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JP5420826B2 - 超低硫黄燃料油の製造方法 - Google Patents

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JP5420826B2 JP2007145120A JP2007145120A JP5420826B2 JP 5420826 B2 JP5420826 B2 JP 5420826B2 JP 2007145120 A JP2007145120 A JP 2007145120A JP 2007145120 A JP2007145120 A JP 2007145120A JP 5420826 B2 JP5420826 B2 JP 5420826B2
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Description

本発明は、炭化水素油の流動接触分解で留出される分解軽油(LCO:Light Cycle Oil)から超低硫黄燃料油を製造する製造方法に関する。
従来、原油の精製工程において流動接触分解(FCC:fluid catalytic cracking)が行われる。FCCの主目的は重質油からガソリンや分解軽油(LCO:Light Cycle Oil)を製造することである。ここで製造されたLCOには芳香族化合物が非常に多く含まれているため、軽油としての品質を満たさない。そこで、一般的にはA重油またはC重油の基材として活用するか、または、他の軽油基材に少量のLCOを混合することによって処理されている。
しかしながら、LCOを他の軽油基材に混合できる量には限度があり、また、最近の重油の需要の低下により、LCOを有効的に活用する技術の開発が期待されている。
例えば、特許文献1には、FCCにより得られる留出油を水素化して軽油として用いる技術が開示されている。特許文献1に記載された製造方法は、第1工程〜第3工程からなり、第1工程で炭化水素油の水素化脱硫が行われ、第2工程では第1工程で生じた硫化水素、アンモニアを含んだガス成分の除去が行われ、第3工程では芳香族炭化水素の水素化と同時に水素化脱硫も行われる。
また、特許文献2には、LCOを高オクタン価の芳香族ガソリン基材へ改質する方法が開示されている。
特開2001−107060号公報 特開昭61−148295号公報
しかしながら、特許文献1では、多環の芳香族化合物が多量に存在する場合、触媒の水素化脱硫活性を低下させるという問題がある。また、得られる軽油の色相が悪くなるという問題もある。さらに、芳香族炭化水素を完全に水素化するため、水素消費量が多いという問題もある。これらの問題を防ぐ方法として、低温で水素化脱硫することも考えられるが、途中で硫化水素の濃度の高いガスを分離する第2工程を含んでいるため工程が複雑になってしまい実用的でない。さらに、芳香族炭化水素の水素化活性を上げるために高価な貴金属触媒を用いなければならず、経済的に有効でない。
また、特許文献2では、LCOを水素化した後に再度FCC装置へ通油しているが、水素化されたナフテンが分解されるだけでなく、ナフテン留分による水素移行反応が併発してオレフィン分が低下する。したがって、精製されたガソリン留分のオクタン価が低下するという問題点がある。
そこで、本発明の目的は、炭化水素油の流動接触分解で留出される分解軽油(LCO:Light Cycle Oil)から軽油基材またはガソリン基材として有用な超低硫黄燃料油を製造する超低硫黄燃料油の製造方法を提供することである。
本発明の超低硫黄燃料油の製造方法は、炭化水素油の流動接触分解で留出される分解軽油(LCO:Light Cycle Oil)から超低硫黄燃料油を製造する超低硫黄燃料油の製造方法であって、前記LCOを、1環芳香族分の比率が全芳香族分に対して0.5以上1.0以下である軽質分解軽油留分と、2環および3環芳香族分の比率が全芳香族分に対して0.5以上1.0以下である重質分解軽油留分とを、前記軽質分解軽油留分の分留温度を200℃以上290℃以下の範囲に設定して分離する分離工程と、前記分離工程で留出した前記軽質分解軽油留分に直留軽油を混合して水素化脱硫処理を実施して第1の軽油基材を製造する第1の脱硫工程と、前記分離工程で分離した前記重質分解軽油留分を脱硫して脱硫重質分解軽油を製造する第2の脱硫工程と、前記脱硫重質分解軽油を分解してガソリン基材と第2の軽油基材とを製造する分解工程と、を実施することを特徴とする。
本発明で製造する超低硫黄燃料油としては、ガソリン基材および軽油基材である。
流動接触分解は、通常、重質軽油(HGO)や減圧軽油(VGO)を原料とする流動接触分解(FCC:fluid catalytic cracking)と、アスファルテン分を多く含むものを原料とする残油流動接触分解(RFCC:Residue fluid catalytic cracking)と区別する場合があるが、本発明の流動接触分解はFCCとRFCCのいずれをも含み、いずれの工程で留出されたLCOをも本発明の対象とする。
また、以降は、軽質分解軽油留分をLLCO留分、重質分解軽油留分をHLCO留分と表記する場合もある。
この発明によれば、LCOを1環芳香族分の比率の高いLLCO留分と2環および3環芳香族分の比率の高いHLCO留分とに分離し、LLCO留分には脱硫工程を実施し、HLCO留分には脱硫工程を実施した後、さらに分解工程を実施する。
LCOには芳香族分が多く含まれているため、通常行われる水素化脱硫処理により脱硫を行っても硫黄分が十分に低減されないが、本発明のように芳香族分の特性に応じて分留し、各留分に適した処理を行うので、脱硫工程において無駄に水素を消費することなく、効率よくかつ経済的に超低硫黄の軽油基材およびガソリン基材を製造することができる。
具体的には、軽質分解軽油(LLCO)留分は1環芳香族分の比率が全芳香族分に対して0.5以上1.0以下であり、好ましくは0.6〜0.8である。1環芳香族分の比率が0.5未満であると、多環芳香族の水素化脱硫反応の競争吸着被毒、さらには触媒劣化に与える影響が大きくなるため好ましくない。また、0.8を超えると、例えばLCOからのLLCO留分を蒸留分離する場合、そのLLCO留分の得率が小さくなりすぎるため効率的ではない。
また、重質分解軽油(HLCO)留分は2環および3環芳香族分の比率が全芳香族分に対して0.5以上1.0以下であり、好ましくは0.6〜0.8である。2環および3環芳香族分の比率が0.5未満であると、1環芳香族が多いため、単純に脱アルキル反応を実施すればよく、水素化分解処理を適用する必要がない。また、上限値は1.0以下であればよいが、3環芳香族の水素化に供される水素消費量が多く、また触媒層の急激な発熱が生じるおそれがあることから、0.8以下であることが好ましい。
このような製造方法で製造された軽油基材は硫黄分が10ppm以下で、かつセタン指数が50以上という性状を有するので、通常の軽油として有用である。
また、HLCO留分の脱硫および分解により製造されたガソリン基材は硫黄分が10ppm以下で、かつオクタン価が80以上という性状を有するので、通常のガソリン基材として使用することができる。また、このガソリン基材は炭素数6〜8の芳香族分を多く含んでいる。炭素数6〜8の芳香族分としては、ベンゼン、トルエン、キシレン(BTX)などが挙げられるが、特にキシレンが多く含まれている。したがって、炭素数6〜8の芳香族分を石油化学原料として有効活用することができる。
さらに、HLCO留分の分解によりガソリン基材と同時に得られる第2の軽油基材は硫黄分10ppm以下であるので、これもまた有効に利用することができる。
このように、LCOから超低硫黄かつ有用な軽油基材およびガソリン基材を製造することができる。
また、本発明の製造方法によれば、LCOの分留条件および脱硫HLCO留分の分解条件を少し変えるだけで上記の超低硫黄燃料油のうち所望する燃料油を多く製造することができる。したがって、そのときの需要に応じた燃料油を選択して製造することができるので、無駄なく効率的に実施できる。
また、本発明の超低硫黄燃料油の製造方法では、前記分離工程は、前記LLCO留分の分留温度を200℃以上290℃以下の範囲で実施する。
例えば、この分離工程は蒸留塔にて実施することができる。
1〜3環の芳香族成分は留出温度によってそれぞれ組成が異なる。したがって、留出温度を変えることによって、所望する芳香族成分が多く含まれた留分を得ることができる。すなわち、1環芳香族分を多く含む軽質分解軽油(LLCO)留分と、2環および3環芳香族分を多く含む重質分解軽油(HLCO)留分とを容易に分留することができる。
この発明では、200℃以上290℃以下の範囲で蒸留するので、1環芳香族分を多く含むLLCO留分と、2環および3環芳香族分を多く含むHLCO留分とに分留することができる。より好ましい温度範囲は230℃以上270℃以下である。
なお、分留点が200℃未満であると、例えばLCOからLLCO留分を蒸留分離する場合、LLCO留分の得率が小さくなりすぎるため効率的ではない。また、290℃を超えると、多環芳香族の水素化脱硫反応への競争吸着被毒、さらには触媒劣化に与える影響が大きくなるため好ましくない。
本発明の超低硫黄燃料油の製造方法では、前記第1の脱硫工程は、前記軽質分解軽油留分とともに直留軽油を混合して水素化脱硫処理を実施する。
また、前記直留軽油の混合割合を40〜80容量%として実施することが好ましい。
この発明によれば、1環芳香族分が多いLLCO留分に直留軽油を40〜80容量%の範囲で混合して水素化脱硫処理を実施するので、得られる軽油基材のセタン指数を50以上とすることができる。セタン指数が50以上であれば、通常の軽油基材として有効である。
直留軽油のより好ましい混合割合は50〜80容量%である。直留軽油の混合割合が40容量%未満ではセタン指数を50以上とすることが困難である。また、80容量%を超えるのは経済的ではない。
本発明の超低硫黄燃料油の製造方法では、前記第1の脱硫工程は、水素分圧2MPa以上10MPa以下で行い、周期表第6、第8、第9、第10族金属のうち少なくともいずれか1種を含有した水素化脱硫触媒を用いて水素化脱硫処理を実施することが好ましい。
この発明では、周期表第6、第8、第9、第10族金属のうち少なくともいずれか1種を含有した触媒を用いるので、効率よく脱硫を行うことができ、硫黄分10ppm以下の超低硫黄軽油基材を製造することができる。
そして、本発明の超低硫黄燃料油の製造方法では、前記第2の脱硫工程は、水素分圧5MPa以上15MPa以下で行い、周期表第6、第8、第9、第10族金属のうち少なくともいずれか1種を含有した水素化脱硫触媒を用いて水素化脱硫処理を実施することが好ましい。
この発明では、周期表第6、第8、第9、第10族金属のうち少なくともいずれか1種を含有した触媒を用いるので、効率よく脱硫を行うことができ、硫黄分10ppm以下の脱硫重質分解軽油(HLCO)留分とすることができる。
さらに、本発明の超低硫黄燃料油の製造方法では、前記分解工程は、周期表第6族および第8族金属を含有し、さらに結晶性アルミノシリケートを含有する水素化分解触媒を用いて水素化分解処理を実施することが好ましい。
この発明では、HLCO留分の処理は、第2の脱硫工程および分解工程の2段階からなる。HLCO留分は、第2の脱硫工程の水素化脱硫処理により脱硫され、分解工程の水素化分解により超低硫黄のガソリン基材と軽油基材に分解される。
第2の脱硫工程では周期表第6、第8、第9、第10族金属のうち少なくともいずれか1種を含有した水素化脱硫触媒を用いているので効率よくHLCO留分を脱硫することができる。また、脱硫されたHLCO留分の分解工程では周期表第6族および第8族金属を含有した水素化分解触媒を用いて水素化分解を行うので、ガソリン基材と軽油基材に分解することができる。
このように、HLCO留分を第2の脱硫工程で脱硫を実施してから第2の分解工程で分解を行うので、HLCO留分を効果的に分解することができる。したがって、硫黄分10ppm以下でオクタン価80以上かつ炭素数6〜8の芳香族分10質量%以上のガソリン基材および硫黄分10ppm以下の軽油基材を製造することができる。
また、本発明の超低硫黄燃料油の製造方法では、前記結晶性アルミノシリケートは、Y型ゼオライトであり、かつ鉄を含有していることが好ましい。さらに、前記水素化分解触媒は、前記結晶性アルミノシリケートを10質量%以上80質量%以下で含有していることが好ましい。
これらの発明により、HLCO留分を超低硫黄かつ高オクタン価、さらに炭素数6〜8の芳香族分を多く含むガソリン基材と、超低硫黄の軽油基材とに効果的に分解することができる。
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本実施形態にかかる分解軽油(LCO)から低硫黄燃料油を製造する製造装置の一態様を示した概略図である。図1に示すように、製造装置100は、流動接触分解(FCC)装置から留出したLCOを軽質分解軽油(LLCO)留分と重質分解軽油(HLCO)とに分離する分離装置10と、LLCO留分を水素化脱硫処理する第1の水素化脱硫装置20と、HLCO留分を水素化脱硫処理する第2の水素化脱硫装置30と、脱硫された脱硫HLCO留分を水素化分解する水素化分解装置40と、を備えている。
本実施形態は、分離装置10で分離工程を実施し、水素化脱硫装置20および30で脱硫工程を実施し、水素化分解装置40で分解工程を実施する。各工程について以下に詳述する。
[1.分離工程]
分離工程はLCOをLLCO留分とHCLO留分とに分離する工程であり、分離装置10にて行われる。分離装置10はFCC装置に接続され、分留塔101を備えている。
FCC装置は、通常、重質油からガソリンやLCOを生成するが、生成物中には芳香族分やオレフィン分が多量に含まれている。FCC装置の原料油として特に好ましいのは、重質軽油、減圧軽油、常圧残油、脱歴油、原油およびこれらを事前に脱硫処理したもののほか、これらの混合物が挙げられる。
FCC装置で生成されたLCOは分離装置10に導入され、分留塔101で蒸留され、分留塔101の塔頂からLLCO留分を分留するとともに、塔底からHLCO留分を分離する。
ここで、LLCO留分とは、LLCO留分に含まれる全芳香族化合物のうち1環芳香族化合物の比率が0.5以上1.0以下である留分のことである。また、HLCO留分とは、HLCO留分に含まれる全芳香族化合物のうち2環以上の芳香族化合物の比率が0.5以上1.0以下である留分のことである。
原料であるLCOの芳香族化合物の含有量を高速液体クロマトグラフ法により分析すると、図2に示す結果が得られた。図2からわかるように、分留温度が低いほど1環芳香族化合物が多く留出し、分留温度が高いほど2環および3環の多環芳香族化合物が多く留出する。1環芳香族化合物を多く含むLLCO留分と、2環以上の芳香族化合物を多く含むHLCO留分とに分離するには、LLCO留分の分留温度を200℃以上290℃以下の範囲とすることが好ましい。
また、目的とする留分を得るために、この温度範囲内において適宜最適な温度を選択することができる。例えば、LLCO留分を多く分留したい場合は、例えば分留温度を240℃以上290℃以下の範囲内に設定すればよい。また、HLCO留分を多く分離したい場合は分留温度を200℃以上240℃以下の範囲内に設定すればよい。このように、目的とする留分の比率に応じて分留温度を調整することができる。
[2. 第1の脱硫工程]
分離工程で分離された留分のうちLLCO留分は第1の水素化脱硫装置20に通油され、硫黄分10ppm以下に脱硫される。この工程が第1の脱硫工程である。
第1の水素化脱硫装置20は、反応温度320℃以上400℃以下、水素分圧2MPa以上10MPa以下、液空間速度(LHSV)0.3h−1以上2.0h−1以下、の条件で運転される。また、水素化脱硫触媒として、周期表第6、第8、第9、第10族金属のうち少なくとも1種を耐火性酸化物担体に担持したものを用いることができる。耐火性酸化物担体としては、例えば、アルミナ、シリカ、シリカアルミナ、チタニア、マグネシア、酸化亜鉛、結晶性アルミノシリケート、粘土鉱物またはそれらの混合物が挙げられる。中でも、アルミナ、特にγ-アルミナが好ましい。その平均細孔は50Å以上150Å以下の範囲のものが好ましく、60Å以上140Å以下の範囲のものがより好ましい。形状については、粉体でもよく、円柱、三つ葉、四つ葉などの成形体でもよい。
そして、LCOのLLCO留分は直留軽油と混合して水素化脱硫装置20に通油される。直留軽油と混合することによって、生成される軽油のセタン指数を向上させることができる。
以上より、LLCO留分はこのような脱硫工程を経て、硫黄分10ppm以下、かつ、セタン指数50以上の軽油基材を製造することができる。
[3. 第2の脱硫工程]
分離工程で分離された留分のうちHLCO留分は第2の水素化脱硫装置30に通油され、脱硫される。この工程が第2の脱硫工程である。
第2の水素化脱硫装置30は、前述の第1の水素化脱硫装置20に使用した水素化脱硫触媒と同じものを使用することができ、これによりHLCO留分の脱硫を行う。
第2の水素化脱硫装置30は、反応温度320℃以上430℃以下、水素分圧5MPa以上15MPa以下、液空間速度(LHSV)0.3h−1以上2.0h−1以下、の条件で運転される。このような条件であれば、硫黄分が10ppm以下の脱硫HLCO留分を得ることができる。
[4.分解工程]
前述の第2の脱硫工程で水素化脱硫された脱硫HLCOは水素化分解装置40に通油され、水素化分解される。この工程が分解工程である。
水素化分解装置40は、反応温度320℃以上430℃以下、水素分圧5MPa以上15MPa以下、液空間速度(LHSV)0.3h−1以上2.0h−1以下、の条件で運転される。このような条件であれば、30質量%以上90質量%以下の範囲のHLCO留分の分解率を得ることができる。
また、触媒として、結晶性アルミノシリケートを含む水素化分解触媒を用いることができる。水素化分解触媒は、周期表第6、第8、第9、第10族金属のうち少なくとも1種を耐火性酸化物担体に担持したものを用いることができる。耐火性酸化物担体としては、例えば、アルミナ、シリカ・アルミナ、シリカ、または結晶性アルミノシリケートを含有するものが挙げられる。耐火性酸化物担体の結晶性アルミノシリケートの含有量は、10質量%以上80質量%以下であることが好ましいが、高水素化分解活性を発揮するという点から50質量%以上80質量%以下であることがより好ましい。
さらに、結晶性アルミノシリケートとしては、例えば、Y型ゼオライト、βゼオライトおよびモルデナイトなどが挙げられる。特に、Y型ゼオライトを修飾または安定化処理したものが好ましい。
Y型ゼオライトの修飾法としては、鉄イオンでイオン交換する方法がある。鉄イオン交換のY型ゼオライトの物性としては、Si0/Al(モル比)が3.5以上、好ましくは4.6以上である。また、格子定数が24.20Å以上24.40Å以下であるものが好ましい。
また、Y型ゼオライトの安定化処理としては、540℃以上810℃以下の範囲で水蒸気下にてスチーミング処理を実施する方法が挙げられる。スチーミング処理後の結晶性アルミノシリケートに鉱酸を加えて脱アルミニウムおよび脱落アルミニウムの洗浄を行う。さらに鉄で修飾する場合は、鉄の硫酸塩を加えて混合攪拌することにより、鉄の担持ならびに脱アルミニウムおよび脱落アルミニウムの洗浄を行うことが好ましい。
[4.超低硫黄燃料油の製造方法]
次に、具体的な超低硫黄燃料油の製造方法について説明する。
まず、FCC装置で得られたLCOを分離装置10に通油する。分離装置10の分留塔101にて温度200〜290℃の範囲内、例えば240℃でLCOの蒸留を行う。分留塔101の塔頂から分留された留分をLLCO留分とし、塔底に残った留分を第1のHLCO留分とする。
LLCO留分は直留軽油留分とともに第1の水素化脱硫装置20に通油され、脱硫されて硫黄分10ppm以下でかつセタン指数50以上の軽油基材となる。
一方、HLCO留分は、第2の水素化脱硫装置30に通油され、脱硫される。脱硫されたHLCO留分は、次に水素化分解装置40に通油され、分解される。そして、図示しない蒸留工程を経て、硫黄分10ppm以下、かつリサーチ法オクタン価(RON:Research Octane number)80以上、さらに炭素数6〜8の芳香族分を多く含むガソリン基材と、硫黄分10ppm以下の軽油基材とを製造することができる。このとき、ガソリン基材は50容量%以上、軽油基材は20容量%以下の割合で製造される。
[5.本実施形態における作用効果]
本実施形態によれば、FCC装置で得られたLCO留分を、LLCO留分とHLCO留分とに分離し、LLCO留分を第1の水素化脱硫処理で脱硫することにより硫黄分10ppm以下の超低硫黄の軽油基材を製造することができる。また、脱硫工程において直留軽油留分を混合しているので得られた軽油基材はセタン指数が50以上と高く、通常の軽油基材として有用である。なお、分離工程で得られたLLCO留分は、灯油としての性状も備えているので灯油基材としても活用することができる。
また、HLCO留分を第2の水素化脱硫処理と水素化分解処理を実施して超低硫黄のガソリン基材および超低硫黄の軽油基材を製造することができる。ガソリン基材は、リサーチ法オクタン価が80以上であるので、通常のガソリン基材として有用であり、さらに、炭素数6〜8の芳香族分が10質量%以上含まれているので、石油化学原料としても使用することができる。
本実施形態で得られる軽油基材およびガソリン基材は全て、硫黄分が10ppm以下と低いので、環境にやさしく、環境規制にも対応した燃料油を提供することができる。また、軽油基材またはガソリン基材としての性状も備えているので、有効活用することができる。
また、本実施形態では、分離工程において所望するLLCO留分とHLCO留分との比率に応じて分留温度を200℃以上290℃以下の範囲内で調整することができ、その結果、得られる軽油基材およびガソリン基材の比率を調整することができる。すなわち、分留温度を変えるだけで、所望する燃料油を多く製造することができる。
なお、最終的に得られるガソリン基材の炭素数6〜8の芳香族分は、第2の水素化脱硫処理工程および分解工程の原料油であるHLCO留分に含まれる2環および3環芳香族分が多いほど、多く製造される。したがって、HLCO留分の組成を変えることで炭素数6〜8の芳香族分の含有量を調整することができる。すなわち、分留塔101における分留温度を調整するという簡単な操作だけで、そのときの需要に応じた燃料油を多量に製造することができる。
[6.本実施形態の変形]
なお、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
例えば、前記実施形態では、FCC装置から得られたLCO留分を分離装置10に通油して、LLCO留分とHLCO留分とに分離したが、RFCC装置から得られたLCO留分を分離装置10に通油してもよい。
また、前記実施形態では、第1の脱硫工程においてLLCO留分に直留軽油を混合させたが、これは直留軽油に限定されず、例えば、水添脱硫軽油(DGO)などを用いてもよい。DGOを用いる場合、LLCO留分の脱硫工程後に混合させることが好ましい。
次に、実施例を挙げて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例の記載内容に何ら制約されるものではない。
本実施形態における分離工程のベンチ試験を行った(試験1)後、本実施形態における脱硫工程の水素化脱硫処理ベンチ試験(試験2)、および本実施形態における分解工程の水素化分解処理ベンチ試験(試験3)を行った。
<試験1>
FCC装置から得られた分解軽油(LCO)留分を蒸留装置にて軽質分解軽油(LLCO)留分と重質分解軽油(HLCO)留分とに分離し、得られたLLCO留分およびHLCO留分の性状を分析した。
硫黄分については、放射励起法(JIS K2541−4 「原油及び石油製品−硫黄分試験方法 第4部:放射線式励起法」)を、密度については、振動式密度法(JIS K2249 「原油及び石油製品−密度試験方法(振動式密度試験方法)」)を、窒素分は化学発光法(JIS K2609 「原油及び石油製品−窒素分試験方法(化学発光法)」)、さらに飽和炭化水素分、オレフィン分、芳香族分等の組成については、高速液体クロトグラム法(JPI−5S−49−97 「石油製品−炭化水素タイプ試験方法−高速液体クロマトグラフ法」)を用いた。また、セタン指数は、セタン指数計算方法(JIS K2280 「石油製品−燃料油−オクタン価及びセタン価試験方法並びにセタン指数計算方法」)を用いて測定値より求めた。
[実施例1]
LLCO留分の蒸留終点(EP)を分留温度の目標として、分留温度230℃で、LLCO留分とHLCO留分の比率が20/80質量%となるように、分留を行った。
[実施例2]
分留温度270℃で、LLCO留分とHLCO留分の比率が40/60質量%となるように分留を行った。
[比較例1]
実施例1および実施例2との比較を行うために、分離前のLCO留分の性状を分析した。
実施例1〜2および比較例1のサンプルの分析結果を以下の表1に示す。
Figure 0005420826
表1からわかるように、実施例1および実施例2のLLCO留分は全芳香族分中の1環芳香族分の比率が高く、HLCO留分は全芳香族分中の2環+3環芳香族分の比率が高い。このように、LLCO留分およびHLCO留分の比率を調整することができる。
<試験2>
試験1で得られたLLCO留分を用いて水素化脱硫処理を行った。
水素化脱硫処理は、以下に示す水素化脱硫触媒100ccを充填した反応管に、実施例3、4および比較例2に示すサンプルを通油し、通油後のサンプルの性状を分析し、評価した。
水素化脱硫処理で用いた水素化脱硫触媒は、アルミナ担体にチタン水溶液を含浸担持した担体に、ニッケル、モリブデン、リンを含む金属溶液を含浸担持して調製した。詳細は以下のとおりである。
塩基性炭酸ニッケル(FLUKA:NiO;62.3質量%)95g、三酸化モリブデン323g、正リン酸(純度80質量%)39gをイオン交換水1000ccに加えて、攪拌しながら80℃で溶解させ、80℃で濃縮後、室温に冷却、純水にて500ccに定容し、ニッケルモリブデンリン含浸液(S1)を調整した。
四塩化チタン500gおよび純水1リットルをそれぞれ氷水の冷却槽で冷却しておいた。この冷却しておいた純水を攪拌し、そこに冷却しながら徐々に四塩化チタンを滴下して、無色のチタニアゾル塩酸溶液を得た。このチタニアゾル溶液に、1.2倍当量のアンモニア水(濃度:1mol/l)を滴下し、1時間攪拌し、水酸化チタンゲルを得た。そのゲルを吸引濾過で分別し、約1リットルの純水に再分散させ濾過洗浄した。この操作を洗浄液が中性になるまで4〜5回繰り返し、塩素根を取り除いた。
得られた水酸化チタンゲルをTiOとして11g採取した。それに25質量%アンモニア水を50cc添加し、攪拌した。さらに、30質量%過酸化水素水100ccを徐々に添加し、チタニアゲルを溶解させ、ペルオキソチタン溶液を得た。そこへ、クエン酸第一水和物を29g徐々に添加して、攪拌しつつゆっくりと昇温し、50℃にて余剰の過酸化水素水を除去した。さらに、80℃にて溶液を全量が117ccになるまで濃縮し黄橙色透明なヒドロキシカルボキシラトチタンアンモニウム液(T1)を得た。
吸水率0.8cc/gのγ-アルミナ担体(A1)100gに、その吸水量に見合うようにヒドロキシカルボキシラトチタンアンモニウム溶液(T1)60ccを純水で希釈し、常圧にて含浸し、70℃で1時間真空にて乾燥後、120℃、3時間乾燥機にて乾燥させ、500℃で4時間焼成し担体(A2)を得た。
ニッケルモリブデンリン含浸液(S1)を50cc採取し、トリエチレングリコール6gを添加し、吸水率0.75cc/gの担体(A2)100gに、その吸水率に見合うように純水で容積を調整した溶液を、常圧下で含浸し、120℃で16時間乾燥させ、水素化脱硫触媒を調整した。
[参照例1]
参照例として、一般的な中東系原油からの直留軽油のみを上記反応管に通油した。
[実施例3]
参照例1の直留軽油に、実施例1のLLCO留分を20%混合した。
[実施例4]
参照例1の直留軽油に、実施例2のLLCO留分を20%混合した。
[比較例2]
参照例1の直留軽油に、比較例1のLCOを15%混合した。
[比較例3]
参照例1の直留軽油に、比較例1のLCOを20%混合した。
上記実施例3、4および比較例2、3のサンプルの水素化脱硫処理前後の性状を以下の表2に示す。なお、表2中のWAT(Weight Average Temperature)とは、生成油中の硫黄分含有量を達成する温度のことである。
Figure 0005420826
表2の比較例2および比較例3からわかるように、LCO留分を水素化脱硫処理した後のセタン指数を55以上に維持するには、LCO留分の混合比率を15%までにしか上げることができない。また、硫黄分8ppmを得るためのWATは、参照例に比べて7℃上昇した。
一方、実施例3および実施例4は1環芳香族分を多く含んだLLCO留分であるので、混合比率を20%まで向上させても、セタン指数57と良好な値が得られた。また、硫黄分8ppmを得るためのWATは、参照例と比べてもほとんど変わらない。
したがって、1環芳香族分の比率の高いLLCO留分は、直留軽油に高比率で混合させることができ、高いセタン指数を有する超低硫黄軽油基材を製造できることがわかる。
<試験3>
試験1で得られたHLCO留分を用いて水素化脱硫処理および水素化分解処理を行った。
水素化脱硫処理および水素化分解処理は、試験2で用いた水素化脱硫触媒と以下に示す水素化分解触媒とを50/50容量%の比率で充填した反応管に、実施例5、6および比較例4〜6に示すサンプルを通油し、通油後のサンプルに含まれる炭素数6〜8の芳香族分について評価した。
水素化分解処理で用いた水素化分解触媒は以下のように、ニッケル・モリブデンを含む金属溶液をアルミナ担体に含浸担持して調整した。
合成Na−Yゼオライト(Na0含量:13.3質量%、SiO/Alのモル比:5.0)をアンモニウムイオン交換し、NH−YゼオライトNaO含量:1.3質量%)を得た。これを580℃でスチーミング処理してスチーミングゼオライトを得た。10kgのスチーミングゼオライトを純水115リットルに懸濁させた後、この懸濁液を75℃に昇温し30分間攪拌した。次いで、この懸濁液に10質量%硫酸溶液63.7kgを35分間で添加し、さらに濃度0.57mol/lの硫酸第二鉄溶液11.5kgを10分間で添加し、添加後さらに30分間攪拌した後、濾過、洗浄し、固形分濃度30.5質量%の鉄含有結晶性アルミノシリケートスラリーIを得た。この鉄含有結晶性アルミノシリケートスラリーIの一部をとり乾燥した後、細孔構造を測定した。
細孔構造としては、600Å以下の細孔容積は0.5393cc/g、600Å以下の細孔容積に占める50〜300Åの細孔容積の割合は22.8%、さらに、100〜300Åの細孔容積の割合は15.6%であった。
次に、アルミナスラリーの調整を行った。内容積200リットルのスチームジャケット付ステンレス容器に、アルミン酸ナトリウム溶液(Al換算濃度:5.0質量%)80kgおよび50質量%のグルコン酸溶液240gを入れ、60℃に加熱した。次いで硫酸アルミニウム溶液(Al換算濃度:2.5質量%)88kgを別容器に準備し、15分間でpH7.2になるようにこの希釈硫酸アルミニウム溶液を添加し、水酸化アルミニウムスラリー(調合スラリーI)を得た。
この調合スラリーIをさらに60℃に保ったまま、60分間熟成した。次いで、調合スラリー全量を平板フィルターにより脱水し、60℃の0.3質量%アンモニア水600リットルで洗浄し、アルミナケーキとした。このアルミナケーキの一部を純水と15質量%のアンモニア水を用い、アルミナ濃度12.0質量%、pH0.5のスラリーを得た。このスラリーを還流器付のステンレス製熟成タンクに入れ攪拌しながら95℃で8時間熟成した。次いで、この熟成スラリーに純水を加え、アルミナ濃度9.0質量%に希釈した後、攪拌機付オートクレーブに移し、145℃で5時間熟成した。さらにAl換算濃度で20質量%となるように加熱濃縮すると同時に脱アンモニアし、アルミナスラリーAを得た。触媒の調整は、3200gの鉄含有結晶性アルミノシリケートスラリーI(30.5質量%濃度)と2625gのアルミナスラリーA(20質量%濃度)をニーダーに加え、加熱、攪拌しながら押し出し成形可能な濃度に濃縮した後、1/16インチサイズの三葉型ペレット状に押し出し成形した。次いで、110℃で16時間乾燥した後、550℃で3時間焼成し、鉄含有結晶性アルミノシリケート/アルミナ(固形分換算質量比)で50/50の担体A3を得た。
次に、三酸化モリブデンと炭酸ニッケルを純水に懸濁したものを90℃に加熱し、次いでりんご酸を加え溶解させた。この溶解液を担体A3にそれぞれ触媒全体に対してMoOとして10.0質量%、NiOとして4.25質量%になるように含浸し、乾燥させ、550℃で3時間焼成し、水素化分解触媒を得た。この水素化分解触媒は、比表面積455m/g、細孔容積0.62cc/g、細孔径1000Å以上の細孔容積0.13cc/gであった。比表面積はBET法、細孔容積、細孔分布は水銀圧入法で測定したものである。
[実施例5]
実施例1のHLCO留分(2環+3環/全芳香族分の割合75%)を用いた。
反応条件:温度390℃、水素分圧7MPa、LHSV0.6hr−1
[実施例6]
実施例2のHLCO留分(2環+3環/全芳香族分の割合83%)を用いた。
反応条件:実施例5と同じ
[比較例4]
比較例1のLCO(2環+3環/全芳香族分の割合65%)を用いた。
反応条件:実施例5と同じ
[比較例5]
比較例4において、反応条件を以下のようにした。
反応条件:温度390℃、水素分圧7MPa、LHSV1hr−1
[比較例6]
比較例4において、反応条件を以下のようにした。
反応条件:温度380℃、水素分圧7MPa、LHSV1hr−1
上記実施例5、6および比較例4〜6のサンプルを水素化脱硫処理および水素化分解処理を実施後の性状を以下の表3に示す。
分解率は、ガスクロ蒸留(ASTM D2887)ならびにベンチ試験での液収率から算出した沸点190℃より軽質留分への転化率である。なお、表3の炭素数8の芳香族分選択性および炭素数8の芳香族分/全芳香族分は、重質ナフサ重量基準での値である(重質ナフサは炭素数7以上の沸点190℃までの留分である)。また、芳香族類の組成分析には、FIDガスクロマトグラフィー法(JIS K2536−2 「ガソリン全組成分析」)を用いた。
Figure 0005420826
表3より得られた炭素数8の芳香族分/全芳香族分の割合と分解率との関係をグラフ化したものを図3に示す。図3からもわかるように、水素化分解処理前の2環+3環/全芳香族分の割合が高いほど、炭素数8の芳香族分の選択性が高い。したがって、2環または3環芳香族分を原料とすると、炭素数8の芳香族分を高い収率で得ることができる。
本発明は、接触分解(FCC)装置で留出する分解軽油(LCO)から有用な超低硫黄燃料油を製造する方法として利用することができる。
本発明の一実施形態にかかる超低硫黄燃料油の製造装置を示す概略図。 LCO留分に含まれる芳香族分の組成比率と留出温度の関係を示すグラフ。 実施例の試験3で得られた結果から炭素数8の芳香族分と分解率との関係を示すグラフ。
符号の説明
10…分離装置
20…第1の水素化脱硫装置
30…第2の水素化脱硫装置
40…水素化分解装置

Claims (7)

  1. 炭化水素油の流動接触分解で留出される分解軽油(LCO:Light Cycle Oil)から超低硫黄燃料油を製造する超低硫黄燃料油の製造方法であって、
    前記LCOを、1環芳香族分の比率が全芳香族分に対して0.5以上1.0以下である軽質分解軽油留分と、2環および3環芳香族分の比率が全芳香族分に対して0.5以上1.0以下である重質分解軽油留分と、前記軽質分解軽油留分の分留温度を200℃以上290℃以下の範囲に設定して分離する分離工程と、
    前記分離工程で留出した前記軽質分解軽油留分に直留軽油を混合して水素化脱硫処理を実施して第1の軽油基材を製造する第1の脱硫工程と、
    前記分離工程で分離した前記重質分解軽油留分を脱硫して脱硫重質分解軽油を製造する第2の脱硫工程と、前記脱硫重質分解軽油を分解してガソリン基材と第2の軽油基材とを製造する分解工程と、を実施する
    ことを特徴とする超低硫黄燃料油の製造方法。
  2. 請求項1に記載の超低硫黄燃料油の製造方法において、
    前記直留軽油の混合割合を40〜80容量%として実施する
    ことを特徴とする超低硫黄燃料油の製造方法。
  3. 請求項1または請求項2に記載の超低硫黄燃料油の製造方法において、
    前記第1の脱硫工程は、水素分圧2MPa以上10MPa以下で行い、周期表第6、第8、第9、第10族金属のうち少なくともいずれか1種を含有した水素化脱硫触媒を用いて水素化脱硫処理を実施する
    ことを特徴とする超低硫黄燃料油の製造方法。
  4. 請求項1から請求項3のいずれかに記載の超低硫黄燃料油の製造方法において、
    前記第2の脱硫工程は、水素分圧5MPa以上15MPa以下で行い、周期表第6、第8、第9、第10族金属のうち少なくともいずれか1種を含有した水素化脱硫触媒を用いて水素化脱硫処理を実施する
    ことを特徴とする超低硫黄燃料油の製造方法。
  5. 請求項1から請求項4のいずれかに記載の超低硫黄燃料油の製造方法において、
    前記分解工程は、周期表第6族および第8族金属を含有し、さらに結晶性アルミノシリケートを含有する水素化分解触媒を用いて水素化分解処理を実施する
    ことを特徴とする超低硫黄燃料油の製造方法。
  6. 請求項5に記載の超低硫黄燃料油の製造方法において、
    前記結晶性アルミノシリケートは、Y型ゼオライトであり、かつ鉄を含有している
    ことを特徴とする超低硫黄燃料油の製造方法。
  7. 請求項5または請求項6に記載の超低硫黄燃料油の製造方法において、
    前記水素化分解触媒は、前記結晶性アルミノシリケートを10質量%以上80質量%以下で含有している
    ことを特徴とする超低硫黄燃料油の製造方法。
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