御プロトコルのPolling Messageで他の機器に、この論理アドレス{1}を持つ機器が存在しないことを認識した後に、当該論理アドレス{1}を自身の論理アドレスとして決定する。そして、ビデオレコーダ400は、CEC制御プロトコルのReport Physical Addressにより、物理アドレス[1100]は、CEC対応機器{1}であることを、テレビジョン受像機200およびAVアンプ300に通知する。
また、AVアンプ300にHDMIケーブル704を介してビデオプレーヤ500が接続されるとき、ビデオプレーヤ500は、HDMI制御プロトコルを使用して、AVアンプ300から物理アドレス[1200]を取得する。
ビデオプレーヤ500は、上述したように、CEC対応機器である。ビデオプレーヤ500は、図2のテーブルに基づいて、「Playback Device」として論理アドレス{4}を決定する。この場合、ビデオプレーヤ500は、CEC制御プロトコルのPolling Messageで他の機器に、この論理アドレス{4}を持つ機器が存在しないことを認識した後に、当該論理アドレス{4}を自身の論理アドレスとして決定する。そして、ビデオプレーヤ500は、CEC制御プロトコルのReport Physical Addressにより、物理アドレス[1200]は、CEC対応機器{4}であることを、テレビジョン受像機200およびAVアンプ300に通知する。
また、AVアンプ300にHDMIケーブル705を介してビデオレコーダ600が接続されるとき、ビデオレコーダ600は、HDMI制御プロトコルを使用して、AVアンプ300から物理アドレス[1300]を取得する。
ビデオレコーダ600は、上述したように、CEC対応機器である。ビデオレコーダ600は、図2のテーブルに基づいて、「recording Device」として論理アドレス{2}を決定する。この場合、ビデオレコーダ600は、CEC制御プロトコルのPolling Messageで他の機器に、この論理アドレス{2}を持つ機器が存在しないことを認識した後に、当該論理アドレス{2}を自身の論理アドレスとして決定する。そして、ビデオレコーダ600は、CEC制御プロトコルのReport Physical Addressにより、物理アドレス[1300]は、CEC対応機器{2}であることを、テレビジョン受像機200およびAVアンプ300に通知する。
図1に示すAVシステム100において、テレビジョン受像機200のチューナで選局された番組を視聴する場合には、以下のような動作が実行される。すなわち、チューナで得られる映像信号による画像は、テレビジョン受像機200の表示パネル(図示せず)に表示される。チューナで得られるオーディオ信号によるオーディオ(音声)は、AVアンプ300がシステムオーディオモードオフの状態にあるときは、テレビジョン受像機200のスピーカ(図示せず)から出力される。また、チューナで得られるオーディオ信号によるオーディオは、システムオーディオモードオンの状態にあるときは、AVアンプ300に接続されているスピーカ群350から出力される。
テレビジョン受像機200のチューナで得られるオーディオ信号は、例えば光デジタルオーディオ信号とされて、光ケーブル702を介してAVアンプ300に供給される。また、AVアンプ300におけるシステムオーディオモードのオン/オフの設定は、ユーザがAVアンプ300のユーザ操作部(図示せず)を操作して行うことができる他、ユーザがテレビジョン受像機200のユーザ操作部(図示せず)を操作して行うことができる。また、AVアンプ300におけるシステムオーディオモードのオン/オフは、テレビジョン受像機200のリモートコントローラ800の操作で、スピーカ切換え指示を行うことでも設定できる。
また、図1に示すAVシステム100において、例えば、テレビジョン受像機200からの切り換え操作、ビデオレコーダ400の再生釦操作等により、ビデオレコーダ400でディスクから再生されたコンテンツ、あるいはチューナで選局された番組を視聴する場合には、以下のようになる。
すなわち、ビデオレコーダ400の出力映像信号による画像は、テレビジョン受像機200の表示パネル(図示せず)に表示される。この場合、ビデオレコーダ400の出力映像信号は、HDMIケーブル703、AVアンプ300およびHDMIケーブル701を介してテレビジョン受像機200に供給される。
ビデオレコーダ400の出力オーディオ信号による音声は、AVアンプ300がシステムオーディオモードオフの状態にあるときは、テレビジョン受像機200のスピーカ(図示せず)から出力される。この場合、ビデオレコーダ400の出力オーディオ信号は、HDMIケーブル703、AVアンプ300およびHDMIケーブル701を介してテレビジョン受像機200に供給される。
また、ビデオレコーダ400の出力オーディオ信号による音声は、AVアンプ300がシステムオーディオモードオンの状態にあるときは、AVアンプ300に接続されているスピーカ群350から出力される。この場合、ビデオレコーダ400の出力オーディオ信号は、HDMIケーブル703を介してAVアンプ300に供給される。
また、図1に示すAVシステム100において、例えば、テレビジョン受像機200からの切り換え操作、ビデオプレーヤ500の再生釦操作等により、ビデオプレーヤ500でディスクから再生されたコンテンツを視聴する場合には、以下のように動作が行われる。
すなわち、ビデオプレーヤ500の出力映像信号による画像は、テレビジョン受像機200の表示パネル(図示せず)に表示される。この場合、ビデオプレーヤ500の出力映像信号は、HDMIケーブル704、AVアンプ300およびHDMIケーブル701を介してテレビジョン受像機200に供給される。
ビデオプレーヤ500の出力オーディオ信号による音声は、AVアンプ300がシステムオーディオモードオフの状態にあるときは、テレビジョン受像機200のスピーカ(図示せず)から出力される。この場合、ビデオプレーヤ500の出力オーディオ信号は、HDMIケーブル704、AVアンプ300およびHDMIケーブル701を介してテレビジョン受像機200に供給される。
また、ビデオプレーヤ500の出力オーディオ信号による音声は、AVアンプ300がシステムオーディオモードオンの状態にあるときは、AVアンプ300に接続されているスピーカ群350から出力される。この場合、ビデオプレーヤ500の出力オーディオ信号は、HDMIケーブル704を介してAVアンプ300に供給される。
また、図1に示すAVシステム100において、例えば、テレビジョン受像機200からの切り換え操作等により、ビデオレコーダ600でディスクから再生されたコンテンツ、あるいはチューナで選局された番組を視聴する場合には、以下のようになる。
すなわち、ビデオレコーダ600の出力映像信号による画像は、テレビジョン受像機200の表示パネル(図示せず)に表示される。この場合、ビデオレコーダ600の出力映像信号は、HDMIケーブル705、AVアンプ300およびHDMIケーブル701を介してテレビジョン受像機200に供給される。
ビデオレコーダ600の出力オーディオ信号による音声は、AVアンプ300がシステムオーディオモードオフの状態にあるときは、テレビジョン受像機200のスピーカ(図示せず)から出力される。この場合、ビデオレコーダ600の出力オーディオ信号は、HDMIケーブル705、AVアンプ300およびHDMIケーブル701を介してテレビジョン受像機200に供給される。
また、ビデオレコーダ600の出力オーディオ信号による音声は、AVアンプ300がシステムオーディオモードオンの状態にあるときは、AVアンプ300に接続されているスピーカ群350から出力される。この場合、ビデオレコーダ600の出力オーディオ信号は、HDMIケーブル705を介してAVアンプ300に供給される。
2.テレビジョン受像機の構成例[図3,図4]
図3は、本実施の形態の例のテレビジョン受像機200の構成例を示している。このテレビジョン受像機200は、HDMI端子201,202と、HDMIスイッチャ204と、HDMI受信部205と、アンテナ端子210と、デジタルチューナ211を有する。また、テレビジョン受像機200は、デマルチプレクサ(Demux)212と、MPEG(Moving Picture Expert Group)デコーダ213と、映像・グラフィック処理回路214と、パネル駆動回路215と、表示パネル216とを有する。さらに、テレビジョン受像機200は、音声処理回路217と、音声増幅回路218と、スピーカ219とを有する。さらにまた、テレビジョン受像機200は、内部バス230と、CPU(中央制御ユニット)231と、フラッシュROM232と、DRAM233と、受信部234と、ネットワークI/F235と、ネットワーク端子236と、を有している。
CPU231は、テレビジョン受像機200の各部の動作を制御する。フラッシュROM232は、制御ソフトウェアの格納およびデータの保管を行う他、アプリケーションサーバ12から適宜ダウンロードしたアプリケーションを格納する。DRAM233は、CPU231のワークエリア等を構成する。CPU231は、フラッシュROM232から読み出したソフトウェアやデータをDRAM233上に展開してソフトウェアを起動し、テレビジョン受像機200の各部を制御する。CPU231、フラッシュROM232およびDRAM233は、内部バス230に接続されている。
受信部234は、リモートコントローラ800から送信された、例えば赤外線のリモートコントロール信号(リモコンコード)を受信し、CPU231に供給する。ユーザは、リモートコントローラ800を操作することで、テレビジョン受像機200の操作、およびこのテレビジョン受像機200にHDMIケーブルで接続されているその他のCEC対応機器の操作を行うことができる。
ネットワークI/F235は、ネットワーク端子236に接続されたネットワークケーブルを介してネットワーク11に接続し、ネットワーク11に接続される各種装置(例えばアプリケーションサーバ12)との間でデータの送受信を実行する。本実施形態では、テレビジョン受像機200からアプリケーションサーバ12に対して、AVアンプ300を制御するためのアプリケーションの提供を要求し、アプリケーションサーバ12から該アプリケーションの提供を適宜受けることで、テレビジョン受像機200はAVアンプ300を制御するためのアプリケーションを起動して実行することができる。
アンテナ端子210は、受信アンテナ(図示しない)で受信されテレビジョン放送信号を入力する端子である。デジタルチューナ211は、アンテナ端子210に入力されたテレビ放送信号を処理して、ユーザの選択チャネルに対応した所定のトランスポートストリームを出力する。デマルチプレクサ212は、デジタルチューナ212で得られたトランスポートストリームから、ユーザの選択チャネルに対応した、パーシャルTS(Transport Stream)(映像データのTSパケット、オーディオデータのTSパケット)を抽出する。
また、デマルチプレクサ212は、デジタルチューナ211で得られたトランスポートストリームから、PSI/SI(Program Specific Information/Service Information)を取り出し、CPU231に出力する。デジタルチューナ211で得られたトランスポートストリームには、複数のチャネルが多重化されている。デマルチプレクサ212で、当該トランスポートストリームから任意のチャネルのパーシャルTSを抽出する処理は、PSI/SI(PAT/PMT)から当該任意のチャネルのパケットID(PID)の情報を得ることで可能となる。
MPEGデコーダ213は、デマルチプレクサ212で得られる映像データのTSパケットにより構成される映像PES(Packetized Elementary Stream)パケットに対してデコード処理を行って映像データを得る。また、MPEGデコーダ213は、デマルチプレクサ212で得られるオーディオデータのTSパケットにより構成されるオーディオPESパケットに対してデコード処理を行ってオーディオデータを得る。
映像・グラフィック処理回路214は、MPEGデコーダ213で得られた映像データに対して、必要に応じて、スケーリング処理、グラフィックスデータの重畳処理等を行う。また映像・グラフィック処理回路214は、フラッシュROM232に予め格納されているアプリケーションや、アプリケーションサーバ12から適宜提供されるアプリケーションに基づく処理による画像データを生成し、パネル駆動回路215に出力する。パネル駆動回路215は、映像・グラフィック処理回路214から出力される映像データに基づいて、表示パネル216を駆動する。表示パネル216は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)、有機EL(Electro−Luminescence)、PDP(Plasma DisplayPanel)等で構成されている。
音声処理回路217は、MPEGデコーダ213で得られたオーディオデータに対してD/A変換等の必要な処理を行う。音声増幅回路218は、音声処理回路217から出力されるアナログオーディオ信号を増幅してスピーカ219に供給する。また、音声処理回路217は、MPEGデコーダ213で得られたオーディオデータをデジタル光信号に変換して、光出力端子203に出力する。
HDMIスイッチャ204は、HDMI端子201,202をHDMI受信部205に選択的に接続する。HDMI受信部205は、HDMIスイッチャ204を介して、HDMIコネクタ201,202のいずれかに選択的に接続されている。このHDMI受信部205は、HDMIに準拠した通信により、HDMI端子201,202に接続されている外部機器(ソース機器、またはリピータ機器)から送信されてくる映像とオーディオのデータを受信する。このHDMI受信部205の詳細は後述する。
図3に示すテレビジョン受像機200の動作を簡単に説明する。アンテナ端子210に入力されるテレビ放送信号はデジタルチューナ211に供給される。このデジタルチューナ211では、テレビ放送信号が処理されて、ユーザの選択チャネルに対応したトランスポートストリームが得られる。このトランスポートストリームは、デマルチプレクサ212に供給される。デマルチプレクサ212では、トランスポートストリームから、ユーザの選択チャネルに対応した、パーシャルTS(映像データのTSパケット、オーディオデータのTSパケット)が抽出される。このパーシャルTSは、MPEGデコーダ213に供給される。
MPEGデコーダ213では、映像データのTSパケットにより構成される映像PESパケットに対してデコード処理が行われて映像データが得られる。この映像データは、映像・グラフィック処理回路214において、必要に応じて、スケーリング処理、グラフィックスデータの重畳処理等が行われた後に、パネル駆動回路215に供給される。そのため、表示パネル216には、ユーザの選択チャネルに対応した画像が表示される。
また、MPEGデコーダ213では、オーディオデータのTSパケットにより構成されるオーディオPESパケットに対してデコード処理が行われてオーディオデータが得られる。このオーディオデータは、音声処理回路217でD/A変換等の必要な処理が行われ、さらに、音声増幅回路218で増幅された後に、スピーカ219に供給される。そのため、スピーカ219から、ユーザの選択チャネルに対応したオーディオが出力される。
また、MPEGデコーダ213で得られるオーディオデータは、音声処理回路217で、例えばS/PDIF規格のデジタル光信号に変換されて、光出力端子203に出力される。そのため、テレビジョン受像機200は、オーディオデータを、光ケーブルを介して、外部機器に送信できる。図1に示すAVシステム100においては、上述したように、テレビジョン受像機200からのオーディオデータが、光ケーブル702を介してAVアンプ300に供給される。
そして、AVアンプ300がシステムオーディオモードオンの状態にあるとき、AVアンプ300に接続されているスピーカ群350から、テレビジョン受像機200からのオーディオデータによるオーディオが出力される。なお、この場合、CPU231により音声増幅回路218はミューティング状態とされ、テレビジョン受像機200のスピーカ219からオーディオは出力されない。
また、HDMI受信部205では、HDMIケーブルを介してHDMI端子201,202に入力される映像およびオーディオのデータが得られる。映像データは映像・グラフィック処理回路214に供給される。オーディオデータは、音声処理回路217に供給される。以降は、上述したテレビ放送信号の受信時と同様の動作となり、表示パネル216に画像が表示され、スピーカ219からオーディオが出力される。
図1に示すAVシステム100において、例えば、ビデオレコーダ400、ビデオプレーヤ500またはビデオレコーダ600からの映像データ、オーディオデータによる画像、オーディオの視聴を行う場合には、上述したように、HDMI受信部205で取得された映像データ、オーディオデータによる画像、オーディオの視聴状態となる。
なお、この場合にあっても、AVアンプ300がシステムオーディオモードオンの状態にあるとき、AVアンプ300に接続されているスピーカ群350からオーディオデータによるオーディオが出力され、テレビジョン受像機200の音声増幅回路218はミューティング状態とされ、スピーカ219からオーディオは出力されない。
図4は、リモートコントローラ800の形状の例を正面から見た図である。図4に示すように、リモートコントローラ800は赤外線信号などを送信するリモートコントロール信号送信部801を備え、各種の操作キー802が配置してある。操作キー802としては、チャンネル指示用の数字キー、音量アップダウンキー、各モード設定用のキーなどが配置してある。さらにリモートコントローラ800は、表示パネル216に表示される各種メニュー画面から任意の項目を選択するための決定ボタン811、表示パネル216に表示されるカーソルを上方向に移動させるための上方向ボタン812a、表示パネル216に表示されるカーソルを下方向に移動させるための下方向ボタン812b、表示パネル216に表示されるカーソルを左方向に移動させるための左方向ボタン812c、表示パネル216に表示されるカーソルを右方向に移動させるための右方向ボタン812d、テレビジョン受像機200にアプリケーションを実行させるための画面を表示パネル216に表示させるためのホームボタン813、前の画面に戻すための戻るボタン814も備えている。なお、リモートコントローラ800は、赤外線信号以外の信号を伝送する構成でもよく、また双方向にテレビジョン受像機200側とやりとりする構成でもよい。なお、リモートコントローラ800の形状やボタンの配置については、本発明においてはかかる例に限定されるものではない。
3.AVアンプの構成例[図5]
図5は、AVアンプ300の構成例を示している。AVアンプ300は、HDMI端子301〜304と、光入力端子305と、HDMIスイッチャ306と、HDMI受信部307と、HDMI送信部308と、変換部310とを有する。また、AVアンプ300は、アナログオーディオ入力端子311と、アンテナ端子312と、FMチューナ313と、セレクタ314と、A/D変換器315と、セレクタ316と、DSP(Digital Signal Processor)317とを有する。さらに、AVアンプ300は、オーディオ増幅回路318と、オーディオ出力端子319a〜319fと、内部バス320と、CPU321と、フラッシュROM322と、RAM323とを有している。
CPU321は、AVアンプ300の各部の動作を制御する。フラッシュROM322は、制御ソフトウェアの格納およびデータの保管を行う。RAM323は、CPU321のワークエリア等を構成する。CPU321は、フラッシュROM322から読み出したソフトウェアやデータをRAM323上に展開してソフトウェアを起動し、AVアンプ300の各部を制御する。CPU321、フラッシュROM322およびRAM323は、内部バス320に接続されている。なお、CPU321、フラッシュROM322およびRAM323は、ワンチップのマイクロコンピュータ(ワンチップマイコン)であってもよい。
CPU321には、ユーザ操作部324および表示部325が接続されている。これらユーザ操作部324および表示部325は、ユーザインタフェースを構成している。ユーザ操作部324により、ユーザがAVアンプ300の出力オーディオの選択、FMチューナ313の選局、動作設定等を行うことができる。ユーザは、このユーザ操作部324により、システムオーディオモードのオン/オフ等を設定できる。
このユーザ操作部324は、AVアンプ300の図示しない筐体に配置されたキー、釦、ダイアル、リモートコントロール信号送受信部等で構成される。表示部325は、AVアンプ300の動作状態、ユーザの操作状態等を表示し、蛍光表示管やLCD(Liquid Crystal Display)等で構成される。
光入力端子305は、光ケーブルを通じてデジタル光信号を入力する端子である。変換部310は、光入力端子305に入力されたデジタル光信号から、オーディオ信号のサンプリング周波数と同じ周波数(例えば、44.1kHz)を持つクロックLRCK、サンプリング周波数の例えば512倍あるいは256倍のマスタークロックMCKと、クロックLRCKの1周期毎に存在するそれぞれ24ビットの左右のオーディオデータLDATA,RDATAと、データの各ビットに同期したビットクロックBCKを生成して、セレクタ316に供給する。
アナログオーディオ入力端子311は、外部機器で得られる左右のアナログオーディオ信号を入力する端子である。アンテナ端子312は、FM受信アンテナ(図示しない)で受信されたFM放送信号を入力する端子である。FMチューナ313は、アンテナ端子312に入力されたFM放送信号(ラジオ放送信号)を処理して、ユーザの選択チャネルに対応した左右のアナログオーディオ信号を出力する。セレクタ314は、アナログオーディオ入力端子311に入力されたアナログオーディオ信号またはチューナ313から出力されたアナログオーディオ信号を選択的に取り出す。A/D変換器315は、セレクタ314で取り出されたアナログオーディオ信号をデジタルのオーディオデータに変換してセレクタ316に供給する。
HDMIスイッチャ306は、HDMI端子301〜303をHDMI受信部307に選択的に接続する。HDMI受信部307は、HDMIスイッチャ306を介して、HDMI端子301〜303のいずれかに選択的に接続されている。このHDMI受信部307は、HDMIに準拠した通信により、HDMI端子301〜303に接続されている外部機器(ソース機器)から一方向に送信されてくる映像とオーディオのデータを受信する。
HDMI受信部307は、オーディオデータをセレクタ316に供給すると共に、映像とオーディオのデータをHDMI送信部308に供給する。HDMI送信部308は、HDMIに準拠した通信により、HDMI受信部307から供給されたベースバンドの映像とオーディオのデータをHDMI端子304から送出する。これにより、AVアンプ300はリピータ機能を発揮する。HDMI受信部307およびHDMI送信部308の詳細は後述する。
セレクタ316は、HDMI受信部307から供給されるオーディオデータ、変換部310から供給されるオーディオデータまたはA/D変換器315から供給されるオーディオデータを選択的に取り出し、DSP317に供給する。
DSP317は、セレクタ316で得られたオーディオデータを処理し、サラウンドオーディオを実現するための各チャネルのオーディオデータを生成する処理、所定の音場特性や音響特性を付与する処理、デジタル信号をアナログ信号に変換する処理等を行う。例えば、DSP317は、5.1チャンネルサラウンドオーディオの音場処理を行うことができる他、2チャンネルオーディオなどの他のモードとすることも可能である。オーディオ増幅回路318は、DSP317から出力されるフロントレフトオーディオ信号SFL、フロントライトオーディオ信号SFR、フロントセンタオーディオ信号SFCと、リアレフトオーディオ信号SRL、リアライトオーディオ信号SRRおよびサブウーファオーディオ信号SSWを増幅して、オーディオ出力端子319a〜319fに出力する。
なお、図示は省略しているが、オーディオ出力端子319a〜319fには、スピーカ群350を構成する各スピーカが接続されている。即ち、フロントレフトスピーカ、フロントライトスピーカ、フロントセンタースピーカ、リアレフトスピーカ、リアライトスピーカおよびサブウーファスピーカが接続されている。但し、DSP317での仮想音像定位処理などで、これより少ない数のスピーカで、サラウンドオーディオが再生されるようにしてもよい。
図5に示すAVアンプ300の動作を簡単に説明する。HDMI受信部307では、HDMIケーブルを介してHDMI端子301〜303に入力されるベースバンドの映像およびオーディオのデータが得られる。この映像およびオーディオデータは、HDMI送信部308に供給され、HDMI端子304に接続されたHDMIケーブルに送出される。
また、HDMI受信部307で得られるオーディオデータは、セレクタ316に供給される。セレクタ316では、HDMI受信部307から供給されるオーディオデータ、変換部310から供給されるオーディオデータまたはA/D変換器315から供給されるオーディオデータが選択的に取り出され、DSP317に供給される。
DSP317では、オーディオデータに対して、5.1チャンネルサラウンドを実現するための各チャネルのオーディオデータを生成する処理、所定の音場特性を付与する処理、デジタル信号をアナログ信号に変換する処理等の必要な処理が施される。DSP317から出力される各チャネルのオーディオ信号はオーディオ増幅回路318を介してオーディオ出力端子319a〜319fに出力される。
例えば、図1に示すAVシステム100において、テレビジョン受像機200のデジタルチューナ211で選局された番組の視聴を行う場合であって、AVアンプ300がシステムオーディオモードオンの状態にあるときには、以下のような動作となる。すなわち、セレクタ316では変換部310からのオーディオデータが取り出される。これにより、オーディオ出力端子319a〜319fには、テレビジョン受像機200のデジタルチューナ211で選局された番組のオーディオデータに係る各チャネルのオーディオ信号が出力される。そのため、AVアンプ300に接続されているスピーカ群350からは、テレビジョン受像機200のデジタルチューナ211で選局された番組のオーディオが出力される。
なお、テレビジョン受像機200のデジタルチューナ211で選局された番組の視聴を行う場合であって、AVアンプ300がシステムオーディオモードオフの状態にあるときにはオーディオ増幅回路318がミューティング状態とされる。従って、オーディオ増幅回路318から出力端子39a〜319fにオーディオ信号は供給されない。
また、例えば、図1に示すAVシステム100において、ビデオレコーダ400からの映像データ、オーディオデータによる画像、オーディオの視聴を行う場合であって、AVアンプ300がシステムオーディオモードオンの状態にあるときには、以下のような動作となる。すなわち、HDMIスイッチャ306によりHDMI端子301がHDMI受信部307に接続される。また、セレクタ316ではHDMI受信部307からのオーディオデータが取り出される。これにより、オーディオ出力端子319a〜319fには、ビデオレコーダ400からのオーディオデータに係る各チャネルのオーディオ信号が出力される。そのため、AVアンプ300に接続されているスピーカ群350からは、ビデオレコーダ400からのオーディオデータによるオーディオが出力される。
なお、ビデオレコーダ400からの映像データ、オーディオデータによる画像、オーディオの視聴を行う場合であって、AVアンプ300がシステムオーディオモードオフの状態にあるときには、オーディオ増幅回路318がミューティング状態とされ、オーディオ増幅回路318から声出力端子319a〜319fにオーディオ信号は供給されない。
また、例えば、図1に示すAVシステム100において、ビデオプレーヤ500からの映像データ、オーディオデータによる画像、オーディオの視聴を行う場合であって、AVアンプ300がシステムオーディオモードオンの状態にあるときには、以下のような動作となる。すなわち、HDMIスイッチャ306によりHDMI端子302がHDMI受信部307に接続される。また、セレクタ316ではHDMI受信部307からのオーディオデータが取り出される。これにより、オーディオ出力端子319a〜319fには、ビデオプレーヤ500からのオーディオデータに係る各チャネルのオーディオ信号が出力される。そのため、AVアンプ300に接続されているスピーカ群350からは、ビデオプレーヤ500からのオーディオデータによるオーディオが出力される。
なお、ビデオプレーヤ500からの映像データ、オーディオデータによる画像、オーディオの視聴を行う場合であって、AVアンプ300がシステムオーディオモードオフの状態にあるときには、オーディオ増幅回路318がミューティング状態とされ、オーディオ増幅回路318から声出力端子319a〜319fにオーディオ信号は供給されない。
4.アプリケーションサーバの構成例[図6]
図6は、アプリケーションサーバ12の構成例を示している。アプリケーションサーバ12は、CPU31と、ROM32と、RAM33と、バス34と、入出力インタフェース35と、入力部36と、出力部37と、記憶部38と、通信部39と、ドライブ40と、を含んで構成される。
CPU31と、ROM32と、RAM33とは、それぞれバス34により相互に接続されている。またバス34にはさらに入出力インタフェース35が接続されている。入出力インタフェース35には、キーボード、マウス、マイクロホンなどよりなる入力部36、ディスプレイやスピーカなどよりなる出力部37、ハードディスクや不揮発性のメモリ等よりなる記憶部38、ネットワークインタフェースなどよりなる通信部39、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク,半導体メモリなどのリムーバブルメディア41を駆動するドライブ40が接続されている。
以上のように構成されているアプリケーションサーバ12においては、CPU31が、例えば記憶部38に記憶されているプログラムを入出力インタフェース35及びバス34を介してRAM33にロードして実行することにより、テレビジョン受像機200からの要求に応じてアプリケーションを適宜提供することができる。
5.HDMI規格の伝送構成及び処理例[図7〜図9]
図7は、HDMI送信部(HDMI送信部308)と、HDMI受信部(HDMI受信部205、HDMI受信部307)の構成例を示している。
HDMI送信部(HDMIソース)は、一の垂直同期信号から次の垂直同期信号までの区間から、水平帰線区間および垂直帰線区間を除いた区間である有効画像区間(以下、適宜、アクティブビデオ区間ともいう)において、1単位の伝送を行う。即ち、アクティブビデオ区間で、非圧縮の1画面分の画像の画素データに対応する差動信号を、複数のチャネルで、HDMI受信部(HDMIシンク)に一方向に送信する。また、水平帰線区間または垂直帰線区間において、少なくとも画像に付随するオーディオデータや制御データ、その他の補助データ等に対応する差動信号を、複数のチャネルで、HDMI受信部に一方向に送信する。
HDMI送信部は、トランスミッタ81を有する。トランスミッタ81は、例えば、非圧縮の画像の画素データを対応する差動信号に変換し、複数のチャネルである3つのTMDSチャネル#0,#1,#2で、HDMIケーブルを介して接続されているHDMI受信部に、一方向にシリアル伝送する。
また、トランスミッタ81は、非圧縮の画像に付随するオーディオデータ、さらには、必要な制御データその他の補助データ等を、対応する差動信号に変換する。そしてトランスミッタ81は、変換されたデータを、3つのTMDSチャネル#0,#1,#2でHDMIケーブルを介して接続されているHDMI受信部に、一方向にシリアル伝送する。
さらに、トランスミッタ81は、3つのTMDSチャネル#0,#1,#2で送信する画素データに同期したピクセルクロックを、TMDSクロックチャネルで、HDMIケーブルを介して接続されているHDMI受信部に送信する。ここで、1つのTMDSチャネル#i(i=0,1,2)では、ピクセルクロックの1クロックの間に、10ビットの画素データが送信される。
HDMI受信部は、アクティブビデオ区間において、複数のチャネルで、HDMI送信部から一方向に送信されてくる、画素データに対応する差動信号を受信する。また、HDMI受信部は、水平帰線区間または垂直帰線区間において、複数のチャネルで、HDMI送信部から一方向に送信されてくる、オーディオデータや制御データに対応する差動信号を受信する。
すなわち、HDMI受信部は、レシーバ82を有する。レシーバ82は、TMDSチャネル#0,#1,#2で、HDMI送信部から一方向に送信されてくる、画素データに対応する差動信号と、オーディオデータや制御データに対応する差動信号を受信する。このとき、レシーバ82は、HDMI送信部からTMDSクロックチャネルで送信されてくるピクセルクロックに同期して受信する。
HDMIシステムの伝送チャネルには、画素データおよびオーディオデータを、シリアル伝送するための伝送チャネルとしての3つのTMDSチャネル#0〜#2と、ピクセルクロックを伝送する伝送チャネルとしてのTMDSクロックチャネルが含まれる。また、DDC(Display Data Channel)83やCECライン84と呼ばれる伝送チャネルがある。
DDC83は、HDMI送信部が、HDMIケーブルを介して接続されたHDMI受信部から、E−EDID(Enhanced Extended Display Identification Data)を読み出すために使用される。DDC83は、HDMIケーブルに含まれる図示せぬ2本の信号線からなる。
すなわち、HDMI受信部は、HDMIレシーバ82の他に、EDID ROM85を有している。EDID ROM85は、自身の性能(Configuration/capability)に関する性能情報であるE−EDIDを記憶している。HDMI送信部は、HDMIケーブルを介して接続されているHDMI受信部から、当該HDMI受信部のE−EDIDを、DDC83を介して読み出す。そして、その読み出したE−EDIDに基づき、例えば、HDMI受信部を有する電子機器が対応している画像のフォーマット(プロファイル)、例えば、RGB、YCbCr4:4:4、YCbCr4:2:2等を認識する。
CECライン84は、HDMIケーブルに含まれる図示せぬ1本の信号線からなり、HDMI送信部とHDMI受信部との間で、制御用のデータの双方向通信を行うのに用いられる。双方向の通信は時分割で行われる。
また、HDMIケーブルには、HPD(Hot Plug Detect)と呼ばれるピンに接続されるライン86が含まれている。ソース機器は、当該ライン86を利用して、シンク機器の接続を検出することができる。また、HDMIケーブルには、ソース機器からシンク機器に電源を供給するために用いられるライン87が含まれている。さらに、HDMIケーブルには、リザーブライン88が含まれている。
図8は、図7のHDMIトランスミッタ81とHDMIレシーバ82の構成例を示している。
トランスミッタ81は、3つのTMDSチャネル#0,#1,#2にそれぞれ対応する3つのエンコーダ/シリアライザ81A,81B,81Cを有する。そして、エンコーダ/シリアライザ81A,81B,81Cのそれぞれは、そこに供給される画像データ、補助データ、制御データをエンコードし、パラレルデータからシリアルデータに変換して、差動信号により送信する。
ここで、画像データが、例えばR(赤),G(緑),B(青)の3成分を有する場合、以下のようになる。即ち、B成分(B component)はエンコーダ/シリアライザ81Aに供給され、G成分(Gcomponent)はエンコーダ/シリアライザ81Bに供給され、R成分(R component)はエンコーダ/シリアライザ81Cに供給される。
また、補助データとしては、例えば、オーディオデータや制御パケットがあり、制御パケットは、例えば、エンコーダ/シリアライザ81Aに供給され、オーディオデータは、エンコーダ/シリアライザ81B,81Cに供給される。
さらに、制御データとしては、1ビットの垂直同期信号(VSYNC)、1ビットの水平同期信号(HSYNC)、および、それぞれ1ビットの制御ビットCTL0,CTL1,CTL2,CTL3がある。垂直同期信号および水平同期信号は、エンコーダ/シリアライザ81Aに供給される。制御ビットCTL0,CTL1はエンコーダ/シリアライザ81Bに供給され、制御ビットCTL2,CTL3はエンコーダ/シリアライザ81Cに供給される。
エンコーダ/シリアライザ81Aは、そこに供給される画像データのB成分、垂直同期信号および水平同期信号、並びに補助データを、時分割で送信する。すなわち、エンコーダ/シリアライザ81Aは、そこに供給される画像データのB成分を、固定のビット数である8ビット単位のパラレルデータとする。さらに、エンコーダ/シリアライザ81Aは、そのパラレルデータをエンコードし、シリアルデータに変換して、TMDSチャネル#0で送信する。
また、エンコーダ/シリアライザ81Aは、そこに供給される垂直同期信号および水平同期信号の2ビットのパラレルデータをエンコードし、シリアルデータに変換して、TMDSチャネル#0で送信する。さらに、エンコーダ/シリアライザ81Aは、そこに供給される補助データを4ビット単位のパラレルデータとする。そして、エンコーダ/シリアライザ81Aは、そのパラレルデータをエンコードし、シリアルデータに変換して、TMDSチャネル#0で送信する。
エンコーダ/シリアライザ81Bは、そこに供給される画像データのG成分、制御ビットCTL0,CTL1、並びに補助データを、時分割で送信する。すなわち、エンコーダ/シリアライザ81Bは、そこに供給される画像データのG成分を、固定のビット数である8ビット単位のパラレルデータとする。さらに、エンコーダ/シリアライザ81Bは、そのパラレルデータをエンコードし、シリアルデータに変換して、TMDSチャネル#1で送信する。
また、エンコーダ/シリアライザ81Bは、そこに供給される制御ビットCTL0,CTL1の2ビットのパラレルデータをエンコードし、シリアルデータに変換して、TMDSチャネル#1で送信する。さらに、エンコーダ/シリアライザ81Bは、そこに供給される補助データを4ビット単位のパラレルデータとする。そして、エンコーダ/シリアライザ81Bは、そのパラレルデータをエンコードし、シリアルデータに変換して、TMDSチャネル#1で送信する。
エンコーダ/シリアライザ81Cは、そこに供給される画像データのR成分、制御ビットCTL2,CTL3、並びに補助データを、時分割で送信する。すなわち、エンコーダ/シリアライザ81Cは、そこに供給される画像データのR成分を、固定のビット数である8ビット単位のパラレルデータとする。さらに、エンコーダ/シリアライザ81Cは、そのパラレルデータをエンコードし、シリアルデータに変換して、TMDSチャネル#2で送信する。
また、エンコーダ/シリアライザ81Cは、そこに供給される制御ビットCTL2,CTL3の2ビットのパラレルデータをエンコードし、シリアルデータに変換して、TMDSチャネル#2で送信する。さらに、エンコーダ/シリアライザ81Cは、そこに供給される補助データを4ビット単位のパラレルデータとする。そして、エンコーダ/シリアライザ81Cは、そのパラレルデータをエンコードし、シリアルデータに変換して、TMDSチャネル#2で送信する。
レシーバ82は、3つのTMDSチャネル#0,#1,#2にそれぞれ対応する3つのリカバリ/デコーダ82A,82B,82Cを有する。そして、リカバリ/デコーダ82A,82B,82Cのそれぞれは、TMDSチャネル#0,#1,#2で差動信号により送信されてくる画像データ、補助データ、制御データを受信する。さらに、リカバリ/デコーダ82A,82B,82Cのそれぞれは、画像データ、補助データ、制御データを、シリアルデータからパラレルデータに変換し、さらにデコードして出力する。
すなわち、リカバリ/デコーダ82Aは、TMDSチャネル#0で差動信号により送信されてくる画像データのB成分、垂直同期信号および水平同期信号、補助データを受信する。そして、リカバリ/デコーダ82Aは、その画像データのB成分、垂直同期信号および水平同期信号、補助データを、シリアルデータからパラレルデータに変換し、デコードして出力する。
リカバリ/デコーダ82Bは、TMDSチャネル#1で差動信号により送信されてくる画像データのG成分、制御ビットCTL0,CTL1、補助データを受信する。そして、リカバリ/デコーダ82Bは、その画像データのG成分、制御ビットCTL0,CTL1、補助データを、シリアルデータからパラレルデータに変換し、デコードして出力する。
リカバリ/デコーダ82Cは、TMDSチャネル#2で差動信号により送信されてくる画像データのR成分、制御ビットCTL2,CTL3、補助データを受信する。そして、リカバリ/デコーダ82Cは、その画像データのR成分、制御ビットCTL2,CTL3、補助データを、シリアルデータからパラレルデータに変換し、デコードして出力する。
図9は、HDMIの3つのTMDSチャネル#0,#1,#2で各種の伝送データが伝送される伝送区間(期間)の例を示している。なお、図10は、TMDSチャネル#0,#1,#2において、横×縦が720×480画素のプログレッシブの画像が伝送される場合の、各種の伝送データの区間を示している。
HDMIの3つのTMDSチャネル#0,#1,#2で伝送データが伝送されるビデオフィールド(Video Field)には、伝送データの種類に応じて、以下の各区間が存在する。即ち、ビデオデータ区間(VideoData period)、データアイランド区間(Data Island period)、およびコントロール区間(Control period)の3種類の区間が存在する。
ビデオフィールド区間は、ある垂直同期信号の立ち上がりエッジ(activeedge)から次の垂直同期信号の立ち上がりエッジまでの区間である。この区間は、水平ブランキング期間(horizontalblanking)、垂直ブランキング期間(vertical blanking)、アクティブビデオ区間(Active Video)に分けられる。アクティブビデオ区間は、ビデオフィールド区間から、水平ブランキング期間および垂直ブランキング期間を除いた区間である。
ビデオデータ区間は、アクティブビデオ区間に割り当てられる。このビデオデータ区間では、非圧縮の1画面分の画像データを構成する720画素×480ライン分の有効画素(Active pixel)のデータが伝送される。
データアイランド区間およびコントロール区間は、水平ブランキング期間および垂直ブランキング期間に割り当てられる。このデータアイランド区間およびコントロール区間では、補助データ(Auxiliary data)が伝送される。
すなわち、データアイランド区間は、水平ブランキング期間と垂直ブランキング期間の一部分に割り当てられている。このデータアイランド区間では、補助データのうち、制御に関係しないデータである、例えば、オーディオデータのパケット等が伝送される。
コントロール区間は、水平ブランキング期間と垂直ブランキング期間の他の部分に割り当てられている。このコントロール区間では、補助データのうちの、制御に関係するデータである、例えば、垂直同期信号および水平同期信号、制御パケット等が伝送される。
ここで、現行のHDMIでは、TMDSクロックチャネルで伝送されるピクセルクロックの周波数は、例えば165MHzであり、この場合、データアイランド区間の伝送レートは約500Mbps程度である。
6.テレビジョン受像機及びAVアンプの動作例[図10〜図35]
次にテレビジョン受像機200の動作について説明する。まず、テレビジョン受像機200がアプリケーションサーバ12から適宜提供を受けるアプリケーションを実行することで表示パネル216へ表示する画面の内容について説明する。
図10は、テレビジョン受像機200の表示パネル216に表示される映像の一例を示す説明図である。この状態から、アプリケーションサーバ12から適宜提供を受けるアプリケーションをテレビジョン受像機200に実行させるには、例えば、ユーザはリモートコントローラ800の所定のボタン(例えばホームボタン813)を押下する。ユーザによるリモートコントローラ800の所定のボタンの押下により、アプリケーションを実行するための画面(以下「初期画面」と称する)をテレビジョン受像機200の表示パネル216に表示させることができる。
図11は、表示パネル216が表示する初期画面の例を示す説明図である。図11に示した初期画面には、テレビジョン受像機200のリモートコントローラ800を用いてAVアンプ300を操作するアプリケーション(以下「オーディオ機器コントロールアプリケーション」とも称する)を起動するためのアイコン901aと、当該アプリケーションの説明文901bが表示されている。なお、図11に示した点線は説明のために付したものであり、実際の初期画面には表示されないものである。
表示パネル216への初期画面の表示処理については、例えば国際公開第2008/093780号に開示されたものを用いることができる。すなわち、テレビジョン受像機200は、アプリケーションサーバ12から供給されるアプリケーションリストに基づいてアイコン及びアプリケーションの説明文を表示パネル216に表示するように動作する。表示パネル216への表示動作の制御は、例えばCPU231が映像・グラフィック処理回路214に対する表示制御を実行することによって行われる。テレビジョン受像機200のユーザは、アプリケーションをテレビジョン受像機200に実行させるために任意のアイコンを選択してリモートコントローラ800の所定のボタン(例えば決定ボタン811)を押下する。
図12は、例えば、図11に示した状態の初期画面においてユーザがリモートコントローラ800の決定ボタン811を押下した場合に表示される画面の一例を示す説明図である。初期画面でユーザが決定ボタン811を押下すると、図12に示したように、表示パネル216には、テレビジョン受像機200が受信した放送の映像や、ビデオレコーダ400等から伝送される映像が映像表示領域902に表示される他に、決定ボタン811の押下によってアプリケーションサーバ12から供給され、フラッシュROM232に保存されたアプリケーションのサービスがCPU231によって起動されて、映像・グラフィック処理回路214による描画処理及びパネル駆動回路215によるパネル駆動処理によって、アプリケーション表示領域903、904、905に表示される。図12に示した例では、アプリケーション表示領域903、904、905に表示されるサービスの内、アプリケーション表示領域904に表示されているものがオーディオ機器コントロールアプリケーションのサービスである。なお、本発明においては、図12に示した画面には、図11に示した初期画面を経由せずに、図10に示すような画面が表示されている状態から、リモートコントローラ800の所定のボタンが押下されたことより遷移させるようにしてもよい。
アプリケーションサーバ12からのアプリケーションの取得処理は、例えば国際公開第2008/093780号に開示されたものを用いることができる。テレビジョン受像機200は、アプリケーションサーバ12からアプリケーションを一度に全てダウンロードするのではなく、必要に応じて最新のファイルを適宜アプリケーションサーバ12からダウンロードする。
図12のアプリケーション表示領域904には、ユーザがオーディオ機器コントロールアプリケーションをテレビジョン受像機200に登録した後に、一度もオーディオ機器コントロールアプリケーションをアクティブモードに遷移させていない場合の画像が表示される。ここで、アプリケーションを登録するとは、初期画面から任意のアプリケーションをユーザが選択した際に、当該選択されたアプリケーション以外のアプリケーションであってもサービスを起動させるようにテレビジョン受像機200へ設定することである。もちろんアプリケーションを登録していなくても初期画面からアプリケーションを選択し、そのアプリケーションのサービスを起動することは可能である。また、アクティブモードとは、一つのアプリケーションにより提供される情報のみが表示パネル216に表示されるモードである。これに対して、図12のように複数のアプリケーションにより提供される情報が表示されている状態をノーマルモードと称する。
図13は、図11に示した状態の初期画面においてユーザがリモートコントローラ800の決定ボタン811を押下した場合に表示される画面の一例を示す説明図である。決定ボタン811が押下されたことをCPU231が検知すると、CPU231はオーディオ機器コントロールアプリケーションを実行して図13に示したような画面を表示パネル216に表示させる。図13に示した画面には、ユーザがオーディオ機器コントロールアプリケーションをテレビジョン受像機200に登録した後に少なくとも一度、オーディオ機器コントロールアプリケーションをアクティブモードに遷移させた場合の画像が表示パネル216へ表示されている。このように、オーディオ機器コントロールアプリケーションのアクティブモードへの遷移の有無によって表示パネル216へ表示する画像を変えても良い。
なお、図13のアプリケーション表示領域904には、テレビジョン受像機200に接続されているAVアンプ300の音声入力がテレビジョン受像機200(TV)であり、サウンドフィールドが特に音声加工を施さないスタンダード(STANDARD)であることを示す情報が表示されている。この情報は、アプリケーションサーバ12のCPU31の命令により、テレビジョン受像機200からAVアンプ300に対してHDMI−CECのメッセージを用いて音声入力及びサウンドフィールドの設定の問い合わせを行い、AVアンプ300からテレビジョン受像機200に音声入力及びサウンドフィールドの設定が返答されることで得ることができる。
図14Aは、表示パネル216に図13に示した状態の画面が表示されている状態で、ユーザがリモートコントローラ800の決定ボタン811を押下して、オーディオ機器コントロールアプリケーションをノーマルモードからアクティブモードに遷移させた場合に表示パネル216に表示される画面の例を示す説明図である。決定ボタン811が押下されたことをCPU231が検知すると、CPU231はオーディオ機器コントロールアプリケーションをノーマルモードからアクティブモードに遷移させて、表示パネル216への画面表示を変更するように処理を行う。
図14Aに示した例では、AVアンプ300の音声入力元を設定するための画面が表示パネル216のアプリケーション表示領域911に表示されている。ユーザは、リモートコントローラ800を操作することでAVアンプ300の音声入力元を変更することができる。従来においては、AVアンプの音声入力元はテレビジョン受像機のリモートコントローラでは変更出来たが、AVアンプが選択している入力の情報をテレビジョン受像機側に表示することができなかったため、テレビジョン受像機の画面上で操作することができなかった。また、このような操作性の制約があることから、実際にはテレビジョン受像機のリモートコントローラでのAVアンプの入力の切り換えはあまり行なわれず、その操作の際には、ユーザはAVアンプのリモートコントローラを操作して、AVアンプの設定を変更する必要があった。本実施の形態では、テレビジョン受像機200がアプリケーションサーバ12から必要に応じて適宜ダウンロードしたオーディオ機器コントロールアプリケーションを実行することで表示パネル216に表示した画面を、ユーザがテレビジョン受像機200のリモートコントローラ800を操作することで、AVアンプ300に固有の処理をテレビジョン受像機200から制御することが可能になる。
図14Bは、図14Aに示したアプリケーション表示領域911に表示されるオーディオ機器コントロールアプリケーションの画面の各部を説明する図である。なお、図14Bの破線は説明の便宜上付したものであり、実際にはこれらの破線は表示されない。
符号921で示した領域は、AVアンプ300の機種名(または型番)を表示する領域である。符号921で示した領域に表示するAVアンプ300の機種名(または型番)は、テレビジョン受像機200からAVアンプ300へ問い合わせ、AVアンプ300からテレビジョン受像機200への返信によって取得される。符号922で示した領域は、AVアンプ300の電源をオフにするためのボタンを表示する領域である。ユーザがリモートコントローラ800を操作してカーソルを当該ボタンに移動させて、決定ボタン811を押下することで、CPU231はAVアンプ300の電源をオフ操作がなされたことを検知し、AVアンプ300に対して電源を切断するコマンドを送出することで、AVアンプ300の電源をオフにすることができる。符号923で示した領域は、AVアンプ300の変更対象の設定を指定するためのタブを表示する領域である。本実施の形態では、AVアンプ300の音声入力元、AVアンプ300のサウンドフィールド、AVアンプ300の音質を、オーディオ機器コントロールアプリケーションで変更することができる。符号924は、選択されたタブの説明文を表示する領域である。
符号925で示した領域は、AVアンプ300の音声入力元の情報を表示する領域である。符号925で示した領域に表示するAVアンプ300の音声入力元は、テレビジョン受像機200からAVアンプ300へ問い合わせ、AVアンプ300からテレビジョン受像機200への返信によって取得される。ユーザはリモートコントローラ800を操作することで、符号925で示した領域に表示されている音声入力元の中から一つの音声入力元を選択することができる。符号926は、現在のAVアンプ300の音声入力元を示すアイコンである。符号927はカーソルを示し、現在のフォーカス項目を表すものである。
符号928で示した領域は、符号927で示した現在のフォーカス項目でフォーカスしているAVアンプ300の音声入力元に対応する画像を表示するための領域である。図14Bでは、現在「TV」にフォーカスされているので、テレビジョン受像機をイメージする画像が符号928で示した領域に表示されている。符号929で示した領域は、リモートコントローラ800の操作ガイドを示す領域である。図14Bでは、リモートコントローラ800の青ボタンを押下するとオーディオ(AVアンプ300)の電源をオフすることができ、リモートコントローラ800の戻るボタン814を押下すると前の画面、すなわちノーマルモードの画面に戻ることができることを、符号929で示した領域で表示している。
図15は、オーディオ機器コントロールアプリケーションがアクティブモードにある場合の、表示パネル216に表示される画面の別の例を示す図である。図15に示した例では、AVアンプ300のサウンドフィールドを設定するための画面が表示パネル216のアプリケーション表示領域911に表示されている。ユーザはリモートコントローラ800を操作することで、AVアンプ300のサウンドフィールドを設定することができる。
ユーザが、リモートコントローラ800の左方向ボタン812cまたは右方向ボタン812dを押下することによって、図15に示したようなAVアンプ300のサウンドフィールドを設定するための画面を表示パネル216に表示させることができる。
図16は、オーディオ機器コントロールアプリケーションがアクティブモードにある場合の、表示パネル216に表示される画面の別の例を示す図である。図16に示した例では、AVアンプ300が出力する音の音質を設定するための画面が表示パネル216のアプリケーション表示領域911に表示されている。ユーザはリモートコントローラ800を操作することで、AVアンプ300が出力する音声の音質を設定することができる。AVアンプ300が出力する音の音質を設定するための画面を表示パネル216に表示させるには、同様に、リモートコントローラ800の左方向ボタン812cまたは右方向ボタン812dを、ユーザに押下させる。
図17は、オーディオ機器コントロールアプリケーションがアクティブモードにある場合の、表示パネル216に表示される画面の別の例を示す図である。図17は、テレビジョン受像機200にHDMIケーブル701で接続しているAVアンプ300が、オーディオ機器コントロールアプリケーションで制御することができないものである場合に、表示パネル216のアプリケーション表示領域911に表示される画面の例である。このような表示は、テレビジョン受像機200でオーディオ機器コントロールアプリケーションを起動したが、AVアンプ300の接続が確認できなかったか、接続は確認できても、接続されているAVアンプ300がオーディオ機器コントロールアプリケーションで制御できない機種である場合にCPU231の制御によって行われる。図17に示すような画面を表示パネル216に表示することで、ユーザに対し、テレビジョン受像機200にHDMIケーブル701で接続しているAVアンプ300が、オーディオ機器コントロールアプリケーションで制御することができないものであることを認識させることができる。
図18は、オーディオ機器コントロールアプリケーションがアクティブモードにある場合の、表示パネル216に表示される画面の別の例を示す図である。図18は、オーディオ機器コントロールアプリケーションがアクティブモードにある場合において、テレビジョン受像機200とAVアンプ300とを接続しているHDMIケーブル701が、テレビジョン受像機200またはAVアンプ300から引き抜かれ、AVアンプ300の接続がテレビジョン受像機200で認識できなくなったときに、表示パネル216のアプリケーション表示領域911に表示される画面の例である。この場合は、図18に示したような画面を表示パネル216のアプリケーション表示領域911に表示してから所定の時間が経過すると、オーディオ機器コントロールアプリケーションはノーマルモードに自動的に遷移する。なお、オーディオ機器コントロールアプリケーションがアクティブモードにある場合において、テレビジョン受像機200にHDMIケーブル701で接続しているAVアンプ300の電源が、オーディオ機器コントロールアプリケーションによらずにオフになった場合に(すなわち、AVアンプ300の電源が直接オフになった場合に)表示パネル216のアプリケーション表示領域911には、図18に示したものとは異なる画面を表示してもよい。
オーディオ機器コントロールアプリケーションは、テレビジョン受像機200にHDMIケーブル701で接続しているAVアンプ300の状況に応じて異なる画面を表示させることができる。図19は、オーディオ機器コントロールアプリケーションがアクティブモードにある場合の、表示パネル216に表示される画面の別の例を示す図である。図19は、図16と同様に、AVアンプ300が出力する音声の音質を設定するための画面が表示パネル216のアプリケーション表示領域911に表示されている。しかし、図19に示す図では、図16に示す図と比較すると、設定項目の内容が異なっている。このように、CPU231によって実行されるオーディオ機器コントロールアプリケーションは、テレビジョン受像機200に接続されているAVアンプ300の機種や状況に応じて異なる画面を表示させることができる。
以上、テレビジョン受像機200がアプリケーションサーバ12から適宜提供を受けるアプリケーションを実行することで表示パネル216へ表示する画面の内容について説明した。次に、テレビジョン受像機200及びAVアンプ300の動作について図面を参照しながら説明する。
図20は、テレビジョン受像機200にAVアンプ300をHDMIケーブル701で接続した場合のテレビジョン受像機200の動作について示す流れ図である。なお、図20は、テレビジョン受像機200のHDMI機器制御(テレビジョン受像機200にHDMIケーブルで直接、または間接的に接続された機器に対する、テレビジョン受像機200からの制御をいう)が有効になっている場合の動作を示したものである。
テレビジョン受像機200にAVアンプ300がHDMIケーブル701で接続されると、テレビジョン受像機200はAVアンプ300の接続を認識することができる(ステップS101)。具体的には、テレビジョン受像機200にAVアンプ300がHDMIケーブル701で接続されると、HPD端子がLOWレベルからHIGHレベルになり、AVアンプ300のHDMI受信部307は物理アドレスを取得するとともに、ポーリング動作を行って論理アドレスの取得を行う。このタイミングでAVアンプ300は、Report Physical Addressによって論理アドレス5でブロードキャスト送信し、HDMIケーブルで接続されているCEC対応機器に自身の存在を通知する。テレビジョン受像機200は、AVアンプ300の論理アドレスからのReport Physical Addressの通知、またはテレビジョン受像機200が定期的に送信するポーリングにて、AVアンプ300の所在を確認する。このようにして、テレビジョン受像機200はAVアンプ300の接続を認識する。
上記ステップS101でテレビジョン受像機200がAVアンプ300の接続を認識すると、テレビジョン受像機200に接続されたAVアンプ300がオーディオ機器コントロールアプリケーションによる制御が可能であるものかどうかを判別するために、テレビジョン受像機200からAVアンプ300に対し、AVアンプ300が対応しているオーディオ機器コントロールアプリケーション(以下の説明では「ウィジェット(Widget)」とも称する)の情報を要求する(ステップS102)。テレビジョン受像機200は、AVアンプ300から対応Widgetの情報の返答があるまで所定の時間待機する(ステップS103)。テレビジョン受像機200は、AVアンプ300からの返答により、接続されたAVアンプ300がWidgetに対応する機種であるか否か、また対応したWidgetは何であるかを知ることができる。AVアンプ300から対応Widgetの情報が返答されると、テレビジョン受像機200は、AVアンプ300から返答があった対応Widgetがテレビジョン受像機200のアプリケーションリストに登録済みであるかどうかを判断する(ステップS104)。
上記ステップS104の判断の結果、AVアンプ300から返答があった対応Widgetがテレビジョン受像機200のアプリケーションリストに登録されていない場合には、テレビジョン受像機200は、アプリケーションサーバ12にアクセスして、対応Widgetを取得できるようになるまで待機し(ステップS105)、アプリケーションサーバ12で対応Widgetを取得できるようになると、テレビジョン受像機200は対応Widgetをアプリケーションリストに登録する(ステップS106)。
AVアンプ300の対応Widgetがテレビジョン受像機200のアプリケーションリストに登録されると、テレビジョン受像機200はAVアンプ300に対して、ステータス自発要求をONに指定するメッセージを送信する(ステップS107)。AVアンプ300は、メッセージを受けると、Widgetに対応したステータスをAVアンプ300から自発できるようになり、テレビジョン受像機200からのステータス自発要求をOFFに指定するメッセージを受けるまで、このステータスの自発を続ける。
テレビジョン受像機200からAVアンプ300の動作を制御するアプリケーションに対応するためには、AVアンプ300から現在の状態を適宜テレビジョン受像機200に通知する必要がある。そのため、ベンダ特有コマンド(Vender Specific Command)がAVアンプ300から多く発行されることによるトラフィックの負荷増大が懸念される。そこで本実施形態では、テレビジョン受像機200がオーディオ機器コントロールアプリケーションの実行を開始するタイミングで、AVアンプ300に対してステータスを自発するように設定し、実行を終了するタイミングで、AVアンプ300に対してステータスを自発しないように設定する。これにより、テレビジョン受像機200とAVアンプ300との間のトラフィックの増大を抑えて、トラフィック負荷を軽減することができる。
ユーザによるテレビジョン受像機200に登録されたWidgetの操作は任意のタイミングで行うことが可能だが、通常、AVアンプ300の操作が行われるのは、テレビジョン受像機200を使用している期間中全てということはないと考えられる。Widget対応した機器同士を接続し、AVアンプ300の操作をした場合には、AVアンプ300の正しい状態をWidgetに通知する必要があるが、その通知はWidgetが起動しているときだけでよい。AVアンプ300から常にステータスを自発するとCECのトラフィックの負荷が増え、通常のCEC動作のタイミングが(若干であるにせよ)遅くなり、ユーザの操作感が損なわれる可能性がある。従って、ステータス自発の必要の無いときには、AVアンプ300はステータスの自発を行わないようにする。従って、Widgetの起動時と終了時のそれぞれに、テレビジョン受像機200はAVアンプ300に対して、ステータス自発要求をそれぞれON/OFFで送信する。
図21は、テレビジョン受像機200でオーディオ機器コントロールアプリケーションを実行した場合のテレビジョン受像機200の動作について示す流れ図である。オーディオ機器コントロールアプリケーションは、例えば図11に示したような初期画面からテレビジョン受像機200に実行させることができる。
テレビジョン受像機200は、アプリケーションサーバ12から適宜提供されるオーディオ機器コントロールアプリケーションを実行しようとする場合には(ステップS201)、オーディオ機器コントロールアプリケーションの機能により、AVアンプ300のモデル情報をAVアンプ300に対して問い合わせる(ステップS202)。AVアンプ300のモデル情報とは、例えば、AVアンプ300の機種に関する情報や、AVアンプ300の販売先に関する情報等が含まれる。テレビジョン受像機200は、AVアンプ300からAVアンプ300のモデル情報の返答があるまで所定の時間待機する(ステップS203)。
AVアンプ300からAVアンプ300のモデル情報の返答があると、テレビジョン受像機200はAVアンプ300に対して、ステータス自発要求をONに指定するメッセージを送信する(ステップS204)。これは上述のステップS107の処理と同一の処理であり、図21に示したテレビジョン受像機200の処理は図20に示した処理に続けて行われる場合もあるが、オーディオ機器コントロールアプリケーションは任意のタイミングで実行することができるため、この時点でもテレビジョン受像機200はAVアンプ300に対して、ステータス自発要求をONに指定するメッセージを送信することにする。
ステップS204でステータス自発要求をONに指定するメッセージを送信すると、続いてテレビジョン受像機200はAVアンプ300に対して現在のステータスの返答を要求する(ステップS205)。AVアンプ300は後述の状態返答処理でテレビジョン受像機200に対して現在の状態を返答するが、AVアンプ300からの返答があるまでの間、テレビジョン受像機200は、AVアンプ300の状態を取得中である旨の表示を表示パネル216へ表示する処理をオーディオ機器コントロールアプリケーションで実行してもよい(ステップS206)。
テレビジョン受像機200は、AVアンプ300からAVアンプ300の現在の状態の返答があるまで所定の時間待機する(ステップS207)。AVアンプ300から、AVアンプ300の現在の状態の返答があると、テレビジョン受像機200は、オーディオ機器コントロールアプリケーションがAVアンプ300の状態を取得中である旨の表示を実行していればその表示を停止し、AVアンプ300のモデル、及びAVアンプ300から返答があったAVアンプ300の現在の状態に基づいて適切なユーザインタフェースの表示を、オーディオ機器コントロールアプリケーションで実行する(ステップS208)。
図22は、テレビジョン受像機200でオーディオ機器コントロールアプリケーションの実行を終了する場合の、テレビジョン受像機200の動作について示す流れ図である。
テレビジョン受像機200は、オーディオ機器コントロールアプリケーションの実行を終了しようとする場合には(ステップS301)、まずAVアンプ300に対して、ステータス自発要求をOFFに指定するメッセージを送信する(ステップS302)。ステータス自発要求をOFFに指定するメッセージをAVアンプ300へ送信することで、AVアンプ300からのステータス自発が停止され、CECのトラフィック負荷を軽減させることができる。
そして、オーディオ機器コントロールアプリケーションの実行の終了に伴い、オーディオ機器コントロールアプリケーションによるユーザインタフェース画面の表示が停止され、テレビジョン受像機200の表示パネル216には、例えば図11に示したような初期画面が表示される。
図23は、テレビジョン受像機200でオーディオ機器コントロールアプリケーションを用いてAVアンプ300の設定を変更する場合の、テレビジョン受像機200の動作について示す流れ図である。
テレビジョン受像機200でオーディオ機器コントロールアプリケーションを用いてAVアンプ300の設定を変更しようとする場合には(ステップS401)、オーディオ機器コントロールアプリケーションが表示アンプ216に表示するユーザインタフェース画面を、リモートコントローラ800のユーザ操作に基づいて更新する(ステップS402)。そしてテレビジョン受像機200は、ユーザインタフェース画面の更新とともに、テレビジョン受像機200からAVアンプ300へ、ユーザインタフェース画面に応じた設定に変更するコマンドを送信する。テレビジョン受像機200からのコマンドを受信したAVアンプ300は、コマンドの内容に応じた設定に変更する。
AVアンプ300の設定は、オーディオ機器コントロールアプリケーション経由で変更することもできるが、AVアンプ300に対して直接変更することもできる。AVアンプ300の設定を直接変更した場合には、変更後の設定内容をAVアンプ300からテレビジョン受像機200に伝送し、画面表示を更新することが望ましい。図24は、テレビジョン受像機200でオーディオ機器コントロールアプリケーションを実行している場合に、AVアンプ300の設定をテレビジョン受像機200が受信する際におけるテレビジョン受像機200の動作について示す流れ図である。
AVアンプ300の設定をテレビジョン受像機200が受信すると(ステップS501)、オーディオ機器コントロールアプリケーションは、表示パネル216に表示するユーザインタフェース画面を、AVアンプ300の設定の内容に基づいて更新する(ステップS502)。このように表示を更新することで、AVアンプ300の設定を直接変更した場合であっても、AVアンプ300の設定内容をテレビジョン受像機200で確認することができる。
図25は、AVアンプ300がテレビジョン受像機200から対応Widgetの情報の要求を受信した場合の処理を示す流れ図であり、テレビジョン200が図20のステップS102の処理を実行した後にAVアンプ300が実行する処理を示したものである。
AVアンプ300は、テレビジョン受像機200から対応Widgetの情報の要求を受信すると(ステップS601)、AVアンプ300の内部に格納されている対応Widgetの情報をテレビジョン受像機200に返答する(ステップS602)。テレビジョン受像機200は、AVアンプ300から対応Widgetの情報を受け取ることでAVアンプ300を制御するために適切なWidgetをアプリケーションサーバ12からダウンロードすることができる。
図26は、AVアンプ300がテレビジョン受像機200からステータス自発要求の変更を指定するメッセージを受信した場合の処理を示す流れ図であり、テレビジョン200が図20のステップS107、図21のステップS204、図22のステップS302の処理を実行した後にAVアンプ300が実行する処理を示したものである。
AVアンプ300は、テレビジョン受像機200からステータス自発要求の変更を指定するメッセージを受信すると(ステップS701)、受信したメッセージに基づいてステータス自発要求の設定を変更する(ステップS702)。すなわち、テレビジョン受像機200が図20のステップS107、図21のステップS204の処理を実行して、テレビジョン受像機200がAVアンプ300に対して、ステータス自発要求をONに指定するメッセージを送信すると、AVアンプ300はステータス自発の状態をONに設定する。一方、テレビジョン受像機200が図22のステップS302の処理を実行して、テレビジョン受像機200がAVアンプ300に対して、ステータス自発要求をOFFに指定するメッセージを送信すると、AVアンプ300はステータス自発の状態をOFFに設定する。
このように、テレビジョン受像機200からステータス自発要求の変更を指定するメッセージを受信することで、AVアンプ300は、ステータス自発要求がONになっている間のみ、AVアンプ300のステータスを自発することで、CECのトラフィックの負荷を抑えることができる。
図27は、AVアンプ300がテレビジョン受像機200からモデル情報の問い合わせを受信した場合の処理を示す流れ図であり、テレビジョン受像機200が図21のステップS202の処理を実行した後にAVアンプ300が実行する処理を示したものである。
AVアンプ300は、テレビジョン受像機200からモデル情報の問い合わせを受信すると(ステップS801)、受信したメッセージに基づいて自身のモデル情報をテレビジョン受像機200に返答する(ステップS802)。なお、AVアンプ300は、自身のモデル情報と合わせて、機種を一意に特定する機種IDの情報もテレビジョン受像機200に返答しても良い。これにより、テレビジョン受像機200はAVアンプ300から返答されてきたモデル情報に基づいて、アプリケーションサーバ12からダウンロードしたWidgetの動作を、機種ごとの動作ができるように動的に変更することができる。例えば、テレビジョン受像機200で動作するWidgetは、AVアンプ300から返答されてきたモデル情報を用いることで、テレビジョン受像機200に接続されているAVアンプ300に応じた機種名を表示パネル216に表示することができる。
図28は、AVアンプ300がテレビジョン受像機200から現在のステータスの要求を受信した場合の状態返答処理を示す流れ図であり、テレビジョン受像機200が図21のステップS205の処理を実行した後にAVアンプ300が実行する処理を示したものである。
AVアンプ300は、テレビジョン受像機200から現在のステータスの要求を受信すると(ステップS901)、受信したメッセージに基づいて自身の現在のステータスの情報をテレビジョン受像機200に返答する(ステップS902)。AVアンプ300が返答する現在のステータスの情報には、例えば、現在の音声入力元、現在のサウンドフィールドの設定、現在の音質の設定が含まれていても良い。AVアンプ300が現在のステータスの情報をテレビジョン受像機200に返答することで、テレビジョン受像機200で動作するWidgetはAVアンプ300の現在のステータスの情報を表示パネル216に表示することができる。
図29は、AVアンプ300がテレビジョン受像機200から現在のステータスを変更するコマンドを受信した場合の処理を示す流れ図であり、テレビジョン受像機200が図23のステップS403の処理を実行した後にAVアンプ300が実行する処理を示したものである。
AVアンプ300は、テレビジョン受像機200から現在のステータスを変更するコマンドを受信すると(ステップS1001)、受信したコマンドに基づいて現在のステータスを変更する(ステップS1002)。そして、AVアンプ300は現在のステータスを変更すると、必要に応じて表示部325への表示を変更する(ステップS1003)。これにより、テレビジョン受像機200で動作するWidgetから送信されるコマンドに基づいてAVアンプ300のステータスを変更することができる。
図30は、テレビジョン受像機200からではなく、AVアンプ300に対する操作が直接行われ、AVアンプ300の現在のステータスが変更された場合の処理を示す流れ図である。
AVアンプ300に対する操作が直接行われ(ステップS1101)、AVアンプ300の現在の内部状態が変更されると(ステップS1102)、必要に応じて表示部325への表示を変更した(ステップS1103)後に、ステータス自発要求がONになっていればテレビジョン受像機200に向けて変更後のステータスの情報を送信する(ステップS1104)。
このように、AVアンプ300に対する操作が直接行われ、AVアンプ300の現在のステータスが変更された場合には、テレビジョン受像機200に向けて変更後のステータスの情報を送信することで、テレビジョン受像機200で動作するWidgetによる表示パネル216への表示内容を変更することができる。例えば、テレビジョン受像機200でWidgetが動作している際に、AVアンプ300のリモートコントローラを用いて音声入力元やサウンドフィールドの設定を変更した場合であっても、変更後の内容を表示パネル216へ表示することができる。
以上、図面を用いてテレビジョン受像機200及びAVアンプ300の動作を説明した。次に、テレビジョン受像機200とAVアンプ300との間でやり取りされるコマンドの内容について例示する。
本実施形態では、テレビジョン受像機200とAVアンプ300との間でやり取りされるコマンドには、各ベンダによって定義されるベンダ特有のコマンド(Vender Specific Command)が用いられる。
図31は、CECライン(CECチャネル)で伝送されるデータのブロック構成を示している。CECラインでは、1ブロックが4.5m秒で伝送される構成とされている。データ伝送開始時には、スタートビットが配置され、それに続いて、ヘッダブロックが配置され、その後に、実際に伝送したいデータが含まれる任意の個数(n個)のデータブロックが配置される。図32は、ヘッダブロックのデータ構造例を示している。ヘッダブロックには、送信元の論理アドレス(ソースアドレス)と、送信先の論理アドレス(シンクアドレス)とが配置される。
一般的に、CECのメッセージは10ビットのデータが最大16個繋がった構成をとる。その10ビットの内、後ろの2ビットは図32に示したように最終ビットである旨を示すEOMビットと、認識したことを示すACKビットとからなる。従って、以下においては、10ビットのデータの内、前の8ビットを1バイトとして扱うこととして説明する。
CECコマンドの先頭1バイトは、コマンドの送信元の論理アドレスが格納される4ビットと、コマンドの送信先の論理アドレスが格納される4ビットとからなる。図2に示したように、テレビジョン受像機は一般的に論理アドレスとして0が指定され、AVアンプは論理アドレスとして5が指定される。またコマンドの送信方法としては、1つのデバイスから全てのデバイスへ対して送信するブロードキャストと、1つのデバイスから特定の論理アドレスのデバイスへ対して送信するユニキャストとがある。
図33は、テレビジョン受像機200とAVアンプ300との間でやり取りされるコマンド(Vender Specific Command、以下単にコマンドとも称する)のデータ構造を示す説明図である。
1バイト目は、上述したようにコマンドの送信元及び送信先が格納される。図33に示した例では論理アドレスが0のデバイス(すなわちテレビジョン受像機200)から、論理アドレスが5のデバイス(すなわちAVアンプ300)に対する送信であることを示している。
2バイト目はオペコード(Opecode)を示しており、続く3バイトにベンダを一意に識別するVenderIDが格納されることを示している。3バイト目から5バイト目にはベンダを一意に識別するVenderIDが格納される。そして6バイト目以降が、各ベンダが自由に定義して仕様することができる領域となっている。本実施形態では、6バイト目及び7バイト目は、コマンドのオペコードを格納するために使用され、8バイト目から16バイト目は、オペランドを格納するために使用される。
このようなデータ構造を有するコマンドを、HDMIケーブル701で接続されたテレビジョン受像機200とAVアンプ300との間で送り合うことで、テレビジョン受像機200からAVアンプ300の制御を実行し、またAVアンプ300からは現在の各種ステータスの情報をテレビジョン受像機200に伝送することができる。
図34は、テレビジョン受像機200とAVアンプ300との間でやり取りされるコマンドのデータ構成例を示す説明図である。図34では、テレビジョン受像機200からAVアンプ300へのステータス要求コマンド、AVアンプ300からテレビジョン受像機200へのステータス通知コマンド、及びテレビジョン受像機200からAVアンプ300へのステータス設定コマンドのデータ構成例が示されている。
図34に示したデータ構成例は、コマンドの6バイト目及び7バイト目で規定されるオペコードが「0x0000」の場合は、テレビジョン受像機200からAVアンプ300へ現状のステータスを要求するコマンドであり、オペコードが「0x0001」の場合は、AVアンプ300からテレビジョン受像機200へ現状のステータスを通知するコマンドであり、オペコードが「0x0002」の場合は、テレビジョン受像機200からAVアンプ300への設定コマンドであることを示している。
図34に示したAVアンプ300からテレビジョン受像機200へのステータス通知コマンド、及びテレビジョン受像機200からAVアンプ300へのステータス設定コマンドの各バイトのデータについて説明する。8バイト目はセンタースピーカの音質設定に関し、9バイト目はサブウーファーの音質設定に関する。10バイト目及び11バイト目は、それぞれ前方の左スピーカ及び右スピーカの音質設定に関し、12バイト目及び13バイト目は、それぞれ左サラウンドスピーカ及び右サラウンドスピーカの音質設定に関する。14バイト目以降はこれらのコマンドでは使用されない。
本実施形態では、図34に示した各バイトは符号付きの値で、−20dBから+20dBの範囲で0.5dB刻みの値を取るものとする。また、機能が無い項目や、設定の変化が無い項目については、該当するバイトに無効値(例えば「0x80」)を埋め込んで送信する。
AVアンプ300からテレビジョン受像機200へ、例えば、センタースピーカの音質が+0dB、サブウーファーの音質が+1dB、前方の左スピーカの音質が−2dB、前方の右スピーカの音質が+3dBであり、サラウンドスピーカはその機能が存在しないことをコマンドで通知する場合には、8バイト目から順に「0x00 0x01 0x00 0x02 0xFC 0x06 0x80 0x80」として、AVアンプ300からコマンドを送信する。
また、テレビジョン受像機200からAVアンプ300へ、例えば、センタースピーカの音質を+0dB、サブウーファーの音質を+1dB、前方の左スピーカの音質を−2dB、前方の右スピーカの音質を+3dBに設定し、サラウンドスピーカはその機能が存在しないために設定をしないことをコマンドで通知する場合には、8バイト目から順に「0x00 0x02 0x00 0x02 0xFC 0x06 0x80 0x80」として、テレビジョン受像機200からコマンドを送信する。
また、テレビジョン受像機200からAVアンプ300へ、例えば、センタースピーカの音質のみを+4dBに設定し、他のスピーカの音質は変更しない場合(サラウンドスピーカはその機能が存在しないために設定をしない)には、8バイト目から順に「0x00 0x02 0x08 0x80 0x80 0x80 0x80 0x80」として、テレビジョン受像機200からコマンドを送信する。AVアンプ300は、テレビジョン受像機200からのコマンドを受けて設定を変更した後に、テレビジョン受像機200に対して現状のステータスを返答する場合には、値を変更したフィールド以外にも、現状の値を含めて返答する。このように、設定を変更しない項目についても無効値を埋め込むことで、オーディオ機器コントロールアプリケーションで不要な情報を保持しておく必要が無い。また、全ての設定や現状のステータスの返答を一つのコマンドで一括して実行することで、HDMI−CECでの通信量を減らすことができる。
センタースピーカの音質のみを+4dBに設定し、他のスピーカの音質は変更しない場合には、上述したようなコマンドをテレビジョン受像機200から送信するが、受け手側(すなわちAVアンプ300)の都合で設定が出来なかった場合(例えば、設定対象のスピーカが一時的に使われていない場合など)には、設定出来なかった項目に無効値(0x80)を設定してAVアンプ300からテレビジョン受像機200へステータスを通知するコマンドを送信する。
図34に示したデータ構成例では、各バイトは符号付きの値であるとしたが、本発明はかかる例に限定されず、各バイトは符号無しの値をとることも出来る。図35は、テレビジョン受像機200とAVアンプ300との間でやり取りされるコマンドの別のデータ構成例を示す説明図である。
図35に示したデータ構成例は、コマンドの6バイト目及び7バイト目で規定されるオペコードが「0x0003」の場合は、テレビジョン受像機200からAVアンプ300へ現状のステータスを要求するコマンドであり、オペコードが「0x0004」の場合は、AVアンプ300からテレビジョン受像機200へ現状のステータスを通知するコマンドであり、オペコードが「0x0005」の場合は、テレビジョン受像機200からAVアンプ300への設定コマンドであることを示している。
図35に示したAVアンプ300からテレビジョン受像機200へのステータス通知コマンド、及びテレビジョン受像機200からAVアンプ300へのステータス設定コマンドの各バイトのデータについて説明する。8バイト目は所定の設定aに関し、9バイト目は所定の設定値bに関し、10バイト目は所定の設定値cに関する。11バイト目以降はこれらのコマンドでは使用されない。
本実施形態では、図35に示した各バイトは符号無しの値で、例えば、設定値aは0から3の範囲の値を、設定値bは0から5の範囲の値を、設定値cは0から2の範囲の値を、それぞれ取るものとする。また、機能が無い項目や、設定の変化が無い項目については、該当するバイトに無効値(例えば「0xFF」)を埋め込んで送信する。
AVアンプ300からテレビジョン受像機200へ、例えば、設定値aが1、設定値bが3であり、設定値cについては機能が存在しない旨をコマンドによって通知する場合には、8バイト目から順に「0x00 0x04 0x01 0x03 0xFF」として、AVアンプ300からコマンドを送信する。
また、テレビジョン受像機200からAVアンプ300へ、例えば、設定値aを2、設定値bを1に設定し、設定値cについてはその機能が存在しないために設定をしないことをコマンドで通知する場合には、8バイト目から順に「0x00 0x05 0x02 0x01 0xFF」として、テレビジョン受像機200からコマンドを送信する。
また、テレビジョン受像機200からAVアンプ300へ、例えば、設定値bのみ1に設定し、設定値aについては変更せず、設定値cについてはその機能が存在しないために設定をしないことをコマンドで通知する場合には、8バイト目から順に「0x00 0x05 0xFF 0x01 0xFF」として、テレビジョン受像機200からコマンドを送信する。このように、設定を変更しない項目についても無効値を埋め込むことで、オーディオ機器コントロールアプリケーションで不要な情報を保持しておく必要が無い。また、全ての設定や現状のステータスの返答を一つのコマンドで一括して実行することで、HDMI−CECでの通信量を減らすことができる。
設定値bのみ1に設定し、他の設定値は変更しない場合には、上述したようなコマンドをテレビジョン受像機200から送信するが、受け手側(すなわちAVアンプ300)の都合で設定が出来なかった場合(例えば、設定対象のスピーカが一時的に使われていない場合など)には、設定出来なかった項目に無効値(0xFF)を設定してAVアンプ300からテレビジョン受像機200へ現在のステータスを通知するコマンドを送信する。具体的には、8バイト目から順に「0x00 0x04 0x02 0xFF 0xFF」として、AVアンプ300からコマンドが送信される。
また、テレビジョン受像機200から、定められた範囲を超えて設定しょうとするコマンドを送信した場合には、当該項目についても設定出来なかった項目に無効値(0xFF)を設定してAVアンプ300からテレビジョン受像機200へ現在のステータスを通知するコマンドを送信する。例えば、テレビジョン受像機200からAVアンプ300へ、例えば、設定値bのみ6(範囲外の数値)に設定し、設定値aについては変更せず、設定値cについてはその機能が存在しないために設定をしないことをコマンドで通知する場合には、8バイト目から順に「0x00 0x05 0xFF 0x06 0xFF」として、テレビジョン受像機200からコマンドを送信する。しかし、設定値bは0から5の範囲の値しか取れないのでテレビジョン受像機200から送信される設定は受け付けることが出来ない。この場合は、8バイト目から順に「0x00 0x04 0x02 0xFF 0xFF」として、AVアンプ300からコマンドが送信される。
7.まとめ
以上説明したように本発明の一実施形態によれば、テレビジョン受像機200は、AVアンプ300の設定や動作を制御するためのアプリケーションをアプリケーションサーバ12からダウンロードして実行する。テレビジョン受像機200は、当該アプリケーションを実行することで、表示パネル216にAVアンプ300の設定や動作を制御するための画面を表示することができる。ユーザは、表示パネル216に表示された画面を見て、テレビジョン受像機200のリモートコントローラ800を操作することで、HDMI−CECで規格されたコマンド体系を用いて、AVアンプ300の電源オフ、音声入力元の変更、サウンドフィールドや音質の設定の変更を行うことができる。
また、AVアンプ300に対する操作は、テレビジョン受像機200に表示されたGUIによって行われるため、AVアンプ300にGUIを表示させるためのハードウェアを用意する必要が無い。また、フルHDの解像度に応じた高精細なユーザインタフェースや、写真を用いたリッチなインタフェースをユーザに提供することができる。また、そのインタフェースの実装も、テレビジョン受像機200にGUIを組み込む場合に比べて容易である。万が一アプリケーションに不具合があった場合や、アプリケーションで制御可能なAVアンプ300の対応機種が増加した場合であっても、テレビジョン受像機200にGUIを組み込む場合ではテレビジョン受像機200のファームウェアを更新しなければならないのに対し、アプリケーションサーバ12のアプリケーションを改修すれば不具合の解消や対応機種の増加が可能になる。
また、従来においては、テレビジョン受像機200からAVアンプ300を制御するアプリケーションをテレビジョン受像機200に組み込む際には、テレビジョン受像機200の開発とAVアンプ300の開発とを合わせて行う必要があったが、本実施形態のようにアプリケーションサーバ12からダウンロードする方式を採ることで、アプリケーションの開発をテレビジョン受像機200の開発から独立して行うことが可能になる。
テレビジョン受像機200にAVアンプ300がHDMIケーブル701で接続された際に、テレビジョン受像機200にAVアンプ300を制御するアプリケーションが登録されていなければ、テレビジョン受像機200はAVアンプ300から、AVアンプ300が対応しているアプリケーション(Widget)の情報を取得した上で、その情報に基づいてアプリケーションサーバ12からアプリケーション(Widget)を取得する。これにより、テレビジョン受像機200に接続されるAVアンプ300によって適切なアプリケーション(Widget)を用いて、テレビジョン受像機200からAVアンプ300を制御することができる。
また、テレビジョン受像機200がアプリケーションを実行した後は、テレビジョン受像機200が実行したアプリケーションからAVアンプ300に対して、機器のモデル情報を要求する。これにより、テレビジョン受像機200が実行したアプリケーションは、テレビジョン受像機200に接続されるAVアンプ300によって適切な表示や動作が可能になる。
なお、上記実施の形態では、テレビジョン受像機200で動作するアプリケーションを用いて、テレビジョン受像機200にHDMIケーブル701で接続されたAVアンプ300を制御する場合を例に挙げて説明したが、本発明はかかる例に限定されない。例えば、図1に示したAVシステム1の構成であれば、テレビジョン受像機200で動作するアプリケーションを用いて、テレビジョン受像機200からビデオレコーダ400、600や、ビデオプレーヤ500を制御する場合にも本発明は適用可能である。また、制御元となる装置についてもテレビジョン受像機200に限られないことは言うまでもない。
上述したテレビジョン受像機200の動作及びAVアンプ300の動作は、ハードウェア的に処理させることもできるし、ソフトウェア的に処理させることもできる。また、コンピュータが実行するプログラムは、本明細書で説明する順序に沿って時系列的に処理が行われるプログラムであっても良く、並列に、あるいは呼び出しが行われた時等の必要なタイミングで処理が行われるプログラムであっても良い。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば、上記実施形態では、テレビジョン受像機200はアプリケーションサーバ12から適宜アプリケーションをダウンロードして、ダウンロードしたアプリケーションを実行していたが、本発明はかかる例に限定されない。例えば、アプリケーションを終了したら、テレビジョン受像機200は、アプリケーションの実行時にアプリケーションサーバ12からダウンロードしてフラッシュROM232に保存したファイルを削除するように動作してもよい。フラッシュROM232に保存したファイルを削除することで、フラッシュROM232の容量を有効に活用することができ、またアプリケーションサーバ12からは常に最新のファイルをダウンロードすることができる。