JP5417641B2 - 電力変換装置 - Google Patents
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Description
また、図12において、Edは直流電圧、Mは直流回路の中点、IUはU相電流、U,V,Wは出力端子、50は負荷を示す。
図13は、図12のスイッチS1〜S8のオンオフ状態と、直流回路の中点Mを基準に観測した出力端子Uの電圧VUMとの関係を示したものであり、「1」はスイッチがオンの状態を、「0」はスイッチがオフの状態である。なお、図12における各コンデンサC1〜C4の電圧値をEd/4とする。
この従来技術は、非特許文献1に記載されている如く、一般にダイオードクランプ形5レベルインバータと呼ばれている。この5レベルインバータは、広く普及している2レベルインバータに比べ、出力電圧に含まれる高調波成分が少ない。このため、例えば負荷50を電動機とした場合に、高調波による電動機の発生損失を低減できると共に、出力電圧の変化量が2レベルインバータに比べて少ないことから、電動機に発生するサージ電圧が低減され、サージ電圧に起因する電動機の絶縁劣化を抑制できる、等の多くの利点を有している。
一般的に半導体素子は、電流が流れると必ず導通損失が発生する。換言すれば、電流が流れる半導体素子の数が多ければ発生損失が多くなるということであり、図12の従来技術では、4個のスイッチS1〜S4に通流することから発生損失が大きくなるという問題があった。また、半導体素子の数として、1相分で考えると、図12ではIGBTが8個、ダイオードが14個で、合計22個となり、3相分ではその3倍にも達するため、低価格化の妨げとなっていた。
双方向の電流を遮断可能で双方向の耐圧を有する第1,第2の双方向スイッチを直列に接続した双方向スイッチ直列回路と、第3のコンデンサとを、前記半導体スイッチ直列回路内の第2,第3の半導体スイッチの直列回路にそれぞれ並列に接続し、
第1,第2のコンデンサの直列接続点と第1,第2の双方向スイッチの直列接続点とを接続し、
第2,第3の半導体スイッチの直列接続点を、出力端子として負荷に接続して構成され、
第1,第2のコンデンサの直列接続点と出力端子との間に、第1のコンデンサ,第2のコンデンサ,第1,第3のコンデンサの直列回路,第2,第3のコンデンサの直列回路,または、第3のコンデンサを接続し、もしくは、第1,第2のコンデンサの直列接続点と出力端子とを接続するように、前記各スイッチのうち所定の2個のスイッチのみをオンさせるものである。
また、請求項5に係る発明は、請求項3または4に記載した電力変換装置において、前記各スイッチをオンまたはオフさせることにより、第3のコンデンサの電圧値を、第1,第2のコンデンサの電圧値の和の1/4となるように調整するものである。
まず、図1は本発明の第1実施形態を示す回路図であり、3相インバータの出力1相分(図示例ではU相)のみを示している。
図1において、直流電源Eには、環流ダイオードが逆並列接続されたIGBTからなる半導体スイッチS1〜S4の直列回路と、コンデンサC1,C2の直列回路とが並列に接続されている。また、IGBTを逆並列接続することによって双方向の電流遮断が可能で双方向の耐圧を備えた双方向スイッチS5D,S6Dの直列回路が、スイッチS2,S3の直列回路と並列に接続され、更にコンデンサC3も並列に接続されている。
また、双方向スイッチS5D,S6Dの直列接続点が直流回路の中点(コンデンサC1,C2の直列接続点)Mに接続され、スイッチS2,S3の直列接続点が、負荷(図示せず)に接続される出力端子Uとなっている。
なお、図2では、各スイッチS1〜S4,S5D,S6Dのオンオフ状態に応じた動作モードを、それぞれモード1〜8としてある。
図2から判るように、本実施形態では、負荷電流が通過するスイッチの数は常に2個となり、図12の従来技術における通流スイッチの数(4個)と比べて半減するので、損失が低減される。また、図1の回路では、IGBT及びダイオードの個数の合計が12個であり、図12の22個に比べて素子数が大幅に減少するため、低価格化、回路構成の簡略化が可能である。
なお、この実施形態では直流電圧EdをコンデンサC1,C2により分割した構成となっているが、各コンデンサC1,C2に電圧値がEd/2の直流電圧源をそれぞれ接続してもよい。
図4において、直流電源Eには、環流ダイオードが逆並列接続されたIGBTからなる半導体スイッチS1,S2の直列回路と、コンデンサC1,C2の直列回路とが並列に接続されている。また、環流ダイオードが逆並列接続されたIGBTからなる半導体スイッチS5,S6の直列回路と、同じく半導体スイッチS7,S8の直列回路と、IGBTを逆並列接続することで双方向の電流遮断が可能で双方向の耐圧を備えた双方向スイッチS3D,S4Dの直列回路とが、全て並列に接続され、更にコンデンサC3も並列に接続されている。
なお、図5では、各スイッチS1,S2,S3D,S4D,S5〜S8のオンオフ状態に応じた動作モードを、それぞれモード1〜12としてある。
図5から判るように、本実施形態では、負荷電流が通過するスイッチの数は常に2個または3個となり、図12の従来技術における通流スイッチの数(4個)と比べて減少するので、損失が低減される。また、図4の回路によれば、IGBT及びダイオードの個数の合計が16個であり、図1の回路に比べると多くなるが、図12の22個よりも減少するため、従来よりも低価格化、回路構成を簡略化することができる。
この実施形態においても、各コンデンサC1,C2に電圧値がEd/2の直流電圧源をそれぞれ接続してもよい。
従って、図2に基づいて所定のスイッチをオンオフすることにより、出力電圧VUMは、図8に示すように、5つの電圧レベル(Ed/2,Ed/4,0,−Ed/4,−Ed/2)を持ち、かつ、平均電圧が正弦波状の波形となる。
つまり、各スイッチのオンオフ状態、出力電圧、コンデンサC3の充放電及び電流極性の関係は図5のように整理することができる。例えば、出力電圧VUMとしてEd/4を得るためには、電流極性とコンデンサC3の電圧VC3に応じて、モード4またはモード5の何れか選択すれば、コンデンサC3の電圧VC3をEd/4に調整しつつ、出力電圧VUMとしてEd/4を負荷に供給することができる。
図7において、三角波Tri1〜Tri4は、振幅(ピーク−ピーク値)が1/2であり、また、各三角波の直流成分(オフセット)は、それぞれ3/4,1/4,−1/4,−3/4である。
また、比較器61は、電圧指令値VU *と三角波Tri1〜Tri4とをそれぞれ比較し、図9に示す論理に基づき、電力変換装置の5レベルの出力電圧Ed/2,Ed/4,0,−Ed/4,−Ed/2を決定する。
また、比較器63は、負荷電流iUの極性を検出するためのものである。
例えば、出力電圧VUMをEd/4とする場合、コンデンサC3の電圧が指令値Ed/4よりも低く、かつ、負荷電流iUの極性が正である時には、図2に基づいてモード2を選択し、コンデンサC3を充電しつつEd/4を出力する。
また、図2によれば、出力電圧VUMを0とする場合には、モード4及びモード5の何れかを選択可能であるが、一方のモードのみを選択すると特定のスイッチに損失が偏るため、図7のオンオフスイッチ選択部70では、モード4及びモード5を交互に選択する等の方法により、特定のスイッチに損失が偏るのを防止することもできる。
すなわち、図7のオンオフスイッチ選択部70が、第1実施形態では図2に基づいてオンオフするスイッチを選択するのに対し、第2実施形態では、図5に基づいてオンオフするスイッチを選択すれば良い。
また、図11は、第1実施形態を用いた3相インバータの構成図である。同図において、80UはU相ユニット、80VはV相ユニット、80WはW相ユニットであり、各ユニットの構成は実質的に図1,図10と同一である。ここで、S1U〜S4U,S1V〜S4V,S1W〜S4Wは半導体スイッチ、S5UD,S6UD,S5VD,S6VD,S5WD,S6WDは双方向スイッチ、C3U,C3V,C3Wはコンデンサを示す。
この回路では、スイッチS2U,S3Uの直列接続点、同S2V,S3Vの直列接続点、同S2W,S3Wの直列接続点を3相の出力端子U,V,Wとして3相の負荷50が接続される。
なお、図4の第2実施形態についても、同様にして単相インバータ、3相インバータを構成することができる。
S3D,S4D,S5D,S6D,S5UD,S6UD,S5VD,S6VD,S5WD,S6WD:双方向スイッチ
D1〜D6:ダイオード
C1〜C4,C3U,C3V,C3W:コンデンサ
E:直流電源
M:中点
U,V,W:出力端子
10U,80U:U相ユニット
10V,80V:V相ユニット
10W,80W:W相ユニット
50,51:負荷
61〜63:比較器
70:オンオフスイッチ選択部
Claims (5)
- 第1〜第4の半導体スイッチを直列に接続した半導体スイッチ直列回路と、第1,第2のコンデンサの直列回路とを、直流電源にそれぞれ並列に接続し、
双方向の電流を遮断可能で双方向の耐圧を有する第1,第2の双方向スイッチを直列に接続した双方向スイッチ直列回路と、第3のコンデンサとを、前記半導体スイッチ直列回路内の第2,第3の半導体スイッチの直列回路にそれぞれ並列に接続し、
第1,第2のコンデンサの直列接続点と第1,第2の双方向スイッチの直列接続点とを接続し、
第2,第3の半導体スイッチの直列接続点を、出力端子として負荷に接続して構成され、
第1,第2のコンデンサの直列接続点と出力端子との間に、第1のコンデンサ,第2のコンデンサ,第1,第3のコンデンサの直列回路,第2,第3のコンデンサの直列回路,または、第3のコンデンサを接続し、もしくは、第1,第2のコンデンサの直列接続点と出力端子とを接続するように、前記各スイッチのうち所定の2個のスイッチのみをオンさせることを特徴とする電力変換装置。 - 請求項1に記載した電力変換装置において、
前記各スイッチをオンまたはオフさせることにより、第3のコンデンサの電圧値を、第1,第2のコンデンサの電圧値の和の1/4となるように調整することを特徴とする電力変換装置。 - 第1,第2の半導体スイッチの直列回路と、第1,第2のコンデンサの直列回路とを、直流電源にそれぞれ並列に接続し、
双方向の電流を遮断可能で双方向の耐圧を有する第1,第2の双方向スイッチの直列回路と、第3,第4の半導体スイッチの直列回路と、第5,第6の半導体スイッチの直列回路と、第3のコンデンサとを、それぞれ並列に接続し、
第1,第2の半導体スイッチの直列接続点と第3,第4の半導体スイッチの直列接続点とを接続すると共に、第1,第2のコンデンサの直列接続点と第1,第2の双方向スイッチの直列接続点とを接続し、
第5,第6の半導体スイッチの直列接続点を、出力端子として負荷に接続したことを特徴とする電力変換装置。 - 請求項3に記載した電力変換装置において、
第1,第2のコンデンサの直列接続点と出力端子との間に、第1のコンデンサ,第2のコンデンサ,第1,第3のコンデンサの直列回路,第2,第3のコンデンサの直列回路,または、第3のコンデンサを接続し、もしくは、第1,第2のコンデンサの直列接続点と出力端子とを接続するように、
前記各スイッチをオンまたはオフさせることを特徴とする電力変換装置。 - 請求項3または4に記載した電力変換装置において、
前記各スイッチをオンまたはオフさせることにより、第3のコンデンサの電圧値を、第1,第2のコンデンサの電圧値の和の1/4となるように調整することを特徴とする電力変換装置。
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