JP5434477B2 - ゼオライト、それを用いた吸着素子、吸着材モジュール、吸着ヒートポンプおよびデシカントローター - Google Patents
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Description
本発明のゼオライトと吸着材モジュールは、特に室内の除加湿を行う湿度調節装置に好適である。
斯かる技術のうち、特許文献1に記載のようなペルチェ素子の熱電変換機能を利用した技術が提案されている。ペルチェ素子は通常の電熱ヒータを利用する場合に比べ、吸着材の加熱と冷却を同時に行うことが出来るため、吸着材の吸着効率を高めることが出来る。
しかしペルチェ素子を利用する場合も、特許文献1に記載のように吸着ロータと組み合わせた装置の場合、一旦、当該ペルチェ素子の両側の熱伝導部を介して送風路の空気を加熱、冷却し、そして、吸着ローターを通過する空気自体を介して吸着材を加熱、冷却するため、熱効率が低く、ペルチェ素子自体もその発熱量に比べて大型化すると言う問題がある。
しかし、これらの吸着材を用いても、吸着材モジュールに搭載した際に、室内に十分な加湿量を提供する目的には未だ不十分であった。
すなわち、ペルチェ素子が発生する熱程度でも吸着材に吸着した水蒸気を脱着することはできても、十分な除加湿量がとれるような水蒸気吸着量を有する吸着材は見出されておらず、その開発が嘱望されていた。
OD型、またはATS型構造を有するゼオライトである。
本発明のゼオライトを、吸着材を担持させた一対の吸着素子をペルチェ素子の吸熱部および放熱部として機能する一対の板面にそれぞれ直接配置することにより構成した吸着材モジュールに使用した際、ペルチェ素子の発生する熱量でも再生ができ、かつ十分な加湿量を取ることができ、吸着材モジュールに好適であることを見出し、発明を完成させた。
本発明の第二の要旨は、前記ゼオライトにおいて、25℃で測定した水蒸気吸着等温線において、相対蒸気圧が0.1のときの水蒸気吸着量が0.03g/g以上であるゼオライトに存する。
本発明の第四の要旨は、前記ゼオライトを用いた吸着素子に存する。
本発明の第六の要旨は、前記吸着材モジュールにおいて、ペルチェ素子に流れる電流の逆転によって当該ペルチェ素子の吸熱部と放熱部を入れ替えることにより、各吸着素子における吸着操作と脱着操作を切替え可能になされている吸着材モジュールに存する。
本発明の第九の要旨は、前記ゼオライトを用いたデシカントローター、好ましくはデシカントローターの再生温度が90℃以下であるデシカントローターに存する。
そのため、本発明の吸着材モジュールによれば、一対の吸着素子に担持させる吸着材が、より低温での吸脱着が可能で且つ、少量でも十分な水蒸気量を吸脱着可能になるため、モジュールを小型化でき、これにより、湿度調節装置の装置構成を簡素化でき且つ装置全体を一層小型化することが出来る。また、より低温での吸脱着が可能であるため、ペルチェ素子の発熱温度も低温に抑えることが出来、その結果、ペルチェ素子、ならび吸着材モジュールの耐久性を向上させることも出来る。
さらに本発明のゼオライトは、前記の効果により、従来公知の吸着ヒートポンプやデシカントローターにも当然適用できる。吸着ヒートポンプに適用した場合は、「90℃以下の再生温度、30℃以上の吸着温度」で得られる冷水が7℃以下の運転が可能であり、かつゼオライトの水蒸気吸着量が多いため、吸着ヒートポンプの小型化が可能となる。デシカントローターで使用した場合は、低い再生温度での運転が可能となり、また小型化が可能となる。
本発明のゼオライトは、骨格構造にアルミニウム、リンと、鉄またはチタンを含むゼオライトであり、好ましくは鉄またはチタンを含む結晶性アルミノフォスフェート類であり、より好ましくは、合成が容易で製造コストも有利な点で、鉄を含む結晶性アルミノフォスフェートである。具体的には、骨格構造内にアルミニウム、リンを含むゼオライトにおいて、アルミニウム原子またはリン原子の一部が、鉄原子またはチタン原子で置換されているゼオライトであり、好ましくは鉄原子で置換されているゼオライトである。 本発明のゼオライトは、骨格構造中に、アルミニウム原子、リン原子、鉄原子またはチタン原子以外の原子を含んでいてもよく、具体的には骨格構造中のアルミニウム原子、リン原子の一部が、鉄原子、チタン原子以外の他の原子と置換されていてもよい。
置換される原子の種類は特に限定されるものではないが、通常アルミニウム原子が、周
期表第三または第四周期に属し、2A族、7A族、8族、1B族、2B族、3B族(Alを除く)、4B族(Si,Geを除く)の元素から選ばれる少なくとも一種類の元素で置換されているものであり、好ましくはCo、Ga、Mg、Zn、Sn(2価)で置換されるもの、または、通常リン原子が周期表第三または第四周期に属する4B族の元素で置換されているものであり、好ましくはSi、Sn(4価)で置換されているものであり、好ましくはアルミニウムとリンの両方がそれぞれ前記の元素で置換されているものである。より好ましくはGa、Mg、Si、Snで置換されているものであり、さらに好ましくはGa,Si、Snで置換されているものである。
FI、AFN、AFR、AFS、AFT、AFX、ATO、ATS、CHA、ERI、LEV、SOD、VFIなどが挙げられる。中でも、吸着特性、耐久性の点からは、AEI型、AEL型、AFI型、CHA型、LEV型、SOD型構造の何れかが好ましく、特に耐久性と吸着特性の面からSOD型、ATS型が好ましい。
また、これらは単独で用いても、2種類以上の構造のゼオライトを組み合わせて使用することもできる。
本発明のゼオライトは以下に示すような吸着特性を有するものである。
を有する。吸着量の変化量は大きいほどよく、上限は特に限定されるものではないが、通常は0.30g/g以下、好ましくは0.25g/g以下である。
本発明のゼオライトの水蒸気吸着量は特に限定されるものではないが、ゼオライトの25℃で測定した水蒸気吸着等温線において、相対蒸気圧が0.1のときの水蒸気吸着量が通常0.03g/g以上であり、好ましくは0.04g/g以上である。水蒸気吸着量は大きいほどよく、上限は特に限定されるものではないが、通常は0.20g/g以下、好ましくは0.10g/g以下である。
、AET、AFI、AFN、AFR、AFS、AFT、AFX、ATO、ATS、CHA、ERI、LEV、SOD、VFIなどの中から適宜選択すること、ゼオライトの製造の際、下記するテンプレート(構造規定剤)を適宜選択すること、水性出発原料の組成を適宜選択すること等によって、得られるゼオライトの構造、組成等を最適化することによって得られる。
水熱合成の方法は、特に限定されるものではなく、通常、水性出発原料を耐圧容器に入れて反応させる。反応圧力は特に限定されないが、通常、自己発生圧下、または結晶化を阻害しない気体の加圧下で行われる。水熱合成の温度条件は、特に限定されないが、通常100〜300℃であり、合成のしやすさの観点からは150〜250℃が好ましく、160〜210℃がより好ましい。
(アルミニウム原子源)
本発明のゼオライト合成に用いられるアルミニウム原子源は特に限定されず、通常、擬ベーマイト、アルミニウムイソプロポキシド、アルミニウムトリエトキシド等のアルミニウムアルコキシド、水酸化アルミニウム、アルミナゾル、アルミン酸ナトリウムなどが挙げられるが、擬ベーマイトが取り扱い易く、反応性が高い点で好ましい。
本発明のゼオライト合成に用いられるリン源としては特に限定されるものではないが、通常リン酸が用いられるが、リン酸アルミニウムを用いてもよい。
本発明のゼオライト合成に用いられる鉄原子源としては特に限定されるものではないが、通常、硫酸鉄、硝酸鉄、リン酸鉄、塩化鉄、臭化鉄等の無機酸鉄、酢酸鉄、シュウ酸鉄、クエン酸鉄等の有機酸鉄、鉄ペンタカルボニル、フェロセン等の鉄有機金属化合物などが挙げられる。これらのうち、無機酸鉄、有機酸鉄が水に溶けやすい点で好ましく、なかでも硝酸第二鉄、硫酸第一鉄などの無機酸鉄化合物がより好ましい。場合によってはコロイド状の鉄水酸化物等を用いても良い。
(チタン原子源)
チタン原子源は特に限定されるものではないが、通常、硫酸チタン、シュウ酸チタン、塩化チタン、チタンのアルコキシドなどが用いられる。なかでもチタンのアルコキシドが好ましい。場合によってはコロイド状のチタンの酸化物等を用いても良い。
(その他の原子源)
他の原子源としては、ケイ素、リチウム、マグネシウム、ジルコニウム、バナジウム、クロム、マンガン、コバルト、ニッケル、パラジウム、銅、亜鉛、ガリウム、ゲルマニウム、砒素、スズ、カルシウム、硼素などが挙げられる。他の原子源は、反応やゼオライトの性能を阻害しない限り、種々の原子源の形で使用することができる。
例えばケイ素原子を骨格構造内に含める場合にはケイ素源としては特に限定されないが、ヒュームドシリカ、シリカゾル、コロイダルシリカ、水ガラス、ケイ酸エチル、ケイ酸メチルなどが用いられる。
本発明のゼオライトの合成には、必要に応じてテンプレート(構造規定剤)を用いることができ、好ましくはテンプレートを用いる。用いるテンプレートは特に限定されるものではないが、テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、テトラプロピルアンモニウム、テトラブチルアンモニウム等の4級アンモニウム塩、モルホリン、ジ−n−プロピルアミン、トリ−n−プロピルアミン、トリ−n−イソプロピルアミン、トリエチルアミン、トリエタノールアミン、ピペリジン、ピペラジン、シクロヘキシルアミン、2−メチルピリジン、N,N−ジメチルベンジルアミン、N,N−ジエチルエタノールアミン、ジシクロヘキシルアミン、N,N−ジメチルエタノールアミン、コリン、N,N‘−ジメチルピペラジン、1,4−ジアザビシクロ(2,2,2)オクタン、N−メチルジエタノールアミン、N−メチルエタノールアミン、N−メチルピペリジン、3−メチルピペリジン、N−メチルシクロヘキシルアミン、3−メチルピリジン、4−メチルピリジン、キヌクリジン、N,N’−ジメチル−1,4−ジアザビシクロ−(2,2,2)オクタンイオン、ジ−n−ブチルアミン、ネオペンチルアミン、ジ−n−ペンチルアミン、イソプロピルアミン、t−ブチルアミン、エチレンジアミン、ピロリジン、2−イミダゾリドン、ジ−イソプロピル−エチルアミン、ジメチルシクロヘキシルアミン、シクロペンチルアミン、N−メチル−n−ブチルアミン、ヘキサメチレンイミン、ベンジルアミン等の1級アミン、2級アミン、3級アミン、ポリアミンが挙げられる。これらは混合して用いてもよい。このなかでも、トリ−n−プロピルアミン、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラプロピルアンモニウムヒドロキシドが反応性の点で好ましく、これらは単独で使用しても良いし、2種以上組み合わせて用いても良い。
上述のアルミニウム原子源、リン原子源、鉄原子源またはチタン原子源および、好ましくはテンプレートを混合して水性出発原料を調合する。
親水性有機溶媒が挙げられる。
本発明のゼオライトの製造方法の順序は特に限定されるものではないが、アルミニウム原子源、リン原子源、鉄原子源またはチタン原子源、必要に応じてケイ素等の他の原子源、および、テンプレートを混合した後に水熱合成を行い、一旦層状化合物を合成し、それを原料の少なくとも一部に使用してさらに上記記載のように、水熱合成を行ってゼオライトを合成してもよい。この方法を用いることにより、相対湿度が高い領域での吸着量が多くなり、特に後述する高湿度の処理を行うデシカント用途に好適なゼオライトが製造できる点で好ましい。
次に本発明のゼオライトを用いた吸着材モジュール等、その用途について詳述する。
本発明の吸着材モジュールは、空気を除湿および/または加湿する湿度調節装置において使用される。本発明の吸着材モジュールは、駆動機構を必要とせず且つ熱効率が高いため、殊に、車両室内の空気を除湿および/または加湿する湿度調節装置などの比較的小型の装置に好適である。
電子部品である。すなわち、ペルチェ素子は、2種の金属板の間にP型半導体とN型半
導体を多数配置すると共に、一方の金属板によってN−P接合を構成し且つ他方の金属板によってP−N接合を構成した素子であり、斯かる素子においては、PN接合部分に電流を流すことにより熱移動が起こり、一方の金属板で吸熱現象が生じ、他方の金属板で放熱
現象が生じる。
本発明の吸着素子は、通常、吸着ヒートポンプの構成部品、デシカントローターの構成部品、下記する本発明の吸着材モジュールの構成部品として使用することができ、本発明の吸着材モジュールの構成部品として使用するのが好ましい。デシカント用の吸着素子の構成部品として用いる場合は、高い相対圧で吸着量の大きい吸着性能を持つ吸着材が好ましい。
板状の基材シートに波板状の基材シートを重ねることにより一列のセルを形成した通気セル形成シートがペルチェ素子(30)の板面(3a)、(3b)に対して平行に複数隣接配置された構造、換言すれば、各通気セル形成シートの略平板状の基材シートがペルチェ素子(30)の板面(3a)、(3b)と平行となる様に配置された構造を備えており、通気セルは、波板状の基材シートの各凸部と隣接する平板状の基材シートとを接合することにより、エレメント端面側(通気方向の両端面側)の開口形状が略三角形に形成される。
モジュール(1)の入口に向うに従い幅が漸次広くなる様に形成され、そして、吸着材モジュール(1)の下流側の部分の流路は、湿度調節装置の吹出口に向う従い幅が漸次狭くなる様に形成されてもよい。同様に、吸着材モジュール(1)は、例えば湿度調節装置内の流路の高さよりも厚く形成され、吸着材モジュール(1)への入口部分の流路は、吸着材モジュール(1)の入口に向って従い高さが漸次高くなる様に形成され、そして、吸着材モジュール(1)の下流側の部分の流路は、湿度調節装置の吹出口に向う従い高さが漸次低くなる様に形成されてもよい。
さらに室内の湿度の調整において、湿度が急激に変化することは好ましくないので、ある湿度で水蒸気の吸着、再生が急激に開始したりしないような吸着性能が好ましい。これは吸着等温線の特性で表現すると、吸着等温線が急峻に立ち上がるようなものではなく、相対圧の変化とともに0.08から0.15の相対圧の間でなだらかな吸着をおこなうようなものが好ましい。さらに吸着等温線において、相対蒸気圧が0.1のときに吸着量が
0.03g/g以上であることが好ましい。
作機構は、特許文献3に開示されている。
〜6000rpm程度、最大静圧は100〜300Pa程度、最大風量は0.1〜0.5
m3/min程度である。なお、湿度調節装置においては、共通の1基の送風機により
、一対の吸着素子(31)、(32)に空気を供給する様に構成されてもよい。
(又は加湿)された空気と第2の吸着素子(32)で加湿(又は除湿)された空気との間で顕熱交換を行うため、吸着材モジュール(3)の下流側、好ましくは流路切替装置(4)の下流側にフィン型熱交換器や直交型熱交換器などの熱交換器が配置されてもよい。熱交換器を配置した場合には、ペルチェ素子(30)で加熱された高温の加湿空気と、ペルチェ素子(30)で冷却された低温の除湿空気との間で熱交換できるため、例えば冬季には、加湿され且つ適度に温度の低下した快適な空気を乗員側へ吹き出すことが出来る。更に、吸着材モジュール(1)の上流側または下流側には、室内で発生した臭気成分を捕捉するための脱臭用フィルターが配置されてもよい。
本発明のゼオライトは、吸着ヒートポンプ用にも適用できる。通常、公知の吸着ヒートポンプに適用することができる。
一般に遠心圧縮機を用いたターボ冷凍機は10℃よりも低温の冷熱を製造することが可能である。このようなターボ冷凍機に置き換わるような省エネ型の圧縮機を用いない冷凍機が望まれている。すなわち、10℃よりも低温の冷熱が製造でき、しかも90℃以下の排熱などが利用できる吸着ヒートポンプが望まれている。
本発明の吸着ヒートポンプは、好ましくは生成する冷熱として、9℃以下、好ましくは7℃以下、より好ましくは5℃以下であり、再生に用いる熱としては、90℃以下、好ましくは80℃以下、より好ましくは75℃以下、最も好ましくは70℃以下である吸着ヒートポンプである。前記の場合の吸着材の温度としては、30℃以上、好ましくは35℃以上となっても稼動できるものが求められる。例えば、5℃の冷水を35℃の吸着温度で生成させるためには、相対蒸気圧0.15となり、7℃の冷水を37℃の吸着温度で生成させるためには、相対蒸気圧が0.16となる。また、再生については、例えば、再生温度が90℃、吸着材の温度が35℃の場合は相対蒸気圧は0.08となり、再生温度が80℃、吸着温度が30℃の場合は、相対蒸気圧は0.09となる。したがって、このような吸着ヒートポンプに対応できる吸着材としては、相対蒸気圧0.08以上0.15以下の範囲における水の吸着量の変化が0.12g/g以上、好ましくは、0.13g/g以上、より好ましくは0.14g/g以上であることが好ましい。
本発明のゼオライトは、デシカントローターに適用することもできる。通常、本発明のゼオライトを吸着素子、またはハニカム構造を有するローターに担持して、デシカントローターとして使用することができ、好ましくは低温で、具体的には90℃以下の再生温度での水蒸気の再生が可能なデシカントローターとして利用することができる。
水15gと85%リン酸水溶液9.2gの混合物に、25%水含有擬ベーマイト(サソール社製)5gをゆっくりと加えて攪拌した。これを2時間攪拌し、これに硫酸第一鉄7水和物1.7gを水6gに溶かした水溶液を加え、さらにテトラメチルアンモニウムヒドロキシド5水和物3.6gを水6gに溶かしたものと40wt%テトラプロピルアンモニウムヒドロキシド水溶液10.2gを混合した液をこれに加えて混合して1時間攪拌し出発反応物を得た。これをテフロン(登録商標)製内筒の入った100ccのステンレスオートクレーブに仕込み、オートクレーブごと15rpmで回転させ、190℃、24時間反応させた。反応後、冷却して、デカンテーションにより上澄みを除いて、沈殿物を回収し、水洗、ろ過を繰り返し、100℃で乾燥した。このうち3gを縦型の石英管にいれ、室温から1℃/分で昇温し、550℃で6時間の空気焼成を行った。こうして得られた結晶性鉄アルミノフォスフェートのXRDを測定したところ、SOD型(フレームワーク密度は17.2T/1000Å3)であった。
得られたSOD型ゼオライトについて、25℃における吸着等温線を吸着等温線測定装置(ベルソープ18:日本ベル社製)で測定した。なお前処理は、前処理温度120℃、真空下にて5時間処理した。空気恒温槽温度50℃、吸着温度25℃、初期導入圧力400Pa、飽和蒸気圧3167Pa、平衡時間500秒で行った。この結果を図1に示した。
水15gと85%リン酸水溶液9.2gの混合物に、25%水含有擬ベーマイト(サソール社製)4.9gをゆっくりと加えて攪拌した。これを2時間攪拌し、これに硫酸第一鉄7水和物2.2gを水18gに溶かした水溶液を加え、さらにトリn−プロピルアミン10.3gを混合して1時間攪拌し出発反応物を得た。これをテフロン(登録商標)製内筒の入った100ccのステンレスオートクレーブに仕込み、オートクレーブごと15rpmで回転させ、100℃で3日間加熱後、150℃で24時間反応させた。反応後、冷
却して、デカンテーションにより上澄みを除いて、沈殿物を回収し、水洗、ろ過を繰り返し、100℃で乾燥した。このうち3gを縦型の石英管にいれ、室温から1℃/分で昇温し、550℃で6時間の空気焼成を行った。こうして得られた結晶性鉄アルミノフォスフェートのXRDを測定したところ、ATS型(フレームワーク密度は16.4T/1000Å3)であった。
得られたATS型ゼオライトについて25℃における吸着等温線を実施例1と同様に、吸着等温線測定装置(ベルソープ18:日本ベル製)で測定した。
結果を図2に示す。
(アルミノフォスフェート(AlPO4)レイヤーの合成)
水8.9gと85%リン酸水溶液9.2gの混合物に、25%水含有擬ベーマイト(サソール社製)5.4gをゆっくりと加えて攪拌した。これを2時間攪拌し、これにベンジルアミン8.6gを加え、さらに水10.0gを混合して1時間攪拌し出発反応物を得た。これをテフロン(登録商標)製内筒の入った100ccのステンレスオートクレーブに仕込み、オートクレーブごと15rpmで回転させ、190℃で24時間反応させた。反応後、冷却して、生成物を回収し、水洗、ろ過を繰り返し、100℃で乾燥した。こうして得られた結晶性アルミノフォスフェートのXRDを測定したところ層状化合物であった(層間距離d=19.5A)。これをAlPO4レイヤーとする。
(AlPO4レイヤー添加FAPSO−SODの合成)
水12.5gと85%リン酸水溶液8.8gの混合物に、25%水含有擬ベーマイト(サソール社製)5.2gをゆっくりと加えて攪拌した。これを2時間攪拌し、これに硫酸第一鉄7水和物2.2gを水18gに溶かした水溶液およびフュームドシリカ0.24gを加え、さらにテトラメチルアンモニウムヒドロキシド(25%水溶液)14.5gを加
えて攪拌した。これを1時間攪拌し、これに上記で合成したAlPO4レイヤー5.0gを加え、さらに1時間攪拌して出発反応物を得た。これをテフロン(登録商標)製内筒の入った100ccのステンレスオートクレーブに仕込み、オートクレーブごと15rpmで回転させ、190℃で24時間反応させた。反応後、冷却して、デカンテーションにより上澄みを除いて、沈殿物を回収し、水洗、ろ過を繰り返し、100℃で乾燥した。このうち3gを縦型の石英管にいれ、室温から1℃/分で昇温し、550℃で6時間の空気焼成を行った。こうして得られた結晶性鉄シリカアルミノフォスフェートのXRDを測定したところ、SOD型(フレームワーク密度は17.2T/1000Å3)であった。
前記SOD型ゼオライトの25℃における吸着等温線を実施例1と同様に吸着等温線測定装置(ベルソープ18:日本ベル製)で測定した。結果を図3に示す。なお、空気恒温槽温度50℃、吸着温度25℃、初期導入圧力400Pa、飽和蒸気圧3167Pa、平衡時間500秒で行った。
水15gと85%リン酸水溶液9.2gの混合物に、25%水含有擬ベーマイト(サソール社製)5.2gをゆっくりと加えて攪拌した。これを1時間攪拌し、次いで、硫酸第一鉄7水和物2.2gを水10gに溶かした水溶液を加え、更にトリエチルアミン4.8gを混合した後、1時間攪拌して出発反応物を得た。これをテフロン(登録商標)製内筒の入った100mlのステンレスオートクレーブに仕込み、オートクレーブごと15rpmで回転させ、190℃で12時間反応させた。反応後、冷却して、デカンテーションにより上澄みを除き、沈殿物を回収し、水洗、ろ過を繰り返し、100℃で乾燥した。このうち3gを縦型の石英管に入れ、室温から1℃/分の昇温速度で昇温し、550℃で6時間の空気焼成を行った。こうして得られた結晶性鉄アルミノフォスフェートのXRDを測定したところ、AFI型(フレームワーク密度は17.3T/1000Å3)であった。
前記AFI型ゼオライトの25℃における吸着等温線を実施例1と同様に、吸着等温線測定装置(ベルソープ18:日本ベル製)で測定した。結果を図4に示す。
2 :送風機
30:ペルチェ素子
3a:ペルチェ素子の板面(吸熱部または放熱部)
3b:ペルチェ素子の板面(放熱部または吸熱部)
31:第1の吸着素子
32:第2の吸着素子
33:エレメント
4 :流路切替装置
Claims (11)
- 骨格構造にアルミニウムとリンと、鉄を含むゼオライトであり、前記ゼオライトの25℃で測定した水蒸気吸着等温線において、相対蒸気圧0.08以上0.15以下の範囲におけるゼオライトの水吸着量の変化が0.12g/g以上であることを特徴とするゼオライト。
- 前記ゼオライトの25℃で測定した水蒸気吸着等温線において、相対蒸気圧が0.1のときの水蒸気吸着量が0.03g/g以上である請求項1記載のゼオライト。
- ゼオライトの骨格構造がIZA(International Zeolite Association)の定める構造のコードでSOD型、またはATS型構造を有する請求項1または2に記載のゼオライト。
- 請求項1〜3のいずれか1項に記載のゼオライトを用いた吸着素子。
- 空気を除湿および/または加湿する湿度調節装置に使用される吸着材モジュールであって、前記モジュールは吸熱部および放熱部としてそれぞれ機能する一対の板面を備えたペルチェ素子と、当該ペルチェ素子の各板面にそれぞれ直接配置された第1の吸着素子および第2の吸着素子とを有し、これら第1及び第2の吸着素子が、通気可能なエレメントに吸着材としてのゼオライトを担持させて構成されている吸着材モジュールであり、
かつゼオライトに、請求項1〜3のいずれか1項に記載のゼオライトを用いることを特徴とする吸着材モジュール。 - ペルチェ素子に流れる電流の逆転によって当該ペルチェ素子の吸熱部と放熱部を入れ替えることにより、各吸着素子における吸着操作と脱着操作を切替え可能になされている請求項5に記載の吸着材モジュール。
- 第1及び第2の吸着素子のエレメントの少なくとも一方が、略波板状の基材シート及び略平板状の基材シートから成る通気セル形成シートを複数積層したコルゲート型のエレメントであり、かつ、当該エレメントは、前記各通気セル形成シートの略平板状の基材シートがペルチェ素子の板面と平行に、または直交して配置された構造を備えている請求項5または6に記載の吸着材モジュール。
- 請求項1〜3のいずれか1項に記載のゼオライトを用いた吸着ヒートポンプ。
- 吸着ヒートポンプの再生温度が90℃以下であり、吸着温度が30℃以上で得られる冷熱が7℃以下である請求項8に記載の吸着ヒートポンプ。
- 請求項1〜3のいずれか1項に記載のゼオライトを用いたデシカントローター。
- デシカントローターの再生温度が、90℃以下である請求項10に記載のデシカントローター。
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