JP5493996B2 - 電気炊飯器 - Google Patents
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従って、赤外線センサーが検知する温度の検知対象位置が内鍋となることから、非接触で温度を検出できる赤外線センサーを使用しているにも関わらず、内鍋内の調理物である水や飯の温度を、内鍋を介して間接的に検出するものである。
つまり、調理物を直接検知した温度ではなく、内鍋を介して検知した間接的な温度を用いて炊飯器の制御を行うことから、調理物の正確な温度に則した、細かな炊飯制御を行うことが難しいという課題があった。
以下、図1〜図4を参照して、実施の形態1について説明する。
図1に示すように、本実施の形態における電気炊飯器Sは、略有底筒状の炊飯器本体1と、炊飯器本体1の内部の鍋収納部1aに収納される磁性を有する金属材から形成された内鍋2と、炊飯器本体1の開口部を開閉可能に炊飯器本体1にヒンジ軸3aを介して回動自在に取り付けられる上蓋5と、上蓋5の内側(内鍋2の開口2aを覆う側)に着脱自在に取り付けられて、内鍋2の開口部を密閉可能な盤状の内蓋8と、内鍋2を電磁誘導加熱する加熱手段であるコイル3や胴ヒーター4を有している。
この底温度センサー15は、内鍋2を鍋収納部1aに収納した際に、内鍋の底部に当接可能に構成されている。
尚、「当接可能」とは、温度センサー15が開口1dから常に上方へ一定寸法だけ突出するように下方からバネ(図示せず)で押し上げられていることによって、内鍋2が前記鍋収納部1aに正しくセットされた場合は、その内鍋2の外側底面に接するということである。
また、本体ケース1kの前壁に望む位置に設けられた解除ボタン1Lを押下することにより、前述したフック同士の係合が解除され、上蓋5を開放することが可能となる。
この制御手段13は、例えば、上蓋5に設けられた操作基板10に配置された押しボタンなどの操作手段(図示せず)を、使用者が操作することで発せられる信号に基づき、各部および各装置の駆動制御を行う。
また、蒸らし工程や、保温工程などでは、蓋温度センサー(図示せず)からの信号を読み込み、後述する蓋ヒーター6の通電制御をしている。このように、複数のセンサーにより複数の加熱源を通電制御することで、おいしいご飯が炊飯できる。
上蓋5の内部には、炊飯時に水面や調理物の温度を直接検知する温度検知手段である赤外線センサー部20や、表示部や入力手段を備えた操作基板10が設けられている。これら各部は、炊飯中や保温工程で発生する蒸気が、内部に浸入しないよう周辺部をパッキン等でシールされている。
この放熱板7の上蓋5の下部開口5cと上下に重なる位置には、後述する上蓋5に取り付けられた赤外線センサー20が望む放熱板開口7bが開口している。
これにより、内蓋8が暖められ、下面に水滴が留まりにくく構成されている。尚、蓋ヒーター6は、電磁誘導加熱を用いたものでも良い(図4参照)。
また、内蓋8が上蓋5に取り付けられた際に、放熱板7の放熱板開口7bと上下に重なる位置には、後述する上蓋に取り付けられた赤外線センサーが内鍋2の内部の温度を直接検知することができるように、開口8aが形成されている。
尚、内蓋8は、上蓋5を垂直状態まで開いた状態でも、内鍋2に重なるようにその上面開口を閉鎖した状態でも、上蓋5から脱落しないように、フックなどで係合支持されており、このフックの係合を外せば、内蓋8は上蓋5から取り外しが可能である。
図2は、図1のA部が示す上蓋5の要部断面図である。
赤外線センサー部20は、温度を検知する対象物から放射される赤外線を受光して対象物の温度に応じた電圧を発生させる温度検知手段であるサーモパイル21と、サーモパイル21が実装されるプリント基板22と、サーモパイル21の温度(赤外線)を検知する視野を規制し温度検知の対象を絞るプローブ部23と、サーモパイル21を水蒸気やおねばから守るフィルター26及び内パッキン27から構成されている。
このサーミスタ21aは、サーモパイル21が検知した温度が絶対温度ではないことから、サーモパイル21が検知した温度を補償(補正)する基準となるサーモパイル21の雰囲気温度、つまり、サーモパイル21の温度を計測する温度検知手段である。
つまり、サーモパイル21の雰囲気温度を検出し、サーモパイル21が検知した温度から雰囲気温度による影響を補正することで排除し、より正確な温度を求める為のものである。
外プローブ24は、異なる直径の円筒を上下に重ねた形状であり、外段部24cと内段部24dが形成されている。また、直径が小さな円筒側の端には、略中央部に透孔24bが空けられた底部24aが形成されており、直径の大きな円筒側の開口端には、先端に係合爪24eが形成された脚部24fが設けられている。
この様に各部が構成された外プローブ24は、非導電性の耐スチーム性に優れた耐熱PPなどの樹脂により形成されている。
また、外プローブ24の形状は、後述するサーモパイル21の温度を検知する視野にかからない様に構成されている。
また、直径が小さな円筒側の端には、略中央部に透孔25bが空けられた底部25aが形成されている。この透孔25bは、外側の開口より内側の開口を大きくすることで、外側から内側に広がる円錐形状となっている。
この透孔5aの開口は、内プローブ25が各部と組み立てられた際に、サーモパイル21の温度検知の視野が、内パッキン27や外プローブ24にかからないように構成されている。
特に、シリコンの単結晶体は、赤外線の透過率が高いことに加え、撥水性があることから、炊飯中に付着したおねばなどが、炊飯工程中に生じる蒸気で洗い流されるので、汚れが堆積しにくく、フィルター26の部材として適している。
また、内パッキン27は、シリコンなどの弾性を有する材料で構成され、サーモパイル21の視野にかからない様に、中心部に穴が開いたリング形状となっている。
まず、外プローブ24の底部24aに内パッキン27が設けられ、この内パッキン27に重なるように、フィルター26が配置される。そして、内プローブ25がフィルター26に接するように、透孔25bが空けられた底部25a側から外プローブ24の内部に挿入される。
つまり、フィルター26と内パッキン27は、外プローブ24と内プローブ25に挟み込まれた状態となる。また、外プローブ24の透孔24bと内プローブ25の透孔25bとサーモパイル21の開口21bは、それぞれ上下に連通した位置関係となる。
即ち、内パッキン27とフィルター26と内プローブ25が、外プローブ24に単に配置された状態においては、上記の大きさの関係から、外プローブ24の開口端24iから内プローブ25が突出した状態となる。
プリント基板22には、外プローブ24の係合爪24fと係合する取り付け開口22aが形成されている。この開口22aに、係合爪24fが形成された脚部24eを挿入することにより、プリント基板22に外プローブ24が係合されて、取り付けられる。
これにより、透孔24bから内プローブ25やサーモパイル21やプリント基板22が位置している側への蒸気やおねばの侵入の防止効果を高めることができる。従って、上記のように蒸気やおねばの侵入の防止効果が高いので、内プローブ25は、必ずしも耐スチーム性に優れた材料で構成する必要がなくなる。
本実施の形態の場合、サーモパイル21のケース21cが、内プローブ25の底部25aに突き当たると共に、外周が内プローブ25の内壁に密着して配置されている。
即ち、サーモパイル21の温度検知の視野にかかる内プローブ25の部分の温度が、サーモパイル21に内蔵されたサーミスタ21aの温度に近づくことができるように構成されている。
まず、赤外線センサー20は、上蓋5の下部5bに形成された下部開口5cに、外プローブ24の透孔24b側から挿入され、上蓋5に取付けられる。尚、下部開口5cには、内部に開口内方に突出する段部5d形成されているので、外プローブ24の外段部24cを上方より受けて保持する。
この状態で、放熱板開口7b周縁と赤外線センサー20の間には、外パッキン7aが介在している。これにより、放熱板開口7bから赤外線センサー20側へ、蒸気などが侵入しないようにシールされている。
これにより、上蓋5と基板室カバー5eとに囲まれた内部に、蒸気などが侵入しにくい基板室が形成されている。
尚、図4に示すように、開口部8aは外パッキン7bの外径よりも小さく、かつサーモパイル21の視野よりも大きく、赤外線センサー部20が内鍋内の水温や飯温を検知可能に構成されている。
外プローブ24や内パッキン27や外パッキン7aなどは、サーモパイルの温度検知の視野を妨げない形状とすることにより、サーモパイル21の温度検知の視野の外にこれら部材が位置するので、サーモパイルはこれら部材の温度を検知することはない。
しかし、サーモパイル21は内プローブ25内に配置されている為、どうしてもサーモパイル21の温度検知の対象視野内に、内プローブ25の内壁(例えば、透孔25bのない壁面など)が入ってしまい、検知したい対象の温度の他に、内プローブ25の内壁の温度も検知してしまう。
従って、内プローブ25のサーモパイル21の視野にかかる部分の温度を、サーモパイル21に内蔵されたサーミスタ21aが検知する温度に近づけることができる。
これにより、サーモパイル21の視野にかかっている内プローブ25の温度を検出したことによる誤差は、サーミスタ21aの検出した温度で補正することにより、影響を排除することができ、検知対象物の温度測定の検出精度を向上させることができる。
よって、上記の赤外線センサー20を電気炊飯器に用いることにより、調理物の温度を直接正確に検知することが可能なので、正確な温度に基づく決め細やかな炊飯制御を行うことができ、よりおいしいご飯を炊飯することが可能である。
これにより、蓋ヒーター6の温度制御の為に、別途温度検知手段を設ける必要がなく、部品点数を削減することが可能となる。
即ち、蒸気に触れる部分を構成する耐スチーム性である樹脂で構成された第1のプローブ34(下プローブ)と、サーモパイル21に接し、視野にかかる部分を構成する熱伝導性の良い樹脂部材で構成した第2のプローブ35(上プローブ)とのふたつでプローブ33を構成し、その間にフィルター36とシール部材37を設けても良い。
また、シール部材37は、シリコンパッキンに限らず、OリングやシリコンRTVによる接着などでも良い。
次に、図6を参照して実施の形態2を説明する。
本発明の実施の形態2は、実施の形態1における赤外線センサー20の内プローブ25を金属で構成したものである。内プローブ25を樹脂などの材料に比べて熱伝導率の大きい金属で構成することで、更に、サーモパイル21と内プローブ45の温度差を低減することが可能となり、より高精度の赤外線センサー20を得ることができる。
また、内プローブ45が金属なので、ノイズに対してもシールド部材としての役割を果たし、高精度の赤外線センサーを得ることが出来る。
また、内プローブ45をアルミなどの非磁性材料で構成することで、ノイズに対してのシールド部材としての効果も同時に得ることができる。
従って、内プローブ45を形成する工数を低減でき、構成を簡略化できると共に、コストダウンを実現できる。
尚、赤外線センサー20の外郭部である充電部との絶縁性を確保する為であれば、内プローブ45を樹脂で形成し、外プローブ44を金属で形成してもよい。
6 蓋ヒーター、8 内蓋、10 操作基板、13 制御手段、15 底温度センサー
20 赤外線センサー部、21 サーモパイル、21aサーミスタ、
23,33,43 プローブ部、24,44 外プローブ、25,45 内プローブ
34 下プローブ、35 上プローブ、26 フィルター、27 内パッキン
Claims (9)
- 本体と、該本体に着脱自在に収納される内鍋と、該内鍋を加熱する加熱手段と、該加熱手段を制御する制御手段と、前記内鍋の上部開口を開閉自在に覆う上蓋と、該上蓋に設けられ前記内鍋内部の調理物の温度を検知する赤外線センサー部を有し、
前記赤外線センサー部は、サーモパイルと、該サーモパイルの温度を検知するサーミスタと、前記サーモパイル及び前記サーミスタを内部に配置するプローブ部を有し、
前記上蓋には、該上蓋に取付けられる内蓋を温める蓋ヒーターが設けられ、該蓋ヒーターへの通電制御は、前記サーミスタが検知した温度に基づいて行うことを特徴とする電気炊飯器。 - 前記プローブ部は、非導電性の材料からなる第1のプローブと、前記サーモパイルの温度を検知する視野を形成する第2のプローブから構成され、
前記第2のプローブは、前記第1のプローブより熱伝導率の大きい材料で構成されたことを特徴とする請求項1に記載の電気炊飯器。 - 前記第2のプローブは、前記サーモパイルに接触させたことを特徴とする請求項2に記載の電気炊飯器。
- 前記第1のプローブは前記プローブ部の外郭を形成し、前記第2のプローブは前記第1のプローブの内部に配置され、前記サーモパイル及び前記サーミスタは前記第2のプローブの内部に配置されることを特徴とする請求項2又は請求項3のいずれかに記載の電気炊飯器。
- 前記第2のプローブは、金属で構成されていることを特徴とする請求項2乃至4に記載の電気炊飯器。
- 前記第2のプローブは、非磁性の金属であることを特徴とする請求項5に記載の電気炊飯器。
- 前記第1のプローブはPP樹脂で構成され、前記第2のプローブはPPS樹脂で構成されていることを特徴とする請求項2乃至4に記載の電気炊飯器。
- 前記第1のプローブと前記第2のプローブとの間には、赤外線を透過可能なフィルターと、シール部材が介在することを特徴とする請求項2乃至7に記載の電気炊飯器。
- 前記フィルターは、撥水性を有する部材であることを特徴とする請求項8に記載の電気炊飯器。
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