JP5491968B2 - 条鋼の製造方法 - Google Patents
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Y(体積%)>11.0×ln(3.0×[Cr])…(1)
但し、Y:炉内雰囲気中の水蒸気濃度、[Cr]:条鋼中に含まれるCrの含有量(質量%)
[界面Cr]=30×[Cr]×Exp(−0.091×Y)
Y(体積%)>11.0×ln(3.0×[Cr])…(1)
但し、Y:炉内雰囲気中の水蒸気濃度、[Cr]:条鋼中に含まれるCrの含有量(質量%)
Cは鋼材の強度を高めるのに必要な元素であり、そのためには0.1%以上含有させる必要がある。しかしながら、C含有量が過剰になると冷間加工性が低下するので2.0%以下とする必要がある。尚、C含有量の好ましい下限は0.2%以上(より好ましくは0.5%以上)であり、好ましい上限は1.5%以下(より好ましくは1.1%以下)である。
Siは鋼材の強度を確保する上で重要な元素であり、そのために最低限必要なSi含有量として0.1%以上とする。しかしながら、Si含有量が過剰になると延性を損なうので0.5%以下とする必要がある。尚、Si含有量の好ましい下限は0.15%以上(より好ましくは0.2%以上)であり、好ましい上限は0.4%以下(より好ましく0.35%以下)である。
Mnは鋼材の強度を確保する上で重要な元素であり、そのために最低限必要なMn含有量として0.01%以上とする。しかしながら、Mn含有量が過剰になると延性を損なうので3%以下とする必要がある。尚、Mn含有量の好ましい下限は0.1%以上(より好ましくは0.2%以上)であり、好ましい上限は2.0%以下(より好ましくは1.0%以下)である。
Crは鋼材に強度を付与するために必要な元素であり、Cr含有量が0.5%未満では鋼部品の強度が不足することになる。しかしながら、Cr含有量が多くなり過ぎると、延性を損なうので、3%以下とする必要がある。尚、Cr含有量の好ましい下限は0.8%以上(より好ましくは0.9%以上)であり、好ましい上限は2.0%以下(より好ましくは1.7%以下)である。
Sは硫化物系介在物MnSを形成し、これが鋼材の熱間圧延時に偏析することによって、鋼材を脆化させるので、できるだけ抑制することが好ましい。こうした観点から、S含有量は0.05%以下とすることが好ましい。S含有量は、より好ましくは0.025%以下であり、更に好ましくは0.015%以下であるが、量産工程で製造する観点からは、0%とすることは困難である。
Cuは、1356Kで液相となり、熱間圧延での変形中にオーステナイト結晶粒界に侵入し、表面割れを発生させるため、できるだけ低減することが好ましい。こうした観点から、Cu含有量は0.3%以下とすることが好ましい。Cu含有量はより好ましくは0.1%以下であり、更に好ましくは0.01%以下である。
Niは鋼材表面に不均一に濃化し、スケール表面の凹凸を大きくしてスケール剥離性を悪化させるため、0.3%以下に抑制することが好ましい。Ni含有量は、より好ましくは0.2%以下であり、更に好ましくは0.05%以下である。
Moは、鋼材の強度を向上させる上で有用な元素である。しかしながら、過剰に含有すると鋼材の延性を劣化させるので、0.4%以下とすることが好ましい。上記効果を発揮させるためには、Mo含有量は0.10%以上(より好ましくは0.15%以上)とすることが好ましい。Mo含有量のより好ましい上限は0.35%以下(更に好ましくは0.30%以下)である。
下記表1に示す各種化学成分組成(鋼種A〜D)のビレットを溶製した。このビレットから、サイズ8mmφ×12mmLに切削加工、表面研磨し、表層に脱炭層の無いサンプルを作製した。
[加熱炉内条件]
保持温度T1:850〜950℃
保持時間t1:5〜120分
前記表1に示した各種化学成分組成(鋼種A〜D)のビレットを溶製した。このビレットから、サイズ8mmφ×12mmLに切削加工、表面研磨し、表層に脱炭層の無いサンプルを作製した。
[加熱炉内条件]
保持温度T1:850〜950℃
昇温速度V(加熱炉保持温度T1から抽出温度T2までの昇温速度):1〜5℃/秒
保持時間t1:120分
抽出温度T2:1125〜1200℃
下記表5に示す各種化学成分組成(鋼種A〜C、E〜G)のビレットを溶製した(このうち、鋼種A〜Cについては、表1と同じ)。このビレットから、サイズ8mmφ×12mmLに切削加工、表面研磨し、表層に脱炭層の無いサンプルを作製した。
[加熱炉内条件]
保持温度T1:900℃
昇温速度V(加熱炉保持温度T1から抽出温度T2までの昇温速度):5℃/秒
保持時間t1:120分
抽出温度T2:1050℃
前記表5に示した各種化学成分組成(鋼種A〜C、E〜G)のビレットを溶製した。このビレットから、サイズ8mmφ×12mmLに切削加工、表面研磨し、表層に脱炭層の無いサンプルを作製した。
[加熱炉内条件]
保持温度T1:825℃または900℃
昇温速度V:3℃/秒または10℃/秒、
保持時間t1:120分
抽出温度T2:950℃、1150℃
Claims (4)
- C:0.1〜2.0%(質量%の意味、化学成分について以下同じ)、Si:0.1〜0.5%、Mn:0.01〜3%、Cr:0.5〜3%を夫々含み、残部が鉄および不可避不純物からなる条鋼の製造方法であって、
熱間圧延を行う前に、加熱炉内にてビレットを維持し、水蒸気濃度Yが下記(1)式の関係を満足する濃度、酸素濃度が5.0体積%以下となる窒素雰囲気で、前記ビレット表面および内部を800℃以上、900℃以下で加熱し、次いで上記窒素雰囲気中にて、昇温速度:3℃/秒以上で、加熱炉からの抽出温度:925〜1150℃まで急速加熱を行うことを特徴とする条鋼の製造方法。
Y(体積%)>11.0×ln(3.0×[Cr])…(1)
但し、Y:炉内雰囲気中の水蒸気濃度、[Cr]:条鋼中に含まれるCrの含有量(質量%) - C:0.1〜2.0%、Si:0.1〜0.5%、Mn:0.01〜3%、Cr:0.5〜3%を夫々含み、残部が鉄および不可避不純物からなる条鋼の製造方法であって、
熱間圧延を行う前に、加熱炉内にてビレットを維持し、水蒸気濃度Yが下記(1)式の関係を満足する濃度、酸素濃度が5.0体積%以下となる窒素雰囲気で、前記ビレットの表面温度が800℃以上、900℃以下となるように加熱し、その後再加熱せずに熱間圧延を行うことを特徴とする条鋼の製造方法。
Y(体積%)>11.0×ln(3.0×[Cr])…(1)
但し、Y:炉内雰囲気中の水蒸気濃度、[Cr]:条鋼中に含まれるCrの含有量(質量%) - 条鋼が更に他の元素として、Mo:0.4%以下(0%を含まない)を含有するものである請求項1または2に記載の製造方法。
- 前記条鋼は、軸受け鋼または機械構造用鋼として用いられるものである請求項1〜3のいずれかに記載の製造方法。
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