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JP5578993B2 - 光電変換装置、焦点検出装置、および撮像システム - Google Patents

光電変換装置、焦点検出装置、および撮像システム Download PDF

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Description

本発明は光電変換装置に関し、特に、位相差検出型オートフォーカス(Auto Focusing;AF)を行う光電変換装置に関する。
一般に、光電変換装置においては、S/N比が高いことや、入射光量に対するダイナミックレンジが広いことが要求される。
特許文献1では、フォトダイオードに蓄積された電荷量を検出するためにフローティングディフュージョン(Floating Diffusion;以下FDとする)部を用いる構成が開示されている。特許文献1では、S/N比を向上させる手法として、フォトダイオードを空乏化することで検出容量を低減している。また、複数のフォトダイオードでFD部を共有する構成をとることで、フォトダイオードの受光面積を拡大している。これにより、入射光量が少ない場合でも、発生する電荷量を多くすることができ、低輝度条件におけるS/N比の向上を図っている。
一方、特許文献2では、ダイナミックレンジを拡大するために、FD部に容量を付加することで電荷電圧変換係数を変化させている。
特開平9−046596号公報 特開2006−165754号公報
しかしながら、特許文献1では低輝度条件における感度が向上する一方で、高輝度条件における広ダイナミックレンジ化は困難である。また、特許文献2では容量を付加するために、低輝度条件における感度の向上が困難である。つまり、従来は感度の向上とダイナミックレンジの拡大とを両立することが困難であった。
本発明は、上述の問題を鑑みて、光電変換装置における感度の向上とダイナミックレンジの拡大とを両立することを目的とする。
上記目的を達成するための本発明は、各々が第1の光電変換部と、第2の光電変換部と、素出力部と、第1の転送部と、第2の転送部と、リセット部とを有する複数の単位画素を有し、前記第1の光電変換部は前記第1の転送部を介して前記画素出力部に電気的に接続され、前記第2の光電変換部は前記第2の転送部を介して前記画素出力部に電気的に接続され、前記第1の光電変換部、前記リセット部によってリセットされた状態で空乏化し、前記第2の光電変換部は、前記リセット部によってリセットされた状態で完全空乏化せず、前記リセットされた状態における前記第2の光電変換部の容量値が前記リセットされた状態における前記第1の光電変換部の容量値よりも大きく、前記第1の転送部が非導通の期間に前記第2の転送部を導通することによって、前記第2の光電変換部で生成された前記電荷に基づく信号を前記画素出力部が出力した後、前記第1の光電変換部で生成された電荷が前記第1の転送部によって転送される期間に、前記第2の転送部が導通する高輝度モードと、前記第1の転送部が非導通の期間に前記第2の転送部を導通することによって、前記第2の光電変換部で生成された前記電荷に基づく信号を前記画素出力部が出力した後、前記第1の光電変換部で生成された電荷が前記第1の転送部によって転送される期間に、前記第2の転送部が導通しない低輝度モードと、で動作可能なことを特徴とする光電変換装置である。
本発明によれば、光電変換装置における感度の向上とダイナミックレンジの拡大とを両立することができる。
本発明に係るAF用の光電変換装置の主要な構成を示す図 本発明に係るラインセンサ部の主要な構成を示す図 実施例1に係る単位画素の等価回路図 実施例1に係るタイミング図 実施例1に係る単位画素の平面レイアウト図 実施例2に係るラインセンサ部の主要な構成を示す図 実施例2に係るタイミング図 実施例3に係る単位画素の平面レイアウト図 実施例4に係る単位画素の平面レイアウト図 実施例5に係る単位画素の平面レイアウト図 実施例6に係るAF用の光電変換装置の主要な構成を示す図 実施例6に係るラインセンサ部の主要な構成を示す図 実施例7に係る撮像システムの構成を示すブロック図
(実施例1)
本発明に係る第1の実施例を以下に説明する。第1の実施例は、位相差方式の焦点検出(Auto Focusing;以下AFとする)用の光電変換装置に適用した例を示す。
図1は、位相差AF用の光電変換装置の主要な構成を模式的に示した図である。光電変換装置1は、対となるラインセンサ部L1AとL1B、L2AとL2B、・・・LNAとLNBを有する。一対のラインセンサ部は撮像面のある領域における被写体のデフォーカス量を測定するために用いられ、このラインセンサ部の対を複数配列することで測距点を複数設け、AFの精度の向上を図るものである。各ラインセンサ部は、それぞれが位相差情報を検出するためのAF用光電変換部と、光量を検出するためのモニタ用光電変換部と、を有する単位画素11A、12A、・・・を含んでいる。複数のラインセンサ部L1A、L2A、・・・、LNAおよびL1B、L2B、・・・、LNBの単位画素同士は、画素毎に共通の信号出力部21A、22A、・・・および21B、22B、・・・を介して信号を例えばモニタ部30に出力する。
図2は、ラインセンサ部L1Aに係る部分をより詳細に示した図である。単位画素11Aは、光電変換部100A、信号出力部21Aとを含み、信号出力部21Aは最大値検出部102−1Aと最小値検出部102−2Aとを含んで成る。光電変換部から出力された信号は最大値検出部102−1Aと最小値検出部102−2Aとに供給される。最大値検出部102−1Aおよび最小値検出部102−2Aは例えばソースフォロワアンプである。このほか、信号検出の精度を向上させるために、ノイズ除去回路を含んでも良い。他の単位画素は単位画素11Aと同じ構成である。ラインセンサ部L2A、L3A、・・・、L1B、L2B、・・・もラインセンサ部L1Aと同様の構成なので、説明を省略する。
各単位画素の最大値検出部及び最小値検出部の出力は信号保持部301を介してモニタ部30へと導かれる。信号保持部301は、最大値検出部から出力された信号を一時的に保持する保持部を有するとともに、最大値検出部及び最小値検出部の信号を保持することなくモニタ部30に伝達する経路を有する。後述するモニタ動作を行う期間には、信号を一次保持することなくモニタ部30に信号を伝達することでリアルタイムな光量のモニタリングを実現する。そして、各単位画素からの信号を読み出す場合には、ラインセンサ部内で蓄積時間を揃えるために一時的に信号を信号保持部301で保持し、保持された信号を不図示の走査回路によって順次、出力バッファBufへと伝達する。
各単位画素の最大値検出部の出力端子同士、並びに最小値検出部の出力端子同士は、信号保持部301の後段でそれぞれ共通に接続されており、モニタ部へと入力される。この構成により、ラインセンサ部L1Aの信号出力の最大値と最小値とがモニタ部でリアルタイムに検出され、最大値と最小値の差分信号(以下、P−B信号)が予め定められた閾値を超えると、モニタ部30から光電変換部の電荷蓄積動作を終了させる信号が出力される。上記の閾値とは、使用条件によって変更されうるものである。また、モニタ部30は可変ゲイン増幅部を含み、P−B信号が十分なコントラストを得られないときに信号に対する増幅率を増大させる。
ここでは各単位画素からの信号を個別に読み出すために最大値検出部を用いているが、最大値検出部に換えて最小値検出部を用いても良い。
図3は、光電変換検出部101に係る部分をより詳細に示した等価回路図である。
図3において、PDAは位相差情報を検出するためのフォトダイオード、PDMは光量を検出するためのモニタ用のフォトダイオードである。フォトダイオードのPDAのアノードは転送トランジスタTXを、フォトダイオードPDMのアノードは転送トランジスタMONを介してアンプAmpの入力ノードに接続される。CpdはフォトダイオードPDAと転送トランジスタTXとの寄生容量を、そしてCmonはフォトダイオードPDMと転送トランジスタMONとの寄生容量を意味している。アンプAmpの入力ノードには、浮遊拡散部の容量としてのFD容量Cfdと、リセットトランジスタRESとが接続される。信号PTXがハイレベルになると転送トランジスタTXが導通し、容量Cpdに蓄積された電荷がFD容量Cfdに転送される。また、信号PMONがハイレベルになると転送トランジスタMONが導通し、容量Cmonに蓄積された電荷がFD容量Cfdに転送される。信号PRESがハイレベルになるとリセットトランジスタRESが導通し、アンプAmpの入力ノードを電源電圧VRESに応じてリセットする。信号PTX、PMON、PRES、PSELxは、例えば不図示のタイミング生成部から与えられる。ここでPDAは第1の光電変換部、PDMは第2の光電変換部、TXは第1の転送部、MONは第2の転送部、アンプAmpが画素出力部、リセットトランジスタRESがリセット部に、それぞれ対応する。
次に、フォトダイオードPDAとPDMと電源電圧VRESとの関係を説明する。
位相差情報検出用のフォトダイオードPDA及びモニタ用のフォトダイオードPDMは、ともにリセットトランジスタRESによって逆バイアス状態にリセットされる。ここで、リセットトランジスタRESによってリセットされたときに、フォトダイオードPDAは空乏化し、フォトダイオードPDMは空乏化しないようにする。これにより、フォトダイオードPDAの容量Cpdの容量値はほぼ無視できる値になる。一方、容量Cmonの容量値は、空乏化していない受光部の寄生容量が支配的となる。また、FD部の容量Cfdは、転送スイッチTX、MON、リセットスイッチRES、アンプAmpの入力ノード、ならびに付随する配線による配線容量が寄与する。典型的には、容量値の大きさはCmon>Cfd>Cpdとなる。
次に、本実施例に係る光電変換装置の動作を、図4(a)を参照しながら説明する。この動作は、被写体の輝度が低い条件で有効なものである。図4は、信号PRES、PTX、PMONに加えて、アンプAmpの入力ノードの電位(FD電位と表記)を示している。図4(a)には示していないが、信号PSELxはこの期間内で常時ハイレベルにあるものとする。また、対となっているラインセンサ部は同時に動作するように制御されている。
まず、時刻t0に信号PRES、PTX、PMONがハイレベルになると、これに対応してリセットトランジスタRES、転送トランジスタTXおよびMONが導通する。これにより、フォトダイオードPDA、PDM、アンプAmpの入力ノードが電源電圧VRESによってリセットされる。
時刻t1に信号PTXがローレベルになると転送トランジスタTXがオフすることで、フォトダイオードPDAが電荷を蓄積する状態になる。この時点ではリセットトランジスタRESが導通しているので、FD電位は変化しない。
時刻t2に信号PRESがローレベルになるとリセットトランジスタRESがオフし、フォトダイオードPDMのリセット状態が解除される。この時点から、フォトダイオードPDMで発生した電荷によってFD電位が変化する。
時刻t2から時間が経過し、モニタ部30で検出されるP−B信号が予め定められた閾値を超えると(時刻t3)、信号PRESがハイレベルになるとともに信号PMONがローレベルになる。これによりフォトダイオードPDMとアンプAmpの入力ノードとの接続が遮断され、FD電位が電源電圧VRESによってリセットされる。
時刻t4から時刻t5の期間に信号PTXがハイレベルになり、位相差情報検出用のフォトダイオードPDAに蓄積された電荷がFD容量Cfdに転送される。以上をもって位相差情報検出用のフォトダイオードPDAの蓄積時間の制御が終了する。
時刻t6から、各最大値検出部からの出力を、不図示の走査回路によって出力バッファBufに順次伝達することで、単位画素毎の個別信号を得る。
以上で説明した動作によれば、時刻t3に転送トランジスタMONをオフした後に、フォトダイオードPDAに蓄積された電荷をFD容量Cfdに転送している。そのため、位相差情報を検出する際にアンプAmpの入力ノードに付随する容量はFD容量Cfdのみとなり、電荷電圧変換係数が大きくなる。言い換えると、フォトダイオードPDAで発生する電荷量が少ない場合でも、電圧信号として検出することができる範囲を広げることが可能となるので、被写体が低輝度である場合でも合焦させることが容易となる。
次に、本実施例に係る光電変換装置の動作を、図4(b)を参照しながら説明する。この動作は、被写体の輝度が高い条件で有効なものである。図4(a)に示した動作との相違点は、時刻t4〜t5の期間に信号PMONがハイレベルになり、モニタ用のフォトダイオードPDMがFD部と導通する点である。
この動作によれば、フォトダイオードPDAに蓄積された電荷をFD容量Cfdに転送する時にアンプAmpの入力ノードに付随する容量はFD容量CfdにフォトダイオードPDMの容量Cmonが加わったものとなる。そのため、電荷変換係数が小さくなるので、被写体が高輝度であったとしても、飽和せずに電圧信号として検出できる範囲を広げることが可能となる。
本実施例によれば、リセット時にフォトダイオードPDAは空乏化し、フォトダイオードPDMは完全空乏化しない。このため、低輝度条件では小さい容量値のCpdにより電荷電圧変換係数を大きくすることができ、高輝度条件では大きな容量値のCmonを加えることで電荷電圧変換係数を小さくすることができ、広範な輝度条件に対応することを可能とする。特に低輝度条件ではフォトダイオードPDAの容量値が小さいことから感度の向上も実現できる。
図4(a)の動作を第1のモード、図4(b)の動作を第2のモードとして、被写体の輝度に応じて第1と第2のモードを切り換えることで、精度良く検出できる輝度条件の範囲、すなわちダイナミックレンジを拡大することが可能となる。
次に、モニタ部30で判定する、単位画素の電荷蓄積動作を終了させるレベルについて説明を行う。
単位画素から出力された信号に対して、モニタ部30に入力されるまでにかかるゲインをGとして、低輝度時、すなわち高ゲイン時にモニタ部30に入力される信号をVhigh、高輝度時、すなわち低ゲイン時にモニタ部30に入力される信号をVlowとすると、それぞれ以下のように表される。ここで、QpdはフォトダイオードPDAで発生した電荷量、QmonはフォトダイオードPDMで発生した電荷量を意味する。
Figure 0005578993
Figure 0005578993
式(1)、(2)から明らかなように、低輝度時と高輝度時とでは信号の振幅が異なる。しかし、モニタ部30に入力される信号の振幅は被写体の条件によらずある振幅レンジ内に入ることが望ましい。その所望の値をVtargetとすると、ある時刻tにモニタ部30に入力される信号をVagc(t)として、以下の関係にあることが求められる。
Figure 0005578993
Figure 0005578993
次に、本実施例に係る単位画素を半導体基板上に作成する場合の平面レイアウト例を図5に示す。ここでは、アンプAmpとして演算増幅器を用いた電圧フォロワとした場合を例示している。
図5から明らかなように、単位画素11A、12A、・・・が配列される繰り返し方向を第1の方向として、フォトダイオードPDAとフォトダイオードPDMとは、第1の方向に対して直交する第2の方向に沿って配列されている。AF用の光電変換装置において、単位画素のフォトダイオードPDAとフォトダイオードPDMとが第1の方向に沿って配列されていると、画素ピッチの狭小化への対応が困難となる。さらに、同一の単位画素でありながら、第1の方向に異なる位置からの入射光を用いてモニタ動作を行うためにモニタ動作の精度が十分でなくなる恐れがある。
これに対して、図5に示したようなレイアウトにすることで、第1の方向としては同じ位置からの入射光を用いてモニタ動作を行うことが可能となる。これにより画素ピッチの狭小化に対応できるだけでなく、モニタ動作の精度を向上させることができる。
また、フォトダイオードPDAは、フォトダイオードPDMよりも受光面積が大きくなるように設計される。これは、位相差情報として用いるフォトダイオードPDAで生成される電荷量を多くする目的である。
(実施例2)
次に、本発明にかかる第2の実施例を説明する。
本実施例は、第1の実施例で説明した構成に対して、ノイズ低減回路としてのオフセットキャンセル回路をさらに設けたものである。図6(a)は、ラインセンサ部L1Aのうちの3画素を抜き出した模式的な回路図である。説明を簡単にするために、図3に示した単位画素の構成から、選択スイッチSELを省略している。また、タイミングジェネレータ15は信号PTX、PMON、PRES、PSEL、PAGC、などを出力して、光電変換装置の動作を制御する。
図6(a)のOC1は最小値検出部用のオフセットキャンセル回路であって、OC2は最大値検出部用のオフセットキャンセル回路である。
最小値検出部は差動アンプBAとスイッチとを含んで成り、差動アンプBAの出力がオフセットキャンセル回路OC1にフィードバックされる構成となっている。複数の最小値検出部の出力は信号線9に共通に接続されており、端子BOUTに出力された信号がモニタ部30に与えられる。また、複数の最小値検出部のスイッチは共通の信号PAGCによって制御される。
最小値検出部の差動アンプBAの構成例を図6(b)に示す。差動アンプBAは、差動増幅アンプと、ソースフォロワ出力段とを含む。信号BP2は外部から与えられる信号であって、差動入力段に流れる電流を制御するためのものである。また、信号BP3はソースフォロワ出力段の定電流源を制御するためのものである。
信号線9に接続されたトランジスタ11は、最小値検出部のスイッチが信号PAGCによってオンした際にソースフォロワ出力段の定電流源として機能する。
最大値検出部の差動アンプPAの構成例を図6(c)に示す。差動アンプBAとの違いは、ソースフォロワ出力段の極性が逆である点である。
最大値検出部は差動アンプPAとスイッチとを含んで成り、差動アンプPAの出力がオフセットキャンセル回路OC2にフィードバックされる構成となっている。複数の最大値検出部の出力は信号線10に共通に接続されており、端子POUTに出力された信号がモニタ部30に与えられる。信号BP1は外部から与えられる信号であって、差動入力段に流れる電流を制御するためのものである。また、信号BN1はソースフォロワ出力段の定電流源を制御するためのものである。
複数の最大値検出部のスイッチは、共通の信号PAGCによって制御される一方で、走査回路から出力される信号PH1、PH2、・・・によっても制御することが可能であるため、単位画素から出力された信号を個別に読み出すことが可能となる。
信号線10に接続されたトランジスタ12は、最大値検出部のスイッチが信号PAGCによってオンした際にソースフォロワ出力段の定電流源として機能する。
モニタ部30は、差動アンプ13と、比較器14を含む。差動アンプ13は反転入力端子に信号線9が、非反転入力端子に信号線10が接続される。つまり、信号PAGCによって最小値検出部と最大値検出部がそれぞれの信号線に同時に接続されると、ラインセンサ部L1Aの最大値と最小値の差分、すなわちP−B信号を出力する。このP−B信号と参照信号VREFとの比較結果が反転したタイミングで、タイミングジェネレータ15は各単位画素の電荷蓄積動作を終了させる。
次に、図7を参照しながら本実施例に係る光電変換装置の動作を説明する。実施例1で説明した動作と共通する部分は省略する。
時刻T0〜T10までのPDリセット期間で行われるフォトダイオードのリセット動作は実施例1の動作と同じである。この期間では、オフセットキャンセル回路OC1、OC2に係る信号PN1、PN2、PS1、PS2、PGR、PAGCはローレベルである。
オフセットキャンセル(Offset Cancel;OC)期間1は、位相差情報検出用のフォトダイオードPDAが電荷を蓄積する期間に含まれる。時刻T11に信号PN1、PN2、PGRがハイレベルになると、スイッチ21、23、25がオンする。これにより、単位画素から出力される信号がスイッチ21を介して差動アンプBAに与えられ、差動アンプBAから出力される信号がスイッチ23を介してクランプ容量24の一方の端子に与えられる。この信号には、差動アンプBAのオフセットが含まれる。
時刻T12から信号PN2とPN1が順次ローレベルになり、スイッチ23と21とがそれぞれオフする。
時刻T14に信号PS2がハイレベルになるとスイッチ28がオンして差動アンプBAの非反転入力端子のノードがクランプ電圧VGPによってリセットされる。
時刻T15に信号PGRがローレベルになると、クランプ容量24の他方の端子、すなわち差動アンプBAの非反転入力端子のノードが電気的に浮遊状態になる。これにより、クランプ容量には単位画素からの信号に差動アンプBAのオフセットが加わった電圧とクランプ電圧との間の電位差が保持される。
時刻T20から開始するAGC期間では、信号PS1とPAGCとがハイレベルになる。このとき、単位画素から出力された信号はスイッチ22を介してクランプ容量24の一方の端子に与えられる。つまり、時刻T15にクランプされたレベルからの電位変動分だけが差動アンプBAに伝達される。そして、再び差動アンプBAを経由することで、差動アンプBAから出力される信号には、差動アンプBAのオフセットが含まれない。
時刻T20から時間が経過し、モニタ部30から出力される信号COMP18の論理レベルが時刻T30に反転すると、AGC期間が終了する。そして、時刻T30からのFDリセット期間において、モニタ部30は信号COMP18が反転したことに応じて信号PRESをハイレベルにして、FD容量Cfdをリセットするとともに、信号PMONをローレベルにしてモニタ用のフォトダイオードPDMをFD容量Cfdから電気的に切断する。このほか、信号PS1、PS2、PAGCをローレベルにする。
時刻T40に、信号PRESがローレベルになり、アンプAmpの入力ノードのリセット状態が解除される。時刻T40から時刻T50までのOC期間2で行われる動作は、信号PMONがローレベルとなっている点を除いてはOC期間1で行われる動作と同じである。すなわち、この期間では、モニタ用のフォトダイオードPDMがアンプAmpの入力ノードから電気的に切断された状態でオフセットキャンセル動作が行われるものである。
時刻T50からAF信号転送期間が開始し、信号PTXがハイレベルになる。これにより、位相差情報検出用のフォトダイオードPDAに蓄積された電荷がFD容量Cfdに転送される。そして、信号PS1およびPS2がハイレベルであるので、単位画素で発生したノイズと、差動アンプBAのオフセットが低減された信号が差動アンプBAから出力される。オフセットキャンセル回路OC2および最大値検出部についても同様である。
時刻T60から読み出し期間では、走査回路から信号PH1、PH2、PH3、・・・が順次出力され、位相差情報検出用のフォトダイオードPDAで蓄積された信号に基づく信号が出力端子POUTから順次出力される。
本実施例によれば、実施例1の構成で得られる効果に加えて、単位画素で生じるノイズと最大値検出部および最小値検出部で生じるオフセットとを低減できるので、信号をより精度よく検出できる。
(実施例3)
本発明の第3の実施例に係る単位画素を半導体上に形成する場合の平面レイアウト例を図8に示す。
本実施例では、図6で示したレイアウトと比較して、フォトダイオードPDMがFD部に近接して設けられるので、フォトダイオードPDMとFD部とを接続する配線を短縮できる。これにより、アンプAmpの入力ノードに接続される容量値が低減できるので、感度の向上が得られる。
(実施例4)
続いて、本発明の第4の実施例に係る単位画素を半導体基板上に形成する場合の平面レイアウト例を図9に示す。
本実施例では、モニタ用のフォトダイオードの光電変換領域が2つ、第2の方向にフォトダイオードPDAを挟むように設けられている。
この構成によれば、第2の方向に輝度分布がある場合でも精度よく蓄積時間を制御できる。
(実施例5)
本発明の第5の実施例に係る単位画素を半導体基板上に形成する場合の平面レイアウト例を図10に示す。
本実施例では、位相差情報検出用のフォトダイオードがPDA1とPDA2として2つの光電変換領域が設けられており、その間にモニタ用のフォトダイオードPDMが設けられている。この配置によれば、フォトダイオードがPDA1とPDA2との間で被写体の輝度が大きく異なっていても、両者の中間にあるモニタ用のフォトダイオードにより、精度よく蓄積時間の制御を行える。
(実施例6)
図11は、本発明の実施例6に係る位相差AF用の光電変換装置の主要な構成を模式的に示した図である。実施例1で示した光電変換装置との相違点を中心に説明する。
光電変換装置1’は、対となるラインセンサ部L1AとL1B、L2AとL2B、・・・LNAとLNBを有する。一対のラインセンサ部は撮像面のある領域における被写体のデフォーカス量を測定するために用いられ、このラインセンサ部の対を複数配列することで測距点を複数設け、AFの精度の向上を図るものである。各ラインセンサ部は、それぞれが位相差情報を検出するためのAF用光電変換部と、光量を検出するためのモニタ用光電変換部と、を有する単位画素11A、12A、・・・を含んでいる。複数のラインセンサ部L1A、L2A、・・・、LNAおよびL1B、L2B、・・・、LNBの単位画素は、それぞれ信号出力部21A、22A、・・・および21B、22Bを備え、21A、22A、・・・および21B、22Bを介して信号を例えばMUX31に出力し、MUX31で選択された信号がモニタ部30に出力する。
図12は、ラインセンサ部L1Aに係る部分をより詳細に示した図である。単位画素11Aは、光電変換部100Aを含み、信号出力部21Aは最大値検出部102−1Aと最小値検出部102−2Aとを含んで成る。光電変換部から出力された信号は信号保持部を介して、最大値検出部102−1Aと最小値検出部102−2Aとに供給される。最大値検出部102−1Aおよび最小値検出部102−2Aは例えばソースフォロワアンプである。このほか、信号検出の精度を向上させるために、ノイズ除去回路を含んでも良い。他の単位画素は単位画素11Aと同じ構成である。ラインセンサ部L2A、L3A、・・・、L1B、L2B、・・・もラインセンサ部L1Aと同様の構成なので、説明を省略する。
以上で説明した本実施例に係る光電変換装置の構成でも、上述した各実施例の構成を適用することで同じ効果を得ることができる。
(実施例7)
図13は、本発明の実施例7を示す撮像システムの構成例を示すブロック図である。
901は後述するレンズのプロテクトを行うバリア、902は被写体の光学像を固体撮像装置904に結像するレンズ、903はレンズを通過した光量を調整するための絞りである。904はレンズで結像された被写体の光学像を画像信号として取得する固体撮像装置である。905は先述の各実施例で説明した光電変換装置を用いたAFセンサである。
906は固体撮像装置904やAFセンサ905から出力される信号を処理するアナログ信号処理装置、907は信号処理装置906から出力された信号をアナログデジタル変換するA/D変換器である。908はA/D変換器907より出力された画像データに対して各種の補正や、データを圧縮するデジタル信号処理部である。
909は画像データを一時記憶するためのメモリ部、910は外部コンピュータなどと通信するための外部I/F回路、911はデジタル信号処理部908などに各種タイミング信号を出力するタイミング発生部である。912は各種演算とカメラ全体を制御する全体制御・演算部、913は記録媒体制御I/F部、914は取得した画像データを記録、又は読み出しを行うための半導体メモリなどの着脱可能な記録媒体、915は外部コンピュータである。
次に、上記の撮像システムの撮影時の動作について説明する。
バリア901がオープンされ、AFセンサ905から出力された信号をもとに、全体制御・演算部912は前記したような位相差検出により被写体までの距離を演算する。その後、演算結果に基づいてレンズ902を駆動し、再び合焦しているか否かを判断し、合焦していないと判断したときには、再びレンズ902を駆動するオートフォーカス制御を行う。次いで、合焦が確認された後に固体撮像装置904による電荷蓄積動作が始まる。固体撮像装置904の電荷蓄積動作が終了すると、固体撮像装置904から出力された画像信号はA/D変換器907でアナログデジタル変換され、デジタル信号処理部908を通り全体制御・演算によりメモリ部909に書き込まれる。その後、メモリ部909に蓄積されたデータは全体制御・演算部912の制御により記録媒体制御I/F部910を介して記録媒体914に記録される。また、外部I/F部910を通り直接コンピュータなどに入力してもよい。
11A 単位画素
21A 信号出力部
30 モニタ部

Claims (9)

  1. 各々が第1の光電変換部と、第2の光電変換部と、素出力部と、第1の転送部と、第2の転送部と、リセット部とを有する複数の単位画素を有し、
    前記第1の光電変換部は前記第1の転送部を介して前記画素出力部に電気的に接続され、
    前記第2の光電変換部は前記第2の転送部を介して前記画素出力部に電気的に接続され、
    前記第1の光電変換部、前記リセット部によってリセットされた状態で空乏化し、前記第2の光電変換部は、前記リセット部によってリセットされた状態で完全空乏化せず、前記リセットされた状態における前記第2の光電変換部の容量値が前記リセットされた状態における前記第1の光電変換部の容量値よりも大きく、
    前記第1の転送部が非導通の期間に前記第2の転送部を導通することによって、前記第2の光電変換部で生成された前記電荷に基づく信号を前記画素出力部が出力した後、前記第1の光電変換部で生成された電荷が前記第1の転送部によって転送される期間に、前記第2の転送部が導通する高輝度モードと、
    前記第1の転送部が非導通の期間に前記第2の転送部を導通することによって、前記第2の光電変換部で生成された前記電荷に基づく信号を前記画素出力部が出力した後、前記第1の光電変換部で生成された電荷が前記第1の転送部によって転送される期間に、前記第2の転送部が導通しない低輝度モードと、で動作可能なこと
    を特徴とする光電変換装置。
  2. 前記第2の光電変換部で生成された電荷に基づく、前記画素出力部から出力された信号に基づいて前記第1の光電変換部の電荷蓄積動作を制御するモニタ部をさらに有することを特徴とする請求項1に記載の光電変換装置。
  3. 前記モニタ部は、複数の前記画素出力部から出力される信号の最大値と最小値の差分に基づいて前記第1の光電変換部の電荷蓄積動作を制御することを特徴とする請求項に記載の光電変換装置。
  4. 複数の前記単位画素は第1の方向に配列され、
    前記第1および第2の光電変換部は前記第1の方向とは異なる第2の方向に沿って配置されたこと
    を特徴とする請求項1ないしのいずれかに記載の光電変換装置。
  5. 前記第2の方向は、前記第1の方向と直交する方向であることを特徴とする請求項のいずれかに記載の光電変換装置。
  6. 前記第1の光電変換部は、前記第2の光電変換部よりも受光面積が大きいことを特徴とする請求項1ないしのいずれかに記載の光電変換装置。
  7. 前記画素出力部は、フローティングディフージョン部とアンプとをさらに有し、前記フローティングディフージョン部に対して、前記第1の転送部と前記第2の転送部とが並列に電気的に接続され、
    さらに前記フローティングディフージョン部が前記アンプに電気的に接続され、前記アンプが、前記第1の転送部と前記第2の転送部のそれぞれから前記フローティングディフージョン部に転送された電荷に基づく信号をそれぞれ出力することを特徴とする請求項1ないしのいずれかに記載の光電変換装置。
  8. 請求項1ないしのいずれかに記載の光電変換装置を有する焦点検出装置。
  9. 請求項に記載の焦点検出装置を備える撮像システム。
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