以下、本発明の実施形態について添付図面を参照して説明する。
≪第1実施形態≫
図1は、本発明の第1実施形態に係わる給湯機Sの例を示す構成図である。
<給湯機Sの全体構成>
図1に示すように、第1実施形態に係る給湯機Sは、温水を貯湯する貯湯タンク1と、貯湯タンク1に貯湯するための水を加熱する熱源とを備え、この給湯機Sへは、給水源(例えば、水道管22)からの給水が配管7を経て供給される。具体的には、給湯機Sは、給水源から供給された低温水をヒートポンプユニット8で加熱し、加熱された温水を貯湯タンク1に貯溜するものである。即ち、給湯機Sは、貯湯タンク1を備えるタンクユニット5と、ヒートポンプユニット8とを備えて構成される。
また、給湯機Sは、水道管22からの低温水を貯湯タンク1内の温水と熱交換させて加熱し給湯用の温水を生成する給湯熱交換器4を備える。この場合、貯湯タンク1は、低温水と熱交換させる熱媒体としての温水を貯蔵する貯蔵タンクとして機能する。また、給湯機Sは、浴槽2内から導出したふろ水を貯湯タンク1内の温水と熱交換させ加熱する追い焚き熱交換器24を備える。さらに、給湯機Sは、湯張り,追い焚き,給湯等を行うために利用者が操作する風呂リモコン45,台所リモコン46等の操作部60と、該操作部60からの操作指令等に従って給湯機S全体を統括的に制御するコントローラ16とを備える。
また、給湯機Sは、給湯端末に加熱された清水を供給する給湯回路と、浴槽から取り出した浴槽水を貯湯タンク1に貯蔵される温水(この場合には、熱媒体として機能する)と追い焚き熱交換器によって熱交換させて浴槽に戻す追い焚き回路2Pとを備える。
給湯回路には、温水を一般給湯端末(蛇口やシャワー等)に供給する一般給湯回路2Xと、温水を浴槽に設けられる浴槽端末に供給する湯張り回路2Yとが含まれる。また、前記給湯回路に供給される清水の供給源としては、水道管22や井戸水等の外部の給水源の他、清水を貯溜する貯湯タンク1が考えられる。
ここで、清水とは、利用者が直接接触し得る状態を未だ経ていない使用前の水を指すものであり、給水源からの水や貯湯タンク1に貯留されている水を含むものである一方、混合栓19や浴槽2等に供給されたような汚れを含む使用後の水(特に、一度浴槽2に供給されたふろ水)とは区別されるものである。
なお、給水源から供給される清水を追い焚き熱交換器へ向けて供給する回路、及び、貯蔵タンクに貯蔵される清水を追い焚き熱交換器へ向けて供給する回路は、清水を浴槽に供給する清水回路としてそれぞれ特定することができる。
前記一般給湯回路2Xは、前記貯湯タンク1内の水の圧力(例えば、約2kg/cm2)よりも高い圧力(例えば、約6〜8kg/cm2)の清水を流通可能に構成されるものである。具体的には、前記一般給湯回路2Xは、減圧されていない水道水を前記清水として流通させるものである。ただし、一般給湯回路2Xは、これに限定されるものではなく、貯湯タンク1内の熱媒体(即ち、水)をポンプ等を用いて昇圧して供給するものであってもよい。また、前記一般給湯回路2Xは、前記追い焚き回路2Pよりも速い流速で清水を流通可能に構成される。具体的には、前記一般給湯回路2Xには、例えば約2m/sで清水が流される一方、前記追い焚き回路2Pには、追い焚き時に約1.0〜1.5m/sで浴槽水が流される。
具体的には、一般給湯回路2Xは、給水源から供給される清水を貯湯タンク1に貯蔵される温水(この場合には、熱媒体として機能する)と給湯熱交換器によって熱交換させて(即ち、加熱して)一般給湯端末に供給するものである。また、湯張り回路2Yは、貯湯タンク1の温水を浴槽端末に供給するものである。
以下、給湯機Sの各部の構成について詳細に説明する。
<ヒートポンプユニット8>
図1に示すヒートポンプユニット8は、外界の熱を、膨張させた低温の二酸化炭素等の冷媒で吸熱した後、圧縮させ高温とした冷媒と配管34を流れる貯湯タンク1からの低温水とで熱交換を行い、低温水を加熱する装置である。ヒートポンプユニット8は、冷媒の膨張、圧縮を繰り返し、外界から吸熱し低温水を加熱するヒートポンプ(図示せず)と、配管34を流れる貯湯タンク1の低温水を循環させる循環ポンプ(図示せず)とを備えている。
ヒートポンプは、冷媒を圧縮する圧縮機と、圧縮され高温になった冷媒と貯湯タンク1からの低温水との間で熱交換させ低温水を加熱するガスクーラ(図示省略)と、冷媒を膨張させ減圧する膨張弁と、減圧され温度低下した冷媒に外気の熱を吸熱する吸熱器とを有している。循環ポンプは、配管32,34を通して、貯湯タンク1の低温水を汲み上げ、ヒートポンプのガスクーラを通過させ加熱した後、加熱され高温になった温水を、配管35を通して貯湯タンク1の上部に戻している。
<貯湯タンク1>
図1に示す貯湯タンク1には、水道管22からの水道水が、配管7,配管36a,配管23a,減圧弁6、および配管23bを通して、導入されるとともに、この貯湯タンク1内の水が、配管32,三方弁33、および配管34を通して、ヒートポンプユニット8に導かれヒートポンプのガスクーラで加熱され温水となった後、配管35を通して、貯湯タンク1の上部に導かれ貯湯タンク1内に貯溜されている。
貯湯タンク1内の温水の温度は、鉛直方向下方から上方にいくに従い高く、即ち、貯湯タンク1内の下部から上部にいくに従って、相対的に低,中,高の温度分布となっている。例えば、貯湯タンク1内の上部で約90℃、中間部で約50℃となっている。なお、貯湯タンク1内の鉛直方向の中間部における温水を、中温水と称する。
貯湯タンク1には、鉛直方向に沿って、貯留される温水の温度を検出する複数の温度センサ47,48,49,50,51,52が上部から下部に配置されており、これらの温度センサ47,48,49,50,51,52により検出された貯湯タンク1内の温水の温度を示す検出信号は、コントローラ16に出力され、給湯機Sの制御に使用されている。
<湯張り回路2Y>
図1及び図3に示す湯張り回路2Yは、貯湯タンク1に貯留される温水を浴槽2に供給し、浴槽2に湯張りするための回路である。この湯張り回路2Yは、貯湯タンク1上部の高温の温水を、貯湯タンク1上部の第1取出し部10に接続される配管41a,配管54を通して、第一混合弁14に導き、第一混合弁14において、水道管22から、配管7,配管36a,配管23a,減圧弁6,配管23bを通ってきた水道水と混合し、第一混合弁14の下流に配設され開制御された電磁弁28を介して、配管29c,29b,29aを通る第1の経路と、配管29b,接続部30,配管25,ポンプ27,流量調整弁(又は循環調整弁)31,バイパス配管63を通って、合流部65で配管3に接続される第2の経路との2つの経路で浴槽2に湯張りする構成である。
ここで、配管29aは、浴槽2に設けられる水流通口2iに接続され、また、配管3は、浴槽2の水流通口2oに接続されており、これらの水流通口2i,2oを介して、湯張りが行われる。即ち、この場合には、水流通口2i,2oは、浴槽端末として機能する。
<給湯熱交換器4>
図2は、第1実施形態の給湯機Sの給湯運転を太線で示す回路図である。図2に示す給湯熱交換器4は、水道管22,配管7を通して供給される水道水を、コントローラ16に給湯要求があった場合に作動制御される給湯循環ポンプ18により貯湯タンク1上部から導出される高温の温水と熱交換させて所定温度に加熱する機器である。加熱された水は、混合栓19に供給されて給湯される。
なお、混合栓19は、例えば、浴室において、洗い湯を供給するために用いられる。給湯時には、水道管22から、配管7,36a,36bを通して給湯熱交換器4に導入された水道水は、給湯循環ポンプ18によって貯湯タンク1上部の第1取出し部10から配管41a,41bを通して給湯熱交換器4に導入される貯湯タンク1上部の高温の温水により加熱された後、配管36c,アキュムレータ39,配管40を通して、混合栓19に温水として供給される。
一方、給湯熱交換器4において、水道水と熱交換を行い冷却され給湯熱交換器4から出た水は、配管42,給湯循環ポンプ18を通って貯湯タンク1に戻される。なお、給湯熱交換器4から出た水は、貯湯タンク1の下部に戻されるものであるが、貯湯タンク1の底よりも上方に戻されるものであってもよい。
<給湯循環ポンプ18>
図1に示す給湯循環ポンプ18は、コントローラ16の図示しないインバータ回路を用いて、配管36cの給湯温度センサ37によって検出される給湯の温度が、操作部60で設定された給湯温度となるように、回転速度が自在に制御(フィードバック制御)されている。
即ち、給湯温度センサ37が検出する給湯の温度が、操作部60で設定された給湯温度よりも低い場合、コントローラ16は、貯湯タンク1の高温の温水を循環させる給湯循環ポンプ18の回転速度を高めて水道水に付与する熱量を増加させ給湯温度を高める。一方、操作部60で設定された給湯温度よりも給湯の温度が高い場合には、コントローラ16は給湯循環ポンプ18の回転速度を低めて水道水に付与する熱量を減少させ給湯温度を低めるように、給湯循環ポンプ18が制御されている。
<追い焚き熱交換器24>
図1に示す追い焚き熱交換器24は、入口24i側に、浴槽2内のふろ水が導出される配管29a,配管25,ポンプ27,流量調整弁31,配管58が接続されるとともに、出口24o側には、追い焚き熱交換器24において貯湯タンク1上部の高温水と熱交換され加熱され追い焚きされたふろ水が浴槽2に戻る配管26が接続されている。
<追い焚き回路2P>
図4の太線で示す追い焚き回路2Pは、浴槽2に張られたふろ水を追い焚きするための回路である。追い焚き時、浴槽2内のふろ水は、図4の矢印に示すように、浴槽2の水流通口2iから導出され、この水流通口2iに接続される配管29a,接続部30,配管25,ポンプ27,流量調整弁31,配管58,貯湯タンク1上部の高温の温水中に配置される追い焚き熱交換器24,配管26,配管3を通り、配管3に接続される水流通口2oを介して、浴槽2に戻されるように構成されている。
なお、浴槽2内の低温のふろ水は、追い焚き熱交換器24において、貯湯タンク1の上部の高温の温水と間接的に熱交換され、効率的に短時間で追い焚きがなされるように構成されている。
ここで、追い焚きの温度は、利用者が風呂リモコン45,台所リモコン46等の操作部60で設定する。温度センサ56は、配管29aを通る追い焚き前の温水の温度を検出し、温度センサ59は、追い焚き後の配管26を通る温水の温度を検出し、それぞれの検出信号は、コントローラ16に入力される。そして、コントローラ16において、浴槽2内の温水の温度が、利用者の設定温度に至ったと温度センサ56で検出されるまで、浴槽2内のふろ水を追い焚き熱交換器24に循環させるポンプ27を稼働制御し、追い焚きモードを継続する。そして、浴槽2内の温水の温度が、利用者の設定温度になった時点でポンプ27の稼動を停止し、追い焚きモードを終了する。
<操作部60>
図1に示す操作部60は、利用者が、給湯機Sで湯張り,追い焚き,給湯等を行うために入力操作を行う機器であり、浴室に配置される風呂リモコン45やキッチンに配置される台所リモコン46等がある。
操作部60は、浴槽2に湯張りするための湯張りモード、浴槽2内のふろ水を追い焚きするための追い焚きモード、混合栓19からの給湯を行うための給湯モード等が選択でき、湯張り時の温水の温度,追い焚き時の温水の温度,給湯時の温水の温度等を設定できる構成である。この操作部60は、コントローラ16と有線または無線で接続されており、利用者による操作部60への入力操作が、コントローラ16に操作信号として入力されている。
<コントローラ16>
コントローラ16は、給湯機Sを電子制御する制御装置であり、操作部60,温度センサ48等の種々のセンサで検出した信号等に応じて制御を行うマイコン(Microcomputer:マイクロコンピュータ)と、操作部60,種々のセンサ等で検出された検出信号等をマイコン3に適合した入力信号に変換する増幅回路,A/D変換回路等の入力インターフェースと、マイコンからの制御信号の出力信号に応じて給湯循環ポンプ18等のアクチュエータを駆動するための駆動回路,リレー駆動回路等の出力インターフェースとを備えて構成されている。
このコントローラ16は、マイコンのROM(Read Only Memory)に記憶されたプログラムに従って、給湯機Sの電磁弁28,給湯ポンプ27,循環ポンプ18等の各種アクチュエータおよびヒートポンプユニット8などを制御し、湯張り,追い焚き,給湯等の各種のモードの制御を行うものである。
≪給湯機Sの配管システムの動作詳細≫
次に、給湯機Sの配管システムの動作詳細について説明する。
<貯湯タンク1への温水の貯留>
貯湯タンク1への水道水の供給は、図1の太線に沿った矢印に示すように、水道管22内の水道水の例えば、約6〜8kg/cm2の水圧によって水道管22内の水道水が配管7から減圧弁6に導かれ、減圧弁6において所定圧、例えば、約2kg/cm2に減圧された後、配管23、逆止弁20を通って、貯湯タンク1の下部に導入することにより行われる。なお、逆止弁20は、貯湯タンク1からの水道水の逆流防止の役割を果たしている。
この貯湯タンク1に導入された水道水を、配管32,三方弁33,配管34を通ってヒートポンプユニット8に導入して、ヒートポンプユニット8のガスクーラ(図示省略)で加熱し温水として、該温水を配管35を通して貯湯タンク1の上部に導入し、貯湯タンク1内に貯留する。
<混合栓19からの給湯モード>
次に、給湯機Sにおける混合栓19からの給湯について、図2を用いて説明する。図2の破線で示すように、給湯機Sは、貯湯タンク1の高温の温水が給湯熱交換器4を循環する循環回路を備えており、混合栓19からの給湯は、給湯熱交換器4を用いて、水道管22からの水道水と貯湯タンク1からの高温の温水との熱交換により、水道水を加熱して行われる。
利用者が、例えば、風呂リモコン45を使用し給湯モードを選択すると、給湯モード選択信号がコントローラ16に入力され、コントローラ16からの信号により給湯循環ポンプ18が稼動し、貯湯タンク1上部の高温水を、図2の破線で示すように、第一取出口10から配管41a,41bを通して給湯熱交換器4まで導出し、給湯熱交換器4で低温の水道水と熱交換を行い温度が下がった温水を、配管42通して、貯湯タンク1の下部に返還する。なお、給湯熱交換器4の出口から貯湯タンク1の下部までの経路途中の逆止弁44は、貯湯タンク1の自然循環防止の役割と給湯循環ポンプ18を交換する際の貯湯タンク1の温水の逆流防止の役割を果たしている。
この給湯熱交換器4を用いて給湯を行うに際しては、水道管22からの水道水をその水圧によって配管7,36a,36bを通して給湯熱交換器4に導入し、該給湯熱交換器4により加熱され温水となった水道水を、配管36c,給湯温度センサ37,給湯流量センサ38,アキュムレータ39,配管40を通して、混合栓19の一方側に供給する。そして、混合栓19において、利用者が、混合栓19の他方側に接続した水道管22からの水道水と供給された温水とを混合し、給湯の温度を調節する。
なお、アキュムレータ39は、給湯流量が少ない場合、例えば、給湯流量が約2〜3リットル/分での混合栓19の蛇口から熱湯が吹き出るオーバーシュート現象の防止のため、熱湯をアキュムレータ39内の残留水と混合し冷却して適温にすべく配設されている。
混合栓19に、給湯熱交換器4から供給される温水の温度は、貯湯タンクユニット5内のコントローラ16を用いて、タンク頂部温度センサ47で検出した温水の温度、水道管22から配管7を通って給湯熱交換器4に向かう水道水の水温温度センサ53で検出した温度、給湯流量センサ38で検出した流量等をもとに、台所リモコン46,ふろリモコン45等の操作部60で設定された所定の給湯温度になるように、給湯循環ポンプ18の回転速度を制御し、給湯熱交換器4において、水道水に熱を付与する1次側を流れる貯湯タンク1からの温水の流量を制御している。
この構成によれば、水道管22からの水道水の高い水圧を利用できるため、例えば、3階でのシャワーも可能であり、減圧弁や負圧破壊弁も不要とすることができる。また、減圧弁6を介して減圧した水道水を貯湯タンク1に導入する密閉式の給湯システムとすることで、シスターンタンク,オーバーフロースイッチ,レベルスイッチなどの部品が不要となり、システムが簡易になるとともに、給水時の騒音も解消される。
<浴槽2への湯張りモード>
次に、給湯機Sにおける浴槽2への湯張りについて、図3を用いて説明する。なお、図3は、給湯機Sの湯張りの回路を太線で示す回路図である。利用者が、台所リモコン46,ふろリモコン45等の操作部60で湯張りモードを選択した場合、給湯機Sにおいて浴槽2への湯張りが行われる。利用者によって操作部60で湯張りモードが選択されると、操作部60からコントローラ16へ湯張りモード選択信号が入力され、コントローラ16の制御によって、常閉型の電磁弁28が開制御されるとともに、第一混合弁14,流量調整弁31がそれぞれ湯張りモードに制御される。
電磁弁28が開制御されることによって、図3に示すように、水道管22から供給される水道水が、減圧弁6で減圧され配管23bを介して貯湯タンク1内に供給される水圧により、貯湯タンク1内の高温の温水が、貯湯タンク1の上部の第一取出し部10から押し出される。そして、第一取出し部10から押し出された温水が、図3の太線に示すように、配管1から分岐した配管54を通して第一混合弁14に導かれ、第一混合弁14において、水道管22に接続される配管7から配管36a,配管23a,減圧弁6,配管23bを通った水道水と混合され、第一混合弁14の下流に配設した電磁弁28を介して、配管29c,29b,29aを通る第1の経路と、配管29b,配管25,ポンプ27,流量調整弁31を通って配管3に続く第2経路との2つの経路を用いて、温水が浴槽2に供給され湯張りが行われる。
ここで、浴槽2へ供給する温水の温度に関してであるが、コントローラ16によって、温度センサ56で検知される温水の温度が、操作部60で設定された所定のふろ温度になるように制御する。即ち、湯張りの温度が、利用者が風呂リモコン45,台所リモコン46等の操作部60で設定した湯張りの設定温度になるように制御される。具体的には、温度センサ56は、湯張り時の配管29aを通る温水の温度を検出する。該検出温度の検出信号は、コントローラ16に入力され、コントローラ16において、利用者の設定温度と温度センサ56の検出温度とが比較される。そして、両者が等しくなるように、第一混合弁14における貯湯タンク1からの温水と、配管23c等から供給される水道水との混合比が調整される。
また、浴槽2への温水の供給量に関してであるが、ふろ流量センサ55で流量を検出し、この流量検出信号をコントローラ16に入力し、コントローラ16により、所定の設定温水量になるように演算して温水量を制御し、所定の温水量になった場合には電磁弁28を閉制御し、温水の供給を停止する。
また、浴槽2の水位は、水位検知部(水位センサ)57によって検知される。具体的には、水位検知部57は、配管25内の温水の圧力を検出し、検出された圧力に基づいて浴槽2の水位を検知するものである。具体的には、圧力の検出信号をコントローラ16に入力し、コントローラ16において、揚程等によって水位を演算する。ただし、水位検知部57は、これに限定されるものではなく、浴槽2の水位を直接検知するものであっても良い。そして、所定の設定水位になるように電磁弁28等を制御する。また、水位検知部57は、水位が水流通口2i以上である場合には、水位を所定の精度で検出可能である。ただし、水位が水流通口2iよりも低い位置の場合には、水位を検出することはできない。
なお、後述する自動洗浄においては、浴槽の水位が所定の水位より低下したことが自動洗浄を開始する条件の一つとなっていることから、本給湯機では比較の基準となる水位として基準水位が設定される。具体的には、段階的又は連続的に浴槽2に湯を貯めていき、最初に水位検知部57が水の存在を検出した水位を基準水位として設定している。
このように、接続部30より下流側の配管25,流量調整弁31を通り、追い焚き配管の出口側の配管26の下流の配管3を通って浴槽2に湯張りをすることにより、配管29aからの湯張りと合わせて2本の配管で湯張りを行い、また、減圧弁6を介した一定水圧での湯張りとなる。そのため、湯張り時間を、例えば設定温度42℃,200リットルの湯張りで約13分とすることが可能で、従来に比較し、約7分、湯張り時間を短縮できる。
<追い焚きモード>
次に、給湯機Sにおける浴槽2のふろ水の追い焚きについて、図4を用いて説明する。図4に示すように、浴槽2のふろ水の追い焚きは、追い焚き熱交換器24を使用し行われる。追い焚き熱交換器24は、入口24i側に、浴槽2からの配管25,ポンプ27,流量調整弁31,配管58が接続されるとともに、出口24o側には、浴槽2に戻る配管26が接続されている。追い焚き熱交換器24を使用する際には、コントローラ16によってポンプ27を駆動させ、配管25から流量調整弁31を通して、追い焚き熱交換器24に浴槽水を導入し、該追い焚き熱交換器24において、貯湯タンク1上部の高温水と、導入した浴槽水とで熱交換が行われる。
利用者が、台所リモコン46,ふろリモコン45等の操作部60で追い焚きモードを選択した場合、給湯機Sにおいて浴槽2のふろ水の追い焚きが行われる。即ち、操作部60で追い焚きモードが選択されると、操作部60からコントローラ16へ追い焚きモード選択信号が入力され、コントローラ16の制御によって、浴槽2のふろ水を追い焚き熱交換器24を介し循環させるためのポンプ27が稼働されるとともに、流量調整弁31が追い焚きモードに制御される。
コントローラ16の指令により作動するポンプ27により、浴槽2内のふろ水は、図4の矢印に示すように、浴槽2の水流通口2iから、配管29a,接続部30,配管25,ポンプ27,流量調整弁31,配管58を通って追い焚き熱交換器24に導かれ、追い焚き熱交換器24において貯湯タンク1上部の高温の温水との熱交換によって加熱された後、配管26,配管3を通って浴槽2の水流通口2oを介し、浴槽2に戻される。
ここで、追い焚き熱交換器24に導かれたふろ水は、追い焚き熱交換器24において、貯湯タンク1上部の高温の温水と熱交換されるため、大きな熱量がふろ水に与えられ、効率的な追い焚きが可能となっている。
この場合、追い焚き熱交換器24が貯湯タンク1上部に配設されているため、追い焚き開始時に、高温の温水が、浴槽2に供給されるおそれがある。これを防止するため、追い焚き開始時追焚き熱交換器24から流出する加熱後の高温水の温度とふろ戻り温度を検知する温度センサ56の温度検出信号とを用いて浴槽2へ戻される加熱後のふろ水の温度を予測し、この予測される温度が60℃以下になるように流量調整弁31の開度を制御している。具体的には、温度センサ59の温度検出信号と温度センサ56の温度検出信号とがコントローラ16に入力され、コントローラ16によって流量調整弁31の開度が制御される。
この構成によれば、追い焚き開始時に、追い焚き熱交換器24から流出する加熱後の高温水の温度を検出する温度センサ59の温度検出信号と、ふろ戻り温度を検出する温度センサ56の温度検出信号とに基づき、浴槽2へ戻される加熱後のふろ水の温度が所定温度以下になるように流量調整弁31の開度を制御するので、追い焚き開始時に、追い焚き熱交換器24に滞留している高温水が直接浴槽に吐出することを防止できる。
また、この追い焚き熱交換器24に浴槽2内の湯を循環することにより、貯湯タンク1内の上部の高温の温水との間で間接的に熱交換を行い、浴槽2内の湯を追い焚き加熱するようにした循環回路を設けることにより、追い焚き時の追い焚き熱交換器24からの放熱がなくなり、熱エネルギが無駄になることを防止できる。
<追い焚き熱交換器洗浄モード>
次に給湯機Sにおける追い焚き回路2Pの洗浄モードについて、図5を用いて説明する。洗浄モードでは、追い焚き回路2Pに、清水を通水し、配管や追い焚き熱交換器24の汚れが洗い流される。
洗浄の動作について、図5を用いて説明する。まず、第一混合弁14を水側が全開になるように制御する。これにより、追い焚き熱交換器24には給水源からの水が主として供給され、貯湯タンク1内の高温湯は供給されない設定となる。
次に、電磁弁28が開制御される。すると、給水源からの水が下流側へと流れ始める。即ち、配管29c,29b,配管29aへ清水が供給される。供給された水は、配管29aを洗浄しつつ、浴槽の水流通口2iから浴槽2へ流れ、図示しない浴槽2内の排水口より排水される。
また、ポンプ27が駆動制御される。すると、配管29cを流れた清水の一部が配管25へ流入し、それより下流側の各配管を洗浄しつつ、浴槽の水流通口2oから浴槽2へ流れ、図示しない浴槽2内の排水口から排水される。
このとき、流量調整弁31の配管58側への流路が開となっていれば、供給された水は、配管58,追い焚き熱交換器24,配管26,3を流れ、これら各配管を洗浄する。また、流量調整弁31の配管63側への流路が開となっていれば、供給された水は、配管63,3を流れ、これら各配管を洗浄する。
このようにして、追い焚き回路2Pを構成する配管29a,25,58,追い焚き熱交換器24,配管26,3,63が清水により洗浄される。なお、電磁弁28の開制御とポンプ27の駆動制御とは、同時に行われるものであってもよく、電磁弁28が開制御された後にポンプ27が駆動制御されるものであってもよい。
ここで、流量調整弁31の制御について説明する。追い焚き回路2Pを構成する配管29a,25,58,26,3、及び、追い焚き熱交換器24を洗浄するには、流量調整弁31の配管58側を大きく開けるように制御すればよい。しかし、貯湯タンク1の上部に高温湯(例えば80℃)がある場合、追い焚き熱交換器24内部にも、同程度の高温湯があることが想定される。従って、洗浄開始時に、追い焚き熱交換器24内部の高温湯が、配管26,3を通り、浴槽の水流通口2oより、浴槽2へ排出されるおそれがある。
このため、洗浄時には、温度センサ59,56(特に、温度センサ59)の検出温度に基づいて、浴槽2へ排出される水温が所定温度(例えば、60℃)以下になるように流量調整弁31の開度を制御し、配管26を流れる高温水と配管63を流れる水とを合流部65で混合するようにしている。この制御は、追い焚きの場合と基本的に同様である。ただし、追い焚きの場合には、前記所定温度以下となるようにしつつもなるべくこの所定温度に近い温度となるように流量調整弁31の開度を制御するのに対し、洗浄の場合には、前記所定温度以下であれば、何度でも良く、なるべく大きい比率で追い焚き熱交換器24に水が流れるように制御する。
上記洗浄動作は、所定量の水を流した後に終了する。具体的には、流量センサ55で検知された流量の積算値が所定量となった場合に終了する。ただし、洗浄動作を行う時間を予め設定しておき、この時間経過後に洗浄を終了するものであってもよい。
即ち、給湯機Sは、浴槽2から取り出した浴槽水を貯蔵タンク内に配置される追い焚き熱交換器24によって高温の熱媒体と熱交換させて浴槽に戻す追い焚き回路2Pと、清水を浴槽2に供給する清水回路とを備え、前記追い焚き回路2Pと清水回路とを接続して、清水回路を流れる清水を追い焚き熱交換器24へ向けて供給して追い焚き熱交換器24の洗浄を行うように構成される給湯機であって、前記追い焚き熱交換器24を出た水に、この水よりも低温の水を混合可能に構成される。このため、追い焚き熱交換器24の洗浄に使用された水が高温となっていても、低温の水を混合することにより温度低下させることができる。従って、追い焚き熱交換器の洗浄に使用された水を高温の状態で浴槽へ放出させることなく、追い焚き熱交換器の洗浄を行うことができる給湯機を実現できる。
また、前記追い焚き回路2Pは、前記追い焚き熱交換器24の上流側で、前記追い焚き熱交換器24を通る第一の経路と追い焚き熱交換器24をバイパスする第二の経路とに分岐し且つ前記追い焚き熱交換器24の下流側で合流するように設けられ、前記各経路を流れる流量比率を調節可能に構成される。従って、各経路を流れる流量比率を調節することにより、合流後の水の温度が高温にならないように(例えば、60℃以下になるように)調節することができる。
また、前記追い焚き回路2Pは、前記追い焚き熱交換器24を出た水の温度に応じて、各経路を流れる流量比率が調節される。従って、合流後の水(即ち、浴槽に戻される)の温度が高温にならないように調節することができる。
また、給湯機Sは、前記追い焚き熱交換器24に水を導入するためのポンプ27を備え、前記清水回路は、前記追い焚き熱交換器24及びポンプ27より上流側において追い焚き回路2Pと接続され、前記ポンプ27は、追い焚き熱交換器24の洗浄の際に、追い焚き回路2Pを流れる清水を追い焚き熱交換器24に導入するように駆動される。従って、追い焚き熱交換器の洗浄の際に、清水を追い焚き熱交換器に効率的に導入することができる。なお、ポンプ27が追い焚き熱交換器24の下流側にある構成であっても構わない。
また、前記清水回路は、追い焚き回路2Pに合流するように接続され、前記追い焚き回路2Pに導入された清水は、清水回路と追い焚き回路2Pとの接続部30より下流側へ向かう経路と前記接続部30より上流側へ向かう経路とを経て浴槽2に流れ込み、追い焚き回路2Pを洗浄する。従って、追い焚き回路2P全体を洗浄することができる。
<自動洗浄制御>
ところで、給湯機Sは、上述のような洗浄動作を自動で行うように構成されている。次に、自動洗浄の開始制御について、図6を用いて説明する。
まず、利用者が、入浴後などに浴槽2内の排水栓を抜くと浴槽内の水位が低下する。これを、水位検知部57で検知し、予め定めた規定水位以下になったことを検知した場合、入浴は終了したと判断する。このとき、利用者が、台所リモコン46,ふろリモコン45等の操作部60で、予め自動洗浄モードを設定していた場合、自動洗浄が行われる。これにより、入浴等により追い焚き回路2P内に残っていた汚れを含む水は、浴槽の水流通口(2i,2o)より回路外へ排出される。なお、自動洗浄モードが予め設定されていない場合には、自動洗浄は行われない。
洗浄動作は、利用者が浴槽を使用(即ち、入浴)した上で、浴槽に張ったお湯を排水した後に行う必要がある。これを自動で行うために、本給湯機においては、湯張り動作を行ったことによって利用者が浴槽を使用するとみなし、湯張り動作が行われ、他の入浴に関係する動作(例えば、足し湯,差し湯,差し水,追い焚き等)も行われていない状態を浴槽の使用が終了した状態とみなし、その後、浴槽の水位が低下することによってお湯を排水されているとみなすこととしている。
まず、ステップS11では、湯張り動作中であるか否かを判定している。湯張り動作中ではなくなった場合(ステップS11においてNo)、ステップS12において、湯張り動作が正常に終了したかを検知する。湯張り動作が正常に終了しない場合としては、例えば、浴槽2内の排水栓が閉められておらず浴槽に湯が貯まらない場合等である。湯張り動作が正常に終了した場合(ステップS12においてYes)、ステップS13において、湯張り以外の動作が行われているかを判断する。
湯張り以外の動作が行われていない場合(ステップS13においてNo)、水位検知部57による水位検知が行われる。ここで、水位検知を正確に行うためには、浴槽2内の水面が波打っていないなど、安定していることが好ましい。このため、湯張り動作や他の入浴に関係する動作が終了した後、所定時間経過後に水位の測定を行うこととしている。この所定時間は、水位安定待ち時間とされ、例えば30秒に設定される。具体的には、ステップS14により水位安定待ち時間が経過しているかが判断される。ただし、この段階で正確な水位検知が必要でない場合には、ステップS14は不要である。
次に、ステップS15において、浴槽2内の現在水位が基準水位より高いかどうかを判断する。
ところで、浴槽の水位は、お湯を排水した場合以外にも、利用者が浴槽の中から外に出ること等で水面が大きく上下することがあり、水位が一時的に基準水位より下がる状態が発生し得る。従って、例えば現在水位が基準水位と同程度であった場合、ステップS15の判定を基に直ちに排水が行われたとみなすと、入浴中に洗浄動作が行われてしまうといった誤動作が生じるおそれがあり、利用者に不快感を与えることになるといった不都合が生じ得る。また、このような事態は、水位検知部57の測定誤差の影響によって発生する場合もあり、実際に施工された配管の状態によっては、浴槽2の水位を必ずしも正確に検知することができないといった事情によっても発生し得る。
このため、ステップS16において、水位が基準水位以下である状態を所定時間に亘って連続的に検知した場合に、お湯が排水されていると判断する。この所定時間は、水位連続監視時間とされ、例えば10秒に設定される。そして、この水位連続監視時間内に複数回水位を検知し、その間に一度も現在水位が基準水位以上にならなかった場合に、ステップS16においてYesと判定される。具体的には、水位は、水位連続監視時間内に0.5秒間隔で検知される。
ここで、水位検知部57によってお湯が排水され始めたことが検知された(ステップS16においてYes)としても、直ちに洗浄動作を開始すると一度浴槽に出た水をポンプ27によって追い焚き回路2Pや追い焚き熱交換器24に引き込んでしまうおそれがある。このような事態は、例えば、洗浄動作によって浴槽に供給される水量が浴槽2の排水量よりも多く、浴槽2の水位が洗浄動作によって逆に高くなってしまう場合や、水位検知部57の位置にあった水は排水されたものの、追い焚き回路2P内には依然として水が残っている場合等に発生する。
このため、ステップS17において所定時間経過後に洗浄動作を開始することとしている。この所定時間は、洗浄動作開始遅延時間とされ、例えば5分に設定される。
即ち、給湯機Sは、浴槽2から取り出した浴槽水を追い焚き熱交換器24によって加熱して浴槽に戻す追い焚き回路2Pと、清水を浴槽2に供給する清水回路とを備え、前記追い焚き回路2Pと清水回路とを接続して、清水回路を流れる清水が追い焚き熱交換器24に供給されるように構成されるとともに、浴槽水の水位を検知する水位検知部57を備え、追い焚き運転又は浴槽2に対して清水を供給する運転が行われて浴槽水の水位が予め設定される基準水位以上となった後に、浴槽水の水位が前記基準水位より低い状態が所定の水位監視時間に亘って検知された場合、浴槽水の排水が行われたものとして、清水を追い焚き熱交換器24に供給して洗浄する洗浄動作が行われる。
このため、浴槽水の水位が基準水位より低いことを所定の時間に亘って検知することにより、一時的に浴槽水の水位が基準水位より低くなる場合のような偶発的な要因を排除することができる。従って、追い焚き熱交換器24の自動洗浄動作が誤って行われるのを好適に防止又は抑制することができる給湯機を実現できる。
また、給湯機Sは、浴槽2から取り出した浴槽水を追い焚き熱交換器24によって加熱して浴槽に戻す追い焚き回路2Pと、清水を浴槽に供給する清水回路とを備え、前記追い焚き回路2Pと清水回路とを接続して、清水回路を流れる清水が追い焚き熱交換器24に供給されるように構成されるとともに、浴槽水の水位を検知する水位検知部57を備え、浴槽水の水位が予め設定される基準水位より低い状態が所定の水位監視時間に亘って検知された後、さらに所定の開始遅延時間が経過した場合に、清水を追い焚き回路2Pに供給して洗浄する洗浄動作が行われる。
従って、浴槽水の水位が基準水位より低いことを所定の時間に亘って検知することにより、一時的に浴槽水の水位が基準水位より低くなる場合のような偶発的な要因を排除することができる。また、所定の開始遅延時間の間に浴槽水の排水が行われるため、浴槽水の水位はさらに低下し、追い焚き回路2P内に存在する浴槽水も排出される。従って、洗浄動作によって追い焚き回路2Pに供給された水が浴槽水と混ざって追い焚き回路2Pに逆流し、洗浄の効果が滅殺されてしまうといった事態を好適に防止することができる。
また、給湯機Sは、前記所定の水位監視時間に浴槽水の水位の検知を複数回行い、全ての時点の検知において浴槽水の水位が前記基準水位より低い状態であった場合に、浴槽水の水位が前記基準水位より低下したと判断する。従って、誤作動が発生する可能性をより低減することができる。
≪第2実施形態≫
次に、本発明の第2実施形態の給湯機2Sについて、図7を用いて説明する。なお、図7は、第2実施形態に係わる給湯機2Sの例を湯張り時の回路を太線で示した構成図である。以下では、第1実施形態に係る給湯機Sと同様な構成に関しては同一の符号を付して示し、詳細な説明は省略する。
図7に示すように、第2実施形態の給湯機2Sは、浴槽2の湯張りにおいて、必ずしも、貯湯タンク1上部におけるほどの高温の温水を必要としないことから、貯湯タンク1の中間部に、第二取出し部12を設けるとともに、この第二取出し部12に接続した配管13を通して貯湯タンク1内の中温水を新たに設けた第二混合弁11に導き、この第二混合弁11において、貯湯タンク1上部から導かれる高温の温水と混合し、浴槽2の湯張りを行うようにした構成である。
給湯機2Sにおける湯張り回路2Rは、貯湯タンク1の上部の高温の温水を、貯湯タンク1上部の第一取出し部10に接続される配管41a,配管9を通して第二混合弁11に導く。そして、第二混合弁11において、貯湯タンク1の上部からの高温の温水と、貯湯タンク1のその容積の鉛直方向の中間部の第二取出し部12から配管13を通った中温水を混合し、この混合した温水を更に第一混合弁14において、給水用の配管7から配管36a,配管23a,減圧弁6,配管23cを通った水道水と混合し、第一混合弁14の下流に配設された電磁弁28を開いて、配管29c,29b,配管29aを通る第1の経路と、配管29c,配管25,ポンプ27,流量調整弁31を通り配管3を通る第2の経路との2つの経路で浴槽2に湯張りを行う。
上記構成によれば、貯湯タンク1のその容積の鉛直方向の中間部に、貯湯タンク1内の中間温度の中間水を導出し給湯する第二取出し部12を設けることにより、例えば、貯湯タンク1上部におけるほどの高温水を必ずしも必要としない浴槽2の湯張りにおいて、中間温度の温水を積極的に利用することで、第一混合弁14での配管23cからの水道水の混合量を低減して熱エネルギが無駄になることを抑制でき、給湯熱交換器4に必要な高温水を効率的に使用することができる。このように、中間温度の中間水を積極的に利用するにより、給湯熱交換器4や追い焚き熱交換器24に必要な高温水を効率的に使用することができる。
また、本第2実施形態においても、接続部30より下流側の配管25、流量調整弁31を通って追い焚き配管の出口側の配管26の下流の配管3を通って浴槽2に湯張りを行うことにより2本の配管で湯張りし、また減圧弁6を介した一定水圧で湯張りを行うため、湯張り時間を短縮化できる。
また、貯湯タンク1の頂部温度センサ47で検出される温水の温度の検出信号と、貯湯タンク1のその容積の鉛直方向の中間部に配置される温度センサ49で検出される温水の温度の検出信号とをコントローラ16に入力し、コントローラ16において、これら2つの温度等から第二混合弁11から流出するお湯の温度を予測し、第二混合弁11の弁開度を決定し制御している。なお、貯湯タンク1のその容積の鉛直方向の中間部としては、貯湯タンク1の容積の上方より約2/5から3/5の位置が好適である。これにより、第二混合弁11の下流の混合温度を検知する部材が削除でき、システムが容易になるとともに、生産コストの低減が図れる。
また、第2実施形態に係る給湯機においても、第一実施形態と同様の洗浄動作を実施することができる。さらに、第2実施形態に係る給湯機では、中温水を用いた洗浄動作を行うことができる。
次に、図7を用いて、中温水を用いた洗浄動作について説明する。中温水を用いた洗浄動作では、清水としての中温水を貯湯タンク1の第二取出し部12から取り出し、配管13,第二混合弁11,配管15,第一混合弁14を経由する経路で水を流す。第一混合弁14より下流側の流路は第一実施形態と同様である。また、第二混合弁11は配管13側が全開となっている。
ところで、中温水は、浴槽2へ直接排出されるのが好ましくない高い温度となっている場合もある。そのような場合には、貯湯タンク1から取り出した中温水を第一混合弁14において給水源からの低温水と混ぜることにより温度を低下させている。
具体的には、中温水の温度としては、第二取出し部12と同程度の高さ位置に配置された貯湯タンク1の温度センサ49の温度を利用する。ただし、第二取出し部12や配管13等に温度センサを配置することにより、直接中温水の温度を検知するものであってもよい。また、混合した水の温度は、温度センサ56により検知している。第一混合弁14は、温度センサ49で検知される中温水の温度と、温度センサ53で検知される低温水の温度と、温度センサ56で検知される混合された水の温度が所定温度(例えば、60℃)以下になるように制御される。
なお、第1実施形態,第2実施形態においては、追い焚きに用いる配管を使用して湯張り時間を短縮する場合を例示して説明したが、複数の配管であれば、これら以外の配管を使用して湯張りすることも可能である。また、浴槽2に湯張りする配管は、追い焚きに用いる2本の配管の場合を例示したが、複数であれば、その本数は限定されない。
≪第3実施形態≫
次に、本発明の第3実施形態の給湯機3Sについて、図9を用いて説明する。以下では、第1実施形態に係る給湯機Sと同様な構成に関しては同一の符号を付して示し、詳細な説明は省略する。第3実施形態に係る給湯機3Sは、第1実施形態に係る給湯機Sと同様に、コントローラ(図示せず)が、操作部(図示せず)からの操作指令等に従って全体を制御するものである。
給湯機3Sは、第1実施形態及び第2実施形態と異なり、追い焚き熱交換器124が貯湯タンク101の外部に配置されている。また、貯湯タンク101には、シスターンタンクCが備えられている。この給湯機3Sは、水道管22から供給される高圧水の水圧を下げることなく給湯熱交換器104によって熱交換して一般給湯端末である混合栓19に供給されるいわゆる直圧式の給湯機である。
なお、配管125には、第1実施形態に係るポンプ27と同等の機能を有するポンプ127が設けられている。また、配管136cには、第1実施形態に係る給湯流量センサ38と同等の機能を有する給湯流量センサ138が設けられている。さらに、配管129bには、第1実施形態に係る水位センサ57と同等の機能を有する水位センサ157が設けられており、配管129cには、第1実施形態に係る電磁弁28と同等の機能を有する電磁弁128が設けられている。また、配管129eは、給湯熱交換器104において、浴槽水と熱交換を行い冷却され給湯熱交換器104から出た水を貯湯タンク101に戻す配管である。
<追い焚き熱交換器洗浄モード>
次に、給湯機3Sにおける追い焚き熱交換器24の洗浄について説明する。洗浄の際には、第一混合弁114が配管129d側を全開とされ、切換弁117が配管129c側を全開とされ、電磁弁128が開制御され、ポンプ27が駆動される。すると、シスターンタンクCから配管123c,配管129d,配管129c,配管125,追い焚き熱交換器124,配管103a,配管103bを通る第1の経路と、配管129b,配管129aを通る第2の経路とを清水が流れ、追い焚き回路2Pが洗浄される。また、併せて配管167も洗浄される。なお、この場合においても、清水は、シスターンタンクCからではなく、貯湯タンク101から供給されるものであってもよい。即ち、給湯機3Sにおける貯蔵タンクは、熱媒体としての温水を貯蔵する貯湯タンク101及びシスターンタンクCによって構成される。
また、給湯機3Sは、低温水を用いて洗浄を行うだけでなく、中温水を用いて洗浄を行うものであってもよい。この場合には、中温水の取り出しに関し、第二実施形態と同様である。
<自動洗浄制御>
さらに、給湯機3Sにおいても、自動洗浄の開始判定が水位検知部157を用いて行われ、そのフローは第1実施形態と同様である。
なお、本発明は、上記各実施形態に記載した構成に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において適宜その構成を変更することができる。
例えば、熱媒体としての湯を加熱する熱源としては、ヒートポンプユニット以外にも、貯蔵タンク内に配置されたヒータ等が考えられる。