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JP5556091B2 - ペレットの製造方法 - Google Patents

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JP5556091B2 JP2009204499A JP2009204499A JP5556091B2 JP 5556091 B2 JP5556091 B2 JP 5556091B2 JP 2009204499 A JP2009204499 A JP 2009204499A JP 2009204499 A JP2009204499 A JP 2009204499A JP 5556091 B2 JP5556091 B2 JP 5556091B2
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Description

本発明は、保管、輸送または加工装置への供給などの際に互着が抑制された、取り扱いに優れたペレットを生産性高く製造する方法に関する。
熱可塑性エラストマーや非晶性ポリマーなどのように粘着性がある熱可塑性樹脂をペレットにすると、互着してしまうという問題があった。互着を防ぐ方法として、結晶性ポリオレフィンを鞘とし、粘着性熱可塑性樹脂を芯とする芯鞘構造のストランドを切断して、芯鞘構造のペレットを得る方法が知られている。しかしながらこの方法で得られるペレットは、その端面に粘着性熱可塑性樹脂が露出しているため、当該部分で互着が発生する場合があった。互着を防止する他の方法として、被覆ポリマーを搬送する送出しロール、被覆ポリマーを支持するアンビルロール、被覆ポリマーを介してアンビルロールと接し、被覆ポリマーの切断部を変形させる表面に型押し刃を有する型押しロール、被覆ポリマーの進行方向に対して型押しロールの後方に位置し、被覆ポリマーを介してアンビルロールと接し、変形された被覆ポリマーを切断する表面に切断刃を有する切断ロール、成形されたペレットを集めるペレットキャッチャーからなる非互着性ポリマーペレットの製造装置を用いてペレットを製造する方法が知られている(特許文献1参照)。
特開2005−199706号公報
しかしながら、この方法では、切断ロールのカット刃に樹脂がはまり込んでしまうと、それを取り除くまで製造ラインの運転を止めなければならず、長時間の連続生産が難しい場合があった。かかる現状において、本発明の解決しようとする課題、即ち、本発明の目的は、互着しにくいペレットの生産性に優れる製造方法に関する。
即ち本発明は、熱可塑性樹脂製シートを、該シートの長手方向に裁断してストランド状にした後、シートの幅方向に裁断するペレットの製造方法である。
本発明によれば、互着しにくいペレットを、生産性高く製造することができる。
本発明のペレット製造方法とは、熱可塑性樹脂製シートを、該シートの長手方向に裁断してストランド状にした後、シートの幅方向に裁断するペレットの製造方法である。
本発明中の熱可塑性樹脂製シートに用いられる樹脂としては、結晶性オレフィン系樹脂、非晶性または低結晶性オレフィン系樹脂、スチレン系樹脂、ナイロン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等の飽和エステル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリカーボネートなどが挙げられる。
本発明中の結晶性オレフィン系樹脂の結晶性とは、示差走査熱量測定(DSC)において結晶融解ピークが50℃以上の温度に観察されることを指す。本発明の目的である互着が抑制されたペレットを得るという観点からは、結晶融解ピークが観察される温度は、好ましくは60℃以上、さらに好ましくは100℃以上、特に好ましくは120℃以上である。
本発明中の結晶性オレフィン系樹脂のオレフィンとしては、例えば、エチレン、プロピレン、炭素数4〜20のα−オレフィンが挙げられる。炭素数4〜20のα−オレフィンとしては、例えば、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−へプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ウンデセン、1−ドデセン、1−トリデセン、1−テトラデセン、1−ペンタデセン、1−ヘキサデセン、1−ヘプタデセン、1−オクタデセン、1−ナノデセン、1−エイコセン等の直鎖状のα−オレフィン、3−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、2−エチル−1−ヘキセン、2,2,4−トリメチル−1−ペンテン等の分岐状のα−オレフィン等が挙げられる。
本発明中の結晶性オレフィン系樹脂としては、例えば、エチレン単独重合体、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−1−ブテン共重合体、エチレン−1−ヘキセン共重合体、エチレン−1−オクテン共重合体、エチレン−1−へプテン共重合体、エチレン−1−オクテン共重合体、エチレン−1−ノネン共重合体、エチレン−1−デセン共重合体、エチレン−1−ウンデセン共重合体、エチレン−1−ドデセン共重合体、エチレン−1−トリデセン共重合体、エチレン−1−テトラデセン共重合体、エチレン−1−ペンタデセン共重合体、エチレン−1−ヘキサデセン共重合体、エチレン−1−ヘプタデセン共重合体、エチレン−1−オクタデセン共重合体、エチレン−1−ナノデセン共重合体、エチレン−1−エイコセン共重合体などのエチレン-α-オレフィン共重合体や、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−プロピオン酸ビニル共重合体などのエチレン−ビニルエステル共重合体や、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体、エチレン−アクリル酸メチル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−アクリル酸ブチル共重合体等のエチレン−不飽和カルボン酸アルキルエステル共重合体等、プロピレン単独重合体、プロピレン−エチレン共重合体、プロピレン−1−ブテン共重合体、プロピレン−1−ヘキセン共重合体、プロピレン−1−オクテン共重合体、プロピレン−1−へプテン共重合体、プロピレン−1−オクテン共重合体、プロピレン−1−ノネン共重合体、プロピレン−1−デセン共重合体、プロピレン−1−ウンデセン共重合体、プロピレン−1−ドデセン共重合体、プロピレン−1−トリデセン共重合体、プロピレン−1−テトラデセン共重合体、プロピレン−1−ペンタデセン共重合体、プロピレン−1−ヘキサデセン共重合体、プロピレン−1−ヘプタデセン共重合体、プロピレン−1−オクタデセン共重合体、プロピレン−1−ナノデセン共重合体、プロピレン−1−エイコセン共重合体、エチレン−プロピレン−1−ブテン共重合体、エチレン−プロピレン−1−ヘキセン共重合体、エチレン−プロピレン−1−オクテン共重合体、エチレン−1−ブテン−1−ヘキセン共重合体等のプロピレン系樹脂等が挙げられるが、好ましくは、エチレン単独重合体、エチレン-α-オレフィン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体、プロピレン単独重合体、プロピレン−エチレン共重合体、プロピレン−1−ブテン共重合体である。これらの結晶性オレフィン系樹脂は、1種で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明中の結晶性オレフィン系樹脂が、エチレン単独重合体、エチレン−α−オレフィン共重合体、エチレン−ビニルエステル共重合体、エチレン−不飽和カルボン酸アルキルエステル共重合体等のエチレン系樹脂の場合、メルトフローレート(MFR)は、ペレットの加工性の観点から、好ましくは0.1〜50g/10分であり、より好ましくは1〜30g/分である。なお、この場合、MFRは、JIS K7210(1995)に従い、荷重21.28N、温度190℃の条件で測定される。
本発明中の結晶性オレフィン系樹脂が、プロピレン単独重合体、プロピレン−エチレン共重合体、プロピレン−1−ブテン共重合体などのプロピレン系樹脂の場合、メルトフローレート(MFR)は、ペレットの加工性の観点から、好ましくは0.1〜50g/10分であり、より好ましくは1〜30g/分、さらに好ましくは3〜20g/分である。なお、この場合、MFRは、JIS K7210(1995)に従い、荷重21.28N、温度230℃の条件で測定される。
本発明中の非晶性または低結晶性オレフィン系樹脂の非晶性とは、オレフィン単量体単位を含有する重合体であって、示差走査熱量測定(DSC)により、−100℃から200℃に融解熱量が1J/g以上の結晶融解ピークが観察されないことを指す。また、低結晶性のオレフィン系ポリマーの低結晶性とは、オレフィン単量体単位を含有する重合体であって、示差走査熱量測定(DSC)により、−100℃から200℃に融解熱量が1〜30J/gの結晶融解ピークが観察されることを指す。
本発明中の非晶性または低結晶性オレフィン系樹脂のオレフィンとしては、例えば、エチレン、プロピレン、炭素数4〜20のα−オレフィンが挙げられ、炭素数4〜20のα−オレフィンとしては、例えば、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−へプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ウンデセン、1−ドデセン、1−トリデセン、1−テトラデセン、1−ペンタデセン、1−ヘキサデセン、1−ヘプタデセン、1−オクタデセン、1−ナノデセン、1−エイコセン等の直鎖状のα−オレフィン、3−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、2−エチル−1−ヘキセン、2,2,4−トリメチル−1−ペンテン等の分岐状のα−オレフィン等が挙げられる。
本発明中の非晶性または低結晶性オレフィン系樹脂としては、例えば、エチレン単独重合体、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−1−ブテン共重合体、エチレン−1−ヘキセン共重合体、エチレン−1−オクテン共重合体、エチレン−1−へプテン共重合体、エチレン−1−オクテン共重合体、エチレン−1−ノネン共重合体、エチレン−1−デセン共重合体、エチレン−1−ウンデセン共重合体、エチレン−1−ドデセン共重合体、エチレン−1−トリデセン共重合体、エチレン−1−テトラデセン共重合体、エチレン−1−ペンタデセン共重合体、エチレン−1−ヘキサデセン共重合体、エチレン−1−ヘプタデセン共重合体、エチレン−1−オクタデセン共重合体、エチレン−1−ナノデセン共重合体、エチレン−1−エイコセン共重合体、プロピレン単独重合体、プロピレン−1−ブテン共重合体、プロピレン−1−ヘキセン共重合体、プロピレン−1−オクテン共重合体、プロピレン−1−へプテン共重合体、プロピレン−1−オクテン共重合体、プロピレン−1−ノネン共重合体、プロピレン−1−デセン共重合体、プロピレン−1−ウンデセン共重合体、プロピレン−1−ドデセン共重合体、プロピレン−1−トリデセン共重合体、プロピレン−1−テトラデセン共重合体、プロピレン−1−ペンタデセン共重合体、プロピレン−1−ヘキサデセン共重合体、プロピレン−1−ヘプタデセン共重合体、プロピレン−1−オクタデセン共重合体、プロピレン−1−ナノデセン共重合体、プロピレン−1−エイコセン共重合体、エチレン−プロピレン−1−ブテン共重合体、エチレン−プロピレン−1−ヘキセン共重合体、エチレン−プロピレン−1−オクテン共重合体、エチレン−1−ブテン−1−ヘキセン共重合体等が挙げられ、1種で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。好ましくは、プロピレン−1−ブテン共重合体、プロピレン−1−ヘキセン共重合体、プロピレン−1−オクテン共重合体、エチレン−プロピレン−1−ブテン共重合体、エチレン−プロピレン−1−ヘキセン共重合体、エチレン−プロピレン−1−オクテン共重合体等が挙げられ、より好ましくは、プロピレン−1−ブテン共重合体、エチレン−プロピレン−1−ブテン共重合体、さらに好ましくはプロピレン−1−ブテン共重合体である。
非晶性または低結晶性オレフィン系樹脂は、α−オレフィン以外の単量体に由来する単量体単位を含有していてもよく、α−オレフィン以外の単量体としては、例えば、ポリエン化合物、環状オレフィン、ビニル芳香族化合物等が挙げられる。α−オレフィン以外の単量体に由来する単量体単位の含有量は、非晶性または低結晶性オレフィン系樹脂全体を100モル%としたとき、好ましくは20モル%以下である。
α−オレフィン以外の単量体であるポリエン化合物としては、例えば、共役ポリエン化合物、非共役ポリエン化合物等が挙げられる。共役ポリエン化合物としては、例えば、脂肪族共役ポリエン化合物および脂環式共役ポリエン化合物等が挙げられ、非共役ポリエン化合物としては、例えば、脂肪族非共役ポリエン化合物、脂環式非共役ポリエン化合物、芳香族非共役ポリエン化合物等が挙げられる。これらは、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、アラルキル基、アラルキルオキシ基等の置換基によって置換されていてもよい。
α−オレフィン以外の単量体である環状オレフィンとしては、例えば、ノルボルネン、5−メチルノルボルネン、5−エチルノルボルネン、5−プロピルノルボルネン、5,6−ジメチルノルボルネン、1−メチルノルボルネン、7−メチルノルボルネン、5,5,6−トリメチルノルボルネン、5−フェニルノルボルネン、5−ベンジルノルボルネン、5−エチリデンノルボルネン、5−ビニルノルボルネン、1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、2−メチル−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、2−エチル−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、2,3−ジメチル−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、2−ヘキシル−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、2−エチリデン−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、2−フルオロ−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、1,5−ジメチル−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、2−シクロへキシル−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、2,3−ジクロロ−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、2−イソブチル−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、1,2−ジヒドロジシクロペンタジエン、5−クロロノルボルネン、5,5−ジクロロノルボルネン、5−フルオロノルボルネン、5,5,6−トリフルオロ−6−トリフルオロメチルノルボルネン、5−クロロメチルノルボルネン、5−メトキシノルボルネン、5,6−ジカルボキシルノルボルネンアンハイドレート、5−ジメチルアミノノルボルネン、5−シアノノルボルネン、シクロペンテン、3−メチルシクロペンテン、4−メチルシクロペンテン、3,4−ジメチルシクロペンテン、3,5−ジメチルシクロペンテン、3−クロロシクロペンテン、シクロへキセン、3−メチルシクロへキセン、4−メチルシクロヘキセン、3,4−ジメチルシクロヘキセン、3−クロロシクロヘキセン、シクロへプテン等が挙げられる。
α−オレフィン以外の単量体であるビニル芳香族化合物としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、ビニルキシレン、モノクロロスチレン、ジクロロスチレン、モノブロモスチレン、ジブロモスチレン、フルオロスチレン、p−tert−ブチルスチレン、エチルスチレン、ビニルナフタレン等が挙げられる。
このような非晶性または低結晶性のオレフィン系樹脂の製造方法としては、公知のオレフィン重合用触媒を用いた公知の重合方法が用いられる。これらの中でも好ましくは、メタロセン系錯体や非メタロセン系錯体などの錯体系触媒を用いた、スラリー重合法、溶液重合法、塊状重合法、気相重合法等であり、該錯体系触媒としては、たとえば特開昭58−19309号公報、特開昭60−35005号公報、特開昭60−35006号公報、特開昭60−35007号公報、特開昭60−35008号公報、特開昭61−130314号公報、特開平3−163088号公報、特開平4−268307号公報、特開平9−12790号公報、特開平9−87313号公報、特開平10−508055号公報、特開平11−80233号公報、特表平10−508055号公報などに記載のメタロセン系触媒;特開平10−316710号公報、特開平11−100394号公報、特開平11−80228号公報、特開平11−80227号公報、特表平10−513489号公報、特開平10−338706号公報、特開表11−71420号公報などに記載の非メタロセン系の錯体触媒を例示することができる。これらの中でも、入手容易性の観点から、メタロセン触媒が好ましく、その中でも好適なメタロセン触媒の例としては、シクロペンタジエン形アニオン骨格を少なくとも1個有し、C1対称構造を有する周期表第3族〜第12族の遷移金属錯体が好ましい。また、メタロセン触媒を用いた製造方法の特に好ましい例として、欧州特許出願公開第1211287号明細書の方法を例示することができる。
本発明中の非晶性または低結晶性オレフィン系樹脂の135℃のテトラリン溶媒中で測定される極限粘度[η]は、好ましくは0.01dl/g以上であり、加工時のトルクネックによる加工不良を抑制する観点から、好ましくは10dl/gであり、より好ましくは0.5〜5dl/gである。
本発明中のスチレン系樹脂としては、例えば、スチレンの低分子量重合体、α−メチルスチレンとビニルトルエンとの共重合体、スチレンとアクリロニトリルとインデンとの共重合体、スチレンとブタジエンの共重合体、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロックコポリマー(SEBS)、スチレン−イソプレン−スチレンブロックコポリマー(SIS)、スチレン−ブチレン−スチレンブロックコポリマー(SBS)、スチレン−エチレン−プロピレン−スチレンブロックコポリマー(SEPS)などのスチレン系ブロックコポリマーなどが挙げられる。
本発明中のシートには、上記熱可塑性樹脂以外に、発明の効果を損なわない範囲で、必要に応じて酸化防止剤、結晶核剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、滑剤、炭酸カルシウム、タルク、マイカ等の無機充填剤、顔料、防曇剤、石油樹脂類、ミネラルオイル、ガラス繊維、天然繊維、炭素繊維、難燃剤、殺虫剤などの薬剤などを含ませることもできる。
本発明中の熱可塑性樹脂製シートの層構成は、特に限定されないが、多層構造をもつシートが好ましく、加工のしやすさの観点から、2種2層または2種3層の構造であることが好ましい。用いる樹脂の種類が多くなると加工条件の合わせ方が難しくなる場合があり、層の数が多くなると用いるダイスの形状が複雑になり、加工機器が高額になる場合がある。
本発明中の熱可塑性樹脂製シートの層構成が2種2層の場合、外層と内層とが積層されている構造であってもよいし、内層を外層が被覆している構造であってもよい。各層に用いる樹脂は、熱可塑性樹脂であれば特に限定されないが、内層を外層が被覆している多層構造の熱可塑性樹脂製シートにおいて、内層を構成する主成分の樹脂として非晶性または低結晶性オレフィン系樹脂を用い、外層を構成する主成分の樹脂として結晶性オレフィン系樹脂を用いることにより、粘着性に優れ、かつ互着が抑制されたペレットを製造することができる。
本発明中のシートの層構成が2種3層の場合、外層/内層/外層の順に積層されている。各層に用いる樹脂は、熱可塑性樹脂であれば特に限定されないが、互着の観点から、両外層を構成する主成分の樹脂として結晶性オレフィン系樹脂を用い、内層を構成する主成分の樹脂として非晶性または低結晶性オレフィン系樹脂を用いることにより、粘着性に優れ、かつ互着が抑制されたペレットを製造することができる。両外層の樹脂は同一でもよいし、同一でなくともよいが、加工する際のハンドリングの観点から、両外層の樹脂は同一である方が好ましい。
本発明によって、粘着性に優れ、かつ互着が抑制されたペレットを製造するために多層構造の熱可塑性樹脂製シートを用いる場合、該シートの内層を構成する主成分の樹脂としては、非晶性または低結晶性オレフィン系樹脂やスチレン系樹脂を用いることが好ましく、シートのハンドリングを良くし、ペレット化しやすくする観点から、これらに結晶性オレフィン系樹脂をブレンドすることが好ましい。非晶性または低結晶性オレフィン系樹脂やスチレン系樹脂と、結晶性オレフィン系樹脂のブレンド比(wt%)は、非晶性または低結晶性オレフィン系樹脂やスチレン系樹脂/結晶性オレフィン系樹脂として、98/2〜50/50が好ましく、より好ましくは、95/5〜50/50、さらに好ましくは90/10〜50/50、最も好ましくは85/15〜50/50である。
次に、本発明の熱可塑性樹脂製シートの裁断方法について説明する。まず、熱可塑性樹脂製シートを、該シートの長手方向に切断してストランド状にする。切断の際には、シート長手方向に、互いに略平行に複数設置された切断刃を有するロータリーダイカッター等を使用できる。切断刃間の距離は特に限定されないが、好ましくは2〜10mmであり、より好ましくは3〜8mmであり、さらに好ましくは4〜7mmである。
次に、シートを切断して形成されたストランドを、シートの幅方向に裁断する。幅方向に裁断する方法としては、シート幅方向に、互いに略平行に複数設置された切断刃を有するロータリーダイカッターや、複数個のナイフを有する切断回転子と固定ベッドナイフをもつストランドカッターを用いる方法が挙げられる。生産性の観点から、ストランドカッターを使用することが好ましい。
本発明中の熱可塑性樹脂製シートは、溶融混練した熱可塑性樹脂を単層または多層のTダイやサーキュラーダイ、異形押出ダイを用いて連続押出して作成してもよい。シート成形後、連続してペレット化してもよいし、シート成形後、一旦シートを保管してからペレット化してもよいが、生産性の観点から、前者が好ましい。長手方向に設置された切断刃により切断する直前のシート温度は、生産性の観点から10〜120℃が好ましく、より好ましくは20〜110℃、さらに好ましくは50〜100℃である。
本発明中のシートの厚みは、特に限定されないが、通常0.5〜3mmであり、好ましくは1〜2.5mmである。
本発明で用いる熱可塑性樹脂製シートを製造する際の加工温度は、通常150〜300℃であるが、好ましくは170〜280℃である。
本発明で製造したペレットの互着を更に抑制するために、得られたペレットの表面に、無機微粉体または有機微粉体を打粉してもよい。無機微粉体または有機微粉体としては、例えば炭酸カルシウム、硫酸バリウム、シリカ、タルク、ステアリン酸カルシウムまたはポリオレフィンパウダーが挙げられる。これらを1種または2種以上用いることができる。これらの中でも特に、ステアリン酸カルシウムまたは、ポリオレフィンパウダーが好適である。ポリオレフィンパウダーとしては、平均粒径約500μm以下のものが好ましい。ポリオレフィンパウダーとしては、エチレン系ポリマー、プロピレン系ポリマーのパウダーが挙げられ、例えば低密度ポリエチレン微粒子(住友精化(株)製フローセンUF−40、平均粒径15〜22μm)、ポリプロピレン微粉(三洋化成(株)製ビスコール660P、平均粒径120μm)などが好適である。
本発明におけるペレットは、互着しにくく取扱いが容易であるので、公知の成形方法、例えば、押出成形、射出成形、インフレーション成形、ブロー成形、プレス成形、カレンダー成形などの公知の熱成形方法により、包装フィルム、自動車部品、家電用部品、書類ケース、デスクマット、テーブルマットなどの成形体として、文具用途、日用雑貨、医療用具、食品容器、繊維などの幅広い用途、分野に適用できる。
以下の実施例によって本発明をさらに具体的に説明する。
[I]測定方法
物性測定は、下記のとおりに行った。
(1)プロピレン系重合体、およびプロピレン・エチレン・1−ブテン共重合体に含有される各構成体に由来する構成体単位の含有量(単位:モル%)
プロピレン・エチレン・1−ブテン共重合体中の各構成体単位の含有量は、具体的には核磁気共鳴装置(BRukeR社製 商品名AC−250)を用いて、13C NMRスペクトルの測定結果に基づき算出した。具体的には、先ず、13C NMRスペクトルにおいて、プロピレン単位中のメチル基に由来する炭素のスペクトル強度と、1−ブテン単位中のメチル基に由来する炭素のスペクトル強度との比から、プロピレン単位と1−ブテン単位との組成比を算出し、次いで、H NMRスペクトルにおいて、メチン基とメチレン基とに由来する水素のスペクトル強度と、メチル基に由来する水素のスペクトル強度との比から、エチレン単位、プロピレン単位および1−ブテン単位の組成比を算出した。
(2)融解熱量(J/g)
JIS K 7122に従い、示差走査熱量計(セイコ−電子工業(株)社製DSC220C:入力補償DSC)によって測定を行った。具体的には、状態調整として、試料重合体を室温から200℃まで30℃/分で昇温し、200℃で5分間保持した。次に、10℃/分で−100℃まで降温し、−100℃で5分間保持した後、−100℃から200℃まで10℃/分で昇温し、融点(Tm)、融解熱量、結晶化ピ−ク、ガラス転移点(Tg)の測定を行った。
(3)メルトフロ−レイト(単位:g/10分)
本発明の光学部材用表面保護フィルムの粘着層に含有される成分(A)と成分(B)のメルトフロ−レイトはJIS K 7210に従って、試験温度230℃、試験荷重21.18Nで測定した。
(4)分子量分布(Mw/Mn)
ゲルパ−ミエイションクロマトグラフ(GPC)法によって測定した。測定装置としてはWateRs社製150C/GPCを用い、測定溶媒としてはo−ジクロロベンゼンを用い、カラムとしては昭和電工(株)社製Sodex Packed ColumnA−80M(2本)を用い、分子量標準物質としては標準ポリスチレン(東ソ−(株)社製、分子量68〜8,400,000)を用い、溶出温度140℃、溶出溶媒流速1.0ml/分の条件で、試料重合体約5mgを5mlのo−ジクロロベンゼンに溶解したものを400μl注入し、示差屈折検出器にてポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)を測定し、両者の比である分子量分布(Mw/Mn)を求めた。
(5)極限粘度([η]、単位:dl/g)
ウベロ−デ粘度計を用いて、135℃のテトラリン溶媒中で測定を行った。プロピレン・エチレン・1−ブテン共重合体の濃度(c)が、0.6、1.0、1.5mg/mlであるテトラリン溶液を調製し、試料溶液の液面が標線間を流過する時間を3回測定した。それぞれの濃度で3回繰り返し測定し、得られた3回の値の平均値をその濃度における比粘度(ηsp)とし、η
[II]非晶性オレフィン系樹脂の製造
攪拌機を備えた100LのSUS製重合器中で、プロピレンと1−ブテンとを、分子量調節として水素を用い、以下の方法で連続的に共重合させて、本発明の非晶性オレフィン系樹脂に相当するプロピレン−1−ブテン共重合体を得た。
重合器の下部から、重合溶媒としてのヘキサンを100L/時間の供給速度で、プロピレンを24.00Kg/時間の供給速度で、1−ブテンを1.81Kg/時間の供給速度で、それぞれ連続的に供給した。
重合器の上部から、重合器中の反応混合物が100Lの量を保持するように、反応混合物を連続的に抜き出した。
重合器の下部から、重合触媒の成分として、ジメチルシリル(テトラメチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライドを0.005g/時間の供給速度で、トリフェニルメチルテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートを0.298g/時間の供給速度で、トリイソブチルアルミニウムを2.315g/時間の供給速度で、それぞれ連続的に供給した。
共重合反応は、重合器の外部に取り付けられたジャケットに冷却水を循環させることによって、45℃で行った。
重合器の上部から連続的に抜き出された反応混合物に少量のエタノールを添加して重合反応を停止させた後、脱モノマー及び水洗浄し、次いで、大量の水中でスチームによって溶媒を除去することによって、プロピレン−1−ブテン共重合体(以下、非晶性オレフィン系樹脂Aと称する。)を得、これを80℃で1昼夜減圧乾燥した。重合体Aの生成速度は7.10Kg/時間であった。得られた非晶性オレフィン系樹脂A中のプロピレン単位含有量は96モル%、1−ブテン単位含有量は4モル%であった。また、重合体Aの[η]値は2.3であり、ゲルパーミエイションクロマトグラフ(GPC)法により測定したMw/Mnの値は2.2であった。
[熱可塑性樹脂製シートの作成]
外層を構成する樹脂として、結晶性プロピレン系樹脂(プロピレン単独重合体 住友化学株式会社製 グレード名:ノーブレンFLX80E4、DSCによる融解ピーク=165℃、MFR=8g/10分)をVS30単軸押出機(スクリュー径30mm、押出温度200℃)に供給し、内層を構成する樹脂組成物として、非晶性プロピレン系樹脂である重合体Aを53重量%と結晶性プロピレン系樹脂(住友化学株式会社製 グレード名:FLX80E4、DSCによる融解ピーク=165℃、MFR=8g/10分)を47重量%、酸化防止剤としてIrgnox1010を1200ppm、Irgfos168を1200ppm、有機過酸化物(日本油脂製 パーヘキサ25B−8)1.05部を混合した熱可塑性樹脂組成物を2軸押出機(スクリュー径75mm、押出温度270℃)に供給し、250℃に設定した幅200mmの異形押出ダイスより、内層を外層で被覆した熱可塑性樹脂製シートを押出加工した。得られたシートの構成は、両外層の合計厚みが100μm、内層厚みが1900μmであった。
[互着抑制されたペレットの作成]
連続押出したシートを、長手方向に14枚の切断刃が略平行に5mm間隔で設置されたロータリーダイカッターを用いて裁断し、幅5mmのストランドを作成した。その後、ストランドカッターを使用し、連続してペレット化を行い、幅5mm×長さ4mmのペレットを得た。ロータリーダイカッターにより切断する直前のシート温度は80℃であった。得られたペレットのMFRは20であった。このペレットの互着性、および生産量を表1に示した。
(1)互着性評価
50ccビーカーに30gのペレットを入れ、80℃オーブン内で520gの荷重をかけ3日間熱処理を行った。熱処理後、ビーカーよりペレットを取り出し、官能試験を行った。
◎:ペレット取り出し時、まったく互着が確認されなかった。
○:ペレット取り出し時、一部互着が確認されたが、手で持ったところ、直ぐに互着ペレットがバラバラになった。
△:ペレット取り出し時、一部互着が確認され、手で持っても互着ペレットは、バラバラにならなかった。
×:ペレット取り出し時、全体が互着していた。
(2)生産性
下記式(B)を用いて、生産性を数値化した。この値が大きいほど、生産性に優れる。
式(B) 時間当たりの吐出量−(ペレット後に互着により連球化し、ロスになった割合)×時間当たりの吐出量
[実施例2]
内層を構成する樹脂組成物として、非晶性プロピレン系樹脂である重合体Aを97重量%と結晶性プロピレン系樹脂(住友化学株式会社製 グレード名:FLX80E4、DSCによる融解ピーク=165℃、MFR=8g/10分)を3重量%、Irgnox1010を1200ppm、Irgfos168を1200ppm、有機過酸化物(日本油脂製 パーヘキサ25B−8)を1.25部用いた以外は実施例1と同様にして、両外層の合計厚み80μm、内層厚み1920μmのシートを作成した。この連続押出したシートを、長手方向に14枚の切断刃が略平行に5mm間隔で設置されたロータリーダイカッターを用いて裁断し、幅5mmのストランドを作成した。その後、シート幅方向に128枚の切断刃が略平行に5mm間隔で設置されたロータリーダイカッターを用いて裁断し、幅5mm×長さ5mmのペレットを得た。ロータリーダイカッターにより切断する直前のシート温度は80℃であった。得られたペレットのMFRは20であった。このペレットの互着性、および生産量を表1に示した。
[実施例3]
内層を構成する樹脂組成物として、非晶性プロピレン系樹脂である重合体Aを97重量%と結晶性プロピレン系樹脂(住友化学株式会社製 グレード名:FLX80E4、DSCによる融解ピーク=165℃、MFR=8g/10分)を3重量%、Irgnox1010を1200ppm、Irgfos168を1200ppm、有機過酸化物(日本油脂製 パーヘキサ25B−8)を1.25部用いた以外は、実施例1と同様にして、両外層の合計厚み80μm、内層厚み1920μmのシートを作成した。さらに実施例1と同様にして、ペレットを得た。得られたペレットのMFRは10であった。得られたペレットの互着性、および生産量を表1に示した。
[実施例4]
内層を構成する樹脂組成物として、非晶性プロピレン系樹脂である重合体Aを85重量%と結晶性プロピレン系樹脂(住友化学株式会社製 グレード名:S131、DSCによる融解ピーク=130℃、MFR=1.5g/10分)を15重量%、Irgnox1010を1200ppm、Irgfos168を1200ppm、有機過酸化物(日本油脂製 パーヘキサ25B−8)を0.26部用いた以外は実施例1と同様にして、両外層の合計厚み80μm、内層厚み1920μmのシートを作成した。さらに実施例1と同様にして、ペレットを得た。得られたペレットのMFRは3であった。得られたペレットの互着性、および生産量を表1に示した。
[比較例1]
単層の3mmφストランドダイを用い、非晶性プロピレン系樹脂である重合体Aを50重量%と結晶性プロピレン系樹脂(住友化学株式会社製 グレード名:FLX80E4、DSCによる融解ピーク=165℃、MFR=8g/10分)を50重量%、Irgnox1010を1200ppm、Irgfos168を1200ppm、有機過酸化物(日本油脂製 パーヘキサ25B−8)を1.05部混合した熱可塑性樹脂組成物を押出し、ストランドカッターを用いてペレットを得た。得られたペレットのMFRは20であった。得られたペレットの互着性、および生産量を表2に示した。
[比較例2]
非晶性プロピレン系樹脂である重合体Aを97重量%と結晶性プロピレン系樹脂(住友化学株式会社製 グレード名:FLX80E4、DSCによる融解ピーク=165℃、MFR=8g/10分)を3重量%混合した熱可塑性樹脂組成物を用いた以外は比較例1と同様にして、ペレットを得た。得られたペレットのMFRは10であった。得られたペレットの互着性、および生産量を表2に示した。
Figure 0005556091
Figure 0005556091

Claims (2)

  1. 熱可塑性樹脂製シートを、該シートの長手方向に裁断してストランド状にした後、シートの幅方向に裁断するペレットの製造方法であって、
    前記熱可塑性樹脂製シートが、外層/内層/外層の順に積層されている多層構造を有し、
    外層が、示差走査熱量測定において結晶融解ピークが100℃以上の温度に観察される結晶性オレフィン系樹脂を含むものであり、
    内層が、非晶性または低結晶性オレフィン系樹脂およびスチレン系樹脂からなる群より選ばれる一種以上の樹脂を50重量%以上含むものであり(ただし、内層の重量を100重量%とする)、
    該シートを長手方向に裁断する直前のシート温度を50〜80℃とするペレットの製造方法。
  2. 前記熱可塑性樹脂製シートが、成形機より連続して押出されたシートである請求項1に記載のペレットの製造方法。
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