JP5458374B2 - 制振システム - Google Patents
制振システム Download PDFInfo
- Publication number
- JP5458374B2 JP5458374B2 JP2009161833A JP2009161833A JP5458374B2 JP 5458374 B2 JP5458374 B2 JP 5458374B2 JP 2009161833 A JP2009161833 A JP 2009161833A JP 2009161833 A JP2009161833 A JP 2009161833A JP 5458374 B2 JP5458374 B2 JP 5458374B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- vibration
- support beam
- inertia mass
- beams
- damping
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Images
Landscapes
- Building Environments (AREA)
- Vibration Prevention Devices (AREA)
Description
しかし、この振動低減機構では複数の梁を対象として制振する場合や床面を広範囲で制振するような場合には多数の梁に対してそれぞれ付加梁を設置しなければならず、そのため多数の付加梁の設置スペースを確保する必要があるばかりでなく施工が煩雑となってコストも嵩むものとなるので、その点での有効な改善策が必要とされている。
すなわち、本実施形態では、図1(b)、(c)に示すようにY方向の大梁3は通常の充腹のH形鋼とされているが、その大梁3の腹部(ウエブ)には支持梁5との交差部にそれが緩挿状態で貫通可能な貫通口(図示略)が形成されており、支持梁5はその貫通口内を単に挿通するのみで大梁3に対しては接合されておらず、それにより貫通口の範囲内で大梁3と支持梁5とは上下方向の相対振動が許容されるようになっている。
回転慣性質量ダンパー7は大梁3A、3Bと支持梁5との間で生じる上下方向の相対振動をボールねじ機構等の伝達機構を介して小質量の錘を回転させるものであり、それにより生じる大きな回転慣性質量を制動力として利用して制振効果を得るものである。
すなわち、各制振機構6の固有振動数は、各回転慣性質量ダンパー7による回転慣性質量と、それに付設されている各付加ばね8の剛性と、各制振機構6を支持している上記の支持梁5の剛性とにより定まるので、それらの諸元を適正に設定することにより各制振機構6の固有振動数をそれぞれが制振対象としている大梁3Aまたは大梁3Bの制振対象振動数に同調させることができ、それによりそれら制振機構6および支持梁5とにより構成される制振システムの全体がTMDとして機能して各大梁3A、3Bに対する優れた制振効果が同時に発揮されるのである。
したがって、本実施形態の制振システムにおける各制振機構6の固有振動数をそれぞれの制振対象である各大梁3A、3Bの制振対象振動数に同調させることによって、それら大梁3A、3Bに対する制振効果が同時に得られるものとなる。
本設計例は、(a)にハーフモデルとして示す片コア形式の建物における床組を対象として、そのコーナー部の領域(斜線を付した範囲)の床における歩行時の床振動を低減させることを目的とする。そして、その領域内に架設されている3本のY方向の大梁3A,3B,3Cを制振対象として、(b)に示すようにそれら大梁3A,3B,3Cに交差するように支持梁5を架設して各交差部(符号A,B,Cを付して示した3個所)にそれぞれ制振機構6を設置した。
各制振機構6の諸元を(c)に示すように設定し、A部およびB部に設置した制振機構6の固有振動数を1次モード固有振動数に同調させ、C部に設置した制振機構6の固有振動数は2次モード固有振動数に同調させた。
なお、それぞれの制振機構6におけるボールねじ機構のリードは10mm、回転慣性質量ダンパー7による回転慣性質量(付加質量)は1台当たり2ton程度であるが、実際の錘の質量は2kg程度である。
また、適切な直列ばね値を実現するため、別途、支持梁5上のダンパー位置を静的に載荷して支持梁5のばね値を求め、このばね値と付加ばね8を直列配置したときに適切な直列ばね値と一致するように付加ばねを設置した。
載荷点の加速度波形の1/3オクターブバンド分析結果を図4に示す。(a)は制振システムなし、(b)は本発明の制振システムありの場合であり、居住性の評価レベル(日本建築学会「建築物の振動に関する居住性能評価指針・同解説」2004)として最大V-90レベルがV-30レベルになり、本発明の制振システムにより歩行振動に対する居住性能の大幅な改善が確認できた。
たとえば、上記設計例のように複数の制振機構の固有振動数を互いに異なる制振対象振動数(上記設計例の場合には1次モードと2次モードの固有振動数)に同調させることにより、単一の振動数領域のみならず複数の振動数領域の振動に対する制振効果が同時に得られるが、それに限るものではなく、全ての制振機構の固有振動数を共通の制振対象振動数(たとえば1次モード固有振動数)に同調させることでも勿論良い。
なお、上記実施形態のように支持梁を制振対象の梁の腹部を貫通させた状態で交差させる場合には、制振対象の梁の梁成の範囲内に支持梁を設置できるので格別の設置スペースを必要としないが、あるいは特許文献2に示されているように制振対象の梁と支持梁とを上下2段をなすように交差させて架設する、つまり支持梁を制振対象の梁の下方あるいは上方を通過させた状態で交差させ、その交差部に制振機構を介装することも考えられる(但し、その場合は支持梁の梁成相当分だけ有効階高が小さくなる)。
2 外周梁
3 大梁
3A,3B,3C 大梁(制振対象の梁)
4 小梁
5 支持梁
6 制振機構
7 回転慣性質量ダンパー
8 付加ばね
Claims (4)
- 平行に架設される複数の梁を対象として各梁の上下方向の振動を制御するための制振システムであって、
制振対象の各梁と相対振動可能な状態で交差する支持梁を設置して、該支持梁と各梁との交差部にそれらの間に生じる上下方向の相対振動によって作動する制振機構をそれぞれ設置し、
前記各制振機構を、前記相対振動によって錘が回転して回転慣性質量を生じる回転慣性質量ダンパーと、該回転慣性質量ダンパーに対して直列に設置された付加ばねとにより構成するとともに、
各回転慣性質量ダンパーによる回転慣性質量と各付加ばねの剛性と前記支持梁の剛性とより定まる各制振機構の固有振動数をそれぞれの制振対象振動数に同調させることを特徴とする制振システム。 - 請求項1記載の制振システムであって、
各制振機構による制振対象振動数を互いに異なるように設定することを特徴とする制振システム。 - 請求項1または2記載の制振システムであって、
前記支持梁を制振対象の各梁の腹部を貫通して架設することを特徴とする制振システム。 - 請求項1,2または3記載の制振システムであって、
前記支持梁をトラス梁ないしラチス梁とすることを特徴とする制振システム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009161833A JP5458374B2 (ja) | 2009-07-08 | 2009-07-08 | 制振システム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009161833A JP5458374B2 (ja) | 2009-07-08 | 2009-07-08 | 制振システム |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2011017167A JP2011017167A (ja) | 2011-01-27 |
JP5458374B2 true JP5458374B2 (ja) | 2014-04-02 |
Family
ID=43595134
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2009161833A Active JP5458374B2 (ja) | 2009-07-08 | 2009-07-08 | 制振システム |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5458374B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5327647B2 (ja) * | 2010-02-01 | 2013-10-30 | 清水建設株式会社 | 制震構造 |
JP5725331B2 (ja) * | 2011-02-10 | 2015-05-27 | 清水建設株式会社 | 梁の振動低減機構 |
JP7198002B2 (ja) * | 2018-06-21 | 2022-12-28 | 大和ハウス工業株式会社 | 床振動評価方法及び床振動評価システム |
Family Cites Families (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002356940A (ja) * | 2001-06-04 | 2002-12-13 | Shimizu Corp | 制振構造、制振装置 |
JP2004044748A (ja) * | 2002-07-15 | 2004-02-12 | Mitsubishi Heavy Ind Ltd | 上下免震装置 |
JP4936175B2 (ja) * | 2006-08-30 | 2012-05-23 | 清水建設株式会社 | 振動低減機構およびその諸元設定方法 |
JP5218805B2 (ja) * | 2006-11-01 | 2013-06-26 | 清水建設株式会社 | 振動低減機構およびその諸元設定方法 |
-
2009
- 2009-07-08 JP JP2009161833A patent/JP5458374B2/ja active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2011017167A (ja) | 2011-01-27 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5062561B2 (ja) | 振動低減機構およびその諸元設定方法 | |
JP2013504700A (ja) | 建物用構造防護システム | |
JP2009007916A (ja) | 制振構造およびその諸元設定方法 | |
JP5190652B2 (ja) | 振動低減機構およびその諸元設定方法 | |
JP5403372B2 (ja) | トラス梁の構造 | |
JP5458374B2 (ja) | 制振システム | |
JP5725331B2 (ja) | 梁の振動低減機構 | |
JP4743439B2 (ja) | 振動低減機構およびその諸元設定方法 | |
JP6143064B2 (ja) | 大スパン架構建物の制振構造 | |
JP5777044B2 (ja) | 梁の振動低減機構 | |
JP5146770B2 (ja) | 制振構造およびその諸元設定方法 | |
JP2011174298A (ja) | 構造体の連結制震構造 | |
JP2009155801A (ja) | 制振構造 | |
JP6456774B2 (ja) | 制振構造 | |
JP6674240B2 (ja) | 免制振併用構造物 | |
JP5251936B2 (ja) | 構造物の制振構造 | |
Keerthana et al. | Seismic response control using base isolation strategy | |
JP5146754B2 (ja) | 制振構造物 | |
JP5586566B2 (ja) | 制震構造物 | |
JP7037320B2 (ja) | 制振建物 | |
JP5483097B2 (ja) | 制振構造 | |
JP5327647B2 (ja) | 制震構造 | |
JP2005090101A (ja) | 制震構造物 | |
JP2014156707A (ja) | 制振構造 | |
JP2010242450A (ja) | 制振方法、制振構造、及び耐震補強方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20120210 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20130325 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20130402 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20131126 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20131225 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 5458374 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |