JP5401084B2 - プラットホーム用ステップ装置 - Google Patents
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Description
このプラットホーム用ステップ装置は、プラットホームに埋設可能なケースと、ケースにフレームを介して支持されるステップと、ステップを車両側に対し進出または退避させるようにフレームを移動させるための駆動手段とを備えている。そして、車両側に進出したステップに対して鉛直方向下向きに作用する荷重を検出できるように、フレーム上にロードセルが配設されている。
この構成によると、ロードセルで検出された荷重に基づいてステップ上の乗客の有無を検出することができる。
また、台座部材の上面に対して垂直な方向以外の方向へのロードセルの位置ずれを防止できる。
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態に係るプラットホーム用ステップ装置1A(以下、ステップ装置1Aと記載する。)が設置されたプラットホームの全体概略図である。尚、図1は、柵201を自動的に開閉することが可能な可動柵タイプのホームドア装置200(APG)とともにステップ装置1Aを適用した状態を示している。
図2は、図1に示すステップ装置1Aのステップ5が、車両側に進出した状態(以下進出状態と称する。)を示す図である。図3は、図2に示すステップ装置1Aの内部を示す図である。図4は、図3に示すステップ装置1Aのステップ5が、車両側からプラットホーム側に退避した状態(以下退避状態と称する。)を示す図である。尚、以下の説明においては、図2及び図3に示すステップ5の位置を進出位置、図4に示すステップ5の位置を退避位置という。
図5は、図3におけるステップ装置1AのS−S断面矢視図である。図6は、図5に示すロードセル近傍部の平面図である。図7の(a)及び(b)は、それぞれ図5及び図6に示すロードセル近傍部の拡大図である。
このステップ装置1Aは、図1〜図3に示すように、プラットホーム100に埋設されるケース2と、進退自在にケース2に支持されるフレーム3と、フレーム3をケース2に対して進退させるための駆動装置4と、フレーム3の先端に設けられたステップ5と、を備えている。
ケース2は、車両に対向する面が開放された箱状のケース2であり、側面を形成する側板21と、アンカー等により凹部100aに固定される底板22と、乗降客の踏面となる天板23(図3、図4において省略)とを有する。
図3に示すように、フレーム3は、底板22の面に対して平行に配置される複数本の角棒状部材を互いに溶接等で固着して構成されている。具体的には、フレーム3は、車両に対してステップ5が進退する方向と平行に延びる縦フレーム3a〜3fと、当該縦フレーム3a〜3fに対して垂直に延びる横フレーム3g〜3lとを有する。
図5に示すように、ステップ5は、支持部材32を介して、フレーム3の先端部に固定されている。当該ステップ5は、ステップ5の下面とフレーム3との間に鉛直方向において所定の隙間を有するように、支持部材32により片持ち支持されている。ステップ5の自由端側は、天板23の車両側の端部に設けられたローラ24により、上面を押さえつけられている。
図3および図4に示すように、縦フレーム3a,3dにおける延出板部31が延出する方向を向く側面には、取付フレーム33(フレーム)が溶接により固定されている。尚、縦フレーム3a側の構成と、縦フレーム3d側の構成とは、それぞれ対称的な構成であるため、縦フレーム3a側の構成のみ説明し、縦フレーム3d側の構成については、説明を省略する。
また、図7に示すように、取付フレーム33には、フレーム3の進退方向に並ぶ、一対の貫通孔33a,33aが形成されている。また、取付フレーム33には、それぞれの貫通孔33a,33aの周りに4つ(計8つ)のネジ孔33bが形成されている。また、一対の貫通孔33a,33aを下方から覆うように、一枚の板で形成された受け部材34が、配置されている。当該受け部材34には、取付フレーム33のネジ孔33bと同軸となる貫通孔34aが形成されている。
ボルト36の軸部は取付フレーム33から上方に突出し、当該突出した軸部に、フランジ付ナット37がねじ込まれる。当該フランジ付ナット37は、内周にネジ孔が形成された筒状部と、当該筒状部の端部に設けられ当該筒状部よりも拡径したフランジ部とを有するナットである。
当該フランジ付ナット37は、筒状部がロードセル取付座35の貫通孔35bに挿通されるように、ボルト36の軸部にねじ込まれる。これにより、ロードセル取付座35は、フランジ付ナット37の筒状部の外周面に沿って、上下にのみ移動可能となる。
尚、ロードセル取付座35の貫通孔35bの径は、フランジ付ナット37の筒状部の外径よりも大きく、フランジ部の外径より小さい。そのため、ロードセル取付座35は、フランジ付ナット37の軸方向において、取付フレーム33の上面とフランジ付ナット37のフランジ部との間を上下に移動することができる。
バネ7は、ロードセル取付座35の貫通孔35aと、取付フレーム33の貫通孔33aとを貫通するように配置されている。当該バネ7は、ロードセル6を上方に付勢している。尚、ロードセル6の上端がステップ5の下面に当接することで、当該ロードセル6の上方への移動が規制されている。
図3及び図4に示すように、駆動装置4は、モータユニット41と、モータユニット41の出力軸に固定されるピニオンギア42と、ピニオンギア42に噛み合うように縦フレーム3fに固定されたラック43と、を有している。
モータユニット41は、電動モータと、そのモータ軸の回転を減速しトルク増強する減速機と、が一体的に構成されたものであり、その出力軸を鉛直方向に向けて配置される。
当該モータユニット41は、底板22上に配置された制御盤45に接続されており、制御盤45からの指令に基づいて電気モータが駆動され、出力軸が正逆回転できるように構成されている。
この構成により、モータユニット41における電動モータを駆動させてピニオンギア42を回転させることにより、ラック43を介してフレーム3及びステップ5を進退移動させることができる。
図8は、ステップ装置1Aの制御ブロック図である。
また、ステップ装置1Aの制御盤45は、ロードセル6から送信されるステップ5に負荷された荷重に対応する電気信号を受信可能に構成されている。
また、ステップ装置1Aのケース2内には、フレーム3の位置を検出する位置検出センサが設けられており、制御盤45は、当該位置検出センサからの電気信号を受信可能に構成される。
制御盤45は、上述した信号に基づいてモータユニット41を駆動してピニオンギア42とラック43との機構によりステップ5を進退移動させることができる。
まず、電源投入時に、ステップ5上の乗客の有無を判断するための基準荷重W0が設定される。具体的には、以下のようにして基準荷重W0が設定される。
ステップ装置1Aに電源が投入されると、モータユニット41が駆動され、ステップ5が進出位置まで移動される。そして、ロードセル6に負荷されている荷重が計測され、実測値に基づいて算出された値に所定のしきい値、例えば100N(ニュートン)を加えた値が、基準荷重W0として制御盤の記憶装置に記憶される。その後、モータユニット41が駆動され、ステップ5が退避位置まで移動される。
尚、位置検出センサから送られる検出信号に基づいて、ステップ5が進出位置または退避位置に到達したか否かが制御盤45で判断され、当該判断に基づいてモータユニット41の駆動が制御される。
以下、車両が到着したときのステップ5の駆動制御方法について説明する。
(1)
車両がプラットホーム100に到着すると、車両の制御システムから制御盤45が指令を受けて、車両側にステップ5が進出するようにモータユニット41が駆動される。
ステップ5が進出位置まで到達すると、モータユニット41の駆動は停止される。
その後、ホームドア装置200が駆動されて可動柵の開閉動作が行われるとともに、車両の扉の開閉動作が行われる。
ホームドア装置200の及び車両の一連の動作が終了した後、現時点におけるロードセル6の出力値から算出された荷重Wと、電源投入時に算出された基準荷重W0とが比較される。
算出された荷重Wが基準荷重W0よりも大きい場合は、ステップ5上に乗客がいると判断され、モータユニット41は停止状態に維持するように制御される。
一方、算出された荷重Wが基準荷重W0以下である場合は、ステップ5上に乗客はいないと判断され、プラットホーム側にステップ5が退避するようにモータユニット41が駆動される。
ステップ5が退避位置まで到達すると、モータユニット41の駆動は停止される。
その後、車両の進行駆動等が行われる。
本実施形態においては、原則として、基準荷重W0および荷重Wは、各ロードセル6の出力値の総和(4つのロードセル6の出力値の総和)として算出する。
ただし、ステップ5の進出量が少なく、フレームの先端側に設けられたロードセル61(図5参照)のみローラ24よりも車両側にあり、当該ロードセル61よりも基端側に設けられたロードセル62(図5参照)がローラ24よりプラットホーム側にある場合は、ロードセル62の出力値は、ローラ24の影響を受け、正確な値とならないため、2つのロードセル6(縦フレーム3a,3dの先端側に設けられたロードセル61)の出力値の総和として算出する。なお、施工時において、上記2つの算出方法のうち、何れか一方を選択する。
また、安全性を高めるため、基準荷重W0にヒステリシス特性を持たせても良い。例えば、ステップ状に乗客がいると判断されたのち、算出された荷重Wが基準荷重W0よりも小さくなったとしても、直ぐにステップ状に乗客がいなくなったと判断するのではなく、更に所定量αだけ小さくなった場合に、ステップ状に乗客がいなくなったと判断するようにしてもよい。
更に、1つの縦フレームに2つのロードセル6が集約して設けられる。そのため、例えば1つのロードセルを縦フレーム3a〜3dにそれぞれ設ける構成に比べて、ロードセル6への配線接続作業が容易になる。
次に、本発明の第2実施形態に係るステップ装置1Bについて説明する。
図9は、第2実施形態に係るステップ装置1Bにおける、第1実施形態の図7に対応する(a)断面図及び(b)平面図である。
尚、ステップ装置1Bは、ロードセル6の取付構成が、第1実施形態のステップ装置1Aと異なっている。以下、第1実施形態と同一部材には同一符号を付して説明を省略する。
図9に示すように、ステップ装置1Bは、取付フレーム33とロードセル取付座35との間に設けられた板状の台座部材51を備えている。
台座部材51は、フレーム3の進退方向と垂直な方向に並んで取付フレーム33にねじ込まれた2本の支持ネジ52により、下面を支持されている。支持ネジ52は、取付フレーム33を上下に貫通するネジ孔33cに下方から上方に向かってねじ込まれている。そして、支持ネジ52の先端は、取付フレーム33の上面から突出して、台座部材51の下面に当接している。これにより、台座部材51は、当該支持ネジ52の上端を支点として、取付フレーム33に対して上下に揺動可能である。
また、台座部材51には、各貫通孔51aの周りに4つのネジ孔51bが形成されている。受け部材53には、台座部材51のネジ孔51bと同軸となる貫通孔53aが形成されている。そして、当該貫通孔53aを貫通する8本のボルト36が台座部材51のネジ孔51bに締め込まれることにより、受け部材53が台座部材51に対して固定されている。当該ボルト36の軸部は台座部材51の上面から、当該台座部材51の上面に対して垂直な方向に突出する。そして、当該突出した軸部に、フランジ付ナット37がねじ込まれる。当該フランジ付ナット37は、筒状部がロードセル取付座35の貫通孔35bに挿通されるように、ボルト36の軸部にねじ込まれる。これにより、当該ロードセル取付座35は、フランジ付ナット37の筒状部の外周面に沿って、台座部材51の上面に対して垂直な方向にのみ移動可能となる。
また、ロードセル6の下面と受け部材53の上面との間には、ロードセル6を上方に付勢するバネ7が配置される。
更に、ステップ装置1Bでは、揺動軸に対して対称に2つのロードセルが配置されているので、2つのロードセルに作用する荷重はそれぞれ略等しくなる。
そのため、ステップ5の進出量にかかわらず、すなわち、ステップ5の進出量が少なく、フレームの先端側に設けられたロードセル6のみローラ24よりも車両側にあり、当該ロードセル6よりも基端側に設けられたロードセル6がローラ24よりプラットホーム側にある場合であっても、ステップ装置1Bにおいては、ステップ5上の乗客の有無を判断するための基準荷重W0および荷重Wを、単に各ロードセルの出力値の総和(4つのロードセル6の出力値の総和)として1つの算出方法で算出することができる。これにより、第1実施形態よりも施工時に算出方法を選択するという手間が省かれる。更に、全てのロードセル6の出力を用いることができるため、仮に縦フレーム3a,3dの各先端側に設けられたロードセル6が2つとも故障したとしても、残りの2つのロードセル(故障したロードセル6よりも基端側にそれぞれ設けられたロードセル6)で、基準荷重W0を変更すれば対応できるため、ステップ5の進出量にかかわらず、フェールセーフ性を確保することができる。
更に、支持ネジ52を軸回りに回転させ、当該支持ネジ52の取付フレーム33上面からの突出量を調整することで、台座部材51の揺動軸の高さを調整することができる。
当該支持ネジ52は、取付フレーム33を上下に貫通するネジ孔33cにねじ込まれているので、取付フレーム33の下方から回転させることができる。これにより、取付フレーム33の上方に設けられたステップ5等を取り外すことなく、支持ネジ52の取付フレーム33上面からの突出量を容易に調整して、当該支持ネジ52を台座部材51に当接させることが可能である。
また、当該支持ネジ52を取付フレーム33の下面から上方にねじ込む構成を採用することで、揺動軸の調整機構を簡易な構成で実現できる。
次に、本発明の第3実施形態に係るステップ装置1Cについて説明する。
図10は、第3実施形態に係るステップ装置1Cにおける、第1実施形態の図7に対応する(a)断面図及び(b)平面図である。
尚、ステップ装置1Cは、ロードセル6の取付構成が、第1実施形態のステップ装置1Aと異なっている。以下、第1実施形態と同一部材には同一符号を付して説明を省略する。
ステップ装置1Cでは、2つのロードセル6が、一のロードセル取付座54に固定されている。
ロードセル取付座54は、フレーム3の進退方向と垂直な方向に並ぶ2本の支持ネジ55により、下面を支持されている。当該支持ネジ55は、受け部材34に形成された貫通孔34bを貫通して、取付フレーム33に形成されたネジ孔33dに、上方に向かってねじ込まれている。そして、支持ネジ55の先端は、取付フレーム33の上面から突出して、ロードセル取付座54の下面に当接している。
これにより、ロードセル取付座54は、当該支持ネジ55の上端を支点として、取付フレーム33に対して上下に揺動可能である。
そして、バネ7は、ロードセル取付座54の貫通孔54aと取付フレーム33の貫通孔33aを貫通して、受け部材34とロードセル6との間に設けられる。
ロードセル取付座54には、一対の貫通孔54a,54aに挟まれた位置に、フランジ付ナット37が貫通する4つの貫通孔54bが形成されている。
尚、当該4つの貫通孔54bは、フランジ付ナット37に当接してロードセル取付座54の揺動を妨げることがなく、かつ、内径がフランジ付ナット37のフランジ部の径よりも小さくなるように形成されている。
また、受け部材34は、フランジ付ナット37が軸部にねじ込まれる4本のボルト36と、取付フレーム33の上面から突出しない程度の長さの軸部を有する4本のボルト56とにより、取付フレーム33に固定される。
なお、概略図やブロック図を除く各図面は、設計図の精度をもって記載されている。
2 ケース
3 フレーム
4 駆動装置
5 ステップ
6 ロードセル
7 バネ(弾性体)
33 取付フレーム
34,53 受け部材
35,54 ロードセル取付座
51 台座部材
52,55 支持ネジ
Claims (7)
- プラットホームに埋設されるケースと、
進退自在に前記ケースに支持されるフレームと、
前記フレームを前記ケースに対して進退させるための駆動装置と、
前記フレームの先端に設けられたステップと、
前記ステップの下方において、上下に移動可能に設けられたロードセルと、
前記フレームと前記ロードセルとの間に設けられ、前記ロードセルを上方に付勢する弾性体と、
を備え、
前記フレームは、進退方向に延びる複数の縦フレームを有し、
少なくとも1つの前記縦フレームに、少なくとも2つの前記ロードセルが設けられており、
前記ロードセルが固定されるロードセル取付座を備え、
前記ロードセル取付座は、上下に揺動可能に前記フレームに支持されており、揺動軸を挟んだ両側に前記ロードセルが固定されており、
前記ロードセル取付座の揺動軸の高さを、外部から調整可能な調整機構を備える、プラットホーム用ステップ装置。 - 前記弾性体は、前記フレームを貫通し、当該弾性体の一端は前記フレームの下面に設けられた受け部材によって支持される、請求項1に記載のプラットホーム用ステップ装置。
- 前記フレームの上面から突出するように当該フレームの下面からねじ込まれた少なくとも2つの支持ネジを備え、
前記少なくとも2つの支持ネジは、一直線上に並んで配置され、
前記ロードセル取付座は、前記少なくとも2つの支持ネジを支点として揺動可能に支持されている、請求項1又は請求項2に記載のプラットホーム用ステップ装置。 - プラットホームに埋設されるケースと、
進退自在に前記ケースに支持されるフレームと、
前記フレームを前記ケースに対して進退させるための駆動装置と、
前記フレームの先端に設けられたステップと、
前記ステップの下方において、上下に移動可能に設けられたロードセルと、
前記フレームと前記ロードセルとの間に設けられ、前記ロードセルを上方に付勢する弾性体と、
を備え、
前記フレームは、進退方向に延びる複数の縦フレームを有し、
少なくとも1つの前記縦フレームに、少なくとも2つの前記ロードセルが設けられており、
上下に揺動可能に前記フレームに支持された台座部材と、
前記台座部材の揺動軸を挟んだ両側に、当該台座部材の上面に対して垂直な方向にのみ移動可能となるように設けられ、前記ロードセルが固定されるロードセル取付座と、
を備え、
前記台座部材の揺動軸の高さを、外部から調整可能な調整機構を備える、プラットホーム用ステップ装置。 - 前記弾性体は、前記台座部材を貫通し、当該弾性体の一端は前記台座部材の下面に設けられた受け部材によって支持される、請求項4に記載のプラットホーム用ステップ装置。
- 前記フレームの上面から突出するように当該フレームの下面からねじ込まれた少なくとも2つの支持ネジを備え、
前記少なくとも2つの支持ネジは、一直線上に並んで配置され、
前記台座部材は、前記少なくとも2つの支持ネジを支点として揺動可能に支持されている、請求項4又は請求項5に記載のプラットホーム用ステップ装置。 - 前記弾性体は、前記ロードセル取付座を貫通し、前記ロードセルの下端面を付勢する、
請求項1〜6のいずれか一項に記載のプラットホーム用ステップ装置。
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